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JP4707982B2 - 再剥離型水性粘着剤組成物 - Google Patents
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JP4707982B2 - 再剥離型水性粘着剤組成物 - Google Patents

再剥離型水性粘着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、表面保護フイルムなどの用途に使用でき、種々の被着体に対する粘着性、保持力、耐水性、耐熱着色性に優れ、かつ、再剥離後の糊残りもないといった耐汚染性に優れ、更には、可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても経時での初期粘着力低下が少ない一液型の再剥離型水性粘着剤組成物に関するものである。
従来より、再剥離型粘着剤組成物は、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、表面保護フイルムなどの用途に広く用いられている。
近年では環境衛生上の観点より、再剥離型粘着剤組成物においても溶剤を用いない水分散型粘着剤の検討が種々行われており、例えば、再剥離性の向上及び再剥離時の耐汚染性の向上を目的として、a)炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリレート系単量体50〜99.9重量%、b)カルボキシル基含有単量体0.1〜5重量%、c)上記a,b成分と共重合可能な単量体0〜49.9重量%からなる単量体混合物の水分散系共重合体に、オキサゾリン基を含有する水溶性架橋剤を、上記共重合体に含まれるカルボキシル基1当量あたり、オキサゾリン基が0.1〜5当量となるように配合してなり、かつ溶剤可溶分が40重量%以下、弾性率が2〜50kg/cmで、再剥離力が500g/20mm幅以下である再剥離型感圧接着剤(例えば、特許文献1参照。)や、a)炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリレート系単量体50〜99.9重量%と、b)カルボキシル基含有単量体0.1〜5重量%と、c)上記a,b成分と共重合可能な単量体0〜49.9重量%からなる単量体混合物の水分散型アクリレート系共重合体に、カルボジイミド基を含有する架橋剤を、上記共重合体のカルボキシル基に対するカルボジイミド基の比率(カルボジイミド基/カルボキシル基)が0.1〜5.0となるように配合してなり、再剥離性が500g/20mm幅以下である水分散型再剥離用感圧接着剤(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特開平10−114887号公報 特開2001−131512号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2の開示技術では、再剥離性について、特許文献1では貼り付け後23℃で20分間の経時程度、特許文献2でも貼り付け後23℃、65%RHで24時間の経時程度の再剥離性を有するものであり、近年の要求性能に対してはまだまだ満足するものではなく更なる長時間の経時における再剥離性が求められている。
また、上記の開示技術はメラミン塗装板やステンレス鋼板といった特定の被着体のみでの再剥離性しか考慮されていないうえ、耐水性や耐熱着色性についても考慮されておらず、更なる改良が求められ、更に可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても経時での初期粘着力の低下が少ない再剥離型水性粘着剤組成物が求められている。
そこで、本発明ではこのような背景下において、種々の被着体に対する粘着性、保持力、耐水性、耐熱着色性に優れ、かつ、再剥離後の糊残りもないといった耐汚染性に優れ、更には、可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても経時での初期粘着力低下が少ない一液型の再剥離型水性粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)0.1〜20重量%、その他の不飽和単量体(a3)0〜49.9重量%を含む単量体混合物を、アニオン型反応性乳化剤、および連鎖移動剤の存在下に、乳化重合させて得られる、ゲル分率が70重量%未満のエマルジョン[A]と、架橋剤[B]とを含有してなる再剥離型水性粘着剤組成物が、上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
本発明では特に、架橋剤[B]が、オキサゾリン系化合物(b1)、カルボジイミド系化合物(b2)、金属系化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種であることが経時での粘着力変化が小さく、再剥離性に優れるとともに架橋剤を配合した1液の粘着剤組成物として使用できる点で好ましい。
本発明の再剥離型水性粘着剤組成物は、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)0.1〜20重量%、その他の不飽和単量体(a3)0〜49.9重量%を含む単量体混合物を、アニオン型反応性乳化剤、および連鎖移動剤の存在下に、乳化重合させて得られる、ゲル分率が70重量%未満のエマルジョン[A]と、架橋剤[B]とを含有してなるため、粘着性、保持力、耐水性、耐熱着色性に優れ、かつ、再剥離後の糊残りもないといった耐汚染性に優れ、更には、可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても経時での初期粘着力低下が少ないといった効果を有するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のエマルジョン[A]は、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)を含む単量体混合物を乳化重合させてなるものである。
炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)としては、特に限定されず、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもn−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく用いられる。又、これらは1種又は2種以上併用して用いられる。
カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)としては、特に限定されず、例えばアクリル酸、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられ、中でもアクリル酸、メタクリル酸等が好ましく用いられる。又、これらは1種又は2種以上併用して用いられる。
更に、その他の不飽和単量体(a3)としては、特に限定されず、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、トリデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の炭素数13以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、アルキルビニルエーテル等が挙げられる。
更に、不飽和単量体(a3)として、上記の他に、官能基含有不飽和単量体、例えば水酸基含有不飽和単量体、エポキシ基含有不飽和単量体、アルコキシシリル基含有不飽和単量体、アミド基やメチロール基、カルボニル基を含有する不飽和単量体、多官能性不飽和単量体等を用いてもよい。
水酸基含有不飽和単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基含有単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
アルコキシシリル基含有不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリポロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン等が挙げられる。
アミド基やメチロール基、カルボニル基を含有する不飽和単量体としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ブトキシN−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等が挙げられる。
多官能性不飽和単量体としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシフォスフェート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジアリルテレフタレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等が挙げられる。又、これらは1種又は2種以上併用して用いられる。
本発明において、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)の含有割合としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)が50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が0.1〜20重量%、その他の不飽和単量体(a3)が0〜49.9重量%であり、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)が55〜99.5重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が0.5〜15重量%、その他の不飽和単量体(a3)が0〜44.5重量%であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)が60〜99重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が1〜10重量%、その他の不飽和単量体(a3)が0〜39重量%である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)が50重量%未満では充分な粘着力、タックが得られず、99.9重量%を越えるとカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が少量となり充分な再剥離性が得られない。カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が0.1重量%未満では重合安定性や機械安定性が低下するとともに再剥離性が不充分となり、20重量%を越えるとエマルジョンの粘度が上昇し取り扱いが悪くなり、又粘着力、タックも低下することとなる。その他の不飽和単量体(a3)が49.9重量%を越えると粘着力、タックが低下し好ましくない。
本発明では、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)の単量体混合物を用いて、乳化重合させてエマルジョン[A]を得るわけであるが、かかる乳化重合においてはアニオン型反応性乳化剤の存在下に行うことが必要であり、かかるアニオン型反応性乳化剤を用いることにより、基材密着性や耐水性、再剥離性が良好となり、本発明の効果を顕著に発揮する。
