JP4729151B2 - 分類装置、方法およびファイル検索方法 - Google Patents
分類装置、方法およびファイル検索方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイル内の複数のデータを関連の深いもの同士にまとめ分類する分類装置、方法およびファイル検索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
データの自己組織化すなわち、関連の深いデータを1つにまとめ、複数のグループに分類することはパターン認識においてモデルの自動生成として位置付けられ、重要なテーマの一つである。データの自己組織化については次の文献が知られている。
【0003】
(1)T. Kohonen : Self-Organization maps : Springer-Verlarg, (1995)
例えば動画画像認識や音声認識に関する自己組織化では、時間的な連続性を相互関係とみて、入力データを自己組織化することが試みられ、次の文献が発表されている。
【0004】
(2)遠藤隆,他:動画像の自己組織化ネットワークモデル−そのトポロジーと動的特徴の解析−:人工知能学会情報統合研究会SIG−CII−9707,(1997.7)
また文書処理等でも同一文書中に依存している共起性によって自己組織化を試みており、単語やドキュメントの空間配置問題として扱い、検索や分類に用いることも行われていて、以下の文献が発表されている。
【0005】
(3)豊浦潤,岡隆一:テキスト検索のためのテキストデータの自己組織化について:人工知能学会情報統合研究会SIG−CII−9603,pp.16−23,(1997.3)
(4)本間直人,石川真澄:数量化III類の逆問題を用いたキーワードと文献の双方向的空間配置:信学会誌D−II,J81−DII,3,pp.564−573,(1998.3)
さらに本発明に関する文献としては、
(5)林知己夫,他:数量化理論とデータ処理:朝倉書店,(1987)
が知られている。ここで述べられ、数量化IV類と呼ばれている分類方法を説明する。
【0006】
数量化IV類は有限個の標本が与えられ標本相互の親和度の強さが定義されている時に、親和度の高いものほど有限次元の空間で近傍に配置するようにしている。これによって相互に親和度の高い標本が空間中に集まり自己組織化することが期待できる。例えば音声や画像の時系列データの解析では、一定時間内での各事象を標本とし、連続性を親和性と見なすことができる。文書の理解では、文字や形態素を標本とみて、同一の文書やコンテキストでの共起を親和度と見ることができる。
【0007】
統計をとる標本をN次元空間に配置する問題を考える。各標本に任意の番号付けをしiとする。その標本の空間中の位置をxi とする。標本iとjの間の親和度が与えられておりMijとする。Mijは正の値をとり、親近度が高いものほど大きな値をとる。
【0008】
各標本間の距離が親近度に対応するように、標本間の距離の2乗にマイナス1をかけたものを距離関係として定義する。
【0009】
【数1】
dij=−(xj −xi )2
次のように対応する標本間ごとに親近度と距離関係の積をとり、この総和が最大となるxi を求める。
【0010】
【数2】
【0011】
しかしこの条件式だけでは、すべての標本が同一の点に位置した場合に0となり、最大となって条件が満たされてしまう。このため標本の位置xi 2が一定の分散を持つように次の条件式を加える。
【0012】
【数3】
【0013】
上記条件式の数2式,数3式は行列の固有値問題に帰着する解法が知られていて、解析的に解を求めることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このような手法をたとえば、文書に適用する場合、上記標本が単語となり、親近度の高い標本xi が文書の特徴を表す単語として抽出される。しかしながら、この手法を実世界のデータに適用すると、親近度にランダムなノイズ(出現頻度が極端に低いデータ)が加わり、関係の深いデータ(この場合、単語)を分離(抽出)することが困難になるという解決すべき課題があった。
【0015】
そこで、本発明の目的は、ノイズの影響の少ない分類装置、方法およびファイル検索方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1の発明は、ファイルの中の複数のデータを関連の深いデータ同士にまとめて分類するために、前記データを標本とみなし、2つの標本の間の関連の度合いを示す親近度および2つの標本の間の距離に関する複数の標本全体の分布を統計解析する分類装置において、
