JP4711907B2 - 耐汚染性と低線膨張性を有する二層樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂に塗装を行なうには、一般に、前洗浄→プライマー塗布→ベース塗料塗布→トップコート塗布→焼付乾燥の複数工程が必要であり、設備費や運転費などを合わせると、塗装に要する費用は大きく、部品のコストを高めることになる。
また、塗料成分の有機溶剤による環境負荷や廃製品をリサイクルした時の塗膜混入によるリサイクル製品の品質低下などの問題があり、塗装廃止を目的とした高外観部品の技術検討が多く行われている。例えば、使用する材料として、高硬度、高光沢の特性をもつ高結晶性ホモポリプロピレン樹脂を選定して着色を施せば、無塗装品でも塗装品並みの見栄え性は得られるが、衝撃強度が低いために自動車などの外装用途には適用できないなどの用途に制約がある。
さらに、衝撃強度を改善するために、高結晶ホモポリプロピレン樹脂にゴム成分を添加した場合には、表面光沢や耐傷付き性が低下し、塗装並みの外観品質が得られない。
例えば、特許文献1には、多層射出成形法を用いポリオレフィン樹脂組成物からなるコア層の上に着色された高光沢樹脂からなるスキン層を積層する無塗装部品の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、サンドイッチ射出成形法を用いポリプロピレン系樹脂材料の基材表面に着色された高硬度(ロックウエル硬度が85以上)のポリプロピレン樹脂を被覆成形することにより塗装と同程度の高光沢感を得、更に耐傷付き性にも優れることが開示されている。
これらの技術を用いれば、衝撃強度が要求される外装用途に適した無塗装の射出成形体を得ることができる。
実際に、前記技術に用いられる材料にて、使用態様を想定した汚れ試験を行なうと、付着した汚れが落ちにくいという結果であった。
また、積層体の製造方法や材料の選定によっては、成形後に反り変形を生じたり、或いはヒートサイクル試験において寸法変動が大きい場合もあり、大型製品への適用に、難点があった。
ポリプロピレン樹脂組成物(A):
(a)ポリプロピレン樹脂:100重量部
(b)エチルアクリレート重合単位の比率が5〜50重量%であるエチレン・エチルアクリレート共重合体:0.5〜15重量部
(c)脂肪酸アミドまたはその誘導体:0.05〜2.5重量部
(d)熱可塑性エラストマー:0〜35重量部
(e)無機フィラー:0〜35重量部
(f)着色剤:0〜50重量部
ポリプロピレン樹脂組成物(B):
(α)ポリプロピレン樹脂:10〜99重量%
(β)無機フィラー:1〜35重量%
(γ)熱可塑性エラストマー:0〜50重量%
(δ)着色剤:0〜5重量%
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、ポリプロピレン樹脂組成物(A、B)に配合されるポリプロピレン樹脂(a、α)は、プロピレン単独重合体、又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体若しくはプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体であり、メルトフローレート(MFR)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が10〜200g/10分であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂二層成形体が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、ポリプロピレン樹脂組成物(B)に配合される無機フィラー(β)は、炭素繊維単体または炭素繊維とタルクの併用系であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂二層成形体が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、スキン層(S)となるポリプロピレン樹脂組成物(A)を射出成形又は射出圧縮成形し、得た成形体の表面上に、コア層(C)となるポリプロピレン樹脂組成物(B)を射出成形又は射出圧縮成形する、二層射出成形法により得られることを特徴とするポリプロピレン系樹脂二層成形体が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、ポリプロピレン樹脂組成物(A、B)に配合されるポリプロピレン樹脂(a、α)は、プロピレン単独重合体、又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体若しくはプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体であり、メルトフローレート(MFR)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が10〜200g/10分であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂二層成形体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第6の発明において、ポリプロピレン樹脂組成物(B)に配合される無機フィラー(β)は、炭素繊維単体または炭素繊維とタルクの併用系であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂二層成形体の製造方法が提供される。
以下に、I.ポリプロピレン系樹脂二層成形体の構成、II.ポリプロピレン系樹脂二層成形体の製造方法、III.スキン層(S)に用いられるポリプロピレン樹脂組成物(A)の構成成分と製造、IV.コア層(C)に用いられるポリプロピレン樹脂組成物(B)の構成成分と製造、V.ポリプロピレン系樹脂二層成形体の用途について、詳細に説明する。
本発明のポリプロピレン系樹脂二層成形体の実施態様としては、耐汚染性を有する前記ポリプロピレン樹脂組成物(A)を衣装面となるスキン層(S)に用い、内面となるコア層(C)には、寸法安定性に優れたポリプロピレン樹脂組成物(B)を用いて、スキン層(S)とコア層(C)を積層すれば、本発明の効果を発現することができる。
