以下に、本発明にかかるパケットスケジュール方法および当該パケットスケジュール方法を実現する通信システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるパケットスケジュール方法を実現する通信システムの実施の形態1の構成例を示す図である。この通信ネットワークは、本発明にかかるパケットスケジュール方法を実現する移動端末1および基地局2と、上位局3と、ネットワーク4と、サーバ5と、により構成される。移動端末1は、基地局2により割り当てられた無線回線を使用して基地局2、上位局3およびネットワーク4などを介して他の通信装置(この例ではサーバ5)との間でパケット通信を行う。基地局2は、上位局3に接続され、上位局との間でパケットの送受信を行う。ネットワーク4は、通信システムに応じて構築されたIP(Internet Protocol)ネットワークやATM(Asynchronous Transfer Mode)ネットワークなどであり、上位局3との間でパケットの送受信を行う。なお、図1に示した構成例では、基地局2に対して移動端末1のみが無線通信を行う構成となっているが、実際には、移動端末1および図示されていない他の移動端末が基地局2から割り当てられた無線リソースを使用して基地局2と通信を行う。
また、図1において、101〜104は、移動端末1と基地局2との間で送受信されるパケットを示しており、101および103は、基地局2から移動端末1へ下り回線により送信される下りパケットである。また、102および104は、移動端末1から基地局2へ上り回線により送信される上りパケットである。これらのパケットには、上位レイヤのデータパケットや送達確認パケットを分割あるいは結合して格納することが可能であり、無線回線上のパケットフォーマットに従って生成される。なお、以下の説明においては、基地局と移動局との間の無線回線上で送受信されるパケットを“無線伝送パケット”と呼ぶこととする。
パケット101は、移動端末1宛のデータを含んだ無線伝送パケット(データパケット)である。パケット102は、制御情報である上り回線割当要求を含んだ無線伝送パケット(メッセージ)であり、移動端末1が無線伝送パケットを送信する際に使用する無線リソース(上り回線)の割り当てを、基地局2に対して要求するためのものである。また、パケット102は、移動端末1において送信待ちとなっているパケットの情報量、使用可能な電力量、などの情報を含んでいる。パケット103は、制御情報である上り回線割当許可を含んだ無線伝送パケット(メッセージ)であり、基地局2が移動端末1に対して割り当てた上り回線を通知するためのものである。なお、上り回線割当要求(パケット102)および上り回線割当許可(パケット103)の制御情報を含んだ無線伝送パケットの送受信に使用するチャネルは、個別チャネル、共有チャネル、ランダムアクセスチャネルなどが考えられるが、ここでは特に限定しない。パケット104は、送達確認(ACK:ACKnowledgement)である。基地局2と移動端末1との間で行われるパケットの送受信動作、については後述する。
図2は、移動端末1の構成例を示す図であり、この移動端末1は、上り送信バッファ11,符号化・変調機能部12,復調・復号化機能部13,無線送受信部14,アンテナ15,下り回線品質測定部16,優先情報管理部17,上り送信タイミング管理部18,パケット組立部19を備える。
移動端末1において、上り送信バッファ11は、上位レイヤから受け取ったTCP/IPパケットを基地局(図1に示した構成であれば基地局2)へ送信するまでの間一時的に蓄積しておく。符号化・変調機能部12は、上り送信タイミング管理部18から受け取ったパケットを符号化し、変調する。復調・復号化機能部13は、基地局から無線送受信部14を介して受信した信号を復調し、復号化する。無線送受信部14は、アンテナ15を介して、基地局との間で信号の送受信を行う。下り回線品質測定部16は、受信信号(下り回線)の品質を測定する。なお、測定結果は、受信信号の送信元(基地局)に対してフィードバックされる。優先情報管理部17は、基地局から受信した無線伝送パケットに優先割当情報が付加されている場合、その情報を取得して管理しておく。なお、優先割当情報とは、TCP/IPデータパケット受信時の送達確認情報を低遅延で送信するために、上り回線を優先的にスケジューリングするように(優先的に割り当てるように)基地局に対して要求する際に使用する情報である。上り送信タイミング管理部18は、基地局から指示された上り信号(無線伝送パケット)の送信タイミングを記憶しておき、また、上り回線の割り当てを基地局に対して要求するための「上り回線割当要求」などの制御情報を含んだパケットおよび上りデータを含んだパケットを生成する。また、上り送信タイミング管理部18は、これら生成した無線伝送パケットが予め基地局から指示されていた上り信号の送信タイミングで送信されるように、符号化・変調機能部12に対して出力する。パケット組立部19は、復調・復号化機能部13から無線伝送パケットを受け取り、それを用いてTCP/IPパケットを組み立てる。
図3は、本発明にかかる通信装置として動作する基地局2の構成例を示す図であり、この基地局2は、有線送受信部21,分配機能部22,パケット保持部23,符号化・変調機能部24,復調・復号化機能部25,無線送受信部26,アンテナ27,下り回線品質管理部28,優先情報管理部29,下りスケジュール部30,上りスケジュール部31,パケット組立部32を備える。
