[第1の実施の形態]
図1〜図13は、本発明にかかるゲート装置を備えた浸漬処理装置の一例を示し、電気めっき装置に適用した例である。
(めっき装置全体の概略)
図1は電気めっき装置全体の平面図であり、概ね長円形状に構成されためっき処理ライン上には、処理ラインの長手方向の一端部(図1の右端部)のロード部10から、矢印F方向(時計回り方向)に、前処理工程の前処理槽(シャワー槽)11、空ステージ12、ボックス槽13、電気めっき工程のめっき槽14、後処理工程のボックス槽15、空ステージ16、第1の後処理槽(シャワー槽)17、長手方向の他端部の第2の後処理槽(回収槽)18、アンロード部19、剥離工程(ハンガー戻し工程)の空ステージ20、ボックス槽21、剥離槽22、ボックス槽23、空ステージ24及び剥離後処理槽(シャワー室)25を順次備えている。浸漬処理槽であるめっき槽14及び剥離槽22のワーク搬送方向の前後には、それぞれボックス槽13、15、21、23が隣接しており、ボックス槽13、21の出口は、めっき槽14及び剥離槽22の入口を兼ねており、ボックス槽15、23の入口はめっき槽14及び剥離槽22の出口を兼ねている。
前記めっき処理ラインの内周側に長円形状にガイドレール27が敷設され、該ガイドレール27には、多数の搬送ハンガー28がレール長方向移動可能に支持されている。
ガイドレール27の内周側には、搬送ハンガー28を水平方向に移動させるために、複数の独立した搬送装置31、32、…、40が配置されている。該搬送装置31、32、…、40のうち、各ボックス槽13、15、21、23に対応する位置には、リニアアクチュエータ型往復動式の取込搬送装置31、32、33、34がそれぞれ配設されている。前処理工程の前処理槽11及び空ステージ12に対応する位置と、めっき槽14に対応する位置と、後処理工程の空ステージ16及び第1の後処理槽17に対応する位置と、剥離工程の空ステージ20に対応する位置と、剥離槽22に対応する位置と、空ステージ24及び剥離後処理槽25に対応する位置には、それぞれチェーンコンベア型の連続搬送装置35、36、37、38、39、40が配設されている。また、後処理工程の第1の後処理槽17から第2の後処理槽18を経てアンロード部19に至る間と、剥離後処理槽25からロード部10を経て前処理槽11に至る間には、図示しないが搬送ハンガーを押し動かすプッシャー装置が配置されている。図1において、二重線の矢印で示す各区間A1〜A6は、チェーンコンベア型の連続搬送装置35、36、37、38、39、40による搬送区間を示し、破線の矢印で示す各区間B1〜Bはリニアアクチュエータ型の取込搬送装置31、32、33、34による搬送区間を示し、実線で示す区間C1、C2、C3、C4は、プッシャー装置による搬送区間を示している。
図2は、図1のめっき槽14、後処理工程のボックス槽15、空ステージ16及び第1の後処理槽17の縦断面拡大略図であり、これらめっき槽14、ボックス槽15、空ステージ及び第1の後処理槽17は、一定高さの架台42上に載置されており、架台42内には予備槽43が配置されている。ボックス槽15の上方には図示しない架台を介して所定容積のカラム槽47が配設されている。
ボックス槽15の底壁には、開閉可能な排出口栓46が設けられており、該排出口栓46には、該排出口栓46を開閉駆動するための操作部46aが設けられている。予備槽43とカラム槽47との間には配管48が配設され、該配管48には、予備槽43からカラム槽47へめっき液(処理液)を導入するためのポンプ49及びフィルター50が設けられている。カラム槽47の底部には、ボックス槽15に上方から処理液を供給可能な排出口栓51が開閉可能に設けられている。
予備槽43とめっき槽14の間には2つの配管55、56が並設されており、いずれの配管55、56にも予備槽43からめっき槽14へめっき液を供給するためのポンプ57、59及びフィルター58、60が設けられている。一方の配管55はボックス槽15のゲートが開閉した際に、めっき槽14の液面を所定高さに維持するためのものであり、他方の配管56はめっき液循環用である。また、空ステージ16の底部には予備槽43へめっき液を排出するための排出管44が設けられ、さらにめっき槽14には、オーバーフローするめっき液を予備槽43に排出するためのオーバーフロー管61も設けられている。
(搬送ハンガー)
図3は搬送ハンガー28の図2のIII-III断面拡大図であり、搬送ハンガー28は、前記ガイドレール27にガイドレール長さ方向移動自在に支持された移動基台63と、該移動基台63からガイドレール27と略直角方向に水平に延びるアーム部64と、該アーム部64の先端部から下方に延びるワーク吊持部65から構成されており、ワーク吊持部65の下端部には、吊持ピン66及びクランプ67が設けられている。前記吊持ピン66にワーク(たとえば回路用基板)Wの上端部の係合孔を係合し、クランプ67により脱落不能に保持するようになっている。吊持されたワークWは、吊持部65及び図示しないが適宜の電導機構を介してガイドレール27に電気的に接続されており、ガイドレール27から電気が供給されるようになっている。移動基台63の上面には、アーム部64と反対方向に水平に延びる支軸70が固着され、該支軸70には、スプロケット71がワンウエイクラッチ72を介して一方向へのみ回転するように支持されている。具体的には、図2において、前記スプロケット71は、矢印R方向には回転するが、反矢印R方向には回転しないように構成されている。
(搬送装置)
図2において、チェーンコンベア型の連続搬送装置36、37は、駆動スプロケット73と、従動スプロケット74と、両スプロケット73、74間に巻き掛けられた搬送チェーン75(図3)とから構成されており、搬送チェーン75の上側走行部分に、前記搬送ハンガー28のスプロケット71が係合するようになっている。搬送ハンガー28は、前述のように、ワンウエイクラッチ72(図3)を備えていることにより、搬送チェーン75に係合した状態で、図2の矢印F方向へ搬送チェーン75の上側部分と共に移動するようになっている。