望ましいスキン層(S)とコア層(C)との積層体の厚みとしては、例えば、ポリプロピレン樹脂組成物(A)からなるスキン層(S)の厚みが0.2〜2mmであり、好ましくは、0.5〜1.5mmであり、一方、ポリプロピレン樹脂組成物(B)からなるコア層(C)の厚みが1.5〜5mmであり、好ましくは、2〜4mmであり、また、積層体全体の厚みが1.5〜7mmであり、好ましくは、2.5〜5mmである。
耐汚染性については、各層の厚みによってその効果が変化するものでは無いものの、積層体としての諸性能は各層の厚みによって変化するので、積層体としての諸性能に適した層厚みにすれば良いが、例えば、本発明の効果の一つである寸法安定性(低線膨張性、低反り変形性)については、スキン層(S)厚みを薄くする方が良く、スキン層(S)/コア層(C)の比率を1以下、好ましくは0.5以下にするのが良い。また、スキン層(S)とコア層(C)の間に接着層を設けても、本発明の効果を発現することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂二層成形体である前記構成からなる積層体は、二層射出成形法、インサート射出成形法などの製造方法を用いることにより、作製が可能であり、スキン層(S)の厚みをより薄くする方法として、射出圧縮成形や、金型のHeat and cool法、高速射出成形と、組あわせて成形することが好ましい。
これは、二層成形体の反り変形の発生メカニズム(図3参照。)として、2次材として成形された樹脂が収縮する際の収縮応力が1次材の剛性より強いことに起因するものであり、反り変形抑止のためには、2次材の収縮率を小さくすることが有効であり、そのメカニズムの考察結果から、本発明では、コア層(C)となるポリプロピレン樹脂組成物(B)は、低収縮材であるので、これを2次材として成形することにより、反り変形に優れた積層体を得ることができる。
(1)ポリプロピレン樹脂(aA)
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)に用いるポリプロピレン樹脂(a)は、(i)耐汚染性に優れるプロピレン単独重合体や、(ii)プロピレンと炭素数2〜10のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、例えば、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体などから選ばれる樹脂である。共重合体に用いるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどから選ばれ、中でも、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
ここで、MFRは、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠し、試験条件:230℃、2.16kg荷重で測定する値である。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)において、必須成分として用いるエチレン・エチルアクリレート共重合体(b)は、エチルアクリレート重合単位の比率が5〜50重量%であり、7〜30重量%が好ましく、10〜20重量%が特に好ましい。エチルアクリレート重合単位の比率が5重量%未満であると、耐汚染性が劣り、一方、50重量%を超えると、耐熱性、剛性が低下したり、層状剥離等の成形品の外観不良が発生したりするので好ましくない。
ここで、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠し、試験条件:190℃、2.16kg荷重で測定する値である。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)において、必須成分として用いる脂肪酸アミド又はその誘導体(c)としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ラウリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリル酸アミド等が挙げられ、これらの中から選ばれる一種又は二種以上を併用して使用することができ、中でも、オレイン酸アミドが好ましい。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)において、任意成分として用いる熱可塑性エラストマー(d)は、耐衝撃性、成形性の向上、収縮特性の調整等を目的に、用いられる。熱可塑性エラストマー(d)としては、具体的には、エチレン−プロピレンエラストマー、エチレン−ブテン−1エラストマー、エチレン−オクテン−1エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエンエラストマー、ポリブタジエン、スチレン−ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン等のジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エチレン系アイオノマー樹脂、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)において、任意成分として用いる無機フィラー(e)は、積層体としての剛性の向上、寸法の調整等を目的に用いられる。無機フィラーとしては、タルク、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられるが、これらフィラーの添加は、光沢の低下や、表面粗れがおき、塗装並みの外観品質が得られなくなるので、添加する場合は量を少なくしたほうが良い。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)には、目的とする色彩に応じて着色剤(f)を配合することができる。