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JP4701311B2 - 電子写真用ベルト及び電子写真装置 - Google Patents
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JP4701311B2 - 電子写真用ベルト及び電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用ベルト及び電子写真装置に関する。
特許文献1には、ポリエステルとポリエーテルエステルアミドとを含むシームレスベルトからなる中間転写体が開示されている。
特開2006−195431号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記特許文献1に係る中間転写体は耐久性が劣る場合があった。具体的には、この中間転写体は、電子写真装置内での使用に伴って表面が不規則に剥離することがあった。そして、かかる不規則な剥離が生じた中間転写体を用いて電子写真画像を形成した場合、当該電子写真画像の当該剥離部分に対応した位置に斑点状の画像欠陥が認められた。これは、中間転写体表面の剥離部分と未剥離部分とではトナーの付着力の差があるためであると考えられる。
そこで、本発明の目的は、長期の使用によっても表面の不規則な剥離の発生を抑制し、表面状態が初期状態から変化しにくい電子写真用ベルトを提供することにある。また本発明の目的は、高品位な電子写真画像を安定して形成できる電子写真装置を提供することにある。
本発明に係る電子写真用ベルトは、熱可塑性ポリエステル樹脂と、ポリエーテルエステルアミドおよびポリエーテルアミドから選ばれる少なくとも一方と、コアシェル構造を有する粒子とを熱熔融混練して得た熱可塑性樹脂組成物を含む電子写真用ベルトであって、
該コアシェル構造を有する粒子は、シリコーン樹脂を含むコア部と、アクリル樹脂を含むシェル部とからなる粒子であることを特徴とする。
また、本発明に係る電子写真装置は、上記の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備していることを特徴とする。
本発明によれば、長期の使用によっても不規則な表面の剥離が生じにくく、表面状態が初期の状態から変化しにくい電子写真用ベルトを得ることができる。また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成できる電子写真装置を得ることができる。
電子写真プロセスを利用したフルカラー画像形成装置の断面図である。 射出成形装置の一例を示す概略図である。 延伸ブロー成形(1次ブロー成形)機の一例を示す概略図である。 2次ブロー成形機の一例を示す概略図である。
<電子写真用ベルト>
本発明に係る電子写真用ベルトは、下記i)〜iii)の材料を熱熔融混練してなる熱可塑性樹脂組成物を含む。
i)熱可塑性ポリエステル樹脂;
ii)ポリエーテルエステルアミドおよびポリエーテルアミドから選ばれる少なくとも一方;
iii)シリコーン樹脂を含むコア部とアクリル樹脂を含むシェル部とからなるコアシェル構造を有する粒子(以降「コアシェル粒子」と略記することもある)。
なお以降、熱可塑性ポリエステル樹脂を「PE」と、ポリエーテルエステルアミドを「PEEA」と、ポリエーテルアミドを「PEA」と略記することもある。
本発明者は、特許文献1に係る中間転写体の表面に不規則な剥離が生じる理由を以下のように考えている。すなわち、中間転写体中のPEとPEEAとは完全には相溶せず、微視的には、PEEAの相とPEの相とが混在している。そのため中間転写体の表面がクリーニングブレードや紙等によって摩擦されたときに、相対的に軟らかいPEEAの相がPEの相から剥離するためであると考えている。また、かかる考察に基づいて、本発明に係る電子写真ベルトが、長期の使用によっても、表面剥離を有効に抑えられるメカニズムについて検討した。その結果、電子写真ベルトのPEの相と、PEEAの相との界面に上記コアシェル粒子が存在しているときには、PEの相とPEEAの相との剥離が生じにくくなっていることを確認した。このことから本発明者は以下のように推定した。すなわち、上記コアシェル粒子のシェル部を構成しているアクリル樹脂は、PEの相とPEEAの相との両方に化学的親和性を示すエステル結合を有している。そのため、PE相とPEEA相とが、これらの相の界面に存在しているコアシェル粒子のシェル部を介して結合された状態となっている。そのため、PEEAの相がPEの相に優先して摩耗し、あるいは剥離することを抑制できているものと考えられる。
また、本発明者は、本発明に係る電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして用いたときに、驚くべきことに、トナー像の2次転写における転写効率が良好であることを見出した。ここで、転写効率は、感光体から1次転写されたトナー像を、紙に2次転写したときに、2次転写後の中間転写ベルト上の残トナー濃度と紙上の転写トナー濃度との和を100としたときの、前記紙上のトナー濃度であると定義する。
