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JP4726082B2 - 結晶配向セラミックスの製造方法 - Google Patents
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本発明は、構成粒子の結晶方位を揃えた結晶配向セラミックスの製造方法に関する。
結晶配向セラミックスの製造方法としてRTGG(Reactive Templated Grain Growth)法と称される方法が知られている。このRTGG法は従前のTGG(Templated Grain Growth)法の改良に当たるもので、主原料たるテンプレート粒子と補足原料とを含むスラリーを作成し、該スラリーにドクターブレード等によって応力を加えてテンプレート粒子が配列した成形体を作成し、該成形体を熱処理してテンプレート粒子と補足原料とを反応焼結させて目的物質の焼結体(結晶配向セラミックス)を得る方法である。
また、結晶配向セラミックスの製造方法として強磁場法と称される方法も知られている。この強磁場法は、主原料たる粒子を含むスラリーを作成し、該スラリーに強磁場を印加して粒子が配向した成形体を作成し、該成形体を熱処理して焼結体(結晶配向セラミックス)を得る方法である。
特許3336872 特許3650872 特開2004−6704
前記RTGG法は、テンプレート粒子の成長速度の差異による異方性を結晶配向に利用しているため、配向させる結晶方位差が限定されることもあって構成粒子の結晶方位を制御し難い。一方、前記強磁場法は、強磁場を利用して配向を行っているためRTGG法に比べて構成粒子の結晶方位を制御し易いが、より高い結晶配向度を得るには未だ改良の余地がある。
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、高い結晶配向度が得られる結晶配向セラミックスの製造方法を提供することにある。
前記課題を達成するため、本発明の結晶配向セラミックスの製造方法は、強磁場印加により配向し得る第1粒子と該第1粒子への金属イオン拡散を伴う反応焼結により目的物質を生成し得る第2粒子とを含むスラリーを作成するステップと、スラリーに強磁場を印加して第1粒子が配向した成形体を作成するステップと、成形体を熱処理して第2粒子から第1粒子への金属イオン拡散により第1粒子と第2粒子を反応焼結させて目的物質の焼結体を作成するステップとを備える、ことをその特徴とする。
この結晶配向セラミックスの製造方法によれば、強磁場を印加して第1粒子を配向させた後に第2粒子から第1粒子への金属イオン拡散により第1粒子と第2粒子を反応焼結させているので、配向後の第1粒子の結晶方位は反応によって変化せず、目的物質の粒子は配向後の第1粒子の結晶方位に沿って成長する。つまり、生成された目的物質の粒子の結晶方位は配向後の第1粒子の結晶方位に従うため粒成長によっても変化することはないので、作成された焼結体に高い結晶配向度を得ることができる。
本発明によれば、高い結晶配向度が得られる結晶配向セラミックスの製造方法を提供できる。
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
本発明による結晶配向セラミックスの製造方法は、強磁場印加により配向し得る第1粒子と該第1粒子への金属イオン拡散を伴う反応焼結により目的物質を生成し得る第2粒子とを含むスラリーを作成するステップと、スラリーに強磁場を印加して第1粒子が配向した成形体を作成するステップと、成形体を熱処理して第2粒子から第1粒子への金属イオン拡散により第1粒子と第2粒子を反応焼結させて目的物質の焼結体を作成するステップとを備えている。
前記スラリーには、第1粒子と第2粒子がそれぞれスラリー中に分散しているもの、或いは、第2粒子が表面にコーティングされた第1粒子がスラリー中に分散しているものが利用できる。前者のスラリーの場合には第1粒子と第2粒子の粒径比(第1粒子の粒径/第2粒子の粒径)が3.8以上、好ましくは3.8以上22以下のものを用いる。後者のスラリーの場合には第1粒子の粒径と第2粒子のコーティング厚さの比(第1粒子の粒径/第2粒子のコーティング厚さ)が4.6以上、好ましくは4.6以上27以下のものを用いる。
