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JP4710495B2 - 故障診断システム、画像形成装置及び故障診断方法 - Google Patents
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JP4710495B2 - 故障診断システム、画像形成装置及び故障診断方法 - Google Patents

故障診断システム、画像形成装置及び故障診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置の故障診断システム、画像形成装置及び故障診断方法に関する。
従来より複写機やプリンタなどのオフィス機器においては、良好な品質を維持するために専門のサービスマンが派遣され、定期的なメンテナンスが実施されてきた。しかし、近年のオフィス機器のカラー化、高機能化に伴い、故障の様態も複雑化してきており、専門のサービスマンでも故障原因を特定しきれず、かつ顧客サイドでの機器のダウンタイムを極力少なくする必要があることから、故障に関連しそうな部品を複数まとめて交換するようなケースが多発している。このため、本来正常な部品も一緒に交換されてしまい、サービスコストの増大を招くという問題があった。この課題に対し、規則に基づくシステム(ルール型システム)を利用して故障の自動診断を行う仕組みが考えられており、その一例としてベイジアンネットワーク(Bayesian Network)を利用した故障診断システムがある。ベイジアンネットワークを利用した故障診断システムとしては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この特許文献1によれば、サービスセンターなどに診断システムのためのサーバを持っており、顧客がインターネットを介してデータのやり取りをしながら顧客の持つプリンタ(画像形成装置)の診断を、ベイジアンネットワークを使って行う技術が紹介されている。
特開2001−75808号公報
しかしながら、前記特許文献1記載の技術では、診断に必要な情報の獲得は顧客が直接装置の状態や印刷物を観察してそれをインプットするという方法を採っている。このため、顧客がプリンタの不具合状況を観察することに不慣れな場合、入力される情報にばらつきが生じて、正確な診断が出来ない可能性がある。また、問題解決までに顧客に課するアクションが多いため、ユーザにストレスを与えてしまうという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、故障診断に必要な情報をユーザにストレスを与えることなくかつ正確に取得して、効率的なメンテナンス作業を行うことができる故障診断システムを提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための、本発明の故障診断システムは、画像形成装置に生じる故障を診断する故障診断システムであって、画像形成装置の故障を引き起こす原因をモデル化した故障診断モデルを解析することで前記画像形成装置を構成する個々の構成部材の故障を診断する故障診断部と、前記故障診断モデルに入力される装置の内部状態情報を取得する内部状態情報取得手段と、発生した画像欠陥の種類を操作画面よりユーザに選択させる選択手段と、前記選択手段により選択された画像欠陥の種類に対応するテストパターンを出力する出力手段と、前記出力手段によって出力された前記テストパターンを光学的に読み取って得た被検査画像と検査用の基準画像との差分を検出することにより前記テストパターンに生じた不具合を解析する画像欠陥検出手段と、前記画像欠陥検出手段により解析された前記テストパターンの不具合に対して、形状、大きさ、濃度、輪郭の状態、不具合の発生方向、周期性のうち、前記選択手段で選択された画像欠陥の種類に応じた特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、を備え、前記故障診断部は、前記特徴量抽出手段で抽出された特徴量と前記内部状態情報とを用いて故障原因を特定する(請求項1)。
本発明の故障診断システムは、出力画像の不具合に対し、(1)形状、(2)大きさ、(3)濃度、(4)輪郭の状態、(5)不具合の発生方向、(6)周期性といった特徴量を抽出し、この抽出した特徴量に関する情報と画像形成装置の内部状態情報とを入力した故障診断モデルにより、故障原因を特定しようとするものである。