前記複数の標本の分布の偏りを原点が分布の中心となるように平行移動させた後、共分散行列を求めて固有地分解を行うことで補正する第1の補正手段と、
前記第1の補正手段により補正された複数の標本の分布の中心から標本までの距離に比例して標本の個数が多くなるようにすべての標本について乱数を用いた配置を繰り返すことで前記複数の標本の距離を補正する第2の補正手段と
を具えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1に記載の分類装置において、前記ファイルは複数の単語を含む文書であり、前記標本を前記単語とすることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1に記載の分類装置において、前記ファイルは複数の音声要素からなるファイルであり、前記標本を前記音声要素とすることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1に記載の分類装置において、前記ファイルは複数の静止画を有する動画であり、前記標本を前記静止画とすることを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明は、ファイルの中の複数のデータを関連の深いデータ同士にまとめて分類するために、前記データを標本とみなし、2つの標本の間の関連の度合いを示す親近度および2つの標本の間の距離に関する複数の標本全体の分布をコンピュータにより統計解析する分類方法において、前記コンピュータが
前記複数の標本の分布の偏りを原点が分布の中心となるように平行移動させた後、共分散行列を求めて固有地分解を行うことで前記コンピュータにより補正する第1の補正手段と、
前記第1の補正手段により補正された複数の標本の分布の中心から標本までの距離に比例して標本の個数が多くなるようにすべての標本について乱数を用いた配置を繰り返すことで前記複数の標本の距離を前記コンピュータにより補正する第2の補正手段と
として動作することを特徴とする。
【0021】
請求項6の発明は、請求項5に記載の分類方法において、前記ファイルは複数の単語を含む文書であり、前記標本を前記単語とすることを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明は、請求項5に記載の分類方法において、前記ファイルは複数の音声要素からなるファイルであり、前記標本を前記音声要素とすることを特徴とする。
【0023】
請求項8の発明は、請求項5に記載の分類方法において、前記ファイルは複数の静止画を有する動画であり、前記標本を前記静止画とすることを特徴とする。
【0024】
請求項9の発明は、データベースに登録されたファイルをコンピュータにより検索するファイル検索方法において、前記コンピュータが、前記データベースに登録されたファイルを構成するデータと種類が同一で、検索目的のデータを入力する手段と、前記データベースに登録されたファイルの中に含まれるデータに対して請求項5に記載の分類方法を適用し、当該分類方法により分類されたデータが、前記入力する手段で入力されたデ−タと合致するか否かの判定を、前記データベースに登録されたファイル全てに対して行う手段ととして動作し、合致するの判定が得られたファイルを検索結果とすることを特徴とする。
【0025】
請求項10の発明は、請求項9に記載のファイル検索方法において、前記コンピュータが、検索策結果として得られるファイルをそのファイル名でリストアップするステップと、当該リストアップされたファイル名を、合致した前記データの有する親近度の順にソーティングする手段ととしてさらに動作することを特徴とする。
【0026】
請求項11の発明は、請求項9に記載のファイル検索方法において、前記コンピュータが、前記ファイルの中に含まれるデータの出現頻度を計数するステップと、検索策結果として得られるファイルをそのファイル名でリストアップする手段と、当該リストアップされたファイル名を、合致した前記データの有する出現頻度の順にソーティングする手段ととしてさらに動作することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0028】