本発明に係る電子写真ベルトがこのような効果を奏する理由を本発明者は以下のように推定している。すなわち、熱熔融混練して熱可塑性樹脂組成物を調製する際には、PE、PEEA及びコアシェル粒子を含む樹脂組成物を、PEのTm(融点)以上かつPEEAのTm以上の温度で加熱することとなる。このとき、コアシェル粒子のシェル部に含まれるアクリル樹脂のTgは、PEおよびPEEAのTmよりも低いため、熱熔融混練の際に、コアシェル粒子のシェル部の一部が溶融しコアが部分的に露出している。そのため、コア粒子に含まれているシリコーン樹脂の作用により、ベルトの表面に優れたトナー離型性が付与され、転写効率が向上しているものと推定される。また、PEEAに変えてPEAを用いた場合も、PEEAと同様の知見を得ている。
<熱可塑性樹脂組成物>
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、PEと、PEEAおよびPEAの少なくとも一方と、特定のコアシェル構造を有する粒子とを熱熔融混練して得られるものである。なお、熱熔融混練とは、熱可塑性樹脂組成物に含有させる樹脂を加熱して熔融状態で混練することを意味し、熱可塑性樹脂組成物に含有させる樹脂のうち、最も高い融点を有する樹脂が十分に混練されるように、当該樹脂の融点以上の温度で混練することができる。混練方法に特に制限はなく、一軸押出機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダーなどを用いることができる。
<PE>
PEは、ジカルボン酸とジオールとの重縮合、オキシカルボン酸もしくはラクトンの重縮合、または、これらの成分を複数用いた重縮合などにより得ることができる。さらに、多官能性モノマーを併用してもよい。PEは、ホモポリエステルであってもコポリエステルであってもよい。
上記ジカルボン酸の例として以下のものが挙げられる。
・芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸等)、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸等)。・炭素数4以上10以下のシクロアルカンジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸など)。
・炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)。
前記ジオールの例としては以下のものが挙げられる。
・脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールなどのC2〜C10アルキレンジオール)。
・脂環族ジオール(炭素数が4〜12の脂環族ジオール(シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等))。
・芳香族ジオール(炭素数が6〜20の芳香族ジオール(ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシビフェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)等))。
・前記芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加体(ビスフェノールAの炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドをビスフェノールAに付加させたもの)、ポリオキシアルキレングリコール(ジエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)。
これらのジオールは、エステル形成可能な誘導体(例えば、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン置換体など)であってもよい。これらのジオールは、単独でまたは二種以上組合せて使用できる。これらのジオールの中でも、得られるPEの結晶性、耐熱性等の観点から、炭素数2以上4以下のアルキレンジオール、脂環族ジオールが好適に用いられる。
また、前記オキシカルボン酸の例としては以下のものが挙げられる。下記のオキシカルボン酸成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
・オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレンオキシカルボン酸、2−ヒドロキシプロパン酸などのオキシカルボン酸、およびこれらオキシカルボン酸の誘導体。
更に、前記ラクトンの例として以下のものが挙げられる。
・プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(例えば、ε−カプロラクトンなど)など。
更にまた、前記多官能モノマーの例として以下のものが挙げられる。このような多官能性モノマーの併用によって分岐または架橋構造を有するポリエステルが得られる。
