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JP4696459B2 - モジュール集合体 - Google Patents
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Description

本発明は、複数の光電変換部を備えたモジュールを2個以上含み、2個以上のモジュールが積層されたモジュール集合体に関する。
グレッツェルらが提唱した色素増感型太陽電池(「グレッツェル・セル」とも言いう)は、従来の色素増感型太陽電池に比べ、飛躍的に高い光電変換効率(7%台)を実現したため注目を浴びた。色素増感型太陽電池では、一対の電極間に色素を担持した半導体層と電荷輸送体とが配置されており、色素が光を吸収することにより生じる励起電子が半導体層内に注入されることによって光電変換がなされる(例えば、非特許文献1参照)。
上記色素増感型太陽電池を連結したモジュールが知られている。モジュールは、1対の基板と、半導体層を備えた複数の光電変換部と、複数の接続部とを含み、上記基板間において光電変換部と接続部とが基板の主面と平行な方向に交互に配置されている。接続部は、電荷輸送体を1対の電極間に保持する封止樹脂等を含んでいる(例えば、特許文献2参照)。
グレッツェル(Gratzel)、外1名、「ネイチャー(Nature)」、(英国)、1991年10月24日、第353巻、p.737−740 国際公開第96/29716号パンフレット
しかし、上記接続部に入射した光は電気エネルギーに変換されない。モジュールの光電変換効率((モジュールの最大出力/モジュールに照射された光エネルギー)×100)を高めるためには、モジュール充填率((モジュールに含まれる半導体層の受光側の面の面積の総和/モジュールの受光側の面の面積)×100)を大きくする必要がある。モジュール充填率を大きくするためには、接続部の幅を狭くする必要がある。しかし、接続部の幅を狭くしすぎると、封止樹脂による封止が不完全となり、電荷輸送体の漏れを起こし易い。したがって、接続部の幅を狭くして光電変換効率を高める方法には限界がある。
本発明のモジュール集合体は、1対の基板と、複数の光電変換部と、複数の接続部とを含み、前記基板間において前記光電変換部と前記接続部とが前記基板の主面と平行な方向に交互に配置されたモジュールを2個以上含み、前記2個以上のモジュールが、前記基板の主面と直交する方向に積層され、前記光電変換部は、前記1対の基板のうちの一方の基板に設けられた第1の電極と、前記第1の電極の前記一方の基板側の面の反対面に接して配置され色素を担持した半導体層と、前記1対の基板のうちの他方の基板に設けられた第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された電荷輸送体とを含み、前記接続部は、前記1対の基板間に充填された封止樹脂を含み、積層された前記複数のモジュールのうちの一方の最外層のモジュールを上層とし、前記上層の隣りに配置されたモジュールを下層とすると、前記上層の前記接続部の少なくとも一部の直下に前記下層の前記半導体層の少なくとも一部が配置され、当該半導体層の少なくとも一部の直上に配置された、前記上層の前記1対の基板と、前記上層の前記接続部と、前記下層の前記上層側の基板と、前記下層の第1の電極とを含む構造体が、透光性を有している。
本発明のモジュール集合体では、2個以上のモジュールが積層されており、積層された複数のモジュールのうちの一方の最外層のモジュールを上層とし、上層の隣りに配置されたモジュールを下層とすると、上層の接続部の少なくとも一部の直下に下層の半導体層の少なくとも一部が配置され、当該半導体層の少なくとも一部の直上に配置された、上層の1対の基板と、上層の接続部と、下層の上層側の基板と、下層の第1の電極とを含む構造体が透光性を有しているので、上層の接続部を透過した光を下層の半導体層にて光電変換でき、光電変換効率を高めることができる。
以下、本発明のモジュール集合体の一例について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明のモジュール集合体の一例の概要を示した断面図である。
図1に示すように、モジュール集合体1では、モジュール集合体1に含まれるモジュールの数は2個であり、2層のモジュール2,3が、基板8,9と直交する方向に積層されている。以下、積層された複数のモジュールのうちの一方の最外層のモジュール2を「上層2」ともいい、上層2の隣りに配置されたモジュール3を「下層3」ともいう。モジュール2,3は、それぞれ、互いに平行に配置された1対の基板8,9と、複数の光電変換部5と、複数の接続部15とを含み、光電変換部5と接続部15とが、基板間において基板8,9の主面と平行な方向に交互に配置されている。モジュール集合体1は、上層2と下層3との間に配置され、上層2と下層3とを接合する接合部11を含んでいる。接合部11は透光性を有している。
光電変換部5は、1対の基板8,9のうちの一方の基板8に設けられた第1の電極6と、第1の電極6の一方の基板8側の面の反対面に接して配置され色素を担持した半導体層4と、他方の基板9に設けられた第2の電極7と、第1の電極6と第2の電極7との間に配置された電荷輸送体10とを含んでいる。
接続部15は、1対の基板8,9間に充填された封止樹脂13と、隣り合う一対の光電変換部5のうちの一方の光電変換部5から延長された第1の電極の一部6aと、他方の光電変換部5から延長された第2の電極の一部7aと、第1の電極の一部6aと第2の電極の一部7aとの間に配置された導電体12とを含んでいる。第1の電極の一部6aは、一方の基板8に設けられ、第2の電極の一部7aは、他方の基板9に設けられている。モジュール集合体1では、第1の電極の一部6aと第2の電極の一部7aとが、導電体12を介して電気的に接続されており、隣り合う一対の光電変換部5が、直列に電気接続されている。
上層2と下層3とは、取出し電極14に接続された配線(図示せず)によって直列に電気接続されている。
