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JP4728663B2 - 標的物質検出用プローブセット及び標的物質検出方法 - Google Patents
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JP4728663B2 - 標的物質検出用プローブセット及び標的物質検出方法 - Google Patents

標的物質検出用プローブセット及び標的物質検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料に含まれる標的物質を検出するためのプローブセット及びこのプローブセットを用いた標的物質の検出方法に関する。
従来、試料中の標的核酸を検出するための方法として、サザンハイブリダイゼーション(southern hybridization)、ノーザンハイブリダイゼーション(northern hybridization)、in situ ハイブリダイゼーション(in situ hybridization)などがよく知られている。これらは、標的核酸をブロッティングしたメンブレンや固定した細胞などにラベル化したプローブをハイブリダイズさせ、このラベルを検出することによって標的核酸の存在及び/又はその位置を検出する方法である。これらの方法は、標的核酸の増幅を行わないため、特に試料中の標的核酸が微量である場合、シグナルが弱く検出感度が低い。
核酸増幅を行って試料中の核酸を検出する方法の一つとして、特許文献1に記載された方法を用いることができる。この方法は以下のステップを含む。標的核酸を含む試料、プローブA、及びプローブBを混合して反応用混合液を作製する。標的核酸にプローブBを環状にハイブリダイズさせ、プローブBの5’末端と3’末端をライゲースにより結合させる。反応用混合液を90度以上の高温にして標的核酸とプローブBとのハイブリダイゼーションを熱変性させる。熱変性させると、環状のプローブBに一本鎖の標的核酸が貫通する構造を取り得る。反応用混合液の温度を下げ、環状のプローブBにプローブAを環状にハイブリダイズさせ、プローブAの5’末端と3’末端をライゲースにより結合させる。このようにして標的核酸1分子に鎖状にプローブA及びプローブBを結合させる。標的核酸に結合したプローブA及びプローブBをラベル化することにより、試料に微量に含まれる核酸でも強いシグナルで検出することが可能となる。
しかしながら、上記方法は核酸のみを標的としており、タンパク質など他の物質を検出することができない。また、反応用混合液を90度以上の高温にして熱変性を行うステップが必要であり、一定時間反応用混合液を高温に保つ装置が必要となる。
特開平9−23899号公報
本発明の目的は、試料に含まれる核酸、タンパク質、ハプテンなどの標的物質を強いシグナルで検出できるプローブセット及び熱変性の工程を必要としない標的物質検出方法を提供する事である。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、標的物質と結合可能な標的結合物質と塩基配列X1と塩基配列X2とを有する一次プローブと、末端に前記塩基配列X1とハイブリダイズ可能な塩基配列X1cを有し、もう一方の末端に前記塩基配列X2とハイブリダイズ可能な塩基配列X2cを有し、末端を含まない部分に塩基配列Y1c及び塩基配列Y2を有する二次プローブと、末端に前記塩基配列Y1cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y1を有し、もう一方の末端に前記塩基配列Y2cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y2を有する三次プローブと、を含むプローブセットにより、標的物質を強いシグナルで検出できることを見出し、熱変性の工程を必要としない標的物質検出方法に関する本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、以下よりなる。
1.標的物質と結合可能な標的結合物質と塩基配列X1と塩基配列X2とを有する一次プローブと、
末端に前記塩基配列X1とハイブリダイズ可能な塩基配列X1cを有し、もう一方の末端に前記塩基配列X2とハイブリダイズ可能な塩基配列X2cを有し、末端を含まない部分に塩基配列Y1c及び塩基配列Y2を有する二次プローブと、