前記目的物質には、一般式が(Bi22)2+(Am-1m3m+1)2-で表され、且つ、Aが1〜3価の金属元素から成りBが2〜6価の金属元素から成るビスマス層状化合物や、一般式が(A1)4(A2)24(B1)2(B2)830で表され、且つ、A1及びA2が1〜2価の金属元素から成りCが1価の金属元素から成りB1及びB2が5価の金属元素から成るタングステンブロンズ型化合物や、一般式が(A3)(B3)O3で表され、且つ、A3が1〜3価の金属元素から成りB3が3〜5価の金属元素から成るペロブスカイト型化合物が挙げられる。
目的物質として前記ビスマス層状化合物を得る場合には、(1)第1粒子としてBiを含む1〜3価の金属元素を少なくとも1種類含み、且つ、Biを除く2〜6価の金属元素を少なくとも1種類含むビスマス層状化合物を用い、第2粒子として目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質を用いるか、(2)第1粒子としてその一般式が(A1)4(A2)24(B1)2(B2)830で表され、且つ、A1及びA2が1〜2価の金属元素から成りCが1価の金属元素から成りB1及びB2が5価の金属元素から成るタングステンブロンズ型化合物を用い、第2粒子として目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質を用いる。
前記(1)の具体例を挙げれば、目的物質としてSrBi4Ti415を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてSrTiO3を用い、目的物質としてCaBi4Ti415を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてCaTiO3を用い、目的物質としてBaBi4Ti415を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてBaTiO3を用い、目的物質としてNa0.5Bi4.5Ti415を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてBi0.5Na0.5TiO3を用い、目的物質としてK0.5Bi4.5Ti415を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてBi0.50.5TiO3を用い、目的物質としてPbBi4Ti415を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてPbTiO3を用い、目的物質としてSr2Bi4Ti518を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてSrTiO3を用い、目的物質としてBa2Bi4Ti518を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてBaTiO3を用い、目的物質としてPb2Bi4Ti518を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子としてPbTiO3を用いる。
前記(2)の具体例を挙げれば、目的物質としてSrBi2Nb29を得る場合には第1粒子としてSrNb26を用い第2粒子としてBi23を用い、目的物質としてSrBi2Ta29を得る場合には第1粒子としてSrTa26を用い第2粒子としてBi23を用い、目的物質としてBaBi2Nb29を得る場合には第1粒子としてBaNb26を用い第2粒子としてBi23を用い、目的物質としてBaBi2Ta29を得る場合には第1粒子としてBaTa26を用い第2粒子としてBi23を用い、目的物質としてPbBi2Nb29を得る場合には第1粒子としてPbNb26を用い第2粒子としてBi23を用い、目的物質としてPbBi2Ta29を得る場合には第1粒子としてPbTa26を用い第2粒子としてBi23を用いる。
また、目的物質として前記タングステンブロンズ型化合物を得る場合には、(1)第1粒子としてその一般式が(A1)4(A2)24(B1)2(B2)830で表され、且つ、A1及びA2が1〜2価の金属元素から成りCが1価の金属元素から成りB1及びB2が5価の金属元素から成る目的物質よりも分子量の小さなタングステンブロンズ型化合物を用い、第2粒子として目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質を用いる。