・多価カルボン酸(トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸など)、多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなど)。
本発明に係るPEとしては、高い結晶性を有し、優れた耐熱性を示すポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートおよびポリアルキレンテレフタレートとポリアルキレンイソフタレートとの共重合体を好適に用い得る。このときの共重合体の形態としては、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンイソフタレートおよびポリアルキレンナフタレートにおけるアルキレンの炭素数は、高い結晶性、耐熱性の観点から2以上16以下が好ましい。より具体的には、本発明に係るPEとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートとの共重合体およびポリエチレンナフタレートが好ましい。
なお、ポリエチレンナフタレートは、TN−8050SC(商品名、帝人化成(株)製)およびTN−8065S(商品名、帝人化成(株)製)として市販されている。また、ポリエチレンテレフタレートは、TR−8550(商品名、帝人化成(株)製)として市販されている。更に、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体は、PIFG30(商品名、(株)ベルポリエステルプロダクツ製)として市販されている。
PEの好ましい固有粘度は、1.4dl/g以下、特には0.3dl/g以上1.2dl/g以下である。このような固有粘度のPEは、PEEAとの熱熔融混練時の流動性に優れる。
また、熱可塑性樹脂組成物におけるPEの好ましい含有量は、熱可塑性樹脂組成物の全質量に対して50質量%以上、特には60質量%以上、さらには70質量%以上である。PEの含有量を熱可塑性樹脂組成物の全質量に対して50%以上とすることにより、当該熱可塑性樹脂組成物の機械的な強度をより高めることができる。なお、熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度は、熱可塑性ポリエステル樹脂の希釈溶媒にo−クロロフェノールを用いて、熱可塑性ポリエステル樹脂のo−クロロフェノール溶液の濃度を0.5質量%、温度を25℃にして測定した値である。
<PEEAおよびPEA>
・PEEA:
PEEAとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミドブロック単位と、ポリエーテルエステル単位とからなる共重合体を主たる成分とする化合物を挙げることができる。例えば、ラクタム(例えばカプロラクタム、ラウリルラクタム)またはアミノカルボン酸の塩と、ポリエチレングリコールと、ジカルボン酸とから誘導される共重合体などが挙げられる。前記ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン2酸、ドデカン2酸等が挙げられる。PEEAは溶融重合などの公知の重合方法で製造することができる。勿論、これらに限定されるものではなく、前記PEEAは2種以上のブレンドまたはアロイであってもよい。また、PEEAは、イルガスタットP20、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製)、TPAE H151(商品名、富士化成工業(株)製)およびペレスタットNC6321(商品名、三洋化成工業(株)製)として市販されている。
・PEA:
PEAは、ポリアミドブロック単位(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12など)と、ポリエーテルジアミン単位と、ジカルボン酸単位とからなる共重合体である。具体的には、ラクタム(例えばカプロラクタム、ラウリルラクタム)またはアミノカルボン酸の塩と、ポリテトラメチレンジアミンと、ジカルボン酸とから合成される共重合体が挙げられる。前記ジカルボン酸としては、上記したものと同様のものを用いることができる。PEAは溶融重合などの公知の重合方法で製造することができる。また、これらに限定されず、前記ポリエーテルアミドを2種以上ブレンドしたものや、それらのアロイを用いることもできる。また、PEAは、ペバックス5533(商品名、アルケマ(株)社製)として市販されている。
・配合量:
PEEAおよびPEAの合計量は、熱可塑性樹脂組成物全体の質量に対して、3質量%以上30質量%以下、特には5質量%以上20質量%以下とすることが好ましい。PEEA及びPEAは、導電剤として機能する。そのため、3質量%以上とすることで熱可塑性樹脂組成物、ひいては電子写真用ベルトの電気抵抗を適度に低下させることができる。また、30質量%以下とすることで、樹脂の分解による低粘度化をより良好に抑制でき、その結果として成形された電子写真用ベルトの耐久性を更に向上させることができる。
<コアシェル構造を有する粒子>
