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JP4707495B2 - アンテナ装置および無線装置 - Google Patents
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Description

本発明はアンテナ装置および無線装置に係り、特に携帯可能な無線装置に使用されるアンテナ装置および無線装置に関する。
携帯電話機に代表される無線装置の普及と共にその応用範囲が拡大してきたため、無線装置のアンテナの広帯域性がより一層求められている。例えば地上波デジタルテレビジョン放送の受信には、UHF帯で数百メガヘルツ(MHz)の帯域幅が必要と考えられている。また、1基のアンテナにより周波数帯を異にする無線LANの複数の規格に対応して無線装置の小型化を図るには、例えば2.4ギガヘルツ(GHz)帯と5.2GHz帯をカバーするアンテナが必要である。
上述した無線LAN等への適用を意図して、アンテナの複共振化を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示された技術は、地板上の1点において給電され他端が地板上で接地された線状又は帯状の導体からなるアンテナ素子の途中にインピーダンス素子を装荷して、線状又は帯状導体の長さで決まる第1の共振周波数と、インピーダンス素子の定数で決まる第2の共振周波数とで共振させるというものである。
線状又は板状のアンテナ素子にリアクタンス素子を装荷して、複共振化を図る技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に開示された技術は、アンテナ素子に対するリアクタンス素子の装荷によりアンテナ素子を分割し、その分割比により共振周波数を決定するというものである。
一方、無線装置用のアンテナは筐体内蔵型のものが主流になりつつあるが、アンテナのタイプの選択に当っては、サイズ、リターン電流に起因する放射効率低下、平衡不平衡変換の必要性等の観点から比較検討することが必要である。これらの要請にバランスよく応えることのできるアンテナとして、半波長T型モノポールアンテナが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この非特許文献1に開示された技術は、半波長T型モノポールアンテナの左右を不等長に構成して並列共振モードにより共振させ、アンテナの入力インピーダンスを高くすることにより小型化と放射効率の両立を図るというものである。
特開2003−46318号公報(第2乃至4ページ、図1) 特開2004−40596号公報(第2、3ページ、図1) 関根、庄木「並列共振モードを用いたT型モノポールアンテナ」、電子情報通信学会論文誌B、Vol.J86−B、No.2、pp.200−208、2003年2月
上述した特許文献1又は特許文献2に開示された技術によれば、アンテナ素子の途中にリアクタンス素子を装荷することによって複共振化することが可能である。しかし、共振周波数を変える必要がある場合には可変にしたリアクタンス素子の定数を調整しなければならず、用途により共振周波数を大きく変える必要がある場合(例えば上述した無線LANへの適用)には必ずしも適切ではないという問題があった。
上述した非特許文献1に開示されたT型モノポールアンテナの並列共振モードは、無線装置の構成によっては有効な手法である。しかし、2以上の直列共振周波数を持つように複共振化されたアンテナ装置の入力インピーダンスがそれらの直列共振周波数において整合するように無線装置の給電系が設計されている場合には、並列共振モードによる入力インピーダンスの上昇は不整合を招くので適切でないという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、共振周波数の大幅な調整が可能であり、かつ、入力インピーダンス整合の問題が少ないアンテナ装置及び当該アンテナ装置を内蔵する無線装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のアンテナ装置は、先端開放モノポール型アンテナである第1のアンテナ素子と、前記第1のアンテナ素子と給電点を共有すると共に前記給電点に接続された給電端から開放端までの長さが前記第1のアンテナ素子の共振周波数の4分の1波長より大きい値を有する先端開放モノポール型アンテナである第2のアンテナ素子と、前記第2のアンテナ素子の前記開放端と前記給電点との間において、接地された状態と接地されない状態とを切り換えることができる切換手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、アンテナ素子の途中に設けたスイッチを接続してモノポールアンテナ又はループアンテナの形態を切り換え可能にすることにより、入力インピーダンスの整合を保って共振周波数を大幅に調整することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施例1を説明する。