図2において、リニアアクチュエータ型の取込搬送装置32は、ガイドレール27と並行に配置されたガイド部76に、スライダー77が、ガイドレール27と平行に移動可能に支持されており、該スライダー77は、図示しないがガイド部76に備えられたねじ送り機構及びサーボモータ等により、ガイド部76を往復移動するようになっている。
図4は図2のIV-IV断面拡大図であり、前記スライダー77には、搬送ハンガー28側へ略水平に延びる支軸78が固着されており、該支軸78には下方に延びる取込爪79が支軸78回り回動可能に支持されている。前記取込爪79は、図示しないストッパーにより、図2に示す状態に、反矢印S方向側から係止されており、搬送ハンガー28の支軸70に反矢印F方向側から係合し、スライダー77の矢印F方向への移動により、取込爪79を介して搬送ハンガー28を矢印F方向に移動するようになっている。なお、スライダー77が搬送ハンガー28に対して反矢印F方向側に移動する時には、取込爪79は、矢印S方向に回動して搬送ハンガー28の支軸78を乗り越えるようになっている。
(ゲート装置)
図5は、後処理工程のボックス槽15並びにその前後のめっき槽14及び空ステージ16の平面拡大図であり、前記ボックス槽15には、矢印F方向(ワーク搬送方向)と直交する方向に所定間隔を置いて、左右一対のボックス部15aが配置され、左右のボックス部15a間を、ワークWが通過するようになっている。めっき槽14とボックス槽15との間のめっき槽壁(ボックス槽15の入口の槽壁を兼ねる槽壁)82、並びにボックス槽15と空ステージ16との間のボックス槽出口のボックス槽壁83にゲート装置84、85がそれぞれ設けられている。ボックス部15aを備えることで、ボックス槽15へ供給される液量が少なくなり、ゲート装置84を開閉した際のめっき液の変動を少なくできると共に、ボックス槽15へ供給されためっき液の排出時間を短縮することができる。
図6は図5のVI-VI断面図、図7はゲート装置84単体の図5のVI-VI断面図、図8は図7のVIII-VIII断面図であり、図7のように、前記ゲート装置84は、略長方形状のゲート本体90と、該ゲート本体90内に収納された膨張収縮自在な袋状ゲート部材91とを備えており、ゲート本体90の左右幅の中央部には、上下方向に延びる略垂直なスリット状の開口部88が形成されている。記ゲート本体90は、図6のように、複数のボルト92及びナットにより、めっき槽壁82に液密状態に固着されている。開口部88は、ワークWが縦向き姿勢で通過できるように、ワークWの厚みよりも大きい左右幅を有し、開口部88の上端部には、搬送ハンガー28の吊持部65及びクランプ67が通過しうるように、上向きに広がる逆三角形状の拡大部89が形成されている。上向きに広がる拡大部89の逆三角形状としては、開口部88の上端位置の頂点の角度を、できるだけ鋭角にすることが好ましい。たとえば、20〜60度とすることができる。前記角度が鋭角になり過ぎると、クランプ67と接触するおそれがあり、角度が広くなり過ぎると、後述するように袋状ゲート部材91に空気を圧入して膨張させる際に、開口部88の上端部での液シール性が低下するおそれがある。
ゲート本体90の右側端及び左側端の上端部には、それぞれ空気入口管94及び空気出口管95が設けられ、空気入口管94は空気ポンプ96に接続されると共に、袋状ゲート部材91の一方の端部に接続し、空気出口管95は袋状ゲート部材91の他端部に接続されると共に、開閉バルブ97を介してたとえば大気に連通している。空気入口管94及び空気出口管95に対して、袋状ゲート部材91は、少し引っ張ってテンションをかけた状態で取り付けられている。
図9はゲート装置84の分解斜視図であり、ゲート本体90は、前後一対の板状部材90a、90bを複数のボルト100(一部のみ図示)及びナット101(一部のみ図示)で張り合わせることにより構成されており、両板状部材90a、90bの合わせ面には、開口部88及び拡大部89の左右両側に沿ってゲート部材収納溝98a、98bが形成されており、前後のゲート部材収納溝98a、98bを合わせることより、ゲート部材収納部98を構成している(図8)。ゲート部材収納部98は、開口部88の下側で左右が略円弧状につながり、また、各拡大部89の上端部で左右に水平に延び、左右端が開口し、左右の開口部分に前記空気出口管95及び空気入口管94が固定されている。
袋状ゲート部材91を取り換える際には、ゲート部材収納部98から古くなった袋状ゲート部材91を引き抜いて、新しい袋状ゲート部材と取り換えても良く、ゲート本体90を取り外して分解し、袋状ゲート部材91を取り換えた後、再度ゲート本体90を組み立ててめっき槽壁82に取り付けてもよい。
前記開口部88の下側で略円弧状につながっている部分は、開口部88付近では、開口部88の両側に設けられたゲート部材収納部98とできる限り平行に近い状態とすることが好ましく、たとえば、角度θ1は最大でも45度とすることが好ましい、これは、袋状ゲート部材91が膨張した際の開口部88の下端部での液シール性を高めるためである。
ゲート部材収納部98内に収納される袋状ゲート部材91として、たとえば耐蝕性を有するゴム状弾性体のチューブを利用しており、袋状ゲート部材91は、概ね前記ゲート部材収納部98に対応する形状に形が整えられ、ゲート部材収納部98に収納されている。袋状ゲート部材91は、開閉バルブ97を閉じた状態で前記空気ポンプ96から空気入口管94を介して空気が圧入されることにより膨張し、一方、開閉バルブ97を開いて、空気出口管95から空気が排出されることにより収縮する。
