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JP4700532B2 - 情報配信システム、方法およびプログラム - Google Patents
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Description

本発明は、情報受信者のリテラシータイプを含む属性を含む情報を、情報受信者の状況に応じた、内容、タイミングで配信する情報配信システムおよび方法に関する。
近年、地震、火山噴火、風水害等の大規模自然災害の頻発や、食の安全問題、化学物質の健康リスク等の環境リスク等が重大な懸念となっており、国や地方自治体、国民の大きな関心事になっている。このような自然災害、環境汚染等の人的・物的被害に迅速に対応し、被害をできる限り防止、軽減するためには、被害抑止、被害軽減などの事前対策、応急対応、復旧・復興などの事後対策が重要とされている。
これらの対策を円滑に実施する生命線は、リスクや危機に関する情報収集・分析、被害の予測、応急対応・救援通信、住民への警報・情報伝達、住民の安否確認等を含む緊急時の情報通信であり、また、行政、ライフライン企業、被災者住民間で同じ情報を共有することが災害対応の基本であるとされている(例えば、非特許文献1参照)。
また、災害時には、行政機関が住民、市民を助けていく公助のみの対応では限界があることから、公助に合わせて、自ら自分を助ける自助、地域等の住民が助け合う共助も含めたバランスの取れた防災対策の推進及び災害時の効果的な対応が求められている。このため、各種行政機関だけでなく、行政と住民等、住民等同士の防災情報の共有、提供等が必要とされており、住民等との情報の共有に当たっては、インターネット上で様々な防災情報の窓口を集約した防災情報ポータルサイトの設置や、防災情報共有プラットフォームを通じたマスメディアへの情報提供と連携などを進め、国民の誰もが必要な防災情報に容易にアクセスできる環境の整備を進めるとしている(例えば、非特許文献2、3、4、5参照)。
自助においては、自身がとるべき行動を判断、意思決定し、行動するために、何が起きているのか、何が起きようとしているのか、どのような対応があるのかなどを把握する情報を適切なタイミングで提供することが必須となる。また、共助では、地域や職場環境の状況等を理解する情報が重要である。国あるいは地方公共団体など行政機関も、対応、対策を迅速かつ適切に実施するために、災害の状況を察知し、また、その情報から、なすべきことを判断し、行動することが必要となる。このように、情報受信者が、情報受信者の置かれた立場に合った内容の情報を、適切なタイミングで提供することが求められている。
しかし、現状では、的確な事前情報が、この情報に対応する防災担当者に届かず、自治体の多くは避難勧告の発令の遅れがあったり、あるいは発令できなかったりするという事態が生じている。また、洪水・土砂災害において、高齢の被災者が屋内で被災する事例が急増しており、防災担当者や被災者等の情報受信者に、情報受信者に対応する情報が情報受信者に合致したタイミングで提供されることの重要性が指摘されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、高齢者、障害者、疾病者、乳幼児、子ども、在住外国人などの様々なハンディキャップを負った人は、災害発生時に一層弱い立場となり、ハンディキャップを負っていない人と同じ災害情報を提供しても、この災害情報に基づいた対応が出来ないという問題が生じている。
近年、情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方等のリテラシーは個人で異なり、例えば、教育や人材育成等の分野において、思考スタイル、認知スタイル等によりタイプ分類し、タイプ毎に、タイプに対応した情報を提供する手法が研究、開発されている。人間が情報を認知、理解するバイアスとして、個人個人で異なる思考スタイル、認知スタイルが存在しており、例えば、物事を分析的(analytic)に捉えるか、全体(wholist)として捉えるかという軸と、物事を言語的(verbaliser)に取り扱うか、イメージ的(imager)に取り扱うかという軸の2つの直交した軸で、おおよそ4つのタイプに分類したり、別の分け方として、分析的、論理的、合理的観点、直感的、コンセプト的、全体像的観点詳細な時系列的観点、感情的観点等の4タイプに分類したりされ、教育や人材育成等に活用されようとしている(例えば、非特許文献6、7参照)。
社会環境工学研究連絡委員会、自然災害工学専門委員会報告、「災害に強い社会をつくるために- For Disaster Resilient Society -」、平成12年4月24日、日本学術会議、社会環境工学研究連絡委員会、自然災害工学専門委員会
平成15年中央防災会議「防災情報システム整備の基本方針」
平成16年防災白書
平成17年防災白書
中央防災会議(平成16年4月20日)参考資料1
Riding, R. J. (1991). Cognitive styles analysis user manual. Birmingham: Learning and Training Technology
ネッド・ハーマン著、「ハーマンモデル」、東洋経済新聞社
しかし、上述した、防災情報ポータルサイトの設置や、防災情報共有プラットフォームでは、情報受信者に状況、事態を理解させ、新たな事態が発生する可能性を認知させ、この事態への対応を意思決定させ、かつ、意思決定した対応を実施させることをもたらす情報を配信することはできない。また、上述した、防災情報ポータルサイトの設置や、防災情報共有プラットフォームは、伝えるべき情報の内容が既に定まっている場合に、個人に合わせて「伝えたい内容をどの様な形に情報を加工するか」、「どの様に情報を伝えるか」という情報配信について考慮していない。さらに、個人で異なる情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方等のリテラシーに合わせて、構成、表現形式等の情報属性を有する情報を加工して提供するシステムは存在しない。
また、従来の技術では、情報受信者のおかれている立場、情報受信者の環境等に対応した内容で、情報受信者の情報の読み方、事態の理解の仕方、意思決定の仕方、行動の取り方等の情報受信者のリテラシータイプに対応した構成、表現形式等の情報属性を有する情報を、事態の進展の状況に対応したタイミングで、情報受信者に配信することはできない。
この発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、情報受信者が情報を正確に理解し、情報受信者に迅速かつ的確な行動を促すための情報を情報受信者に配信するための情報配信システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の情報配信システムは、情報受信者に対応する情報の内容と、該情報を配信するタイミングとに対応している受信者属性を複数格納している受信者属性格納手段と、情報受信者のアクセスを受け付ける受付手段と、前記アクセスした情報受信者に基づいて、複数の前記受信者属性から前記アクセスした情報受信者の受信者属性を選択する受信者属性選択手段と、情報受信者の情報理解力、リスクまたはクライシスを判断する判断能力、状況判断能力、意志決定能力、行動能力を示すリテラシータイプを複数格納しているタイプ格納手段と、前記アクセスした情報受信者に基づいて、複数の前記リテラシータイプから前記アクセスした情報受信者のリテラシータイプを選択するタイプ選択手段と、複数の受信者属性と複数の情報内容とを対応付けているテーブルと、複数のリテラシータイプと複数の情報属性とを対応付けているテーブルとを含む情報配信ルールを格納している配信ルール格納手段と、現在の状況および今後の予測の少なくともいずれか1つと、必要な対応とを含むリスク・クライシス情報を複数格納している情報格納手段と、前記情報配信ルールを参照して、前記選択されたリテラシータイプに対応する情報属性を選択する情報属性選択手段と、前記情報配信ルールを参照して、前記選択された受信者属性に対応する情報内容を選択する内容選択手段と、複数の前記リスク・クライシス情報から、前記選択された情報属性と前記選択された情報内容に対応するリスク・クライシス情報を選択する情報選択手段と、前記現在の状況および前記今後の予測の少なくともいずれか1つと、前記必要な対応と、前記選択された受信者属性とに基づいて、前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信するタイミングを決定する決定手段と、前記決定されたタイミングで前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信する配信手段と、を具備し、前記決定手段は、前記現在の状況および前記今後の予測の少なくともいずれか1つを示す所定量が基準値に達すると想定される時点を前記タイミングとし、前記情報受信者が行動のために必要とする時間が長いほど前記タイミングを早くすることを特徴とする。
