JP4719974B2 - 電子機器及び電子機器の起動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のデバイスを有する電子機器及び電子機器の起動方法に関し、特に、複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを再起動する電子機器、及び複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを再起動する電子機器の起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のデバイスを有して構成される電子機器を起動する際には、各デバイスが起動するのを待って、次のデバイスの起動処理が行われるようになっている。この起動動作の際、不具合が生じたデバイスに対しては、正常に起動されるまで再起動動作が繰り返されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電子機器は、各デバイスを起動する毎に各パラメータの確認をしていたため、1つのデバイスに不具合が生じた場合、初期化のための繰り返し動作がその都度行われ、全体の起動完了までに長時間を要したり、起動完了までに要する時間が一定しないという問題点があった。
【0004】
また、このような問題を回避する方法として、或いは、ユーザからの指示に対しての追従性を重視するために、起動完了までの時間に一定の制限を設ける場合もあるが、この場合、繰り返し処理が永久ループにならないようにループを脱却する処理を行うため、あるデバイスのみが正常に起動されないまま起動処理が終了されてしまうことになる。この結果、起動後にリフレッシュ(修正動作)が不可能なデバイスに対しては、電源を再投入することによって起動処理を最初からやり直す方法しかなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、何らかの要因によって起動不良が発生しても、全てのデバイスの起動が完了した後に起動不良のデバイスを再起動することが可能な電子機器及び電子機器の起動方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、外部から起動される複数のデバイスからなる電子機器であって、複数のデバイスの各々を起動制御するとともに、複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを検出し、起動不良のデバイスを除く他の全てのデバイスの起動完了後に検出された起動不良のデバイスを再起動する制御手段を備え、制御手段は、起動制御に対して複数のデバイスの各々から返信される肯定応答(ACK)を受信したか否かに応じて起動不良を検出し、複数のデバイスの各々からの肯定応答(ACK)が得られなくとも次のデバイスに対する起動処理を続行して上記複数のデバイスの全てについて起動処理を終了させた後、上記再起動を行う。
【0007】
ここで、制御手段は、複数のデバイスの各々からの応答に応じて起動不良を検出し、起動不良をフラグとして記憶することがあげられる。
【0008】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器の起動方法は、外部から起動される複数のデバイスからなる電子機器の起動方法であって、複数のデバイスの各々を起動制御するとともに、複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを検出する工程と、起動不良のデバイスを除く他の全てのデバイスの起動完了後に検出された起動不良のデバイスを再起動する工程とを有し、起動制御に対して複数のデバイスの各々から返信される肯定応答(ACK)を受信したか否かに応じて起動不良を検出し、複数のデバイスの各々からの肯定応答(ACK)が得られなくとも次のデバイスに対する起動処理を続行して上記複数のデバイスの全てについて起動処理を終了させた後、上記再起動を行う。
【0009】
ここで、複数のデバイスの各々からの応答に応じて起動不良を検出し、起動不良をフラグとして記憶しておくことがあげられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一構成例を図面を参照して説明する。本発明の実施の形態として示す電子機器は、外部から起動される複数のデバイスからなる電子機器であって、複数のデバイスの各々の起動制御するとともに、複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを検出し、全てのデバイスの起動完了後に上記検出された起動不良のデバイスを再起動する制御手段を備えるものである。また、制御手段は、複数のデバイスの各々からの応答に応じて、デバイスの起動不良を検出し、複数のデバイスの各々の起動不良をフラグとして記憶することによって、起動不良のデバイスを再起動すること可能としている。本実施の形態では、本発明をテレビジョン受像装置として構成された電子機器として説明してある。