末端に前記塩基配列Y1cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y1を有し、もう一方の末端に前記塩基配列Y2cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y2を有する三次プローブと、
を含むプローブセット。
2.前記一次プローブが、塩基配列Z及び前記塩基配列Zとハイブリダイズ可能な塩基配列Zcを有する前項1記載のプローブセット。
3.前記三次プローブが、末端を含まない部分に塩基配列X1及び塩基配列X2を含む前項1又は2記載のプローブセット。
4.前記一次プローブの塩基配列X1及び塩基配列X2が隣接し、前記二次プローブの塩基配列Y1c及び塩基配列Y2cが隣接し、前記三次プローブの塩基配列X1及び塩基配列X2が隣接する前項3記載のプローブセット。
5.前記一次プローブが塩基配列X1及び塩基配列X2が隣接する配列を複数有する前項4記載のプローブセット。
6.前記二次プローブが塩基配列Y1c及び塩基配列Y2cが隣接する配列を複数有し、前記三次プローブが塩基配列X1及び塩基配列X2が隣接する配列を複数有する前項4又は5記載のプローブセット。
7.前記標的物質が核酸、タンパク質、多糖類、ホルモンからなる群より選択される前項1〜6の何れかに記載のプローブセット。
8.前記標的結合物質が核酸、抗体及びレセプターからなる群より選択される前項1〜の何れかに記載のプローブセット。
9.前項1〜8の何れか1項に記載のプローブセットを含む標的物質検出用試薬。
10.前項1〜8の何れか1項に記載のプローブセットを含む試薬及び標的物質と前記プローブセットに含まれる一次プローブと二次プローブと三次プローブとが結合した検出用複合体を形成する各プローブの隣り合う末端同士を連結させるためのライゲースを含む試薬を備えた標的物質検出用試薬キット。
11.以下の工程を含む標的物質検出方法:
(a)標的物質を含む試料と、標的物質と結合可能な標的結合物質と塩基配列X1と塩基配列X2とを有する一次プローブと、末端に前記塩基配列X1とハイブリダイズ可能な塩基配列X1cを有し、もう一方の末端に前記塩基配列X2とハイブリダイズ可能な塩基配列X2cを有し、末端を含まない部分に塩基配列Y1c及び塩基配列Y2を有する二次プローブと、末端に前記塩基配列Y1cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y1を有し、もう一方の末端に前記塩基配列Y2cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y2を有する三次プローブと、を混合する工程;
(b)前記一次プローブと標的物質とを結合させる工程;
(c)前記一次プローブと前記二次プローブとをハイブリダイズさせる工程;
(d)前記二次プローブと前記三次プローブとをハイブリダイズさせる工程。
12.前記工程(a)、工程(b)、工程(c)及び工程(d)の順に各工程を実行し、前記標的物質と前記一次プローブと前記二次プローブと前記三次プローブとが結合した検出用複合体を形成させる前項11記載の標的物質検出方法。
13.前記工程(a)、工程(c)、工程(d)及び工程(b)の順に各工程を実行し、前記標的物質と前記一次プローブと前記二次プローブと前記三次プローブとが結合した検出用複合体を形成させる前項11記載の標的物質検出方法。
14.前記三次プローブが末端を含まない部分に塩基配列X1及び塩基配列X2を有し、(e)前記検出用複合体を構成する三次プローブと前記検出用複合体を構成しない遊離の二次プローブとをハイブリダイズさせる工程、及び
(f)前記工程(d)及び工程(e)を繰り返すことにより前記検出用複合体を巨大化させる工程、を含む前項12又は13記載の標的物質検出方法。
15.前記検出用複合体を形成する各プローブの隣り合う末端同士を、ライゲースを用いて連結させる工程をさらに含む前項11〜14の何れかに記載の標的物質検出方法。
本発明のプローブセットを用いると、試料中に含まれる核酸、タンパク質、ハプテンなどの標的物質に一次プローブを結合させ、さらに二次プローブ及び三次プローブを前記一次プローブに結合させることによって検出用複合体を形成させ、この検出用複合体に基づいて前記標的物質を強いシグナルで検出することができる。また本発明の標的物質検出方法によると、熱変性の工程を必要せずに検出用複合体を形成させることができ、この検出用複合体に基づいて前記標的物質を強いシグナルで検出することができる。