前記(1)の具体例を挙げれば、目的物質としてSr2NaNb515を得る場合には第1粒子としてSrNb26を用い第2粒子としてNaNbO3を用い、目的物質としてBa2NaNb515を得る場合には第1粒子としてBaNb26を用い第2粒子としてNaNbO3を用い、目的物質としてKSr2Nb515を得る場合には第1粒子としてSrNb25を用い第2粒子としてKNbO3を用い、目的物質としてKBa2Nb515を得る場合には第1粒子としてBaNb25を用い第2粒子としてKNbO3を用いる。
さらに、目的物質として前記ペロブスカイト型化合物を得る場合には、(1)第1粒子としてその一般式が(Bi22)2+(Am-1m3m+1)2-で表され、且つ、Aが1〜3価の金属元素から成りBが2〜6価の金属元素から成るビスマス層状化合物を用い、第2粒子として目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質を用いるか、(2)第1粒子としてその一般式が(A4)4(B4)617で表され、且つ、A4が1価の金属元素から成りB4が5価の金属元素から成る化合物を用い、第2粒子として目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質を用いるか、(3)第1粒子としてその一般式が(A1)4(A2)24(B1)2(B2)830で表され、且つ、A1及びA2が1〜2価の金属元素から成りCが1価の金属元素から成りB1及びB2が5価の金属元素から成るタングステンブロンズ型化合物を用い、第2粒子として目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質を用いる。
前記(1)の具体例を挙げれば、目的物質としてBi0.50.5TiO3を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子として (0.25K2O・0.625TiO2)を用い、目的物質としてBi0.5Na0.5TiO3を得る場合には第1粒子としてBi4Ti312を用い第2粒子として(0.25Na2O・0.625TiO2)を用いる。
前記(2)の具体例を挙げれば、目的物質としてKNbO3を得る場合には第1粒子としてK4Nb617を用い第2粒子としてK2CO3を用い、目的物質として(K,Na)NbO3を得る場合には第1粒子としてK4Nb617を用い第2粒子として(K,Na)2CO3を用い、目的物質として(K,Na,Li)NbO3を得る場合には第1粒子としてK4Nb617を用い第2粒子として(K,Na,Li)2CO3を用いる。
前記(3)の具体例を挙げれば、目的物質として(K,Na,Sr)NbO3を得る場合には第1粒子としてSrNb26を用い第2粒子として(K,Na)NbO3を用い、目的物質として(K,Na,Ba)NbO3を得る場合には第1粒子としてBaNb26を用い第2粒子として(K,Na)NbO3を用い、目的物質として(K,Na,Li,Sr)NbO3を得る場合には第1粒子としてSrNb26を用い第2粒子として(K,Na,Li)NbO3を用い、目的物質として(K,Na,Li,Ba)NbO3を得る場合には第1粒子としてBaNb26を用い第2粒子として(K,Na,Li)NbO3を用い、目的物質として(K,Na,Li)NbO3を得る場合には第1粒子としてK3Li2Nb515を用い第2粒子として(K,Na)NbO3を用いる。
[実施例1]
以下に、SrBi4Ti415から成る結晶配向セラミックスの製法例を説明する。
まず、Bi23粒子とTiO2粒子をmol比2:3で固相反応により合成して平均粒径1μmのBi4Ti312粒子を作成する。
次に、平均粒径1μmのBi4Ti312粒子と平均粒径0.1μmのSrTiO3粒子をSrBi4Ti415の化学両論組成になるようにmol比1:1で配合し、これにイオン交換水と分散剤(中京油脂製D305)を固形分濃度が30vol%となるように添加してさらにボールミルで1hour撹拌してスラリーを作成する。