【0011】
本発明の実施の形態では、図1に示すように、本発明をテレビジョン受像装置として構成された電子機器において、特に、音声出力系に適用した場合について説明してある。すなわち、テレビジョン受像装置1は、テレビジョン受像装置の基本的な回路構成として、主として、アンテナ11と、チューナ12と、セレクタ13と、映像処理部15と、マトリクス回路16と、ドライブ回路17と、陰極線管18と、偏向系19と、内部バスライン20と、制御部21と、操作キー22と、赤外線信号受光部23と、ダイオードブリッジ32と、第1のスイッチング電源回路33と、電圧監視回路36及び37と、ダイオードブリッジ41と、第2のスイッチング電源回路42と、電圧監視回路44と、音声出力系50とを備えている。
【0012】
テレビジョン受像装置1において、上記各部は、以下のように動作する。チューナ12は、アンテナ11を介して、所定のチャンネルのテレビジョン放送波を受信して映像信号を得、この映像信号をセレクタ13に供給する。また、複数の外部入力端子14a乃至14nを介して入力される映像信号もまたセレクタ13に供給される。セレクタ13は、チューナ12からの映像信号及び複数の外部入力端子14a乃至14nからの所定の映像信号を選択して映像処理部15へ供給する。映像処理部15は、セレクタ13からの映像信号に対して、必要な各種処理を施し、マトリクス回路16へと送る。映像処理部15で処理された映像信号は、マトリクス回路16に供給され、原色信号R、G、Bに変換する処理が施される。ドライブ回路17は、変換された後の原色信号R、G、Bを陰極線管18を駆動する信号へと変換し、陰極線管18の電子銃を駆動する。また、映像処理部15において映像信号から分離された同期信号成分は、偏向系回路19に供給され、陰極線管18の偏向コイル(図示せず)を駆動する。
【0013】
テレビジョン受像装置1を構成する各回路における処理は、テレビジョン受像装置1が備えるシステムコントローラとしての制御部21によって統括制御されている。制御部21は、内部バスライン20を介して各回路に指令を送る構成とされ、操作キー22からの操作情報や赤外線受光部23が受光したリモートコントロール装置からの遠隔制御信号に基づいて、チャンネル選択、入力選択、表示モード等の各種制御を行う。制御部21は、各部の制御状態を、例えば、フラグとして検出する。また、制御部21は、上記フラグを記憶するメモリ、例えば、不揮発性メモリを備え、テレビジョン受像装置1の電源投入時には、このメモリに記憶された最後の状態(以下、ラストコンディションと記す。)を読み出し、このラストコンディションに基づいて、内部バスライン20で接続された各部に設定する初期設定処理を行う。この初期設定で設定されるラストコンディションとしては、例えば、チューナ12で受信するチャンネルの設定、セレクタ13で選択する入力の設定、映像処理部15で処理する表示モードの設定、音声処理部での音量の設定等があげられる。また、制御部21は、テレビジョン受像装置1の起動時及び設定内容の変更時等に、チューナ12、映像処理部15、音声出力系50等の各デバイスの起動不良を検出した場合、後述する復帰処理(再起動)を行う。すなわち、制御部21は、内部構造として、起動制御機能部、起動不良検出機能部、再起動制御機能部を有する制御手段とみなすことができる。
【0014】
なお、図1に示した音声出力系50は、具体的には、音声処理用のDSP(Digital Signal Processor)回路51と、A/D(Analog to Digital)変換回路52と、D/A(Digital to Analog)変換回路53と、音量の変換を行うボリューム変換(VOL)回路53と、音声を出力するためのAMP(Amplifier)回路55と、スピーカ56とを有している。ここで、A/D変換回路52とD/A変換回路53は、これら2つの回路特性を有した音声CODEC(Code/Decode)回路であってもよい。
【0015】
本実施の形態のテレビジョン受像装置1は、この制御部21とその周辺回路に供給する電源の回路と、チューナ12から陰極線管18、偏向系19までの受像処理を行う回路に供給する電源の回路とが別系統とされている。すなわち、このテレビジョン受像装置1は、商用交流電源31を入力電源として使用してある。この商用交流電源31は、例えば110V〜240Vまでの範囲の交流電源である。この商用交流電源31が得られる電源ラインに接続された入力部を、電源スイッチSW1及びスイッチSW2を介してダイオードブリッジ32に接続し、このダイオードブリッジ32で整流された電源を、第1のスイッチング電源回路33に供給する。電源スイッチSW1は、電源の投入操作を手動で行うスイッチであり、スイッチSW2は後述する制御部21により制御されるスイッチで、制御部21からの指令がない状態ではオフ状態とされるスイッチである。第1のスイッチング電源回路33は、スイッチングトランジスタ等の高周波で電源をスイッチングする素子と、その制御回路で構成されて、110V〜240Vまでの範囲の入力電源に対応して、2次側に直流低圧電源を得る回路であり、比較的大容量の電源回路が使用される。スイッチング電源回路33とダイオードブリッジ32との間には、1次側コンデンサC11を接続する。