かかるアニオン型反応性乳化剤としては、アニオン型であって、かつ反応性を有する乳化剤であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)〜(11)のような構造をもつものが挙げられる。
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〔ここで、一般式(1)〜(11)において、Rはアルキル基、Rは水素又はメチル基、Rはアルキレン基、nは1以上の整数、m、lは1以上の整数(m+l=3)、XはSONH、SONaのいずれかである。〕
上記乳化剤として具体的には、「アデカリアソープSE−20N」、「アデカリアソープSE−10N」、「アデカリアソープPP−70」、「アデカリアソープPP−710」、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」〔以上、旭電化工業社製〕、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」〔以上、三洋化成工業社製〕、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」〔以上、花王社製〕、「アクアロンBC−05」、「アクアロンBC−10」、「アクアロンBC−20」、「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、「ニューフロンティアS−510」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」〔以上、第一工業製薬社製〕、「フォスフィノ−ルTX」〔東邦化学工業社製〕)等の市販品が挙げられる。
上記乳化剤の中でも特に、1価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)で中和されたものであり、構造中にエチレンオキサイド鎖を含有しない乳化剤、具体的には「エレミノールJS−2」、「ラテムルS−180」等を用いることが、耐熱着色性や可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用における経時での初期粘着力低下が少ない点で最も好ましい。
かかるアニオン型反応性乳化剤の使用量は、(a1)〜(a3)の単量体混合物100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.8〜7重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。該乳化剤が0.5重量部未満では乳化重合が不安定となり、10重量部を越えると未反応の乳化剤が多くなり基材密着性や被着体汚染の原因となり好ましくない。
尚、乳化剤は単量体混合物からなる乳化モノマー液に添加したり、予め重合缶に添加しておいてもよく、又両者を併用してもよい。
又、必要に応じて、反応性を有しないアニオン型乳化剤や、反応性を有しないノニオン型乳化剤或いはノニオン型反応性乳化剤を併用することもできる。
反応性を有しないアニオン型乳化剤としては、例えばアルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
反応性を有しないノニオン型乳化剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸等が挙げられる。
ノニオン型反応性乳化剤としては、例えば上記一般式(1)〜(11)において、Xが水素に変更されたものが挙げられ、具体的には、「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」、「アデカリアソープNE−40」、「アデカリアソープER−10」、「アデカリアソープER−20」、「アデカリアソープER−30」、「アデカリアソープER−40」、〔以上、旭電化工業社製〕、「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−50」〔以上、第一工業製薬社製〕等の市販品が挙げられる。
乳化重合を行うに当たっては重合開始剤を用いるが、かかる重合開始剤としては、特に制限されず、水溶性、油溶性のいずれのものも用いることが可能で、具体的には、アルキルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドのアンモニウム(アミン)塩、2,2’−アゾビス(2−メチルアミドオキシム)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)ジヒドロクロライドテトラヒドレート、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕−プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、各種レドックス系触媒(この場合酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド等が、還元剤としては亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等が用いられる。)等が挙げられ、これらの中でも重合安定性に優れ、かつ耐熱着色性に優れる点で、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、レドックス系触媒(酸化剤:過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、還元剤:亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム)等が好適である。
