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JP4691573B2 - プリント配線板及びそのプリント配線板の製造方法並びにそのプリント配線板の製造に用いる銅張積層板用電解銅箔 - Google Patents
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JP4691573B2 - プリント配線板及びそのプリント配線板の製造方法並びにそのプリント配線板の製造に用いる銅張積層板用電解銅箔 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板及びそのプリント配線板の製造方法並びにそのプリント配線板の製造に用いる銅張積層板用電解銅箔に関する。
近年の携帯電話、パーソナルコンピューター、ミュージックプレイヤーやポータブルゲーム機等のモバイル機器の普及に伴い、電子機器の軽薄短小化の傾向が続いている。そして、これらのモバイル機器には映像表示機能を備える機種が多く、種々の表示装置が採用されているが、液晶ディスプレイパネルが主流となっている。この液晶ディスプレイパネルのドライバーICやLSI等の電子部品を実装する方式として、COF(Chip On Film)テープ、TCP(Tape Carrier Package)テープ、BGA(Ball Grid Array)テープ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)テープなどの電子部品実装用フィルムキャリアテープ(以下、単に「フィルムキャリアテープ」又は「TAB(Tape Automated Bonding)テープ」と言う。)やFPC(Flexible Printed Circuit)を用いた実装方式が採用されている。従って、これらのプリント配線板には、より一層の微細配線が要求される。
上述のCOFテープ等の製造では、銅を主な導体として用い、エッチング法により配線を形成している。ここで形成する配線を微細化して、後の表面実装を容易にするには、配線のエッチングファクターを大きくすることが要求される。そのため、オーバーエッチング時間の設定を短くする必要があり、配線を形成する銅層の絶縁基板との接着面を平滑にして、且つ薄い銅層を採用することが試みられてきた。即ち、電解銅箔では、その製造工程で各種有機系添加剤を用い、銅の結晶粒径を小さくして、絶縁基板との接着面のロープロファイル化が図られてきた。しかし、絶縁基板との接着面を平坦にしても、エッチングの過程で発生するアンダーカット現象により、形成される配線のトップ幅は、ボトム幅よりも狭くなってしまう。従って、COFテープ等の配線ピッチをさらに狭くしていくと、デバイスの接続に必要なトップ幅を確保できなくなってしまう。即ち、従来以上にエッチングファクターが良好な配線を形成しなければ、配線の微細化には対応できなくなってしまう。
一方、COFテープ、TCPテープなどのTABテープやFPCといったフレキシブルプリント配線板は、折り曲げた状態で電子機器などに搭載されたり、繰り返し曲げ動作を行う場合がある。また、これらの配線板が輸送中の振動を受けたり、電子機器の稼働に伴う振動を受けると、耐屈曲性に劣る導体で配線を構成した場合には、配線の折り曲げ部等で断線が発生する傾向がある。
また、TABテープに代表される液晶駆動用ドライバーの歴史を見ると、当初から耐屈曲性は求められていた。しかし、前述のように、配線の微細化が優先され、電解銅箔の結晶粒径を微細化して絶縁基板との接着面を低プロファイル化してきたのである。このように銅の結晶粒径が小さくなれば、引張り強さは大きくなるが、伸び率が低下する傾向が現れる。即ち、結晶粒界に偏在すると考えられる添加剤類の影響を受け、加熱してもアニール効果が得られ難くい銅箔が用いられてきた。このように、耐屈曲性を犠牲にしても、微細回路の形成能が優先されてきた。しかし、例えば、液晶パネルでは、フレームの面積を小さくするため、TABテープの出力側配線部を液晶パネル端部で折り返して液晶パネルの配線に接続することが行われており、現在では耐屈曲性が従来以上に要求される傾向が強まっていると考えることができる。
そして、エッチングファクターを良好にする技術としては、特許文献1に、微細ピッチの配線パターンを好適に形成可能なプリント配線板用銅張板及びこれを用いたプリント配線板を提供するために、銅箔の結晶粒の粒径が銅張板表面から絶縁ベース材側に向う厚み方向に順次小さくなる構造のプリント配線板用銅張板を構成し、このような構造を有するプリント配線板用銅張板に対してサブトラクティブ工法を施す技術が開示されている。
また、特許文献2には、エッチングファクターの高いフォトエッチングを可能とする銅箔及びその作製方法、エッチング方法、銅箔パターン、保存方法を提供することを目的として、低い電流密度から高い電流密度へとメッキ電流密度を連続的に制御したメッキによって、昜エッチング構造を有する銅箔から難エッチング構造を有する銅箔へと異なった構造を有する銅箔が連続的又は段階的に形成し、難エッチング構造を有する銅箔側からエッチングを行い、構造傾斜銅箔のパターンを形成するにあたり、パターンに170℃、30分以上の熱処理を施し、構造傾斜の状態を緩和させた銅箔パターンが開示されている。
確かに、上記特許文献1及び特許文献2に開示の技術を用いれば、同じ厚さの導体層を用いる限りに於いては、良好なエッチングファクターを示す配線の形成が可能である。
特開2003−324258号公報 特開2004−190073号公報
しかしながら、上述の特許文献に開示の技術内容を、モバイル機器の液晶ドライバー用配線板等の配線に適用しても、上述の如き配線の断線の危険性が減少するわけではない。
従って、リジッドプリント配線板及びフレキシブルプリント配線板(以下、これらの全てを総称する場合には、単に「プリント配線板」と称する。)の配線において、良好なエッチングファクターを維持しての微細化が可能な技術が要求されてきた。そして、COFテープ、TCPテープやFPCでは、配線の微細化と同時に耐屈曲性の改善された製品が要求されてきた。
そこで、本発明者等は、プリント配線板における配線の微細化と、フレキシブルプリント配線板とした場合の耐屈曲性とを両立させることを目的として、以下の発明に想到した。
本発明に係るプリント配線板:
本発明に係るプリント配線板は、絶縁基板の表面に配線を形成したプリント配線板であって、
当該配線は、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成を備え、当該第1銅層側が前記絶縁基板と張り合わせられ、
該第1銅層の銅の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満の範囲内にあり、該第2銅層の銅の平均結晶粒径が1.0μm〜5.0μmの範囲内にあることを特徴としている。