モジュール集合体1では、上層2の接続部15の直下に下層3の半導体層4が配置され、当該半導体層4の直上に配置された、上層2の1対の基板8,9と、上層2の接続部15と、下層3の上層2側の基板8と、下層3の第1の電極6とを含む構造体17が透光性を有しているので、モジュール集合体1の上層2側を受光側とすると、モジュール集合体1の半導体層4の受光側の面の総面積は、モジュール単体よりも大きい。モジュール集合体1を、上層2側を光16に向けて使用すれば、上層2の接続部15を透過した光を下層3の半導体層4にて光電変換できるので、モジュール集合体1では、モジュール単体よりも、最大出力が大きくなる。尚、図1において、点線で囲われドットが記載された部分が上記構造体17である。
基板8と直交する方向に沿って波長550nmの光を上記構造体17に照射したときの光の透過率は20%以上であることが好ましい。構造体17の光の透過率が低すぎると、下層3の半導体層4にて受光できる光量が少なく、発電量の向上への寄与が小さい。上記透過率の上限は高ければ高いほどよいが、基板8,9、第1の電極の一部6a,第2の電極の一部7a、導電体12および封止樹脂13等による透光損失を考慮すれば、90%以下が好ましい。
接続部15の幅は、電荷輸送体10の漏れ防止の観点から、少なくとも1ミクロン以上であることが望ましい。しかし、接続部15の幅を1ミクロン以上としてモジュールを小型化する場合、モジュール充填率は低下する。本実施の形態のモジュール集合体1では、上層2(モジュール2)の接続部15を透過した光を下層3(モジュール3)の半導体層4にて光電変換できるので、特に、モジュール2,3が小型である場合、例えば、モジュールの受光側の面の面積が20cm2以下である場合に、光電変換効率を顕著に高めることができる。
図2(a)(b)は、図1に示したモジュール集合体1に含まれるモジュール2、3の概略を示す平面図であり、図2(c)は、モジュール集合体1の概略を示す平面図である。図2(a)〜図2(c)において、ドットが記載された部分は、色素により着色されおり、ドット数が多いほど色が濃いことを示している。尚、図2(a)〜図2(c)において14は取出し電極である。
図2(a)(b)に示すように、半導体層4が色素を担持しているため所定の色に着色されている。一方、接続部15は、その材料によっても異なるが、例えば、実質的に無色透明である。図2(c)に示すように、モジュール集合体1では、モジュール2(上層2)の接続部15の直下にモジュール3(下層3)の半導体層4が配置されているので、モジュール集合体1を上層2側から見た場合には、上層2の接続部15から下層3の半導体層4が透けて見える。このようにして、モジュール集合体1では、上層側から見た場合の色むらが抑制され、色の均一性が向上している。
図1に示した封止樹脂13としては、透光性を有していれば特に制限はなく、例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、低密度ポリエチレン、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、アイオノマー樹脂のほか、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリジエン系、ポリエステル系、ポリウレタン系のエラストマー等を使用できる。
導電体12の材料としては、透光性を有する材料、例えば、インジウム−錫複合酸化物(ITO)および酸化錫(SnO2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。導電体12の材料として透光性を有する材料を用いる場合、導電体12の形状については特に制限はなく、例えば、箔状、または紐状等が挙げられる。
導電体12は、透光性を有しない材料を含んでいてもよいが、透光性を有しない材料を含む場合は、基板8の主面に垂直に入射する光が透過する複数の孔を備えた多孔体を含んでいることが好ましい。導電体12が上記多孔体を含んでいると、上記光の一部は孔を透過できるので、接続部15の透光性を確保できる。
透光性を有しない材料としては、抵抗率が比較的低い金属材料、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Al、Ni、Zn、TiおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属、または上記群から選ばれる2種以上の金属からなる合金を含んでいることが好ましい。導電体12がこれらの材料を含んでいると、導電体12の抵抗損失を小さくできる。
多孔体としては、例えば、メッシュ、発泡体、パンチングメタル等が挙げられる。多孔体の孔の形状、孔の分布等は、導電体12の表面抵抗を著しく低下させない範囲で適宜選択すればよい。例えば、多孔体が例えばメッシュである場合、メッシュの開口率((開口部の面積の総和/全体の面積)×100)は、30%〜80%が適当である。多孔体は、例えば、金属線や炭素繊維等の導電性繊維材料が組み合わされて形成されていてもよい。多孔体が上記導電性繊維材料が組み合わされて形成されていると、断線等が起こり難く、好ましい。また、多孔体は、スクリーン印刷等の方法により形成されてもよい。
尚、図1において、導電体12に付された×印は、導電体12がメッシュであることを示しているに過ぎず、メッシュの孔の貫通方向までも表しているわけではない。
半導体層4の厚さは、0.1μm〜100μmが好ましい。半導体層4の厚さが0.1μm〜100μmであれば、十分な光電変換効果が得られ、可視光および近赤外光の透光性も確保できる。より好ましい半導体層4の厚さは、1μm〜50μmであり、さらには5μm〜30μm、特には、10μm〜20μmである。
半導体層4の形成に半導体の粒子を用いる場合、半導体の粒径は、一般に、5nm〜1000nm、特に、10nm〜100nmが好ましい。粒径が5nm〜1000nmであれば、充分な量の色素を吸着可能な表面積と、適度な大きさの空孔とを有する半導体層4を形成できるので、電荷輸送体10に含まれる酸化体および還元体の半導体層4内における移動がスムーズに行なわれ、その結果、大きな光電流が得られる。
