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JP4711320B2 - 定着装置及びその定着装置を有する画像形成装置 - Google Patents
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JP4711320B2 - 定着装置及びその定着装置を有する画像形成装置 - Google Patents

定着装置及びその定着装置を有する画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着部材と加圧部材の圧接によりニップを形成し、該ニップを適正温度に制御する加熱手段を備え、未定着トナー像を担持した記録材を、そのトナー像が定着部材に接する向きにして、前記ニップに通過させることで、加熱および加圧により未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置、及びその定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される画像形成装置において、上記形式の定着装置を用いることは従来より周知である。この種の定着装置として、熱源により加熱され、かつ回転駆動される定着ローラより成る定着部材と、この定着ローラに圧接されて回転する加圧ローラより成る加圧部材とを有し、両ローラによって形成されるニップに記録材を通過させ、トナーを加熱圧着する熱ローラタイプのものが一般的である。ほかに、無端状の定着ベルトより成る定着部材と加圧ローラとを圧接させ、或いは定着ベルトと加圧ベルトより成る加圧部材との圧接によりニップを形成するベルト定着タイプの定着装置がある。どちらのタイプについても定着部材と加圧部材の圧接により形成されるニップを通過することで記録材上の未定着トナー像を加熱および加圧によりトナーを圧着させている。トナーはニップ内で溶融されて、ニップ出口で定着部材にトナーが付着するオフセットという問題があるため、定着部材の表層は離型性の良い材料で構成されている。離型性の良い材料としてはフッ素樹脂やシリコーンゴムが一般的に使用されている。
【0003】
フルカラー画像を形成する画像形成装置ではイエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色のトナーを溶融状態で混色する必要がある。フルカラーの未定着トナー像の表面は10〜数10μmの凹凸があるが、基体上にフッ素樹脂を積層した定着部材では弾性がないために定着部材がトナーの凹凸に追従できず、未定着トナー像面に定着部材が接触する部分と接触しない部分ができてしまう。このためトナーの溶融状態に部分的なバラツキができ、定着後のトナー像に画像光沢ムラが発生するという問題がある。
【0004】
一方、基体上にシリコーンゴムを積層した定着部材は弾性がありトナーの凹凸に追従できるため、トナーの均一な溶融が可能となる。しかしシリコーンゴムはフッ素樹脂と比べると離型性に劣り、通常シリコーンオイルを塗布することで耐久性、離型性を確保している。ところが、定着部材にシリコーンオイルを塗布すると、記録材にオイルが付着して記録材が汚れたり、定着部材にシリコーンオイルを塗布する塗布部材が必要となるなどの問題がある。定着部材にシリコーンオイルを塗布しない方式はオイルレス、ないしはオイルレス定着などと称せられているが、かかるオイルレス方式を採用すると、(1)転写紙へのオイルの付着による汚れがなくなる、(2)オイル補給がなくなりメンテナンスフリーになる、(3)オイル塗布部材がなくなりコストダウンになるという利点が得られる。オイルレスでシリコーンゴム定着部材を使用すると、その定着部材に紙粉などの汚れが付着しやすく、経時で汚れが蓄積し、離型性が低下するという問題が発生する。
【0005】
上述のように、この種の定着装置においては、定着部材表面の離型性を高めると、画像光沢ムラが発生し、その光沢度を均一にできるように定着部材を構成すると、定着部材の離型性が低下し、その定着部材表面にトナーや紙粉などの汚れが付着しやすくなる。
【0006】
ところで、定着部材の基体と離型層の間にフッ素ゴムやシリコーンゴムなどの弾性層を設けると、上記欠点を或る程度は抑制でき、画像光沢ムラを防止することができる。しかし、内部に熱源を持つ定着部材では、熱伝導率の悪いフッ素ゴムやシリコーンゴムを通して、その定着部材を加熱するので、定着部材が定着可能な設定温度に達するまでの立ち上がり時間が長くなってしまう。立ち上がり時間が長いために、待機時にも熱源をONにして温度を維持する必要がでてくる。立ち上がり時間を短縮できると待機時に熱源をOFFにすることができ、省エネのために非常に重要な課題である。
【0007】
この対策としてゴムに熱伝導率の良いカーボン微粒子や金属微粒子などのフィラーを配合することで弾性層の熱伝導率を高くしているが、弾性層を通して加熱するためどうしても熱応答性は悪くなってしまう。また熱伝導率を高くするためにフィラーを多く配合すると弾性層の硬度が高くなり、画像光沢ムラが発生してしまうという問題もある(特開平9-114291)。
【0008】