本発明に係るプリント配線板においては、前記第1銅層が平均結晶粒径0.1μm以上1.0μm未満であり、第2銅層が平均結晶粒径1.0μm〜5.0μmであることが好ましい。
本発明に係るプリント配線板においては、前記第2銅層の厚さは、前記第1銅層の厚さの5%〜500%の厚さであることが好ましい。
本発明に係るプリント配線板においては、前記第2銅層は、n層(但し、n≧1)のサブ金属層で構成され、第nサブ金属は、第(n−1)サブ金属層の平均結晶粒径よりも大きな平均結晶粒径を備えることも好ましい。
そして、本発明に係るプリント配線板は、前記配線は、その任意の位置における横断面形状において、当該配線の厚さをTc、配線上面のトップ幅をWt、配線下面のボトム幅をWbとしたときに、以下の数式(1)で計算して得られるエッチングファクターが2.5以上であることを特徴としている。
本発明に係るプリント配線板においては、絶縁基板にフレキシブルプリント配線板用基材を用いることで、可撓性を備え、曲げ加工が可能なプリント配線板となる。
また、本発明に係るプリント配線板において、絶縁基板にリジッドプリント配線板用基材を用いることで、板状のリジット系のプリント配線板となる。
本発明に係るプリント配線板の製造方法:
本発明に係るプリント配線板の製造方法は、以下の工程A〜工程Dを含むことを特徴とするものである。説明の都合上、第1製造方法と称する。
工程A:絶縁基板の表面に、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成の導体層を備え、該第1銅層の銅の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満であり、該第2銅層の銅の平均結晶粒径が1.0μm〜5.0μmの範囲内にあり、且つ、当該第1銅層側を前記絶縁基板と張り合わせた金属張積層板を準備する工程。
工程B:前記の導体層の第2銅層表面にエッチングレジストパターンを形成する工程。
工程C:前記エッチングレジストパターンを備える金属張積層板をエッチング処理してエッチングレジストパターンを形成していない部分の導体層を溶解除去して配線を形成する工程。
工程D:前記配線の表面に存在するエッチングレジストパターンを除去してプリント配線板を得る工程。
上記第1製造方法において、前記工程Aで用いる金属張積層板には、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成で、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備える電解銅箔を用い、その第1銅層側を絶縁基板と張り合わせた銅張積層板を用いることが好ましい。
また、上記第1製造方法において、前記工程Aで用いる金属張積層板には、第1銅層と170℃〜180℃で15分間以上の加熱を行うことにより再結晶化する第2銅層とが積層した層構成の電解銅箔で、金属張積層板の成型時にその第1銅層側に170℃〜180℃の温度を15分間以上負荷して絶縁基板と当該電解銅箔とを張り合わせることで、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備えるようにした銅張積層板を用いることも好ましい。
さらに、上記第1製造方法において、前記工程Aで用いる金属張積層板には、絶縁基板の上に無電解メッキ法で第1銅層を形成し、その第1銅層の上に、170℃〜180℃で15分間以上の加熱を行うことにより再結晶化する第2銅層を形成して導体層とし、その後170℃〜180℃の温度を15分間以上負荷して加熱することで、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備えるようにした銅張積層板を用いることも好ましい。
そして、上記第1製造方法において、前記第2銅層の形成には、硫酸酸性銅メッキ液を用いた電気銅メッキ法を採用し、当該硫酸酸性銅メッキ液には、銅濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、フリー硫酸濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、塩素濃度が5ppm〜50ppmのものを用い、当該硫酸酸性銅 メッキ液の1/2容量以上に対して活性炭処理を施したものを用いることが好ましい。
また、本発明に係る他の製造方法として、以下の工程a〜工程fを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法を採用することが好ましい。説明の都合上、第2製造方法と称する。
工程a:絶縁基板の表面に銅の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満の範囲内にある第1銅層のみを備える仮銅張積層板を製造する工程。
工程b:前記仮銅張積層板の第1銅層の表面にメッキレジストパターンを形成する工程。
工程c:前記仮銅張積層板のメッキレジストパターンが形成されていない第1銅層表面に銅メッキを施して配線形状の第2銅層を形成する工程。
工程d:前記メッキレジストパターンを除去して仮プリント配線板とする工程。
工程e:工程dで得られた仮プリント配線板を加熱処理して、前記第2銅層の結晶の平均結晶粒径を1.0μm〜5.0μmの範囲内に巨晶化させる工程。
工程f:その後、前記第2銅層の結晶を巨晶化させた仮プリント配線板をエッチング処理して、第2銅層の形成されていない部分の露出した第1銅層を溶解除去しプリント配線板とする工程。
この第2製造方法においては、前記第2銅層の形成には、硫酸酸性銅メッキ液を用いた電気銅メッキ法を採用し、当該硫酸酸性銅メッキ液には、銅濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、フリー硫酸濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、塩素濃度が5ppm〜50ppmのものを用い、当該硫酸酸性銅メッキ液の1/2容量以上に対して活性炭処理を施したものを用いることが好ましい。
前記第2製造方法においては、前記工程eにおける加熱処理は、170℃〜180℃の温度で15分間以上加熱することが好ましい。
本発明に係る電解銅箔:
本発明に係る電解銅箔は、前記金属張積層板の製造に用いる電解銅箔であって、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成を備え、175℃×15分間加熱後の第1銅層の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満であり、第2銅層の平均結晶粒径が1.0μm以上5.0μm以下であることを特徴としている。