本発明の情報配信方法は、情報受信者に対応する情報の内容と、該情報を配信するタイミングとに対応している受信者属性を複数格納している受信者属性格納手段用意し、情報受信者のアクセスを受け付け、前記アクセスした情報受信者に基づいて、複数の前記受信者属性から前記アクセスした情報受信者の受信者属性を選択し、情報受信者の情報理解力、リスクまたはクライシスを判断する判断能力、状況判断能力、意志決定能力、行動能力を示すリテラシータイプを複数格納しているタイプ格納手段を用意し、前記アクセスした情報受信者に基づいて、複数の前記リテラシータイプから前記アクセスした情報受信者のリテラシータイプを選択し、複数の受信者属性と複数の情報内容とを対応付けているテーブルと、複数のリテラシータイプと複数の情報属性とを対応付けているテーブルとを含む情報配信ルールを格納している配信ルール格納手段を用意し、現在の状況および今後の予測の少なくともいずれか1つと、必要な対応とを含むリスク・クライシス情報を複数格納している情報格納手段を用意し、前記情報配信ルールを参照して、前記選択されたリテラシータイプに対応する情報属性を選択し、前記情報配信ルールを参照して、前記選択された受信者属性に対応する情報内容を選択し、複数の前記リスク・クライシス情報から、前記選択された情報属性と前記選択された情報内容に対応するリスク・クライシス情報を選択し、前記現在の状況および前記今後の予測の少なくともいずれか1つと、前記必要な対応と、前記選択された受信者属性とに基づいて、前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信するタイミングを決定し、前記決定されたタイミングで前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信し、前記タイミングを決定することは、前記現在の状況および前記今後の予測の少なくともいずれか1つを示す所定量が基準値に達すると想定される時点を前記タイミングとし、前記情報受信者が行動のために必要とする時間が長いほど前記タイミングを早くすることを特徴とする。
本発明の情報配信システム、方法およびプログラムによれば、情報受信者が情報を正確に理解し、情報受信者に迅速かつ的確な行動を促すための情報を情報受信者に配信することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る情報配信システム、方法およびプログラムについて詳細に説明する。
まず、本実施形態の情報配信システム、方法およびプログラムの概要を述べる。本実施形態の情報配信システム、方法およびプログラムは、情報受信者に状況、事態を理解させ、新たな事態が発生する可能性を認知させ、この事態への対応を意思決定させ、かつ、意思決定した対応を実施させることをもたらす情報の配信において、情報受信者のおかれている立場、情報受信者の環境等により一意的に対応付けられた内容で、かつ、情報受信者の情報の読み方、事態の理解の仕方、意思決定の仕方、行動の取り方等の、情報受信者のリテラシータイプに対応した属性を有する情報を、情報受信者の取り巻く状況に合致したタイミングで、情報受信者に配信する。本実施形態では、情報受信者のおかれている立場、情報受信者の環境等の情報対象の判定、情報受信者の情報の読み方、事態の理解の仕方、意思決定の仕方、行動の取り方等の、情報受信者のリテラシータイプ等の判定、事態の進展の状況に対応した情報配信のタイミングの判定を行い、情報受信者に最も対応した内容で、情報受信者のリテラシー等に対応した構成、表現形式等の情報属性を有する情報を選択、フィルタリングし、情報受信者に最も対応したタイミングで情報を情報受信者に配信する。
また、本実施形態の情報配信システム、方法およびプログラムは、前記情報受信者に配信する情報を作成、加工した上で、情報受信者に配信するものである。また、提供する情報は、情報要素を基にし、想定される様々な情報受信者に対応した内容で、かつ、想定する情報受信者の各種リテラシーに対応した情報属性を有する複数の情報を網羅的に作成、加工、構築するものである。
さらに、本実施形態の情報配信システム、方法およびプログラムは、防災情報等のリスク情報やクライシス情報等の配信において、情報受信者の役割、情報配信時の状況、情報に取りあげられている地域の特性等の判定、情報受信者の情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方等のリテラシー等の判定、事態の進展の状況に対応した情報配信のタイミングの判定を行い、情報受信者に最も合致する内容で、情報受信者のリテラシー等に対応した構成、表現形式等の情報属性を有する情報を選択、フィルタリングし、情報受信者に対応したタイミングで情報を情報受信者に配信するものである。
防災情報のようなリスク情報、クライシス情報を情報受信者に提供する目的は、情報受信者に、当事者として事態を理解させ、災害発生可能性を認知させ、行動をおこさせることにより、災害の発生を防ぐと共に、災害の被害を最小限に抑えることにある。そのため、情報受信者のおかれている立場(役割)、情報配信時の状況、情報受信者の環境(地域の特性等)等を示す「情報の対象」(以下では、情報の対象と略記する)に対応した内容の防災情報を提供することが必要である。また、情報受信者の情報の読み方、リスクやクライシス等に関する事態の理解の仕方、捉え方等を示すリテラシーは個人の感性的な属性に依存する。したがって、情報受信者が最も読みやすくリスクやクライシス等の事態を自分のこととして捉えることができ、情報受信者が取るべき行動を誘起させる構成、表現形式等の情報属性を備えている必要がある。また、情報そのものだけでなく、情報受信者の置かれている状況や事態の進展に伴い、情報受信者の置かれている状況に合わせたタイミングで情報を提供することも必要である。
本実施形態では、情報受信者に事態を理解させ、災害発生可能性を認知させ、必要な対応の意思決定を行い、行動をおこさせるような事例として、自然災害の一種の風水害をとりあげて説明する。なお、本発明は、一般的な危機管理の対象である自然災害、環境汚染、大規模火災、化学工場や危険物を扱う企業等の重大事故、さらには、テロ等への対応等の、情報受信者に状況、事態を理解させ、新たな事態が発生する可能性を認知させ、この事態への対応を意思決定させ、かつ、意思決定した対応を実施させることを目的とした情報配信全てに適用できることはいうまでもない。
次に、防災情報の基本的な構成の一例について図1を参照して説明する。
防災情報は、少なくとも、現在の状況101、今後の予測102、必要な対応103を備えている。現在の状況101とは、現在何が起きているかを示す。今後の予測102とは、今後どうなるかを示す。必要な対応103とは、現在の状況と今後の予測を基に想定される対応を示す。
現在の状況101、今後の予測102、必要な対応103のそれぞれは、例えば、一つのメッセージを構成する情報単位が複数集まって構成されている。情報単位104,105は、情報を作成する基のデータ等である情報要素を複数組み合わせて構成されている。各情報要素106,107,108は、国や地方自治体等の複数の防災関係機関、防災担当者等が収集、分析、あるいは、意思決定した防災に関する情報であり、これらの情報要素106,107,108を複数活用して情報単位104を構成し、さらに、情報単位104,105を複数組み合わせ、あるいは加工して、防災情報を構築することにより、ローデータである情報要素が、例えば様々な目的に対応した内容の防災情報等にインテリジェント化されている。
次に、防災情報に要求される要件の一例について図2を参照して説明する。
防災情報のようなリスク情報、クライシス情報を情報受信者に提供する目的は、情報受信者に当事者として事態を理解させ、災害発生可能性を認知させ、行動をおこさせることにより、災害の発生を防ぐと共に、被害を最小限に抑えることにある。そのため、情報の対象に対応した内容の防災情報を提供することが必要である。また、情報受信者の情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方等のリテラシーは、個人の感性的な属性に依存するため、情報受信者が最も読みやすく、リスクやクライシスを自分のこととして捉えて情報受信者が取るべき行動を起こすことを誘起する構成、表現形式等の情報属性を備えている必要がある。さらに、情報そのものだけでなく、情報受信者の置かれている状況、事態の進展に伴い、情報受信者の置かれている状況に合わせたタイミングで提供することも必要である。
次に、図2の情報内容の要件を反映した防災情報の情報単位の基本的な構成の一例について図3を参照して説明する。
情報内容は、各情報の対象に対応した内容の情報単位から構成されている。各情報単位は、対象に依存しない共通的な情報要素と、対象に依存する個別な情報要素とからなる。図3の例では、対象1、2、3に対応した共通な情報要素としてA−1、対象1、2に対応した共通な情報要素としてA−2、対象2、3に対応した共通な情報要素としてB−1、および、対象1に個別な情報要素としてA−3、B−2がそれぞれ採用されている。ここで、情報要素A−nは、防災機関A、あるいは、防災担当者Aが収集、分析、あるいは、意思決定した防災に関する情報であることを意味しており、同様に、B−nは、防災機関B、あるいは、防災担当者Bが収集、分析、あるいは、意思決定した防災に関する情報であることを意味している。このように、任意の対象に対する情報単位は、複数の防災機関、あるいは、防災担当者による情報要素で構成されるとともに、一防災機関、あるいは、一防災担当者による情報要素が、複数の情報単位の構成要素として使われている。