着色剤(f)としては、白色系の酸化チタン、亜鉛華、リトボン、鉛白、赤色系の弁柄、鉛炭、モリブデンレッド、カドミウムレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、リソールレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッド、チオインジゴレッド、アリザリンレッド、キナクリドンレッド、ローダミンレーキ、オレンジレーキ、ベンズイミダゾロンレッド、ピラゾロンレッド、縮合アゾレッド、ペリレンレッド、パーマネントカーミンFB、キナクリドンマゼンダ、黄色系の黄鉛、カドミウムイエロー、チタンイエロー、鉄黄、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、ファーストイエロー、フラボンスロンイエロー、ナフトールイエロー、キノリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、HRイエロー、縮合アゾイエロー、橙色系のクロムオレンジ、カドミウムオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、緑色系のクロムグリーン、酸化クロム、ギネグリーン、スピネルグリーン、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーン、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、茶系の亜鉛フェライト、青色系の紺青、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、ファーストスカイブルーレーキ、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、紫色系のマンガン紫、コバルト紫、紫弁柄、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、黒色系のカーボンブラック、鉄黒等を挙げることができる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)においては、本発明の効果を損なわない範囲で、或いは、更に性能の向上をはかるために、上記成分以外に、以下に示す任意成分を、適宜配合することができる。具体的には、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、核剤、難燃剤、分散剤、顔料、発泡剤などを挙げることができる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)に配合される前記各成分の割合は、(a)ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、(b)エチレン・エチルアクリレート共重合体0.5〜15重量部、(c)脂肪酸アミド又はその誘導体0.05〜2.5重量部、(d)熱可塑性エラストマー0〜35重量部、(e)無機フィラー0〜35重量部、(f)着色剤0〜50重量部であり、好ましくは、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、エチレン・エチルアクリレート共重合体1〜11重量部、脂肪酸アミド又はその誘導体0.1〜1.5重量部、熱可塑性エラストマー0〜25重量部、無機フィラー0〜25重量部であり、さらに好ましくは、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、エチレン・エチルアクリレート共重合体3〜8重量部、脂肪酸アミド又はその誘導体0.2〜1重量部、熱可塑性エラストマー0〜15重量部、無機フィラー0〜15重量部である。
また、着色剤(f)を用いる場合は、用いる着色剤により一概には決められないが、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましい。
本発明で用いるポリプロピレン樹脂組成物(A)は、上記成分(a)〜(f)を、従来公知の方法で、各配合成分を上記配合割合で配合・混合し、溶融混練することにより製造できる。
溶融混練は、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練・造粒することによって、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)が得られる。
この場合、各成分の分散を良好にすることができる混練・造粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸押出機を用いて行われる。この混練・造粒の際には、上記各成分の配合物を同時に混練してもよく、また性能向上をはかるべく各成分を分割して混練する、すなわち、例えば、先ずポリプロピレン樹脂の一部又は全部と熱可塑性エラストマーとを混練し、その後に残りの成分を混練・造粒するといった方法を採用することもできる。
(1)ポリプロピレン樹脂(α)
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(B)に用いるポリプロピレン樹脂(α)は、(i)プロピレン単独重合体や、(ii)プロピレンと炭素数2〜10のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、例えば、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体などから選ばれる樹脂である。共重合体に用いるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどから選ばれ、中でも、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
ここで、MFRは、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠し、試験条件:230℃、2.16kg荷重で測定する値である。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(B)において、必須成分として用いる無機フィラー(β)は、積層体の寸法安定性(低線膨張性と低反り変形性)を目的に用いられる。