本明細書における「核酸」とは、DNAやRNAだけではなく、PNA (Peptide Nucleic Acid)やBNA(Bridged Nucleic Acid)、これらの類縁体など、人工的に合成された核酸(以下、人工核酸とする)をも含む。また、本明細書における「塩基配列(以下、単に配列ともいう)」とはDNAやRNAの塩基配列だけでなく、PNA、BNA、これらの類縁体など、人工核酸の塩基配列をも含む。
<標的物質>
本発明のプローブセットによって検出される標的物質としては特に限定されない。例えば、核酸、タンパク質、ホルモン、神経伝達物質、オータコイド、ハプテンなどが挙げられる。細菌や花粉などの細胞も標的物質となり得る。
<プローブセット>
本実施形態で用いられるプローブセットは一次プローブ、二次プローブ、及び三次プローブの3種類のプローブを含む。標的物質を検出する際には、標的物質とこれらのプローブが結合した検出用複合体が形成される。
以下、各プローブについて説明する。
(1)一次プローブ
一次プローブは、標的物質と結合可能な物質(以下、「標的結合物質」とする)と塩基配列X1と塩基配列X2とを有する。配列X1及び配列X2は隣接していることが好ましい。これにより、後述の二次プローブが一次プローブにハイブリダイズしたとき、二次プローブの両末端を連結することが可能となる。二次プローブの両末端を連結することによって、分解や洗浄操作に対する耐久性を向上させることができる。
「標的結合物質」としては、上述した標的物質に結合可能な物質であれば特に限定されない。例えば、標的物質が核酸の場合、この核酸に相補的な塩基配列を有する核酸などが用いられる。標的物質がタンパク質の場合は、このタンパク質に特異的な抗体、アプタマーなどが用いられる。標的物質が抗体である場合は、その抗体に特異的に結合する抗原を用いてもよい。標的物質がホルモン、神経伝達物質、オータコイドなどの場合は、これらと結合できる受容体などが用いられる。標的物質がハプテンの場合は、このハプテンに特異的な抗体などが用いられる。標的物質が細胞の場合は、その細胞の表面に露出している物質に特異的な抗体などが用いられる。
一次プローブは塩基配列S及びこの配列Sにハイブリダイズ可能な塩基配列Scを有するのが好ましい。この場合、配列Sは配列Scとハイブリダイズし、一次プローブは、この部分がダブルストランドとなりステムループ構造を形成する。ステムループ構造を形成させることによって、一次プローブを安定化することができる。配列Sの長さは、上記構造を形成できるように配列Scとハイブリダイズすることができれば特に限定されないが、配列S及び配列ScのTm値が検出用複合体を形成させるときの反応温度よりも高くなることが好ましい。具体的には、配列Sの長さは7塩基以上にすることが好ましい。
(2)二次プローブ
二次プローブは、配列X1にハイブリダイズ可能な配列X1cを末端に有し、配列X2にハイブリダイズ可能な配列X2cをもう一方の末端に有する。さらに、二次プローブは末端を含まない部分に塩基配列Y1c及び配列Y2cを有する。
配列Y1c及び配列Y2cは隣接していることが好ましい。これにより、後述の三次プローブが二次プローブにハイブリダイズしたとき、三次プローブの両末端を連結することが可能となる。三次プローブの両末端を連結することにより、分解や洗浄操作に対する耐久性を向上させることができる。
(3)三次プローブ
三次プローブは、配列Y1cにハイブリダイズ可能な配列Y1を末端に有し、配列Y2cにハイブリダイズ可能な配列Y2をもう一方の末端に有する。また、三次プローブは末端を含まない部分に配列X1及び配列X2を有することが好ましい。これにより、三次プローブに検出用複合体を形成していない遊離の二次プローブがハイブリダイズすることができ、以降、検出用複合体に二次プローブ及び三次プローブが順次ハイブリダイズして検出用複合体を巨大化させることができる。
また、三次プローブが配列X1及び配列X2を有する場合、これらの配列は隣接していることが好ましい。これにより、二次プローブが三次プローブにハイブリダイズしたとき、二次プローブの両末端を連結することが可能となる。二次プローブの両末端を連結することにより、分解や洗浄操作に対する耐久性を向上させることができる。