図1は、本発明の実施例1に係るアンテナ装置及び無線装置の構成を表す図である。実施例1に係る無線装置1は、一点鎖線で表された筐体10に基板11とアンテナ装置12を内蔵して構成される。アンテナ装置12は、図中右側の破線で表された楕円で囲まれた第1アンテナ素子13と図中左側の破線で表された楕円で囲まれた第2アンテナ素子14とを備える。第1アンテナ素子13と第2アンテナ素子14は、基板11上に設けられた給電点15から共通に給電される。第1アンテナ素子13及び第2アンテナ素子14は、それぞれ基板11の端部近傍に配設される。
アンテナ装置12は、第2アンテナ素子14の途中の切り換え個所(図の煩雑を避けるため符号を付さず。)に挿入されたスイッチ16を備える。スイッチ16は少なくとも16h、16j及び16kの3端子を有し、端子16hが端子16jと短絡され端子16kは開放された状態と、端子16hが端子16kと短絡され端子16jは開放された状態とを切り換える。スイッチ16は基板11上に設けてもよいが、その場合には基板11の接地パターンから遠い位置であることが望ましい。
端子16hは第2アンテナ素子14の切り換え個所の給電点15に近い側に接続される。端子16jは第2アンテナ素子14の開放端17を含む部分に接続される。端子16kは基板11上の接地パターンに接続されて接地される。このようなスイッチ16の各端子の接続により、第2アンテナ素子14はスイッチ16が挿入された切り換え個所において接地された状態(接地状態という。)と接地されない状態(非接地状態という。)を切り換えてとることができる。
第1アンテナ素子13及び第2アンテナ素子14の各部及び全体の長さの表し方を、図2を参照して説明する。図2は、これらの長さの表し方を説明する図である。図2に表した各構成は、図1に同じ符号を付して表した各構成と同じであるから、説明を省略する。なお、アルファベット小文字のa乃至fの符号は、第1アンテナ素子13及び第2アンテナ素子14の各部の長さを表す。
第1アンテナ素子13は、給電点15から図の上方に向かう長さaの部分と、続いて図の右方に向かう長さbの部分と、続いて図の下方に向かう長さcの部分とからなる。第1アンテナ素子13は先端開放モノポール型アンテナであって、その全長はa+b+cで表される。したがって第1アンテナ素子13は、a+b+cの値が4分の1波長に相当する共振周波数(以下、特に断らない限り直列共振の周波数を指す。)を有する。
第2アンテナ素子14は非接地状態において、給電点15から図の上方に向かう長さaの部分と、続いて図の左方に向かう長さdの部分と、スイッチ16(図2における符号の図示は省略。)の端子16h及び16j間の部分と、端子16jから開放端17までの長さeの部分とからなる先端開放モノポール型アンテナである。第2アンテナ素子14の全長は、スイッチ16の端子16h及び16j間の電気長を無視するとa+d+eで表される。したがって非接地状態の第2アンテナ素子14は、a+d+eの値が4分の1波長に相当する共振周波数を有する。b+c<d+eのように定数を選ぶことにより、当該共振周波数を第1アンテナ素子13の共振周波数より低い値にすることができる。
スイッチ16の端子16h及び16k間が短絡された接地状態におけるアンテナの構成について、図3を参照して説明する。図3は、第2アンテナ素子14の接地状態におけるアンテナの構成を説明する図である。図2との相違はスイッチ16(図3における符号の図示は省略。)の切り換えの状態のみであって、図3に表された各構成は図2に同じ符号を付して表した各構成と同じであり、かつ、アンテナ素子各部の長さを表す符号も同じであるから説明を省略する。
第2アンテナ素子14の接地状態においては、給電点15から図の上方に向かう長さaの部分と続いて図の左方に向かう長さdの部分とが、スイッチ16の端子16h及び16k間の部分及び端子16kから図の下方に向かう長さfの部分を経て基板11上の接地パターンにおいて接地される。
上記の給電点15から基板11上で接地されるまでの線路の長さは、スイッチ16の端子16h及び16k間の電気長を無視するとa+d+fで表される。このように一端に給電され他端が接地された線路がなすアンテナは、入力インピーダンスの値を除きその2倍の全長を有するループアンテナに等価であることが知られている。したがって当該線路のなすアンテナは、a+d+fの値が2分の1波長に相当する共振周波数を有する。この共振周波数の値は、eとfの値が近い場合には非接地状態の第2アンテナ素子14の有する共振周波数の約2倍に相当する。すなわち、スイッチ16を用いて第2アンテナ素子14を非接地状態から接地状態に切り換えることにより、共振周波数を約2倍に変化させることができる。fがeより小さければ、その比はさらに大きくなる。