次に、防災情報の対象に則した情報単位の階層構成の一例について図4を参照して説明する。
防災機関、あるいは、防災担当者等の役割分担が細分化されている場合等においては、上位の対象に対する基本的な情報単位の下位層に、細分化された防災機関、あるいは、細分化された防災担当者に固有の情報単位が構成されている。図4の例では、上位の対象である対象1の下位層に細分化された対象として対象1−1、1−2等があり、上位の対象に対応した情報単位1の下位層に、下位層の各対象に対応した情報単位1−1、1−2等がある。
次に、情報受信者のリテラシータイプに対応した情報属性の基本的な構成の一例について図5を参照して説明する。
情報受信者個々の情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方等のリテラシーは、大まかに複数のタイプに分類することができ、タイプ毎にある情報属性が対応している。本実施形態では、リテラシーA、B等が、それぞれタイプ1、2、3に分類されており、リテラシー毎の各タイプに対して1つの情報属性が対応付けられている。例えば、リテラシーAに対応してタイプ1、2、3の3種類のタイプが存在し、各タイプに、情報属性A−1、A−2、A−3が情報属性として対応付けられている。ここでは、リテラシー毎の各タイプに異なる情報属性が対応している例を示しているが、タイプは異なっても情報属性は同じ場合がありうる。
次に、本実施形態の情報配信システムについて図6を参照して説明する。図6の情報配信システムは、上述した、複数の防災機関、あるいは、防災担当者が、収集、分析、あるいは、意思決定した防災に関する情報要素を基にし、防災情報に求められる要件(図2)を満たした情報内容、情報属性を備える防災情報を作成、加工し、情報の対象に対応した内容で、かつ、情報受信者のリテラシーに対応した情報属性を有する防災情報をフィルタリングし、情報受信者に最も対応したタイミングで情報受信者に配信する。
本実施形態の情報配信システムは、情報共有部601、管理部602、フィルタリング部603を備えている。情報共有部601は、少なくとも1つの情報共有データベース(DB)605を含んでいる。管理部602は、情報配信ルール管理部606、情報蓄積部607、情報設計ルール管理部608を含んでいる。フィルタリング部603は、判定部604、情報フィルタリング部612、情報配信部613、情報抽出部614、情報加工部615を含んでいる。また、判定部604は、タイミング判定部609、対象判定部610、リテラシータイプ判定部611を含んでいる。
情報共有部601では、各情報共有データベース605が図1、図3に示した情報要素を格納している。各情報共有データベース605は、現在の状況と、今後の予測と、必要な対応とを含む、リスク情報やクライシス情報(リスク・クライシス情報)を複数格納している。情報共有部601は、管理部602、フィルタリング部603とは異なる装置でもよい。情報共有データベース605は、情報要素を書き込んだり更新したりする。情報共有部601、情報共有データベース605の具体例については後に図7を参照して説明する。
判定部604は、情報受信者である、被災者(住民等)651、防災担当者652、後方支援等653から判定するための材料となる情報を予め取得し、判定材料を設定してある。判定材料は、例えば、メモリ(図示せず)に格納されている。
対象判定部610は、メモリに格納されている判定材料を参照して、情報受信者の受信者属性に対応させて情報受信者に配信する情報の内容を決定するために必要な判定を行う。受信者属性は、情報の対象と同義であり、受信する情報の内容および受信するタイミングに直接関係する属性である。受信者属性は、後の図11、図12、図13に示すように、例えば、情報受信者の役割、情報受信者の分類(住民か非住民か等)、情報受信者がいる地域の地域特性である。対象判定部610が扱う情報の内容については後に図11、図12、図13を参照して説明する。
より具体的には、メモリは、例えば、判断材料として、情報受信者に対応する情報の内容と、情報を配信するタイミングとに対応している受信者属性を複数格納している。対象判定部610は、情報受信者のアクセスを受け付け、アクセスした情報受信者に基づいて、メモリに格納されている複数の受信者属性から前記アクセスした情報受信者の受信者属性を選択する。
リテラシータイプ判定部611は、メモリに格納されている判定材料に基づいて、情報受信者の情報理解力、リスクまたはクライシスを判断する判断能力、状況判断能力、意志決定能力、行動能力を示す情報受信者のリテラシータイプを判定する。リテラシータイプは、情報受信者に配信する情報属性を決定するために必要である。リテラシータイプ判定部611の詳細については後に図14、図15を参照して説明する。
より具体的には、メモリは、例えば、リテラシータイプを複数格納している。リテラシータイプ判定部611は、情報受信者のアクセスを受け付け、アクセスした情報受信者に基づいて、メモリに格納されている複数のリテラシータイプから、アクセスを受け付けた情報受信者に対応するリテラシータイプを選択する。
情報配信ルール管理部606は、複数の情報の対象(すなわち、複数の受信者属性)、および、リテラシータイプに対応した情報の対応付けを規定する情報配信ルールを予め格納している。情報配信ルールは、例えば、複数の受信者属性と複数の情報内容とを対応付けているテーブルと、複数のリテラシータイプと複数の情報属性とを対応付けているテーブルとを含んでいる。情報配信ルールについては後に図10を参照して説明する。
情報フィルタリング部612は、情報配信ルールを参照して、リテラシータイプ判定部611で選択されたリテラシータイプに対応する情報属性を選択する。また、情報フィルタリング部612は、情報配信ルールを参照して、対象判定部610で選択された受信者属性に対応する情報内容を選択する。さらに、情報フィルタリング部612は、情報蓄積部607に蓄積されている複数のリスク・クライシス情報から、選択された情報属性と選択された情報内容に対応するリスク・クライシス情報を選択する。情報フィルタリング部612の具体的な動作例については後に図10を参照して説明する。
タイミング判定部609は、情報共有部601に格納されている複数のリスク・クライシス情報に含まれている、現在の状況と、今後の予測と、必要な対応とに基づいて、情報フィルタリング部612で選択された受信者属性に対応して、前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信するタイミングを決定する。タイミング判定部609は、情報共有部601から情報要素を取得し、この情報要素に基づいて、事態の進展の状況に対応して情報配信のタイミングを決定することができる。タイミング判定部609の詳細については後に図19、図20、図21、図22を参照して説明する。
情報配信部613は、情報フィルタリング部612により選択されたリスク・クライシス情報(例えば、防災情報)を対応する情報受信者に配信する。情報配信部613の具体的な動作例については後に図10を参照して説明する。
情報設計ルール管理部608は、受信者属性ごとに、現在の状況と、今後の予測と、必要な対応と、に対応してそれぞれに少なくとも1つの情報要素を対応付けているテンプレートと、複数のリテラシータイプとを含む情報設計ルールを予め格納している。情報設計ルールの詳細については後に図23、図24を参照して説明する。
情報抽出部614は、情報設計ルールを参照して、情報共有部601が格納している複数の情報要素から、複数の受信者属性のそれぞれに対応する情報要素を少なくとも1つ抽出する。情報抽出部614が抽出する情報要素については後に図7、図23、図24を参照して説明する。情報抽出部614の動作は後に図25を参照して説明する。
情報加工部615は、情報設計ルールを参照して、情報抽出部614で抽出された情報要素を情報の要素として使用して、複数のリテラシータイプのそれぞれに対応するリスク・クライシス情報を作成、加工する。情報加工部615の詳細については後に図8、図11、図13、図24を参照して説明する。
情報蓄積部607は、情報加工部615が作成、加工したリスク・クライシス情報を蓄積する。リスク・クライシス情報の例は後に図23、図24を参照して説明する。情報蓄積部607は、最新のリスク・クライシス情報を情報加工部615から受け取って、古いリスク・クライシス情報をアップデートする。
本実施形態では、判定、情報抽出、情報加工、情報フィルタリング、情報配信を含めてフィルタリングと称し、情報設計ルール管理、情報配信ルール管理、情報蓄積を含めて管理と称す。
次に、図6の情報共有部601、情報抽出部614について図7を参照して説明する。