【0016】
第1のスイッチング電源回路33の2次側の出力は、端子34aと34bとの間に電源電圧VBBを得、端子35aと35bとの間に電源電圧VCCを得る構成としてある。第1のスイッチング電源回路33と端子34a及び34bとの間には、平滑用コンデンサC12が接続してあり、この端子34a及び34bに得られる電源電圧VBBの電圧を電圧監視回路36で監視する構成としてある。また、第1のスイッチング電源回路33と端子35a及び35bとの間には、平滑用コンデンサC13が接続してあり、この端子35a及び35bに得られる電源電圧VCCの電圧を電圧監視回路37で監視する構成としてある。各電圧監視回路36及び37における監視出力は、内部バスライン20を介して制御部21に伝送する構成としてある。ここでは、電源電圧VBBは、5Vとし、電源電圧VCCは、12Vとする。
【0017】
端子34a及び34bに得られる電源電圧VBBは、チューナ12から陰極線管18、偏向系19までの受像処理を行う回路系内において5V電源を必要とする回路に供給されている。また、端子35a及び35bに得られる電源電圧VCCは、チューナ12から陰極線管18、偏向系19までの受像処理を行う回路系内において12V電源を必要とする回路に供給されている。
【0018】
制御部21とその周辺回路に供給する電源の回路としては、商用交流電源31が得られる電源ラインに接続された入力部を電源スイッチSW1を介してダイオードブリッジ41に接続し、このダイオードブリッジ41で整流された電源を第2のスイッチング電源回路42に供給する。第2のスイッチング電源回路42は、スイッチングトランジスタ等の高周波で電源をスイッチングする素子と、その制御回路とで構成され、110V〜240Vまでの範囲の入力電源に対応して2次側に直流低圧電源を得る回路であり、比較的小容量の電源回路が使用されている。スイッチング電源回路42とダイオードブリッジ41との間には、1次側コンデンサC21が接続されている。
【0019】
第2のスイッチング電源回路42の2次側の出力としては、端子43aと43bとの間に電源電圧VAAを得る構成としてある。第2のスイッチング電源回路42と端子43a及び43bとの間には、平滑用コンデンサC22が接続され、この端子43aと43bとの間に得られる電源電圧VAAの電圧を電圧監視回路44で監視する構成としてある。この場合、平滑用コンデンサC21の放電時定数は、第1のスイッチング電源回路33の1次側に接続された平滑用コンデンサC11の放電時定数よりも大きくして、放電されるまでの時間を長くしてある。電圧監視回路44における監視出力は、制御部21に伝送される。ここでは、電源電圧VAAは5Vとし、この端子43a及び43bに得られる電源電圧VAAは、制御部21と赤外線受光部23とに供給される。
【0020】
次に、このように構成されたテレビジョン受像装置1の電源投入時及び設定変更時の処理について図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3では、本発明をテレビジョン受像装置1として構成された電子機器において、特に、音声出力系に適用した場合の処理について説明してある。
【0021】
ユーザが電源スイッチSW1をオン状態に操作すると、第2のスイッチング電源回路42に交流電源を整流した電源が供給されて、この第2のスイッチング電源回路42の2次側の端子43a、43bに電源電圧VAAが得られるようになり、制御部21とその周辺回路に電源が供給される。この電源の供給で制御部21が作動を開始する。
【0022】
ステップS1において、制御部21は、内蔵する不揮発性メモリに記憶されたラストコンディションを読み出し、このラストコンディションに基づく初期設定データを内部バスライン20を介して各回路に供給して、ラストコンディションでの受像状態を開始させる。
【0023】
ステップS2において、制御部21は、操作キー22の操作や赤外線受光部23での遠隔制御信号の受光に基づいて、チャンネル切換え、音量調整、表示モード変更等、制御状態を変更する処理を行う。なお、これらのキー操作や遠隔制御信号に基づいた制御があったときには、制御部21内のメモリに記憶されたラストコンディションの記憶データを更新する。
【0024】
ステップS3において、制御部21は、まず内部主電源としてのスイッチSW2をオン状態に制御して、第1のスイッチング電源回路33に交流電源を整流した電源を供給する。このとき、第1のスイッチング電源回路33が出力する電圧VBB及び電圧VCCの電源がチューナ12から陰極線管18、偏向系19までの受像処理を行う回路系に供給され、これらの回路で受像処理が開始される。