コアシェル構造を有する粒子は、シリコーン樹脂を含むコア部とアクリル樹脂を含むシェル部からなる。シリコーン樹脂は、シロキサン結合(Si−O−Si結合)を含む化合物が高重合度化して得られた樹脂である。シリコーン樹脂としては、シロキサンが高重合度化したポリシロキサンやジメチルシロキサンが高重合度化したポリジメチルシロキサン、シロキサン骨格が3次元に架橋した化合物などが挙げられる。アクリル樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
コアシェル構造を有する粒子は、熱可塑性樹脂組成物全体の質量に対して、0.1質量%以上、20質量%以下、特には1質量%以上とすることが好ましい。この範囲とすることで、より優れた耐久性や転写効率を発揮することができる。また、優れたブロー成形性を確保することができる。
コアシェル構造を有する粒子の具体例としては、ジェニオパールP52(商品名、旭化成ワッカ−シリコーン社製)が挙げられる。この粒子は、コア部がシリコーン樹脂からなり、シェル部がポリメタクリル酸メチルからなっている。コアシェル構造を有する粒子の好ましい一次粒子径は、0.1nm以上10μm以下、特には、10nm以上1μm以下、さらには50nm以上500nm以下である。一次粒子とは粉体生成時にその粉体を構成する粒子で、分子間の結合がそのまま残っているものを指し、その粒子の平均粒径を一次粒子径と定義することができる。一次粒子径の測定方法としては例えばレーザー回折散乱法が用いられる。
<添加剤>
熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を添加してもよい。その他の成分の例としては、PEEA、PEA以外のイオン導電剤、導電性高分子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機顔料、無機顔料、pH調整剤、架橋剤、相溶化剤、離型剤、架橋剤、カップリング剤、滑剤、絶縁性フィラー、導電性フィラーなどが含まれる。
<シリコーンオイル>
上記の添加剤の中で、シリコーンオイルは、本発明に係る電子写真用ベルトの転写効率をより一層改善させることができるため、好ましい。シリコーンオイルの添加により、電子写真用ベルトの表面のトナー離型性をより向上させることができる。シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルを用い得る。変性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性シリコーンオイルやエポキシ変性シリコーンオイルが挙げられる。
また、シリコーンオイルの粘度は、熱溶融混練のし易さの観点から、5センチストークス以上3000ストークス未満、特には、100センチストークス以上1000センチストークス未満が好ましい。また、シリコーンオイルの含有量の目安としては、熱可塑性樹脂組成物全体の質量に対して、0.1質量%以上3質量%以下である。
<電子写真用ベルト>
本発明に係る電子写真用ベルトは、上記した熱可塑性樹脂組成物を含むものである。具体的には、例えば、上記熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、連続溶融押出成形法、射出成形法、ストレッチブロー成形法、あるいはインフレーション成形法など公知の成形方法を用いて成形することでシームレス形状の電子写真用ベルトを得られる。前記シームレスベルトの成形方法として特に好ましいのは、連続溶融押出成形法やストレッチブロー成形法である。連続溶融押出成形法としては、例えば押し出したチューブの内径を高精度で制御可能な下方押出方式の内部冷却マンドレル方式、およびバキュームサイジング方式などが挙げられる。電子写真用ベルトの厚さの目安としては、10μm以上500μm以下、特には、30μm以上150μm以下である。
また、本発明に係る電子写真用ベルトは、ベルトとして使用するほか、ドラムあるいはロールなどに巻き付けたり、被覆したりして使用しても良い。また、本発明の電子写真用シームレスベルトの表面の外観改良やトナー等の離型性改良のために処理剤の塗布、研磨処理等の表面処理を施しても良い。更に、本発明に係る電子写真用ベルトの用途の具体例としては、電子写真感光体からトナー像を一次転写され、当該トナーを担持中間転写ベルト、搬送転写ベルト、感光体ベルトなどに好適に用いられる。特に中間転写ベルトとして好適に使用することができる。また、電子写真用シームレスベルトは中間転写ベルトとして用いる場合には、体積固有抵抗率は、1×10Ωcm以上1×1014Ωcm以下が目安となる。
<電子写真装置>