上述のように、従来の定着装置においては、画像光沢ムラの防止と立ち上がり時間の短縮とオフセットの防止という問題を同時に解消することは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の欠点を除去した定着装置と、かかる定着装置を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、円筒基体上に弾性層を設けた定着ローラと加圧ベルトとの圧接によりニップを形成し、未定着トナー像を担持した記録材を、そのトナー像が前記定着ローラに接する向きにして、前記ニップに通過させることで、加熱および加圧により未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置において、内部にヒータを有し、前記定着ローラ表面に接して該定着ローラを加熱する加熱ローラと、前記加圧ベルト内部に設けられ、該加圧ベルトを介して前記定着ローラと対向する巻き掛けローラと、該巻き掛けローラと共に前記加圧ベルト内部に配置され、該加圧ベルトにテンションを付与するテンションローラとを備え、前記定着ローラは、円筒基体上に断熱層、前記弾性層及び離型層の順で積層された層を有し、前記加圧ベルトは、その表面側から加熱されると共に、ベルト基体上に断熱層、弾性層及び離型層の順で積層された層を有し、前記ニップは、前記定着ローラが前記巻き掛けローラとは対向しない位置で前記加圧ベルトに圧接する第1のニップと、前記定着ローラが前記巻き掛けローラと対向する位置で前記加圧ベルトを介して前記巻き掛けローラに圧接する第2のニップとを有することを特徴とする定着装置を提案する(請求項1)。
【0019】
また、上記請求項1に記載の定着装置において、前記断熱層の熱伝導率が0.3W/m・K以下であると有利である(請求項2)。
【0020】
さらに、上記請求項1又は2に記載の定着装置において、前記弾性層がソリッドのゴムより成り、その厚さが0.1mm以上で、かつ硬度(JIS−A)が50度以下であると有利である(請求項3)。
【0021】
また、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置において、離型層がフッ素樹脂より成り、そので厚さが50μm以下であると有利である(請求項4)。
【0024】
さらに、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置において、前記加圧ベルトの弾性層の熱伝導率が0.3W/m・K以下であり、該弾性層が前記断熱層を兼ねており、ベルト基体上に弾性層、離型層の順でその各層が積層されていると有利である(請求項5)。
【0025】
また、本発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項6)。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って説明する。先ず、本発明に係る定着装置を採用できる画像形成装置の一例を明らかにする。
【0027】
図1は画像形成装置の一例であるカラープリンタの一部を示す概略図である。ここに示した画像形成装置は、記録材上にトナー像を形成する作像手段1と、そのトナー像を記録材上に定着する定着装置2とを有している。
【0028】
図1に示した作像手段1は、ドラム状の感光体として構成された第1乃至第4の像担持体3Y,3M,3C,3BKを有し、その各像担持体上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。第1乃至第4の像担持体3Y乃至3BKに対向して転写ベルト4が配置され、この転写ベルト4は、駆動ローラ5と従動ローラ6に巻き掛けられて矢印A方向に走行駆動される。
【0029】
第1乃至第4の各像担持体3Y,3M,3C,3BK上にトナー像を形成する構成と、その作用は実質的に全て同一であるため、第1の像担持体3Yにトナー像を形成する構成だけを説明する。この像担持体3Yは図1における時計方向に回転駆動され、このとき帯電ローラ7によって像担持体表面が所定の極性に均一に帯電される。次いでその帯電面に、レーザ書き込みユニット8から出射する光変調されたレーザビームLが照射される。これによって像担持体3Y上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置9によってイエロートナー像として可視像化される。
【0030】
一方、図示していない給紙部から、例えば転写紙又は樹脂シートや樹脂フィルムなどから成る記録材Pが給送され、その記録材Pが、矢印Bで示すように、像担持体3Yと転写ベルト4の間に送り込まれ、転写ベルト4に担持されて搬送される。転写ベルト4を挟んで、像担持体3Yにほぼ対向する位置には転写ローラ10が配置され、その転写ローラ10に対し、像担持体3Y上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、これによって像担持体3Y上のイエロートナー像が記録材P上に転写される。記録材Pに転写されず、像担持体3Y上に残された転写残トナーは、クリーニング装置11によって除去される。
【0031】
全く同様にして、第2乃至第4の像担持体3M,3C,3BK上にマゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像が、イエロートナー像の転写された記録材P上に順次重ね合されて転写される。
【0032】