【0025】
まず、ドライブ回路17及び陰極線管18が起動(ステップS4)し、続いてチューナ12が起動(ステップS5)し、続いて映像処理部15が起動(ステップS6)する。ここでは、各ステップにおける各部の起動に関する詳細な説明は省略する。
【0026】
ステップS7において、制御部21は、音声出力系50を起動する起動プログラム及び係数データを準備する。
【0027】
ステップS8において、制御部21は、DSP回路51に対して音量等を設定するためのデータを送出する。本実施の形態では、バスクロック100KHzで11KHz周期、すなわち0.1msec間隔の信号として送られる。DSP回路51は、制御部21から上記周期で送られるデータを受信するたび、データに対する応答(以下、ACKと記す。)を制御部21へ返信している。
【0028】
制御部21は、ステップS9において、デバイスからの応答に応じて起動不良を検出する。すなわち、DSP回路51からのACKを受信したか否かの判別を行う。ACKが受信できない場合、制御部21は、ステップS10において、DSP回路51に対してステップS8で送出したデータを再度送り出し、ステップS8に戻る。ここでデータの再送動作は、予め、例えば10回と決められている。ここでの再送動作は、例えば、数ミリ秒間のように、所定期間繰り返すように設定してもよい。制御部21は、再送動作を所定回数繰り返しても、デバイスからの応答が得られない場合、デバイスの起動不良をフラグとして記憶する。すなわち、DSP回路51に対して音量等を設定するためのデータを10回送信してもACKが得られない場合、ステップS11において、DSP回路51を起動不良デバイスと判断し、音声出力系50に対して異常起動時の消音を実行する。同時に、制御部21は、起動不良を表すフラグ(No_ACK flag)を1として、ステップS7の動作に戻る。
【0029】
一方、制御部21は、ステップS9においてACKの受信を確認した場合、ステップS12おいて、音声出力系50へのデータ送出が完了したか否かの判別を行う。音声出力系50へのデータ送出が完了していない場合、制御部21は、ステップS7からの起動工程を繰り返す。データ送出が完了した場合、ステップS13へ進む。また、ここで、起動不良のデバイスに対して再起動処理を繰り返すことにより、起動完了までの期間が長くなったり、起動完了までに要する時間が一定しない等の問題を回避するため、起動不良を表すフラグが付けられている場合、DSP回路51を起動不良デバイスとし、ここでの再起動を諦めるとともに、準備されたデータを一通り送出することで次の処理への移行時間待ちを行い、ステップS13へ進む。
【0030】
装置全体の起動が一巡した場合、ステップS13において、フラグに応じて、音声出力系50の音声出力制御を行う。すなわち、No_ACK flagが1のとき、引き続き消音し、DSP回路51が正常に起動している場合は、消音を解除する。続いて、ステップS14において、ドライブ回路17、陰極線管18等における映像ブランキング処理を解除する。
【0031】
このように、制御部21は、ステップS11において、所定回数送信してもACKが得られない場合、DSP回路51を起動不良デバイスとして起動不良を表すフラグを付して再起動のルーチンから脱却することで、制御部21が起動不良のデバイスの再起動動作を繰り返すことによって他のデバイス、或いは、装置全体の起動時間が大きく変動することを防止している。
【0032】
続いて、図3のBから続くステップS15において、キー操作及び遠隔制御信号を受け付ける。
【0033】
ステップS16において、キー操作及び遠隔制御信号に応じて変更処理を行い、ステップS17において、制御部21は、修正動作(リフレッシュ処理)を行う。
【0034】
続いて、制御部21は、ステップS18において、DSP回路51が起動しているか否かを判別するために、DSP回路51の出力電圧端子(アライブ端子)における電圧状態を検出する。このとき、DSP回路51のアライブ端子の電圧がLOWの場合、すなわち、DSP回路51が正常に起動していない場合、ステップS19において起動不良を表すフラグを0に戻し、ステップS20においてDSP回路51の再起動を開始し、ステップS7からの起動処理に戻る。制御部21におけるDSP回路51の状態検出動作は、一定期間毎のように、定期的に行われる動作である。
【0035】
一方、ステップS18において、DSP回路51の出力電圧端子における電圧がHIGHを示している場合、ステップS21において、制御部21は、上述した起動不良を表す判別フラグの有無を確認する。No_ACK flagが1の場合、すなわち、DSP回路51が起動しているが起動不良を示すフラグが立っている場合、ステップS19に進み、ステップS20においてDSP回路51の再起動を開始する。また、No_ACK flagが0の場合、すなわち、DSP回路51が正常起動している場合、ステップS22に進み、キー操作及び遠隔制御信号を待機する。キー操作及び遠隔制御信号に応じて、ステップS15からの動作を繰り返す。