袋状ゲート部材91の材質としては、樹脂であれば特に制限はないが、耐薬品性、繰り返し伸縮することに耐える耐久性、伸縮性、膨張時にゲート本体90や後述するスリット102(図10)との摩擦による摩耗に耐える耐摩耗性及び表面の滑らかさ等を考慮して決定することが好ましい。例えば、酸性、アルカリ性の処理液を貯める浸漬槽に用いる場合は、EPDM、4フッ化エチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質塩化ビニル、天然ゴムなどが採用できる。水洗槽などの水を貯める浸漬槽には更にアメゴムを採用することもできる。
図10は図7のX-X断面拡大図であり、この図10において、袋状ゲート部材91の外径は、後述するスリット102の幅や閉口部88の幅に応じて適宜選択可能であるが、袋状ゲート部材91の外径を小さくし過ぎると、閉口部88の幅を小さくしなければ液シール性を高めることができず、閉口部88を通過するプリント基板等のワークがゲート装置84に接触して傷が付くおそれがある。一方、袋状ゲート部材91の外径を大きくし過ぎると、大容量の空気ポンプを用いなければならない他、ゲート装置84の前後幅が大きくなるなど、装置として過大化する。例えば、ワークWがプリント基板である場合、10〜30mmとすることができる。なお、上記袋状ゲート部材91の外径は、閉口部88の幅が大きくなればそれに伴って大きくし、閉口部の88が小さくなければそれに伴って小さくすることができる。
ゲート部材収納部98は、断面形状が左右に長い長円形状に形成されており、ゲート部材収納部98の開口部側の端部には、ゲート部材収納部98の長さ方向に沿って、ゲート部材収納部98の前後幅よりも狭いスリット102が形成され、該スリット102を介してゲート部材収納部98内と開口部88とが連通している。
図10に示す横断面でのゲート部材収納部98の形状は、角部を有さない形状にすることが好ましい。これにより、袋状ゲート部材91の耐久性を高めることができる。具体的には、円弧、楕円弧、放物線などを組み合わせてできる形状とすることができ、円形、楕円形、円弧や楕円弧と放物線とを組み合わせてできる卵形などが挙げられる。特には、楕円形、卵形(但し、尖った方にスリットを設ける)が好ましく、これによって袋状ゲート部材91が確実にスリット102から突出できるようになるとともに、排気した際にゲート部材収納部98内へ確実に収容されるようになる。
また、ゲート部材収納部98は、袋状ゲート部材91を収納した際に、袋状ゲート部材91との間に隙間ができないようにすることが好ましい。これにより、空気ポンプを小型化できるとともにゲート開閉時間を短くすることができる。
スリット102の幅としては、袋状ゲート部材91の外径や閉口部88の幅に応じて適宜決定され得るが、スリット102の幅が狭過ぎると袋状ゲート部材91の耐久性を損なうおそれがあり、広過ぎるとゲートの液シール性が悪くなるおそれがあるため、これらを考慮して決定することが好ましい。ワークWがプリント基板である場合には、10〜15mmとすることが好ましい。
閉口部88の幅は、通過させるワークWの幅(搬送方向Fと直交する方向の幅)に応じて適宜決定できるが、閉口部88の幅が狭過ぎると、ワークWとゲート装置が接触してワークWに傷が付くおそれがあり、広過ぎると液シール性を得るには袋状ゲート部材91の外径が大きくなり、大容量の空気ポンプを使用しなければならない等装置が過大化する恐れがあるため、これらを考慮して決定することが好ましい。ワークWがプリント基板である場合、閉口部88の幅は10〜15mmとすることが好ましい。
袋状ゲート部材91に空気が圧入されていない時には、図10のように、袋状ゲート部材91は全体がゲート部材収納部98内に納まっており、これにより開口部88は開状態となっている。一方、図11のように、袋状ゲート部材91に空気が圧入された時には、袋状ゲート部材91は膨張し、一部がスリット102を通って開口部88に突出し、袋状ゲート部材91の開口部88内への突出部分が互いに圧接することにより、開口部88は閉じ状態となる。
上述したように、袋状ゲート部材91は、少しテンションがかかるように取り付けられているため、空気を排出した際に、スリット102から膨張突出した袋状ゲート部材91が確実に収まるようになっている。
圧入される空気は、上記開口部88の幅、スリット102の幅、袋状ゲート部材91の材質・外径によって適宜選択されるが、袋状ゲート部材91が閉口部88の左右幅中央から1〜2mm多く突出する状態となるように供給することが好ましい。なお、ここでいう閉口部88の左右幅中央とは袋状ゲート部材91が圧接し合って液シールを行う境界を意味しており、例えば、左右異なる材質の袋状ゲート部材を用いるなどして片方の袋状ゲート部材を多く突出させる場合には、空気を圧入した際に互いの袋状ゲート部材を圧接し合う境界を基準とすることができる。
なお、図5に示すボックス槽15と空ステージ16との間のゲート装置85も、ボックス槽15とめっき槽14との間の前記ゲート装置84と同様の構造をしている。また、ゲート装置84と同様なゲート装置は、図1のめっき装置において、たとえば、符号Gで示すように、他のボックス槽13、21、22にも設けられている。さらに各空ステージ11、17、20、24に設けることも可能である。
(作動の説明)
めっき処理工程並びにその後のハンガーの剥離工程等は、従来公知であるので、ごく簡単に説明する。図1において、ロード部10でめっき処理前のワークWを搬送ハンガー28に吊持し、プッシャー装置により搬送ハンガー28及びワークWを前処理槽11内まで搬送し、搬送ハンガー28のスプロケット71を前処理槽11の連続搬送装置35の搬送チェーン75の始端部に係合させる。