本発明により得られるプリント配線板は、良好なエッチングファクターの配線を備えたものである。しかも、フレキシブルプリント配線板とした場合には、良好なエッチングファクターの配線を備えると同時に、良好な耐屈曲性を発揮する。従って、モバイル機器などの液晶ドライバー用配線板等の配線を微細化しても、断線の危険性が少ないものである。また、本発明に係るプリント配線板の製造方法は、上記プリント配線板を効率よく得る方法として最適なものである。
以下の本発明に係るプリント配線板及びプリント配線板の製造方法の形態に関して説明する。なお、当該製造方法に関しては、第1製造方法と第2製造方法とに分別して説明する。
<本発明に係るプリント配線板の形態>
本発明に係るプリント配線板は、絶縁基板の表面に配線を形成したプリント配線板であって、当該配線は、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成を備え、当該第1銅層側が前記絶縁基板と張り合わせられ、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備えるものである。このような層構成の配線を備えるプリント配線板は、後述する製造方法を用いることで、配線の微細化が容易で、フレキシブルプリント配線板とした場合には良好な耐屈曲性を得ることができるのである。
配線の外層側にある第2銅層の平均結晶粒径が、当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備えることで、フレキシブルプリント配線板とした場合の耐屈曲性能が飛躍的に向上する。ここで、フレキシブルプリント配線板に対し耐屈曲性試験を行い、繰り返し曲げ応力を負荷して回路断線に至るまでの過程を考える。繰り返し曲げ応力が負荷される場合、曲げに伴う変位量(伸び、収縮に伴う変位量)は、フレキシブルプリント配線板の断面内で考えると、その外表面に行くほど大きく、中心部に行くほど小さくなる。従って、フレキシブルプリント配線板の曲げ動作により、配線の外表面にマイクロクラックが生じ、繰り返し曲げを受けるうちに、結晶粒界に沿ってクラック伝播が起り、配線の破断に至ると考えるのが通常である。そこで、本発明に係るプリント配線板では、第2銅層の平均結晶粒径を大きくして、クラック伝播ルートとなる結晶粒界の少ない層とし、大きな伸び率を有する配線にすることを考えた。
従って、耐屈曲性のみを考えれば、第1銅層の平均結晶粒径も、第2銅層の平均結晶粒径と同様レベルにして、更なる屈曲性能の向上を図ることも可能である。しかしながら、金属層の結晶粒径を大きくするということは、ロープロファイル平面を形成するという目的とは相反するものとなる。そこで、本発明に係るプリント配線板の配線を構成する第1銅層の第1結晶粒径のみを、第2結晶粒径と比べて小さな結晶粒径とすることとして、導電層の絶縁樹脂基材との張り合わせ面のロープロファイル化を図り、エッチングファクターに優れた配線の形成が可能なようにしたのである。即ち、良好な耐屈曲性能と良好なエッチング特性とを同時に得ることのできたプリント配線板と言えるのである。
本発明に係るプリント配線板においては、前記第1銅層が平均結晶粒径0.1μm以上1.0μm未満であり、第2銅層が平均結晶粒径1.0μm〜5.0μmである。ここで言う平均結晶粒径とは、SEM(Scanning Electron Microscope)やFIB(Focused Ion Beam)装置、又は、金属顕微鏡を用い、配線厚みに対して200μm長さの断面をサンプリングして観察し、この範囲の各銅層に存在する結晶の長径と短径とを測定して平均した値である。ここで、平均結晶粒径が0.1μm未満の場合には、上記結晶粒径の観察方法のいずれを用いても正確な結晶粒径の測定が不能である。従って、第1銅層では、厳密な意味で平均結晶粒径が0.1μm未満を排除したものではない。これに対し、第1銅層の平均結晶粒径が1.0μm以上になると、結晶サイズの分布が広くなり、安定したエッチング速度を得ることが困難になる。第1銅層を構成する結晶の代表例を図1に示す。
そして、第2銅層の平均結晶粒径は、1.0μm〜5.0μmであることが好ましい。第2銅層における平均結晶粒径も、第2銅層に存在する結晶の長径と短径とを測定して平均した値である。当該平均結晶粒径が1.0μm未満の場合には、フレキシブルプリント配線板とした場合の耐屈曲性能を改善し得ない。一方、当該平均結晶粒径が5.0μmを超える場合には、エッチング加工速度が遅くなり、良好なエッチングファクターを備える配線として得られにくくなる。第2銅層を構成する結晶の代表例を図2に示す。
この様な第1銅層、第2銅層のそれぞれの層を構成する金属は、その不純物などの含有レベルを変えることで、異なるレベルの平均結晶粒径を備えるものにすることが可能である。更に、加熱することにより、結晶粒径の違いを明確にすることもできる。製造直後の結晶粒径がほぼ同一であっても、加熱による再結晶挙動が異なる結晶組織を作り分けることが可能だからである。この点に関しては、後述する製造方法において詳説する。
本発明に係るプリント配線板においては、前記第2銅層の厚さは、前記第1銅層の厚さの5%〜500%の厚さである。この厚さの関係を定めるにあたっては、第1銅層と第2銅層の平均結晶粒径のサイズが影響する。即ち、第2銅層の平均結晶粒径が最大の5.0μmとした場合に、第1銅層の平均結晶粒子径が最小の0.1μmの組み合わせを考えた場合に、それぞれの金属層のエッチング速度を考え合わせる。その結果、第2銅層の厚さが第1銅層の厚さの500%を超えると、金属張積層板の状態からエッチング加工する場合に、エッチングされやすい第1銅層側の浸食速度が速くなり、第1銅層と第2銅層とのエッチング状態が顕著に異なるようになり、回路断面で見たエッチングファクターが悪くなるため好ましくない。一方、前記第2銅層の厚さが前記第1銅層の厚さの5%未満の場合には、耐屈曲性能を改善し得ない。
本発明に係るプリント配線板においては、前記第2銅層は、n層(但し、n≧1)のサブ金属層で構成され、第nサブ金属層は、第(n−1)サブ金属層の平均結晶粒径よりも大きな平均結晶粒径を備える。前述のように第1銅層と第2銅層との平均結晶粒径の違いが大きく、厚みの比も大きい場合には、第1銅層の蝕刻が大きくなり、配線断面の観察で段差が観察されることがある。この様な場合は、第2銅層の第1銅層寄りの平均結晶粒径を第1銅層の平均結晶粒径に近いものとすることが、段差を小さくするために有効である。従って、層数は必要に応じた設定とすればよい。