一次プローブは配列X1及び配列X2が隣接した配列を複数有するのが好ましい。二次プローブは配列Y1c及び配列Y2cが隣接した配列を複数有するのが好ましい。三次プローブは配列X1及び配列X2が隣接した配列を複数有するのが好ましい。各プローブがこれらの特徴を有することにより、各プローブに複数のプローブがハイブリダイズし、検出用複合体が指数関数的に巨大化する。これにより、より強いシグナルで標的物質を検出することが可能となる。
配列X1、配列X1c、配列X2、配列X2c、配列Y1、配列Y1c、配列Y2及び配列Y2cの長さはそれぞれ特に限定されないが、好ましくは4〜20塩基、より好ましくは4〜10塩基、最も好ましいのは4〜8塩基である。
二次プローブにおいて配列X1cと配列Y1c及び配列Y2cが隣接した配列との間、及び配列Y1c及び配列Y2cが隣接した配列と配列X2cとの間には核酸やヘキサエチレングリコール等のポリエーテルアルコールなどの高分子を介して配置されていることが好ましい。配列と配列とが上記のような高分子を介して接続されている場合、本明細書ではこの介在する部分を介在部と称する。介在部の長さは特に限定されないが、介在部が核酸である場合、3塩基以上であることが好ましい。介在部が長いと、検出用複合体を形成したときにプローブの環が大きくなり、構造的に一つのプローブに複数のプローブが結合し易くなる。したがって、この介在部は長いほどよい。
<標的物質の検出>
標的物質を検出するための方法としては、様々な方法が考えられ、特に限定されない。例えば、プレートを用いる方法がある。この方法によると、先ず、試料に含まれる物質をプレートのウェルに固定し、ここに上記プローブセットを添加して、反応させる。試料に標的物質が含まれる場合、ウェルに固定された標的物質とプローブが結合するため、反応液を除去しても検出用複合体がウェル中に固定される。
また、図1に示すように磁気ビーズを用いる方法もある。この方法によると、先ず、標的結合物質に磁気ビーズを付加し、これを内側又は外側の一部に磁気を有する物質又は鉄などの磁気に吸着する物質(以下、捕捉領域とする)を備えたキャピラリ内に流す。これと同時又はこの後に、上述のプローブセットと試料とをキャピラリ内に流す。図1に示すように、試料に標的物質が含まれる場合は、磁気ビーズを有する標的結合物質と、検出用複合体の標的結合物質が標的物質を介してサンドイッチ状に結合する。このサンドイッチ状の複合体はキャピラリ内の捕捉領域に固定される。標識物質に結合できない検出用複合体、二次プローブと三次プローブのみが結合した複合体などは捕捉領域にトラップされることはなく、そのまま流れていく。なお、磁気ビーズを有する標的結合物質が認識する標的物質の部位と、検出用複合体の標的結合物質が認識する標的物質の部位は異なっていることが好ましい。なお、磁気ビーズの代わりに、鉄などの磁気に吸着する物質を用い、キャピラリの内側又は外側の一部に磁気を有する物質を備えてもよい。
上述のようにプレートのウェルやキャピラリ内の捕捉領域などに固定された検出用複合体は、以下に示すようにラベル化され、そのシグナルに基づいて標的物質を検出することができる。
検出用複合体の二重鎖部分に、例えばエチジウムブロマイド、オレゴングリーン(oregon green)、サイバーグリーン(SYBR GREEN)などのインターカレート色素を結合させる。このインターカレート色素が発する蛍光がシグナルとなる。
また、プローブセットを構成する少なくとも一つのプローブに予めFITCのような蛍光物質を結合させておくことで、この蛍光物質による蛍光をシグナルとすることができる。FITCではなく、125Iや32Pなどのラジオアイソトープなどを結合させておくこともでき、これらの発する放射線をシグナルとすることもできる。
また、少なくとも一つのプローブにアルカリフォスファターゼを結合させておき、この酵素にジゴキシゲニンやアクリジニウムエステルなどの発光・発色物質、ジオキセタンなどの発光物質、4−メチルウンベリフェリルリン酸などの蛍光物質などを反応させて生ずる発光、蛍光又は発色をシグナルとすることができる。
また、少なくとも一つのプローブにアビジン又はビオチンを結合させておき、さらに蛍光物質、発色物質等を結合させたビオチン又はアビジンを標的物質に付加し、これらを反応させることにより、この蛍光、発色等をシグナルとすることができる。