基地局2において、有線送受信部21は、上位局3との間でTCPパケットの送受信を行う。分配機能部22は、移動端末(TCP/IPパケットの宛先)および通信品質(たとえば、QoS:Quality of Service、Priority)に応じて上位局3から受信したTCP/IPパケットを分類してパケット保持部23へ格納する。パケット保持部23は、分配機能部22により分類されたTCP/IPパケットを格納しておくための複数のキュー(キュー23−1〜23−m)を備え、移動端末へ送信するTCP/IPパケットの送信バッファとして機能する。符号化・変調機能部24は、下りスケジュール部30から受け取った信号(無線伝送パケット)を符号化し、変調する。復調・復号化機能部25は、移動端末(移動端末1および図示されていない自局配下の移動端末)から無線送受信部26を介して受信した信号を復調し、復号化する。無線送受信部26は、アンテナ27を介して、移動端末1との間で信号(無線伝送パケット)の送受信を行う。
下り回線品質管理部28は、自局配下の移動端末から報告された下り回線の品質情報を保持する。優先情報管理部29は、TCP/IPデータパケットの送信終了を相手端末に対して通知し、送達確認情報送信用の上り回線を当該端末に対して優先的に割り当てるために使用する優先割当情報の生成および生成した情報の管理を行う。下りスケジュール部30は、下り回線品質管理部28が管理している下り回線品質、QoS、移動端末間の公平性およびパケット保持部23におけるパケット滞留量などに基づいて、移動端末に対する下り回線の割り当て、パケットの符号化率および変調方式を決定する。また、下りスケジュール部30は、下り回線の割り当て結果に基づいて、移動端末に対して送信するTCP/IPパケットをパケット保持部23から取り出し、無線伝送パケットを生成する。上りスケジュール部31は、上り回線割当のスケジューリングおよびスケジュール結果の調整(下り回線割り当て結果の調整)を行い、調整後のスケジュールを移動端末に通知するための上り回線割当許可を含んだ無線伝送パケットを生成する。パケット組立部32は、上りスケジュール部30を介して復調・復号化機能部25から無線伝送パケットを受け取り、それを用いてTCP/IPパケットを組み立てる。
つづいて、基地局と移動端末との間で行われる無線伝送パケットの送受信動作について説明する。具体的には、基地局2が上位局3を介してサーバ5から受信したデータ(TCP/IPパケット)を、その宛先である移動端末1へ送信する動作を図1〜4に基づいて説明する。なお、図4は、基地局2が上位局3から受信したデータ(TCP/IPパケット)を移動端末1に送信する動作の一例を示すシーケンス図である。ここでは、移動端末1とサーバ5が送達確認型の上位レイヤプロトコルにTCP/IPを用いて通信を行うものとして説明を行う。ただし、送達確認型の上位レイヤプロトコルをTCP/IPに限定するものではない。また、本実施の形態の優先情報管理部29および下りスケジュール部30が請求項13の優先割当情報生成送信手段を構成し、優先情報管理部29および上りスケジュール部31が請求項13の上りスケジュール手段を構成する。
上位局3から移動端末1宛のデータ(TCP/IPパケット)を基地局2の有線送受信部21が受信すると、当該受信データは、分配機能部22によってパケット保持部23のいずれかのキューへ格納され、移動端末1に対して送信されるのを待つ。下りスケジュール部30が、下り回線についてのスケジューリングを実行した結果、移動端末1に対して下り回線が割り当てられると、下りスケジュール部30は、パケット保持部23から取り出した、送信可能な情報量に見合うTCP/IPパケットから無線伝送パケットを生成する。なお、TCP/IPパケットは、その一部だけを取り出してもよい。以上の処理が、図4のステップS1の処理に相当する。
さらに、下りスケジュール部30は、生成した無線伝送パケットの中にTCP/IPデータパケットの最後の情報ビットを含んでいるかどうかを確認する(ステップS2)。パケットの中に最後の情報ビットを含んでいる場合(ステップS2,Yes)、下りスケジュール部30は、上記生成した無線伝送パケットに対して優先割当情報を追加する(ステップS3)。
ここで、ステップS3の処理を具体的に説明する。TCP/IPパケットの中に最後の情報ビットを含んでいると判断した場合、下りスケジュール部30が優先情報管理部29に対して、上り回線の優先割当情報を生成するように指示を行う。そして、優先情報管理部29は、移動端末1が上記TCP/IPデータパケットに対する送達確認情報を迅速に送信可能とする制御(スケジューリング)で使用する優先割当情報を生成し、生成した情報を管理する。なお、優先割当情報の管理は、たとえば、図5に示した例のように、優先割当情報、移動端末およびQoSを対応付けて管理テーブルを生成することにより行う。
この対応付けは、TCP/IP通信が複数のQoSに適用されない場合には、移動端末と優先割当情報の対応だけで管理してもよい。また、移動端末とQoS毎に複数の優先割当情報の保持が可能となるように、たとえば、キュー構造を用いて優先割当情報を管理する。また、優先割当情報の管理は、移動端末とQoS毎に最新の1つを保持するように簡略化してもよい。なお、優先情報管理部29は、優先割当情報が付加された無線伝送パケットを同時期に複数個送受信できるように、毎回異なる値の優先割当情報を生成する。そのため、優先情報管理部29は、たとえば、移動端末の識別情報、QoS情報と送信時刻などから優先割当情報を生成することが考えられるが、完全にランダムな値を優先割当情報として生成するようにしてもよい。
そして、下りスケジュール部30は、上記優先割当情報を追加した無線伝送パケットを再生成する。なお、優先割当情報が付加された無線伝送パケットの構成は、図6に示した例のようにヘッダ情報の一部として優先割当情報を含んだものとなる。そして、この無線伝送パケット(図1のパケット101に相当)は、符号化・変調機能部24、無線送受信部26およびアンテナ27を介して下り無線回線(移動端末1)へ送信される(ステップS4)。