上述のようにして4色の未定着トナー像を担持した記録材Pは、矢印Cで示すように定着装置2に送り込まれ、このときそのトナー像が記録材P上に定着される。定着装置2を通過した記録材は、矢印D方向に搬送されて図示していない排紙トレイ上に排出される。
【0033】
図2は定着装置2の実施例1を示す拡大断面図であり、ここに示した定着装置2は熱ローラタイプの定着装置であり、定着ローラ12として構成された定着部材と、この定着ローラ12に圧接した加圧ローラ13として構成された加圧部材とを有し、これらのローラ12,13が互いに圧接することによりニップが形成されている。定着ローラ12は時計方向に回転駆動され、加圧ローラ13は、定着ローラ12の回転に従動して反時計方向に回転する。
【0034】
両ローラ12.13の圧接したニップは、加熱手段によってトナー像の定着に適した適正温度に制御される。この例では、定着ローラ12と加圧ローラ13の内部に熱源としてのハロゲンヒータ14,15がそれぞれ設けられ、定着ローラ12の表面には図示していないサーミスタが設けられ、そのサーミスタによって、ヒータ14,15により加熱された定着ローラ12の表面の温度を検知し、その検知結果に基づいてヒータ14,15の通電をON,OFFし、定着ローラ12の表面の温度を適正温度に制御している。
【0035】
前述のように、未定着トナー像Tを担持した記録材Pは、矢印Cで示すように定着装置2に送り込まれ、当該記録材Pは、そのトナー像Tが定着ローラ12の表面に接する向きにしてニップを通過し、このとき熱と圧力により未定着トナー像が記録材P上に定着される。
【0036】
上述のように、定着装置は、定着部材と加圧部材の圧接によりニップを形成し、該ニップを適正温度に制御する加熱手段を備え、未定着トナー像を担持した記録材を、そのトナー像が定着部材に接する向きにして、前記ニップに通過させることで、加熱および加圧により未定着トナー像を記録材に定着させるように構成されており、この基本構成は、後述する各例の定着装置においても変りはない。
【0037】
ここで、図2に示した定着装置2においては、その加圧ローラ13が例えば、アルミニウム製の円筒基体の表面にフッ素樹脂をコーティングしたものから構成されている。これに対し、定着ローラ12は、例えばアルミニウムなどの剛体より成る円筒基体16上に、例えばシリコーンゴムなどの耐熱性エラストマーより成る弾性層17を一体に積層したローラより成る。この弾性層17は、図3に拡大して示すように、基体16に近い側の内側層17Aと、基体16から離れた側の外側層17Bとから構成され、これらの層17A,17Bが一体化されている。内側層17Aと外側層17Bは同系の耐熱性エラストマーより成ることが好ましく、これによって両層の接着力不足による剥がれを確実に阻止できる。
【0038】
また、弾性層17の外側層17Bの硬度が内側層17Aの硬度よりも高く設定され、しかも外側層17Bの厚さが内側層17Aの厚さよりも薄く設定されている。好ましくは、この定着ローラ12の弾性層17の内側層17Aの硬度(JIS−A)は45度以下で、かつ内側層17Aの厚さは50μm以上であり、同じく、好ましくは、当該定着ローラ12の弾性層17の外側層17Bの硬度(JIS−A)は65〜85度で、かつ外側層17Bの厚さは10〜50μmである。
【0039】
上述のように、本例の定着装置は、その定着部材が耐熱性エラストマーの弾性層を有し、該弾性層の外側層の硬度が弾性層の内側層の硬度より高く、かつ外側層の厚さが内側層の厚さより薄く構成されている。
【0040】
上述した構成によれば、定着ローラ12の弾性層17が内側層17Aと外側層17Bの2層を有し、しかもその外側層17Bの硬度が高いので、その表面に紙粉やトナーが付着し難くなり、トナーのオフセットを防止することができる。しかも摩耗に対する耐久性も高まる。このため、定着ローラ12の表面にシリコーンオイルを塗布しないオイルレス方式を採用しても、充分な離型性と耐久性を得ることが可能である。外側層17Bの硬度(JIS−A)を前述のように65〜85度にすると、この効果を特に高めることができる。当該硬度が85度よりも高くなると、凹凸のあるトナー像に対する外側層17Bの密着性が低下し、画像に光沢ムラが発生するおそれがある。
【0041】
また、内側層17Aの硬度は低く、しかもその層厚が厚く、さらに外側層17Bの厚さが薄いので、トナー像の10〜数10μmの凹凸に追従することができ、トナーの溶融ムラの発生を防止し、部分的な画像光沢ムラの発生を阻止できる。硬度の高い外側層17Bは薄いので、内側層17Aの弾性の効果を妨げることはない。前述のように、内側層17Aの硬度(JIS−A)を45度以下とし、かつその厚さを50μm以上とし、しかも外側層17Bの厚さを10〜50μmとすることにより、上記作用をより確実なものにすることができる。
【0042】
ここで、本発明者の行った実験例を説明する。図2に示した定着ローラ12の弾性層17を2mm厚さの一層とし(内側層と外側層に分けない)、この弾性層17を硬度(JIS−A)で25,45,65,85度のシリコーンゴムで製作した4種の定着ローラ12を用意した。定着装置2のその他の構成は前述したところと変りはなく、アルミニウム製のローラ表面にフッ素樹脂をコーティングした加圧ローラ13を用いたことも同じである。かかる定着装置2により、定着ローラ12への紙粉の付着性とOHPシートの透明性の測定と画像光沢ムラの目視観察を行った。
【0043】