【0036】
上述したように、本発明に係る電子機器の一構成例としてのテレビジョン受像装置1は、装置全体の起動が一巡した後に、起動不良を示すフラグの有無を確認し、起動不良を示すフラグが立てられているデバイスに対して再起動を行う。したがって、起動不良を示すデバイスが動作可能になるまで再起動処理を繰り返し行うことが可能となる。この場合、1つのデバイスの起動が完了するのを待って次のデバイスの起動を開始する、待ち時間方式とは異なるため、特定のタイミングで発生する電圧の瞬断や、不規則に繰り返して発生する瞬断、デバイスの内部処理時間増加による通信不良等の影響を低減することが可能となる。
【0037】
図4及び図5に、以上説明した電源投入時の起動処理の様子が模式的に示されている。図4及び図5において、Aは、電源電圧の状態を示している。本実施の形態においては、装置が問題なく起動する電源電圧ラインが3.3Vに設定されている。Bは、検出された電源電圧の状態を示し、Cは、DSP回路51に入力される電源電圧を示す。Dは、制御部21からDSP回路51に対して送信される音量等を設定するデータを示している。ここでは、バスクロック100KHzで11KHz周期、すなわち0.1ミリ秒間隔の信号として送られている。これに対して、DSP回路51は、制御部21から上記周期で送られるデータを受信するたびに、制御部21に対して、データに対する応答(以下、ACKと記す。)を返信している。Eは、DSP回路51の出力電圧端子(アライブ端子)における電圧状態を示している。つまり、E信号がLOWならば、DSP回路51が正常に起動していないことを示し、E信号がHIGHならば、DSP回路51が正常に起動していることを示している。Fは、制御部21によって検出されるDSP回路51の出力電圧端子の電圧状態を示している。Gは、D/A変換回路53に入力される信号を示している。Hは、制御部21がDSP回路51の出力電圧端子の電圧(E)を検出する周期を示している。Iは、出力する音声を制限する旨の制御信号を示している。すなわち、ここでは消音する場合にHIGHであり、消音解除の場合にLOWとなる信号である。図4及び図5では、これら、A乃至Iの電圧及び信号の状態がそれぞれ、時間軸で対応して表示されている。
【0038】
テレビジョン受像装置1の起動時において、電源電圧が正常であるときの各部の動作について、図4に示す。
【0039】
まず、Aとして表される電源電圧が電源電圧ラインの3.3Vに達すると、これが検出され、DSP回路51に対して電流が供給され始める(C)。DSP回路51に入力される電圧は、徐々に上昇していく。ここで、制御部21は、図4に示すように、起動開始、すなわち電源SW1がオン状態にされてから、約0.7秒後にDSP回路51に対してデータの送信を開始し、開始後、約0.9秒間送信するように設定されている(H)。そのため、DSP回路51が起動するに十分な電圧に達するころ、制御部21からDSP回路51に対して音量等を設定するためのデータが送信される(D)。データが送信されると、DSP回路51の出力電圧端子(アライブ端子)がHIGHで安定する(E)。このアライブ端子における電圧が検出される(F)と、D/A変換回路53にデータが入力される(G)。制御部21は、所定時間経過後、一定周期で、ここでは、0.5秒周期でDSP回路51の出力電圧端子の電圧を検出する(H)。起動完了後、所定時間が経過すると、出力する音声の制限を示す信号がLOWになり、消音が解除される(I)。
【0040】
これに対して、テレビジョン受像装置1の起動時に電源電圧に異常が発生した場合の動作について、図5に示す。
【0041】
電源電圧が3.3Vまで立ち上がるのに、ある程度の期間を要する場合、DSP回路51の立ち上がりもまた、遅れることになる(C)。ところが、制御部21は、起動開始、すなわち電源SW1がオン状態にされてから、約0.7秒後にデータの送信を開始する(D)ため、DSP回路51が立ち上がるころには、既に制御部21からデータ送信が行われている。したがって、DSP回路51は、期間T1のデータが受け取れないこととなり、制御部21には、この期間のACKが返信されないことになる。ところが、DSP回路51の出力電圧端子(アライブ端子)は、データの初期、若しくは、中間部分を受信していなくてもHIGHで安定するため、制御部21からの初期データの一部が取得されないまま、すなわち、DSP回路51が正常に起動しないまま、起動処理が終了する場合がある。
【0042】
このような場合においても、テレビジョン受像装置1は、起動不良のまま取り残されたデバイスに対して、起動不良を示す旨のフラグを立てて記憶し、全てのデバイスの起動が完了した後に再起動することが可能であるため、複数あるデバイスのうち1つの起動が完了しないことによって、装置全体の起動が完了されない等の不具合を解消することができる。