そして、本発明に係るプリント配線板は、前記配線は、その任意の位置における横断面形状において、当該配線の厚さをTc、配線上面のトップ幅をWt、配線下面のボトム幅をWbとしたときに、以下の数式(1)で計算して得られるエッチングファクターが2.5以上である。図3に、配線の横断面形状を模式的に示す。
このエッチングファクターは、配線断面の形状が、いかに矩形で配線上面のトップ幅と配線下面のボトム幅との差が小さいかを示すものであり、配線上面のトップ幅(Wt)=配線下面のボトム幅(Wb)が理想であり、このときエッチングファクターの値は、無限大(∞)に近づく。従って、厳密に言えば、第1銅層と第2銅層とを同時にエッチングする製造方法の場合(以下の第1製造方法を採用した場合に相当)には、エッチングファクターが2.5以上、より好ましくは3.0以上である。一方、パターンメッキ法で第2銅層を形成する場合(以下の第2製造方法を採用した場合に相当)には、エッチングファクターが3.0以上、より好ましくは4.0以上とすることが可能になる。エッチングファクターが大きくなるほど、配線上面のトップ幅が広く、電子部品を表面実装する際の実装面積を広く取れるようになるため好ましい。
また、配線の直線性に着目することも重要である。特に、高周波信号を伝達する配線では、トップラインとボトムラインとの両方に、良好な直線性が要求される。高周波電流が配線を流れるときの表皮効果を考えると、凹凸がない形状であることがノイズ信号を減少させ、動作異常を起こさないという観点から好ましい。また、耐屈曲性においても、引張り応力が付加された場合には、配線幅が広くなったり狭くなったりする状態があると、最も配線幅の狭い部分に応力が集中して、配線にマイクロクラックの発生する起点となる可能性が高くなる。以上を考慮すると、形成される配線幅に要求されるバラツキは10%程度である。例えば、前記COFテープ等の製造に用いられる導体厚さは、5μm〜20μm程度である。そして、配線のピッチ(ライン幅+スペース幅)は40μm以下の微細パターンである。このとき、配線幅のバラツキが10%を超える場合には、エッチングファクターも2.5未満となる傾向が現れる。従って、上記エッチングファクターを2.5以上とすることが、電子部品の表面実装が容易で且つ耐屈曲性能に優れたフレキシブルプリント配線板とするためには重要である。
本発明に係るプリント配線板において用いることのできる絶縁基板に関して述べる。本発明に係るプリント配線板が備える配線は、フレキシブルプリント配 線板、リジッドプリント配線板のいずれにも適用可能である。フレキシブルプリント配線板の場合には、絶縁基板に、ポリイミド樹脂フィルム、ポリイミドアミド樹脂フィルム、PET樹脂フィルム、液晶ポリマー樹脂等の可堯性を備えた樹脂フィルムを広く用いることができる。そして、リジッドプリント配線板の場合には、加熱後に板状に硬化するものであり、骨格材を含んだガラス−エポキシ樹脂プリプレグ、ガラス−ポリイミド樹脂プリプレグ、BTレジン樹脂プリプレグ等の公知のリジッド絶縁基板料の使用が可能である。
<本発明に係るプリント配線板の製造形態1>
ここでは、第1製造方法の形態に関して述べる。本発明に係るプリント配線板の第1製造方法は、以下の工程A〜工程Dを含むことを特徴とするものである。以下、工程毎に説明する。
工程A:
この工程では、絶縁基板の表面に、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成の導体層を備え、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備え、且つ、当該第1銅層側を前記絶縁基板と張り合わせた金属張積層板を準備する。この金属張積層板の製造方法には、いくつかの方法が採用できる。
第1の金属張積層板の製造方法は、電解銅箔を用いる方法である。
このときの電解銅箔は、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成で、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備えるものである。ここで言う電解銅箔とは、電解銅箔の段階で既に、第1銅層の平均結晶粒径と第2銅層の平均結晶粒径とが明確に異なっているものである。従って、第1銅層と第2銅層との形成条件、銅電解液等を分別して、2段階の電解工程を経て製造した電解銅箔が該当する。但し、ここで言う電解銅箔とは、その全体を電解法で製造した銅箔を言うのではない。例えば、一旦、電解銅箔を製造し、その表面の片面側に無電解メッキ法又は物理蒸着法で、第1銅層又は第2銅層のいずれか一方の層を製造する場合をも含む趣旨である。以上に述べた電解銅箔の小さな平均結晶粒径を備える第1銅層側を、上記絶縁基板に対し、熱間プレス成形又は接着剤層を介して張り合わせて金属張積層板を準備する。
第2の金属張積層板の製造方法は、やはり第1銅層と第2銅層とが積層した層構成の電解銅箔を使用するのであるが、その第2銅層が170℃〜180℃で15分間以上の加熱を行うことにより再結晶化するものを用いる。
即ち、電解銅箔の段階では、第1銅層の平均結晶粒径と第2銅層の平均結晶粒径との差の区分ができないものである。しかし、この電解銅箔の第1銅層側を、金属張積層板の成形時にその第1銅層側に170℃〜180℃の温度を15分間以上負荷して絶縁基板と当該電解銅箔とを張り合わせると、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きなものとなる。即ち、ラミネート時の加熱により、第2銅層の銅の結晶組織が再結晶化して、第1銅層の平均結晶粒径より大きくなる。
このような第2銅層の銅の結晶組織を得るためには、硫酸酸性銅メッキ液を用いた電気銅メッキ法を採用し、当該硫酸酸性銅メッキ液には、銅濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、フリー硫酸濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、塩素濃度が5ppm〜50ppmのものを用い、当該硫酸酸性銅メッキ液の1/2容量以上を活性炭処理したものを用いることができる。ここで特徴的なのは、上記硫酸銅メッキ液の一部に活性炭処理したものを用いる点である。即ち、工業的に電解銅箔製造に用いる通常の銅電解液と比べ、清浄化した銅メッキ液を用いることで、170℃〜180℃で15分間以上の加熱を行うと再結晶化する電解銅箔が得られるのである。当該硫酸酸性銅メッキ液の1/2容量以上を活性炭処理したものとは、100リットルの銅メッキ液を準備する場合、50リットル以上を活性炭濾過して用いるという意味である。当該硫酸酸性銅メッキ液の活性炭処理量が1/2容量未満の場合には、170℃〜180℃で15分間程度加熱しても再結晶化を起こさないか、再結晶化を起こしても結晶粒径のバラツキが大きくて好ましくない。更に、電解条件に関して述べると、陽極に寸法安定性陽極(Dimension Stable Anode:DSA)を用い、液温を40℃〜60℃として5A/dm2〜70A/dm2の電流密度で電解することが好ましい。再結晶化を起こす第2銅層を形成する場合の硫酸酸性銅メッキ液及び電解条件に関しては、以下同様である。
