JP4710344B2 - 電気絶縁材料 - Google Patents
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一般式(1)
これは、ポリアリーレンスルフィド繊維中に分散された異種ポリマーとの界面に、叩解時に働く力が集中し、より小さな力で繊維軸方向に叩解が進み、長さ方向に短くなることを防ぐことが出来る。さらに、異種ポリマーを溶出除去することで、この効果がより顕著になる。
本発明のペーパーは、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなるパルプで構成されていることが重要である。従来より公知である、ポリアリーレンスルフィド繊維からなるペーパーは、ポリアリーレンスルフィド繊維がパルプに加工できなかったことから、緻密でポアサイズの小さなペーパーを得ることができないという、大きな問題があった。ところが、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は通常の叩解方法にてパルプを得ることができるので、このパルプを抄紙することにより、耐熱性と耐薬品性を向上し、熱溶融しにくくするだけではなく、緻密でポアサイズが小さいというペーパーとして極めて重要な性質を大幅に向上することができる。
本発明のペーパーは、かかるポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプに、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維のカットファイバーを混合物することにより、紙力を向上させることができる。かかるペーパーにおいて、かかるポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプの混率は、前記効果を損なわない範囲であればよく、ペーパー構成繊維の好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、特に好ましくは少なくとも40重量%であるのが、緻密でポアサイズが小さいという効果と紙力のバランスの上からよい。
<実施例1>(参考例)
ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の原料として、東レ株式会社製ポリアリーレンスルフィド繊維“トルコン”(R)ステープル繊維カットファイバーである1.0dtex−6mmを用意した。このカットファイバーは捲縮ありの繊維である。
得られたパルプをKAJAANI FS−200の繊維長分布計を用いて、数平均繊維長を測定したところ、0.36mmであった。ビーターの力学的衝撃により、繊維長もかなり短くなってしまっていた。また、得られたパルプを顕微鏡により拡大して観察したところ、短繊維が繊維軸方向に分かれて分枝構造を有している部分および繊維先端が箒のように細かく枝分かれしてフィブリル構造を有している部分が、散見できた。
溶融粘度2000poiseのポリアリーレンスルフィドと溶融粘度3200poiseのポリエチレンテレフタレートを80:20の割合で混合し、310℃の2軸エクストルダーで混練してチップを得た。このチップを、真空乾燥機を用い150℃で4時間の乾燥を行い、乾燥チップを得た。
このポーラスカットファイバーを実施例1と同一の方法で酸化処理し、ポーラスポリアリーレンスルフィド酸化物繊維カットファイバーを得た。
このポーラスポリアリーレンスルフィド酸化物繊維カットファイバーを実施例1と同一条件にて叩解を行い、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプを得た。ただし、ビーターの運転時間は15分と実施例1の1/2の運転時間とした。
得られたパルプを実施例1と同一の方法で繊維長分布を測定した結果、数平均繊維長は0.57mmであり、実施例1で得られたパルプより繊維長が長く良好なパルプであった。
得られたパルプを実施例1と同一の方法で顕微鏡観察を実施したところ、分枝構造を有している部分やフィブリル構造を有している部分は、実施例1で得られたパルプに比較して、極めて顕著に増大しており、実施例1で得られたパルプより良好なパルプであった。すなわち、実施例1で得られたパルプに比較して、分枝構造部分やフィブリル構造部分が増大していることによって、繊維を有さない空間の体積(顕微鏡で観察した場合の繊維を有さない面積)の大きさは、顕著に小さくなっており、ペーパーにしたときのポアサイズは確実に小さくなることが判った。
実施例1にて得られた、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプ2gとポリアリーレンスルフィド酸化物繊維カットファイバー2gを用意した。これらの原料と水とを家庭用のミキサーに投入して分散した。この分散液を、大きさ25cm×25cmで高さ40cmの熊谷理機工業製の手漉き抄紙機に投入し、さらに水を追加するとともに、ポリビニルアルコールの糊材を若干量添加して、さらに攪拌した。
手漉き抄紙機の水を抜き、金網上に残ったペーパーを濾紙に転写して、濾紙ごとジャポー製乾燥機に温度125℃、速度0.5m/minにて投入し、乾燥処理をした。乾燥処理したペーパーを濾紙から剥離して、鉄ロールとペーパーロールからなるカレンダー加工機に通した。カレンダー条件は、温度100℃、荷重は25cm幅のペーパーに対して、100kN/25cm、ロール周速度2m/minであり、3回通しとした。