情報抽出部614は、所望の防災情報単位等を作成するために必要な情報要素を、情報設計ルールに則って情報共有部601から抽出する。図7の例では、情報要素a、b、・・・i(情報要素705)が抽出されている。情報要素は、情報を作成する基のデータ等であり、テレメトリングシステム等で収集した降雨量データ、河川の水位データ、風速データ等の各種風水害等に関する観測データ、各防災機関や防災担当者が収集した被災状況等に関する被災状況情報、各種防災機関によりシミュレーションされた各種防災に関するシミュレーション結果情報、各防災機関や担当者が意思決定した意思決定結果情報と実施している災害対策に関する情報、ライフラインや防災に関連する協力事業者や病院等の後方支援等の対策状況情報等で構成されている。
また、本実施形態では、情報共有部601は、複数の情報共有データベース605と情報要素管理部703とを含む。情報共有データベース605は、例えば、防災関係機関1から防災関係機関nにいたる防災関係機関ごとに情報要素を格納している情報共有DB1から情報共有DBnまでの複数の情報共有DBを有している。情報要素管理部703は、防災関係機関および防災担当者が複数の情報共有DBに蓄積されている情報要素を関係者や関係機関の間で伝達・情報交換できるように、各情報共有データベース605を共有している。情報要素管理部703は、各情報共有データベース605に蓄積されている情報要素を共有するとともに、各防災機関が管理する各情報共有データベース605と情報抽出部614とのインタフェースとして機能する。
例えば、防災関係機関1が管理する情報共有DB1には、防災関係機関1あるいはその担当者が収集した情報要素11から情報要素1pが蓄積されている。なお、ここでは、情報共有部601内に各防災機関が管理する情報共有データベース605を含め、各防災機関あるいはその防災担当者からの情報を直接、情報共有データベース605に蓄積する構成としたが、各防災機関が所有する個別のシステムで情報共有データベース605を管理し、情報共機能内の情報共有データベース605にアップロードする構成としても構わない。
次に、図6の情報加工部615について図8を参照して説明する。
情報加工部615は、情報抽出部614により抽出された情報要素を基にし、情報設計ルールに従って情報受信者に提供する防災情報を作成、加工している。情報加工部615は、情報設計ルールに規定されている情報の対象と情報内容との対応付けに従って、必要な情報要素を組み合わせて情報単位を作成し、また、複数の情報単位により、情報を作成する。情報加工部615は、情報組み立て部801、情報変換部802、情報処理部803、情報階層化部804、情報構成組み替え部805を含んでいる。
情報組み立て部801は、加工された情報をさらに情報要素として、複数の情報要素を組み合わせて情報を組み立てることによって情報を作成する。また、同一の情報要素でも、情報の対象によって活用の仕方が異なっているため、例えば、複数の情報要素を用いて1情報が作成されるとともに、1情報要素が複数の情報作成に用いられることもある。
情報変換部802は、情報設計ルールに規定されている情報受信者のリテラシータイプと情報属性との対応付けに従って、情報要素で用いられている、あるいは、情報単位等に含まれている専門的な用語や単位を、一般の人が直感的に理解しやすい用語や単位に変換する。
情報処理部803は、複数の観測データやシミュレーション結果等を数値計算し、グラフ化したりGIS等を用いて地図上に重ねたりするとともに、直感的に数値やグラフ等の意味している内容を判断するための指標を作成する。
情報階層化部804は、情報の内容や詳細度等のレベルにより情報を階層化する情報階層化の加工が行われる。
情報構成組み替え部805は、情報加工部615で加工されて作成された複数の情報をどの様に構成するかを決定し、情報の構成を組み替える。例えば、図9に示すような構成例がある。図9は、情報構成組み替え部805が情報構成組み替えを行った結果の組み替えた情報の構成の一例を示す。
図9では、1防災情報が、情報1、情報2、情報3の複数の種類の情報で構成され、各情報が、さらに、「概要」と、「詳細な情報」(以下「詳細」と略記する)とで構成されている例を示している。構成例1は、図9(a)に示すように、「概要」と「詳細」とが階層化されており、上位の階層でそれぞれの「概要」が一覧できるように一括で示され、各「概要」の下位層に各「詳細」が配置された構成となっている。構造を意識しないで筋道通りに上から下に読めるようになっており、やや難しい根拠や理由付けの情報は必要に応じて読める構成である。構成例2は、図9(b)に示すように、「概要」と「詳細」が順番に一括で配置された構成となっている。構成例3は、図9(c)に示すように、上位階層でタイトルだけを示しておき、その下位層に各情報の「概要」と「詳細」を示す構成となっている。
次に、情報フィルタリング部612と情報配信部613とについて図10を参照して説明する。
情報フィルタリング部612は、情報選択部1005、情報マスキング部1006を含んでいる。情報選択部1005は、情報加工部615が作成した情報1、情報2、情報3の中から、情報配信ルールに則り、情報受信者の対象の判定結果に対応した情報内容で、かつ、情報受信者のリテラシータイプの判定結果に対応した情報属性を有する情報を選択し、フィルタリングする。情報配信部613は、情報フィルタリング部612でフィルタリングされた情報に対応した情報受信者にこの情報を配信する。また、情報マスキング部1006は、情報受信者の役割や分類、属性等によっては提供できない情報を隠す。例えば、図10に示すように、隠したい情報レベル3をマスキングし、情報提供時には情報受信者bには全てのレベルの情報を提供するが、情報受信者cにはレベル3の情報を削除して提供する。
情報配信ルール1002では、図10に示されているように、情報受信者の情報の対象に対応した情報内容と、情報受信者のリテラシータイプに対応した情報属性とが予め規定されていて、情報配信ルール1002は情報配信ルール管理部606に格納されている。また、図10の例では、対象判定部610およびリテラシータイプ判定部611によって、情報受信者a、b、cのそれぞれが、情報の対象T1、T2、T3に、また、リテラシータイプが、RT1、RT2、RT3に判定されている(1001)。情報フィルタリング部612は、これらの判定結果1001を情報配信ルールに適用することにより、それぞれの情報受信者に対応した情報内容で、かつ、情報属性を有する、防災情報を選択する。例えば、情報受信者aは、情報の対象がT1、リテラシータイプがRT1と判定されたため、情報の対象T1に配信すべき情報内容IC1で構成され、かつ、リテラシータイプRT1にとって理解しやすい情報属性IA1を有する情報1が選択される。そして、情報配信部613がこの選択された情報を情報受信者1に配信する。同様に、情報受信者bには、情報内容IC2で、かつ、情報属性IA2を有する情報2、情報受信者cには、情報内容IC3で、かつ、情報属性IA3を有する情報3が、それぞれ選択され、配信される。
次に、情報内容を規定する情報の対象の要因である情報受信者の役割の一例について図11を参照して説明する。
情報受信者としては、例えば、防災、減災対策を実施する役割である国や地方自治体等の各種防災機関や防災担当者がいる。また、国や地方自治体等の各種防災機関が実施する対応、対策を後方支援するとともに、場合によっては被災者の避難活動等の援護を行う役割であるライフライン企業等の協力事業者や病院等の後方支援機関がある。さらに、自身で避難等を行い、要援助者の避難等を援助する被災者がいる。それぞれの役割や状況に対して、情報受信者に、事態を理解し、災害発生の可能性を認知させ、行動を起こさせるために必要な情報内容が存在している。情報加工部615は、情報設計ルールを参照して、情報受信者に対応した内容の情報を作成するための情報構成、情報作成手順を踏んで情報を加工する。
次に、情報内容を規定する情報の対象の要因である被災者の分類の一例について図12を参照して説明する。
情報受信者が被災者の場合、被災者の様々な属性に対応して配信する情報の内容を規定する必要がある。例えば、図12に示すように、被災者は、受信する情報の対象となる地域の住民か、あるいは、たまたま居合わせた人(非住民)なのかという住民、非住民の違い、および、情報受信者が例えば災害に対応して避難等の行動を起こす際に何らかの援護が要るのか不要なのかの違い、さらには、要援護者としては、障害者、高齢者、乳幼児のいる保護者、乳幼児、日本語の理解等が不自由な人等の違いによって分類され、それぞれに対応した内容の情報が存在している。
一方、防災機関、防災担当者、後方支援等に提供する情報提供は、どの情報要素を使ってどの情報を作成し、誰に情報配信するかは、基本的に防災マニュアル等で規定されており、例えば、その詳細な担務が分かれば、配信すべき情報は一意的に決定される。
次に、情報内容を規定する情報の対象の要因である地域特性の一例について図13を参照して説明する。
自然災害は、災害発生地域の地形、地質、地形に依存する気象条件等に大きく依存することから、災害の状況、予測、対応等が地域特性により異なっている。例えば、積雪が多い地域や、半島、中山間地域など公共交通機関が限られている地域等のように、情報受信者のいる地域の特性に対応した防災情報等を作成し、配信する必要がある。情報加工部615は、情報設計ルールを参照して、これらの地域特性に対応した情報内容の防災情報を作成する情報構成、情報作成手順を踏んで情報を加工する。上述したように、この地域特性は受信者属性に含まれる。