なお、下りスケジュール部30が符号化・変調機能部24へ無線伝送パケットを渡す場合、周波数や拡散コードなどの下り回線リソースに対応付けて符号化率や変調方式を指定する。また、無線伝送パケットを無線回線へ送信するのに先立ち、無線伝送パケットの符号化率および変調方式、宛先移動端末などを示した制御情報が移動端末に対して送信される。また、上記ステップS2において、無線伝送パケットの中に上記TCP/IPデータパケットの最後の情報ビットを含んでいないと判断した場合、上記ステップS1において生成した無線伝送パケットをそのまま(優先割当情報を含まない状態で)移動端末1へ送信する(ステップS2,No、ステップS4)。なお、基地局2は、移動端末1へ伝送するTCP/IPデータパケットのサイズに応じて、移動端末1への無線伝送パケット送信を複数回実行する。
基地局2から送信された無線伝送パケットを受信すると、移動端末1の復調・復号化機能部13は、上記制御情報にて基地局2から予め示されていた符号化率および変調方式に基づいて受信した無線伝送パケットの復調および復号を行う。その後、組立部19は、復調・復号化機能部13において復号された無線伝送パケットを用いてTCP/IPパケットを組み立てる。復号された無線伝送パケットのヘッダ部に優先割当情報が付加されている場合、優先情報管理部17は、当該優先割当情報を管理する。なお、優先情報管理部17は、前述した基地局2の優先情報管理部29と同様に、TCP/IP通信が複数のQoSで用いられる場合には、QoSと対応付けて複数の優先割当情報を管理する。ただし、基地局側で優先割当情報を移動端末とQoS毎に1つのみを管理するように構成した場合、優先情報管理部17でも最新の値1つのみを管理する。パケット組立部19は、組み立てたTCP/IPパケットを上位レイヤへ渡す(ステップS5)。なお、ここでは、ハイブリットARQ(Automatic Repeat Request)など、下位レイヤにおける再送制御動作についての説明は省略する。
受信したTCP/IPパケットがデータパケットの場合、送達確認(ACK)を送信するためのTCPの送達確認情報を含んだTCP/IPパケットが上位レイヤから渡される(送信バッファ11へ格納される)。ここで、上り回線で無線伝送パケットを送信する方法として、上りランダムアクセスによる送信、基地局による上り回線割当許可を取得し、それに従ったタイミングで行う送信、があるが、ここでは基地局からの上り回線割当許可(上り回線割当スケジュール)に従ったタイミングで送信する場合について説明する。
上り回線割当許可が得られていない場合、上り送信タイミング管理部19は、無線伝送パケットを送信するにあたり、優先情報管理部18が保持・管理している優先割当情報の中から最も古いものを1つ取り出し、取り出した優先割当情報および上り回線割当要求を含んだ無線伝送パケット(図1のパケット102に相当)を生成する。そして、生成された無線伝送パケットは、符号化・変調機能部12、無線送受信部14およびアンテナ15を介して基地局2へ送信される(ステップS6)。その後、移動端末1は、基地局2から上り回線割当許可を含んだ無線伝送パケットが送信されてくる(上り回線が割り当てられる)のを待つ。なお、上記送達確認情報を含んだTCP/IPパケットを送信するために、複数回上り回線割当許可を含んだ無線伝送パケットを送信する必要がある場合、上り送信タイミング管理部19は、それぞれの無線伝送パケットに対して優先割当情報を含ませる。
基地局2の上りスケジュール部31は、無線送受信部26および復調・復号化機能部25を介して上り回線割当要求を含んだ無線伝送パケットを受信すると、当該無線伝送パケットに優先割当情報が含まれているかどうかを確認する。優先割当情報が含まれている場合、上りスケジュール部31は、その優先割当情報が無線伝送パケットの送信時に生成したものであるかどうか(有効な優先割当情報であるかどうか)を優先情報管理部29に対して問い合わせる(ステップS7)。優先情報管理部29に対する問い合わせの結果、優先割当情報が有効なものである場合(ステップS7,Yes)、上りスケジュール部31は、移動端末1の上り回線割当優先度を高くして上り回線割当スケジュールを調整する(ステップS8、S9)。これに対して、無線伝送パケットに優先割当情報が含まれていない、または、含まれている優先割当情報が有効なものではない場合(ステップS7,No)、上りスケジュール部31は、移動端末1の上り回線割当優先度を高くせずに上り回線割当スケジュールを調整する(ステップS9)。
ステップS9におけるスケジュール調整が終了し、移動端末1に対する上り回線割当が決定すると、上りスケジュール部31は、移動端末1に対して、上り回線割当許可を含んだ無線伝送パケット(図1のパケット103に相当)を生成し、生成した無線伝送パケットを符号化・変調機能部24、無線送受信部26およびアンテナ27を介して送信する(ステップS10)。
上記上り回線割当許可は、上位レイヤプロトコルに関わらず、移動端末1に対して使用を許可する上り回線無線リソース(周波数、送信電力、拡散コード、など)を示すだけでなく、その送信タイミングが上り回線割当のタイミングと関連付けされている。そのため、上り回線割当許可を受信した移動端末1は、その受信タイミングに基づいて決定した上りパケット送信タイミングにて上りパケットを送信する。なお、この上りパケットの送信タイミング決定方法は、後述する実施の形態2以降でも同様である。また、上り回線割当許可は、複数の移動端末宛の情報を含めてブロードキャスト/マルチキャストするようにしてもよい。この場合、各移動端末は、上り回線割当許可が送信されるチャネルをモニタすることで、自移動端末の上りパケット送信可否を認識することができる。そして、上り回線を割り当てられた移動端末1は、受信した上り回線割当許可に基づいて、ACKを基地局2へ送信する(ステップS11)。