実施例1の効果をシミュレーションにより検証した結果について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、当該シミュレーションの条件を表す図である。図中の符号11乃至15及び17を付した部分は、図1に同じ符号を付して表した構成を指す(ただし図4においては、第2アンテナ素子14が開放端17を図の下方に向けてさらに折り曲げられている。)。図中の長さを表す数値の単位は、ミリメートル(mm)である。
給電点15は、図中で基板11の右上隅に設けられている。第1アンテナ素子13は、給電点15から上方に向かう長さ4mmの部分と、続いて図の右方に向かう長さ2mmの部分と、続いて図の下方に向かう長さ39mmの部分とからなる。第2アンテナ素子14は、給電点15から上方に向かう長さ4mmの部分と、続いて図の左方に向かう長さ42mmの部分と、続いて図の下方に向かう長さ39mmの部分とからなる。
第2アンテナ素子の途中であって開放端17から20mmの位置を切り換え個所(1)として、図1のスイッチ16に相当するスイッチ(図示せず。)を設ける。図5は、アンテナ装置12の電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を図4に表した条件にしたがってシミュレーションにより評価した結果を表す図である。図の横軸は周波数(単位はMHz)、縦軸はVSWRを表す。
実線の曲線は、上記のスイッチの設定により第2アンテナ素子14が非接地状態にあり、開放端17までの全長を有する場合のVSWR特性を表す。破線の曲線は、上記のスイッチの設定により第2アンテナ素子14が切り換え個所(1)において接地状態となって等価的にループアンテナを形成し、開放端17を含む部分が切り離された場合のVSWR特性を表す。
非接地状態のVSWR特性において、周波数約850MHzのピークは第2アンテナ素子14の共振周波数、周波数約1600MHzのピークは第1アンテナ素子13の共振周波数である。接地状態のVSWR特性において、周波数約2300MHzのピークは第2アンテナ素子14が形成する等価的なループアンテナの共振周波数、周波数約1600MHzのピークは第1アンテナ素子13の共振周波数である。切り換え個所(1)が開放端17から20mm離れているため、図3におけるf<eの場合に相当する状態であることから、接地状態の等価的なループアンテナの共振周波数は非接地状態の第2アンテナ素子14の共振周波数の2倍より大きな値になっている。
接地状態における周波数約1600MHzのピークのすぐ左側の特性が非接地状態のそれより低域側に伸びているのは、切り換え個所(1)において接地された第2アンテナ素子14が第1アンテナ素子13に対し一種のスタブとして作用することによる効果である。
図6は、開放端17を図4に表した切り換え個所(2)として、図1のスイッチ16に相当するスイッチ(図4に図示せず。)を設けた場合のアンテナ装置12のVSWRの周波数特性をシミュレーションにより評価した結果を表す図である。図の横軸及び縦軸は、図5と共通である。実線及び破線の各曲線は、図4と同様にそれぞれ第2アンテナ素子14の非接地状態及び接地状態における特性を表す。
切り換え個所(2)を開放端17に一致させたことから、接地状態の等価的なループアンテナの共振周波数は非接地状態の第2アンテナ素子14の共振周波数の約2倍に相当する。このように第2アンテナ素子14の切り換え個所の位置を変えることにより、第1アンテナ素子13の共振周波数と接地状態の等価的なループアンテナの共振周波数との大小関係を調整して、アンテナ装置12全体の周波数特性を広帯域化することができる。
以上に説明したように、第2アンテナ素子14が先端開放モノポール型アンテナであって途中の切り換え箇所において接地できる構成であれば本発明を適用することができる。したがって、第1アンテナ素子13は必ずしも先端開放モノポール型アンテナに限るものではない。その場合、図2を参照して説明したb+c<d+eの条件は、非接地状態の第2アンテナ素子14の全長が第1アンテナ素子13の共振周波数の4分の1波長より大きい値をとるという条件に置き換えられる。
本発明の実施例1によれば、無線装置の内蔵アンテナの周波数特性を、アンテナ素子の途中の切り換え個所に直列に挿入するスイッチの位置及び切り換えの如何によって大幅に変えたり、広帯域化したりすることができる。