また、少なくとも一つのプローブにドナー蛍光色素及びアクセプター蛍光色素を結合させておき、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を利用してこれらが発する蛍光をシグナルとすることができる。
また、各プローブの介在部が核酸である場合、標識核酸プローブを用いてシグナルを得ることも可能である。先ず、介在部に結合可能な一本鎖の核酸プローブを作製し、これにラジオアイソトープ、蛍光・発光・発色物質等の標識物質を付加させて標識核酸プローブを作製する。図2に示すように、各プローブの介在部は、各プローブが検出用複合体を形成しても一本鎖の状態であるため、標識核酸プローブは検出用複合体を形成する各プローブの介在部にハイブリダイズすることができる。この標識核酸プローブを検出用複合体にハイブリダイズさせると、標識核酸プローブが発する放射線、蛍光・発光・発色等をシグナルとすることも可能となる。
また、各プローブの介在部が核酸であり、インターカレート色素を用いてシグナルを得る場合、介在部に結合可能な核酸プローブを用いることによってシグナルを増大させることができる。各プローブが環状の検出用複合体を形成しても各プローブの介在部は一本鎖の状態である。この一本鎖の介在部に結合可能な配列を有する一本鎖の核酸プローブを介在部に結合させることによって、核酸プローブが結合した介在部は一本鎖を構成し、インターカレート色素が検出用複合体に結合する領域が増え、より強いシグナルを得ることが可能となる。
以下に、本発明の理解をより確実にするために、実施例を示して説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではないことはいうまでもない。
(実施例)
以下の特徴を有するプローブを作製する。
(1)一次プローブ
図3aに示すように、一次プローブは標的結合物質と、配列A1cと、配列A2cと、配列Sと、配列Sにハイブリダイズ可能な配列Scとを有する。
標的結合物質は一次プローブの末端に位置している。配列A1c及び配列A2cは隣接している。配列A1cと配列A2cが隣接した配列はプローブ内に三箇所存在する。標的結合物質が結合していない側の末端には配列Sが位置している。
配列Scと配列A1cとの間、配列A2cと配列A1cとの間、及び配列A2cと配列Sとの間にはそれぞれ介在部が存在する。
(2)二次プローブ
二次プローブは配列A1、配列A2,配列B1、及び配列B2を有する。配列A1及び配列A2はそれぞれ二次プローブの両末端に位置している。配列B1及び配列B2は隣接している。配列B1と配列B2が隣接した配列はプローブ内に三箇所存在する。
配列A1と配列B1との間、配列B2と配列B1との間、及び配列B2と配列A2との間にはそれぞれ介在部が存在する。
(3)三次プローブ
三次プローブは配列B1c,配列B2c,配列A1c,及び配列A2cを有する。配列B1c及び配列B2cはそれぞれ三次プローブの両末端に位置している。配列A1c及び配列A2cは隣接している。配列A1c及び配列A2cが隣接した配列はプローブ内に三箇所存在する。
配列B1cと配列A1cとの間、配列A2cと配列A1cとの間、配列A2cと配列B2cには介在部が存在する。
二次プローブの何れかの末端はリン酸化されているのが好ましい。また、三次プローブの何れかの末端はリン酸化されているのが好ましい。
介在部が塩基配列の場合、この介在部の配列は配列A1、配列A1c,配列A2、配列A2c、配列B1、配列B1c、配列B2、配列B2c、配列S、及び配列Scの何れともハイブリダイズしないように設計される。
上記配列のうち、配列A1は配列A1cと、配列A2は配列A2cと、配列B1は配列B1cと、配列B2は配列B2cと、それぞれハイブリダイズできるよう設計されている。これにより、標的物質と結合した一次プローブに二次プローブ及び三次プローブが環状にハイブリダイズし、図3bに示されるような検出用複合体が形成される。各配列を構成する塩基の種類は特に限定されない。
検出用複合体を構成する各プローブの末端は連結されることが好ましい。これにより、検出用複合体はより安定になり、分解や洗浄操作などに対する耐久性を増大させることができる。各プローブの塩基配列がDNA又はRNAの塩基配列である場合、ライゲースを用いて各プローブの末端を連結することができる。ライゲースを用いて各プローブを連結する場合、各プローブの5’末端又は3’末端を予めリン酸化しておく必要がある。また、各プローブの塩基配列がPNAやBNAなどの人工核酸の場合は、光結合などによって各プローブの末端を連結させることができる。光結合による人工核酸の連結法としては、例えば米国特許US6593088B1号公報記載の方法を用いることができる。