以上のような一連の動作(ステップS1〜S11)を連続的に繰り返すことにより、基地局2および移動端末1は、TCP/IPのパケット送受信が連続的に可能となる。なお、上り回線割当要求の送信は、上りパケット送信毎に実施する必要はなく、上り回線割当要求に含まれるパケット送信要求量や使用可能な送信電力に変化があった場合のみ送信すればよい。また、移動端末1は、上り回線割当許可を受信後、上り回線割当要求と上りデータを別々のパケットにて送信するのではなく、上り回線割当要求の内容を上りデータと同じパケットに含めて基地局へ送信してもよい。
図7および8は、上述した本実施の形態の動作に含まれる本発明の構成を簡潔に示した図である。図7に示したように、各移動端末は、基地局がスケジュール調整後に送信した上り回線割当許可(パケット)の受信タイミングに基づいたタイミングで上りパケットを送信することとした。これにより、各移動端末間で上り回線の無線リソースが競合するのを回避できるので、無線システムのスループットを最大限に引き出すことができる。
なお、上り回線送信に拡散コードを用いる場合には、複数の移動端末が同一周波数、同一タイミングで上りパケットを送信することが可能となるため、上り回線割当許可受信と上りパケット送信のタイミングとを関連付けせずに移動端末が上りパケットを送信するシステムとしても各移動端末間で上り回線の無線リソースが競合することは無いが、同時送信を制限してスケジュールすることで移動端末間の干渉を抑え、通信品質を向上させることができる。
また、図8に示したように、上位レイヤにTCPなどの送達確認型プロトコルを適用した場合、基地局が必要に応じて上り回線の優先割当情報を含んだ下りパケットを移動端末に対して送信し、移動端末がその優先割当情報を含んだ上り回線割当要求を基地局に対して送信することとした。そして、基地局は、上り回線割当要求に含まれる優先割当情報を考慮して上り回線割当スケジュールを調整することとした。これにより、上位レイヤの送達確認に対する優先制御が可能となり、低遅延で送達確認を行うことができるようになるため、送達確認型プロトコルを使用したシステムのスループットを向上させることができる。
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2の動作について説明する。上述した実施の形態1においては、基地局が移動端末から受信した上り回線割当要求を含んだ無線伝送パケット内の優先割当情報を使用して上り回線割当優先度を制御する場合の動作について説明したが、本実施の形態においては、基地局が優先割当情報を送信した時刻を保持しておき、これと上り回線割当要求受信後の上り回線割当スケジュール結果とを比較することで上り回線割当優先度を制御する動作について説明する。
本実施の形態のパケットスケジュール方法を実現する通信システムの構成は、上述した実施の形態1と同様である。また、通信システムを構成する基地局および移動端末の構成も実施の形態1と同様である。そのため本実施の形態においては、上述した実施の形態1と異なる部分の動作についてのみ説明する。
図9は、実施の形態2の基地局と移動端末との間で行われるパケット送受信動作の一例を簡潔に示した図である。このパケット送受信動作を実施の形態1の説明にて使用した図4を参照しながら説明する。基地局2の各部は、図4に示したステップS1〜S4の処理を実行し、移動端末1に対して無線伝送パケット(パケット101)を送信する。また、ステップS4において、基地局2が優先割当情報を含んだ無線伝送パケットを送信した場合、優先情報管理部29は、当該無線伝送パケットの送信時刻を下りスケジュール部30から取得し、それを優先割当情報の送信時刻として優先割当情報に対応させて管理しておく。
その後、移動端末1は、実施の形態1と同様の処理(図4のステップS5およびS6に相当)を実行することにより送達確認送信用の上り回線割当要求(優先割当情報が付加された上り回線割当要求)を送信する。なお、上記実施の形態1には明記していないが、移動端末1が上り回線割当要求を送信後、一定時間以内に上り回線割当許可を受信できなかった場合、同一の優先割当情報を付与した上り回線割当要求を再送する。
上り回線割当要求(パケット102)を移動端末1から受信すると、基地局2の上りスケジュール部31は、実施の形態1と同様の動作を行い、当該上り回線割当要求に対するスケジューリングを実行する。さらに、上りスケジューリング部31は、スケジューリングの結果、各移動端末に割り当てたそれぞれの上り回線のスケジュール時刻(移動端末1およびその他の移動端末に対して上り回線の使用を許可するそれぞれの時刻)と、優先情報管理部29が管理している優先割当情報の送信時刻(移動端末に対して優先割当情報を含んだ無線伝送パケットを送信したそれぞれの時刻)と、を比較する。そして、この比較結果(スケジュール時刻と送信時刻の時間差)に基づいて、上りスケジューリング部31は、上記スケジューリング結果を再度調整する。具体的には、上りスケジューリング部31は、比較結果(時間差)が大きいほど移動端末に対する上り回線割当に遅延が発生していると判断し、上り回線割当優先度を高くしてスケジュールを再調整する。なお、上記スケジュール調整に使用する時刻および時間差は、たとえば、システムフレーム番号やスロット番号などを使用する。
このように、本実施の形態においては、実施の形態1の優先割当情報に基づいたスケジュール調整に加えて、さらに、優先割当情報の送信時刻に対する上り回線割当(スケジュール時刻)の遅延を考慮して、スケジュールを調整することとした。これにより、遅延時間が大きくなるほど優先的に上り回線を割り当てるため、上位レイヤでの送達確認が低遅延で行えるようになり、送達確認型プロトコルを使用したシステムのスループットをさらに向上させることができる。
実施の形態3.