定着ローラ12の温度を150℃、その表面線速を200mm/sに制御し、転写紙(白紙)を100枚定着ローラ12と加圧ローラ13の間に通紙し、続いてOHPシートを通紙して、定着ローラ12に付着した紙粉をOHPシートに転写し、そのOHPシートの濁度を測定した。濁度が大きい程、紙粉の付着量が多いことを示す。図4にその測定結果を示す。この結果から、弾性層17の硬度が65度以上だと、紙粉の付着はほとんど0であり、硬度が45度以下では定着ローラ12の表面に紙粉が付着して、その離型性が低下していることを推測できる。この実験に用いた定着ローラの構造は、図2及び図3に示した実施例の定着ローラ12とは異なるが、その表面の硬度を、図2及び図3に示した定着ローラ12と同じく65度以上に設定することにより、離型性を高めることができることを理解できる。
【0044】
上記実験と同じ定着装置を用い、その定着ローラ12の温度を150℃、その表面線速を100mm/sの条件とし、OHPシート上に形成したマゼンタ単色の5cm四方のベタ画像を定着し、そのベタ画像の濁度を測定した。濁度が小さい方が透明性が良い。図5にその結果を示す。OHPシートの透明性は弾性層17の硬度が低い程、良くなっている。
【0045】
同じ定着装置2を用い、定着ローラ温度150℃、表面線速200mm/sとし、転写紙上に形成した5cm四方のマゼンタ単色のベタ画像を定着し、目視によりその画像の光沢ムラ(表面性のムラ)を観察した。その結果を表1に示す。表1の0は光沢ムラが良好、×は不良、△はその中間であることを示す。表2及び表3においても同じ。
【表1】
【0046】
硬度45度以下で光沢ムラはみられず、65度ではやや悪化し、85度になると光沢ムラが確認できた。
【0047】
上記2つの実験に用いた定着ローラも、図2及び図3に示した実施例の定着ローラ12とは異なるが、弾性層17の硬度が低い程、画質(OHPシートの透明性と光沢ムラ)は良好となることが判り、図2及び図3に示した実施例の内側層17Aの硬度が低く設定されていることにより、光沢ムラのない画像が得られることを理解できる。
【0048】
一層構造の弾性層17の厚さを10,50,100μmとした各定着ローラ12を用い、5cm四方のマゼンタ単色のベタ画像を定着してその光沢ムラを観察した。定着ローラ12の温度は150℃とした。また弾性層17の厚さが薄くなっていて、ニップ幅が狭くなっているので、定着ローラの表面線速は50mm/sと遅くした。その結果を表2に示す。
【表2】
【0049】
この結果から、弾性層17の厚さが50μm以上あれば光沢ムラは発生せず、10μmでは弾性層でトナーの凹凸を吸収しきれないため光沢ムラが発生している。弾性層を柔らかくするだけでは光沢ムラを無くせず、厚さも50μmは必要である。この実験結果から、図2及び図3に示した実施例の内側層17Aの厚さを厚くすることにより光沢ムラをなくすことができることを理解できる。
【0050】
次に内側層17Aと外側層17Bより成る弾性層17を有する定着ローラ12を備えた定着装置を用いた実験をを行った。その弾性層17の内側層17Aは、厚さ2mm、硬度25度のシリコーンゴムにより構成し、外側層17Bとしては、硬度85度のシリコーンゴムをそれぞれ厚さ10,50,100μmにしたものを用いた。かかる定着装置により、マゼンタ単色の5cm平方のベタ画像を定着し、その光沢ムラ観察を行った。定着ローラ12の温度は150℃、その表面線速は200mm/sであった。その結果を表3に示す。
【表3】
【0051】
外側層17Bの厚さが50μm以下では光沢ムラは発生しないが、100μmでは外側層17Bの硬さの影響が大きく、内側層17Aを柔らくしてもトナーの凹凸に追従できなくなり、光沢ムラが発生した。また内側層17Aの厚さが2mmと厚く、基体16のアルミニウム芯金の熱容量が大きいため、定着ローラ12が150℃の設定温度に達するまでのウォームアップ時間は約5分かかった。
【0052】
図6はベルト定着装置として構成した実施例2の定着装置2を示す。ここに示した定着装置2においては、定着部材が無端状のベルト基体上に弾性層を設けた定着ベルト18より成り、この無端状の定着ベルト18は巻き掛けローラ19と加熱ローラ20とに巻き掛けられている。加圧部材は定着ベルト18を介して巻き掛けローラ19に圧接した加圧ローラ21として構成され、これらのローラ21,19,20と定着ベルト18は図6に矢印を付した方向にそれぞれ駆動される。また加熱ローラ20と加圧ローラ21に内設された、例えばハロゲンランプヒータより成るヒータ22,23によって、定着ベルト18と加圧ローラ21との圧接により形成されたニップがトナー像の定着に適した適正温度に加熱される。加圧ローラ21が巻き掛けローラ19に対向しない部位で定着ベルト18のみに当接する第1のニップと、加圧ローラ21が定着ベルト18を介して巻き掛けローラ19に当接する第2のニップとにより、ニップが形成される。このため、大きなニップ幅を確保することができる。
【0053】
定着ベルト18の弾性層は、図3に示した定着ローラと同様に、耐熱性エラストマーより成り、その外側層の硬度が内側層の硬度よりも高く、かつ外側層の厚さが内側層の厚さよりも薄くなっている。好ましくは、定着ベルト18の弾性層の内側層の硬度(JIS−A)は45度以下で、かつ内側層の厚さが50〜200μmであり、当該定着ベルト18の弾性層の外側層の硬度(JIS−A)は65〜85度で、かつ外側層の厚さが10〜50μmである。