情報受信者の役割、および、被災者の分類等の判定は、対象判定部610が行う。例えば、情報受信者を特定する個人識別コードと、この識別コードを用いたときの役割、被災者の分類等の属性とを予め登録しておき、情報受信者が本システムにアクセスするときに、個人識別コードを入力することにより、判定することが可能である。また、情報受信者が本システムにアクセスするときに、予め分類され、かつ、登録されている役割と被災者としての分類等との属性一覧を表示し、その中から情報受信者に対応する項目を情報受信者が選択してもよい。
地域特性は、情報受信者が情報を受信するためにアクセスしたときに、対象判定部610が、例えば、予め登録されている地域識別コード等の一覧から、情報受信者が所望の地域のコードを選択する構成とすることが可能である。また、情報受信者を特定する個人識別コードと、この識別コードを用いたときの地域属性とを予め登録しておき、情報受信者が本システムにアクセスするときに、前記個人識別コードを入力することにより、対象判定機能により判定する構成としてもよい。さらには、GPS等の地域を特定できる端末(図示せず)等から情報をアクセスする場合は、この特定した地域に関する情報を端末等から本システムで入手し、この地域に対応した防災情報を配信してもよい。
次に、防災情報に要求される要件であるリテラシーの種類の一例について図14を参照して説明する。
リスク情報、クライシス情報等の配信は、情報受信者に、直ちに情報を読み、内容を理解し、意思決定し、行動してもらうことを目的としているため、個人のリテラシーに対応して、個人が的確、かつ、迅速に事態を理解し、リスク、クライシスを判断し、意思決定し、行動するために最も必要な属性の情報を提供する。個人のリテラシーは、例えば、個人の情報接触力、情報そのものの見方、捉え方、理解の仕方等の情報理解力、リスクやクライシスの判断能力、状況判断能力、情報を元にした意思決定能力、さらには、行動能力がある。
図14に示す各種リテラシーの判定には、このリテラシーに関する情報受信者の内面的属性を判定する主要な構成要因に対応した複数の軸で構成されるリテラシータイプ判定マップにより、情報受信者の内面的属性を判定する手法を用いる。
次に、リテラシータイプ判定部611の基本的な構成について図15を参照して説明する。
リテラシータイプ判定部611は、内面的属性判定部1501と、リテラシータイプ判定マップ1502とを含んでいる。内面的属性判定部1501は、設問群管理部1503、マッピング部1504、属性値解析部1505、属性割付部1506を含んでいる。リテラシータイプ判定部611は、リテラシータイプ判定マップ1502上に情報受信者が対応する点をマッピングし、この配置された点の位置に対応した情報受信者の内面的属性タイプを判定する。
リテラシータイプ判定マップ1502は、対象とする情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方等の感性に関わる内面的属性の要因を軸とする多次元空間と、個人の感性に関わる内面的属性を代表する特徴的な内面的属性を有する集団(クラスタ)とで構成されており、情報受信者個々の内面的属性を判定する指標としての機能を有している。多次元空間の軸は、情報受信者の内面的属性を定量的に判定するため、各情報受信者の内面的属性に対応する点が配置される位置を定量的に評価できるように指標化されている。内面的属性を軸とする多次元空間上には、様々な代表的な内面的属性を有するクラスタが多数存在しており、クラスタ境界面が有する各軸に対応した既定値を指標として、情報受信者の内面的属性が判定される。各クラスタは基本的には独立して重なり合う部分は存在しないが、リテラシータイプ判定部611が扱う情報の分野や種類によって複数のクラスタが重なり合うことも可能である。図15では、簡単のため、軸をA、B、C、また、軸の組み合わせで特徴づけられるクラスタの特徴的な属性タイプを1〜8までとした構成で示しているが、提供する情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方などの着目する視点によって、軸の数、属性タイプを変更することも可能である。
設問群管理部1503は、情報受信者各個人の内面的属性タイプを判定する上で必要な主要な構成因子となる項目が設問項目として設定されている設問群を蓄積している。各設問項目は、内面的属性判定部1501により、情報受信者の対象とする情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方等に関する内面的属性が鮮明に特徴づけられることが可能となるように設計されている。
マッピング部1504は、リテラシータイプ判定マップ1502上に情報受信者個々が対応する点を配置する。マッピング部1504は、属性値解析部1505により得られた数値データを元に、情報受信者の属性が対応している、リテラシータイプ判定マップ1502における点の位置を決定する。
属性値解析部1505は、情報受信者個々のリテラシータイプ判定マップ1502における各軸に対する配置位置を定量的に分析する。属性値解析部1505は、設問群管理部1503の内面的属性情報入力機能(図示せず)により入力された、設問群に対する情報受信者の回答を元データとして、後述する既定の多変量解析等の解析手法によりリテラシータイプ判定マップの各軸の配置される位置を示す数値データを定量的に解析する。
属性割付部1506は、情報受信者の属するクラスタを特定して特徴的な属性タイプを割り付ける。属性割付部1506は、マッピング部1504により情報受信者が対応する位置が属するクラスタのタイプを、その情報受信者の属するタイプとして特定する。この特定により、情報受信者のリスク情報の読み方、捉え方に関する内面的属性が客観的、定量的に把握される。
一般的に、人間の感性に関する内面的属性などの分析、分類には、主成分析やクラスタ分析などの多変量解析等の公知の分析手法が採用されている。例えば、主成分分析により得られる主成分得点により個人の内面的属性の数値化を行い、その数値を基にしてリテラシータイプ判定マップに配置される位置を決定し、各主成分得点を用いたクラスタ分析により自動的にタイプ分類する方法を採用してもよい。このとき、この入力された各個人の分析軸各々に対応する因子座標空間での位置と、各クラスタの中心座標位置との距離を算出し、最も距離の短いクラスタのタイプに属すると判定する。具体的には、分析軸毎にその軸のどの位置に配置されるかを分析する複数の質問に情報受信者に回答させ、この回答結果を基に、主成分分析を行い、軸毎に主成分得点を導き出す。続いて、情報認知マップにおける個人の位置を割り出し、規定のクラスタの中から属するクラスタを判定する。判定の手法は、例えば、規定のクラスタ中心に最も近いクラスタに属するように規定しており、判定する。これらの主成分分析、および、クラスタ分析は、SPSSなどの統計解析ツールなどで実施することが可能である。また、予め算出された近似式を用い、主成分得点の算出と属するクラスタ判定を行っても良い。
次に、設問群管理部1503に蓄積されているリテラシータイプを判定する設問群の一例について図16を参照して説明する。
各設問項目に対し、「そうではない」、「どちらでもない」、「そうである」までの5段階の中から最もふさわしい回答を選択し、その結果に主成分分析を行って個人の内面的属性を数値化する。
本手法により分類したリスク情報認知に関する内面的属性の一例を図17に示す。
タイプ1は、リテラシー・判断の第三者依存度が高く、ある程度の情報リテラシーを持つが、情報源の論調に影響されやすい内面的属性を有する。タイプ2は、リスクゼロ志向度・判断の第3者依存度が低く、自分で情報収集し判断するとともに、リスクを理解している内面的属性を有する。タイプ3は、情報リテラシー・防災知識度が低く、難しい情報は苦手で、人の言うことに左右されやすい内面的属性を有する。タイプ4は、情報リテラシー、リスクゼロ志向ともに高く、リスクに対して敏感で、情報は自分で確認・判断する内面的属性を有する。
次に、内面的属性(タイプ)と、提供するリスク情報、クライシス情報が具備すべき基本的な情報属性との対応の一例について図18を参照して説明する。
タイプ1の情報受信者には、詳細な情報よりもポイントをまとめた要約と、一言で結論を述べる構成の情報が適している。タイプ2の情報受信者には、正確で、専門的な構成の情報が適している。タイプ3の情報受信者には、詳細な情報よりも、ポイントをまとめ、また、筋道の順に説明し、図表には見方や着目ポイント等を示す構成の情報が適している。タイプ4の情報受信者には、データをそのまま提示し、また、図表を用いて詳細に説明する構成の情報が適している。
例えば、これらのタイプと、図9に示す情報構成との対応付けができる。図9の構成例1は、それぞれの概要が一覧できるように一括で示され、各概要の下位層に各詳細情報が配置された構成となっているため、タイプ1、タイプ3に対応した構成である。図9の構成例2は、概要と詳細が順番に一括で配置された構成となっているため、全情報を読まなければ気が済まないタイプ4に対応した構成である。構成例3は、最初にタイトルだけが示されており、その下位層に各情報の「概要」と「詳細」を示す構成となっているため、全体の構成を把握し、ランダムに必要な情報だけを読むタイプ2に対応した構成である。
