以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る楽器用スタンドが適用される楽器システムの斜視図である。この楽器システムは、楽器用スタンドであるスタンド20に楽器本体10が支持され、さらに、足鍵盤部1を備えて構成される。足鍵盤部1は、複数の足鍵1aと2つのペダル装置1bとを備える。足鍵盤部1は、スタンド20の内側において平坦な床面に載置される。楽器本体10は、電子鍵盤楽器として構成され、2段の鍵盤部を有する。足鍵盤部1は、楽器本体10に電気的に接続されるが、そのための配線の図示は省略されている。
スタンド20は、折り畳み可能に構成され、楽器本体10を支持可能な「立設状態」と、収納に好適な「折り畳み状態」とに、状態を変えることができる。以降、前後方向及び左右方向については、図1に示すスタンド20の立設状態において奏者を基準として呼称する。従って、楽器本体10に対して奏者側が前側、鍵の並び方向が「左右方向」である。
図2は、立設状態のスタンド20を斜め右上前方からみた斜視図である。図3は、折り畳み状態のスタンド20を斜め左上後方からみた斜視図である。図4は、折り畳み状態のスタンド20の背面図である。図5は、折り畳み状態のスタンド20の平面図である。
図2〜図5に示すように、スタンド20は、主に、いずれも金属を主体として構成される左支柱21、右支柱22、下側可折パイプ体LP、上側可折パイプ体UP及び補強部材36、37が組み付けられて、左右対称で一体的な立設状態となる。左支柱21、右支柱22は、真直な角柱で構成され、左右の前部に配置される。
左支柱21、右支柱22の各上端部21a、22aには、樹脂等の軟質部材でなる前側受け部25、26が取り付けられ、さらに、前側受け部25、26の上部には、緩衝部27、28が取り付けられている。左支柱21、右支柱22の各下端部21b、22bには、接地用脚部23、24が取り付けられ、立設状態においてはこれらが床面に当接する(図2参照)。
上側可折パイプ体UPは、左上パイプUPLと右上パイプUPRとが連結部UCONで上下方向に折り曲げ可能に連結されて構成される。下側可折パイプ体LPは、左下パイプLPLと右下パイプLPRとが連結部LCONで上下方向に折り曲げ可能に連結されて構成される。図2に示す立設状態において、上側可折パイプ体UP、下側可折パイプ体LPは、いずれも平面視コ字状となる。
左上パイプUPLは、奥行き方向に延びた側部42と左右方向に延びた後部43とが一体となった環状部材であり、側部42と後部43とはほぼ直角を成している。右上パイプUPRは、奥行き方向に延びた側部44と左右方向に延びた後部45とが一体となった環状部材であり、側部44と後部45とはほぼ直角を成している。同様に、左下パイプLPLは、直角を成す側部52及び後部53から成り、右下パイプLPRは、直角を成す側部54及び後部55から成る。
側部42の前端部42a、側部44の前端部44aは、それぞれ、左支柱21の上端部21a、右支柱22の上端部22aに対して、上下及び左右方向に沿う面に平行に(奥行き方向に沿う軸を中心に)回動自在なように連結されている。側部52の前端部52a、側部54の前端部54aは、それぞれ、左支柱21の下端部21b、右支柱22の下端部22bに対して、上下及び左右方向に沿う面に平行に回動自在なように連結されている。
これらにより、左上パイプUPL、右上パイプUPRが、それぞれ、連結部UCON、連結部LCONで折り曲がる際には、左上パイプUPL、右上パイプUPR、左下パイプLPL、右下パイプLPRは、それぞれ側部42、44、52、54の各軸中心の周りに回動することになる。側部42、44、52、54を回動自在にする部分の詳細な構成については、図6で後述する。
図2に示す立設状態において、上側可折パイプ体UPと下側可折パイプ体LPとが、着脱自在で真直な補強部材36、37で連結されている。補強部材36、37は、例えば、中空円筒状のパイプ材で構成される。補強部材36の上端部36a、下端部36bは、それぞれパイプ材を押しつぶした瓦状の端部として形成され、該瓦状の端部にネジ穴が開けられている。上端部36a、下端部36bは、それぞれ、左上パイプUPLの後部43、左下パイプLPLの後部53に、ネジ40、38で固着されている。一方、補強部材37の上端部37a、下端部37bも上端部36a、下端部36bと同様に構成され、上端部37a、下端部37bは、それぞれ、右上パイプUPRの後部45、右下パイプLPRの後部55に、ネジ41、39で固着されている。これらにより、補強部材36、37は、上側可折パイプ体UPと下側可折パイプ体LPとを所定間隔を保って平行に保持すると共に、スタンド20の立設状態を安定的にする役割を果たす。
左下パイプLPLの後部53における、ネジ38付近の下部には、接地用脚部56が突設され、右下パイプLPRの後部55における、ネジ39付近の下部には、接地用脚部57が突設されている。立設状態においては、これらが、上記した接地用脚部23、24と共に床面に当接して(図2参照)、4点支持でスタンド20が立設される。
また、左上パイプUPLの後部43、右上パイプUPRの後部45には、それぞれ、後側受け部46、47が上方に突設され、後側受け部46、47の上部には、緩衝部27、28と同様の緩衝部48、49が取り付けられている。立設状態で楽器本体10を支持する際には、緩衝部27、28、48、49が楽器本体10の底面と当接して、楽器本体10を直接支持する。
緩衝部27、28、48、49は、ウレタンゴム等の滑りにくい弾性部材で構成される。これにより、楽器本体10が多少傾いたり揺れたりしても、楽器本体10の底面が緩衝部27、28、48、49と密着を維持しやすく、楽器本体10がずれて脱落することが抑制され、安定した位置で支持される。