最初に、本発明に関わる分類方法を説明する。上述の数量化IV類による解析では、後のシミュレーションで実験で示すように実世界データにしばしばあるように親近度にランダムなノイズが加わると、関係の深いものだけを分類することが困難になる。他の標本との関係によらず親近度の高い標本は中心付近に集中し、親近度が低い標本が中心から離れることで上記の条件式が満たされるようになる。
【0029】
この問題について検討した結果、距離の定義式の数1式を変更し、一定距離以上に離れた場合のペナルティを緩和することで上記問題2に対処できることを本願発明者は発見した。本発明の方法を用いると、ノイズ(出現頻度が極端に低い標本)などによって弱い関係を持つ標本間を放して配置しても、数2式の変化が非線形化により緩和されるので、分離しクラスタリングすることが可能となる。
【0030】
数1式を非線型関数Fにより変形し次のように定義する。
【0031】
【数4】
【0032】
Fは近傍(<a)については2次関数であり、その外側では1次関数となる次の式で定義する。
【0033】
【数5】
【0034】
この関数によって閾値a以内の近傍では2乗と同じとなり、その外側では対象間の距離が大きくなっても評価値の減少が小さいので目的とする効果が得られる。
【0035】
上記のように最小2乗項を非線形化すると、解析解を得られない。そこで次の節のように繰り返し法による数値解法が必要となる。さらに与えられた親近度の分布やaの値によっては特定の標本の位置だけを無限遠に置くことで最大化式が満たされてしまい数値計算が収束しない。
【0036】
また、数量化IV類に比べて標本の中心付近への集積が緩和されるものの、中心付近で異なるグループに所属する標本間の距離a以下になると、非線形化による効果が失われてしまう。
【0037】
この発散と中心への集中を防ぐために標本の位置を一定の超球内に閉じ込めて、この超球内での標本の分布を一様にとなるように以下の条件を加える。
【0038】
1.標本の分布の中心は原点である。
【0039】
2.標本の分布について主成分分析をしても分布にかたよりが見られない。
【0040】
3.一定半径の球殻内にすべての標本が存在し、中心から半径方向への分布が空間内での球体積に比例した分布となっている。
【0041】
最大化(最適化)と超球内一様化の条件を単一の式として解くことも可能であるが、データ規模によっては大規模行列計算となってしまう。そのため以下のように最適化と各制約を順次満たすような、繰り返し法で解を求める。
【0042】
数6式に数4式を代入すると次の式が得られる。
【0043】
【数6】
【0044】
特定の標本(xi )について偏微分すると次の式が得られ、Jが最大値を取るとき恒等的に0となる。
【0045】
【数7】
【0046】
【数8】
【0047】
F′は数5式の微分なので次のように与えられる。
【0048】
【数9】
【0049】
F′の展開のためにDを次のように定める。
【0050】
【数10】
【0051】
【数11】
【0052】
これを数8式に代入しxi について解き、それを逐次近似法の漸化式として利用する。
【0053】
【数12】
【0054】
これだけでは収束性については保証されないので次の超球内一様化を行う。
【0055】
原点への移動と特定方向へのかたよりの解消を次に説明する。
【0056】
まず原点が分布の中心となるように平行移動する。
【0057】
【数13】
【0058】
次に統計における主成分分析と同様に、共分散行列を求めて固有値分解によりどの方向に対する分散も同じ値となるようにする。
【0059】
【外1】
【0060】
【数14】
【0061】
これを固有値分解する。
【0062】
【数15】
A=Ut BU
得られた固有値σ1 ,σ2 ,…,σN に対して次のような逆変換行列を作る。
【0063】
【数16】
【0064】
以下の変換を行う。
【0065】
【数17】
【0066】
次に球の半径方向の標本の分布について統計をとる。図1に示したように超球の一定半径r内に存在する標本の数を、標本の総数で割って規格化した値を求める。これをrに対する関数と見てU(r)とする。なお数値処理のためにあらかいめ標本の分布している半径の範囲を定めて100段階に分割し、折線近似関数で代用している。
【0067】
理想的に標本が一様に分布していれば、半径方向に対して体積に比例することが期待されるので、閉じ込める超球の半径を1とし、空間の次元がNなのでU(r)はrN に一致する。そこで