【0054】
未定着トナー像Tを担持した記録材Pは、矢印Cで示すように、定着ベルト18と加圧ローラ21のニップを通過し、これによってそのトナー像が記録材P上に定着される。
【0055】
上述した構成によっても、図2及び図3に示した定着装置と全く同じ作用を奏することができるほか、次の効果を奏することができる。
【0056】
前述の如くニップの幅を大きく確保でき、従って定着ベルト18と加圧ローラ21との当接圧を低くしてもトナー像の定着不良を防止できる。このため、巻き掛けローラ19と加圧ローラ21との圧接力を下げることができ、従ってこれらのローラ19,21の剛性を下げることが可能となる。このため、加圧ローラ21の肉厚を薄くすることができ、加圧ローラ21をヒータ23によって短時間で所定温度にまで加熱することができる。しかも定着ベルト18の熱容量が小さいので、その定着ベルト18も短時間で所定の温度にまで加熱することができる。このため、定着装置2のウォームアップ時間を大幅に短縮することができる。
【0057】
図6に示した定着装置のより具体的な例を示すと、加熱ローラ20を、厚さ0.6mmのアルミニウム製中空ローラで構成し、巻き掛けローラ19を、アルミニウム製の芯金に、6mmの厚さの発泡シリコーンを積層したローラから構成することができ、加圧ローラ21としては、芯金表面にPFAコートしたものを用いることができる。また定着ベルト18としては、厚さ50μmのポリイミド樹脂のベルト基体に、硬度(JIS−A)が25度で100μmの厚さのシリコーンゴム層より成る内側層を積層し、その上に硬度(JIS−A)が65度で、50μm厚さのシリコーンゴム層より成る外側層を積層した無端ベルトを用いることができる。かかる定着装置2を用い、その定着ベルト18の温度を150℃、その表面線速を200mm/sとして、トナー像を定着したところ、定着ベルト18へのトナーのオフセットの発生はなく、光沢ムラのない画像が得られた。150℃に達するまでのウォームアップ時間は50秒であった。
【0058】
図7に他のベルト定着装置の例である実施例3を示す。ここに示した定着装置2は、加圧ローラ24より成る加圧部材とヒータ26が、定着ベルト25より成る定着部材を介して圧接することによりニップが形成されている。ヒータ26には抵抗発熱体が用いられている。定着ベルト25の幅方向各端部には図示していないベルトガイドがあり、定着ベルト25はこのベルトガイドに案内されて時計方向に回転し、加圧ローラ24は反時計方向に回転する。定着ベルト25にはテンションがかかっておらず、定着ベルト25は加圧ローラ24の回転に従動して回転する。トナー像を担持した記録材Pは、矢印Cで示すように、そのトナー像Tが定着ベルト25に接する向きにしてニップを通過し、トナー像が定着される。この定着ベルト25も、例えば、厚さ50μmのニッケル製のベルト基体に、硬度(JIS−A)25度で、厚さ50μmのシリコーンゴム層より成る内側層が積層され、その上に硬度(JIS−A)65度で、厚さ10μmのシリコーンゴム層より成る外側層を積層したものから成る。かかる定着装置2を用い、定着ベルト25の温度を150℃、その表面線速を200mm/sの条件でトナー像を定着したところ、オフセットは発生せず、光沢ムラのない画像が得られた。定着ベルト25のニップだけを加熱澄る構成であるため、ウォームアップ時間はほとんどゼロであった。
【0059】
以上説明した例では、定着ローラ又は定着ベルトより成る定着部材の弾性層の外側層が、その定着部材の最外層、すなわち表層をなしており、これにより前述の作用を奏することができる。
【0060】
図8乃至図10に示した実施例4乃至7の定着装置2も、定着部材と加圧部材の圧接によりニップを形成し、該ニップを適正温度に制御する加熱手段を備え、未定着トナー像Tを担持した記録材Pを、そのトナー像が定着部材に接する向きにして、矢印Cで示すように上記ニップに通過させることで、加熱および加圧により未定着トナー像Tを記録材Pに定着させるように構成されている。しかも、これらの実施例のいずれの定着装置においても、加熱手段は、定着部材に対し、その表面側から熱を供給し、定着部材は基体上に断熱層、弾性層、離型層の順で積層された層を有しており、しかも加熱手段は、加圧部材に対して、その表面側から熱を供給し、加圧部材は基体上に断熱層、弾性層、離型層の順で積層された層を有している。離型層が、定着部材と加圧部材の最外層、すなわち表層をなしている。
【0061】
また、基体は、例えば金属又は耐熱性樹脂により構成されるが、ニップでの加圧は耐えられるものであればよい。断熱層は、例えば耐熱性の樹脂やゴムなどから構成され、その熱伝導率は0.3W/m・K以下で断熱の効果は得られるが、樹脂、ゴムを発泡体にすることにより、熱伝率を0.2W/m・K以下にすることが望ましい。また、弾性層はソリッドのフッ素ゴム、シリコーンゴムなどのソリッドのゴムより成る。またその弾性層の厚さが0.1mm以上で、かつ硬度(JIS−A)が50度以下であることが好ましく、この構成により未定着トナー像の凹凸に追従でき、画像光沢ムラを防止できる。
【0062】
また、離型層は、フッ素樹脂の塗布、焼成に形成したものや、フッ素樹脂チューブを被覆したものを使用でき、いずれの場合も離型層がフッ素樹脂より成ることが好ましい。また離型層の厚さは50μm以下であることが望ましく、これによって下層の弾性の効果を損うことはない。