つづいて、実施の形態3の動作について説明する。本実施の形態においては、基地局が無線伝送パケットを送信後、上り回線割当要求の有効期限を制限することにより優先割当情報を使用せずに上り回線割当優先度を制御する動作について説明する。なお、本実施の形態のパケットスケジュール方法を実現する通信システムの構成は、上述した実施の形態1と同様である。また、通信システムを構成する基地局および移動端末の構成も実施の形態1と同様である。そのため本実施の形態においては、上述した実施の形態1と異なる部分の動作についてのみ説明する。また、本実施の形態の優先情報管理部29が請求項16の割当要求有効期限算出手段に相当し、上りスケジュール部31が請求項16の上りスケジュール手段に相当する。
図10は、実施の形態3の基地局と移動端末との間で行われるパケット送受信動作の一例を簡潔に示した図である。このパケット送受信動作を実施の形態1の説明にて使用した図4を参照しながら説明する。基地局2の各部は、図4に示したステップS1の処理を実行し、移動端末1に対して送信する無線伝送パケットを生成する。そして、本実施の形態の基地局2は、ステップS2およびS3の処理を実行することなしに、上記生成した無線伝送パケットをパケット101として移動端末1へ送信する(ステップS4)。
このとき、優先情報管理部29は、当該無線伝送パケットの送信時刻を下りスケジュール部30から取得し、さらに、取得した送信時刻に基づいて上り回線割当要求受信の有効期限を算出する。そして、優先情報管理部29は、算出した有効期限を、図11に示した例のように移動端末およびQoSと対応付けた管理テーブルを生成して管理する。なお、この対応付けは、TCP/IP通信が複数のQoSに適用されない場合には、移動端末と有効期限の対応だけで管理してもよい。有効期限の算出は、送達確認を行う上位レイヤの種類などから予め定められた時間間隔を用いて決定することが可能であるが、移動端末が基地局に対して論理的な接続を開始する際に有効期限(時間間隔)をネゴシエーションしてもよい。
その後、移動端末1から送達確認送信用の上り回線割当要求(本実施の形態では優先割当情報が付加されていない)を受信すると、基地局2の上りスケジュール部31は、当該上り回線割当要求の受信時刻と優先情報管理部29が保持している上記有効期限(図11参照)とを比較する。そして、基地局2は、有効期限内に移動端末1から上り回線割当要求を受信した場合、上り回線割当優先度を高くしてスケジュール調整を行う。これに対して、有効期限を過ぎてから受信した上り回線割当要求に対しては、TCP/IPパケットの送達確認情報が更新されていない上りパケット送信であると判断し、優先度を変更せずにスケジュール調整を行う。
このように、本実施の形態においては、無線伝送パケットの送信時刻に基づいて、上り回線割当要求の有効期限を定め、この有効期限を使用して上り回線割当優先度を制御する(スケジュールを調整する)こととした。これにより、優先度を制御するために必要であった移動端末と基地局との間の優先割当情報の受け渡しが不要となり、下りおよび上りの無線帯域利用効率を低下させることなく、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
つづいて、実施の形態4の動作について説明する。本実施の形態においては、上り回線割当待ちとなっている上位レイヤのパケット数を使用して上り回線割当優先度を制御する動作について説明する。なお、本実施の形態のパケットスケジュール方法を実現する通信システムの構成は、上述した実施の形態1と同様である。また、通信システムを構成する基地局および移動端末の構成も実施の形態1と同様である。そのため本実施の形態においては、上述した実施の形態1と異なる部分の動作についてのみ説明する。また、本実施の形態の上りスケジュール部31が請求項17の上りスケジュール手段に相当する。
図12は、実施の形態4の基地局と移動端末との間で行われるパケット送受信動作の一例を簡潔に示した図である。このパケット送受信動作を実施の形態1の説明にて使用した図4を参照しながら説明する。基地局2の各部は、図4に示したステップS1の処理を実行し、移動端末1に対して送信する無線伝送パケットを生成する。そして、本実施の形態の基地局2は、ステップS2およびS3の処理を実行することなしに、上記生成した無線伝送パケット(パケット101)を移動端末1へ送信する(ステップS4)。
移動端末1は、実施の形態1と同様の処理(図4のステップS5およびS6に相当)を実行することにより送達確認送信用の上り回線割当要求を送信する。このとき、移動端末1は、上り回線割当待ちとなっている上位レイヤパケット数の情報を付与した上り回線割当要求(パケット102)を送信する。
上り回線割当待ちとなっている上位レイヤパケット数情報が付与された上り回線割当要求を受信した場合、基地局2の上りスケジュール部31は、当該パケット数情報を参照し、パケット数が多い場合には、送達確認情報が大きく更新されていると判断し、上り回線割当優先度を高くしてスケジュールを調整する。ただし、上り回線割当待ちとなっている上位レイヤのパケット数が多い場合であっても、他の移動端末と比較して送信待ちパケット数が少なければ送達確認情報の更新は小さいと判断して上り回線割当優先度を調整する。なお、“送達確認情報が更新される”とは、たとえば、送達確認情報内の確認応答番号が更新されることをいう。
このように、本実施の形態においては、移動端末が上り回線割当待ちとなっている上位レイヤのパケット数を付与して上り回線割当要求を基地局に対して送信し、基地局は、当該上り回線割当待ちとなっている上位レイヤのパケット数を使用して上り回線割当スケジュールを調整することとした。これにより、送達確認型プロトコルにおける送達確認遅延が低減でき、システムのスループットを向上させることができる。
実施の形態5.