本発明に係る電子写真装置について説明する。図1はフルカラー電子写真装置の断面図である。図1中の電子写真用ベルト5には中抵抗の電子写真用シームレスベルトを使用している。電子写真感光体1は第1の画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」と記す)であり、矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。次いで露光手段による画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の第1色成分像(例えば、イエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。なお、前記露光手段としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等が挙げられる。次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロートナーYにより現像される。この時第2〜第4の現像器(マゼンタ色現像器42、シアン色現像器43、ブラック色現像器44)の各現像器は作動がオフになっていて感光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。電子写真用ベルト5は矢印方向に感光ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。感光ドラム1上に形成されたイエロートナー画像は、感光ドラム1と電子写真用ベルト5とのニップを通過する過程で、一次転写対向ローラ6から電子写真用ベルト5に印加される転写バイアスにより、電子写真用ベルト5の外周面に中間転写(1次転写)される。電子写真用ベルト5に第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリーニング装置13により清掃される。以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次電子写真用(中間転写)ベルト5上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。二次転写ローラ7は、駆動ローラ8に対応し平行に軸受させて電子写真用ベルト5の下面部に離間可能な状態に配設されている。感光ドラム1から電子写真用ベルト5への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源30から印加される。その印加電圧は例えば+100V以上+2kV以下である。
感光ドラム1から電子写真用ベルト5への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程の際に、二次転写ローラ7は電子写真用ベルト5から離間することも可能である。電子写真用ベルト5上に転写された合成カラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、次のように行われる。まず、二次転写ローラ7が電子写真用ベルト5に当接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10を通って、電子写真用ベルト5と二次転写ローラ7との当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。そして、2次転写バイアスが電源31から二次転写ローラ7に印加される。この2次転写バイアスにより電子写真用(中間転写)ベルト5から第2の画像担持体である転写材Pへ合成カラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着器15へ導入され加熱定着される。転写材Pへの画像転写終了後、電子写真用ベルト5にはクリーニング装置の中間転写ベルトクリーニングローラ9が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加される。これにより、転写材Pに転写されずに電子写真用ベルト5上に残留しているトナーに感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。33はバイアス電源である。前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニップ部およびその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより電子写真用ベルト5がクリーニングされる。
以下に実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明する。まず、実施例および比較例に係る電子写真用ベルトの評価方法(1)〜(6)について説明する。また、以下評価において画像形成に供した転写媒体としては、温度23℃、相対湿度45%の環境に1日放置した、Ra(算術平均粗さ)が4、Rzjis(十点平均粗さ)が15であるA4サイズの紙を用いた。
(特性値の測定法、評価法)
実施例および比較例で作製した電子写真用シームレスベルトの特性値の測定方法および評価方法は次のとおりである。
(1)体積固有抵抗率(ρv)
測定装置として、デジタル超高抵抗/微小電流計(商品名:R8340A、アドバンテスト(株)製)および超高抵抗測定用試料箱(商品名:TR42、アドバンテスト(株)製)を使用した。主電極の直径を25mmとし、ガード・リング電極の内径を41mm、外径を49mmとした(ASTMD257−78に準拠)。