【0063】
以下に、図8乃至図10に示した定着装置のより具体的な構成を説明する。
【0064】
図8に示した実施例4では、定着部材が定着ローラ27より成り、加圧部材が加圧ローラ28より成り、両ローラ27,28はそれぞれ矢印方向に回転し、両ローラ27,28のニップを、トナー像Tを担持した記録材Pが通過する。図8に示した実施例4においては、定着ローラ27および加圧ローラ28は同じ径、層構成、層厚になっている。各ローラ27,28の基体29,29Aの芯金は肉厚1mmの鉄製中空ローラで、断熱層30,30Aは層厚4mmの発泡シリコーンゴムである。弾性層31,31Aは硬度50度のソリッドシリコーンゴムを層厚1mmに形成したものから成る。離型層32,32AにはFEPディスパージョンを塗布し、焼成することで形成している。離型層の層厚は10μmである。加熱手段としては内部にハロゲンヒータを有するアルミ中空ローラより成る加熱ローラ33,33Aが用いられ、これらが定着ローラ27および加圧ローラ28の表面に接し、従動回転している。加熱ローラは定着ローラおよび加圧ローラが適正温度になるように図示しない温度検知手段と温度制御手段によりコントロールされている。加熱手段としては他に抵抗発熱体や非接触で熱源の輻射熱を利用するものでも良い。
【0065】
上述した構成によると、定着ローラ27と加圧ローラ28に断熱層30,30Aがあり、しかも各ローラ27,28をその表面側から加熱しているので、基体29,29Aなど不必要部分を加熱することがなく、効率よく熱を使えるため、立ち上がり時間を短くすることができる。しかも各ローラ27,28には弾性層31,31Aが設けられているので、定着ローラ27,加圧ローラ28が均一に未定着トナー像に接することで画像光沢ムラの発生を防止することができる。特に、加圧ローラ28に設けられた弾性層31Aにより、両面定着時にも加圧ローラ28が均一に画像面に接することで画像光沢ムラの発生を防止できる。しかも、定着ローラ27と加圧ローラ28は、その外部から加熱されるので、自己冷却効果により、定着ローラ27へのトナーのオフセットを防止できる。定着ローラや加圧ローラを、その内部から加熱すると、ニップ内を通過する記録材P上のトナーの温度が低下することはなく、これによってニップの出口で定着ローラの表面にトナーが付着するおそれがあるが、外部加熱を採用すると、トナー像がニップ内を通過する間にその温度が徐々に下げられ、トナーが冷えていくので、ニップ出口においてトナーが定着ローラ27に付着するホットオフセットの発生を阻止できるのである。
【0066】
また、断熱層30,30Aの熱伝導率を0.3W/m・K以下にすることによって、基体29,29Aなど不必要部分を加熱することがなく、効率よく熱を使えるため、立ち上がり時間を短くすることができる。
【0067】
さらに、弾性層31,31Aがソリッドのゴムであり、厚さが0.1mm以上、かつ硬度(JIS−A)が50度以下であるので、定着ローラ27、または両面定着時の加圧ローラ28が、記録材Pに均一に接触するため、画像光沢ムラの発生を防止することができる。しかも、弾性層31,31Aがソリッドゴムであるため、ニップ出口でのゴムの変形により、記録材の離型性が向上し、オフセットを防止できる。弾性層として発泡体、例えば発泡シリコーンゴムなどを用いることもできるが、この構成によると、その発泡体のゴムと気泡部で温度ムラができ、温度ムラが画像の光沢ムラとして表れてしまう。また弾性層が発泡シリコーンだとニップ内での変形は気泡のつぶれによる部分が大きく、ニップ出口でのゴムの変形による離型性の効果が小さくなってしまう。これに対し、弾性層31,3Aがソリッドゴムより成ると、ニップで加圧されて圧縮していたソリッドゴムが、ニップを通過すると、そのニップ出口で急激に弾性復帰するので、トナーと弾性層とにせん断力が生じ、これらが分離しやすくなって、その離型性が高められる。
【0068】
また、離型層32,32Aがフッ素樹脂であるため離型性に優れ、かつその厚みが50μm以下なので弾性層31,31Aの効果を損なうことがなく、画像光沢ムラの発生を防止することができる。
【0069】
図8に示した定着装置2を用い、線速200mm/sで画像を定着させたときに画像の光沢度が20%になる設定温度は170℃であった。設定温度に達するまでの立ち上がり時間を測定したところ53秒であった。また定着後の画像に光沢ムラは見られなかった。
【0070】
(比較例1)
図8に示した実施例4の定着ローラ27および加圧ローラ28の代わりに内部加熱用の熱ローラを使って実験した。基体は実施例4と同じ肉厚1mmの鉄製中空ローラで、その上にソリッドシリコーンゴムを層厚5mmで形成し、離型層にはFEPディスパージョンを塗布し、焼成することで形成している。内部加熱用のローラのために弾性層のソリッドシリコーンゴムにはフィラーを配合し、熱伝導率が0.7W/m・Kになっている。弾性層の熱伝導率が高いため、外部から加熱しても、熱がローラ内部まで伝わりロスが大きくなり、立ち上がり時間は76秒と実施例4に比べ遅くなっている。
(比較例2)
実施例4と同構成の定着ローラと加圧ローラで、弾性層のソリッドゴムの硬度を80度に変えて実験した。立ち上がり時間は実施例4と変わらないが、硬度が高いため定着ローラがトナーの凹凸に追従できず、画像光沢ムラが発生した。
(比較例3)