次に、タイミング判定部609、情報配信部613が行う、状況に応じたタイミングで情報を提供する一例について図19(A)、図19(B)を参照して説明する。
防災情報のようなリスク情報、クライシス情報を情報受信者に提供する目的は、情報受信者に当事者として事態を理解させ、災害発生可能性を認知させ、行動をおこさせることにより、災害の発生を防ぐと共に、被害を最小限に抑えることにある。そのため、図19(A)に示すように、情報受信者の置かれている状況、事態の進展に伴い、情報受信者の置かれている状況に合わせて、状況1で情報受信者が事態を理解する情報1A、状況2で情報受信者が災害発生可能性を認知させ、その対応を意思決定する情報2A、状況3で情報受信者が行動を起こす情報3Aを、状況に対応したタイミングで提供している。
例えば、図19(B)に示すように、事態の進展に伴って予め防災情報を提供する事態のレベルを規定しておき、状況が該当するレベルに達したときに該当する情報を提供する。図19(A)、図19(B)の例では、事態がレベル1Aに達したときに情報1Aを、レベル2Aに達した時に情報2Aを、レベル3Aに達したときに情報3Aを情報受信者Aにそれぞれ提供している。また、例えば、情報受信者Bが避難準備等に時間が必要な要援護者等の場合、図19(B)に示すように、情報配信のタイミングを判定する事態のレベルが1B、2B、3Bと低くなり、それに伴って情報を配信するタイミングがそれぞれタイミング1B、2B、3Bと早くなるとともに、提供する情報の内容も異なっている。
次に、情報を配信するタイミング判定の基準と、この基準に事態のレベルが達したときの情報受信者の分類、および、配信する情報内容の関係の一例について図20を参照して説明する。
事態のレベルがレベル1Bに達したときに、分類Bに該当する情報受信者に、情報内容1Bの情報を配信する。事態が進展してレベルがレベル1Aに達したときに、分類Aに該当する情報受信者に、情報内容1Aの情報を配信する。ここで、情報受信者の分類は、図12に示す住民、非住民、支援者、要援護者等に相当する。図20に示すように、事態のレベルと情報を配信する情報受信者の被災者としての分類、情報内容を予め定めておくことにより、事態のレベルのモニタ等により、情報受信者に応じたタイミングで、対応する情報受信者に、情報受信者に対応した内容等の情報を配信することが可能である。
次に、状況の一例として情報受信者の避難行動の観点に立った状況について図21を参照して説明する。また、事態の発生の時系列の観点に立った状況について図22を参照して説明する。
図21では、状況把握の段階、避難準備の段階、避難決断の段階、行動開始の段階等が想定される。また、図22では、事態の発生直前、事態の発生時、事態の発生直後等の段階が想定される。本実施形態では、情報配信部613が、これらの状況に応じて、情報受信者に対応した対処を促すタイミングで、情報受信者に対応した情報を配信している。
情報受信者が、情報の対象、リテラシータイプ等の判定に必要な各種情報を判定部604に入力することにより、情報受信者の情報の対象やリテラシータイプ等に対応した内容のリスク情報、クライシス情報等の防災情報を、情報配信部613は配信する。また、タイミング判定部609による現在の状況の判定結果を基にし、情報配信ルール管理部606により、情報受信者の状況に合致したタイミングで防災情報を配信する。
情報受信者に情報を提供するタイミングは、被災情報やシミュレーション等による被災予報、気象状況やシミュレーション等による気象予報、地震状況やシミュレーション等による地震予報、防災機関、防災担当者、後方支援を担当する協力事業者や病院等が実施している救援情報や今後の予定、および、その他の各種情報やシミュレーション等による予定、予報等の情報を基にし、さらには、情報受信者自身の状況に関する情報等を根拠として、タイミング判定部609が判定する。タイミング判定部609は、例えば、河川の水位、山間地の降水量等の観測データ等を根拠として、既定の基準値に達した時点を情報配信のタイミングと判定する。また、タイミング判定部609は、観測データを用いたシミュレーションによる予報値を根拠として、既定の基準値に達すると想定される時点を情報配信のタイミングと判定する。さらには、図19(B)に示すように、緊急度等によっては、防災担当者等による状況判定結果等を根拠として、予め定められた事態の進展のレベルに達することを契機に、タイミング判定部609は情報配信のタイミングと判定する。状況を判定する根拠となる情報は、図2の情報共有部601に含まれる防災情報共有DBに蓄積されていてもよい。また、防災機関、あるいは、防災担当者等から、直接リアルタイムでタイミング判定部609に情報配信のタイミング情報を入力してもよい。
次に、防災担当者、および、防災機関を情報受信者とした場合の情報設計ルールのテンプレートの一例について図23を参照して説明する。図23は、図3の対象1に対応している。
情報設計ルールのテンプレートには、防災情報を構成する、現在の状況、今後の予測、必要な対応等の内容に対応して、その情報を構成しうる共通的な情報要素と、各防災機関個別の情報を構成する情報要素がそれぞれ記されている。また、防災機関においても、担当毎に必要な情報は異なることから、さらに詳細に担当毎に必要な情報を構成しうる情報要素が階層化して示されている。さらには、地域特性に必須な内容等を付加する必要がある場合には、地域特性とその特性に必要な情報を構成しうる情報要素も記されている。
例えば、図23の「現在の状況」−「共通項目」の欄に記載されている「情報要素A−1、情報要素A−2…」は、防災機関が情報受信者である場合の「現在の状況」として「情報要素A−1、情報要素A−2…」を必要な情報要素であると判定することを示している。すなわち、情報抽出部614は、情報共有部601から取得した複数の情報要素のうち、情報要素A−1、情報要素A−2…のいずれかの情報要素がある場合には、その情報要素を「現在の状況」−「共通項目」に入れるべき情報として抽出する。
さらに言えば、図23の各欄、例えば、「今後の予測」−「個別項目 機関1」の欄(情報要素B−3、情報要素B−4…が記載されている)に記載されている情報要素が情報共有部601に格納された場合には、情報抽出部614は対応する欄にその情報要素を抽出するということである。
その後、情報抽出部614での抽出処理が終了して、情報加工部615に渡す抽出結果は、例えば、図23の各欄に1つまたはそれ以上の数の情報要素が含まれている。図23の欄で対応する情報要素が情報共有部601に無い場合にはこの欄は空欄となる。情報配信部613が、空欄があるリスク・クライシス情報を配信する際には、空欄に対応する情報を提示するとき、例えば、「情報なし」と表示させるようにする。
図23では、防災機関を対象にした場合について説明したが、後方支援等の場合も同様である。
次に、被災者を情報受信者とした場合の情報設計ルールのテンプレート一例について図24を参照して説明する。図24は、図3の対象1に対応している。
被災者の場合、状況に応じて避難等を行うことが求められることから、全ての被災者に伝えられる情報の内容は基本的に共通である。ただし、図12に示す情報受信者の分類等によって個別な情報要素が必要な場合は、リスク・クライシス情報には、防災情報を構成する現在の状況、今後の予測、必要な対応毎に、その情報を構成する共通的な情報要素と、各被災者個別の情報を構成する情報要素とがそれぞれ記されている。さらには、図13に示す地域特性等に対応して、地域特性に必要な情報を構成する情報要素も記されている。各欄の意味は、図23の例と同様である。各欄に記載されている情報要素は、情報受信者によって変りうる。
一般に、防災情報の内容は、前述のように防災マニュアル等で規定されている。また、情報受信者のリテラシータイプに対応した情報属性は、前述のように主成分分析やクラスタ分析などの多変量解析等の公知の分析手法により既知である。従って、情報要素を基にした防災情報の作成や情報属性の具備等は、情報作成等で用いられているテンプレート、XML等のタグ、メタデータ等の技術を用いて実施することが可能である。例えば、情報抽出部614が、情報設計ルールを参照してこのルールに規定されたテンプレートないし雛形を複数用意してあるもののうちの必要なテンプレートを選択して使用し、情報共有部601から取得した情報要素を機械的にこの選択されたテンプレートや雛形に流し込むことによって情報を抽出する。さらに、情報設計ルール管理部608の中に、情報加工部615用に、複数のリテラシータイプごとに加工するためのテンプレートを用意し、情報加工部615は、このテンプレートに指定する情報要素を埋め込んでいくだけで、情報組み立て部801、情報変換部802、情報処理部803、情報階層化部804、情報構成組み替え部805が行う処理が完了するようにしてあってもよい。また、情報フィルタリング部612は、タグやメタデータ等を用いて、情報受信者に対応する情報の選択、および、マスキング等を行うことができる。
次に、情報抽出部614、情報加工部615、情報蓄積部607の動作について図25を参照して説明する。