半導体層4の材料としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crの酸化物、SrTiO3、CaTiO3等のペロブスカイト型酸化物、CdS、ZnS、In23、PbS、Mo2S、WS2、Sb23、Bi23、ZnCdS2、Cu2S等の硫化物、CdSe、In2Se3、WSe2、HgSe、PbSe、CdTe等の金属カルコゲナイド、GaAs、Si、Se、Cd23、Zn23、InP、AgBr、PbI2、HgI2、およびBiI3が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上からなる複合体として用いてもよい。
上記複合体としては、例えば、CdS/TiO2、CdS/AgI、Ag2S/AgI、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdSx/CdSe1-x、CdSx/Te1-x、CdSex/Te1-x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO2/Cd32、CdS/CdSeCdyZn1-yS、CdS/HgS/CdS等が挙げられる。
半導体層4は従来から知られた方法で形成できる。例えば、半導体の粒子がバインダーに分散されたペーストを、例えば、ドクターブレードやバーコータ等を用いて第1の電極6に塗布する。尚、上記バインダーとしては、例えば、エチルセルロース等が挙げられる。または、半導体粒子を、スプレー法、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法,電着法等にて第1の電極6の表面に塗布する。その後、必要に応じて加熱(焼結)および/または加圧を行う。
加熱(焼結)には、電気炉やホットプレート、マイクロ波等を用いることが好ましい。加熱温度は、基板8がガラス基板である場合は、400〜600℃程度、プラスチックフィルムである場合は、80℃〜250℃程度が好ましい。加圧は、例えば、プレス機やカレンダ(ロールプレス)等を用いて行う。ロールプレスは、基板8が可撓性を有するプラスチックフィルムである場合に、複数の半導体層4を連続形成できるので好ましい。圧力は、1MPa〜200MPa程度が好ましい。
半導体層4の厚さは、塗布と加熱(焼結)とを繰り返すことで制御でき、半導体層4の厚さを制御することにより、ラフネスファクター(基板面積に対する多孔質内部の実表面積の割合)を制御できる。ラフネスファクターは20以上が好ましく、さらには、150以上が好ましい。ラフネスファクターが20以上であれば、半導体層4は十分な量の色素を担持でき、光電変換特性を向上できる。ラフネスファクターの上限値は、通常、5000程度が好ましい。
半導体層4のポロシティーは50%以上が好ましい。半導体層4のポロシティーの上限値は、抵抗損失の観点から約80%であることが好ましい。上記ポロシティーは、液体窒素温度下での測定で得られる、窒素ガスまたはクリプトンガスの吸着−脱離等温曲線から算出できる。
色素は、従来の色素増感型の光電変換素子で常用の色素であればよく、無機色素、有機色素等のいずれであってもよい。
無機色素としては、例えば、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体(ここで、Lは、4,4'−ジカルボキシル−2,2'−ビピリジン)、または、ルテニウム−トリス(RuL3)、ルテニウム−ビス(RuL2)、オスニウム−トリス(OsL3)、オスニウム−ビス(OsL2)タイプの遷移金属錯体、または亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニン等が挙げられる。
有機色素としては、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素等が挙げられる。なかでも、可視光域に広い吸収スペクトルを有する、ルテニウム−ビス(RuL2)誘導電体が、特に好ましい。
色素の吸着量は、1×10-8〜1×10-6mol/cm2が好ましく、特には、0.1×10-7〜9.0×10-7mol/cm2が好ましい。色素の吸着量が1×10-8〜1×10-6mol/cm2であると、経済的であり、かつ光電変換部5の光電変換効率を高めることができる。
半導体層4へ色素を吸着させる方法としては、例えば、色素が溶媒に溶けた溶液に、半導体層4を浸漬する方法等がある。上記溶媒には、例えば、水、エタノールやブタノール等のアルコール、アセトニトリル、トルエン、ジメチルホルムアミド等が用いられる。半導体層4を上記溶液に浸漬している間、上記溶液を加熱還流し、または、上記溶液に超音波を印加する等して、半導体層4への色素の吸着を促進してもよい。
第1の電極6は、負極として機能する。第1の電極6の形状は、第1の電極6が導電性かつ透光性を有していれば特に制限はなく、例えば、フィルム状、板状、基板8の主面に垂直に入射する光が透過する孔を備えた多孔体等のいずれであってもよい。
第1の電極6の材料としては、例えば、インジウム−錫複合酸化物、フッ素ドープ酸化錫等の透光性を有する材料が挙げられる。第1の電極6が上記多孔体である場合、第1の電極6の材料は、導電性を有していれば必ずしも透光性は有していなくてもよく、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、スズ、セリウム等の金属、または炭素材料等を含んでいてもよい。
第2の電極7は、正極として機能する。第2の電極7の材料は、第1の電極6の材料と同様であってもよいが、第2の電極7の電荷輸送体10と接する面には、白金、パラジウム、炭素材料および導電性高分子からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料が含まれていることが好ましい。これらの材料は、電荷輸送体10に含まれる還元体に電子を与える反応において、触媒として機能する。したがって、第2の電極7の電荷輸送体10と接する面にこれらの材料が含まれていると、第2の電極7の正極としての機能が向上する。上記炭素材料としては、例えば、グラファイト等が、導電性高分子としては、ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。尚、第2の電極7と基板9との間には、第2の電極7の材料とは異なる導電性材料からなる膜が設けられていてもよい。