以下、図7乃至図10を参照して、本発明の実施例2を説明する。図7は、本発明の実施例2に係るアンテナ装置及び無線装置の構成を表す図である。実施例2に係る無線装置2は、一点鎖線で表された筐体20が基板21とアンテナ装置22を内蔵して構成される。アンテナ装置22は、図中の破線で表された楕円で囲まれた第1アンテナ素子23と、その左側に表された第2アンテナ素子24とを備える。第1アンテナ素子23と第2アンテナ素子24は、基板21上に設けられた給電点25から共通に給電される。第1アンテナ素子23及び第2アンテナ素子24は、それぞれ基板21の端部近傍に配設される。
アンテナ装置22は、第2アンテナ素子24の途中の切り換え個所26に接続されたスイッチ27を備える。第2アンテナ素子24は、給電点25から開放端28までの線路により構成された先端開放モノポール型アンテナである。スイッチ27は少なくとも27h及び27jの2端子を有し、端子27hが27jと短絡された状態と開放された状態とを切り換える。スイッチ27は、基板21上に設けてもよい。
端子27hは切り換え個所26に接続され、端子27jは基板21上の接地パターンに接続されて接地される。このようなスイッチ27の各端子の接続により、第2アンテナ素子24はスイッチ27が接続された切り換え個所26において接地された状態(接地状態)と接地されない状態(非接地状態)とを切り換えてとることができる。
第1アンテナ素子23及び第2アンテナ素子24の各部及び全体の長さの表し方を、図8を参照して説明する。図8(a)は、これらの長さの表し方を説明する図であり、スイッチ27は開かれた状態としている。図8(a)に表した各構成は、図7に同じ符号を付して表した各構成と同じであるから、説明を省略する。なお、アルファベット小文字のp乃至uの符号は、第1アンテナ素子23及び第2アンテナ素子24の各部の長さを表す。
第1アンテナ素子23は、給電点25から図の上方に向かう長さpの部分と、続いて図の右方に向かう長さqの部分と、続いて図の下方に向かう長さrの部分とからなる。第1アンテナ素子23は先端開放モノポール型アンテナであって、その全長はp+q+rで表される。したがって第1アンテナ素子23は、p+q+rの値が4分の1波長に相当する共振周波数を有する。
第2アンテナ素子24は、給電点25から図の上方に向かう長さpの部分と、続いて図の左方に向かう切り換え個所26までの長さsの部分と、さらに開放端28までの長さtの部分とからなる。第2アンテナ素子24の全長は、p+s+tで表される。したがって第2アンテナ素子24は、p+s+tの値が4分の1波長に相当する共振周波数を有する。q+r<s+tのように定数を選ぶことにより、当該共振周波数を第1アンテナ素子23の共振周波数より低い値にすることができる。なお、図8(b)は図8(a)においてt=0とした(切り換え個所26を開放端28に一致させた)場合の図である。
スイッチ27が閉じられた接地状態におけるアンテナの構成について、図9(a)を参照して説明する。図9(a)は、第2アンテナ素子24の接地状態におけるアンテナの構成を説明する図である。図2との相違はスイッチ27の切り換えの状態のみであって、図9(a)に表された各符号は図8(a)に表された各符号と同じであるから説明を省略する。
スイッチ27が閉じられた接地状態においては、給電点25から図の上方に向かう長さpの部分と続いて図の左方に向かう切り換え個所26までの長さsの部分とが、スイッチ27の端子27h及び27j間の部分を経て基板21上の接地パターンにおいて接地される。このとき、切り換え個所26に始まり接地されるまでの線路長をuとする。
上記の給電点25から基板21上で接地されるまでの線路の長さは、p+s+uで表される。このような線路がなすアンテナは実施例1において説明したように入力インピーダンスの値を除きその2倍の全長を有するループアンテナに等価であり、当該等価的なループアンテナはp+s+uの値が2分の1波長に相当する共振周波数を有する。この共振周波数の値は、tとuの値が近い場合には非接地状態の第2アンテナ素子24の有する共振周波数の約2倍に相当する。すなわち、スイッチ27を用いて第2アンテナ素子24を非接地状態から接地状態に切り換えることにより、共振周波数を約2倍に変化させることができる。uがtより小さければ、その比はさらに大きくなる。
第2アンテナ素子24の非接地状態におけるアンテナ装置22の周波数特性は、図4に表した条件に基づくならば図5に表した結果(実線の曲線)に一致する。第2アンテナ素子24の接地状態におけるアンテナ装置22の周波数特性は、第1アンテナ素子23、上記の等価的なループアンテナ及び切り換え個所26から開放端28までの長さtのアンテナ素子(4分の1波長モノポールアンテナとして機能する。)の各共振周波数によって定まる。