【0043】
ここで、テレビジョン受像装置1における電源電圧を監視するための定常処理についての詳細を示す。テレビジョン受像装置1における制御部21は、各電圧監視回路36、37、44で検出した電源電圧の監視出力を常時判断し、その判断に基づいた制御を行っている。
【0044】
この定常処理において、制御部21は、電圧監視回路36で検出した電源電圧VBBが正常に作動する一定の範囲内の電圧値であるか否かを判断するとともに、制御部21は、電圧監視回路37で検出した電源電圧VCCが正常に作動する一定の範囲内の電圧値であるか否かを判断している。このとき、電源電圧値が一定の範囲内にあると判断したときには、定常処理を続行し、一定の範囲よりも電圧値が低いと判断したときには、初期設定処理に戻り、初期設定を必要とする回路にラストコンディションを設定させるためのデータを供給するところから繰り返される。ただし、この動作の際、スイッチSW2は、オン状態のまま維持させる。また、制御部21に供給される電源を監視する電圧監視回路44において、電源電圧VAAの異常を検出した場合にも、制御部21は、初期設定処理を実行する。
【0045】
このように本実施の形態のテレビジョン受像装置1によると、電源回路として受像処理等を行うメインの回路系に電源を供給する電源回路と、制御系に電源を供給する電源回路との2系統に分けた構成としたので、映像を表示させない待機時には容量の小さい第2のスイッチング電源回路42だけを作動させることで、待機時に無駄な電源供給がなく、待機時の消費電力を削減することができる。
【0046】
制御部21に電源を供給する1次側コンデンサC21及びスイッチング電源回路42に接続された平滑用コンデンサC22は、比較的放電時定数が大きなものを使用しているため、入力交流電源の電圧が瞬間的に低下するような異常事態が発生した場合であっても、放電時定数により直流電源VAAが制御部21に供給され続ける限り、制御部21は、作動し続ける。したがって、制御部21は瞬間的な交流電源の変動に対処できるようになっている。
【0047】
一方、メインの回路系に電源を供給するスイッチング電源回路33が出力する直流電源VBB及びVCCについては、スイッチング電源回路33の1次側に接続された平滑用コンデンサC11の放電時定数が、スイッチング電源回路42に接続された平滑用コンデンサC21の放電時定数よりも小さくしてあるので、入力交流電源の電圧が瞬間的に低下するような異常事態のとき、直流電源VBB及びVCCが瞬間的に低下してしまう。このとき、直流電源VBB及びVCCで作動する回路は、電源が一時的に供給されなくなる事態が発生して、各回路が誤動作する可能性がある。そこで、制御部21は、電圧監視回路36、37において検出された電源電圧に基づいて、直ちに初期設定処理が再度実行されるようになっている。そのため、直流電源VBB及びVCCで作動する回路は、一時的な電圧低下から直ちに元の動作状態に復帰するようになっている。
【0048】
このとき、一時的な電圧低下を検出して、元の動作状態に復帰する際の電源監視回路36及び37、制御部21、DSP回路51等の動作タイミングを図6を用いて説明する。図6には、電源電圧が瞬間的に寸断される、いわゆる瞬断が頻繁に起こる場合の各部の動作が示されている。
【0049】
図6(a)は、図4に示した正常起動時の動作を示している。図6(b)に示す領域において、電圧の瞬断が起こるとする。制御部21は、所定時間経過後は、一定周期(0.5秒周期)でDSP回路51の出力電圧端子の電圧を検出しているため、電源電圧の瞬断がDSP回路51の出力電圧端子の電圧状態に反映された(E)後、時刻L1において、初めてこれを検出する。出力電圧端子の電圧がLOWの場合、LOWを検出してから所定期間経過した後、再度データを送信する。所定期間は、ここでは、例えば0.9秒に設定されている。その後、約1.5秒間の間データ再送信が行われる(D)。
【0050】
電源を複数備えている場合、このような瞬断は、比較的頻繁に起こることが考えられる。図6(c)に瞬断が続く場合について示す。図6(b)に示した場合と同様に瞬断が発生(A)し、時刻L2において出力電圧端子の電圧がLOWであることが検出された場合(F)、制御部21は、所定期間(0.9秒間)経過したのち、データを再び送出し始める(D)が、このとき、再び瞬断が起こると、DSP回路51は、期間T2のデータを受信できないことになる。ところが、DSP回路51の出力電圧端子(アライブ端子)は、データの初期、若しくは、中間部分を受信していなくてもHIGHで安定するため、制御部21からのデータが一部取得されないまま、すなわち、DSP回路51が正常に起動しないまま、起動処理が終了する場合がある。
【0051】