次に、スラリーをプラスチック容器に流し込み、スラリー面が磁場に直交するように該プラスチック容器を超伝導マグネット内に静置してスラリーにそれぞれ10Tの強磁場を印加し、強磁場印加中でスラリーを自然乾燥(約2日間)と温風乾燥(40℃程度、約1日)の何れかによって乾燥して成形体を作成する。
次に、成形体をプラスチック容器から取り出し、これを大気中で1000℃〜1200℃で2hour熱処理してBi4Ti312粒子とSrTiO3粒子とを反応焼結させてSrBi4Ti415から成る焼結体(結晶配向セラミックス)を作成する。作成された焼結体をXRD(X−ray diffraction,X線回折)で測定したところ、SrBi4Ti415粒子の結晶配向度は0.88(ロットゲーリング法で算出)であり極めて高い結晶配向度が得られることが確認できた。
図1(A)は前記スラリー中のBi4Ti312粒子とSrTiO3粒子の様子を模式的に示すもので、Bi4Ti312粒子とSrTiO3粒子は粒径が小さなSrTiO3粒子がBi4Ti312粒子の間に入り込むような状態で分散している。
図1(B)は前記成形体中のBi4Ti312粒子とSrTiO3粒子の様子を模式的に示すもので、XRDの測定結果によれば、Bi4Ti312粒子は強磁場印加によってそのa−b面が強磁場方向に向くように配向されている。一方、SrTiO3粒子は強磁場を印加してもBi4Ti312粒子のようには配向されない。
図1(C)及び図1(D)は前記反応焼結途中の様子を模式的に示すもので、熱処理によってSrTiO3粒子からBi4Ti312粒子にSr2 +が拡散してBi4Ti312粒子がSrBi4Ti415粒子に変化する反応が生じ、生成されたSrBi4Ti415粒子が配向方向に粒成長する。Sr2 +はBi4Ti312粒子に拡散するため、配向後のBi4Ti312粒子の結晶方位は反応によって変化せず、SrBi4Ti415粒子は配向後のBi4Ti312粒子の結晶方位に沿って成長する。つまり、生成されたSrBi4Ti415粒子の結晶方位は配向後のBi4Ti312粒子の結晶方位に従うために粒成長によっても変化することはないので、作成された焼結体に高い結晶配向度を得ることができる。
ところで、熱処理時にはBi4Ti312粒子からBi3 +の拡散も生じ得るため、先に述べたような反応焼結を効果的に行うにはBi3 +の拡散よりもSr2 +の拡散が促進されるようにBi4Ti312粒子とSrTiO3粒子の粒径比(Bi4Ti312粒子の粒径/SrTiO3粒子の粒径)を考慮する必要がある。
前記粒径比による拡散現象及び結晶配向度の違いを検証するため、0.1μm以外の平均粒径のSrTiO3粒子を使用して同様の手順で焼結体を幾つか作成して、各焼結体をXRDで測定してSrBi4Ti415粒子の結晶配向度を確認した。
図2はその確認結果を示すもので、SrTiO3粒子の粒径が小さいほどSrBi4Ti415粒子の結晶配向度は高くなること、具体的には前記粒径比が3.8以上で0.6以上の結晶配向度が得られること、また、実際上では結晶配向度を1.0にすることは難しいがSrTiO3粒子の粒径を選択することにより1.0に近い結晶配向度を得ることが確認できた。SrBi4Ti415粒子に0.6以上の結晶配向度が得られれば実用に適した圧電特性等の電気特性が得られるため、先に述べたBi4Ti312粒子とSrTiO3粒子の粒径比(Bi4Ti312粒子の粒径/SrTiO3粒子の粒径)は3.8以上であればよい。また、前記粒径比が22で結晶配向度は0.99に達するが、それ以上前記粒径比を上げても結晶配向度の上昇は僅かであり、SrTiO3粒子の粒径が小さくなるが故に均一なスラリー分散状態を作ることが難しくなることから、前記粒径比は3.8〜22が実用上で好ましい範囲となる。
[実施例2]
以下に、SrBi4Ti415から成る結晶配向セラミックスの他の製法例を説明する。
まず、平均粒径1μmのBi4Ti312粒子と平均粒径0.2μmのSrTiO3粒子をSrBi4Ti415の化学両論組成になるように配合して乾式摩砕し、SrTiO3粒子が厚さ0.07μmで表面にコーティングされたBi4Ti312粒子を作成する。
次に、SrTiO3粒子が表面にコーティングされたBi4Ti312粒子にイオン交換水と分散剤(中京油脂製D305)を固形分濃度が30vol%となるように添加してさらにボールミルで1hour撹拌してスラリーを作成する。