ここで加熱処理を、170℃〜180℃で15分間以上とすることが好ましいとしている。このように低温アニール性が良好な銅層は、170℃で10分間加熱すると、機械特性が大きく変化する。即ち、170℃×10分間の加熱で結晶粒径の変化が起り始める。そして、170℃以上の温度で15分間以上の加熱を行えば、第2銅層の平均結晶粒径が第1銅層の平均結晶粒径よりも大きくなる。しかし、加熱温度が高すぎたり、加熱時間を長く取りすぎると、第1銅層の結晶組織も再結晶化して巨晶化する傾向が現れるため、加熱温度は170℃〜180℃とし、加熱時間は15分間〜30分間とすることがより好ましい。この範囲であれば、絶縁基板としてエポキシ系樹脂を、絶縁層との接着剤としてウレタン系接着剤を用いることができる。この加熱条件に関しては、以下同様である。
第3の金属張積層板の製造方法は、電解銅箔を用いない方法である。
即ち、まず絶縁基板の上に無電解メッキ法で第1銅層を形成する。無電解メッキ法を用いるため、絶縁基板の表面に直接的に、第1銅層を形成できる。このときの無電解メッキには、銅の無電解メッキを適用するのであり、公知のいずれの無電解メッキ法を用いても構わない。そして、その第1銅層の上に、上述の方法を採用して、170℃〜180℃で15分間以上の加熱を行うことにより再結晶化する第2銅 層を形成して導体層とする。
その後、上述のように170℃〜180℃の温度を15分間以上負荷して加熱することで、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備えるようにして、これを銅張積層板として用いる。
工程B:
この工程では、前記の導体層の第2銅層表面にエッチングレジストパターンを形成する。このエッチングレジストパターンを形成するためのエッチングレジストには、インク、ドライフィルム又は液体レジストなど、公知のいずれを用いてもよい。しかしながら、前述の配線の微細化と直線性等に配慮して良好な解像度を得るためには、液体レジストを選択することが好ましい。液体レジストを用いる場合は、前記第2銅層の表面を酸洗・水洗して表面を清浄化して乾燥し、この表面に液体レジストを塗布後乾燥させ、レジスト皮膜を形成する。そして、このレジスト皮膜上にエッチングレジストパターンを露光し、現像して不要部分を除去し、表面にエッチングレジストパターンを備える金属張積層板を得る。
工程C:
この工程では、前記エッチングレジストパターンを備える金属張積層板をエッチング処理してエッチングレジストパターンを形成していない部分の全ての導体層を溶解除去して配線を形成する。このエッチング処理には、従来のプリント配線板製造に使用しているエッチング工程、エッチング条件をそのまま用いることができる。
即ち、塩化第二銅や塩化第二鉄を用いた酸系エッチング液又はアルカリエッチング液等を使用できる。特に、安定したエッチング処理を実施するためには、液質管理が容易な酸系エッチング液を用いることが好ましい。そして、エッチング処理で設定するオーバーエッチング時間は、前記ストロボエッチングなどから得たデータを基準に用い、全体の銅層をエッチングするために必要な時間の0%〜50%とすることが好ましい。しかし、第1銅層に対するアンダーカット現象の発生を最小にするため、オーバーエッチング時間は0%〜10%に設定することがより好ましい。
工程D:
この工程では、前記配線の表面に存在するエッチングレジストパターンを除去してプリント配線板を得る。エッチングレジストパターンを除去する具体的方法は、従来から広く知られており、エッチングレジストの種類に応じたものを選択使用すればよい。例えば、前述の液体レジストを用いる場合には、苛性ソーダ溶液のようなアルカリ性溶液を用いて、エッチングレジストパターンを膨潤剥離する。
<本発明に係るプリント配線板の製造形態2>
本発明に係る第2製造方法は、以下の工程a〜工程fを含むことを特徴とする。以下、第1製造方法の説明と重複する箇所に関しては、重複記載を避けるため、可能な限りその説明を省略する。
工程a:
この工程では、絶縁基板の表面に第1銅層のみを備える仮銅張積層板を製造する。この第1銅層は、小さな平均結晶粒径を備えるものであり、電解銅箔を絶縁基板と張り合わせる方法を採用することができる。また、絶縁基板に無電解メッキ、物理蒸着法等を用いて直接的に形成することもできる。後述する工程eにおいて結晶粒径が大きく変化しない結晶組織を有していればよい。しかし、第1銅層と絶縁基板との間に一定レベルの接着強度を得るためには、電解銅箔を用い、ホットプレス方式、フレキシブルプリント配線板の場合にはキャスティング方式により製造した銅張積層板とすることが好ましい。そして、薄い第1銅層を得る場合には、キャリア付電解銅箔を用いることも好ましい。
工程b:
この工程では、前記仮銅張積層板の第1銅層の表面にメッキレジストパターンを形成する。ここで言うメッキレジストパターンは、エッチングレジスト同様、インク、ドライフィルム又は液体レジスト等公知のものを用いることができる。薄いメッキ銅層を形成する場合には、液体レジストを用いれば微細な配線パターンが得られやすい。しかし、メッキ銅層の厚さは、後の工程でエッチング処理されることも考慮した設定とすることが多い。この様に、メッキレジストパターンとしてある程度の厚さが必要な場合には、解像度等を考慮すると、ドライフィルムを用いることが好ましい。ドライフィルムを用いる場合は、前記第1銅層の表面を、酸洗などにより表面を清浄化して乾燥し、ラミネーターを用いてドライフィルムを貼付する。このドライフィルム上にメッキレジストパターンを露光し、現像して不要部分を除去し、メッキレジストパター を備える銅張積層板とする。
工程c:
この工程では、前記仮銅張積層板のメッキレジストパターンが形成されていない第1銅層表面に、銅メッキを施して配線形状に沿って第2銅層を形成する。即ち、パターンメッキ法を用いて、第2銅層の形成を行うのである。パターンメッキ法を用いることで、第2銅層として形成される配線の断面形状は、理想的形状に近いものとして形成できる。従って、結果として、エッチングファクターに優れた配線形状を得ることが容易になる。このときの第2銅層の形成は、170℃〜180℃の温度で15分間以上の加熱を受けると再結晶化する低温アニール性のよい銅層を形成できる手法であれば、いずれを用いても構わず電解銅メッキ法、無電解銅メッキ法、物理蒸着法等を用いることができる。しかし、量産性とコストを考えれば、上述の硫酸酸性銅メッキ液を用い、同様の条件で銅メッキすることが好ましい。