上記のようなプローブセットは、試料中の標的物質を検出するための試薬として提供され得る。又は、各プローブ及び/又はライゲースを別々に収容した試薬キットとして提供され得る。
(実験例1)
ステムループ構造を有し、5’末端側にビオチンを付加した一次プローブと二次プローブとを用いて、ハイブリダイゼーションとライゲーションを行い、一次プローブと二次プローブとが結合するか否かを電気泳動により確認した。図4にこの実験における反応を模式的に表した。
<材料>
1) 一次プローブ
5'-BIOTIN-GGGCCGGGCCGGGCCTTTTTTTTTTGTGAGTAGATAGTTTTTTTTTTGGCCCGGCCCGGCCC-3' (配列番号1)
2) 二次プローブ
5'-ACTCACTTTTTGTACATACTCTTTTTGTACATACTCTTTTTGTACATACTCTTTCTATCT-3' (配列番号2)
3) TE緩衝液 (50mM Tris-HCL (pH7.4), 1mM EDTA)
4) T4ライゲース (T4 Ligase; TAKARA BIO社製) 及び添付のT4ライゲース緩衝液(×10)
5) 低融点アガロース (NuSieve GTG Agarose; TAKARA BIO社製)
6) マーカー (20bp DNA Ladder; TAKARA BIO社製)
なお、二次プローブの5’末端はリン酸化されている。
<方法>
0.5ml滅菌済みマイクロチューブ(i)〜(iii)に、以下の物質を収容した。
(i)のマイクロチューブ
マーカー (20bp DNA Ladder)
(ii)のマイクロチューブ
一次プローブ (100pmol/μl): 0.5μl
二次プローブ (100pmol/μl): 0.5μl
T4ライゲース: 0.5μl
T4ライゲース緩衝液 (×10): 1μl
TE緩衝液: up to 10μl
(iii)のマイクロチューブ
一次プローブ (100pmol/μl): 0.5μl
TE緩衝液: up to 10μl
上記物質を収容したマイクロチューブ(i)〜(iii)を室温で30分間静置した。これらを用いて、4%アガロースゲルで100 V、15分間電気泳動を行った。電気泳動後のアガロースゲルをエチジウムブロマイドで染色し、一次プローブに二次プローブが結合するか否かを確認した。
<結果>
結果を図5に示す。図5は、上記実験の電気泳動の結果を示した写真である。マイクロチューブ(i)のマーカー(20bp DNA Ladder)はレーン(i)に、マイクロチューブ(ii)の反応用混合液はレーン(ii)に、マイクロチューブ(iii)の混合液はレーン(iii)に流した。レーン(ii)には、一次プローブのみを示すバンドに加え、一次プローブよりも大きな分子量の物質を示すバンドが観察された。このバンドは、一次プローブと二次プローブとが結合した物質を示すものである。従って、上記実験により、一次プローブに二次プローブがハイブリダイズしたことが確認された。
(実験例2)
ステムループ構造を有し、5’末端側にビオチンを付加した一次プローブと、二次プローブと、三次プローブとを用いて、検出用複合体に環状にプローブが結合することによってシグナルが増幅されるか否かを、蛍光測定により確認した。
<材料>
1) 蛍光プローブ
5'-FITC-CTATCTCACTCACAAACTATCTACTCAC-3' (配列番号3)
2) 三次プローブ
5'-GTACAATTTGTGAGTAGATAGTTTGTGAGTAGATAGTTTGTGAGTAGATAGTTTGAGTAT-3' (配列番号4)
3) 蛍光色素 (YOYO-1; Molecular Probes社製)
4) 蛍光測定機 (Genius; TECAN社製)
5) 固相化プレート (SA plate; Labsystems社製)ストレプトアビジンをコーとした黒色の8ウェルプレート
一次プローブ、二次プローブ、T4ライゲース、T4ライゲース緩衝液及びTE緩衝液は実験例1で用いたものと同じものを使用した。三次プローブの5’末端はリン酸化されている。
<方法>
