JP4707982B2 - 再剥離型水性粘着剤組成物 - Google Patents
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Description
近年では環境衛生上の観点より、再剥離型粘着剤組成物においても溶剤を用いない水分散型粘着剤の検討が種々行われており、例えば、再剥離性の向上及び再剥離時の耐汚染性の向上を目的として、a)炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリレート系単量体50〜99.9重量%、b)カルボキシル基含有単量体0.1〜5重量%、c)上記a,b成分と共重合可能な単量体0〜49.9重量%からなる単量体混合物の水分散系共重合体に、オキサゾリン基を含有する水溶性架橋剤を、上記共重合体に含まれるカルボキシル基1当量あたり、オキサゾリン基が0.1〜5当量となるように配合してなり、かつ溶剤可溶分が40重量%以下、弾性率が2〜50kg/cm2で、再剥離力が500g/20mm幅以下である再剥離型感圧接着剤(例えば、特許文献1参照。)や、a)炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリレート系単量体50〜99.9重量%と、b)カルボキシル基含有単量体0.1〜5重量%と、c)上記a,b成分と共重合可能な単量体0〜49.9重量%からなる単量体混合物の水分散型アクリレート系共重合体に、カルボジイミド基を含有する架橋剤を、上記共重合体のカルボキシル基に対するカルボジイミド基の比率(カルボジイミド基/カルボキシル基)が0.1〜5.0となるように配合してなり、再剥離性が500g/20mm幅以下である水分散型再剥離用感圧接着剤(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
また、上記の開示技術はメラミン塗装板やステンレス鋼板といった特定の被着体のみでの再剥離性しか考慮されていないうえ、耐水性や耐熱着色性についても考慮されておらず、更なる改良が求められ、更に可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても経時での初期粘着力の低下が少ない再剥離型水性粘着剤組成物が求められている。
本発明のエマルジョン[A]は、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)を含む単量体混合物を乳化重合させてなるものである。
エポキシ基含有単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
尚、乳化剤は単量体混合物からなる乳化モノマー液に添加したり、予め重合缶に添加しておいてもよく、又両者を併用してもよい。
反応性を有しないアニオン型乳化剤としては、例えばアルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
かかるpH緩衝剤としては、pH緩衝作用を有するものであれば特に制限されないが、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、蟻酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。
(1)単量体混合物、乳化剤、水等の全量を仕込み、昇温し重合する、
(2)反応缶に水、乳化剤、単量体混合物の一部を仕込み、昇温し重合した後、残りの単量体混合物を滴下又は分割添加して重合を継続する、
(3)反応缶に水、乳化剤等を仕込んでおき昇温した後、単量体混合物を全量滴下又は分割添加して重合する、
等が挙げられるが、重合温度の制御が容易である点で、(2)、(3)の方法が好ましい。
(1)の方法では、通常40〜100℃程度の温度範囲が適当であり、昇温開始後1〜8時間程度反応を行う。
(2)の方法では、単量体混合物の1〜50重量%を40〜90℃で0.1〜4時間重合した後、残りの単量体混合物を1〜5時間程度かけて滴下又は分割添加して、その後同温度で1〜3時間程度熟成する。
(3)の方法では、重合缶に水を仕込み、40〜90℃に昇温し、単量体混合物を2〜5時間程度かけて滴下又は分割添加し、その後同温度で1〜3時間程度熟成する。
乳化液の調整方法としては、特に限定されないが、水に乳化剤を溶解した後上記(a1)〜(a3)を仕込み、この混合液を撹拌乳化する方法、或いは水に乳化剤を溶解した後撹拌しながら上記(a1)〜(a3)を仕込む方法等が挙げられる。
乳化時の温度は、乳化中に混合物が反応しない程度の温度であれば問題なく、通常5〜60℃程度が適当である。
更に、エマルジョン[A]の固形分濃度は10〜65重量%、特には20〜55重量%であることが乾燥性、塗工性の点で好ましく、又、エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂のガラス転移温度が−60〜−25℃であることが可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用における経時での初期粘着力低下を抑え、かつ高い粘着力を有する点で好ましく、特には−55〜−30℃、更には−50〜−35℃であることが好ましい。
カルボジイミド系化合物(b2)としては、カルボジイミド基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば日清紡社製の「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−06」、「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」等が挙げられる。