工程d:
この工程では、前記メッキレジストパターンを除去して仮プリント配線板とする。このメッキレジストパターンの除去には、エッチングレジストパターンの除去と同様の概念が適用できるため、重複した記載を避けるために、説明を省略する。
工程e:
この工程では、工程dで得られた仮プリント配線板を加熱処理して、前記第2銅層の結晶を巨晶化させる。このときの加熱条件に関しては、上述した通りであるため、ここでの説明は省略する。
工程f:
この工程では、その後、前記第2銅層の結晶を巨晶化させた仮プリント配線板をエッチング処理して、第2銅層の形成されていない部分の露出した第1銅層を溶解除去しプリント配線板とする。この工程では、回路形状に沿って形成した第2銅層の表面に錫等を薄くメッキしたメタルレジスト層を形成してエッチングすることもできるが、アンダーカットの発生を回避するのであれば、フラッシュエッチング法を採用するのが好ましい。
フラッシュエッチング法を適用する場合は、前述の銅エッチング方法を用いればよい。メッキされた第2銅層が第1銅層のエッチングレジストとして機能するからである。
即ち、大きな平均結晶粒径を備える第2銅層が、ゆっくりエッチングされ、小さな平均結晶粒径を備える第1銅層が速くエッチングされることにより、良好なエッチングファクターを備える配線パターンが得られる。そして、エッチング処理で設定するオーバーエッチング時間は、前記ストロボエッチングなどを第1銅層に対して実施して得たデータを基準に用い、第1銅層をエッチングするために必要な時間の0%〜50%とすることが好ましい。しかし、メッキ銅層の減耗と、第1銅層に対するアンダーカット現象を最小にするためには、オーバーエッチング時間は0%〜10%に設定することがより好ましい。
なお、いずれの製造形態の場合も、配線の形成後、配線にSn、Sn−Bi、Auなどの金属メッキあるいはこれらの金属を含む合金メッキがなされる。次いで、配線の端子部分を除いて、ソルダーレジスト又はカバーレイを用いて、絶縁保護層が配線上に形成され、プリント配線板が得られる。なお、上記端子部分へのメッキは、絶縁保護層の形成後に行ってもよい。
<本発明に係る電解銅箔の形態>
本発明に係る電解銅箔は、前記金属張積層板の製造に用いる電解銅箔であって、175℃×15分間加熱後の第1銅層の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満であり、第2銅層の平均結晶粒径が1.0μm以上5.0μm以下である。
前記構成を備える電解銅箔は、電解銅箔の製造に用いる電解液として、浴組成が異なる2種類を用い、2段階の電解工程を採用することにより製造できる。例えば、第1銅層は、銅濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、フリー硫酸濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、塩素イオン濃度が3〜10ppmで、且つゼラチン系添加剤濃度が0.3〜5ppmの銅電解液を用い、40〜60℃の液温で、且つ5〜50A/dm2の電流密度で電解して形成することができる。第2銅層の形成には、銅濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、フリー硫酸濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、塩素イオン濃度が5ppm〜50ppmの銅電解液を用いる。そして、この硫酸酸性銅電解液を電解槽に供給する際には供給液量の1/2以上を活性炭処理した液とし、40〜60℃の液温で、5〜70A/dm2の電流密度で電解することで、第2銅層を形成す
ることができる。
このような電解銅箔を製造する設備には、キャリア付電解銅箔の製造に用いる設備をはじめとする、各種提案されている設備をアレンジして用いることができる。そして、第1銅層の上に第2銅層を形成するか、第2銅層の上に第1銅層を形成するかは、各層の厚み
の設定や、そのときの工程の状況を見て選択すればよい。
以下、本発明の実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1では、厚さ35μmの長尺状のポリイミドフィルムの表面に、平均結晶粒径が0.5μmで厚さ4μmの第1銅層と、平均結晶粒径2.0μmで厚さ4μmの第2銅層とを備えるFCCLを用いた。
前記FCCLを硫酸濃度30g/リットルの希硫酸で酸洗後水洗して乾燥し、市販の液体フォトレジストインク(エッチングレジストインク)を第2銅層表面に塗布した。この液体レジスト皮膜が形成されたFCCLを乾燥し、配線パターンを投影して露光した。
評価に用いた配線パターンは、配線ピッチ30μmの直線パター ンである。
露光後は、炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、不要部分のレジストを剥離除去し、水洗後乾燥してエッチングレジストパターンを備えるFCCLを得た。
前記にて得られたエッチングレジストパターンを備えるFCCLをエッチング処理し、配線ピッチ30μmの直線パターンの配線を有するプリント配線板を得た。このプリント配線板に対して、配線の断面形状を10点評価し、エッチングファクターを求めた。
また、その他の特性としてMIT耐折試験を実施した。
MIT耐折試験においては、図4に示す様な、絶縁基板6上に配線パターン7を形成し、耐折試験を実施する部分8に絶縁保護層5を形成した試験片4として作成して使用した。この試験片を図5に示すMIT耐折試験装置を用い、折り曲げ曲率R:0.5mm/荷重:100gfの条件に設定して実施した。なお、配線パターン7の破断は、両端の導通検出端子9間での導通がなくなったことで検出した。
上記評価及び試験の結果、エッチングファクターは平均5.3(銅層厚さ8μm/トップ幅12μm/ボトム幅15μm)であった。断線に至るまでのMIT耐折試験での折り曲げ回数は200回であった。
以上を纏め、比較例1の評価・試験結果と併せて表1に示す。
〔比較例1〕
比較例1では、実施例1における第1銅層と同レベルの結晶粒径を有する電解銅箔を導電層として備え、COFテープの製造用途に用いられているFCCLを出発材料とした。
評価用の配線の形成方法、及び、評価・試験方法は実施例と共通とした。重複する説明を避けるため、ここでの記載は省略する。
上記評価及び試験の結果、表1に示す様に、エッチングファクターは平均2.0(銅層厚さ8μm/トップ幅7μm/ボトム幅15μm)であった。
断線に至るまでのMIT耐折試験での折り曲げ回数は、150回であった。
<実施例1と比較例1との対比>