以後は実施例1と同様の手順でSrBi4Ti415から成る焼結体(結晶配向セラミックス)を作成する。作成された焼結体をXRDで測定したところ、SrBi4Ti415粒子の結晶配向度は0.92であり極めて高い結晶配向度が得られることが確認できた。
実施例1と同様に反応焼結を効果的に行うにはBi4Ti312粒子の粒径とSrTiO3粒子のコーティング厚さの比(Bi4Ti312粒子の粒径/SrTiO3粒子のコーティング厚さ)を考慮する必要がある。
前記比による拡散現象及び結晶配向度の違いを検証するため、0.2μm以外の平均粒径のSrTiO3粒子を使用しコーティング厚さを0.07μm以外にしたBi4Ti312粒子を用いて同様の手順で焼結体を幾つか作成して、各焼結体をXRDで測定してSrBi4Ti415粒子の結晶配向度を確認した。
図3はその確認結果を示すもので、SrTiO3粒子のコーティング厚さが小さいほどSrBi4Ti415粒子の結晶配向度は高くなること、具体的には前記比が4.6以上で0.6以上の結晶配向度が得られること、また、実際上では結晶配向度を1.0にすることは難しいがSrTiO3粒子のコーティング厚さを選択することにより1.0に近い結晶配向度を得ることが確認できた。SrBi4Ti415粒子に0.6以上の結晶配向度が得られれば実用に適した圧電特性等の電気特性が得られるため、先に述べたBi4Ti312粒子の粒径とSrTiO3粒子のコーティング厚さの比(Bi4Ti312粒子の粒径/SrTiO3粒子のコーティング厚さ)は4.6以上であればよい。また、前記比が27で結晶配向度は0.99に達するが、それ以上前記比を上げても結晶配向度の上昇は僅かであり、SrTiO3粒子の厚さが薄くなるが故に均一なコーティング状態を作ることが難しくなることから、前記比は4.6〜27が実用上で好ましい範囲となる。
[実施例3]
以下に、KSr2Nb515から成る結晶配向セラミックスの製法例を説明する。
まず、平均粒径2.5μmのSrNb26粒子と平均粒径0.3μmのKNbO3粒子をKSr2Nb515の化学両論組成になるように配合し、これにイオン交換水と分散剤(中京油脂製D305)を固形分濃度が30vol%となるように添加してさらにボールミルで1hour撹拌してスラリーを作成する。
以後は実施例1と同様の手順でKSr2Nb515から成る焼結体(結晶配向セラミックス)を作成する。作成された焼結体をXRDで測定したところ、KSr2Nb515粒子の結晶配向度は0.85であり極めて高い結晶配向度が得られることが確認できた。
実施例1と同様に反応焼結を効果的に行うにはSrNb26粒子とKNbO3粒子の粒径比(SrNb26粒子の粒径/KNbO3粒子の粒径)を考慮する必要がある。
前記粒径比による拡散現象及び結晶配向度の違いを検証するため、0.3μm以外の平均粒径のKNbO3粒子を使用して同様の手順で焼結体を幾つか作成して、各焼結体をXRDで測定してKSr2Nb515粒子の結晶配向度を確認した。
図2の確認結果と同様に、KNbO3粒子の粒径が小さいほどKSr2Nb515粒子の結晶配向度は高くなること、具体的には前記粒径比が3.8以上で0.6以上の結晶配向度が得られること、また、実際上では結晶配向度を1.0にすることは難しいがSrTiO3粒子の粒径を選択することにより1.0に近い結晶配向度を得ることが確認できた。KSr2Nb515粒子に0.6以上の結晶配向度が得られれば実用に適した圧電特性等の電気特性が得られるため、先に述べたSrNb26粒子とKNbO3粒子の粒径比(SrNb26粒子の粒径/KNbO3粒子の粒径)は3.8以上であればよい。また、前記粒径比が22で結晶配向度は0.99に達するが、それ以上前記粒径比を上げても結晶配向度の上昇は僅かであり、KNbO3粒子の粒径が小さくなるが故に均一なスラリー分散状態を作ることが難しくなることから、前記粒径比は3.8〜22が実用上で好ましい範囲となる。
[実施例4]
以下に、KSr2Nb515から成る結晶配向セラミックスの他の製法例を説明する。
まず、平均粒径2.5μmのSrNb26粒子と平均粒径0.4μmのKNbO3粒子をKSr2Nb515の化学両論組成になるように配合して乾式摩砕し、KNbO3粒子が厚さ0.2μmで表面にコーティングされたSrNb26粒子を作成する。