前記連続搬送装置35から、矢印F方向へと順次、取込搬送装置31、連続搬送装置36、取込搬送装置32及び連続搬送装置37によって搬送ハンガー27を移動することにより、ワークWは、前処理槽11、空ステージ12、ボックス槽13、めっき槽14、ボックス槽15、空ステージ16及び第1の後処理槽17を通過し、又は所定の処理位置で所定時間停止し、前処理、めっき処理及び洗浄等の後処理が行われる。めっき処理完了後のワークは、図示しないプッシャー装置により、第2の後処理槽18を介してアンロード部19まで搬送され、搬送ハンガー28からめっき処理後のワークWが取り外される。
ワークWを外した後の搬送ハンガー28は、次に、剥離工程の空ステージ20の連続搬送装置38のチェーンコンベア75にスプロケット71が係合させられ、該連続搬送装置38から、矢印F方向へと順に、取込搬送装置33、連続搬送装置39、取込搬送装置34及び連続搬送装置40によって移動させられ、付着物が剥離され、洗浄され、再びロード部10に戻される。
前記めっき処理において、ワークWを、たとえばめっき処理工程のめっき槽14からボックス槽15に水平移動する時、また、ボックス槽15から空ステージ16に水平移動する時等には、図10のように、ゲート装置84の袋状ゲート部材91の空気を抜くことにより開口部88を開き、開状態の開口部88にワークWを通過させ、ワークWが通過し終えると、図11のように袋状ゲート部材91に空気を圧入することにより、袋状ゲート部材91を膨張させ、スリット102から突出させることにより、開口部88を閉状態とし、液の漏出を防止する。
[ゲート装置の開閉を利用したワーク搬送の一例]
図12〜図14は、めっき槽14と、ボックス槽15と、空ステージ16との間のワークWの搬送(移送)と、ゲート装置84、85の開閉動作との関連を示している。なお、ゲート装置84、85が開状態の場合はクロスハッチングを施し、閉状態の場合は白抜きで示している。
(1)図12において、予めボックス槽15内には図示しないカラム槽からのめっき液が供給されている。めっき槽14とボックス槽15との間のゲート装置84を開き、ボックス槽15と空ステージ16との間のゲート装置85は閉じておき、めっき槽14内の搬送ハンガー28のうち、最もボックス槽15側(矢印F方向側)に位置する搬送ハンガー(仮想線で示す)28の支軸70に、取込搬送装置32のスライダー77の取込爪79を反矢印F方向側から係合する。そして、スライダー77を矢印F方向に移動することにより、搬送ハンガー28と共にワークWを矢印F方向に移動し、ゲート装置84の開口部88(図6)を通過させてボックス槽15内まで搬送し、ボックス槽15で停止する。
(2)図13において、めっき槽14とボックス槽15との間のゲート装置84を閉じ、ボックス槽15内のめっき液を排出する。
(3)図14において、ボックス槽15と空ステージ16との間のゲート装置85を開き、スライダー77を矢印F方向に移動することにより、搬送ハンガー28と共にワークWを矢印F方向に移動し、ゲート装置85の開口部88を通過させて空ステージ16内まで搬送する。その後、前記ゲート装置85は閉じられる。なお、空ステージ16内へ搬送された搬送ハンガー28は連続搬送装置37で搬送される。
(4)空ステージ16内へ搬送ハンガー28を搬送した後、スライダー77は反矢印F方向に移動し、めっき槽14の上方まで戻る。この時、スライダー77の取込爪79は、めっき槽14内の次の搬送ハンガー28の支軸70を乗り越え、反矢印F方向側から前記支軸70に係合する。
(ボックス槽内のめっき液量制御の一例)
図15〜図18は、ワークWを、めっき槽14、ボックス槽15及び空ステージ16に順次移動する際のめっき液の液量制御を示している。なお、図15〜図18において、各ポンプ49、57、59は、作動状態の時はクロスハッチングを施し、停止状態の時は白抜きで示し、また、排出口栓46、51は、開状態の時は白抜きで示し、閉じ状態の時は、クロスハッチングで示している。
(1)図15は、ボックス槽15内で処理したワークWを空ステージ16へ移送した直後の状態であり、ボックス槽15と空ステージ16の間のゲート装置85は開き、めっき槽14とボックス槽15との間のゲート装置84は閉じている。
めっき槽14の液循環ポンプ57は作動しているが、レベル維持用のポンプ59及びカラム槽用のポンプ49は停止している。また、カラム槽47の排出口栓51及びボックス槽15の排出口栓46は、いずれも閉じている。この図15の状態において、めっき槽14内でのめっき処理は継続されている。カラム槽47には、所定量のめっき液が貯留された状態となっている。
(2)図16は、前記図15のようにワークWを空ステージ16に移送した後、めっき槽14の次のワークWをボックス槽15に移送する前の状態を示しており、ボックス槽15の前後のゲート装置84、85はいずれも閉じており、めっき槽用の循環ポンプ57は作動しているが、レベル維持用のポンプ59及びカラム槽用のポンプ49は停止している。
この図16の状態において、カラム槽47の排出口栓51を開くことにより、カラム槽47内に貯留されていた所定量のめっき液を、一気にボックス槽15に供給し、ボックス槽15内に所定量のめっき液を貯留する。
(3)図17は、前記図16のようにカラム槽47からボックス槽15へめっき液を排出後、ボックス槽15とめっき槽14との間のゲート装置84を開き、めっき槽14からボックス槽15へワークWを移送した直後の状態を示している。各ポンプ49、57、59はすべて作動しており、カラム槽用のポンプ49により、予備槽43からカラム槽47へめっき液を所定量まで補充し、レベル維持用ポンプ59により、予備槽43からめっき槽14へめっき液を補充し、循環ポンプ57によりめっき液を循環している。カラム槽47及びボックス槽15の排出口栓51、46はいずれも閉じている。