第1の電極6および第2の電極7の光の透過率は、高ければ高いほどよいが、波長550nmの光を照射したときの透過率が、通常、70%〜90%であることが望ましい。
電荷輸送体10には、例えば、下記の溶媒中に下記の化合物が溶解された電解液が用いられる。上記化合物としては、溶媒に溶解されることにより、酸化体(酸化状態の電解質)と還元体(還元状態の電解質)とを含む溶液を得ることができれば特に制限はないが、酸化体と還元体の電荷の符号が同一となるように選択されることが好ましい。
化合物としては、例えば、塩素化合物および塩素、ヨウ素化合物およびヨウ素、臭素化合物および臭素、キノンおよびヒドロキノン、フマル酸およびコハク酸等を用いることができる。なかでも、ヨウ素化合物およびヨウ素が好ましい。ヨウ素化合物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム等のヨウ化ジイミダゾリウム化合物が特に好ましい。
酸化体および還元体としては、I3 -/I-、Cl3 -/Cl-、Br3 -/Br-、タリウムイオン(III)/タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)/水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)/ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)/銅イオン(I)、鉄イオン(III)/鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)/バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン/過マンガン酸イオン、フェリシアン化物イオン/フェロシアン化物イオン等が挙げられる。これらの酸化体および還元体とを含む溶液の作製法は公知であり、従来から知られた方法を採用できる。
溶媒としては、イオン伝導性が優れていれば特に制限はなく、水性溶媒、有機溶媒のいずれあってもよい。特には、酸化体および還元体が安定した状態で存在できる有機溶媒が好ましい。
有機溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、N,N,N',N'−テトラメチル尿素、ジジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
なかでも、沸点が100℃以上の溶媒を用いることが好ましい。溶媒の沸点が低すぎると、モジュール集合体1を高温環境下で保存した場合に、内圧上昇に伴い封止破壊が生じることがある。沸点が100℃以上の溶媒を用いれば、封止破壊が起こりにくく、長期安定性のよいモジュール集合体を提供できる。沸点が100℃以上のニトリル系溶媒を用いれば、ニトリル系溶媒は粘度が低いため、モジュール集合体の長期安定性のみならず、電荷輸送体10のイオン伝導性も向上する。
沸点が100℃以上のニトリル系溶媒としては、3−メトキシプロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、α−トルニトリル等が挙げられる。特に、3−メトキシプロピオニトリルは、モジュール集合体1の光電変換効率および長期安定性を高めることができ、好ましい。
溶媒には、常温溶融塩等を用いてもよい。常温溶融塩としては、特表平9−507334号公報に記載のイミダゾリウム塩等が挙げられる。なかでも、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドは粘度が低いため、電荷輸送体10のイオン伝導性を向上でき、光電変換部の光電変換効率を高めることができるので、好ましい。溶媒には、常温溶融塩と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。
電荷輸送体10は、酸化体と還元体とを含む溶液(電解液)が高分子マトリックスに保持された構造をしていてもよい。高分子マトリックスとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物等が挙げられる。ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物としては、フッ化ビニリデンの単独重合体、フッ化ビニリデンと他のモノマーとの共重合体、好適にはフッ化ビニリデンとフッ化ビニリデンとラジカル重合可能なモノマーとの共重合体等が挙げられる。
上記モノマーとしては、例えば、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン等が挙げられる。
上記モノマーは、共重合体の生成に用いられるモノマー全量に対して1〜50mol%、さらには1〜25mol%含まれていることが好ましい。例えば、フッ化ビニリデン75〜99mol%と、ヘキサフロロプロピレンを1〜25mol%とを共重合して得られるフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体からなるイオン伝導性フィルムが、高分子マトリックスとして好ましい。また、共重合比の異なる2種類以上のフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を混合して使用してもよい。
高分子マトリックスは、2種以上の上記モノマーとフッ化ビニリデンとから形成されていてもよい。例えば、フッ化ビニリデンとヘキサフロロプロピレンとテトラフロロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフロロエチレンとエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフロロエチレンとプロピレンとの共重合体等であってもよい。