次に、KNbO3粒子が表面にコーティングされたSrNb26粒子にイオン交換水と分散剤(中京油脂製D305)を固形分濃度が30vol%となるように添加してさらにボールミルで1hour撹拌してスラリーを作成する。
以後は実施例1と同様の手順でKSr2Nb515から成る焼結体(結晶配向セラミックス)を作成する。作成された焼結体をXRDで測定したところ、KSrBi4Ti415粒子の結晶配向度は0.9であり極めて高い結晶配向度が得られることが確認できた。
実施例1と同様に反応焼結を効果的に行うにはSrNb26粒子の粒径とKNbO3粒子のコーティング厚さの比(SrNb26粒子の粒径/KNbO3粒子のコーティング厚さ)を考慮する必要がある。
前記比による拡散現象及び結晶配向度の違いを検証するため、0.4μm以外の平均粒径のKNbO3粒子を使用しコーティング厚さを0.2μm以外にしたSrNb26粒子を用いて同様の手順で焼結体を幾つか作成して、各焼結体をXRDで測定してKSr2Nb515粒子の結晶配向度を確認した。
図3の確認結果と同様に、KNbO3粒子のコーティング厚さが小さいほどKSr2Nb515粒子の結晶配向度は高くなること、具体的には前記比が4.6以上で0.6以上の結晶配向度が得られること、また、実際上では結晶配向度を1.0にすることは難しいがKNbO3粒子のコーティング厚さを選択することにより1.0に近い結晶配向度を得ることが確認できた。KSr2Nb515粒子に0.6以上の結晶配向度が得られれば実用に適した圧電特性等の電気特性が得られるため、先に述べたSrNb26粒子の粒径とKNbO3粒子のコーティング厚さの比(SrNb26粒子の粒径/KNbO3粒子のコーティング厚さ)は4.6以上であればよい。また、前記比が27で結晶配向度は0.99に達するが、それ以上前記比を上げても結晶配向度の上昇は僅かであり、SrTiO3粒子の厚さが薄くなるが故に均一なコーティング状態を作ることが難しくなることから、前記比は4.6〜27が実用上で好ましい範囲となる。
[実施例5]
以下に、KNbO3から成る結晶配向セラミックスの製法例を説明する。
まず、平均粒径2μmのK4Nb617粒子と乾燥雰囲気中で粉砕して粒度を調節した平均粒径0.4μmのK2CO3粒子をKNbO3の化学両論組成になるように配合し、これに無水エタノールを固形分濃度が30vol%となるように添加してさらにボールミルで1hour撹拌してスラリーを作成する。
以後は実施例1と同様の手順でKNbO3から成る焼結体(結晶配向セラミックス)を作成する。作成された焼結体をXRDで測定したところ、KNbO3粒子の結晶配向度は0.7であり極めて高い結晶配向度が得られることが確認できた。
実施例1と同様に反応焼結を効果的に行うにはK4Nb617粒子とK2CO3粒子の粒径比(K4Nb617粒子の粒径/K2CO3粒子の粒径)を考慮する必要がある。
前記粒径比による拡散現象及び結晶配向度の違いを検証するため、0.4μm以外の平均粒径のK2CO3粒子を使用して同様の手順で焼結体を幾つか作成して、各焼結体をXRDで測定してKNbO3粒子の結晶配向度を確認した。
図2の確認結果と同様に、K2CO3粒子の粒径が小さいほどKNbO3粒子の結晶配向度は高くなること、具体的には前記粒径比が3.8以上で0.6以上の結晶配向度が得られること、また、実際上では結晶配向度を1.0にすることは難しいがK2CO3粒子の粒径を選択することにより1.0に近い結晶配向度を得ることが確認できた。KNbO3粒子に0.6以上の結晶配向度が得られれば実用に適した圧電特性等の電気特性が得られるため、先に述べたK4Nb617粒子とK2CO3粒子の粒径比(K4Nb617粒子の粒径/K2CO3粒子の粒径)は3.8以上であればよい。また、前記粒径比が22で結晶配向度は0.99に達するが、それ以上前記粒径比を上げても結晶配向度の上昇は僅かであり、K2CO3粒子の粒径が小さくなるが故に均一なスラリー分散状態を作ることが難しくなることから、前記粒径比は3.8〜22が実用上で好ましい範囲となる。
[実施例6]
以下に、KNbO3から成る結晶配向セラミックスの他の製法例を説明する。
まず、平均粒径2μmのK4Nb617粒子と乾燥雰囲気中で粉砕して粒度を調節した平均粒径0.4μmのK2CO3粒子をKNbO3の化学両論組成になるように配合して乾式摩砕し、K2CO3粒子が厚さ0.24μmで表面にコーティングされたK4Nb617粒子を作成する。