無機フィラー(β)としては、タルク、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられ、タルク、マイカ、ガラス繊維、炭素繊維などが好ましいが、無機フィラー(β)として炭素繊維を選定した場合には、少量の添加で効果があり、積層体の軽量化が可能となるので好ましい。
これらの無機フィラーは、1種または2種以上を混合して使用することができ、混合する場合は、炭素繊維とタルクの組み合わせが低線膨張性に優れるので、好ましい。
また、このチョップドカーボンファイバーの形状は、直線状のものだけでなく、繊維が湾曲したカール状のカーボンファイバーであっても良い。
このようなチョップドカーボンファイバーの具体例としては、PAN系炭素繊維では、東レ(株)社製商品名「トレカチョップ」、三菱レーヨン(株)社製商品名「パイロフィル(チョップ)」、東邦テナックス(株)社製商品名「ベスファイト(チョップ)」等を挙げることができ、ピッチ系炭素繊維では、三菱化学産資(株)社製商品名「ダイアリード」、大阪ガスケミカル(株)社製商品名「ドナカーボ(チョップ)」、呉羽化学(株)社製商品名「クレカチョップ」等を挙げることができる。
また、見かけ比容を2.50ml/g以下にしたいわゆる圧縮タルクを用いても良い。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(B)において、任意成分として用いる熱可塑性エラストマー(γ)は、耐衝撃性、成形性の向上、線膨張係数、収縮率などの調整等を目的に用いられる。熱可塑性エラストマー(γ)としては、ポリプロピレン樹脂組成物(A)に用いるものと、同様のものが使用できる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(B)には、目的とする色彩に応じて着色剤(δ)を配合することができる。着色剤(δ)としては、ポリプロピレン樹脂組成物(A)に用いるものと、同様のものが使用できる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(B)においては、本発明の効果を損なわない範囲で、或いは、更に性能の向上をはかるために、上記成分以外に、以下に示す任意成分を、適宜配合することができる。具体的には、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、核剤、難燃剤、分散剤、顔料、発泡剤などを挙げることができる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(B)に配合される前記各成分の割合は、(α)ポリプロピレン樹脂10〜99重量%、(β)無機フィラー1〜35重量%、(γ)熱可塑性エラストマー0〜50重量%、(δ)着色剤0〜5重量%であり、好ましくは、ポリプロピレン樹脂25〜94重量%、無機フィラー1〜30重量%、熱可塑性エラストマー5〜40重量%、着色剤0〜5重量%、さらに好ましくは、ポリプロピレン樹脂30〜89重量%、無機フィラー1〜30重量%、熱可塑性エラストマー10〜35重量%、着色剤0〜5重量%である。
必須成分である無機フィラーの配合割合が1重量%未満であると、線膨張係数が大きくなるので、積層体の寸法安定性、反り変形性が悪化し、一方、35重量%を超えると、衝撃性や成形性が低下する。
本発明で用いるポリプロピレン樹脂組成物(B)は、上記成分(α)〜(δ)を、従来公知の方法で、各配合成分を上記配合割合で配合・混合し、溶融混練することにより製造できる。溶融混練などは、ポリプロピレン樹脂組成物(A)に用いる方法と、同様の方法が使用できる。
本発明のポリプロピレン系樹脂二層成形体は、耐汚染性や耐傷付き性に優れ、且つ寸法安定性(低線膨張性、低反り変形性)に優れていることから、各種家電製品、各種工業部品分野、特に大型化された自動車の外装製品、例えば、バンパー、サイドロッカーカバー、サイドモール、オーバーフェンダー、バックドア、ガーニッシュなどに使用可能な性能を有している。そのため、上記用途に好適に用いることができる。
先ず、二層射出成形体の製造方法として、多数の材料評価を効率的に行う目的でインサート成形法を用い、以下の手順で試験片を作製した。
手順2:120×120×3.5mmtのキャビティを有した金型に手順1で得たスキン層材の平板シートをインサートする。
手順3:手順2でインサートされたスキン層材の表面にコア層材を射出成形し、スキン層厚みが1mmでコア層厚みが2.5mmの二層成形体を得た。
尚、コア層となるポリプロピレン樹脂組成物(B)の線膨張係数測定用には、スキン層材をインサートしない状態で、コア層材のみを成形した120×120×3.5mmtの平板を用いた。
成形条件は、以下のとおりである。
成形機:東芝機械社製 IS170FII
金 型:平板金型(120×120mmのキャビティ入れ子が交換可能)
スキン層材成形温度:240℃
コア層材成形温度:220℃
金型温度:40℃
JIS B7753の「サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機」に準拠したサンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機に取り付け、JIS−K7350−4の「プラスチック−実験室光源による暴露試験方法−第4部:オープンフレームカーボンアークランプ」に準拠したブラックパネル63℃、降雨時間12分/60分、の条件で1000時間放置後、シートを流水下にて市販のスポンジにて洗浄し、汚れ度合いを目視にて、次の4段階の評価基準で評価した。
◎:汚れが目立たない
○:若干汚れが目立つ
△:やや汚れが目立つ
×:汚れが目立つ
JIS K7197の「プラスチックの熱機械分析による線膨脹率試験方法」に準拠した熱機械分析装置(TMA装置)を用い、成形体の中央部を長さ10mm×幅10mmの短冊状に切削したものを試験片として、23℃から80℃までの平均線膨張率(℃−1)即ち(/℃)を測定した。
積層体の1端を固定した時の他端の浮き上がり量を計測し(図4参照。)、次の3段階の評価基準でランク付けした。