高分子マトリックスは、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に、ポリアクリレート系高分子化合物、ポリアクリロニトリル系高分子化合物およびポリエーテル系高分子化合物からなる群から選ばれる1種類以上の高分子化合物が混合された混合体であってもよい。ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物と上記高分子化合物との混合割合は、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物100質量部に対して、高分子化合物は、通常、200質量部以下である。
ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物の数平均分子量は、通常、10,000〜2,000,000であり、好ましくは100,000〜1,000,000である。
電荷輸送層10は、酸化体と還元体とを含む溶液(電解液)にゲル化剤が添加されてゲル化されたゲル化電解質でもよい。ゲル化剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
基板8、9には、例えば、透光性を有するガラス基板や透光性を有するプラスチックフィルム等が用いられるが、半導体層4を形成する際に半導体層4を形成する材料に圧力をかけやすい点において、プラスチックフィルムが好ましい。
プラスチックフィルムの材料としては、例えば、再生セルロース、ジアセテートセルロース、トリアセテートセルロース、テトラアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマー、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン、塩酸ゴム、ナイロン、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレン等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いることができる。特には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマーおよびノルボルネン樹脂からなる群から選ばれる樹脂を1種または2種以上用いることが好ましい。これらの樹脂を用いたプラスチックフィルムは、強靭で且つ耐熱性に優れている。基板9の材料としては、例えば、基板8と同様の材料を用いられる。
基板8,9の光の透過性は、高ければ高いほどよいが、波長550nmの光を照射したときの透過率が、通常、60%〜90%であることが望ましい。
基板8,9の厚さについて、特に制限はないが、強度の観点から0.1μm以上であることが望ましい。
接合部11の材料としては、透光性を有していれば特に制限はなく、例えば、封止樹脂13と同じ材料を用いることができる。接合部11に、波長550nmの光を照射したときの透過率は、通常、40%〜90%であることが望ましい。
尚、図1に示したモジュール集合体1は、2層のモジュール2,3を含んでいるが、モジュールの層数は2層に限定されず、3層以上であってもよい。モジュール集合体1が3層のモジュールを含む場合は、上層2とは反対の最外層の1対の基板のうちの外側に配置された基板を除いて、モジュール集合体1に含まれる他の基板は透光性を有している必要がある。
また、モジュール集合体1では、モジュール2,3が、接合部11によって接合されているが、必ずしも接合されている必要はない。モジュール集合体1は、モジュール2,3が可動し得るように積層されており、必要に応じて、モジュール2(上層2)の接続部15の直下に下層3の半導体層4が配置できるような構造をしていてもよい。
また、図1に示したモジュール集合体1では、上層に含まれる全ての接続部15の直下に下層3の半導体層4が配置されているが、本実施の形態のモジュール集合体はこれに制限されない。上層に含まれる一部の接続部15の直下に下層3の半導体層4が配置されていてもよい。
また、図1に示したモジュール集合体1では、上層2側から平面視したとき、下層3の半導体層4に上層2の接続部15が収まっているので、上層2の接続部15を透過した光を、下層3の半導体層4にて効果的に光電変換でき、好ましいが、本実施の形態のモジュール集合体はこれに制限されない。上層2の接続部15の少なくとも一部の直下に下層3の半導体層4の少なくとも一部が配置されていれば、上層2側から平面視したとき、下層3の半導体層4に上層2の接続部15が収まっていなくてもよい。
図1に示した例では、モジュール2,3に含まれる半導体層4の平面の形状は長方形であり、モジュール集合体1の平面の形状も長方形であるが、本実施の形態のモジュール集合体1はこれに制限されない。例えば、図3〜図6に示すように、半導体層4の平面の形状/モジュール集合体1の平面の形状は、扇形/円、三角形/平行四辺形、三角形/六角形、正方形/長方形等であってもよい。
(実施の形態2)
図7に、本発明のモジュール集合体の他の例を示している。図7において、図1に示した構成部材と同じ機能を有する構成部材については同じ記号を付してその説明を省略する。尚、図7において、点線で囲われドットが付された部分が、構造体17である。
図7に示すように、本実施の形態のモジュール集合体21の実施の形態1のモジュール集合体1(図1参照)と相違する点は、基板の枚数である。実施の形態1のモジュール集合体1では、基板の枚数が4枚であるのに対して、本実施の形態のモジュール集合体21では基板の枚数が3枚である。本実施の形態のモジュール集合体21では、上層2の下層3側の基板9が、下層3の上層2側の基板8を兼ねているので、接合部11(図1参照)による透光損失がなく、重量、厚み、コストを低減できる。
(実施の形態3)
図8に、本発明のモジュール集合体の他の例を示している。図8において、図1に示した構成部材と同じ機能を有する構成部材については同じ記号を付してその説明を省略する。尚、図8において、点線で囲われドットが付された部分が、構造体17である。
図8に示すように、本実施の形態のモジュール集合体31の実施の形態2のモジュール集合体21(図7参照)と相違する点は、下層3の半導体層4の上層2側の面の面積と、上層2の半導体層4の第1の電極6側の面の面積との比である。実施の形態2のモジュール集合体21では、上記比が、例えば、1:1であるのに対して(図7参照)、本実施の形態のモジュール集合体31では、上記比が、例えば、0.7:1である。