ここで、画像形成装置に一般的に多く見られる不具合の種類は線・帯の発生、黒点・色点の発生、白線・白帯の発生、白抜け、地汚れ、色見不良といったものがある。このような不具合は、故障原因が異なると、その出現の仕方が異なることがある。そこで、本発明では、どのような不具合であるのかを特定し、さらに、その不具合毎に故障診断に有効であると思われる特徴量を抽出し、故障診断におけるこの特徴量の重要度を高くして、より的確な故障診断を行おうとするものである。
例えば、前記不具合の種類が線・帯の発生または白線・白帯の発生である場合に、前記特徴量として少なくとも(1)形状の情報として幅情報、(2)大きさの情報として長さ情報、(4)輪郭の状態情報として輪郭部の濃度情報、(5)不具合の発生方向の情報として紙送り方向であるか紙送り方向に垂直な方向であるかに関する情報、(6)周期性の情報として周期性の有無および周期性が有る場合の複数の不具合領域の重心間隔情報を抽出する(請求項3)。また、前記不具合の種類が黒点・色点の発生である場合に、前記特徴量として少なくとも(2)大きさの情報として面積情報、(3)濃度の情報として不具合領域の色成分毎の平均濃度情報、(6)周期性の情報として周期性の有無および周期性が有る場合の複数の不具合領域の重心間隔情報を抽出する(請求項4)。前記不具合の種類が白抜けである場合に、前記特徴量として少なくとも(2)大きさの情報として面積情報、(6)周期性の情報として周期性の有無および周期性が有る場合の複数の不具合領域の重心間隔情報を抽出する(請求項5)。さらに、前記不具合の種類が地汚れである場合に、前記特徴量として少なくとも(2)大きさの情報として面積情報、(3)濃度の情報として不具合領域の平均濃度情報、(6)周期性の情報として周期性の有無および周期性が有る場合の複数の不具合領域の重心間隔情報を抽出する(請求項6)。また、前記不具合の種類が色見不良である場合に、前記特徴量として少なくとも(2)大きさの情報として面積情報、(3)濃度の情報として不具合領域の色成分毎の平均濃度情報を抽出することを特徴とする(請求項7)。
このように、不具合に対してより関連性の高いと思われる情報を優先的に入力して故障診断を行うことによりより的確な故障診断を行うことができる。また、これらの特徴量の抽出はユーザによることなく行われるので、欠陥情報を逐一ユーザが入力する手間を省いて効率化が図れるとともに、装置に関する専門の知識がなくても詳細かつ精度の良い診断が可能となる。なお、本明細書において、ユーザとは、故障診断を行うための入力情報の入力操作を行う者を指す。
以上、説明したような故障診断システムを種々の画像形成装置に搭載すれば、本発明の画像形成装置を構成することができる(請求項8)。
また、本発明の故障診断方法は、画像形成装置に生じる故障を診断する故障診断方法であって、発生した画像欠陥の種類を操作画面よりユーザに選択させる工程と、選択された画像欠陥の種類に対応するテストパターンを出力する工程と、出力された前記テストパターンを光学的に読み取って得た被検査画像と検査用の基準画像との差分を検出することにより前記テストパターンの不具合を解析する工程と、解析された前記テストパターンの不具合に対して少なくとも形状、大きさ、濃度、輪郭の状態、不具合の発生方向、周期性のうち、前記ユーザによって選択された画像欠陥の種類に応じた特徴量を抽出する工程と、前記画像形成装置の内部状態情報を取得する工程と、抽出された特徴量と前記内部状態情報とを、画像形成装置の故障を引き起こす原因をモデル化した故障診断モデルに入力して解析し、前記画像形成装置を構成する個々の構成部材の故障を診断する工程とを有することを特徴とする(請求項9)。このような故障診断方法は、例えば、本発明の故障診断システムを稼働させることによって実施することができる。