情報共有部601が、新規な情報要素が情報共有部601に入力されたことを検知する(ステップS2501)。情報抽出部614、情報加工部615が、この検知をトリガーとして、この新規な情報要素を用いた防災情報を作成、加工するための情報設計ルールを参照し(ステップS2502)、必要な情報の対象に対応した内容で、かつ、情報受信者のリテラシータイプに対応した情報属性を有する情報単位を作成、加工する(ステップS2503)。さらに、情報加工部615は、この情報単位を用いて、必要な情報の対象に対応した内容で、かつ、情報受信者のリテラシータイプに対応した情報属性を有する情報を作成、加工し(ステップS2504)、情報蓄積部607に蓄積する(ステップS2505)。
次に、タイミング判定部609、対象判定部610、リテラシータイプ判定部611、情報フィルタリング部612、情報配信部613が行う、基本的な情報配信フローの概要について図26を参照して説明する。
情報フィルタリング部612は、新規情報が情報蓄積部607に蓄積されたことの検知をトリガーとして(ステップS2601)、情報配信ルールを参照し(ステップS2602)、必要な情報フィルタリング処理を行う(ステップS2603)。情報配信部613は、情報配信ルールに則り、かつ、タイミング判定部609のタイミング判定結果に従って(ステップS2604)、情報受信者に必要な情報を配信する(ステップS2605)。
図26の例では、情報受信者への情報配信は、新規情報の作成をトリガーとして、プッシュ型で情報受信者に情報を配信している。情報受信者からのアクセスは、平常時にも行ってよく、この平常時のアクセス時に情報の対象、リテラシータイプ等を登録することにより、必要な時にプッシュ型で情報を配信する。また、情報配信が継続して行われている時に、情報受信者の情報の対象等に変更が生じた場合、情報受信者がアクセスして変更した情報の対象等を登録することにより、配信する情報をこの情報の対象に対応した内容の情報に変更することが可能である。
基本的な情報提供フローの一例について図27を参照して説明する。
本実施形態の情報配信システムに情報受信者が役割判定情報を入力する(ステップS2701)。情報受信者が、例えば、各種防災機関や防災担当者、協力事業者や後方支援機関、被災者の選択肢の中から、該当する項目を選択する。対象判定部610が、情報受信者の役割を判定する(ステップS2702)。ステップS2702で被災者でないと判定された場合、対象判定部610が情報受信者の役割から情報対象を特定し(ステップS2703)、図26に示す情報配信フローに従って該当する情報が配信される(ステップS2704)。
ステップS2702で役割判定において被災者と判定された場合、対象判定部610が、住民か被住民か、支援者か要援護者か、要援護者の場合、障害者、高齢者、乳幼児のいる保護者、乳幼児、言葉が不自由な人、その他等の中から詳細な役割を選択し(ステップS2705)(詳細は図13の説明参照)、その役割に対応した情報の対象が特定される(ステップS2706)。続いて、設問群管理部1503の内面的属性情報入力機能により、内面的属性判定に必要な設問群に対する回答を情報受信者から入手する(ステップS2707)。提示する設問群は、設問群管理部1503によって情報受信者に提示されている。情報受信者により入力された設問群の回答は、属性値解析部1505に転送される。情報受信者の内面的属性を定量的に判定するため、属性値解析部1505が、得られた回答を元データとして、リテラシータイプ判定マップにおける各軸に対する配置位置を定量的に解析し(ステップS2708)、マッピング部1504がリテラシータイプ判定マップ1502上に情報受信者が対応する点を個々に配置し(ステップS2709)、属性割付部1506が情報受信者の該当する位置が属するクラスタを判定する(ステップS2710)。続いて、属性割付部1506による属性対応表(図18)を参照し、リテラシータイプ判定部611が、このクラスタのタイプに対応した情報属性を抽出し(ステップS2711)、図26に示す情報配信フローに従って特定された情報対象に対応した情報内容で、かつ、特定されたリテラシータイプに対応した情報属性の情報が配信される(ステップS2712)。
防災情報等の情報受信者は、屋内、屋外、公衆網の利用可能地域、公衆網の利用不可能地域等様々な環境で防災情報にアクセスすることが想定できる。このため、情報配信部は、情報受信者がアクセスしてきた情報端末等を判定し、この情報端末に対応したフォーマットの防災情報を配信する機能を有している。
前記各部は、基本的にはコンピュータ(サーバ、パソコン)等に搭載され、各機能が情報通信網を介して接続され、必要な防災情報を流通させ、防災情報提を提供する。情報通信網は、公衆網、専用線、IPネットワーク、LAN、WAN、プライベートネットワーク等で構築される。
以上に示した実施形態によれば、情報受信者の役割、情報配信時の状況、情報受信者に配信する情報に取りあげられている地域等に対応した内容で、情報受信者の情報の読み方、リスクやクライシスの捉え方等のリテラシー等に対応した構成、表現形式等の情報属性を有するリスク情報、クライシス情報等の情報を、事態の進展の状況に対応したタイミングで、情報受信者に配信することが可能なため、情報受信者に当事者として事態を理解させ、災害発生可能性を認知させ、行動をおこさせることができ、災害の発生を防ぐと共に、被害を最小限に抑えることができる。
また、上述の実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。汎用の計算機システムが、このプログラムを予め記憶しておき、このプログラムを読み込むことにより、上述した実施形態の情報配信システムによる効果と同様な効果を得ることも可能である。上述の実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD±RWなど)、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータまたは組み込みシステムが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態の情報配信システムと同様な動作を実現することができる。もちろん、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合はネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
また、記憶媒体からコンピュータや組み込みシステムにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーションシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
さらに、本願発明における記憶媒体は、コンピュータあるいは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限られず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も、本発明における記憶媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
なお、本願発明におけるコンピュータまたは組み込みシステムは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するためのものであって、パソコン、マイコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、本願発明の実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の実施形態における機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
防災情報の基本的な構成の一例を示す図。 防災情報に要求される要件の一例を示す図。 防災情報の情報単位の基本的な構成の一例を示す図。 防災情報の対象に則した情報単位の階層構成の一例を示す図。 情報受信者のリテラシータイプに対応した情報属性の基本的な構成の一例を示す図。 本発明の本実施形態に係る情報配信システムのブロック図。 図6の情報共有部、図6の情報抽出部の詳細を示す図。 図6の情報加工部の詳細を示す図。 図8の情報構成組み替え部が情報構成組み替えを行った結果の組み替えた情報の構成の一例を示す図。 図6の情報フィルタリング部612、図6の情報配信部613の詳細を示す図。 情報内容を規定する情報の対象の要因である情報受信者の役割の一例を示す図。 情報内容を規定する情報の対象の要因である被災者の分類の一例を示す図。 情報内容を規定する情報の対象の要因である地域特性の一例を示す図。 防災情報に要求される要件であるリテラシーの種類の一例を示す図。 図6のリテラシータイプ判定部の基本的な構成の一例を示す図。 図15の設問群管理部に蓄積されているリテラシータイプを判定する設問群の一例を示す図。 ある手法により分類したリスク情報認知に関する内面的属性の一例を示す図。 内面的属性(タイプ)と、提供するリスク情報、クライシス情報が具備すべき基本的な情報属性との対応の一例を示す図。 図6のタイミング判定部、図6の情報配信部が行う、状況に応じたタイミングで情報を提供する一例を示す図。 タイミング判定基準と被災者の分類と情報内容との構成の一例を示す図。 情報受信者の避難行動の観点に立った状況の一例を示す図。 事態の発生の時系列の観点に立った状況の一例を示す図。 防災担当者、および、防災機関を情報受信者とする情報設計ルールの一例を示す図。 被災者を情報受信者とする情報設計ルールの一例を示す図。 図6の情報抽出部、図6の情報加工部、図6の情報蓄積部の動作を示すフローチャート。 図6のタイミング判定部、図6の対象判定部、図6のリテラシータイプ判定部、図6の情報フィルタリング部、図6の情報配信部の動作を示すフローチャート。 情報提供フローの一例を示すフローチャート。