この図17の状態では、めっき槽14からボックス槽15に、ゲート装置84の開口部88を介してめっき液が供給され、めっき槽14と同じレベルまでボックス槽15内にめっき液が貯留される。
(4)図18は、ワークWをボックス槽15で処理した後、ボックス槽15の底部の排出口栓46を開くことにより、ボックス槽15内のめっき液を、一気に下方の予備槽43に排出している状態を示している。
めっき槽14のレベル維持用のポンプ59は停止しているが、めっき槽用の循環ポンプ57は作動している。また、カラム槽用のポンプ49による予備槽43からカラム槽47へのめっき液の補充は続行されている。
図18のようにボックス槽15からめっき液を排出した後は、前記図15の状態に戻ることになる。
(実施の形態の効果)
(1)図5のように、めっき液が貯留されるめっき槽14とボックス槽15との間、又はボックス槽15と空ステージ16との間に配設されるワーク通過用のゲート装置84、85は、ゲート部材として、空気を圧入することより膨張してゲート装置84、85の開口部88を閉じ、空気を排出することにより収縮して前記開口部88を開く袋状ゲート部材91を備えているので、従来のように、板状のゲート部材をスライド方式あるいは回動方式で機械的に開閉するゲート装置に比べ、スライド部分あるいは回動部分等の腐食等のおそれがなく、耐久性が向上すると共に、構造が複雑化することなく、シール性も向上する。
また、一連のゲートの開閉作動を15秒以内といった短時間で行えるようになり、所定時間に搬送できるワーク数を増やすことができ、装置の生産性を高めることができる。
(2)前記開口部88の周囲に、袋状ゲート部材91を収納するゲート部材収納部98を形成し、該ゲート部材収納部98と前記開口部88との間に、膨張時に袋状ゲート部材91が開口部88内に突出可能なスリット102を形成しているので、膨張時、袋状ゲート部材91を、スリット102を通して確実に開口部88内に突出させ、開口部88を閉じることができる。
(3)図2のようにボックス槽15の底部に、ボックス槽15内のめっき液を排出するための排出口栓46が設けられているので、ボックス槽15内のめっき液を、ポンプを用いることなく速やかに排出することができ、処理作業の能率が向上する。
[第2の実施の形態]
図19〜図23はゲート装置の別の例を示している。正面略図を示す図19において、ゲート装置200は、一枚のゲート本体201と、該ゲート本体201の左右幅の中央部の凹部の左右両側に固着された左右一対のゲート部材収納箱203と、該ゲート部材収納箱203にそれぞれ収納された袋状ゲート部材204から構成されている。
前記ゲート部材収納箱203は、左右方向に所定隙間をおいて配置されており、両ゲート部材収納箱203間でワーク通過用の開口部205を形成している。該開口部205はゲート本体201の上端から所定の深さまで、左右幅は一様に形成されており、前記実施の形態のように上端部に拡大部は形成されていない。各ゲート部材収納箱203の上端にはそれぞれ蓋206が取り付けられ、各蓋206にはそれぞれ配管210が接続され、各配管はそれぞれ独立して空気ポンプ211に接続されている。各ゲート部材収納箱203の下端部も底蓋207により閉塞されている。
図20はゲート装置200の部分斜視図であり、各ゲート部材収納箱203の開口部205側の側壁には、開口部205とゲート部材収納箱203内を連通する縦向きのスリット214が直線状に形成されている。
図21はゲート部材収納箱203の水平断面拡大図であり、ゲート部材収納箱203の内面の断面形状は概ね円形状に形成され、該円形の内部空間に、ゴムチューブ製の袋状ゲート部材204が収納されている。
図22は、ゲート部材収納箱203の上端部の縦断面拡大図であり、ゲート部材収納箱203内に収納された袋状ゲート部材204の上端部は開放状態となっており、径方向の外方へと裏向きに折り返され、折り返し部分204aが上側の蓋206の内周面とゲート部材収納箱203の上端嵌合部203aの外周面の間に挟持され、これにより、袋状ゲート部材204の上端部を気密状態にシールしている。
図19〜図23に示すゲート装置200は、一対の袋状ゲート部材204を独立に備えているので、袋状ゲート部材204毎に空気ポンプ211(図19)から空気を圧入し、図23のように、スリット214から開口部205内に袋状ゲート部材204の一部を突出させ、突出部分を互いに圧接させることにより、開口部20を閉じるようになっている。
図19〜図23の実施の形態のように、ゲート本体201とは別体のゲート部材収納箱203を、ゲート本体201に取り付けていると、袋状ゲート部材204のメンテナンス時は、ゲート部材収納箱203をゲート本体201から取り外すだけでメンテナンスを行うことができる。
[第3の実施の形態]
図24〜図42は、ゲート装置のさらに別の実施の形態であり、該ゲート装置が収納されるボックス槽についても、前記第1の実施の形態とは異なった構造を有している。ボックス槽15、左右のボックス部15a、めっき槽壁82、ボックス槽壁83、前記ボックス槽15の前後のめっき槽14及び空ステージ16には、前記第1の実施の形態と同じ符号を付している。
(ボックス槽の構成)
図24はボックス槽15の平面図を示しており、この図24において、左右のボックス部15a間で形成されるワーク通過空間Pには、左右一対の多数のローラ対301が、矢印F方向に所定間隔を置いて配置されており、左右のローラ301間をワークWが通過することにより、搬送中及びボックス槽15にめっき液を充填する際のワークWの揺動を規制している。各ボックス部15aには、前記ワーク通過空間Pに面する壁に、それぞれ開閉可能な蓋302が設けられており、該蓋302を開けることにより、ボックス部15a内のめっき液をワーク通過空間Pに供給できるようになっており、これにより、ボックス部15aによって、前記第1の実施の形態のカラム槽47(図2)の代わりを果たしている。各蓋302は、垂直なヒンジ部302aを中心に回動するように構成されており、各蓋302を開閉する駆動装置として、シリンダ303及び駆動アーム304等が設けられている。