本発明によれば、ユーザの入力によらず、自動で欠陥領域を検出し、欠陥種類に応じてその特徴量を自動解析して故障診断を行えるようにしたので、欠陥情報を逐一ユーザが入力する手間を省いて効率化が図れるとともに、装置に関する専門の知識がなくても詳細かつ精度の良い診断が可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は本発明に関わる画像形成装置(以下、「装置」という)1の構成図を示す。本発明の装置1は、原稿画像を読み込む画像読取部101と、読み込んだ画像またはプリント指示された画像を形成し出力するプリントエンジン部102と、用紙通過時間、駆動電流、装置内部の温度、湿度などの装置の内部状態に関する情報を得るためのセンサ群からなるセンサ部103と、故障診断に必要な情報を入力するための故障診断情報入力部104と、この故障診断情報入力部104により取得した各情報に基づき装置1の故障診断を行う故障診断部105とから構成されている。この故障診断部105が本発明における故障診断システムの主要部をなす。
図2は前記故障診断部105の構成を示すブロック図である。故障診断部105は、本発明における内部状態情報取得手段に相当する種々の構成を含んでいる。センサ部103より取得された装置1の内部状態情報に基づく各部品の稼動状態を示す部品情報を観測データ情報として取得する部品状態情報取得部201、装置1の使用状況の監視結果を履歴情報として取得する履歴情報取得部202、装置1内部の環境情報を直接取得し、あるいはセンサ部103より取得される装置1内部の環境情報を取得する環境情報取得部203、画像読取部101で読み込んだ画像(被検査画像)を検査用の基準画像と比較して出力画像の不具合を解析する本発明における画像欠陥検出手段に相当する画像欠陥検出部204、この画像欠陥検出部204による解析結果から種々の特徴量を抽出する本発明における特徴量抽出手段に相当する特徴量抽出部205、ユーザ操作によって動作条件の異なる状態で故障情報を取得する追加操作情報取得部206、これらの各部、すなわち、部品状態情報取得部201、履歴情報取得部202、環境情報取得部203、特徴量抽出部205、追加操作情報取得部206により得られた情報に基づいて故障原因の確率を算出する故障確率推論部207と、診断結果をユーザに通知する診断結果通知部208とで構成される。
さらに故障確率推論部207は、故障を引き起こす各原因候補が、発生した故障の主原因であるであろう確率(故障原因確率)を各取得情報に基づいて算出する推論エンジン209と、この推論エンジン209にて算出した故障原因確率を元にして故障原因候補を絞り込む故障候補抽出部210とで構成される。ここで、故障原因確率の算出を行う推論エンジン209には、ベイジアンネットワーク(Bayesian Network)を利用する。このベイジアンネットワークとは、因果関係が複雑な問題領域を表すため、複数の変数間の因果関係を順次結線し、グラフ構造を持つネットワークとして表現したものであり、変数間の依存関係を有向グラフにより表したものである。本発明における故障診断モデルはこのベイジアンネットワークを利用して構築されている。
なお、本発明の故障診断モデル、装置1等は、従来ある故障診断モデル、画像形成装置等を利用することができる。
図3は、画像欠陥系の故障診断を行う場合のベイジアンネットワークの構成例を概念的に示した図である。図示するように、このベイジアンネットワークは、画像欠陥を引き起こす原因を表す故障原因ノードND0と、画像形成装置を構成する部材(コンポーネント)の状態情報を表すコンポーネント状態ノードND1と、装置1の履歴情報を表す履歴情報ノードND2と、装置1が設置されている周辺環境情報を表す環境情報ノードND3と、画質欠陥の状態情報を表す観測状態ノードND4と、ユーザ操作によって得られる追試結果情報を表すユーザ操作ノードND5と、欠陥種類ノードND6を含んで構成されている。
故障原因ノードND0は、画像欠陥を引き起こす原因を表すノードであり、この部分の確率を計算して、故障か否かの判断を行う。各ノード内には、因果関係の強さを表す確率データをまとめた確率表が格納されている。この確率データの初期値は、過去の故障発生時のデータや部品のMTBF(Mean Time Between Failure;平均故障間隔)を用いて決定することができる。
コンポーネント状態ノードND1は、コンポーネントの状態を表すノードであり、コンポーネントの状態を観測するセンサ部103から取得される情報である。このような情報としてコンポーネントの温度、印加電圧、パッチ濃度、色材(例えばトナー)残量などの情報がある。
履歴情報ノードND2は、装置1の使用状況を表すものであり、例えばコンポーネントごとのプリント枚数の履歴を用いる。このプリント枚数はコンポーネントの磨耗や劣化などコンポーネントの状態に直接影響を与える。