このように、待機状態での消費電力を低下させるために、電源回路をメインの回路系用の電源回路と制御系用の電源回路との2系統とした構成としたテレビジョン受像装置1では、入力交流電源の瞬間的な低下時に、制御部21がメインの回路系用の電源回路における異常を直ちに判断し、初期設定を再度実行するため、入力交流電源の瞬間的な低下による誤動作を防止できるが、逆に瞬間的な電流の低下が断続的に生じる場合、初期設定を繰り返し行うことになり、起動完了までに多大な時間を要する場合がある。
【0052】
しかし、本実施の形態として示したテレビジョン受像装置1によれば、定常処理において、上述のように起動不良のまま取り残されたデバイスに対しても、起動不良を示す旨のフラグを立てて記憶し、全てのデバイスの起動が完了した後に再起動することが可能となるため、複数あるデバイスのうち1つの起動が完了しないことによって、装置全体の起動が完了されない等の不具合を解消することができる。
【0053】
なお、制御系用の電源回路である第2のスイッチング電源回路42に接続された平滑用コンデンサC21の放電時定数を、第1のスイッチング電源回路33に接続された平滑用コンデンサC11の放電時定数よりも大きく設定してあるが、第2のスイッチング電源回路42は、制御系にだけ電源を供給する回路であるため、小容量の電源でもよい。そのため、平滑用コンデンサC21の放電時定数を大きくしたとしても、コンデンサC21として使用するコンデンサとしてそれほど大きな容量のコンデンサは必要ない。
【0054】
また、本実施の形態の場合には、電源回路がメインの回路系用と制御系用とで完全に別の構成としてあるため、待機時と作動時とでの第2のスイッチング電源回路42の2次側における負荷インピーダンスの変動が発生しない。このため、平滑用コンデンサC21の放電時定数を、平滑用コンデンサC11の放電時定数よりも大きくすることが可能である。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、メインの回路系に電源を供給する電源回路は、第1のスイッチング電源回路33で構成したが、メインの回路系に電源を供給する電源回路を複数の電源回路から構成し、それぞれの電源回路の2次側の電圧を監視する構成としてもよい。また、上述した実施の形態では、電源回路としてスイッチング素子を使用したスイッチング電源回路としたが、他の電源回路により構成してもよい。
【0056】
また、上述した実施の形態では、入力交流電源として、110V〜240Vの範囲の交流電源に対応した電源回路としたが、このような可変電圧に対応した電源回路でなくてもよい。また、その電源電圧値についても、100V等の他の電圧値としてよい。また、上述した実施の形態では、商用交流電源を直流低圧電源に変換する電源回路としたが、自動車用バッテリから得られる直流電源を直流低圧電源に変換する電源回路等の他の電源回路を備えた機器にも適用できる。
【0057】
また、本実施の形態では、複数のデバイスからなる電子機器をテレビジョン受像装置であるとして、特に、音声処理用のDSP回路に適用した場合について説明したが、音声処理用デバイスに限定されることなく、各デバイスに対して、起動不良のデバイスを検出し、全てのデバイスの起動完了後に上記検出された起動不良のデバイスを再起動する処理を行うようにしてもよい。
【0058】
さらに、本発明は、メインの回路系と制御系とで電源を分ける必要のある各種電子機器であれば適用することができる。例えば、音声信号源(チューナ、ディスク再生装置等)から得られる音声信号をアンプ部で信号処理して、スピーカ装置から音声を再生させるステレオ再生装置等のオーディオ機器に適用することもできる。
【0059】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0060】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る電子機器は、外部から起動される複数のデバイスからなる電子機器であって、複数のデバイスの各々を起動制御するとともに、複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを検出し、全てのデバイスの起動完了後に検出された起動不良のデバイスを再起動する制御手段を備える。
【0061】
ここで、制御手段は、複数のデバイスの各々からの応答に応じて起動不良を検出し、起動不良をフラグとして記憶することがあげられる。
【0062】
したがって、本発明に係る電子機器は、内部での処理時間増大に起因する内部回路間の通信不能から生じる起動不良等、装置起動中に何らかの要因によって起動不良が発生しても、起動不良を示す旨のフラグを立てて記憶し、全てのデバイスの起動が完了した後に再起動することが可能となる。そのため、メインコントローラとしての制御手段における処理が起動不良のデバイスの起動に集中することによって生じる不具合を防止することができる。
【0063】