重合開始剤の使用量は、(a1)〜(a3)の単量体混合物100重量部に対して、0.01〜5重量部、更には0.03〜3重量部であることが好ましく、0.01重量部未満では重合速度が遅くなり、5重量部を越えると再剥離性が低下し好ましくない。
尚、該重合開始剤は重合缶内に予め加えておいてもよいし、重合開始直前に加えてもよいし、必要に応じて重合途中に追加添加してもよい。又、(a1)〜(a3)の単量体混合物に予め添加したり、該単量体混合物からなる乳化液に添加してもよい。添加に当たっては重合開始剤を別途溶媒や上記単量体に溶解して添加したり、溶解した重合開始剤を更に乳化状にして添加してもよい。
又、必要に応じて、重合時に、pH調整のため、pH緩衝剤を併用してもよく、該pH緩衝剤の使用量は、(a1)〜(a3)の単量体混合物100重量部に対して0.01〜10重量部、特には0.1〜3重量部であることが好ましい。
かかるpH緩衝剤としては、pH緩衝作用を有するものであれば特に制限されないが、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、蟻酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。
水の使用量は、(a1)〜(a3)の単量体混合物100重量部に対して、20〜400重量部であることが好ましく、より好ましくは25〜200重量部、特に好ましくは30〜150重量部である。水の使用量が20重量部未満では得られる樹脂組成物が高粘度となり、又、重合安定性も低下することとなり、400重量部を越えると得られる樹脂組成物の濃度が低くなり、皮膜化する際の乾燥性が低下し好ましくない。
上記(a1)〜(a3)の単量体混合物をアニオン型反応性乳化剤の存在下に、上記開始剤により重合を行うのであるが、その方法としては、
(1)単量体混合物、乳化剤、水等の全量を仕込み、昇温し重合する、
(2)反応缶に水、乳化剤、単量体混合物の一部を仕込み、昇温し重合した後、残りの単量体混合物を滴下又は分割添加して重合を継続する、
(3)反応缶に水、乳化剤等を仕込んでおき昇温した後、単量体混合物を全量滴下又は分割添加して重合する、
等が挙げられるが、重合温度の制御が容易である点で、(2)、(3)の方法が好ましい。
上記重合方法における重合条件としては、特に限定されないが、例えば、
(1)の方法では、通常40〜100℃程度の温度範囲が適当であり、昇温開始後1〜8時間程度反応を行う。
(2)の方法では、単量体混合物の1〜50重量%を40〜90℃で0.1〜4時間重合した後、残りの単量体混合物を1〜5時間程度かけて滴下又は分割添加して、その後同温度で1〜3時間程度熟成する。
(3)の方法では、重合缶に水を仕込み、40〜90℃に昇温し、単量体混合物を2〜5時間程度かけて滴下又は分割添加し、その後同温度で1〜3時間程度熟成する。
上記重合方法において、単量体混合物は、乳化剤(又は乳化剤の一部)を単量体混合物に溶解しておくか、又は、予めO/W型の乳化液の状態としておいたほうが重合安定性の点で好ましい。
乳化液の調整方法としては、特に限定されないが、水に乳化剤を溶解した後上記(a1)〜(a3)を仕込み、この混合液を撹拌乳化する方法、或いは水に乳化剤を溶解した後撹拌しながら上記(a1)〜(a3)を仕込む方法等が挙げられる。
上記乳化液の乳化の際の撹拌は、各成分を混合し、ホモディスパー、パドル翼等の撹拌翼を取り付けた撹拌装置を用いて行うことができる。
乳化時の温度は、乳化中に混合物が反応しない程度の温度であれば問題なく、通常5〜60℃程度が適当である。
かくしてエマルジョン[A]が得られるが、本発明においては、かかるエマルジョン[A]のゲル分率が70重量%未満であることが必要で、好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは20〜55重量%である。かかるゲル分率が70重量%以上では充分な基材密着性が得られず、再剥離後の糊残りの原因となり不適である。
かかるエマルジョン[A]のゲル分率を70%未満に調整する方法としては、特に限定されないが、重合時にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールやドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン類の連鎖移動剤を併用する方法や、重合開始剤の量を調整する方法などが挙げられる。
尚、エマルジョン[A]のゲル分率とは、樹脂組成物の溶剤不溶解分の割合のことであり、エマルジョン[A]の、40℃で24時間乾燥した10μmの塗膜において、トルエンに20℃で24時間浸漬し乾燥したときの、浸漬前の塗膜重量に対する浸漬後の残存塗膜重量の割合(%)として求められる。
又、得られたエマルジョン[A]中のアクリル系樹脂の平均粒子径については200nm以下、特には100〜180nm、更には120〜170nmの微粒子であることが耐水性、特に耐水白化性の点で好ましい。
更に、エマルジョン[A]の固形分濃度は10〜65重量%、特には20〜55重量%であることが乾燥性、塗工性の点で好ましく、又、エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂のガラス転移温度が−60〜−25℃であることが可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用における経時での初期粘着力低下を抑え、かつ高い粘着力を有する点で好ましく、特には−55〜−30℃、更には−50〜−35℃であることが好ましい。