ここでq+r<s+tと仮定し、第1アンテナ素子23の共振周波数が非接地状態の第2アンテナ素子24の共振周波数よりも高いものとする。この場合、第1アンテナ素子23の線路長q+rの部分及び第2アンテナ素子24の線路長s+tの部分は、全体でq+r+s+tの値が2分の1波長に相当する周波数において並列共振を生じる。この並列共振の周波数は、第1アンテナ素子23の共振周波数より低く第2アンテナ素子24の共振周波数よりも高い(前述した非特許文献1の201ページ参照)。当該並列共振の周波数においては、アンテナ装置22の入力インピーダンスが上昇し不整合を招くおそれがある。
無線装置2の動作周波数帯域が第1アンテナ素子23の共振周波数及び第2アンテナ素子24の共振周波数の間にある場合には、第2アンテナ素子24の非接地状態において上記の並列共振の周波数が当該動作周波数帯域内に入る可能性がある。スイッチ27を閉じて上記の等価的なループアンテナを形成することにより、線路長q+r+s+tの全体による並列共振の発生を防止しつつ動作周波数帯域をカバーすることができる。
ただし、t>q+rの場合には第1アンテナ素子23と切り換え個所26から開放端28までの長さtのアンテナ素子とによって生じる並列共振の周波数が第1アンテナ素子23の共振周波数より低い値をとり、上述した動作周波数帯域内に属するおそれがある。t<q+rとすることにより、当該並列共振の周波数が動作周波数帯域外にあるようにすることができる。なお、図9(b)は図9(a)においてt=0とした(切り換え個所26を開放端28に一致させた)場合の図である。
図10は、アンテナ素子の非接地状態において2の共振周波数の間に生ずる並列共振の周波数を、接地状態に切り換えることにより動作周波数帯域外にあるようにする例を表すシミュレーションの結果である。図の横軸及び縦軸は、図5と共通である。この例は、アンテナ素子をメアンダ状に形成することによってUHF帯に適用した場合を表している。実線の曲線は、非接地状態において2の共振周波数に分かれた場合のVSWR特性を示す。破線の曲線は、接地状態において上記2の共振周波数の間を元のモノポールアンテナの共振を生かしてカバーし、並列共振の発生を防いだ場合のVSWR特性を示す。
実施例2において第1アンテナ素子23は必ずしも先端開放モノポール型アンテナに限らない点は、実施例1と同様である。その場合、図8(a)を参照して説明したq+r<s+tの条件は、非接地状態の第2アンテナ素子24の全長が第1アンテナ素子23の共振周波数の4分の1波長より大きい値をとるという条件に置き換えられる。
本発明の実施例2によれば、アンテナ素子の途中の切り換え個所において接地又は開放を切り換えられるようにスイッチを接続する構成によっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
以下、図11及び図12を参照して、本発明の実施例3を説明する。図11(a)及び(b)は、それぞれ実施例3に係るアンテナ装置12a、12bの構成を表す図である。図12(a)及び(b)は、それぞれ実施例3に係るアンテナ装置22a、22bの構成を表す図である。
図11(a)に示したアンテナ装置12aは、図2に示したアンテナ装置12の切り換え個所(又はスイッチ16の端子16j)と開放端17の間に、リアクタンス素子18を装荷したものである。その他の構成は、図2に同じ符号を付して表した各構成と同じであるから説明を省略する。
図11(b)に示したアンテナ装置12bは、図2に示したアンテナ装置12の切り換え個所(又はスイッチ16の端子16k)と基板11上の接地位置の間にリアクタンス素子19を装荷したものである。その他の構成は、図2に同じ符号を付して表した各構成と同じであるから説明を省略する。
図12(a)に示したアンテナ装置22aは、図8(a)に示したアンテナ装置22の切り換え個所26と開放端28の間に、リアクタンス素子29を装荷したものである。その他の構成は、図8(a)に同じ符号を付して表した各構成と同じであるから説明を省略する。
図12(b)に示したアンテナ装置22bは、図8(a)に示したアンテナ装置22のスイッチ27の端子27jと基板21上の接地位置の間にリアクタンス素子30を装荷したものである。その他の構成は、図8(a)に同じ符号を付して表した各構成と同じであるから説明を省略する。
上述したように、アンテナ装置12a、12b、22a又は22bの各部にリアクタンス素子を装荷することにより、実効的なアンテナ素子長を変えて共振周波数を調整したり、入力インピーダンスを調整したりすることができる。これらのリアクタンス素子の値を可変とすることにより、さらに調整の幅を広げることができる。調整に当っては、図8(a)を参照して説明した条件を実効的なアンテナ素子長に当てはめて満たすことが必要である。