次に、K2CO3粒子が表面にコーティングされたK4Nb617粒子に無水エタノールを固形分濃度が30vol%となるように添加してさらにボールミルで1hour撹拌してスラリーを作成する。
以後は実施例1と同様の手順でKNbO3から成る焼結体(結晶配向セラミックス)を作成する。作成された焼結体をXRDで測定したところ、KNbO3粒子の結晶配向度は0.85であり極めて高い結晶配向度が得られることが確認できた。
実施例1と同様に反応焼結を効果的に行うにはK4Nb617粒子の粒径とK2CO3粒子のコーティング厚さの比(K4Nb617粒子の粒径/K2CO3粒子のコーティング厚さ)を考慮する必要がある。
前記比による拡散現象及び結晶配向度の違いを検証するため、0.4μm以外の平均粒径のK2CO3粒子を使用しコーティング厚さを0.24μm以外にしたKNbO3粒子を用いて同様の手順で焼結体を幾つか作成して、各焼結体をXRDで測定してKNbO3粒子の結晶配向度を確認した。
図3の確認結果と同様に、K2CO3粒子のコーティング厚さが小さいほどKNbO3粒子の結晶配向度は高くなること、具体的には前記比が4.6以上で0.6以上の結晶配向度が得られること、また、実際上では結晶配向度を1.0にすることは難しいがK2CO3粒子のコーティング厚さを選択することにより1.0に近い結晶配向度を得ることが確認できた。KNbO3粒子に0.6以上の結晶配向度が得られれば実用に適した圧電特性等の電気特性が得られるため、先に述べたK4Nb617粒子の粒径とK2CO3粒子のコーティング厚さの比(K4Nb617粒子の粒径/K2CO3粒子のコーティング厚さ)は4.6以上であればよい。また、前記比が27で結晶配向度は0.99に達するが、それ以上前記比を上げても結晶配向度の上昇は僅かであり、K2CO3粒子の厚さが薄くなるが故に均一なコーティング状態を作ることが難しくなることから、前記比は4.6〜27が実用上で好ましい範囲となる。
スラリー中のBi4Ti312粒子とSrTiO3粒子の様子を模式的に示す図、成形体中のBi4Ti312粒子とSrTiO3粒子の様子を模式的に示す図、反応焼結途中の様子を模式的に示す図である。 Bi4Ti312粒子とSrTiO3粒子の粒径比(Bi4Ti312粒子の粒径/SrTiO3粒子の粒径)とSrBi4Ti415粒子の結晶配向度との関係を示す図である。 Bi4Ti312粒子の粒径とSrTiO3粒子のコーティング厚さの比(Bi4Ti312粒子の粒径/SrTiO3粒子のコーティング厚さ)とSrBi4Ti415粒子の結晶配向度との関係を示す図である。

Claims (11)

  1. 強磁場印加により配向し得る第1粒子と該第1粒子への金属イオン拡散を伴う反応焼結により目的物質を生成し得る第2粒子とを含むスラリーを作成するステップと、
    スラリーに強磁場を印加して第1粒子が配向した成形体を作成するステップと、
    成形体を熱処理して第2粒子から第1粒子への金属イオン拡散により第1粒子と第2粒子を反応焼結させて目的物質の焼結体を作成するステップとを備
    前記スラリーは第1粒子と第2粒子がそれぞれ該スラリー中に分散していて、第1粒子と第2粒子の粒径比(第1粒子の粒径/第2粒子の粒径)は3.8以上22以下である、
    ことを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
  2. 強磁場印加により配向し得る第1粒子と該第1粒子への金属イオン拡散を伴う反応焼結により目的物質を生成し得る第2粒子とを含むスラリーを作成するステップと、
    スラリーに強磁場を印加して第1粒子が配向した成形体を作成するステップと、
    成形体を熱処理して第2粒子から第1粒子への金属イオン拡散により第1粒子と第2粒子を反応焼結させて目的物質の焼結体を作成するステップとを備え、
    前記スラリーは第2粒子が表面にコーティングされた第1粒子が該スラリー中に分散していて、第1粒子の粒径と第2粒子のコーティング厚さの比(第1粒子の粒径/第2粒子のコーティング厚さ)は4.6以上27以下である
    ことを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