更に、上記で得られたエマルジョン[A]においては、アクリル系樹脂に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部が、1価の金属塩で中和されてなることが耐熱着色性の点で好ましく、かかる中和のための中和剤としては、特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。かかる中和に当たっては、アクリル系樹脂に含まれるカルボキシル基の1当量当たり、0.01〜0.5当量、特には0.05〜0.2当量を中和することが耐熱着色性、耐水性、可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用における経時での初期粘着力低下がない点で好ましい。
次に、本発明で用いられる架橋剤[B]としては、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)のカルボキシル基と架橋するものであれば特に限定されず、例えば、オキサゾリン系化合物(b1)、カルボジイミド系化合物(b2)、金属系化合物(b3)、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、アミン系化合物等が挙げられるが、中でも特に水性タイプのオキサゾリン系化合物(b1)、カルボジイミド系化合物(b2)、金属系化合物(b3)が経時での粘着力変化が小さく、再剥離性に優れるとともに、架橋剤を配合した後の配合液の安定性に優れ、1液の粘着剤組成物として使用できる点で好ましい。
オキサゾリン系化合物(b1)としては、例えば、2位の炭素位置に不飽和炭素−炭素結合をもつ置換基を有する付加重合性2−オキサゾリン(例えば2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)と他の不飽和単量体との共重合体等が挙げられ、市販品として、日本触媒社製の「エポクロスWS−500」、「エポクロスWS−700」、「エポクロスK−2010E」、「エポクロスK−2020E」、「エポクロスK−2030E」等が挙げられる。
カルボジイミド系化合物(b2)としては、カルボジイミド基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば日清紡社製の「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−06」、「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」等が挙げられる。
金属系化合物(b3)としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネート等の金属アルコキシドや、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル、エチレンジアミン四酢酸配位化合物の金属キレート化合物等や、酢酸−アンモニウム錯塩、アンモニウム−カーボネート錯塩等が挙げられる。中でも水性タイプのものが好適である。
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」等)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」等)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−411」等)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−421」等)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」等)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−321」等)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−201」等)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−211」等)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−212」等)、ヒドロゲネイティッドビスフェノールAジグリしジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−252」等)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」等)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−850」、「デナコールEX−851」等)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」等)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−911」等)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」等が挙げられる。中でも、水性タイプのものが好適である。
アジリジン系化合物としては、アジリジン基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば「ケミタイトDZ−33」、「ケミタイトDZ−22E」(日本触媒社製)等が挙げられる。