図27は、図24のXXVII-XXVII断面図であり、前記駆動アーム304はL字形に形成されると共に、中央折れ曲がり部分に固着された回動306が支持台307に回動自在に支持されており、駆動アーム304の下方突出部分に下端部が蓋302に設けられた駆動片305に対し係合孔305aを通して突出することで係合し、水平突出部分の先端部が前記シリンダ303のロッド部303aに枢着連結している。各シリンダ303のロッド部303aを伸長することにより、各駆動アーム304及び各駆動片305を介して各蓋302が開き、一方、各シリンダ303のロッド部303aを収縮することにより、各蓋302を閉じるようになっている。このとき、駆動アーム304の下端は回動によって上下移動し、蓋302の回動によって駆動片305は横移動して係合位置にずれが生じるが、駆動アーム304は前記係合孔305aを通してその下方突出部分の下端部を突出させるだけで係合しており、駆動アーム304の下端部が当該係合孔305a内を移動可能となっているため、上記係合装置のずれを吸収している。
(ゲート装置の構成)
図26はゲート装置310をボックス槽壁83に取り付けている途中の状態を示す正面図である。ボックス槽壁83の左右幅の中央部には、一様の左右幅を有すると共に上下方向に延びるゲート装置取付孔311が形成されており、該ゲート装置取付孔311の下端部は概ね半円形状に形成されている。ゲート装置310を取り付けた状態のボックス槽壁83を示す図25に示すように、ゲート装置310は上下方向に長い長方形のゲート本体312を備えており、該ゲート本体312の左右両側部及び下端部には、図26のXXXII-XXXII断面拡大図である図32に示すように、ボックス槽壁83のゲート装置取付孔311の内周端縁に係合する溝315が形成されている。図26から分かるように、ゲート本体312は差込方式でボックス槽壁83に取り付けるようになっている。
図25に戻り、ゲート本体312の溝315をゲート装置取付孔311の内周端縁に係合させた状態で、ゲート本体312をゲート装置取付孔311に上方から差し込み、ゲート本体312の上端の左右に固着された固定具320をボックス槽壁83の上端にボルト321で固定することにより、ゲート本体312をボックス槽壁83に取り付けている。
ゲート本体312は、前記第1の実施の形態と同様に、左右幅の中央部に、上下方向に延びる略垂直なスリット状の開口部330が形成され、開口部330の上端部には、上向きに広がる逆三角形状の拡大部331が形成されている。開口部330及び拡大部331の左右両側に沿ってゲート部材収納部333が形成されており、ゲート部材収納部333は、開口部330の下側で左右が円弧状につながり、ゲート部材収納部333内に前記第1の実施の形態と同様なゴムチューブからなる袋状ゲート部材322が収納されている。
ゲート部材収納部333の左右の上端部は、ゲート本体312の上端縁より一定距離下方位置において途切れており、ゲート部材収納部333に収納された袋状ゲート部材322は、左側の上端部322bが固定具421により常時閉塞され、右側の上端部322aが、固定具412により閉塞されると共に、ゲート本体312に形成された空気通路401を介して空気ポンプ337に接続されている。
すなわち、袋状ゲート部材322は、空気ポンプ337で空気を圧入することより袋状ゲート部材322を膨張させ、それにより開口部330を閉じ、反対に、空気ポンプ337により袋状ゲート部材322の空気を抜くことにより、開口部330を開く。なお、ゲート本体312は、図32に示すように、前後2枚の本体部材312a、312bを貼り合わせることにより構成されており、また、ゲート部材収納部333の開口部330側にはスリット334が形成されている。
ゲート装置310は、前述のように、開口部330を開閉するための袋状ゲート部材322に加え、ゲート本体312とボックス槽壁83のゲート装置取付孔311との嵌合部分をシールするために、該嵌合部分に沿って膨張収縮自在な袋状シール部材323を備えている。
(袋状シール部材の取付構造)
図32において、ゲート本体312の前記溝315の底部に、該溝315よりも前後幅及び左右幅が狭い小さな溝状のシール部材収納部335が形成されており、該シール部材収納部335内に前記袋状シール部材323が収納されている。該袋状シール部材323は、前記袋状ゲート部材と同様に、ゴムチューブからなっている。
図29は袋状シール部材323の上端部の構造を示しており、ゲート本体312の上端の左右両端部に、前述の固定具320がボルト351により固定されており、袋状シール部材323の一方の上端部、たとえば左側の上端部は、左側の固定具320に形成された突起320aをゲート本体312の前記シール部材収納部335内に噛み合わせることにより閉塞されている。他方、右側の上端部も、右側の固定具320に形成された突起320aをゲート本体312の前記シール部材収納部335内の上部に噛み合わせることにより閉塞されているが、袋状シール部材323の右側の上端部分は、右側の固定具320内に形成された空気通路340を介して固定空気ポンプ341に連通している。
図25に示すように、袋状シール部材323は、ゲート取付孔311の内周端縁に沿って配され、上端を固定具320によって固定されている。ここで、袋状シール部材323を固定する際には、袋状シール部材323にはテンションがかかった状態(両上端を引っ張られて荷重がかかる状態)で固定されいる。