【0068】
【外2】
【0069】
次の変換を行う。
【0070】
【数18】
【0071】
次の手順ですべての標本について繰り返し方によって位置を求める。
【0072】
1.初期値として標本iを一定半径の球内に一様分布となるように乱数を用いて配置する。
【0073】
【外3】
【0074】
2.tを繰り返し回数とし、すべての標本iについて数12式を計算し
【0075】
【外4】
【0076】
3.求められた
【0077】
【外5】
【0078】
球内一様化の処理を行う。
【0079】
4.tに1を加えて1に戻る。
【0080】
シミュレーションによって数量化IV類と本実施形態の方法の能力を比較する。ここでは標本数を1000とした。これらを100のクラスに分割し、各クラスは10ずつの標本を含む。同じクラスに所属する標本間の親近度は区間[0,1)の一様乱数で与えた。一方クラスの異なる標本間の親近度をノイズとして区間[0,α)の一様乱数で与える。αが1に近づくほど大きなノイズとなる。理想的なクラスタリングでは同一クラスに所属する10の標本ごとに空間中で集まることになる。
【0081】
ここではαが0.01と0.1の場合について示す。この場合の親近度を図2と図3に示した。1000の標本のうち3つのクラスに属する30の標本の相互関係を示している。縦横の軸は各標本であり、各交点上で親近度を四角形の大きさで示している。
【0082】
この標本に対して数量化IV類と本実施形態による分類を行い比較する。それぞれの手法を用いて10次元空間中に配置する。なお本実施形態では超球の半径を1とし、aを0.1とした。その結果50回の繰り返しによりほぼ収束した。各1000の標本は10次元空間中に位置しているので、可視化のためにすべての点を2次元平面上に正照影した結果を図4から図7に示している。
【0083】
数量化IV類によってもαが0.01の場合(図4)には、クラスごとに分離できている。しかし原点付近に位置したクラスでは近傍に集まってしまっている。同じデータで本実施形態によった場合は(図6)クラスごとに明確に分離していることがわかる。
【0084】
αが0.1になると、図5のように数量化IV類では大半の標本が超空間中の細い棒状の空間に集中してしまいクラスタに分離することができなくなる。これに対して本実施形態では(図7)個々のクラスの分散が大きくなるが明確に分離できている。
【0085】
認識や検索への利用を考えた場合には、例えばあるquery に対してその再近傍にある標本によってクラスを判別することをする。そこでアルゴリズムの能力を調べるために、1000個の各標本について、それぞれのもっとも近傍にある標本が本来想定した同じクラスにあるかどうかを調べた。表1にあるように、αが0.01以下ではどちらも正しく判別できている。しかしαがその値を超えると数量化IV類では判別が困難になってしまい、明らかに能力が劣っていることがわかる。
【0086】
【表1】
【0087】
なお、このシミュレーションに要したCPU時間は50回の繰り返しで215秒であった(Gray CS6400, SUN SPARC 85MHz)。
【0088】
本実施形態を適用したネットニュースの記事検索システムを説明する。
【0089】
インターネット上でのニュースシステムは日本では1985年からfjカテゴリーの運用が開始されている。発足以来現在までの約235万件の記事を収集しており、これに対する検索を提供することを目的としている。
【0090】
前処理としてすべての記事の本文について、Chasenを用いて形態素解析をし、単語に分類する。この単語すべてを統計処理すべき標本とみなして本実施形態の方法により超空間に配置する。
【0091】
各単語間の神話度については、まず収集された記事本文の中で、前後5単語以内に共起した単語の組についてすべてカウントしNijとする。次に助詞「は」や接尾辞のように出現頻度の高いものに標本が集中することを避けるため、各単語の出現数をNi として規格化し親和度Mijとしている。
【0092】
【数19】
【0093】
本実施形態の分類方法によって、標本iが座標xi に配置されるので、次に標本(単語)ごとに、空間内で近くに配置されている単語をあらかじめ検索してある。近傍にある単語は単一の文書中で共起性が高いので、関連の深いものと考えられ、これによって単語や文章の曖昧検索を可能としている。
【0094】