モジュール集合体31では、下層3の半導体層4の上層2側の面の面積が、上層2の接続部15の下層3側の面の面積よりも大きいので、モジュール集合体31の製造工程において、上層2側から平面視したときに、下層3の半導体層4に上層2の接続部15が収まるように、上層2の接続部15と下層3の半導体層4とを配置することが容易となる。
(実施の形態4)
図9に、本発明のモジュール集合体の他の例を示している。図9において、図1に示した構成部材と同じ機能を有する構成部材については同じ記号を付してその説明を省略する。尚、図9において、点線で囲われドットが付された部分が、構造体17である。
図9に示すように、本実施の形態のモジュール集合体41の実施の形態2のモジュール集合体21(図7参照)と相違する点は、上層2の半導体層4の第1の電極6側の面の面積と、下層の半導体層4の上層2側の面の面積との比である。実施の形態2のモジュール集合体21では、上記比が、例えば、1:1であるのに対して(図7参照)、本実施の形態のモジュール集合体41では、上記比が、例えば、2:1である。また、実施の形態2のモジュール集合体では、上層2と下層3とが直列に電気接続しているのに対し、本実施の形態のモジュール集合体41では、上層2と下層3とが取出し電極14に接続された配線(図示せず)によって並列に電気接続している。
上層2と下層3とが並列に電気接続される場合、モジュール集合体41の電流値を高めるためには、最も多くの光を受けることができるモジュールに含まれた半導体層4の受光側の面の面積を大きくすることが好ましい。図9に示すように、例えば、上層2の半導体層4の第1の電極6側の面の面積を、下層3の半導体層4の上層2側の面の面積よりも大きくすれば、モジュール集合体41の出力の向上が図れる。
(実施の形態5)
図10に、本発明のモジュール集合体の他の例を示している。図10において、図1に示した構成部材と同じ機能を有する構成部材については同じ記号を付してその説明を省略する。尚、図10において、点線で囲われドットが付された部分が、構造体17である。
図10に示すように、本実施の形態のモジュール集合体51の実施の形態2のモジュールと相違する点は、導電体12と、接続部15に含まれる第1の電極の一部6aおよび第2の電極の一部7aとの接合構造である(図7参照)。実施の形態2のモジュール集合体21では、導電体12の一方の主面の全面と第1の電極の一部6aとが接合され、導電体12の他方の主面の全面と第2の電極の一部7aとが接合されている(図7参照)。一方、本実施の形態のモジュール集合体51では、光電変換部5と接続部15とを横断するように、基板8,9の主面と直交する方向に切断したときの導電体12の切断面は略Z字状であり、導電体12の一方の主面の一部と第1の電極の一部6aとが接合され、導電体12の他方の主面の一部と第2の電極の一部7aとが接合されている。導電体部12と第1の電極の一部6aとの接合部と、導電体12と第2の電極の一部7aとの接合部は、面方向にずれている。
実施の形態2のモジュール集合体では、導電体12の厚みと、第1の電極の一部6aと第2の電極の一部7aとの距離(基板に垂直な方向の距離)とが少しでも異なると、良好な電気接続を実現できないので、モジュール集合体の製造工程において、導電体12の厚み、および、第1の電極の一部6aと第2の電極の一部7aとの距離(基板に垂直な方向の距離)等について高い精度が要求される。一方、モジュール集合体51では、第1の電極の一部6aおよび第2の電極の一部7aと、導電体12の一部とが接合した上記接合構造を含んでいるので、例えば、基板8、9にそり等があることによって、複数の接続部15について、第1の電極の一部6aと第2の電極の一部7aとの距離(基板に垂直な方向の距離)にばらつきがあっても、接続安定性のよいモジュール集合体51を実現できる。
(実施の形態6)
図11に、本発明のモジュール集合体の他の例を示している。図11において、図1に示した構成部材と同じ機能を有する構成部材については同じ記号を付してその説明を省略する。尚、図11において、点線で囲われドットが付された部分が、構造体17である。
図11に示すように、本実施の形態のモジュール集合体61の実施の形態1のモジュール1と相違する点は、接続部15が、導電体12を含まず、基板8と基板9が面方向にずれて接合されている点である。また、基板8と基板9とを面方向にずらして接合したことによって第1の電極6および第2の電極7の一部が外部に露出され、その露出された部分に接続された配線(図示せず)によって複数の光電変換部5が互いに電気接続されている点である(図1参照)。モジュール集合体61では、導電体12を含まないので、導電体12による透光損失を抑制できる点において好ましい。
(実施の形態7)
図12に、本発明のモジュール集合体の他の例を示している。図12において、図1に示した構成部材と同じ機能を有する構成部材については同じ記号を付してその説明を省略する。尚、図12において、点線で囲われドットが付された部分が、構造体17である。
図12に示すように、本実施の形態のモジュール集合体71の実施の形態1のモジュール1と相違する点は、導電体12(図7参照)を含まず、第1の電極の一部6aに接合された第1の取出し電極14aと、第2の電極の一部7aに接合された第2の取出し電極14bとを含んでおり、接続部15の外側において、隣り合う1対の光電変換部5が、第1の取出し電極14aおよび第2の取出し電極14bに接合された配線(図示せず)によって電気接続されている点である。第1の取出し電極14aの一部および第2の取出し電極14bの一部は、封止樹脂13内に埋め込まれている。
封止樹脂13内に埋め込まれた第1の取出し電極14aの一部および第2の取出し電極14bの一部は、基板8の主面に垂直に入射する光が透過する複数の孔を備えた多孔体を含んでいることが好ましい。第1の取出し電極14aの一部および第2の取出し電極14bの一部が上記多孔体を含んでいると、上記光の一部は孔を透過できるので、接続部15の透光性を確保できる。上記多孔体としては、実施の形態1において説明した導電体12(図1参照)と同様のものを用いることができ、同様の材料を用いることができる。第1の取出し電極14aの一部および第2の取出し電極14bが上記材料を含んでいると、抵抗損失を小さくできる。