電子写真用シームレスベルトの体積固有低抗率の測定用サンプルは次のように作製した。まず、電子写真用シームレスベルトを直径56mmの円形に切り抜いた。切り抜いた円形片の片面の全面にPt−Pd蒸着膜からなる電極を形成した。他方の面には、Pt−Pd蒸着膜からなる直径25mmの主電極および内径38mm、外径50mmのガード電極を形成した。
Pt−Pd蒸着膜の形成にはスパッタリング装置(商品名:マイルドスパッタE1030、日立製作所(株)製)を用いた。蒸着条件としては、電流15mA、ターゲット(Pt−Pd)と試料(電子写真用シームレスベルトの円形片)間の距離15mmとした。また、蒸着時間は2分間とした。
測定は、温度23℃、相対湿度52%の環境下で行なった。また、測定用サンプルは予め当該環境下に12時間放置した。体積固有低抗率の測定モードはディスチャージ10秒、チャージ30秒、メジャー30秒とし、印加電圧100Vで行う。この測定モードにて10回体積固有低抗率を測定し、その10回の測定値の平均値を電子写真用シームレスベルトの体積固有抵抗率として採用した。
(2)電気抵抗の均一性
幅250mm、長さ450mmの電子写真用シームレスベルトについて9箇所において体積固有抵抗率を測定し、以下の基準で評価した。測定箇所は、電子写真用シームレスベルトの長さ方向の150mm間隔の3箇所について、幅方向の中央部と両端から60mmの3箇所とした。
A:(体積固有抵抗率の最大値/体積固有抵抗の最小値)<2
B:(体積固有抵抗率の最大値/体積固有抵抗の最小値)≧2
(3)初期の表面剥離性
電子写真用シームレスベルトの表面の125mm×20mmの長方形の領域に、ナイフで縦方向及び横方向に各々5mm幅で深さが約10μmの切り込みを入れた。次いで、切り込みを入れた上記長方形の領域にポリエステル製の粘着テープ(商品名:No.31B。日東電工(株)社製)を指で強く圧着して貼り付けた。粘着テープの長さは130mm、幅は22mmであった。その後、粘着テープの端を45°の角度で引き剥がして、上記長方形の領域内の100個の正方形の切り込みのうち、粘着テープに付着してきた正方形の切り込みの数を計測し、以下の基準で評価した。
A:0〜2個;
B:3〜5個;
C:10個以上。
(4)耐久試験後の表面剥離性
電子写真用シームレスベルトをフルカラー電子写真装置(商品名:LBP−5200、キヤノン(株)製)のドラムカートリッジに中間転写ベルトとして装着した。10000枚の転写媒体にベタ画像を出力した。その後、上記フルカラー電子写真装置から電子写真用シームレスベルトを取り出し、表面にエアーを吹き付けてトナーを除去した後、上記(3)と同じ試験を行い、評価した。
(5)初期の転写効率、および耐久試験後の転写効率
電子写真用シームレスベルトをフルカラー電子写真装置(商品名:LBP−5200、キヤノン(株)製)のドラムカートリッジに中間転写ベルトとして装着した。そして、このフルカラー電子写真装置を用いてシアンのベタ画像を転写媒体に連続して形成した。
そして、転写媒体上に二次転写されたトナーの濃度と、二次転写後も電子写真用シームレスベルトに残留したトナーの濃度との和を100%としたときの転写媒体上のトナー濃度の割合を転写効率とした。この割合が高いほど二次転写効率に優れていることとなる。そして、100枚目の転写効率を初期の転写効率、10000枚目の転写効率を耐久後の転写効率とした。両者の値がともに大きく、かつ両者の差が小さいほど、長期に亘って安定した二次転写性能を有していることになる。
(6)10枚目の画像の品位の評価
電子写真用シームレスベルトをフルカラー電子写真装置(商品名:LBP−5200、キヤノン株式会社製)のドラムカートリッジに中間転写ベルトとして装着した。このフルカラー電子写真装置を用いて、転写媒体にシアントナーおよびマゼンタトナーを重ね合わせて紫のベタ画像を形成した。10枚目の転写媒体に形成された画像について目視で以下の基準に基づき評価した。
A:濃度ムラが確認できない。
B:画像全体に亘り、軽微な濃度ムラが発生している。
C:画像全体に亘り、明瞭な濃度ムラが発生している。
(実施例および比較例に用いた熱可塑性樹脂組成物の材料)
後述の実施例および比較例に用いた熱可塑性樹脂組成物の材料を表1から4に示す。なお、各例の材料の配合については表5および7に示す。
Figure 0004701311
Figure 0004701311
Figure 0004701311
Figure 0004701311
〔実施例1〕
二軸押出し機(商品名:TEX30α、日本製鋼所(株)社製)を用いて、表5に記載の配合にて熱熔融混練して熱可塑性樹脂組成物を調製した。熱熔融混練温度は260℃以上、280℃以下の範囲内となるように調整し、熱熔融混練時間はおよそ3分とした。