ユーザは、一般の日本文を与えることで検索できる。与えられた文章はChasenによって単語(形態素)に分割され、その単語とその近傍の単語を含む記事を検索する。
【0095】
検索された記事は、共有する単語数や単語ごとの出現頻度およびGalaxy空間中での距離から点数が付けられ、関連が深いと考えられるものから順に表示される。
【0096】
上述のネットニュースの検索を行うための分類装置内蔵のファイル検索システムの構成を図8に示す。ファイル検索システムとしは汎用のコンピュータ、たとえば、パーソナルコンピュータやワークステーションを使用可能であるが、本発明に関わるので、簡単にハード構成を説明しておく。図8において、1はCPUであり、システムメモリ2およびハードディスク記憶装置(HDD)4に記憶されたシステムプログラムにしたがって、構成各部のシステム制御を行う。さらにHDD4に記憶された図9の検索プログラムにしたがって、ネットニュースの検索を行う。この検索プログラムの中の後述の分類処理を実行する時のCPUが分類装置として機能する。
【0097】
システムメモリ2は上述のシステムプログラムおよびCPU1の演算に使用する各種のデータを記憶する。入力装置3は、データベースに登録するニュース(文書ファイル)を入力する。本例では、入力装置としてキーボードを使用するが、文書ファイルを入力できるものとしては、インターネットと接続する通信装置、フロッピーディスク等の記録媒体から文書ファイルを読み取る記録媒体読み取り装置を入力装置としても使用することができる。なお、入力装置3からは検索する内容(日本語文)をも入力する。
【0098】
HDD4は上述のシステムプログラムの一部および図9の検索プログラムを保存するとともに、さらには検索の対象となるネットニュースを蓄積しておくデータベースを保存する。さらに、HDD4にはデータの分類(関連のあるものを1つのグループにまとめること)処理で使用する単語間の親近度およびそれらの単語がテーブル形態で記憶されている。また、日本語の形態素解析を行うための単語辞書もHDD4に記憶されている。表示装置5には検索結果として得られるファイル名を表示する。
【0099】
このようなシステム構成において実行される検索処理を図9のフローチャートを参照して説明する。説明の便宜上、図9のフローチャートは機能表現で記載しているが、実際には、CPU1が読み取り実行可能なプログラム言語で記載され、HDD4に記憶されている。入力装置3からの起動の指示に応じて、図9のプログラムがHDD4からシステムメモリ2に読み出され、CPU1により実行される。
【0100】
図9において、ユーザは、たとえば、「自己組織化を行う装置」という日本語文を入力装置3から入力する。入力された日本語文からはCPU1の周知の形態素分析により、「自己」「組織化」「装置」の単語が抽出され、システムメモリ2に一時記憶される(ステップS10)。
【0101】
CPU1はHDD4に格納されたデータベースの中から第1番目のニュース、すなわち、文書ファィルをシステムメモリ2に読み出す。読み出された文書についても形態素解析が行われ、単語が抽出される(ステップS20)。ここで、上述した分類方法に従った分類処理が開始される。より具体的には、単語を標本として、CPU1は数2から数4式を満足する標本の分布をシステムメモリ2上に作成する。なお、この標本分布の作成と同時に、数4式の条件が組み込まれる。なお、数4式では、閾値aより距離が大きい標本と上記距離が小さい標本とでは、異なる距離の算出式を使用するので、2つの標本の距離が離れている場合、分布の中心から距離の離れた標本については評価値を大きくする補正が数5式により行われる。次に、CPU1は数6式から数18式を実行して、標本の分布の偏りを補正する。乱数を使用した標本の再配置の繰り返しにより標本が分布の中心からの距離に比例してそれらの個数が多くなるように標本の距離が補正される(ステップS30)。
【0102】
このように補正された標本の分布を使用して、従来と同様に主成分分析を行うと、関連のある標本(この場合)がシステムメモリ2上で1つのグループ(いわゆるクラス)に分類される(ステップS40)。以上の分類処理に平行して、各標本の文書ファイル中の出現頻度もCPU1により計数され、その計数結果と、上述の分類処理で得られる単語の親近度がこのシステムメモリ2に格納される。
【0103】