つづいて、実施の形態5の動作について説明する。上述した実施の形態4においては上り回線割当待ちとなっている上位レイヤのパケット数を使用して上り回線割当優先度を制御する場合の動作について説明したが、本実施の形態においては、上り回線割当待ちとなっている上位レイヤのパケットに含まれる送達確認更新量が下位レイヤにおいて取得可能であることを条件として、この送達確認更新量を用いて上り回線割当優先度を制御する動作について説明する。また、本実施の形態の上りスケジュール部31が請求項18の上りスケジュール手段に相当する。
本実施の形態のパケットスケジュール方法を実現する通信システムの構成は、上述した実施の形態1と同様である。また、通信システムを構成する基地局および移動端末の構成も実施の形態1と同様である。そのため本実施の形態においては、上述した実施の形態1と異なる部分の動作についてのみ説明する。
図13は、実施の形態5の基地局と移動端末との間で行われるパケット送受信動作の一例を簡潔に示した図である。このパケット送受信動作を実施の形態1の説明にて使用した図4を参照しながら説明する。基地局2の各部は、図4に示したステップS1の処理を実行し、移動端末1に対して送信する無線伝送パケットを生成する。そして、本実施の形態の基地局2は、ステップS2およびS3の処理を実行することなしに、上記生成した無線伝送パケットをパケット101として移動端末1へ送信する(ステップS4)。
移動端末1は、実施の形態1と同様の処理(図4のステップS5およびS6に相当)を実行することにより送達確認送信用の上り回線割当要求を送信する。このとき、移動端末1は、上り回線割当待ちとなっている上位レイヤパケットの送達確認更新量の情報を付与した上り回線割当要求(パケット102)を送信する。ここで、送達確認更新量とは、上り回線割当待ちの先頭パケット(最も古いパケット)に含まれる送達確認情報と最終パケット(最新のパケット)に含まれる送達確認情報の差分(変化量)である。
上り回線割当待ちとなっている上位レイヤパケットの送達確認更新量情報が付与された上り回線割当要求を受信した場合、基地局2の上りスケジュール部31は、当該送達確認更新量情報を参照し、更新量が多い場合には、上り回線割当優先度を高くしてスケジュールを調整する。
このように、本実施の形態においては、移動端末が上り回線割当待ちとなっている上位レイヤのパケットに含まれる送達確認更新量の情報を付与して上り回線割当要求を基地局に対して送信し、基地局は、当該送達確認更新量を使用して上り回線割当優先度を調整後、上り回線割当のスケジューリングを実行することとした。これにより、送達確認型プロトコルを使用したシステムにおける送達確認遅延が低減でき、スループットを向上させることができる。また、実施の形態4に示したパケット数を用いる方法よりも送達確認更新量が正しく判定できるため、上り回線割当優先度制御の精度を向上させることができる。
実施の形態6.
つづいて、実施の形態6の動作について説明する。本実施の形態においては、移動端末からの上り回線割当要求を受信することなしに、基地局が上位レイヤの送達確認タイミングを予想して、移動局に上り回線を割り当てる動作について説明する。なお、本実施の形態のパケットスケジュール方法を実現する通信システムの構成は、上述した実施の形態1と同様である。また、通信システムを構成する基地局および移動端末の構成も実施の形態1と同様である。そのため本実施の形態においては、上述した実施の形態1と異なる部分の動作についてのみ説明する。また、本実施の形態の優先情報管理部29が請求項20の予約タイミング算出保持手段に相当し、上りスケジュール部31が請求項20の上りスケジュール手段に相当する。
図14は、実施の形態6の基地局と移動端末との間で行われるパケット送受信動作の一例を簡潔に示した図である。このパケット送受信動作を実施の形態1の説明にて使用した図4を参照しながら説明する。基地局2の各部は、図4に示したステップS1の処理を実行し、移動端末1に対して送信する無線伝送パケットを生成する。
つぎに、下りスケジュール部30が生成した無線伝送パケットの中にTCP/IPデータパケットの最後の情報ビットを含んでいる場合(ステップS2,Yes)、移動端末1がこのTCP/IPパケットに対する送達確認情報を上り回線で迅速に送信できるようにするため、優先情報管理部29は、上り回線割当の予約タイミングを算出し、これを保持しておく。
ここで、予約タイミングとは、データパケットを受信した移動端末が、送達確認送信用の上り回線割当要求を基地局に対して送信すると予想されるタイミングである。そのため、このタイミングで上り回線割当要求を受信した場合、基地局は、当該上り回線割当要求を送信した移動端末の上り回線割り当て優先度を高くしてスケジュールを調整する。なお、予約タイミングの算出は、送達確認を行う上位レイヤの種類などから予め定められた時間間隔を用いて決定することが可能であるが、たとえば、呼設定時に移動端末と基地局の間でネゴシエーションを行って決定してもよい。
そして、上りスケジュール部31は、上り回線割当のスケジューリングを実行する場合、優先情報管理部29に対して当該スケジューリングに対応する予約タイミングが存在するかどうか、すなわち、移動端末から上り回線割当を要求された場合、当該移動端末に対応する予約タイミングが存在するかどうか、を問い合わせる。問い合わせの結果、予約タイミングが存在していれば、当該移動端末の上り回線割当優先度を高くしてスケジュールを調整する。なお、上り回線割当優先度を高くしてスケジュールを調整したにも関わらず、上り回線が割り当てられなかった移動端末が存在する場合、上りスケジュール31は、次回以降の上り回線割当スケジューリングにおいても当該移動端末の優先度を高くしてスケジュールを調整する。