符号の説明
104,105…情報単位、106,107,108,705…情報要素、601…情報共有部、602…管理部、603…フィルタリング部、604…判定部、605…情報共有データベース、606…情報配信ルール管理部、607…情報蓄積部、608…情報設計ルール管理部、609…タイミング判定部、610…対象判定部、611…リテラシータイプ判定部、612…情報フィルタリング部、613…情報配信部、614…情報抽出部、615…情報加工部、703…情報要素管理部、801…情報組み立て部、802…情報変換部、803…情報処理部、804…情報階層化部、805…情報構成組み替え部、1005…情報選択部、1006…情報マスキング部、1501…内面的属性判定部、1502…リテラシータイプ判定マップ、1503…設問群管理部、1504…マッピング部、1505…属性値解析部、1506…属性割付部。

Claims (7)

  1. 情報受信者に対応する情報の内容と、該情報を配信するタイミングとに対応している受信者属性を複数格納している受信者属性格納手段と、
    情報受信者のアクセスを受け付ける受付手段と、
    前記アクセスした情報受信者に基づいて、複数の前記受信者属性から前記アクセスした情報受信者の受信者属性を選択する受信者属性選択手段と、
    情報受信者の情報理解力、リスクまたはクライシスを判断する判断能力、状況判断能力、意志決定能力、行動能力を示すリテラシータイプを複数格納しているタイプ格納手段と、
    前記アクセスした情報受信者に基づいて、複数の前記リテラシータイプから前記アクセスした情報受信者のリテラシータイプを選択するタイプ選択手段と、
    複数の受信者属性と複数の情報内容とを対応付けているテーブルと、複数のリテラシータイプと複数の情報属性とを対応付けているテーブルとを含む情報配信ルールを格納している配信ルール格納手段と、
    現在の状況および今後の予測の少なくともいずれか1つと、必要な対応とを含むリスク・クライシス情報を複数格納している情報格納手段と、
    前記情報配信ルールを参照して、前記選択されたリテラシータイプに対応する情報属性を選択する情報属性選択手段と、
    前記情報配信ルールを参照して、前記選択された受信者属性に対応する情報内容を選択する内容選択手段と、
    複数の前記リスク・クライシス情報から、前記選択された情報属性と前記選択された情報内容に対応するリスク・クライシス情報を選択する情報選択手段と、
    前記現在の状況および前記今後の予測の少なくともいずれか1つと、前記必要な対応と、前記選択された受信者属性とに基づいて、前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信するタイミングを決定する決定手段と、
    前記決定されたタイミングで前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信する配信手段と、を具備し、
    前記決定手段は、前記現在の状況および前記今後の予測の少なくともいずれか1つを示す所定量が基準値に達すると想定される時点を前記タイミングとし、前記情報受信者が行動のために必要とする時間が長いほど前記タイミングを早くすることを特徴とする情報配信システム。
  2. 各前記格納されているリスク・クライシス情報は、複数の情報要素を含んでいて、
    受信者属性ごとに現在の状況と今後の予測と必要な対応とに対応してそれぞれに少なくとも1つの情報要素を対応付けているテンプレートと、複数のリテラシータイプとを含む情報設計ルールを格納している格納手段と、
    前記情報設計ルールを参照して、複数の情報要素から各受信者属性に対応する情報要素を少なくとも1つ抽出する抽出手段と、
    前記抽出された情報要素を使用して、各リテラシータイプに対応する情報を作成する作成手段と、
    前記作成された情報を蓄積する蓄積手段と、をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の情報配信システム。
  3. 前記受信者属性選択手段は、少なくとも、前記アクセスした情報受信者の役割、アクセスした時の状況、および、前記アクセスした情報受信者がいる地域に基づいて、前記受信者属性を選択し、
    前記タイプ格納手段は、少なくとも、情報受信者の情報の読み方、リスクやクライシスの事態の捉え方、該リスクや該クライシスへの対応に関する意思決定の仕方、および、該意思決定に対応した行動の取り方による、複数のリテラシータイプを格納していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報配信システム。
  4. 情報受信者に対応する情報の内容と、該情報を配信するタイミングとに対応している受信者属性を複数格納している受信者属性格納手段用意し、
    情報受信者のアクセスを受け付け、
    前記アクセスした情報受信者に基づいて、複数の前記受信者属性から前記アクセスした情報受信者の受信者属性を選択し、
    情報受信者の情報理解力、リスクまたはクライシスを判断する判断能力、状況判断能力、意志決定能力、行動能力を示すリテラシータイプを複数格納しているタイプ格納手段を用意し、
    前記アクセスした情報受信者に基づいて、複数の前記リテラシータイプから前記アクセスした情報受信者のリテラシータイプを選択し、
    複数の受信者属性と複数の情報内容とを対応付けているテーブルと、複数のリテラシータイプと複数の情報属性とを対応付けているテーブルとを含む情報配信ルールを格納している配信ルール格納手段を用意し、
    現在の状況および今後の予測の少なくともいずれか1つと、必要な対応とを含むリスク・クライシス情報を複数格納している情報格納手段を用意し、
    前記情報配信ルールを参照して、前記選択されたリテラシータイプに対応する情報属性を選択し、
    前記情報配信ルールを参照して、前記選択された受信者属性に対応する情報内容を選択し、
    複数の前記リスク・クライシス情報から、前記選択された情報属性と前記選択された情報内容に対応するリスク・クライシス情報を選択し、
    前記現在の状況および前記今後の予測の少なくともいずれか1つと、前記必要な対応と、前記選択された受信者属性とに基づいて、前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信するタイミングを決定し、
    前記決定されたタイミングで前記選択されたリスク・クライシス情報を前記アクセスした情報受信者に配信し、
    前記タイミングを決定することは、前記現在の状況および前記今後の予測の少なくともいずれか1つを示す所定量が基準値に達すると想定される時点を前記タイミングとし、前記情報受信者が行動のために必要とする時間が長いほど前記タイミングを早くすることを特徴とする情報配信方法。
  5. 各前記格納されているリスク・クライシス情報は、複数の情報要素を含んでいて、
    受信者属性ごとに現在の状況と今後の予測と必要な対応とに対応してそれぞれに少なくとも1つの情報要素を対応付けているテンプレートと、複数のリテラシータイプとを含む情報設計ルールを格納している格納手段を用意し、
    前記情報設計ルールを参照して、複数の情報要素から各受信者属性に対応する情報要素を少なくとも1つ抽出し、
    前記抽出された情報要素を使用して、各リテラシータイプに対応する情報を作成し、
    前記作成された情報を蓄積する蓄積手段を用意することを特徴とする請求項4に記載の情報配信方法。
  6. 前記受信者属性を選択することは、少なくとも、前記アクセスした情報受信者の役割、アクセスした時の状況、および、前記アクセスした情報受信者がいる地域に基づいて、前記受信者属性を選択し、
    前記タイプ格納手段は、少なくとも、情報受信者の情報の読み方、リスクやクライシスの事態の捉え方、該リスクや該クライシスへの対応に関する意思決定の仕方、および、該意思決定に対応した行動の取り方による、複数のリテラシータイプを格納していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の情報配信方法。
  7. コンピュータに、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報配信システムを実行させるためのプログラム。
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