環境情報ノードND3は、コンポーネントの状態に影響を与える周囲環境条件で、本実施例では、温度と湿度がこれに相当する。温度や湿度は、各コンポーネントの画像形成条件や動作条件に影響を与える。
観測状態ノードND4は、出力画像に発生した欠陥の観測状態を表すもので、ユーザにより観測され入力される情報である。例えば、欠陥の形状、大きさ、濃度、輪郭、向き、位置、周期性、発生領域などの情報がある。
ユーザ操作ノードND5は、装置1に対して動作条件を代えて同様の処理をさせる情報であり、変更後の動作条件の情報も含まれる。
欠陥種類ノードND6は、画像欠陥の種類を表すもので、線、点、白抜け、濃度ムラなどの情報がある。まず、発生した画像欠陥の種類を判別してこのノードの状態を確定させてから、他のノード(ND1〜ND5)の情報を適宜入力して診断を行い、故障原因を推定する。
これらの各ノードは、“原因”→“結果”の関係になるように結線される。たとえば、“故障原因ノードNDO”と“観測状態ノードND4”との関係は“故障原因ノード”で示される“原因”が元で“観測状態ノードND4”で示される“観測状態(濃度が薄い、筋状・帯状、など)”が表れるという関係になる。一方、“履歴情報ノードND2”と“故障原因ノードNDO”との関係は“履歴情報に基づく状態(コピー枚数が多い、稼動年数が長いなど)”が元で“原因”(部品劣化など)が発生するという関係が成り立つ。
図4は、故障診断システムにおける故障診断モデルの具体的な事例を示すものであり、画像欠陥による故障診断の構成例の中で黒線発生時のベイジアンネットワークを表している。図示するように、ノードは、“原因”→“結果”の関係になるように結線される。たとえば、“ドラムの傷”と“線幅情報”の関係は“ドラムの傷”が元で細い線が発生といった“線幅情報”が表れるという関係になる。
一方、“フィード数履歴情報”と“フューザ”の関係は“フィード数”に基づく状態(フィード数が何枚以上)が元で“フューザ”劣化による黒線発生の可能性が高くなるという関係が成り立つ。
各ノードの確率データの初期値は、たとえば過去のデータを元に決定する。その後、部品の交換頻度や不具合発生頻度など、市場トラブルの統計データを元に定期的に各ノードの確率を更新するようにしてもよい。また、図4中の“線幅情報”や“周期性情報”、“発生箇所情報”といった画像欠陥の特徴を表すノードは、図2の特徴量抽出部205によって得られた特徴量に基づいて状態が決定される。
次に画像欠陥との関わりにおける故障診断の処理手順の概要を、図5に示すのフローチャートを用いて説明する。まず、故障診断モードに移行すると操作画面に故障診断の対象となる画像欠陥の種類が表示される。ユーザは発生した欠陥の種類を操作画面より選択し、対応するテストパターンを出力する(S501)。この時出力されるテストパターンは、例えば選択された欠陥の種類が「線・帯」、「黒点・色点」、「地汚れ」である場合は、全面白紙のテストパターンが出力される。「白線・白帯」、「白抜け」、「色見不良」である場合は、YMCK各色全面100%のチャートが計4枚出力される。なお、装置の構造によっては、より欠陥を再現しやすいパターンが考えられる場合は、そのような固有のパターンを用いてもよい。ここで出力するテストパターンは、図1に示したプリントエンジン部102に予め保持しているものであり、故障の原因がプリントエンジン部102の部品である場合は、テストパターンに欠陥が再現されるが、コピー時のみの不具合など画像読取部101の部品に原因がある場合はテストパターンには欠陥は再現されない。しかし、画像読取部101の部品に原因がある場合、テストパターンを画像読取部101にセットして出力画像を読み取ると、読取画像には欠陥が現れる。従って出力画像の読取前に操作画面より欠陥はコピー時のみ発生するかどうかを問い合わせ、ユーザがその情報を選択入力できるようにしておく。そして、選択された情報を追加操作情報取得部206より取得して故障確率推論部207に入力する。装置1のプリントエンジン部102からテストパターンが排出されると、そのテストパターンを画像読取部101にセットし、出力画像を読み取る(S502)。