0.5mlの滅菌済みマクロチューブ4本に、それぞれTE緩衝液を49μl収容し、0.1pmol/μl、0.2pmol/μl、1pmol/μl、2pmol/μl の一次プローブを1μlずつ添加して反応用混合液を調製した。これらをそれぞれ固相化プレートのウェルに移し、室温で30分間静置してプレートのストレプトアビジンと一次プローブを反応させた。
反応後、プレートの各ウェルをTE緩衝液を用いて三回洗浄した。洗浄後、各ウェルに下記物質を添加し、室温で30分間放置してハイブリダイゼーション及びライゲーションを行った。
二次プローブ (100pmol/μl): 10μl
T4ライゲース: 5μl
T4ライゲース緩衝液: 10μl
TE緩衝液: up to 100μl
次に、プレートの各ウェルをTE緩衝液を用いて三回洗浄した。洗浄後、各ウェルに下記物質を添加し、室温で30分間放置して再びハイブリダイゼーション及びライゲーションを行った。
三次プローブ (100pmol/μl): 10μl
T4ライゲース: 5μl
T4ライゲース緩衝液: 10μl
TE緩衝液: up to 100μl
次に、プレートの各ウェルをTE緩衝液を用いて三回洗浄した。洗浄後、100pmol/μlの蛍光プローブ1μlとTE緩衝液99μlとを混合して調製した染色液を添加し、室温で15分間静置して蛍光染色を行った。さらにプレートの各ウェルをTE緩衝液を用いて三回洗浄し、蛍光測定機によって蛍光測定を行なった。測定結果を図6の(A)のグラフに示した。
一方、ネガティブコントロールとして、ハイブリダイゼーション及びライゲーションを行っていない反応用混合液を調製した。0.5mlの滅菌済みマクロチューブ4本に、それぞれTE緩衝液を49μl収容し、0.1pmol/μl、0.2pmol/μl、1pmol/μl、2pmol/μl の一次プローブを1μlずつ添加して反応用混合液を調製した。これらをそれぞれ固相化プレートの各ウェルに移し、室温で30分間静置してプレートのストレプトアビジンと一次プローブを反応させた。次に、プレートの各ウェルをTE緩衝液を用いて三回洗浄した。洗浄後、100pmol/μlの蛍光プローブ1μlとTE緩衝液99μlとを混合して調製した染色液を添加し、室温で15分間静置して蛍光染色を行った。さらにプレートの各ウェルをTE緩衝液を用いて三回洗浄し、蛍光測定機によって蛍光測定を行なった。測定結果を図6の(N)のグラフに示した。
<結果>
図6より、ハイブリダイゼーション及びライゲーションを行なわずに測定した場合に比べ、ハイブリダイゼーション及びライゲーションを行なって検出用複合体を形成させた方が強い蛍光を検出できた。従って、本実施形態のプローブセットを用いてハイブリダイゼーション及びライゲーションを行なった方がより強いシグナルで標的物質を検出できることがわかった。
本発明のプローブセットを用いると、試料中に含まれる核酸、タンパク質、ハプテンなどの標的物質に一次プローブを結合させ、さらに二次プローブ及び三次プローブを前記一次プローブに結合させることによって検出用複合体を形成させ、この検出用複合体に基づいて前記標的物質を強いシグナルで検出することができる。また本発明の標的物質検出方法によると、熱変性の工程を必要せずに検出用複合体を形成させることができ、この検出用複合体に基づいて前記標的物質を強いシグナルで検出することができる。
上記方法により、試料に含まれる微量成分を感度よく検出できるようになり、臨床検査、衛生検査等各種微量成分の検出を必要とする測定系に応用することができる。また、本発明のプローブセットは、試料に含まれる微量成分の検出用試薬として有用である。
磁気ビーズを用いた場合の測定原理を示す模式図である。 プローブセットを用いて形成される検出用複合体を示す模式図である。(実施例) 標的物質およびプローブセットを示す模式図である。(実施例) プローブセットを用いて形成される検出用複合体の最小単位を示す模式図である。(実施例) ステムループ構造を有するビオチンを付加した一次プローブを用いた反応模式図である。(実験例) 電気泳動の結果を示す写真である。(実験例1) 本発明のプローブセットを用いた検出結果を示す図である。(実験例2)
符号の説明
図6 (A) プローブセットを用いた検出用複合体
(N) ネガティブコントロール

Claims (15)

  1. 標的物質と結合可能な標的結合物質と塩基配列X1と塩基配列X2とを有する一次プローブと、
    末端に前記塩基配列X1とハイブリダイズ可能な塩基配列X1cを有し、もう一方の末端に前記塩基配列X2とハイブリダイズ可能な塩基配列X2cを有し、末端を含まない部分に塩基配列Y1c及び塩基配列Y2を有する二次プローブと、