得られた熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、温度140℃で6時間乾燥させた。次いで、図2に示した構成を有する射出成形装置(商品名:SE180D、住友重機械工業(株)製)のホッパー48に、乾燥させたペレット状の熱可塑性樹脂組成物を投入した。そして、シリンダ設定温度を295℃にし、スクリュー42および42A内で溶融させ、ノズル41Aを通して、金型内に射出成形してプリフォーム104を作成した。このときの射出成形金型温度は30℃とした。温度500℃の加熱装置107内にプリフォーム104を入れて軟化させたのち、プリフォーム104を500℃で加熱した。その後、図3に示した1次ブロー成形機にプリフォーム104を投入した。そして、金型温度を110℃に保ったブロー金型108内で延伸棒109とエアーの力(ブローエアー注入部分110)でプリフォーム温度155℃、エアー圧力0.3MPa、延伸棒速度700mm/sでブロー成形してブローボトル112を得た。次いで、図4に示した2次ブロー成形装置の電鋳で作製されたニッケル製円筒金型201の中に得られたブローボトル205をセットし、203の外型を装着した。エアー圧力0.01MPaをブローボトル205内に印加、外部にエアーが漏出しないよう調整することでブローボトル205を金型内面に転写させ、ニッケル電鋳円筒金型201を回転させながら加熱ヒータ202にて電鋳を190℃で計60秒間均一に加熱した。その後、この電鋳をエアーで常温まで冷却し、ボトル内に印加された圧力を解除し、アニールにより寸法が改善されたブローボトルを得た。このブローボトルの両端をカットすることにより電子写真用シームレスベルトを得た。得られた電子写真用シームレスベルトの厚みは80μmであった。この電子写真用シームレスベルトについて上記(1)〜(6)の評価を行なった。
〔実施例2〜9〕
熱可塑性樹脂組成物の配合を表5に記載した通りとした以外は、実施例1と同様にして電子写真用シームレスベルトを得た。
上記実施例1〜9に係る電子写真用シームレスベルトに対してした上記(1)〜(6)の評価の結果を表6に示す。
Figure 0004701311
(上記表5中、単位は「質量部」である。)
Figure 0004701311
〔比較例1〜10〕
熱可塑性樹脂組成物の配合を表7に記載した通りとした以外は、実施例1と同様にして電子写真用シームレスベルトを得た。これらのシームレスベルトの評価結果を表8に示す。
Figure 0004701311
(上記表7中、単位は「質量部」)
Figure 0004701311
〔実施例10〜12、比較例11〜13〕
熱可塑性樹脂組成物の配合を表9に記載した通りとした以外は、実施例1と同様にして電子写真用シームレスベルトを得た。これらのシームレスベルトの評価結果を表10に示す。
実施例10〜12および比較例11〜13に係る電子者子音用シームレスベルトについては、前記した(1)〜(6)の評価に加えて、下記(7)の評価も行なった。
(7)10000枚目の画像の品位の評価
各実施例および各比較例に係る電子写真用シームレスベルトをフルカラー電子写真装置(商品名:LBP−5200、キヤノン株式会社製)のドラムカートリッジに中間転写ベルトとして装着した。そして、転写媒体にシアンおよびマゼンタのトナーの重ね合わせて紫色のベタ画像を形成した。なお、転写媒体には評価(6)で用いたものと同一の紙を使用した。のとしては、温度23℃、相対湿度45%の環境に1日放置した、Ra(算術平均粗さ)が4、Rzjis(十点平均粗さ)が15の紙を用いた。10000枚目の転写媒体に形成した画像についてムラの有無を目視にて観察し、以下の基準に基づいて評価した。
・評価基準
A :濃度ムラが確認できない。
B :画像全体に亘り、軽微な濃度ムラが発生している。
C :画像全域に亘り、明瞭な濃度ムラが発生している。
Figure 0004701311
(表9中、単位は「質量部」)
Figure 0004701311
1 電子写真感光体/感光ドラム
2 一次帯電器
3 画像露光
5 電子写真用(中間転写)ベルト
6 一次転写対向ローラ
7 二次転写ローラ
8 駆動ローラ
9 中間転写ベルトクリーニングローラ
10 転写材ガイド
11 給紙ローラ
13 クリーニング装置
15 定着器
30、31、33 電源

Claims (5)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂と、ポリエーテルエステルアミドおよびポリエーテルアミドから選ばれる少なくとも一方と、コアシェル構造を有する粒子とを熱熔融混練して得た熱可塑性樹脂組成物を含む電子写真用ベルトであって、
    該コアシェル構造を有する粒子は、シリコーン樹脂を含むコア部と、アクリル樹脂を含むシェル部とからなる粒子であることを特徴とする電子写真用ベルト。
  2. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンナフタレートから選ばれる何れか一方または両方である請求項1に記載の電子写真用ベルト。
  3. 前記ポリアルキレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートである請求項2に記載の電子写真用ベルト。
  4. 前記ポリアルキレンナフタレートがポリエチレンナフタレートである請求項2または3に記載の電子写真用ベルト。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備していることを特徴とする電子写真装置。
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