また、移動端末1に対して上り回線割当許可(パケット103)で指示する「使用を許可する上り回線リソース量」は、少なくとも上位レイヤの送達確認パケットが送信できるリソース量を指定するが、利用可能な上り回線リソースが少ない場合にはその限りではない。なお、上り回線割当許可は、複数の移動端末に対する割当許可情報を含めてブロードキャスト/マルチキャストするようにしてもよい。上り回線割当許可を受信した移動端末は、上り回線割当待ちとなっているTCP/IPパケットが存在していれば、無線伝送パケットを生成して送信する。
このように、本実施の形態においては、基地局は、無線伝送パケットの送信時に上位レイヤの送達確認が行われる上り回線割当タイミングを予測しておく。そして、スケジュールを調整する場合、基地局は、上り回線割当タイミングの予測対象とした移動端末に対して上り回線が割り当てられるまで優先度を高くしてスケジュールを調整することとした。これにより、送達確認型プロトコルを使用したシステムにおける送達確認遅延が低減でき、スループットを向上させることができる。さらに、移動端末は上り回線割当要求を含んだ無線伝送パケットを送信する必要が無くなるため、上り無線帯域の利用効率が向上する。
実施の形態7.
つづいて、実施の形態7の動作について説明する。本実施の形態においては、基地局が無線伝送パケットを送信する際に上位レイヤの送達確認タイミングを予測し、当該予測結果の情報を付与した無線伝送パケットを送信することにより移動局に上り回線を割り当てる動作について説明する。なお、本実施の形態のパケットスケジュール方法を実現する通信システムの構成は、上述した実施の形態1と同様である。また、通信システムを構成する基地局および移動端末の構成も実施の形態1と同様である。そのため本実施の形態においては、上述した実施の形態1と異なる部分の動作についてのみ説明する。また、本実施の形態の優先情報管理部29が請求項21の予約タイミング算出保持手段に相当し、下りスケジュール部30が請求項21の回線割当手段に相当する。
図15は、実施の形態7の基地局と移動端末との間で行われるパケット送受信動作の一例を簡潔に示した図である。このパケット送受信動作を実施の形態1の説明にて使用した図4を参照しながら説明する。基地局2の各部は、図4に示したステップS1の処理を実行し、移動端末1に対して送信する無線伝送パケットを生成する。
つぎに、下りスケジュール部30が生成した無線伝送パケットの中にTCP/IPデータパケットの最後の情報ビットを含んでいる場合(ステップS2,Yes)、優先情報管理部29は、上り回線割当の予約タイミングを算出し、算出した上り回線割当の予約タイミングを保持しておく。なお、予約タイミングは、上述した実施の形態6と同様の処理を実行して算出する。ただし、本実施の形態においては、送達確認送信用の上り回線割当要求送信を不要としている。そして、本来は(上述した他の実施の形態においては)上り回線割当要求を送信タイミングにおいて、送達確認の送信を可能としている。
また、優先情報管理部29は、さらに、算出した上り回線割当の予約タイミングで上り回線を割り当てる際に移動端末1に対して使用を許可する上り回線リソース量もあわせて保持しておく。なお、使用を許可する上り回線リソース量とは、上位レイヤの送達確認パケットが送信できる最小限のリソース量であり、上りスケジュール部31がこれを算出する。
つぎに、下りスケジュール部30は、優先情報管理部29が保持している上記上り回線割当の予約タイミングおよび上記上り回線リソース量を付加した無線伝送パケットを生成し、生成したパケットを移動端末1へ送信する。
そして、上りスケジュール部31は、上り回線割当のスケジューリングを実行する場合、優先情報管理部29に対して当該スケジューリングに対応する予約タイミングが存在するかどうかを問い合わせる。問い合わせの結果、予約タイミングが存在する場合、当該予約タイミングに対応する移動端末から送信される無線伝送パケットを受信できるように、当該移動端末に対して最優先で上り回線を割り当てて無線伝送パケットの受信に備える。
移動端末1は、上り回線割当タイミング(上記「上り回線割当の予約タイミング」に相当)および使用許可リソース(上記「上り回線リソース量」に相当)が付加された無線伝送パケットを受信した場合、当該上り回線割当タイミングにおいて、上り回線割当待ちとなっているTCP/IPパケットが存在していれば、無線伝送パケットを生成して基地局2へ送信する。ただし、該当するタイミングでの使用可能リソース量は、上述したように上位レイヤの送達確認パケットを送信できる最小限のリソース量である。そのため、上位レイヤは、送達確認パケットを優先的に生成し、送達確認情報をデータパケットに重畳させずに、送達確認情報のみを含んだパケットを生成する。
このように、本実施の形態においては、基地局は、無線伝送パケット送信時に上位レイヤの送達確認が行われる上り回線の割当タイミングを予測し、予測したタイミング情報および使用許可リソースの情報を付加した無線伝送パケットを移動端末へ送信することで上り回線リソースの予約を行い、一方、移動端末は、送達確認パケットを優先的に生成して送信することにより、データパケットに比べてサイズが非常に小さい上り送達確認パケットを優先的に送信できるようになるため、上位レイヤの送達確認型プロトコルにおける送達確認遅延が低減でき、システムのスループットを向上させることができる。
また、移動端末の上位レイヤでは、複数の受信データパケットに対して1つの送達確認パケットを生成するなどの制御を組み合わせることで、その効果を飛躍的に向上させることができる。さらに、移動端末は上り回線割当要求を行う必要が無いため、上り無線帯域の利用効率を向上させることができる。
実施の形態8.