実施例4と同構成の定着ローラと加圧ローラで、離型層を厚さ50μmのPFAチューブにした。立ち上がり時間は実施例4とあまり変わらないが、PFAが硬く、厚さが50μmあるため弾性層のトナー凹凸に追従する効果が弱くなり、画像光沢ムラが多少発生した。
【0071】
図9に示した実施例5の定着部材は、巻き掛けローラ34とテンションローラ35に巻き掛けられた無端状の定着ベルト36より成り、加圧部材は、定着ベルト36を介して巻き掛けローラ34に対向して配置された加圧ローラ37より成り、テンションローラ35に接触する定着ベルト部分と加圧ローラ37の表面には、内部にヒータ38A,39Aを有している加熱ローラ38,39が配置され、これらがそれぞれ矢印方向に回転する。記録材Pは、定着ベルト36と加圧ローラ37とが圧接したニップを通り、トナー像Tが定着される。加圧ローラ37は巻き掛けローラ34に対向しない部位で定着ベルト36のみに当接する第1のニップと、加圧ローラ37が定着ベルト36を介して巻き掛けローラ34に当接する第2のニップによりニップが形成されるように定着ベルト36に圧接されている。このため低圧でも広いニップを確保できるので、熱ローラ定着装置と比べ設定温度を低しても、同じ光沢の画像を得ることができる。設定温度が低くできると立ち上がり時間も短くなる。
【0072】
定着ベルト36は厚さ50μmのポリイミド樹脂のベルト基体に断熱層として発泡シリコーンゴム層を1mm、その上に弾性層として硬度30度のソリッドシリコーンゴム層を0.1mm形成し、離型層はFEPディスパージョンを塗布し、焼成することで層厚5μmで形成している。加圧ローラ37は実施例4と同じ物を使用している。巻き掛けローラ34とテンションローラ35は定着ベルト36からの熱が伝わりにくいように発泡シリコーン層を設け断熱化してある。光沢度20%の画像が得られる設定温度は150℃で熱ローラ定着装置と比べ20℃低くすることができた。150℃に達するまでの立ち上がり時間は42秒であった。
【0073】
(比較例4)
実施例5と同構成で弾性層のソリッドシリコーンゴムを厚さ0.05mmにした。弾性層が薄いため断熱層の発泡シリコーンゴムのゴムと気泡部分の温度ムラの影響が出て、画像に光沢ムラが発生した。
【0074】
実施例5とほぼ同一の構成の実施例6においては、定着ベルト36の断熱層と弾性層をソリッドシリコーンゴム1mmの1層にした。ベルト基体をポリイミド樹脂50μm、弾性層(断熱層)をソリッドシリコーンゴム1mm、離型層をFEP5μmとして、定着ベルト36を3層構造にした。定着ベルト36の弾性層の熱伝導率は、この場合も0.3W/m・K以下であり、その弾性層が断熱層を兼ね、ベルト基体上に弾性層、離型層の順で積層された層構造とをなっている。この実施例6では、発泡シリコーンと比べ熱伝導率が高くなるので、立ち上がり時間が長くなるが、ベルト定着装置の場合ベルトの熱容量が小さいことと定着ベルト36の内側の巻き掛けローラ34およびテンションローラ35で断熱化が可能であるので立ち上がり時間は46秒で、実施例5と比べても差は小さかった。定着ベルトの層構成を3層にすることによりコストダウンができた。
【0075】
加圧部材を無端状のベルトとしたときの実施例7の定着装置の概要を図10に示す。図9に示した実施例5の装置を上下ほぼ逆にした構成になっている。すなわち、ここに示した定着装置2は、円筒基体上に弾性層を設けた定着ローラ37と加圧ベルト36との圧接によりニップを形成し、未定着トナー像Tを担持した記録材Pを、そのトナー像Tが定着ローラ37に接する向きにして、上記ニップに通過させることで、加熱および加圧により未定着トナー像Tを記録材Pに定着させるように構成され、しかも内部にヒータを有し、かつ定着ローラ37の表面に接して該定着ローラ37を加熱する加熱ローラ39と、加圧ベルト36の内部に設けられ、該加圧ベルト36を介して定着ローラ37と対向する巻き掛けローラ34と、その巻き掛けローラ34と共に加圧ベルト36の内部に配置され、該加圧ベルト36にテンションを付与するテンションローラ35とを備え、定着ローラ37は、円筒基体上に断熱層、上記弾性層及び離型層の順で積層された層を有し、加圧ベルト36は、その表面側から加熱されると共に、ベルト基体上に断熱層、弾性層及び離型層の順で積層された層を有し、上記ニップは、定着ローラ37が巻き掛けローラ34とは対向しない位置で加圧ベルト36に圧接する第1のニップと、定着ローラ37が巻き掛けローラ34と対向する位置で加圧ベルト36を介して巻き掛けローラ34に圧接する第2のニップとを有している。かかる定着装置2にも、前述した各構成を適宜採用でき、例えば、加圧ベルト36の弾性層の熱伝導率を0.3W/m・K以下とし、その弾性層が断熱層を兼ねており、ベルト基体上に弾性層、離型層の順でその各層が積層されているように構成することができる。図9に示した定着装置2の場合、立ち上がり時間は41秒と実施例5とほぼ同じで、画像光沢ムラも見られなかった。実施例4乃至7および比較例の結果を表4にまとめて示す。画像評価の○は光沢ムラなし、△は光沢ムラ多少あり、×は光沢ムラありを示している。
【表4】
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、定着ローラが、その表面側から加熱されるので、効率よく熱を使え、立ち上がり時間を短くすることができる。しかも、定着ローラが弾性層を有しているので定着ローラが均一に未定着画像に接することで画像光沢ムラの発生を防止することができる。また弾性層のニップ出口での変形によりオフセットが発生しにくくなっている。また、加圧ベルトを用いているので、広いニップを確保でき、低温での定着が可能となるので、断熱と外部加熱の効果に加え、低温下により立ち上がり時間を短縮することができる。