次に、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
実施例1では、図1に示したモジュール集合体1を作製した。
一方の表面がフッ素ドープSnO2膜にてコーティングされたガラス基板(旭硝子製、表面抵抗10Ω/sq、厚さ1.1mm)を用意し、フッ素ドープSnO2膜の一部を、レーザーを用いて除去した。続いて、ガラス基板およびフッ素ドープSnO2膜を、塩化チタン水溶液中に30分間浸して洗浄し、塩化チタン水溶液から取出して乾燥させた。
次に、平均1次粒子径が20nmの高純度酸化チタン粉末をエチルセルロース中に分散させ、スクリーン印刷用のペーストを作製した。高純度酸化チタン粉末とエチルセルロースの混合比は重量比で2:1とした。このペーストを、フッ素ドープSnO2膜上に塗布し、乾燥し、得られた乾燥物を450℃で30分間、空気中で焼成し、厚さ8μmの多孔質酸化チタン膜を形成した。続いて、ガラス基板、フッ素ドープSnO2膜および多孔質酸化チタン膜を、塩化チタン水溶液中に30分間浸して洗浄し、塩化チタン水溶液から取出して乾燥させた。次に、これらを450℃で30分間加熱した後、空気中に放置することにより80℃程度にまで冷却して、半導体層4(受光面積5cm2)を得た。尚、ガラス基板は1対の基板のうちの一方の基板8であり、フッ素ドープSnO2層は第1の電極6である。
次に、半導体層4を、[Ru(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)2−(NCS)2]で表される色素を含む溶液に浸した後、上記溶液から取出し、室温で12時間暗所にて静置して、半導体層4に色素を吸着させた。尚、溶液には、アセトニトリルとt−ブタノールとを容積比50:50で混合して得た混合溶媒に、上記色素を濃度が3×10-4mol/dm-3となるように溶解したものを用いた。
一方で、一方の表面がフッ素ドープSnO2膜にてコーティングされたガラス基板(旭硝子製、表面抵抗10Ω/sq、厚さ1.1mm)を用意し、フッ素ドープSnO2膜の一部をレーザーを用いて除去し、続いて、フッ素ドープSnO2膜に、5mmol/dm3のH2PtCl6溶液(溶媒イソプロピルアルコール)を5×10-6l/cm2塗布した。次に、これらを450℃で15分間加熱して、一方の主面に第2の電極7が設けられた基板9を作製した。
導電体12として、銅線を用いて作製されたメッシュ(銅線の直径15μm、開口率60%、長さ50mm、幅1mm、厚み0.3mm)を用意し、取出し電極14として、銅線を用いて作製されたメッシュ(銅線の直径15μm、開口率60%、長さ50mm、幅4mm、厚み0.3mm)を2枚用意した。
次に、第1の電極6が設けられた基板8上に、封止樹脂13と第2の電極7が設けられた基板9とをこの順に重ねて積層体とし、積層体を150℃で60秒加熱しながら加圧して、第1の電極6が設けられた基板8と、第2の電極7が設けられた基板9とを貼り合わせた。封止樹脂13には、所定の位置に開口部を備えたホットメルトシート(デュポン社製、「ハイミラン」、厚さ20μm)を用いた。また、基板8と基板9とを貼り合わせる際には、導電体12および取出し電極14を封止樹脂13内の所定の位置に埋め込んだ。
次に、電荷輸送体10を第1の電極6と第2の電極7との間に充填した。電荷輸送体10の注入は、基板9と第2の電極7とを貫通するように形成された直径1mmの注入口から減圧注入方式にて行った。電荷輸送体10を注入した後、注入口は厚さ500μmのカバーガラスにて封止して、複数の光電変換部5が直列に電気接続されたモジュールを得た。
尚、カバーガラスは、接着性樹脂(デュポン社製、「バイネル」)を用いて基板9に接着した。電荷輸送体10には、3−メトキシプロピオニトリルに、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドを0.6mol/dm3、ヨウ素を0.1mol/dm3、N−メチルベンゾイミダゾールを0.5mol/dm3溶解したものを用いた。
以上と同様にして、モジュールをもう一つ作製し、2つのモジュール2,3を、(デュポン社製、「バイネル」)を用いて接合した。接合部11の厚みは0.6mmとした。接合に際しては、基板8の主面と直交する方向に沿って、モジュール2の接続部15とモジュール3の半導体層4とを配置した。
構造体17の光の透過率を測定するために、実施例1において作製したモジュール2と、モジュール3の作製に用いた第1の電極6が設けられた基板8とを用意し、これらをデュポン社製、「バイネル」を用いて接合した。得られた積層体のうちの構造体17について下記のようにして光の透過率を測定したところ、光の透過率は50%であり、構造体17が透光性を有していることが確認できた。
[透過率]上記積層体のモジュール2側の面に、構造体にのみに光が照射されるようにマスクをした後、基板8と直交する方向に沿って波長550nmの光を構造体に照射し、構造体を透過した光量を分光光度計を用いて測定した。構造体17の光の透過率は下記の式から算出した。
(数式1)
透過率=(構造体を透過した光量)×100/(構造体に入射した光量)
(比較例1)
実施例1と同様にして、モジュールを作製した。
実施例1のモジュール集合体および比較例1のモジュールについて、光電変換効率((出力/光入射エネルギー)×100)を、疑似太陽光(100mW/cm2、AM1.5)を光源として用いて求めたところ、実施例1のモジュール集合体では8%であり、比較例1のモジュール単体では5%であった。
以上の結果から、実施例1のモジュール集合体では、上層2の接続部15の直下に下層3の半導体層4が配置され、当該半導体層4の直上に配置された構造体17が透光性を有しているので、モジュール集合体の上層2側を受光側とすると、上層2の接続部15を透過した光を下層の半導体層4にて光電変換でき、光電変換効率((最大出力/照射された光エネルギー)×100)はモジュール単体のそれよりも高いことが確認できた。尚、実施例1のモジュール集合体では、上記構造体17は、上層2の1対の基板8,9と、上層2の接続部15と、接合部11と、下層3の上層2側の基板8と、下層3の第1の電極6とから構成されている。