また、本発明に係る電子機器の起動方法は、外部から起動される複数のデバイスからなる電子機器の起動方法であって、複数のデバイスの各々を起動制御するとともに、複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを検出する工程と、全てのデバイスの起動完了後に検出された起動不良のデバイスを再起動する工程とを有する。
【0064】
ここで、複数のデバイスの各々からの応答に応じて起動不良を検出し、起動不良をフラグとして記憶しておくことがあげられる。
【0065】
したがって、本発明に係る電子機器の起動方法によれば、内部での処理時間増大に起因する内部回路間の通信不能から生じる起動不良等、装置起動中に何らかの要因によって起動不良が発生しても、起動不良を示す旨のフラグを立てて記憶し、全てのデバイスの起動が完了した後に起動不良のデバイスを再起動することが可能となる。そのため、メインコントローラとしての制御手段における処理が起動不良のデバイスの起動に集中することによって生じる不具合が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一構成例として示すテレビジョン受像装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一構成例として示すテレビジョン受像装置の起動時及び設定内容の変更時の動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態の一構成例として示すテレビジョン受像装置の起動時及び設定内容の変更時の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の一構成例として示すテレビジョン受像装置の起動時に、電源電圧が正常である場合の各部の動作を時間軸に沿って説明する説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の一構成例として示すテレビジョン受像装置の起動時に、電源電圧に異常が発生した場合の各部の動作を時間軸に沿って説明する説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の一構成例として示すテレビジョン受像装置において、電源電圧の瞬断が頻繁に起こる場合の各部の動作を時間軸に沿って説明する説明図である。
【符号の説明】
1 テレビジョン受像装置、11 アンテナ、12 チューナ、13 セレクタ、15 映像処理部、16 マトリクス回路、17 ドライブ回路、18 陰極線管、19 偏向系、20 内部バスライン、21 制御部、22 操作キー、23 赤外線信号受光部、31 商用交流電源、32 ダイオードブリッジ、33 第1のスイッチング電源回路、36、37 電圧監視回路、41 ダイオードブリッジ、42 第2のスイッチング電源回路、44 電圧監視回路、C11、C21 スイッチング電源の1次側コンデンサ、C12、C13、C22 スイッチング電源の2次側コンデンサ、50 音声出力系、51 DSP回路、52 A/D変換回路、53 D/A変換回路、54 VOL回路、55 AMP回路、56 スピーカ
Claims (4)
- 外部から起動される複数のデバイスからなる電子機器であって、
上記複数のデバイスの各々を起動制御するとともに、上記複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを検出し、上記起動不良のデバイスを除く他の全てのデバイスの起動完了後に上記検出された起動不良のデバイスを再起動する制御手段を備え、
上記制御手段は、上記起動制御に対して上記複数のデバイスの各々から返信される肯定応答(ACK)を受信したか否かに応じて起動不良を検出し、上記複数のデバイスの各々からの肯定応答(ACK)が得られなくとも次のデバイスに対する起動処理を続行して上記複数のデバイスの全てについて起動処理を終了させた後、上記再起動を行う
電子機器。 - 上記制御手段は、上記複数のデバイスの各々の起動不良をフラグとして記憶する請求項1記載の電子機器。
- 外部から起動される複数のデバイスからなる電子機器の起動方法であって、
上記複数のデバイスの各々を起動制御するとともに、上記複数のデバイスのうち起動不良のデバイスを検出する工程と、
上記起動不良のデバイスを除く他の全てのデバイスの起動完了後に上記検出された起動不良のデバイスを再起動する工程とを有し、
上記起動制御に対して上記複数のデバイスの各々から返信される肯定応答(ACK)を受信したか否かに応じて起動不良を検出し、上記複数のデバイスの各々からの肯定応答(ACK)が得られなくとも次のデバイスに対する起動処理を続行して上記複数のデバイスの全てについて起動処理を終了させた後、上記再起動を行う
電子機器の起動方法。 - 上記複数のデバイスの各々の起動不良をフラグとして記憶手段に記憶する請求項3記載の電子機器の起動方法。
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