上記の様にして、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプとポリアリーレンスルフィド酸化物繊維カットファイバーの混率50:50のペーパーを得た。
<実施例4>(参考例)
実施例1にて得られた、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプ2gとその原料であるポリアリーレンスルフィド繊維カットファイバー2gを用意した。これらの原料を実施例3と全く同一の方法で、ペーパーを作成し、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプとポリアリーレンスルフィド繊維カットファイバーの混率50:50のペーパーを得た。
実施例1で用意したのと同じ、東レ株式会社製ポリアリーレンスルフィド繊維“トルコン”(R)ステープル繊維カットファイバーである1.0dtex−6mmを用意した。このカットファイバーを酸化処理することなく、実施例1と同一条件にて叩解を行い、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプ化を試みた。ただし、ビーターの運転時間は60分と実施例1の2倍の運転時間とした。
得られたパルプ化試作品を実施例1と同一の方法で繊維長分布を測定した結果、数平均繊維長は4.5mmであり、極めて繊維長が無く、機械的衝撃で叩解できていなかった。また、得られたパルプ化試作品を実施例1と同一の方法で顕微鏡観察を実施したところ、分枝構造を有している部分やフィブリル構造を有している部分は、全く見られなかった。すなわち、ポリアリーレンスルフィド繊維では、パルプは得られないことが確認できた。
実施例1で用意したのと同じ、東レ株式会社製ポリアリーレンスルフィド繊維“トルコン”(R)ステープル繊維カットファイバーである1.0dtex−6mmを用意した。このカットファイバーのみを4g用いて、実施例3と全く同一の方法で、ペーパーを作成し、ポリアリーレンスルフィド繊維カットファイバー100%のペーパーを得た。
得られたペーパーの目付けは59g/m2 であり、厚みは0.08mmであり、紙力は15N/cmであった。
Claims (6)
- ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維のパルプとポリアリーレンスルフィド酸化物繊維のカットファイバーとの混合物で構成されているペーパーから構成されている電気絶縁材料であって、前記パルプが数平均繊維長が0.01mm〜10mmである短繊維からなるものであって、さらに分枝構造もしくはフィブリル構造を有するポリアリーレンスルフィド酸化物繊維で構成されているペーパーで構成されていることを特徴とする電気絶縁材料。
- 該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位からなるポリマーで構成されているものである請求項1に記載の電気絶縁材料。
(R"は、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、分子間のR"同士が互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。またR”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、nは0〜2のいずれかの整数を表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。) - 前記一般式(1)で示される繰り返し単位において、Xが0、1、2である構造単位中に占める、Xが1または2である構造単位の比率が、0.5以上である請求項2に記載の電気絶縁材料。
- 該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が、前記繰り返し単位を主要構造単位とし、かつ、該繰り返し単位1モル当たり1.0モル以下、好ましくは0.3モル以下の一般式(2)〜(8)で示される繰り返し単位とからなる共重合体で構成されているものである請求項2または3に記載の電気絶縁材料。
(R”は、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、R””は、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基を表し、分子間のRまたはR’どうしが互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。また、R”、R””はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、nは0〜2のいずれかの整数を表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。) - ペーパーがポリアリーレンスルフィド酸化物繊維パルプを少なくとも30重量%含んでいる請求項1〜4いずれかの電気絶縁材料。
- 該ペーパーが、樹脂もしくは油が含浸されたものである請求項1〜5いずれかに記載の電気絶縁材料。
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