袋状シール部材323の右側の上端部と固定具320の空気通路340との連通構造を詳細に説明すると、図30において、袋状シール部材323の右側の上端部には、上端縁から一定距離下方の位置に、スリット状の空気入口342が形成されており、該空気入口342から袋状シール部材323内への空気が供給される。なお、図31において、空気通路340の上端部には、継ぎ手(図示せず)が連結固定されており、当該継ぎ手に対して空気ポンプ341に接続されたエアチューブが連設されている。
図40は図29のXXXX-XXXX断面図であり、この図40において、前記空気入口342が空気通路340に対向するように袋状シール部材323を配し、固定具320をボルト351で締め付けることにより、拡張部335aを有するシール部材収納部335の底部に対して突起320aが袋状シール部材323の先端部を押し付けて閉塞した状態で固定している。
図41はゲート本体312から袋状シール部材323と固定具320とを取り外し、三者312、320、323の上下方向の位置関係及び大小関係を明らかにするために、三者を並べた配置した図であり、ゲート本体312及び袋状シート部材323は図40の矢印D1方向から見た図、固定具320は図40の矢印D2方向から見た図を示している。図41から分かるように、左側に図示しているゲート本体312の拡張部335aは、鍵穴状の形をしており、その下端部は、中央に図示している取付状態の固定具320の下端(高さH1)よりも下方に延びている。また、ゲート本体312の拡張部335aの上側の円形部は空気通路340と略同じ大きさになっている。
また、図41の右側に図示している袋状シール部材323の空気入口342は、空気通路340の閉口部内に収まる大きさとなっている。そのため袋状シール部材323は図中斜線を付した領域で、固定具320の突起320aとシール部材収納部335の底部との間で圧着され、閉塞される。
空気が空気入口342から袋状シール部材323内に確実に供給されるように圧着閉塞し、かつ、供給された空気が容易に袋状シール部材323の上端部内に入るように空気入口342の周囲に膨張しやすい領域となる非圧着部分(斜線がない部分)を設け、更には、袋状シール部材323の上端内部に供給された空気が確実に下端部へ導入されるように拡張部335aの下端を、取り付けられた状態の固定具320下端よりも下方に延長したことで、図31に示すように、圧入される空気によって袋状シール部材323に空気流路が形成されて、袋状シール部材323内へ空気が供給される。
前記袋状シール部材323内には、前記空気ポンプ341によって常に空気が圧入されており、これにより、ゲート本体312とボックス槽壁83との間を、常時、液密状態にシールしている。
なお、上述したように、袋状シール部材323はテンションがかかる状態で固定されているため、確実にシール部材収納部335から突出するように膨張し、ゲート装置取付孔311の内周端縁の全体で均一に液密状態にシールすることができるようになっている。
(袋状ゲート部材の取付構造)
図33は図25のXXXIII-XXXIII断面拡大図であって、ゲート本体312を分解した状態を示しており、両本体部材312a、312bの合わせ面にはゲート部材収納溝333a、333bがそれぞれ形成され、前後のゲート部材収納溝333a、333bを合わせることより、ゲート部材収納部333を構成し、該ゲート部材収納部333にゴムチューブよりなる前記袋状ゲート部材322を収納している。
前記空気通路401は、一方の本体部材312bのゲート部材収納溝333bの上端より一定距離上方位置に、貫通状態で形成されており、該空気通路401に対応する部分に、袋状ゲート部材322の右側上端部322aを挟持するように、前記固定具412がボルト415により締着されている。他方の本体部材312aの前記空気通路401に対応する位置には、固定具412を収納するための凹部411が形成されている。前記固定具412には、一方の本体部材312bに対向する面に凹部412aが形成されており、該凹部412aは、図35及び図36に示すように鍵穴形に形成される共に下端が開放しており、また、凹部412aの左右両側にはボルト挿通414が形成されている。なお、図示はしていないが、空気通路401には、前述の空気通路340と同様に、継ぎ手が連結固定されており、当該継ぎ手に対して空気ポンプ337に接続されたエアチューブが連設されている。
図34は袋状ゲート部材322の右側の上端部322aの拡大斜視図であり、該上端部322aには上端縁から一定距離下方位置に空気流通用のスリット413が形成されている。
図42に示すように、前記固定具412を一方の本体部材312bに締着することにより、上述した袋状シール部材323のときと同様に、袋状ゲート部材322のスリット413の周囲を、本体部材312bと固定具412との間で挟持するが、スリット413は固定具412の凹部412aに対応する位置に位置しているので、閉塞されず、本体部材312bの空気通路401に連通する。すなわち、袋状ゲート部材322内と空気通路401とが連通する。その後、他方の本体部材312aの凹部411に前記固定具412を収納するように、両板本体部材312a、312bを締結する。
図37は、袋状ゲート部材322の左側の上端部322bの縦断面拡大図であり、この図37において、上記左側の上端部322bは、固定具421を一方の本体部材312bにボルト423で締結することにより、固定具421と本体部材312bとの間で挟持され、それにより常時閉塞されている。両本体部材312a、312bを重ね合わせる場合には、前記固定具421は、他方の本体部材312aに形成された凹部422に収納される。図38は、図37の固定具421をワーク搬送方向と直交する方向から見た図、図39は図38の固定具421を矢印β方向に見た図であり、固定具421は、切欠き等のへこみを有しない直方体に形成され、一対のボルト挿通孔424が形成されている。
(作動の説明)