次に、故障診断部105に含まれる画像欠陥検出部204にて読取画像と予め装置内部に保持している基準画像とを比較して画像欠陥の有無を調べる(S503)。この処理により欠陥が検出されなかった場合は、それ以前に発生した欠陥は偶発的なものであったか、あるいはテストパターン出力前に何らかの処置が施されて既に解決された可能性があるので、その旨を操作画面によりユーザに通知して処理を終了する(S504−N)。一方、欠陥が検出された場合(S504−Y)は、特徴量抽出部205は検出された欠陥の状態を解析して特徴量を抽出する(S505)。ここでは欠陥の種類に応じて、(1)形状、(2)大きさ、(3)濃度、(4)輪郭の状態、(5)欠陥の発生方向、(6)周期性といった特徴量を抽出する。さらに、装置1を構成する各部品の状態情報や、部品ごとの印刷枚数を示すカウンタ値などの履歴情報、装置内部の温度、湿度などの環境情報といった、故障診断に必要な種々のデータを、部品状態情報取得部201、履歴情報取得部202、環境情報取得部203により取得する(S506)。
故障確率推論部207は、特徴量抽出部205および各種情報取得部201〜203よりデータを受け取ると、検出した欠陥に対応する推論エンジン209を用いて各故障原因の発生確率を算出する(S507)。故障候補抽出部210は算出された確率に基づいて、故障原因となる確率の高いほうから指定された候補数分の故障原因を抽出する(S508)。なお、候補数は予め設定できるようにしても良いし、候補抽出前に任意の数を入力して指定できるようにしても良い。そして、抽出された故障原因候補を診断結果通知部208によりコントロールパネルなどの表示デバイスに表示してユーザに通知する(S509)。そして、この段階で故障原因候補を絞り込むことができていれば処理を終了する(S510−N)。ただし、このような自動判定処理においては必ずしもこの時点で故障原因候補を一つに絞り込めるとは限らない。そこで、この時点で故障原因候補を絞り込むことができていないときには、操作画面からさらなる故障診断に必要な追加操作項目を選択し、選択した項目に従って装置1の動作条件を変更して画像を再出力する(S501−Y)。そして、操作画面からユーザが追試結果の情報を入力する(S511)。この時の追加操作は、画像の拡大縮小であったり、イメージパスの各箇所で保持しているテストパターンの出力などであり、欠陥の発生状態の変化の有無を調べるものである。従って追試結果はユーザが操作画面の質問に従って容易に入力可能なレベルのものとなっている。そして追加された情報と、先に入力済みの情報とを合わせて故障原因確率を再計算し、その結果から故障候補を絞り込む。故障候補が絞り込めた場合、あるいは絞り込めなくても追加する情報がなくなった場合は処理を終了する(S510−N)。
次に図のS503で述べた画像欠陥の検出処理の詳細な手順を図6に示したフローチャートを用いて説明する。まず、画像読取部101にて読み取った画像をRGBの各成分に分ける(S601)。ここで、出力したテストパターンが白紙チャートだった場合は、R成分→G成分→B成分の順に欠陥検出処理を行う。一方YMCK100%のチャートの場合は、Yチャートに対しては補色のB成分のみ、Mチャートに対しては補色のG成分のみ、Cチャートに対しては補色のR成分のみ、Kチャートに対してはどの成分でも同じ出力になるので、例えばG成分のみを用いる。そしてY→M→C→Kの順にテストパターンが出力されていたら、YテストパターンのB成分→MテストパターンのG成分→CテストパターンのR成分→KテストパターンのG成分の順に欠陥検出処理を行う。
この欠陥検出処理は、まず、最初の成分の画像について予め定められた閾値を用いて2値化処理を施す(S602)。次にノイズ成分を除去して欠陥領域のみを抽出するために、欠陥検出用フィルタを適用してモフォロジ処理を行う(S603)。このとき用いるフィルタの例を図7に示す。図7(a)は横線検出用フィルタ、(b)は縦線検出用フィルタ、(c)は点や不定形欠陥の検出用フィルタを表す。ユーザにより操作画面にて「線・帯」あるいは「白線・白帯」が選択された場合には、まず横線検出用フィルタを用いてノイズ成分除去および欠陥領域検出を行う。この時点で欠陥領域が検出されたらモフォロジ処理を終了する。一方、欠陥領域が検出されなかったら、次に縦線検出用フィルタを用いてノイズ成分除去および欠陥領域検出を行う。選択した欠陥の種類がそれ以外の場合は図7(c)のフィルタが用いられる。このようにして欠陥検出のための抽出処理を施したら、さらに処理を行うべき色成分があるか判定する(S604)。ここで、さらに処理を行うべき色成分がある場合(S604−Y)は、上述した順に順次、色成分画像を読み出し(S605)、S602〜S603の処理を繰り返す。そして全成分の画像に対する処理が終了したら(S604−N)、図5に示したS503の処理に進む。なお、故障診断を行う装置が白黒機の場合は、もちろん単色のグレースケール画像のみで検出処理を行えばよい。