図11(a)において、端子16kと基板11上の接地位置の間にさらにリアクタンス素子19を装荷してもよい。図12(a)において端子27jと基板21上の接地位置の間にさらにリアクタンス素子30を装荷してもよい。スイッチ16又は27、リアクタンス素子18、19、29、30は基板11又は21上に実装するものとしてもよい。
本発明の実施例3によれば、アンテナ装置の共振周波数又は入力インピーダンスの調整を容易に行うことができるという、付加的な効果が得られる。
以下、図13乃至図16を参照して、本発明の実施例4を説明する。図13は、本発明の実施例4に係る無線装置4の構成を表す図である。無線装置4の筐体40は、図示しないヒンジ部等により連結された第1筐体40a及び第2筐体40bからなる。第1筐体40aは基板41aを、第2筐体40bは基板41bをそれぞれ内蔵する。
第1筐体40aは、破線で表された楕円で囲まれたアンテナ装置42を内蔵する。アンテナ装置42は図1のアンテナ装置12と同じ構成を持ち、それらについての詳細な図示及び説明は省略する。アンテナ装置42は、給電点43から給電される。第1筐体40a、基板41a、アンテナ装置42及び給電点43の間の関係は、図1における筐体10、基板11、アンテナ装置12及び給電点15の間の関係に等しいものとする。
基板41a及び基板41bは、フレキシブル基板44により接続される。基板41aの接地パターンと基板41bの接地パターンは、フレキシブル基板44を介して接続される。そうすると、アンテナ装置42のリターン電流の経路が給電点43から基板41aの接地パターン、フレキシブル基板44及び基板41bの接地パターンを通って形成される。当該リターン電流の経路長はアンテナ装置42に含まれるアンテナ素子長より一般に長いので、アンテナ装置42の低域側の共振周波数を押し下げる方向に作用する。
図14は、実施例4に係るもう1つの無線装置5の構成を説明する図である。無線装置5と図13の無線装置4の間の構成上の相違は、図13のフレキシブル基板44の左右の向きを反転したフレキシブル基板45を備え、基板41aの基板41bに近い方の端部において給電点43から遠い方の位置で基板41aに接続した点である。その他の各構成は、図13に同じ符号を付して表した各構成と同じであるから説明を省略する。
図14の構成によれば、給電点43から基板41aの接地パターン、フレキシブル基板45及び基板41bの接地パターンを通って形成されるアンテナ装置42のリターン電流の経路長は、図13の構成におけるものよりさらに長くなるので、アンテナ装置42の低域側の共振周波数をさらに押し下げる方向に作用する。
実施例4の効果をシミュレーションにより検証した結果について、図15及び図16を参照して説明する。図15(a)は図13に対応し、当該シミュレーションにおける2枚の基板の位置関係及び基板間接続の向きと給電点の位置関係の条件を説明する図である。図中の符号41a、41b、43及び44を付した部分は、図13に同じ符号を付して表した構成を指す。図中の長さを表す数値の単位は、ミリメートル(mm)である。すなわち、基板41a及び41bが10mmの間隔を置いて長手方向に並べられ、フレキシブル基板44により図示された対角線の向きに(給電点43に近い側から)接続されている。なお、図示しないアンテナ装置42の基板41aへの取り付けの条件は、図4におけるアンテナ装置12の基板11への取り付けの条件に等しいものとする。
図15(b)は図14に対応し、同様に当該シミュレーションの条件を説明する図である。図15(a)との相違は、基板41aと41b間がフレキシブル基板45(図14に同じ符号を付して表した構成を指す。)により図15(a)と逆の対角線の向きに(給電点43に遠い側から)接続されている点である。その他はすべて図15(a)と共通である。
図16は、実施例1のアンテナ装置12及び実施例4のアンテナ装置42のVSWRの周波数特性を、図4並びに図15(a)及び(b)に表した条件にしたがってシミュレーションにより評価して比較した結果を表す図である。図の横軸及び縦軸は、図5と共通である。
実線の曲線は、実施例1のアンテナ装置12(非接地状態)のVSWR特性を表す。一点鎖線の曲線は、図13の無線装置4に含むアンテナ装置42のVSWR特性を表す(条件設定は図15(a)による。)。破線の曲線は、図14の無線装置5に含むアンテナ装置42のVSWR特性を表す(条件設定は図15(b)による。)。基板41bが付加されない場合(実線)、基板41bが付加された場合(一点鎖線)、基板41bが付加されさらにフレキシブル基板45の基板41aとの接続個所を給電点43から遠ざけた場合(破線)の順に、VSWR特性の低域のピークがより低域へと押し下げられることがわかる。