  3. 目的物質はその一般式が(Bi 2 2 ) 2+ (A m-1 m 3m+1 ) 2- で表され、且つ、Aが1〜3価の金属元素から成りBが2〜6価の金属元素から成るビスマス層状化合物である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  4. 第1粒子はBiを含む1〜3価の金属元素を少なくとも1種類含み、且つ、Biを除く2〜6価の金属元素を少なくとも1種類含むビスマス層状化合物であり、
    第2粒子は目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質である、
    ことを特徴とする請求項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  5. 第1粒子はその一般式が(A1) 4 (A2) 2 4 (B1) 2 (B2) 8 30 で表され、且つ、A1及びA2が1〜2価の金属元素から成りCが1価の金属元素から成りB1及びB2が5価の金属元素から成るタングステンブロンズ型化合物であり、
    第2粒子は目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質である、
    ことを特徴とする請求項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  6. 目的物質はその一般式が(A1) 4 (A2) 2 4 (B1) 2 (B2) 8 30 で表され、且つ、A1及びA2が1〜2価の金属元素から成りCが1価の金属元素から成りB1及びB2が5価の金属元素から成るタングステンブロンズ型化合物である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  7. 第1粒子はその一般式が(A1) 4 (A2) 2 4 (B1) 2 (B2) 8 30 で表され、且つ、A1及びA2が1〜2価の金属元素から成りCが1価の金属元素から成りB1及びB2が5価の金属元素から成る目的物質よりも分子量の小さなタングステンブロンズ型化合物であり、
    第2粒子は目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  8. 目的物質はその一般式が(A3)(B3)O 3 で表され、且つ、A3が1〜3価の金属元素から成りB3が3〜5価の金属元素から成るペロブスカイト型化合物である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  9. 第1粒子はその一般式が(Bi 2 2 ) 2+ (A m-1 m 3m+1 ) 2- で表され、且つ、Aが1〜3価の金属元素から成りBが2〜6価の金属元素から成るビスマス層状化合物であり、
    第2粒子は目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質である、
    ことを特徴とする請求項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  10. 第1粒子はその一般式が(A4) 4 (B4) 6 17 で表され、且つ、A4が1価の金属元素から成りB4が5価の金属元素から成る化合物であり、
    第2粒子は目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質である、
    ことを特徴とする請求項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  11. 第1粒子はその一般式が(A1) 4 (A2) 2 4 (B1) 2 (B2) 8 30 で表され、且つ、A1及びA2が1〜2価の金属元素から成りCが1価の金属元素から成りB1及びB2が5価の金属元素から成るタングステンブロンズ型化合物であり、
    第2粒子は目的物質の焼結体の作成に必要な金属イオン拡散を可能とした物質である、
    ことを特徴とする請求項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
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