    末端に前記塩基配列Y1cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y1を有し、もう一方の末端に前記塩基配列Y2cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y2を有する三次プローブと、
    を含むプローブセット。
  2. 前記一次プローブが、塩基配列Z及び前記塩基配列Zとハイブリダイズ可能な塩基配列Zcを有する請求項1記載のプローブセット。
  3. 前記三次プローブが、末端を含まない部分に塩基配列X1及び塩基配列X2を含む請求項1又は2記載のプローブセット。
  4. 前記一次プローブの塩基配列X1及び塩基配列X2が隣接し、前記二次プローブの塩基配列Y1c及び塩基配列Y2cが隣接し、前記三次プローブの塩基配列X1及び塩基配列X2が隣接する請求項3記載のプローブセット。
  5. 前記一次プローブが塩基配列X1及び塩基配列X2が隣接する配列を複数有する請求項4記載のプローブセット。
  6. 前記二次プローブが塩基配列Y1c及び塩基配列Y2cが隣接する配列を複数有し、前記三次プローブが塩基配列X1及び塩基配列X2が隣接する配列を複数有する請求項4又は5記載のプローブセット。
  7. 前記標的物質が核酸、タンパク質、多糖類、ホルモンからなる群より選択される請求項1〜6の何れかに記載のプローブセット。
  8. 前記標的結合物質が核酸、抗体及びレセプターからなる群より選択される請求項1〜の何れかに記載のプローブセット。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載のプローブセットを含む標的物質検出用試薬。
  10. 請求項1〜8の何れか1項に記載のプローブセットを含む試薬及び標的物質と前記プローブセットに含まれる一次プローブと二次プローブと三次プローブとが結合した検出用複合体を形成する各プローブの隣り合う末端同士を連結させるためのライゲースを含む試薬を備えた標的物質検出用試薬キット。
  11. 以下の工程を含む標的物質検出方法:
    (a)標的物質を含む試料と、標的物質と結合可能な標的結合物質と塩基配列X1と塩基配列X2とを有する一次プローブと、末端に前記塩基配列X1とハイブリダイズ可能な塩基配列X1cを有し、もう一方の末端に前記塩基配列X2とハイブリダイズ可能な塩基配列X2cを有し、末端を含まない部分に塩基配列Y1c及び塩基配列Y2を有する二次プローブと、末端に前記塩基配列Y1cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y1を有し、もう一方の末端に前記塩基配列Y2cとハイブリダイズ可能な塩基配列Y2を有する三次プローブと、を混合する工程;
    (b)前記一次プローブと標的物質とを結合させる工程;
    (c)前記一次プローブと前記二次プローブとをハイブリダイズさせる工程;
    (d)前記二次プローブと前記三次プローブとをハイブリダイズさせる工程。
  12. 前記工程(a)、工程(b)、工程(c)及び工程(d)の順に各工程を実行し、前記標的物質と前記一次プローブと前記二次プローブと前記三次プローブとが結合した検出用複合体を形成させる請求項11記載の標的物質検出方法。
  13. 前記工程(a)、工程(c)、工程(d)及び工程(b)の順に各工程を実行し、前記標的物質と前記一次プローブと前記二次プローブと前記三次プローブとが結合した検出用複合体を形成させる請求項11記載の標的物質検出方法。
  14. 前記三次プローブが末端を含まない部分に塩基配列X1及び塩基配列X2を有し、
    (e)前記検出用複合体を構成する三次プローブと前記検出用複合体を構成しない遊離の二次プローブとをハイブリダイズさせる工程、及び
    (f)前記工程(d)及び工程(e)を繰り返すことにより前記検出用複合体を巨大化させる工程、を含む請求項12又は13記載の標的物質検出方法。
  15. 前記検出用複合体を形成する各プローブの隣り合う末端同士を、ライゲースを用いて連結させる工程をさらに含む請求項11〜14の何れかに記載の標的物質検出方法。
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