金属系化合物(b3)としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネート等の金属アルコキシドや、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル、エチレンジアミン四酢酸配位化合物の金属キレート化合物等や、酢酸−アンモニウム錯塩、アンモニウム−カーボネート錯塩等が挙げられる。中でも水性タイプのものが好適である。
イソシアネート系化合物としては、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、等のイソシアネート化合物、「スミジュールN」(住友バイエルウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合物、「デスモジュールIL」、「デスモジュールHL」(バイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本ウレタン社製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物、「スミジュールL」(住友バイエルウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物、「コロネートHL」(日本ポリウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物、「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」(日本ポリウレタン社製)の如き自己乳化型の水分散ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。中でも、水分散タイプが好適である。又、ブロックイソシアネートを使用してもかまわない。
アミン系化合物としては、1,3−ジアミノプロパン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,4−ジアミノブタン等が挙げられる。
又、再剥離型水性粘着剤組成物を離型紙や離型フイルムに塗布し乾燥した後、基材上に転写することもできる。
基材の厚さは通常、10〜300μm、特には20〜100μmが好ましく、かかる基材の片面又は両面に、上記の再剥離型水性粘着剤組成物からなる層を1〜100μm、更には3〜50μm、特には5〜30μmの厚さに設けて、シート状やテープ状等の形態とする。
本発明においては、可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても、経時での初期粘着力低下も少なく、特に有効である。
尚、実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
n−ブチルアクリレート(a1)85.0部、アクリル酸(a2)1.5部、メタクリル酸(a2)3.0部)、メチルメタクリレート(a3)10.5部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.05部、アニオン型反応性乳化剤(三洋化成工業社製、「エレミノールJS−2」:有効成分38%、上記一般式(3)の構造で、R1:アルキル基、X:SO3Na)3.13部、pH緩衝剤として第二燐酸ソーダ0.5部、水43.78部を混合撹拌し、単量体混合物からなる乳化液を得た。
次に、冷却管、撹拌翼を備えたフラスコに、アニオン型反応性乳化剤(三洋化成工業社製、「エレミノールJS−2」:有効成分38%、上記一般式(3)の構造で、R1:アルキル基、X:SO3Na)0.52部と水39.3部を仕込み、撹拌下75℃に昇温した後、上記乳化液の5%(7.37部)を添加した。更に、80℃に昇温した後、3%過硫酸カリウム水溶液を1.0部添加し、乳化重合を行い、その後15分後に、上記乳化液の残り95%(140.09部)と3%過硫酸カリウム水溶液3.0部を混合した混合液を3.5時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃に保持したまま2時間撹拌を続けた後、60℃まで冷却し、5%アンモニア水溶液4.5部を添加し、酸基を中和した。その後、55℃まで冷却し、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド(日本油脂社製、「パーブチルH−69」)の10%水溶液0.5部と5%亜硫酸ナトリウム水溶液1.0部をそれぞれ添加し、15分間反応させた後、再度、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド(日本油脂社製、「パーブチルH−69」)の10%水溶液0.5部と5%亜硫酸ナトリウム水溶液1.0部をそれぞれ添加し、15分間反応させた。その後、30℃まで冷却した後、2.5%水酸化ナトリウム水溶液6.0部を添加し、pHを8.0に調整して、200メッシュの金網でろ過し、エマルジョン[A]を得た(ゲル分率51%、固形分50.0%、粘度2200mPa・s、平均粒子径140μm、ガラス転移温度−38℃)。
得られた再剥離型水性粘着剤組成物について、以下の通り粘着シートを作製し、以下の評価を行った。
(粘着シート[I])
得られた再剥離型水性粘着剤組成物を、離型紙上に乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、100℃で3分間乾燥させた後、塩化ビニル樹脂フイルム(厚さ50μm)に転写して粘着シート[I]を作製した。
(粘着シート[II])
得られた再剥離型水性粘着剤組成物を、離型紙上に乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、100℃で3分間乾燥させた後、ポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ社製、「ルミラーT−60」、厚さ50μm)に転写して粘着シート[II]を作製した。