次に図5のステップ505で述べた欠陥の特徴量抽出処理に関する詳細を図8に示したフローチャートを用いて説明する。ここで、抽出する特徴量は欠陥の種類によって異なる。欠陥種類毎に抽出する特徴量は以下の如くである。
まず、欠陥が「線・帯」または「白線・白帯」の場合には、故障の原因によって、線・帯の発生方向や太さ・長さ、線の輪郭のボケ具合、線・帯の発生方向、横線の場合一定周期で発生するかどうかが異なってくる。従って、図5のS505で説明した(1)形状、(2)大きさ、(3)濃度、(4)輪郭の状態、(5)欠陥の発生方向、(6)周期性の6つの項目のうち、(1)形状の情報として線幅、(2)大きさの情報として線・帯の長さ、(4)輪郭の状態情報として欠陥領域の境界部画素の濃度平均、(5)欠陥の発生方向、(6)周期性有無の情報として欠陥領域間の重心座標間隔、を特徴量として抽出する。
欠陥が「黒点・色点」の場合は、故障の原因によって、点の大きさや濃度、周期性の有無や周期性がある場合はその間隔が異なってくる。従って、図5のS505で説明した6つの項目のうち、(2)大きさの情報として欠陥領域の面積、(3)濃度情報として欠陥領域内の色成分ごとの平均濃度、(6)周期性の情報として欠陥領域が複数あるかどうか、ある場合は各領域の重心座標間隔、を特徴量として抽出する。
欠陥が「白抜け」である場合は、故障の原因によって、「黒点・色点」と同様の特徴を有する。ただし、欠陥が白抜けである場合は、濃度情報は不要であることから、図5のS505で説明した6つの項目のうち、(2)大きさの情報として欠陥領域の面積、(6)周期性の情報として欠陥領域が複数あるかどうか、ある場合は各領域の重心座標間隔、を特徴量として抽出する。
欠陥が「地汚れ」である場合は、故障の原因によって、汚れの発生範囲や汚れの濃度が異なる。また、汚れが周期性を持って発生する場合もある。従って、図5のS505で説明した6つの項目のうち、(2)大きさ、すなわち発生範囲の情報として欠陥領域の面積、(3)濃度情報として欠陥領域内の色成分ごとの平均濃度、(6)周期性の情報として欠陥領域が複数あるかどうか、ある場合は各領域の重心座標間隔、を特徴量として抽出する。
欠陥が「色見不良」である場合は、故障の原因によって、局所的に出力画像の濃度の変動が発生したり全体的に濃度変動が発生することによって、色のバランスが崩れて発生する。従って、図5のS505で説明した6つの項目のうち、(2)大きさ、すなわち発生範囲の情報として欠陥領域の面積、(3)濃度情報として欠陥領域内の色成分ごとの平均濃度、を特徴量として抽出する。
次に特徴量抽出処理の処理フロー(図8)について説明する。まず、図5に示したフローチャートにおけるS503で検出された欠陥領域にラベリングを施して領域を分類する(S801)。次に、それぞれの領域の外接矩形を抽出する(S802)。そして、各外接矩形の幅・高さ・面積・重心座標を算出する(S803)。複写機やプリンタといった画像形成装置の画質欠陥は線・帯状のものは斜め方向に発生するものはなく、白抜けや黒点などで不定形なものはサイズが小さいので、外接矩形から算出する各パラメータは実際の欠陥領域の各パラメータと大きく異なることはない。そしてこれらの値から、(1)欠陥の形状、(2)欠陥の大きさ、に関する特徴量を得ることができる。(1)に関しては、発生した欠陥の種類が「線・帯」あるいは「白線・白帯」の場合、外接矩形の幅あるいは高さから縦線・横線いずれの場合でも線幅を知ることができ、予め定められた閾値を用いて「線状」か「帯状」か、を区別することができる。(2)に関しては、発生した欠陥の種類が「線・帯」あるいは「白線・白帯」の場合、外接矩形の幅あるいは高さから縦線・横線いずれの場合でも線の長さを知ることができる。発生した欠陥の種類が「黒点・色点」、「白抜け」、「地汚れ」、「色見不良」の場合は、欠陥領域の外接矩形の面積からその大きさや発生範囲を知ることができる。(5)の欠陥の発生方向に関しては、発生した欠陥の種類が「線・帯」あるいは「白線・白帯」の場合、図6に示したフローチャートのS603にて用いた欠陥検出用フィルタの種類によって用紙送り方向か用紙送り方向に垂直な方向かいずれの向きに発生したかを知ることが出来る。