上記から、実施例1で得られた配線の断面形状は、比較例1で得られた従来技術による配線の断面形状に対し、エッチングファクターで2.7倍という、良好な矩形形状を示している。そして、MIT試験における耐屈曲性では、1.3倍程度の耐久性を示している。従って、絶縁基板側から金属層の表面に向って、結晶粒径が大きくなる構成を有する金属層を配線として備えるプリント配線板は、配線の形状及び耐屈曲性において優位性を持つことが明らかである。
〔実施例2〕
実施例1おいて、第1銅層における銅の平均結晶粒径を0.2μmとし、第2銅層の平均結晶粒径を1.1μmとした以外は同様のFCCLを用いた。
上記のFCCLを用いた以外は実施例1と同様にして配線ピッチ30μmの直線パターンの配線を有するプリント配線板を得た。このプリント配線板に対して、配線の断面形状を10点評価し、エッチングファクターを求めた。
また、その他の特性としてMIT耐折試験を実施した。
このプリント配線板のエッチングファクターは5.0であり、断線に至るまでのMIT耐折試験の折り曲げ回数は165回であった。
〔実施例3〕
実施例1おいて、第1銅層における銅の平均結晶粒径を0.9μmとし、第2銅層の平均結晶粒径を3.5μmとした以外は同様のFCCLを用いた。
上記のFCCLを用いた以外は実施例1と同様にして配線ピッチ30μmの直線パターンの配線を有するプリント配線板を得た。このプリント配線板に対して、配線の断面形状を10点評価し、エッチングファクターを求めた。
また、その他の特性としてMIT耐折試験を実施した。
このプリント配線板のエッチングファクターは4.6であり、断線に至るまでのMIT耐折試験の折り曲げ回数は230回であった。
〔比較例2〕
実施例1おいて、第1銅層における銅の平均結晶粒径を1.1μmとし、第2銅層の平均結晶粒径を2.0μmとした以外は同様のFCCLを用いた。
上記のFCCLを用いた以外は実施例1と同様にして配線ピッチ30μmの直線パターンの配線を有するプリント配線板を得た。このプリント配線板に対して、配線の断面形状を10点評価し、エッチングファクターを求めた。
また、その他の特性としてMIT耐折試験を実施した。
このプリント配線板のエッチングファクターは2.6であった。ただし、第1銅層の平均結晶粒径が1μm以上になると、結晶サイズの分布が広くなり、これに起因にして個別のエッチングファクターの値は2.0〜3.6の範囲内でばらつき、バラツキ幅が大きくなった。
また、断線に至るまでのMIT耐折試験の折り曲げ回数は180回であった。
〔比較例3〕
実施例1おいて、第1銅層における銅の平均結晶粒径を0.5μmとし、第2銅層の平均結晶粒径を0.9μmとした以外は同様のFCCLを用いた。
上記のFCCLを用いた以外は実施例1と同様にして配線ピッチ30μmの直線パターンの配線を有するプリント配線板を得た。このプリント配線板に対して、配線の断面形状を10点評価し、エッチングファクターを求めた。
また、その他の特性としてMIT耐折試験を実施した。
このプリント配線板のエッチングファクターは3.0であったが、断線に至るまでのMIT耐折試験の折り曲げ回数が155回であり、第2銅層の平均結晶粒径が1μm未満であると、MIT耐折試験における耐折性能は改善されるものの、その改善効果が充分であるとはいえない。
上記実施例1〜3、比較例2及び3について検討してみると、第2銅層を形成する銅結晶の平均結晶粒径が、第1銅層を形成する銅結晶の平均結晶粒径よりも大きい場合であっても、第1銅層の平均結晶粒径が1μmを超えて大きい場合、エッチングファクターの平均値は良好な範囲内にあるものの、個別に測定したエッチングファクターの値の分布幅が広くなる傾向があり、均質な配線が形成されにくくなりやすく、また、第2銅層の平均結晶粒径が1μmを下回る場合には、MIT耐折試験において断線に至るまでの折り曲げ回数の改善効果が必ずしも充分であるとはいえない。そして、第1銅層の銅結晶の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満であって、かつ第2銅層の銅結晶の平均結晶粒径が1.0μm〜5μmの範囲内にある場合にこのような傾向は生じない。従って、第1銅層および第2銅層を形成する銅結晶の平均結晶粒径において、1.0μmという平均結晶粒径は、得られる配線に種々の特性変化をもたらす境界点である。
本発明により得られるプリント配線板は、絶縁基板の表面に形成した配線が良好なエッチングファクターを備え、フレキシブルプリント配線板とした場合には耐屈曲性に優れた製品となる。従って、モバイル機器など向けの液晶ドライバー実装用プリント配線板等の配線の微細配線化を容易にすると同時に、回路断線の危険性も少なくなる。しかも、当該プリント配線板の製造プロセスは、従来の製造設備を使用して実施することが可能であり、新たな設備投資を必要とはしないため、経済性に優れ且つ良好な品質のプリント配線板の提供を可能にする。
図1は、微細結晶を有する銅層の例を示す写真である。 図2は、巨晶化した銅層の例を示す写真である。 図3は、配線の横断面形状を示す模式図である。 図4は、MIT耐折試験用試験片を示す模式図である。 図5は、MIT試験装置の概略図である。
1・・・トップ幅(Wt
2・・・ボトム幅(Wb
3・・・銅層の合計厚さ(Tc
4・・・MIT 耐折試験用試験片
5・・・絶縁保護層
6・・・絶縁基材
7・・・銅配線
8・・・耐折試験部
9・・・導通検出端子
10・・・試験片
11・・・折り曲げ装置
12・・・折り曲げ装置取り付け台
13・・・プランジャ
14・・・荷重を加える掴み具
15・・・導線
16・・・試験片露出部(長さ50mm〜70mm)
17・・・折り曲げ角度(135°±5°)
18・・・折り曲げ角度(135°±5°)

Claims (15)

  1. 絶縁基板の表面に配線を形成したプリント配線板であって、
    当該配線は、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成を備え、当該第1銅層側が前記絶縁基板と張り合わせられ、
    該第1銅層の銅の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満の範囲内にあり、該第2銅層の銅の平均結晶粒径が1.0μm〜5.0μmの範囲内にあることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記第2銅層の厚さは、前記第1銅層の厚さの5%〜500%の厚さである請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記第2銅層は、n層(但し、n≧1)のサブ金属層で構成され、