イソシアネート系化合物としては、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、等のイソシアネート化合物、「スミジュールN」(住友バイエルウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合物、「デスモジュールIL」、「デスモジュールHL」(バイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本ウレタン社製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物、「スミジュールL」(住友バイエルウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物、「コロネートHL」(日本ポリウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物、「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」(日本ポリウレタン社製)の如き自己乳化型の水分散ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。中でも、水分散タイプが好適である。又、ブロックイソシアネートを使用してもかまわない。
メラミン系化合物としては、ヘキサメトキシメチロールメラミン、メトキシメチロールユリア等が挙げられる。
アミン系化合物としては、1,3−ジアミノプロパン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,4−ジアミノブタン等が挙げられる。
上記架橋剤[B]の含有量は、上記エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂に含まれるカルボキシル基1当量あたり、架橋剤に含まれる反応性基が0.001〜1.0当量となる割合であることが好ましく、特には0.005〜0.1当量、更には0.01〜0.08当量となる割合であることが好ましい。かかる含有量が0.001当量未満では粒子間の架橋が不充分となり再剥離性不良となり、1.0当量を越えると未反応の架橋剤により被着体汚染の原因となったり、基材密着性が低下したりして好ましくない。
又、本発明では、必要に応じて更に、粘着付樹脂(マレイン化ロジン、フマル化ロジン、アクリル化ロジン等の変性ロジン,不均化や二量化、水素化などを施した安定化ロジン、さらに前記ロジンをグリセリンやペンタエリスリトールなどによりエステル化したもの等のロジン系樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、エチレン/酢酸ビニル樹脂等)、可塑剤(例えば液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレン及び液状ポリアクリレート等)、防腐・防黴剤、防錆剤、凍結防止剤、高沸点溶剤、顔料、着色剤、充填剤(亜鉛華、チタン白、炭酸カルシウム、クレー等)、金属粉末、消泡剤、増粘剤、濡れ剤、接着力コントロール剤、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性付与剤、酸化防止剤等を適宜添加したり、又、上記の乳化重合の重合前や重合途中に添加したりすることもできる。
かくして本発明の再剥離型水性粘着剤組成物が得られるが、かかる再剥離型水性粘着剤組成物は、通常、基材シート等に粘着剤層として設けられて粘着シートや粘着テープ等として実用に供されることが多く、かかる粘着シートや粘着テープ等を製造するには、まず本発明の再剥離型水性粘着剤組成物をそのまま又は適当な濃度に調整し、シリコン処理等が施された基材の処理面に塗工したり、あるいは直接基材に塗工して、例えば80〜120℃、5秒〜10分間加熱処理等により乾燥させて粘着剤層を形成させることができる。
又、再剥離型水性粘着剤組成物を離型紙や離型フイルムに塗布し乾燥した後、基材上に転写することもできる。
かかる基材としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリピロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブチレンテレフタレート等のフイルムや金属箔、紙や不織布等の多孔性材料等が挙げられる。
基材の厚さは通常、10〜300μm、特には20〜100μmが好ましく、かかる基材の片面又は両面に、上記の再剥離型水性粘着剤組成物からなる層を1〜100μm、更には3〜50μm、特には5〜30μmの厚さに設けて、シート状やテープ状等の形態とする。
本発明においては、可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても、経時での初期粘着力低下も少なく、特に有効である。
本発明の再剥離型水性粘着剤組成物は、金属板、ガラス板、プラスチック板等の運搬、加工、切断等の際の傷防止や汚染防止等のための一時的な表面保護用或いは仮接着用の粘着テープ又はシートや再剥離ラベルの粘着剤として、又は、広告ステッカー類、装飾用ステッカー類、表示用ステッカー類等に用いられるマーキングフイルム用の粘着剤として、非常に有用である。
かくして本発明の再剥離型水性粘着剤組成物は、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)0.1〜20重量%、その他の不飽和単量体(a3)0〜49.9重量%を含む単量体混合物を、アニオン型反応性乳化剤、および連鎖移動剤の存在下に、乳化重合させて得られる、ゲル分率が70重量%未満のエマルジョン[A]と、架橋剤[B]とを含有してなるため、種々の被着体に対する粘着性、保持力、耐水性、耐熱着色性に優れ、かつ、再剥離後の糊残りもないといった耐汚染性に優れ、更には、可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても経時での初期粘着力低下が少ないといった効果を示すものである。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