アンテナ装置42は図1のアンテナ装置12と同じ構成を持つとして以上に説明したが、アンテナ装置42が図7のアンテナ装置22と同じ構成を持つとしてもよい。
本発明の実施例4によれば、アンテナ装置の低域側の共振周波数をさらに押し下げることができるという付加的な効果が得られる。
以下、図17乃至図19を参照して、本発明の実施例5を説明する。図17は、本発明の実施例5に係る無線装置及びアンテナ装置の構成を表す図である。実施例5に係る無線装置6は、一点鎖線で表された筐体60が基板61とアンテナ装置62を内蔵して構成される。無線装置6は、例えば筐体60を有して構成された携帯電話機であり、筐体60に連結された他の筐体(図示せず。)をさらに有してもよい。
アンテナ装置62は、基板61の短辺方向に平行に配設された第1アンテナ素子63と、基板61の長辺方向に平行に配設された第1アンテナ素子64とを備える。第1アンテナ素子63と第2アンテナ素子64は、基板61上に設けられた給電点65から共通に給電される。第1アンテナ素子63及び第2アンテナ素子64は、それぞれ基板61の端部近傍に配設される。
アンテナ装置62は、2の端子を有してその1が第2アンテナ素子64の先端に接続されたスイッチ67を備える。スイッチ67の他の端子は、基板61上の接地パターンに接続されて接地される。このようなスイッチ67の各端子の接続により、第2アンテナ素子64はスイッチ67が接続された先端において接地された状態(接地状態)と接地されない状態(非接地状態)とを切り換えてとることができる。
図18は、スイッチ67の構成を表す図である。スイッチ67は、基板69とスイッチ素子70とを有する。スイッチ素子70は例えば金属半導体接合電界効果トランジスタ(MESFET)であって、ゲート部71とソース−ドレイン部72とを有する。ゲート部71は基板69の接地パターン74上に配設され、スイッチを切り換えるための図示しない制御線と接続される。ソース−ドレイン部72の図中左下の電極は接地パターン74に接続され、図中右側の電極は第2アンテナ素子67の先端に接続される。
基板69において、上記の図中右側の電極が位置する個所は接地パターンが設けられていない。当該個所に接地パターンが存在すると第2アンテナ素子67の先端との間に容量結合を生じて、第2アンテナ素子64の先端が接地された場合の共振周波数又は整合の条件を設計通りに合わせることが難しくなるからである。
図19は、図17及び図18に表したようにアンテナ装置62を構成して、その特性をUHF帯において測定した結果の一例を表す図である。上側の図はスミス線図、下側の図はVSWRの周波数特性を表す。図中の「Open」はスイッチ67開放の条件で、「Close」はスイッチ67を閉じた条件でそれぞれ測定したものである。また、「上部共振」は第1アンテナ素子63の共振、「横部共振」は第2アンテナ素子64の共振をそれぞれ表す。スイッチ67を閉じることにより、実施例2において図10を参照して説明したのと同様の効果が得られることがわかる。
本発明の実施例5によれば、スイッチのアンテナ素子との接続個所を基板の接地パターンから遠ざけることにより、スイッチ開閉の効果を確実にすることができる。
本発明の実施例1に係るアンテナ装置及び無線装置の構成を表す図。 実施例1に係るアンテナ素子の各部及び全体の長さの表し方を説明する図。 実施例1に係る第2アンテナ素子の接地状態のアンテナ構成を表す図。 実施例1の効果を検証するシミュレーションの条件を表す図。 実施例1に係るアンテナ装置のVSWR周波数特性をシミュレーションにより表す図。 実施例1に係るアンテナ装置のVSWR周波数特性をシミュレーションにより表す図(切り換え個所を開放端とした場合)。 本発明の実施例2に係るアンテナ装置及び無線装置の構成を表す図。 (a)は実施例2に係るアンテナ素子の各部及び全体の長さの表し方を説明する図。(b)は切り換え個所を開放端に一致させた場合の図。 (a)は実施例2に係る第2アンテナ素子の接地状態のアンテナ構成を表す図。(b)は切り換え個所を開放端に一致させた場合の図。 実施例2を適用したUHF帯のアンテナ装置のVSWR周波数特性をシミュレーションにより表す図。 (a)は本発明の実施例3に係るアンテナ装置の構成を表す第1の図、(b)は実施例3に係るアンテナ装置の構成を表す第2の図。 (a)は実施例3に係るアンテナ装置の構成を表す第3の図、(b)は実施例3に係るアンテナ装置の構成を表す第4の図。 本発明の実施例4に係る無線装置の構成を表す第1の図。 実施例4に係る無線装置の構成を表す第2の図。 (a)は実施例4の効果を検証するシミュレーションの条件を表す第1の図、(b)は実施例4の効果を検証するシミュレーションの条件を表す第2の図。 実施例4に係るアンテナ装置のVSWR周波数特性をシミュレーションにより表す図。 本発明の実施例5に係る無線装置及びアンテナ装置の構成を表す図。 実施例5に係るスイッチの構成を表す図。 実施例5を適用したUHF帯のアンテナ装置の特性を実験により表す図。