    第nサブ金属層は、第(n−1)サブ金属層の平均結晶粒径よりも大きな平均結晶粒径を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板。
  4. 前記配線は、その任意の位置における横断面形状において、当該配線の厚さをTc、配線上面のトップ幅をWt、配線下面のボトム幅をWbとしたときに、以下の数式(1)で計算して得られるエッチングファクターが2.5以上である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプリント配線板;
  5. 絶縁基板にフレキシブルプリント配線板用基材を用いた請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプリント配線板。
  6. 絶縁基板にリジッドプリント配線板用基材を用いた請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプリント配線板。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法であって、以下の工程A〜工程Dを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
    工程A:絶縁基板の表面に、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成の導体層を備え、該第1銅層の銅の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満の範囲内にあり、該第2銅層の銅の平均結晶粒径が1.0μm〜5.0μmの範囲内にあり、且つ、当該第1銅層側を前記絶縁基板と張り合わせた金属張積層板を準備する工程。
    工程B:前記の導体層の第2銅層表面にエッチングレジストパターンを形成する工程。
    工程C:前記エッチングレジストパターンを備える金属張積層板をエッチング処理してエッチングレジストパターンを形成していない部分の導体層を溶解除去して配線を形成する工程。
    工程D:前記配線の表面に存在するエッチングレジストパターンを除去してプリント配線板を得る工程。
  8. 前記工程Aで用いる金属張積層板には、第1銅層と第2銅層とが積層した層構成で、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備える電解銅箔を用い、その第1銅層側を絶縁基板と張り合わせた銅張積層板を用いる請求項7に記載のプリント配線板の製造方法。
  9. 前記工程Aで用いる金属張積層板には、第1銅層と170℃〜180℃で15分間以上の加熱を行うことにより再結晶化する第2銅層とが積層した層構成の電解銅箔で、金属張積層板の成形時にその第1銅層側に170℃〜180℃の温度を15分間以上負荷して絶縁基板と当該電解銅箔とを張り合わせることで、該第1銅層の銅の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満の範囲内にあり、該第2銅層の銅の平均結晶粒径が1.0μm〜5.0μmの範囲内にある銅張積層板を用いる請求項7に記載のプリント配線板の製造方法。
  10. 前記工程Aで用いる金属張積層板には、絶縁基板の上に無電解メッキ法で第1銅層を形成し、その第1銅層の上に、170℃〜180℃で15分間以上の加熱を行うことにより再結晶化する第2銅層を形成して導体層とし、その後170℃〜180℃の温度を15分間以上付加して加熱することで、当該第2銅層の平均結晶粒径が当該第1銅層の平均結晶粒径より大きな平均結晶粒径を備えるようにした銅張積層板を用いる請求項7に記載のプリント配線板の製造方法。
  11. 前記第2銅層の形成には、硫酸酸性銅メッキ液を用いた電気銅メッキ法を採用し、当該硫酸酸性銅メッキ液には、銅濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、フリー硫酸濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、塩素濃度が5ppm〜50ppmのものを用い、当該硫酸酸性銅メッキ液の1/2容量以上に対して活性炭処理を施したものを用いる請求項9又は請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
  12. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法であって、以下の工程a〜工程fを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
    工程a:絶縁基板の表面に銅の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満の範囲内にある第1銅層のみを備える仮銅張積層板を製造する工程。
    工程b:前記仮銅張積層板の第1銅層の表面にメッキレジストパターンを形成する工程。
    工程c:前記仮銅張積層板のメッキレジストパターンが形成されていない第1銅層表面に銅メッキを施して配線形状の第2銅層を形成する工程。
    工程d:前記メッキレジストパターンを除去して仮プリント配線板とする工程。
    工程e:工程dで得られた仮プリント配線板を加熱処理して、前記第2銅層の結晶の平均結晶粒径を1.0μm〜5.0μmの範囲内に巨晶化させる工程。
    工程f:その後、前記第2銅層の結晶を巨晶化させた仮プリント配線板をエッチング処理して、第2銅層の形成されていない部分の露出した第1銅層を溶解除去しプリント配線板とする工程。
  13. 前記第2銅層の形成には、硫酸酸性銅メッキ液を用いた電気銅メッキ法を採用し、当該硫酸酸性銅メッキ液には、銅濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、フリー硫酸濃度が0.8mol/リットル〜1.2mol/リットル、塩素濃度が5ppm〜50ppmのものを用い、当該硫酸酸性銅メッキ液の1/2容量以上に対して活性炭処理を施したものを用いる請求項12に記載のプリント配線板の製造方法。
  14. 前記工程eにおける加熱処理は、170℃〜180℃の温度で15分間以上加熱するものである請求項12に記載のプリント配線板の製造方法。
  15. 請求項7に記載の金属張積層板の製造に用いる電解銅箔であって、
    当該電解銅箔は第1銅層と第2銅層とが積層した層構成を備え、175℃×15分間加熱後の第1銅層の平均結晶粒径が0.1μm以上1.0μm未満であり、第2銅層の平均結晶粒径が1.0μm以上5.0μm以下であることを特徴とする電解銅箔。
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