次にCPU1はステップS10で抽出された検索目的の単語(いわゆるキーワード)、すなわち、「自己」「組織化」「装置」とステップS40で分類された単語とを比較し、すべて合致する場合には、上記分類の対象となった文書ファイルのファイル名、合致した単語の出現頻度をシステムメモリ2上にリストアップする(ステップ50→S60)。この後、手順はステップS70を経由してステップS20に戻り、ステップS20〜S40でデータベースに保存された次の文書ファイルのデータ分類処理が行われる。
【0104】
一方、ステップS50の単語の合致判定処理で不一致の判定が得られた場合には手順をステップS20に戻し、データベースに保存された次のファイルについての分類処理が行われる。
【0105】
このようにして、データベース上のすべての文書ファイルについて、上述の分類処理および単語の合致判定処理、ファイル名リストアップ処理を行うと(ステップS70のYES判定)、CPU1はシステムメモリ2上にリストアップされたファイル名をソータティング(並べ替え)する。並べ替えの判断基準は、親近度および出現頻度の高いファイル名が上位に位置する。ソーティングの処理自体は周知であり、詳細な説明を要しないであろう。このようにして、得られたファイル名のリストが表示装置5に可視表示される(ステップS80)。
【0106】
上述の実施形態の他に次の形態を実施できる。
【0107】
1)上述の実施形態はデータファイルが文書ファイル、すなわち、複数の単語を有する文書(テキストとも称する)であったが、データファイルとしては、音声(人間の声)データ、動画データ、音響データさらには楽譜データ等のファイルについても本発明を適用できる。この場合には、音声データを複数の音声単位、たとえば、音素、音韻、単語等所定の音声長さ単位で区切った音声データを標本と使用すればよい。動画は複数の静止画で構成されているので、静止画を標本として使用する。音楽のような音響データ、楽譜データはたとえば、1小節のような長さの音楽データを標本として使用するとよい。このような、音声データ、動画、音響データファイルを対象とする検索システムでは、検索目的のデータをデータベースに登録されたデータと同一の種類の音声データ、動画データ、音響データで与えることができる。このようなファイル検索の用途としてはたとえば、小説、音楽、楽譜をデータベースに登録しておき、著作権の侵害の有無の判定のために対象のデータを検索にかけるといった用途も考えられる。
【0108】
2)上述の実施形態では、検索により取得したファイル名のソーティングについては出現頻度および親近度の双方を並び替えの判断基準として使用したが、いずれか一方のみを使用してもよいこと勿論である。
【0109】
3)図9に示すプログラムをフロッピーディスクやCDROM等の各種の記録媒体に記録して、図8のHDD4にインストールしてもよいこと勿論である。
【0110】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1、5の発明では、親近度が高く、意味内容の異なる標本の分布上の集中が緩和され、逆に分布上で集中がない標本については、個数が増やされる。これにより、ノイズの影響をなくし、さらには分布上で集中した標本を別のグループに分類することができ、従来よりも分類精度を向上させることができる。
【0111】
請求項2、6の発明では、コンピュータが処理する各種の文書ファイルに含まれるデータを精度よく自己組織化することができる。
【0112】
請求項3、7の発明では、コンピュータが処理する各種の音声データファイルに含まれるデータを精度よく自己組織化することができる。
【0113】
請求項4、8の発明では、コンピュータが処理する各種の動画データファイルに含まれるデータを精度よく自己組織化することができる。
【0114】
請求項9〜11の発明では、検索目的のデータ(文字の場合、キーワード)が複数有る場合には、個々のデータに合致するだけでなく、データの間の最も関連の深い(親近度の高い)ファイルやデータの出現頻度の高いファイルが検索結果の上位として得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態の標本分布と標本位置の補正を説明するための説明図である。
【図2】本発明実施形態のシミュレーション結果を示す説明図である。
【図3】本発明実施形態のシミュレーション結果を示す説明図である。
【図4】従来の標本分布を示す説明図である。
【図5】従来の標本分布を示す説明図である。
【図6】本発明実施形態の標本分布を示す説明図である。