次に、図5に示したフローチャートのS503にて検出した欠陥領域をマスク領域として画像読取部101により読み取った多値画像に適用し、S803にて算出した特徴量と合わせて、(3)濃度、(4)輪郭の状態、(6)周期性、に関する欠陥画像の特徴量を抽出する(S804〜S806)。(3)に関しては、発生した欠陥の種類が「黒点・色点」、「地汚れ」、「色見不良」である場合、読取画像に対し、図5に示したフローチャートのS503で検出した欠陥領域をマスクして、そのマスクした範囲内部の平均濃度を算出する(S804)。
そして次に示すような方法で算出した平均濃度を評価して欠陥の状態を決定する(S807)。平均濃度の評価は例えば次のようにして行う。図9(a)に示すように、まず欠陥領域毎の平均濃度の分布を調べて平均値と分散を算出する。そして、図9(b)に示すように実データを元に作成された平均値vs分散の関係図を用いて、今回検出された欠陥の濃度がどの故障グループのデータに近いかにより濃淡の判定(平均濃度の評価)を行う。この濃淡の判定には例えばマハラノビス距離などを用いてもよい。次に(4)に関して、発生した欠陥の種類が「線・帯」あるいは「白線・白帯」である場合、図5のS503で検出した欠陥領域において境界部の画素を抽出し、その平均濃度を算出する(S805)。次に実データを元に作成された閾値を用いて算出した平均濃度の濃淡を判別し、輪郭がはっきりしている/ぼやけている、の判定を行って欠陥の状態を決定する(S807)。欠陥領域が複数ある場合は、全体の平均を求めても良いし、上述した濃度の評価方法と同様の手法を用いて判別しても良い。次に(6)に関して、周期性が現れるのは回転部品の汚れや傷などが原因のときであり、周期が現れる方向は用紙送り方向に対してである。従って、発生した欠陥の種類が「線・帯」、「白線・白帯」、「黒点・色点」、「白抜け」、「地汚れ」の場合は、周期性の評価はS803にて算出した各欠陥領域の重心座標のうち用紙送り方向成分の座標の間隔が一定かどうかによって行う(S806)。もし一定間隔ならば基準特徴量と比較してどの部品の周期に対応するか判定し、座標間の間隔が不定であるならば、周期性はないと判定する(S807)。
以上のようにして特徴量が抽出できたら、図5に示すフローチャートのS506に移って他の取得情報と共に推論エンジン209に入力して故障診断を行い、故障原因候補を抽出する。すなわち、図4に示したベイジアンネットワーク、すなわち故障診断モデルの各ノードに特徴量に基づく情報を入力して故障診断を行う。
なお、画像形成装置の構成によっては、上述した欠陥種類に対して抽出すべき特徴量が変わることもあるので、その装置に特有の特徴量を追加で抽出して診断するようにしてもよい。
上記の実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
実施の形態に係る画像形成装置のブロック構成図である。 本発明に関わる故障診断部の一構成例を示すブロック図である。 本発明に関わる画像欠陥系の故障診断を行う場合のベイジアンネットワークの構成例である。 本発明に関わる画像欠陥による故障診断の構成例の中で黒線発生時のベイジアンネットワークである。 本発明に関わる故障診断システムの処理手順を示すフローチャートである。 画像欠陥の検出処理手順を示すフローチャートである。 欠陥検出用フィルタの例を示す図である。 本発明に関わる画像欠陥の特徴量抽出処理手順を示すフローチャートである。 欠陥濃度の濃淡判定方法を説明する図である。
符号の説明
1 画像形成装置
101 画像読取部
102 プリントエンジン部
103 センサ部
104 故障診断情報入力部
105 故障診断部
201 部品状態情報取得部
202 履歴情報取得部
203 環境情報取得部
204 画像欠陥検出部
205 特徴量抽出部
206 追加操作情報取得部
207 故障確率推論部
208 診断結果通知部
209 推論エンジン
210 故障候補抽出部

Claims (9)

  1. 画像形成装置に生じる故障を診断する故障診断システムであって、
    画像形成装置の故障を引き起こす原因をモデル化した故障診断モデルを解析することで前記画像形成装置を構成する個々の構成部材の故障を診断する故障診断部と、