○:浮き上がり量が0mm〜10mmである。
△:浮き上がり量が10mm〜20mmである。
×:浮き上がり量が20mm以上である。
なお、溶融混練時の熱安定剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製の酸化防止剤「イルガノックス1010」を、組成物100重量部に対して、0.1重量部添加し、評価材料とした。
a−1:プロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株) ノバテックPP MA06)
a−2:プロピレン・エチレンブロック共重合体(日本ポリプロ(株) ノバテックPP BC03B)
(b)エチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA):
エチルアクリレートの重合単位比率が20wt%のEEAを用いた。
(c)肪酸アミド又はその誘導体:
市販のオレイン酸アミドを用いた。
(d)熱可塑性エラストマー:
d−1:エチレン−ブテン−1エラストマー
d−2:エチレン−オクテン−1エラストマー
(f)着色剤:
酸化チタン(石原産業製タイベークCR−90)
なお、溶融混練時の熱安定剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製の酸化防止剤「イルガノックス1010」を、組成物100重量部に対して、0.1重量部添加し、評価材料を得た。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(日本ポリプロ(株) ノバテックPP BC03B)
(β)無機フィラー:
β−1:炭素繊維(CF);東レ社製 PAN系炭素繊維 TW12(繊維径7μm、繊維長6mm)
β−2:タルク;林化成社製 ミクロンホワイト5000A(粒径:7.8μm)
(γ)熱可塑性エラストマー:
γ−1:エチレン−ブテン−1エラストマー
γ−2:エチレン−オクテン−1エラストマー
Claims (8)
- スキン層(S)とコア層(C)とからなるポリプロピレン系樹脂二層成形体であって、
スキン層(S)は、下記ポリプロピレン樹脂組成物(A)からなり、及び
コア層(C)は、下記ポリプロピレン樹脂組成物(B)からなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂二層成形体。
ポリプロピレン樹脂組成物(A):
(a)ポリプロピレン樹脂:100重量部
(b)エチルアクリレート重合単位の比率が5〜50重量%であるエチレン・エチルアクリレート共重合体:0.5〜15重量部
(c)脂肪酸アミドまたはその誘導体:0.05〜2.5重量部
(d)熱可塑性エラストマー:0〜35重量部
(e)無機フィラー:0〜35重量部
(f)着色剤:0〜50重量部
ポリプロピレン樹脂組成物(B):
(α)ポリプロピレン樹脂:10〜99重量%
(β)無機フィラー:1〜35重量%
(γ)熱可塑性エラストマー:0〜50重量%
(δ)着色剤:0〜5重量% - ポリプロピレン樹脂組成物(A、B)に配合されるポリプロピレン樹脂(a、α)は、プロピレン単独重合体、又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体若しくはプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体であり、メルトフローレート(MFR)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が10〜200g/10分であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂二層成形体。
- ポリプロピレン樹脂組成物(B)に配合される無機フィラー(β)は、炭素繊維単体または炭素繊維とタルクの併用系であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂二層成形体。
- ポリプロピレン樹脂組成物(B)の23℃から80℃までにおける線膨張係数が6×10−5cm/(cm・℃)以下であり、及び二層成形体の23℃から80℃までにおける線膨張係数が10×10−5cm/(cm・℃)以下である低線膨張性を有することを特徴する請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂二層成形体。
- スキン層(S)となるポリプロピレン樹脂組成物(A)を射出成形又は射出圧縮成形し、得た成形体の表面上に、コア層(C)となるポリプロピレン樹脂組成物(B)を射出成形又は射出圧縮成形する、二層射出成形法により得られることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂二層成形体。
- スキン層(S)となるポリプロピレン樹脂組成物(A)を射出成形又は射出圧縮成形し、次いで、得られた成形体の表面上に、コア層(C)となるポリプロピレン樹脂組成物(B)を射出成形又は射出圧縮成形することを特徴とする、請求項5に記載のポリプロピレン系樹脂二層成形体の製造方法。
- ポリプロピレン樹脂組成物(A、B)に配合されるポリプロピレン樹脂(a、α)は、プロピレン単独重合体、又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体若しくはプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体であり、メルトフローレート(MFR)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が10〜200g/10分であることを特徴とする請求項6に記載のポリプロピレン系樹脂二層成形体の製造方法。
- ポリプロピレン樹脂組成物(B)に配合される無機フィラー(β)は、炭素繊維単体または炭素繊維とタルクの併用系であることを特徴とする請求項6に記載のポリプロピレン系樹脂二層成形体の製造方法。
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