【0078】
しかも、本発明によれば、定着ローラに断熱層があり、かつ定着ローラが表面側から加熱されるので、定着ローラの円筒基体など不必要部分を加熱することがなく、効率よく熱を使えるため、立ち上がり時間を短くすることができる。
【0079】
さらに、本発明によれば、加圧ベルトに断熱層があり、その加圧ベルトの表面側から加熱されるので、ベルト基体など不必要部分を加熱することがなく、効率よく熱を使えるため、立ち上がり時間を短くすることができると同時に、加圧ベルトに弾性層が設けられているので両面定着時にも加圧ベルトが均一に画像面に接することで画像光沢ムラの発生を防止することができる。また弾性層のニップ出口での変形によりオフセットの防止ができる。
【0080】
請求項2に係る発明によれば、断熱層の熱伝導率を0.3W/m・K以下にしているので、基体など不必要部分を加熱することがなく、効率よく熱を使えるため、立ち上がり時間を短くすることができる。
【0081】
請求項3に係る発明によれば、弾性層がソリッドゴムで厚さを0.1mm以上、硬度50度以下にすることにより、定着ローラまたは両面定着時の加圧ベルトが転写材に均一に接触するため画像光沢ムラの発生を防止することができる。またニップ出口でのゴムの変形による離型性の向上も得られ、オフセットを防止することができる。
【0082】
請求項4に係る発明によれば、離型層がフッ素樹脂であるため離型性に優れ、かつ厚みが50μm以下なので弾性層の効果を損なうことがないので、画像光沢ムラの発生を防止することができる。
【0085】
請求項5に係る発明によれば、加圧ベルトの断熱層と弾性層を共通にすることで層構成を4層から3層に減らせるためコストを下げることができる。
【0086】
請求項6に係る発明によれば、上記各効果を奏する定着装置を備えた画像形成装置を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す部分断面概略図である。
【図2】定着装置の一例を示す断面図である。
【図3】図1の部分拡大断面図である。
【図4】ゴム硬度と濁度の関係を示すグラフである。
【図5】ゴム硬度と濁度の関係を示すグラフである。
【図6】定着装置の他の例を示す断面図である。
【図7】定着装置のさらに他の例を示す断面図である。
【図8】定着装置のさらに別の例を示す断面図である。
【図9】定着装置のさらに別の例を示す断面図である。
【図10】定着装置のさらに別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 定着装置
34 巻き掛けローラ
35 テンションローラ
36 加圧ベルト
37 定着ローラ
39 加熱ローラ
P 記録材
T トナー像

Claims (6)

  1. 円筒基体上に弾性層を設けた定着ローラと加圧ベルトとの圧接によりニップを形成し、未定着トナー像を担持した記録材を、そのトナー像が前記定着ローラに接する向きにして、前記ニップに通過させることで、加熱および加圧により未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置において、内部にヒータを有し、前記定着ローラ表面に接して該定着ローラを加熱する加熱ローラと、前記加圧ベルト内部に設けられ、該加圧ベルトを介して前記定着ローラと対向する巻き掛けローラと、該巻き掛けローラと共に前記加圧ベルト内部に配置され、該加圧ベルトにテンションを付与するテンションローラとを備え、前記定着ローラは、円筒基体上に断熱層、前記弾性層及び離型層の順で積層された層を有し、前記加圧ベルトは、その表面側から加熱されると共に、ベルト基体上に断熱層、弾性層及び離型層の順で積層された層を有し、前記ニップは、前記定着ローラが前記巻き掛けローラとは対向しない位置で前記加圧ベルトに圧接する第1のニップと、前記定着ローラが前記巻き掛けローラと対向する位置で前記加圧ベルトを介して前記巻き掛けローラに圧接する第2のニップとを有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記断熱層の熱伝導率が0.3W/m・K以下である請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記弾性層がソリッドのゴムより成り、その厚さが0.1mm以上で、かつ硬度(JIS−A)が50度以下である請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 離型層がフッ素樹脂より成り、そので厚さが50μm以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記加圧ベルトの弾性層の熱伝導率が0.3W/m・K以下であり、該弾性層が前記断熱層を兼ねており、ベルト基体上に弾性層、離型層の順でその各層が積層されている請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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