    前記故障診断モデルに入力される装置の内部状態情報を取得する内部状態情報取得手段と、
    発生した画像欠陥の種類を操作画面よりユーザに選択させる選択手段と、
    前記選択手段により選択された画像欠陥の種類に対応するテストパターンを出力する出力手段と、
    前記出力手段によって出力された前記テストパターンを光学的に読み取って得た被検査画像と検査用の基準画像との差分を検出することにより前記テストパターンに生じた不具合を解析する画像欠陥検出手段と、
    前記画像欠陥検出手段により解析された前記テストパターンの不具合に対して、形状、大きさ、濃度、輪郭の状態、不具合の発生方向、周期性のうち、前記選択手段で選択された画像欠陥の種類に応じた特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、を備え、
    前記故障診断部は、前記特徴量抽出手段で抽出された特徴量と前記内部状態情報とを用いて故障原因を特定することを特徴とする故障診断システム。
  2. 前記画像欠陥検出手段により解析される不具合の種類は、線・帯の発生、黒点・色点の発生、白線・白帯の発生、白抜け、地汚れ、色見不良のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の故障診断システム。
  3. 前記不具合の種類が線・帯の発生または白線・白帯の発生である場合に、前記特徴量として少なくとも形状の情報として幅情報、大きさの情報として長さ情報、輪郭の状態情報として輪郭部の濃度情報、不具合の発生方向の情報として紙送り方向であるか紙送り方向に垂直な方向であるかに関する情報、周期性の情報として周期性の有無および周期性が有る場合の複数の不具合領域の重心間隔情報を抽出することを特徴とする請求項2記載の故障診断システム。
  4. 前記不具合の種類が黒点・色点の発生である場合に、前記特徴量として少なくとも大きさの情報として面積情報、濃度の情報として不具合領域の色成分毎の平均濃度情報、周期性の情報として周期性の有無および周期性が有る場合の複数の不具合領域の重心間隔情報を抽出することを特徴とする請求項2記載の故障診断システム。
  5. 前記不具合の種類が白抜けである場合に、前記特徴量として少なくとも大きさの情報として面積情報、周期性の情報として周期性の有無および周期性が有る場合の複数の不具合領域の重心間隔情報を抽出することを特徴とする請求項2記載の故障診断システム。
  6. 前記不具合の種類が地汚れである場合に、前記特徴量として少なくとも大きさの情報として面積情報、濃度の情報として不具合領域の平均濃度情報、周期性の情報として周期性の有無および周期性が有る場合の複数の不具合領域の重心間隔情報を抽出することを特徴とする請求項2記載の故障診断システム。
  7. 前記不具合の種類が色見不良である場合に、前記特徴量として少なくとも大きさの情報として面積情報、濃度の情報として不具合領域の色成分毎の平均濃度情報を抽出することを特徴とする請求項2記載の故障診断システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項記載の故障診断システムを搭載たことを特徴とする画像形成装置。
  9. 画像形成装置に生じる故障を診断する故障診断方法であって、
    発生した画像欠陥の種類を操作画面よりユーザに選択させる工程と、
    選択された画像欠陥の種類に対応するテストパターンを出力する工程と、
    出力された前記テストパターンを光学的に読み取って得た被検査画像と検査用の基準画像との差分を検出することにより前記テストパターンの不具合を解析する工程と、
    解析された前記テストパターンの不具合に対して少なくとも形状、大きさ、濃度、輪郭の状態、不具合の発生方向、周期性のうち、前記ユーザによって選択された画像欠陥の種類に応じた特徴量を抽出する工程と、
    前記画像形成装置の内部状態情報を取得する工程と、
    抽出された特徴量と前記内部状態情報とを、画像形成装置の故障を引き起こす原因をモデル化した故障診断モデルに入力して解析し、前記画像形成装置を構成する個々の構成部材の故障を診断する工程とを有することを特徴とする故障診断方法。
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