符号の説明
1、2、4、5、6 無線装置
10、20、40、60 筐体
11、21、41a、41b、61、69 基板
12、22、42、62 アンテナ装置
13、23、63 第1アンテナ素子
14、24、64 第2アンテナ素子
15、25、43、65 給電点
16、27、67 スイッチ
16h、16j、16k、27h、27j 端子
17、28 開放端
18、19、29、30 リアクタンス素子
26 切り換え個所
40a 第1筐体
40b 第2筐体
44、45 フレキシブル基板
70 スイッチ素子
71 ゲート部
72 ソース−ドレイン部
74 接地パターン

Claims (8)

  1. 先端開放モノポール型アンテナである第1のアンテナ素子と、
    前記第1のアンテナ素子と給電点を共有すると共に前記給電点に接続された給電端から開放端までの長さが前記第1のアンテナ素子の共振周波数の4分の1波長より大きい値を有する先端開放モノポール型アンテナである第2のアンテナ素子と、
    前記第2のアンテナ素子の前記開放端と前記給電点との間において、接地された状態と接地されない状態とを切り換えることができる切換手段と
    備えたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記切換手段は少なくとも第1の端子並びに前記第1の端子と選択的に切り換えて接続される第2の端子及び第3の端子を有し、前記第1の端子が前記給電点側に接続されると共に前記第2の端子が前記切り換え個所の前記開放端側に接続されて、かつ、前記第3の端子が接地されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記切換手段は少なくとも第1の端子及び前記第1の端子と選択的に切り換えて接続又は開放される第2の端子を有し、前記第1の端子が前記給電端と前記開放端との間に接続されると共に前記第2の端子が接地されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記切換手段は前記開放端との間の長さが前記第1のアンテナ素子の共振周波数の4分の1波長より小さい値をとる位置に配設され、かつ、前記切換手段は少なくとも第1の端子及び前記第1の端子と選択的に切り換えて接続又は開放される第2の端子を有し、前記第1の端子が前記給電端と前記開放端との間に接続されると共に前記第2の端子が接地されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  5. 先端開放モノポール型アンテナである第1のアンテナ素子と、
    前記第1のアンテナ素子と給電点を共有すると共に前記給電点に接続された給電端から開放端までの長さが前記第1のアンテナ素子の共振周波数の4分の1波長より大きい値を有する先端開放モノポール型アンテナである第2のアンテナ素子と、
    前記第2のアンテナ素子前記開放端と給電点との間において、接地された状態と接地されない状態とを切り換えることができる切換手段とを
    具備するアンテナ装置と、
    このアンテナ装置と接続し、無線信号を受信する無線回路と
    を備えたことを特徴とする無線装置。
  6. 前記切換手段は少なくとも第1の端子並びに前記第1の端子と選択的に切り換えて接続される第2の端子及び第3の端子を有し、前記第1の端子が前記給電点側に接続されると共に前記第2の端子が前記切り換え個所の前記開放端側に接続されて、かつ、前記第3の端子が接地されていることを特徴とする請求項5に記載の無線装置。
  7. 前記切換手段は少なくとも第1の端子及び前記第1の端子と選択的に切り換えて接続又は開放される第2の端子を有し、前記第1の端子が前記給電端と前記開放端との間に接続されると共に前記第2の端子が接地されていることを特徴とする請求項5に記載の無線装置。
  8. 前記切換手段は前記開放端との間の長さが前記第1のアンテナ素子の共振周波数の4分の1波長より小さい値をとる位置に配設され、かつ、前記切換手段は少なくとも第1の端子及び前記第1の端子と選択的に切り換えて接続又は開放される第2の端子を有し、前記第1の端子が前記給電端と前記開放端との間に接続されると共に前記第2の端子が接地されていることを特徴とする請求項5に記載の無線装置。
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