得られた粘着シート[I]を、SUS304研磨板に23℃、50%RHにて、2kgローラーを2往復させて接着させてから30分後に、JIS Z 0237の接着力の測定法に準じて180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
得られた粘着シート[I]を、80℃で7日間放置した後、SUS304研磨板に23℃、50%RHにて、2kgローラーを2往復させて接着させてから30分後に、JIS Z 0237の接着力の測定法に準じて180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
得られた粘着シート[II]を、メラミン塗装板(白)(日本テストパネル社製)に貼り付け、80℃で7日間放置した後の△E値を、「SZ OPTICAL SENSOR」(日本電色工業社製)〔反射モード〕にて測定した。
(1)経時後の粘着力
得られた粘着シート[II]を、(i)SUS304研磨板、(ii)硬質塩化ビニル板(日本テストパネル社製)、(iii)メラミン塗装板(日本テストパネル社製)に、それぞれ23℃、50%RHにて2kgローラーを2往復させて接着させ、その後(a)70℃、7日間放置した後と、(b)40℃、90%RH、7日間放置した後について、JIS Z 0237の接着力の測定法に準じて180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
上記の(a)70℃、7日間放置した後と、(b)40℃、90%RH、7日間放置した後の接着力を測定した後に、被着体表面の汚染度合いを目視観察し、耐汚染性を以下の通り評価した。
○・・・・汚染は認められなかった
△・・・・貼り跡が認められた
×1・・・糊残りが認められた(基材界面で剥離)
×2・・・糊残りが認められた(糊が凝集破壊)
得られた粘着シート[II]を、アクリル板に貼り付け、40℃温水中に7日間浸漬した後の白化の状態を観察し、以下の通り評価した。
○・・・白化なし
△・・・わずかに白化した
×・・・著しく白化した
得られた粘着シート[II]を、ステンレス板に貼り付け面積が25mm×25mmになるように貼り付け、40℃の条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z 0237の保持力測定法に準じて、24時間後のズレ(mm)又は落下時間(min)を測定した。
得られた粘着シート[II]において、J.dow式ボールタック測定機を用い、23℃×50%RHの条件下にて、テストピース25mm×100mm、角度30度で、テストピース上(粘着面)で停止する最大径のボールナンバーを測定した。
表1〜3に示す如き配合に変更した以外は実施例1と同様に行い、エマルジョン[A]を得た。更に、得られたエマルジョン[A]に、表1〜3に示す通り架橋剤を添加した以外は実施例1と同様に行い、再剥離型水性粘着剤組成物を得、得られた再剥離型水性粘着剤組成物について実施例1と同様の評価を行った。
実施例と比較例の評価結果を表4及び5に示す。
(乳化剤)
・JS−2(三洋化成工業社製、「エレミノールJS−2」:有効成分38%)
・RAA−11902(日本乳化剤社製の「RAA−11902」:有効成分30% 非反応性アニオン型乳化剤)
(架橋剤)
・WS−500(日本触媒社製の「エポクロスWS−500」:有効成分40%)
・K−2010E(日本触媒社製の「エポクロスK−2010E」:有効成分40%)
・V−04(日清紡社製の「カルボジライトV−04」:有効成分40%)
・金属系化合物(酢酸亜鉛アンモニウム〔Zn(NH3)4(CH3COO)2〕の10%水溶液
Claims (8)
- 炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)0.1〜20重量%、その他の不飽和単量体(a3)0〜49.9重量%を含む単量体混合物を、アニオン型反応性乳化剤、および連鎖移動剤の存在下に、乳化重合させて得られる、ゲル分率が70重量%未満のエマルジョン[A]と、架橋剤[B]とを含有してなることを特徴とする再剥離型水性粘着剤組成物。
- アニオン型反応性乳化剤が、1価の金属塩で中和された化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
- アニオン型反応性乳化剤が、構造中にエチレンオキサイド鎖を含有しない化合物を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
- エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部が、1価の金属塩で中和されてなることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
- エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂の平均粒子径が200nm以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
- 架橋剤[B]が、オキサゾリン系化合物(b1)、カルボジイミド系化合物(b2)、金属系化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
- エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂に含まれるカルボキシル基1当量あたり、架橋剤に含まれる反応性基が0.001〜1.0当量となる割合で架橋剤[B]を含有してなることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
- マーキングフイルム用粘着剤として用いることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
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