袋状ゲート部材322の膨張収縮により開口部の開閉作動は、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、省略する。
尚、該実施の形態においては、図24に示すように、ボックス槽15のボックス部15aに、ワーク通過空間Pに対して開閉する蓋302を備えると共に、各ボックス部15aにめっき液供給用ポンプ400を接続しているので、前記第1の実施の形態の図2に示されたカラム槽47からボックス槽15にめっっき液を供給する代わりに、図24の蓋302を開けることにより、ボックス部15aからワーク通過空間Pにめっき液を供給することができる。
ここで、図27に示すように、ボックス部15a内にはめっき槽14での液面Lよりも液面が高くなるようにめっき液が充填されている。蓋302が開くと、ボックス部15a内のめっき液は自重によって蓋302からワーク通過空間Pへ排出され、ワーク通過空間Pでは液面Lになる。この時、ボックス部15a内のめっき液の液面は、液面Lとなる。つまり、ボックス部15a内の液面Lよりも高い位置に充填されているめっき液の体積V1は、ワーク通過空間の体積V2と略同じになっており、ボックス部15a内へのめっき液の補充は体積V1分だけで済むようになっており、ワーク通過空間P内のめっき液の排出、ゲート装置310の開閉、ワークWの搬出を行う間に確実にボックス部15a内へのめっき液の補充が完了できる。そのため、ゲート装置310のゲート開閉周期を飛躍的に短くすることができる。
(実施の形態による効果)
前記第1の実施の形態と同様な効果を奏することは勿論のこと、ゲート本体312を差し込み式でボックス槽壁83に取り付けるので、取付作業は、簡単かつ正確に行える。また、袋状ゲート部材322の全体を、ゲート部材収納部333に収納しているので、空気ポンプと袋状ゲート部材322との繋ぎ目において、局所的な膨張が発生して破裂するのを防止し、袋状ゲート部材322の耐久性を高め、更に取付作業を軽減できる。更には、袋状シール部材323を利用してゲート本体312とボックス槽壁83との間をシールするので、簡単、かつ、確実に、シールすることができる。
[その他の実施の形態]
(1)図1及び図2のめっき装置は、搬送ハンガーを連続して水平移動することにより、各槽を通過させるいわゆる連続搬送方式のめっき装置であるが、本発明にかかるゲート装置は、たとえば、途中で、ハンガーを上昇させて次の槽まで移送し、次の槽で下降させる搬送区間を有する間欠搬送方式のめっき装置、あるいはその他の浸漬処理装置にも適用することができる。
(2)本発明かかるゲート装置は、めっき装置には限定されず、たとえば、処理槽内に貯留した処理液によりワークを洗浄する剥離槽等の浸漬処理装置にも適用することは可能である。
(3)図1及び図2のめっき装置は、ワークを搬送するレーンが一列であるが、本発明のゲート装置を複数列並設して、複数の搬送レーンを有するめっき装置にも適用することができる。
(4)前記実施の形態では、ワークWとしてプリント基板のような板状ワークを処理する浸漬槽に用いる例としているが、長尺ワーク等、浸漬槽の槽壁を乗り越えて搬送することに手間と時間を要するワークにも適用可能である。
(5)前記実施の形態では、袋状ゲート部材や袋状シール部材を膨張させるために空気(気体)を圧入しているが、液体によって行ってもよい。
(6)前記実施の形態では、めっき槽14の後部に一個のゲート装置84を設けているが、このゲート装置84を第1、第2…と複数のゲート装置で構成してもよい。ゲート装置85も同様である。このとき、第1のゲート装置を通常時にゲート開閉操作に使用して、第2以降のゲート装置は開放したままとする。そして、第1のゲート装置を取り換えなければならない場合に、第2以降のゲート装置をゲート開閉操作に使用する。これにより、第1のゲート装置を取り換える際にも、めっき槽等の各浸漬処理槽中の処理液を貯め置くままとすることができ、安定して処理を継続することができる。
(7)前記実施の形態では、ボックス槽のワーク搬送方向の前後に袋状ゲート部材を有するゲート装置を設けているが、めっき槽に接していないゲート機構(図5でいえばゲート装置85)は、シールローラや扉式のゲートを用いたゲート機構としてもよい。
(8)前記実施の形態では、浸漬処理槽であるめっき槽14、剥離槽22のワーク搬送方向の前後にボックス槽15、23等を設けているが、これらのボックス槽15、23を無くしても良い。
(9)前記実施の形態では、袋状ゲート部材同士が圧接することで液シールを行っているが、この構造には限定されない。たとえば、断面視上L字状のスライド式ゲートを用い、ゲート部材収納部に上記スライド式ゲートのL字底辺部を内包すると共に、該L字底辺部に対して開口部側に袋状ゲート部材を、その反対側にばねを設けるようにすることができる。この場合、袋状ゲート部材を膨張させてスライド式ゲートのL字底辺部を押圧してばねに抗してスライド式ゲートを開き、袋状ゲート部材を収縮させるとばねの力によってスライド式ゲートが閉じるようにする。
(10)前記実施の形態では、ボックス槽15に排出口栓46を設けた例で説明したが、ポンプにより液の排出・充填を行うようにしてもよい。更に、排出又は充填する処理液量も完全に充填・排出しなくてもよい。
(11)前記図24に示す実施の形態では、ボックス部15aの蓋は前後方向に開閉可能となっているが、スライド式や上下方向に開閉する方式としても良く、また、開閉手段もシリンダを用いる他に、ばねによって蓋が常に閉じる状態にしておき、ワイヤ等で引っ張って蓋を開ける構造としてもよい。
(12)前記実施の形態において、短時間に液を充填するための機構として、所定量の処理液を貯留し、ボックス槽内へ液を導入するカラム槽47や図24のボックス部15aを設けた例で説明したが、該機構を従来装置に用いてもよい。これにより、ゲート開閉時間を飛躍的に短縮することができる。