n−ブチルアクリレート(a1)85.0部、アクリル酸(a2)1.5部、メタクリル酸(a2)3.0部)、メチルメタクリレート(a3)10.5部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.05部、アニオン型反応性乳化剤(三洋化成工業社製、「エレミノールJS−2」:有効成分38%、上記一般式(3)の構造で、R:アルキル基、X:SONa)3.13部、pH緩衝剤として第二燐酸ソーダ0.5部、水43.78部を混合撹拌し、単量体混合物からなる乳化液を得た。
次に、冷却管、撹拌翼を備えたフラスコに、アニオン型反応性乳化剤(三洋化成工業社製、「エレミノールJS−2」:有効成分38%、上記一般式(3)の構造で、R:アルキル基、X:SONa)0.52部と水39.3部を仕込み、撹拌下75℃に昇温した後、上記乳化液の5%(7.37部)を添加した。更に、80℃に昇温した後、3%過硫酸カリウム水溶液を1.0部添加し、乳化重合を行い、その後15分後に、上記乳化液の残り95%(140.09部)と3%過硫酸カリウム水溶液3.0部を混合した混合液を3.5時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃に保持したまま2時間撹拌を続けた後、60℃まで冷却し、5%アンモニア水溶液4.5部を添加し、酸基を中和した。その後、55℃まで冷却し、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド(日本油脂社製、「パーブチルH−69」)の10%水溶液0.5部と5%亜硫酸ナトリウム水溶液1.0部をそれぞれ添加し、15分間反応させた後、再度、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド(日本油脂社製、「パーブチルH−69」)の10%水溶液0.5部と5%亜硫酸ナトリウム水溶液1.0部をそれぞれ添加し、15分間反応させた。その後、30℃まで冷却した後、2.5%水酸化ナトリウム水溶液6.0部を添加し、pHを8.0に調整して、200メッシュの金網でろ過し、エマルジョン[A]を得た(ゲル分率51%、固形分50.0%、粘度2200mPa・s、平均粒子径140μm、ガラス転移温度−38℃)。
更に、得られたエマルジョン[A]に、架橋剤として日本触媒社製の「エポクロスWS−500」をエマルジョンの固形分100部に対して0.7部(有効成分として0.28部)、消泡剤として「SNデフォーマーJK」(サンノプコ社製)0.1部、濡れ剤として「SNウェット970」(サンノプコ社製)0.5部、増粘剤として「アデカノールUH−541」(旭電化社製)0.3部を添加し、本発明の再剥離型水性粘着剤組成物を得た。
得られた再剥離型水性粘着剤組成物について、以下の通り粘着シートを作製し、以下の評価を行った。
〔粘着シートの作製〕
(粘着シート[I])
得られた再剥離型水性粘着剤組成物を、離型紙上に乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、100℃で3分間乾燥させた後、塩化ビニル樹脂フイルム(厚さ50μm)に転写して粘着シート[I]を作製した。
(粘着シート[II])
得られた再剥離型水性粘着剤組成物を、離型紙上に乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、100℃で3分間乾燥させた後、ポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ社製、「ルミラーT−60」、厚さ50μm)に転写して粘着シート[II]を作製した。
(初期粘着力)
得られた粘着シート[I]を、SUS304研磨板に23℃、50%RHにて、2kgローラーを2往復させて接着させてから30分後に、JIS Z 0237の接着力の測定法に準じて180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
(粘着シート熱処理後の初期粘着力)
得られた粘着シート[I]を、80℃で7日間放置した後、SUS304研磨板に23℃、50%RHにて、2kgローラーを2往復させて接着させてから30分後に、JIS Z 0237の接着力の測定法に準じて180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
(耐熱着色性)
得られた粘着シート[II]を、メラミン塗装板(白)(日本テストパネル社製)に貼り付け、80℃で7日間放置した後の△E値を、「SZ OPTICAL SENSOR」(日本電色工業社製)〔反射モード〕にて測定した。
(再剥離性)
(1)経時後の粘着力
得られた粘着シート[II]を、(i)SUS304研磨板、(ii)硬質塩化ビニル板(日本テストパネル社製)、(iii)メラミン塗装板(日本テストパネル社製)に、それぞれ23℃、50%RHにて2kgローラーを2往復させて接着させ、その後(a)70℃、7日間放置した後と、(b)40℃、90%RH、7日間放置した後について、JIS Z 0237の接着力の測定法に準じて180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
(2)経時後の耐汚染性
上記の(a)70℃、7日間放置した後と、(b)40℃、90%RH、7日間放置した後の接着力を測定した後に、被着体表面の汚染度合いを目視観察し、耐汚染性を以下の通り評価した。
○・・・・汚染は認められなかった
△・・・・貼り跡が認められた
×1・・・糊残りが認められた(基材界面で剥離)
×2・・・糊残りが認められた(糊が凝集破壊)
(耐水白化性)
得られた粘着シート[II]を、アクリル板に貼り付け、40℃温水中に7日間浸漬した後の白化の状態を観察し、以下の通り評価した。
○・・・白化なし
△・・・わずかに白化した