【図7】本発明実施形態の標本分布を示す説明図である。
【図8】本発明実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図9】本発明実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU
2 システムメモリ
3 入力装置
4 HDD
5 表示装置
Claims (11)
- ファイルの中の複数のデータを関連の深いデータ同士にまとめて分類するために、前記データを標本とみなし、2つの標本の間の関連の度合いを示す親近度および2つの標本の間の距離に関する複数の標本全体の分布を統計解析する分類装置におい
て、
前記複数の標本の分布の偏りを原点が分布の中心となるように平行移動させた後、共分散行列を求めて固有地分解を行うことで補正する第1の補正手段と、
前記第1の補正手段により補正された複数の標本の分布の中心から標本までの距離に比例して標本の個数が多くなるようにすべての標本について乱数を用いた配置を繰り返すことで前記複数の標本の距離を補正する第2の補正手段と
を具えたことを特徴とする分類装置。 - 請求項1に記載の分類装置において、前記ファイルは複数の単語を含む文書であり、前記標本を前記単語とすることを特徴とする分類装置。
- 請求項1に記載の分類装置において、前記ファイルは複数の音声要素からなるファイルであり、前記標本を前記音声要素とすることを特徴とする分類装置。
- 請求項1に記載の分類装置において、前記ファイルは複数の静止画を有する動画であり、前記標本を前記静止画とすることを特徴とする分類装置。
- ファイルの中の複数のデータを関連の深いデータ同士にまとめて分類するために、前記データを標本とみなし、2つの標本の間の関連の度合いを示す親近度および2つの標本の間の距離に関する複数の標本全体の分布をコンピュータにより統計解析する分類方法において、前記コンピュータが
前記複数の標本の分布の偏りを原点が分布の中心となるように平行移動させた後、共分散行列を求めて固有地分解を行うことで前記コンピュータにより補正する第1の補正手段と、
前記第1の補正手段により補正された複数の標本の分布の中心から標本までの距離に比例して標本の個数が多くなるようにすべての標本について乱数を用いた配置を繰り返すことで前記複数の標本の距離を前記コンピュータにより補正する第2の補正手段と
として動作することを特徴とする分類方法。 - 請求項5に記載の分類方法において、前記ファイルは複数の単語を含む文書であり、前記標本を前記単語とすることを特徴とする分類方法。
- 請求項5に記載の分類方法において、前記ファイルは複数の音声要素からなるファイルであり、前記標本を前記音声要素とすることを特徴とする分類方法。
- 請求項5に記載の分類方法において、前記ファイルは複数の静止画を有する動画であり、前記標本を前記静止画とすることを特徴とする分類方法。
- データベースに登録されたファイルをコンピュータにより検索するファイル検索方法において、前記コンピュータが、
前記データベースに登録されたファイルを構成するデータと種類が同一で、検索目的のデータを入力する手段と、
前記データベースに登録されたファイルの中に含まれるデータに対して請求項5に記載の分類方法を適用し、当該分類方法により分類されたデータが、前記入力する手段で入力されたデ−タと合致するか否かの判定を、前記データベースに登録されたファイル全てに対して行う手段と
として動作し、合致する判定が得られたファイルを検索結果とすることを特徴とするファイル検索方法。 - 請求項9に記載のファイル検索方法において、前記コンピュータが、検索策結果として得られるファイルをそのファイル名でリストアップするステップと、当該リストアップされたファイル名を、合致した前記データの有する親近度の順にソーティングする手段としてさらに動作することを特徴とするファイル検索方法。
- 請求項9に記載のファイル検索方法において、前記コンピュータが、前記ファイルの中に含まれるデータの出現頻度を計数するステップと、検索策結果として得られるファイルをそのファイル名でリストアップする手段と、当該リストアップされたファイル名を、合致した前記データの有する出現頻度の順にソーティングする手段としてさらに動作することを特徴とするファイル検索方法。
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