本発明のモジュール集合体は、複数のモジュールが積層されており、積層された複数のモジュールのうちの一方の最外層のモジュールを上層とし、上層の隣りに配置されたモジュールを下層とすると、上層の接続部を透過した光を、下層の半導体層によって光電変換できるので、光電変換効率が高く有用である。
本発明のモジュール集合体の一例の概略を示す断面図 (a)(b)は図1に示したモジュールに用いられるモジュールの概略を示す平面図、(c)は本発明のモジュール集合体の概略を示す平面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す平面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す平面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す平面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す平面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す断面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す断面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す断面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す断面図 (a)本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す斜視図、(b)は(a)のA−A'断面図 本発明のモジュール集合体の他の例の概略を示す断面図
符号の説明
1,21,31,41,51,61,71 モジュール集合体
2 モジュール(上層)
3 モジュール(下層)
4 半導体層
5 光電変換部
6 第1の電極
6a 第1の電極の一部
7 第2の電極
7a 第2の電極の一部
8,9 基板
10 電荷輸送体
11 接合部
12 導電体
13 封止樹脂
14 取出し電極
14a 第1の取出し電極
14b 第2の取出し電極
15 接続部

Claims (14)

  1. 1対の基板と、複数の光電変換部と、複数の接続部とを含み、前記基板間において前記光電変換部と前記接続部とが前記基板の主面と平行な方向に交互に配置されたモジュールを2個以上含み、
    前記2個以上の前記のモジュールが、前記基板の主面と直交する方向に積層され、
    前記光電変換部は、前記1対の基板のうちの一方の基板に設けられた第1の電極と、前記第1の電極の前記一方の基板側の面の反対面に接して配置され色素を担持した半導体層と、前記1対の基板のうちの他方の基板に設けられた第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された電荷輸送体とを含み、
    前記接続部は、前記1対の基板間に充填された封止樹脂を含み、
    積層された前記複数のモジュールのうちの一方の最外層のモジュールを上層とし、前記上層の隣りに配置されたモジュールを下層とすると、前記上層の前記接続部の少なくとも一部の直下に前記下層の前記半導体層の少なくとも一部が配置され、
    当該半導体層の少なくとも一部の直上に配置された、前記上層の前記1対の基板と、前記上層の前記接続部と、前記下層の前記上層側の基板と、前記下層の第1の電極とを含む構造体が、透光性を有したモジュール集合体。
  2. 前記上層側から平面視したとき、前記下層の前記半導体層に前記上層の前記接続部が収まっている請求項1に記載のモジュール集合体。
  3. 前記上層と前記下層との間に配置され、前記上層と前記下層とを接合する接合部をさらに含み、前記接合部が透光性を有している請求項1に記載のモジュール集合体。
  4. 前記上層の前記下層側の前記基板が、前記下層の前記上層側の前記基板を兼ねている請求項1に記載のモジュール集合体。
  5. 前記接続部が、隣り合う一対の光電変換部のうちの一方の光電変換部から延長された第1の電極の一部と、他方の光電変換部から延長された第2の電極の一部とをさらに含む請求項1に記載のモジュール集合体。
  6. 前記接続部が、前記第1の電極の一部と前記第2の電極の一部との間に配置された導電体をさらに含み、前記導電体を介して前記第1の電極の一部と前記第2の電極の一部とが電気的に接続された請求項5に記載のモジュール集合体。
  7. 前記光電変換部と前記接続部とを横断するように、前記基板の主面と直交する方向に切断したときの前記導電体の切断面は略Z字状であり、前記導電体の一方の面の一部と前記第1の電極の一部とが接合され、前記導電体の他方の面の一部と前記第2の電極の一部とが接合された請求項6に記載のモジュール集合体。
  8. 前記導電体が、多孔体を含む請求項6に記載のモジュール集合体。
  9. 前記接続部が、前記第1の電極の一部に接合された第1の取出し電極と、前記第2の電極の一部に接合された第2の取出し電極とをさらに含み、前記第1の取出し電極の一部および前記第2の取出し電極の一部が、前記封止樹脂内に埋め込まれた請求項5に記載のモジュール集合体。
  10. 前記第1の取出し電極の一部および前記第2の取出し電極の一部が、多孔体を含む請求項9に記載のモジュール集合体。
  11. 前記多孔体が、Au,Pt,Ag,Cu,Al,Ni,Zn,TiおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含む請求項8または10に記載のモジュール集合体。
  12. 前記多孔体が、メッシュ、発泡体またはパンチングメタルである請求項8または10に記載のモジュール集合体。
  13. 前記モジュール集合体に含まれるモジュールの数が2つである請求項1に記載のモジュール集合体。
  14. 前記上層と前記下層とが並列に電気接続されており、前記上層の前記半導体層の前記第1の電極側の面の面積が、前記下層の前記半導体層の前記上層側の面の面積よりも大きい請求項13に記載のモジュール集合体。
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