×・・・著しく白化した
(保持力)
得られた粘着シート[II]を、ステンレス板に貼り付け面積が25mm×25mmになるように貼り付け、40℃の条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z 0237の保持力測定法に準じて、24時間後のズレ(mm)又は落下時間(min)を測定した。
(ボールタック)
得られた粘着シート[II]において、J.dow式ボールタック測定機を用い、23℃×50%RHの条件下にて、テストピース25mm×100mm、角度30度で、テストピース上(粘着面)で停止する最大径のボールナンバーを測定した。
実施例2〜10、比較例1〜3
表1〜3に示す如き配合に変更した以外は実施例1と同様に行い、エマルジョン[A]を得た。更に、得られたエマルジョン[A]に、表1〜3に示す通り架橋剤を添加した以外は実施例1と同様に行い、再剥離型水性粘着剤組成物を得、得られた再剥離型水性粘着剤組成物について実施例1と同様の評価を行った。
実施例と比較例の評価結果を表4及び5に示す。
Figure 0004707982
Figure 0004707982
Figure 0004707982
尚、表中の、単量体混合物、連鎖移動剤、乳化剤、中和剤、架橋剤の数値は配合量(部)を示す。但し、架橋剤の( )内の数値は、アクリル系樹脂中のカルボキシル基1当量当たりの架橋剤の当量数を示す。
(乳化剤)
・JS−2(三洋化成工業社製、「エレミノールJS−2」:有効成分38%)
・RAA−11902(日本乳化剤社製の「RAA−11902」:有効成分30% 非反応性アニオン型乳化剤)
(架橋剤)
・WS−500(日本触媒社製の「エポクロスWS−500」:有効成分40%)
・K−2010E(日本触媒社製の「エポクロスK−2010E」:有効成分40%)
・V−04(日清紡社製の「カルボジライトV−04」:有効成分40%)
・金属系化合物(酢酸亜鉛アンモニウム〔Zn(NH(CHCOO)〕の10%水溶液
Figure 0004707982
Figure 0004707982
注)表中の(a)は70℃、7日間放置した後の評価、(b)は40℃、90%RH、7日間放置した後の評価である。
本発明の再剥離型水性粘着剤組成物は、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)0.1〜20重量%、その他の不飽和単量体(a3)0〜49.9重量%を含む単量体混合物を、アニオン型反応性乳化剤の存在下に、乳化重合させて得られる、ゲル分率が70重量%未満のエマルジョン[A]と、架橋剤[B]とを含有してなるため、種々の被着体に対する粘着性、保持力、耐水性、耐熱着色性に優れ、かつ、再剥離後の糊残りもないといった耐汚染性に優れ、更には、可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂基材での使用においても経時での初期粘着力低下が少ないといった効果を示すものであり、金属板、ガラス板、プラスチック板等の運搬、加工、切断等の際の傷防止や汚染防止等のための一時的な表面保護用或いは仮接着用の粘着テープ又はシートや再剥離ラベルの粘着剤として、又は、広告ステッカー類、装飾用ステッカー類、表示用ステッカー類等に用いられるマーキングフイルム用の粘着剤として、非常に有用である。

Claims (8)

  1. 炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)0.1〜20重量%、その他の不飽和単量体(a3)0〜49.9重量%を含む単量体混合物を、アニオン型反応性乳化剤、および連鎖移動剤の存在下に、乳化重合させて得られる、ゲル分率が70重量%未満のエマルジョン[A]と、架橋剤[B]とを含有してなることを特徴とする再剥離型水性粘着剤組成物。
  2. アニオン型反応性乳化剤が、1価の金属塩で中和された化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
  3. アニオン型反応性乳化剤が、構造中にエチレンオキサイド鎖を含有しない化合物を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
  4. エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部が、1価の金属塩で中和されてなることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
  5. エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂の平均粒子径が200nm以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
  6. 架橋剤[B]が、オキサゾリン系化合物(b1)、カルボジイミド系化合物(b2)、金属系化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
  7. エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂に含まれるカルボキシル基1当量あたり、架橋剤に含まれる反応性基が0.001〜1.0当量となる割合で架橋剤[B]を含有してなることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
  8. マーキングフイルム用粘着剤として用いることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の再剥離型水性粘着剤組成物。
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