つづいて、実施の形態8の動作について説明する。上述した実施の形態1〜7においては、上位レイヤの下りデータパケット受信に対する送達確認パケットの送信について、上り回線割当優先度またはタイミングを制御する場合の動作について説明したが、本実施の形態以降では、下り回線割当待ちとなっている上位レイヤパケットを送信する際のスケジューリング動作(下り回線のスケジューリング動作)について説明する。なお、本実施の形態においては、下り回線割当待ちとなっている上位レイヤパケットの数から下り回線割当タイミングを制御する動作について説明する。また、本実施の形態のパケットスケジュール方法を実現する通信システムの構成は、上述した実施の形態1と同様である。また、通信システムを構成する基地局および移動端末の構成も実施の形態1と同様である。そのため本実施の形態においては、上述した実施の形態1と異なる部分の動作についてのみ説明する。また、本実施の形態の下りスケジュール部30が請求項22の下りスケジュール手段に相当する。
図16は、実施の形態8の基地局と移動端末との間で行われるパケット送受信動作の一例を簡潔に示した図である。上り回線割当要求(パケット102)に対する上り回線割当(パケット103)を基地局2から受信した移動端末1は、基地局2に対して上位レイヤのデータパケット(パケット105)を送信する。基地局2は、移動端末1から送信されたデータパケット(上位レイヤのデータパケット)に対する送達確認パケットを、ネットワーク4を介してサーバ5から受信する。なお、上位レイヤのデータパケットは複数回に分けて送信される(パケット105に相当するデータパケットが複数回送信される)場合もある。
サーバ5からの送達確認パケットを受信すると、基地局2の下りスケジュール部30は、キュー23−1〜23−mに格納されているパケットの数をカウントし、これらの中で上位レイヤの送達確認パケット数または上位レイヤのデータパケットを含めたパケット数が多いキューの優先度を高くして下り回線割当のスケジュールを調整する。スケジュール調整を行った結果、移動端末1宛のパケット送信に下り回線が割り当てられると、下りスケジュール部30が上位レイヤのパケットから無線伝送パケット(パケット106)を生成し、移動端末1に対して送信する。
このように、本実施の形態においては、基地局が上位レイヤの送達確認パケット数あるいは上位レイヤのデータパケットを含めたパケット数が多いキューに対して下り回線割当の優先度を高くしてスケジュールを調整することとした。これにより、下り回線による上位レイヤの送達確認遅延が低減でき、スループットを向上させることができる。
実施の形態9.
つづいて、実施の形態9の動作について説明する。本実施の形態においては、下り回線割当待ちとなっている上位レイヤのパケットに含まれる送達確認更新量が下位レイヤにおいて取得可能であることを条件として、この送達確認更新量を用いて下り回線割当優先度を制御する動作について説明する。なお、本実施の形態のパケットスケジュール方法を実現する通信システムの構成は、上述した実施の形態1と同様である。また、通信システムを構成する基地局および移動端末の構成も実施の形態1と同様である。そのため本実施の形態においては、上述した実施の形態1と異なる部分の動作についてのみ説明する。また、本実施の形態の下りスケジュール部30が請求項23の下りスケジュール手段に相当する。
図17は、実施の形態9の基地局と移動端末との間で行われるパケット送受信動作の一例を簡潔に示した図である。上り回線割当要求(パケット102)に対する上り回線割当(パケット103)を基地局2から受信した移動端末1は、基地局2に対して上位レイヤのデータパケット(パケット105)を送信する。基地局2は、移動端末1から送信されたデータパケットに対する送達確認パケットを、ネットワーク4を介してサーバ5から受信する。
サーバ5からの送達確認パケットを受信すると、基地局2の下りスケジュール部30は、キュー23−1〜23−mのうち上位レイヤの送達確認更新量の大きいキューに対して下り回線割当の優先度を高くして、下り回線割当のスケジュール調整を行う。ここで、送達確認更新量とは、各キューにおいて下り回線割当待ちの先頭パケット(最も古いパケット)に含まれる送達確認情報と最終パケット(最新のパケット)に含まれる送達確認情報の差分(変化量)である。スケジュール調整を行った結果、移動端末1宛のパケット送信に下り回線が割り当てられると、下りスケジュール部30が上位レイヤのパケットから無線伝送パケット(パケット106)を生成し、移動端末1に対して送信する。
このように、本実施の形態においては、基地局が下り回線割当待ちとなっている上位レイヤパケットの送達確認更新量が大きいキューの下り回線割当の優先度を高くしてスケジュールを調整することとした。これにより、下り回線による上位レイヤの送達確認遅延が低減でき、スループットを向上させることができる。また、実施形態8に示した下り回線割当待ちとなっている上位レイヤパケットの数に基づいて下り回線割当優先度を調整する方法よりも送達確認量が正しく判定できるため、下り回線割当優先度制御の精度を向上させることができる。