上側可折パイプ体UPにおいて、後側受け部46、47の左右方向各内側位置に、ストッパ50、51が、上方に突出して設けられている。立設状態で楽器本体10が支持されている状態で、楽器本体10を後方に移動させようとすると、楽器本体10の背面がストッパ50、51に当接するようになっている。従って、ストッパ50、51により、楽器本体10の後方への脱落が防止される。
連結部UCONは、左上パイプUPLの後部43の右端部43aと右上パイプUPRの後部45の左端部45aとを連結し、連結部LCONは、左下パイプLPLの後部53の右端部53aと右下パイプLPRの後部55の左端部55aとを連結する。立設状態では、後部43と後部45、及び、後部53と後部55とが、それぞれほぼ同心上において真直になる。一方、後部43、45は、後部53、55よりも短いため、立設状態では、左支柱21、右支柱22は、それらの各上端部21a、22aが、左右方向内側に少し傾斜している。連結部UCON、LCONの詳細な構成は図7〜図9で後述する。
スタンド20を立設状態から折り畳み状態へと遷移させる際には、補強部材36、37を取り外して、上側可折パイプ体UPを、連結部UCONが下方に凸となるように折曲させると共に、下側可折パイプ体LPを、連結部LCONが上方に凸となるように折曲させる(図3参照)。上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPを折曲させていくと、やがて、後側受け部46の緩衝部48と後側受け部47の緩衝部49とが当接する(図4参照)。そして、図3〜図5に示すように、これらが当接したとき、上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPが共に完全な折曲状態となって、スタンド20が折り畳み状態となる。
この折り畳み状態では、左支柱21、右支柱22が互いに平行になる。また、左上パイプUPL、右上パイプUPR、左下パイプLPL及び右下パイプLPRも、左支柱21、右支柱22に対して平行になる。しかも、図4、図5に示すように、左右方向における左支柱21の左端と右支柱22の右端までの範囲に、パイプUPL、UPR、LPL、LPRのすべてが収まっている。このようにして、左右方向にコンパクトに折り畳むことができる。なお、ネジ38、39、41、40、59等の頭が上記範囲から若干突出しているが、これらのネジの頭も完全に上記範囲に収まるような形状にするのが望ましい。
なお、緩衝部48と緩衝部49とが当接して左支柱21、右支柱22が互いに平行になったとき、接地用脚部56と接地用脚部57とは、厳密には近接していて当接しない。しかし、左支柱21、右支柱22が平行な状態で、緩衝部48、49だけでなく接地用脚部56、57もちょうど当接するように構成してもよい。
スタンド20の折り畳み状態においては、図3、図4に示すように、連結部UCON及び後部43、45と、連結部LCON及び後部53、55とは、上下方向にオーバラップしている。すなわち、連結部UCONと連結部LCONとで、及び、後部43、45と後部53、55とで、奥行き方向の位置が異なっているために、上側可折パイプ体UPと下側可折パイプ体LPとが干渉することなくオーバラップ可能になっている。これにより、後部43、45、53、55の長さを長く設定することが容易で、立設状態におけるスタンド20の左右方向の寸法が長くても、折り畳み時には上下方向にコンパクトにすることができる。
図2に示すように、ストッパ50、51は、後部43、45から一旦後方に突出した後に上方に延びる鉤状になっている。そのため、図5に示すように、平面視において、ストッパ50、51と、後側受け部46、47乃至連結部UCONの連結片61(後述)とによって囲まれる囲み部S1が生じる。そして、この囲み部S1内には、取り外した補強部材36、37を挿通して、起立させることができる。補強部材36、37は、その一端が床面に当接するが、囲み部S1によって倒れないように立設保持される(図3、図5参照)。これにより、補強部材36、37も嵩張ることなく収納可能となる。なお、ゴム製等のバンドを別途設け、スタンド20の収納時には、囲み部S1内に挿通された補強部材36、37を、上記バンドで後部43、45と共に抱きかかえるように保持できるようにしてもよい。
図6(a)は、左支柱21の上端部21aの縦断面図、図6(b)は、その変形例の縦断面図である。図6(a)、(b)で、左上パイプUPLの側部42の前端部42aが左支柱21に対して回動自在に支持される部分の構成を説明する。
図6(a)に示すように、上端部21aには、受け部33が設けられると共に、後部には穴21cが形成されている。側部42の前端部42aは、穴21cを貫通して、上端部21aの内側において受け部33の位置まで挿通されている。前端部42aは、ネジ材で構成されるか、または、左上パイプUPLの側部42の前端にカシメにより固着されて側部42の前端部42aとなる。受け部33の前側には回転把持部31が装着される。回転把持部31からは、雄ねじ部34が受け部33を貫通して奥行き方向に延び、側部42の前端部42aに螺着されている。
かかる構成において、回転把持部31を締める方向に回転させると、側部42の前端部42aが受け部33に圧接し、側部42の回動が規制される。一方、前端部42aが受け部33から離間するまで回転把持部31を緩める方向に回転させれば、側部42は、雄ねじ部34を回動中心として左支柱21の上端部21aに対して自由に回動自在となる。
従って、スタンド20を立設状態と折り畳み状態との間で遷移させるときは、回転把持部31を緩め、いずれかの状態で維持するときは、回転把持部31を締めればよい。また、他の回動機構部分、すなわち、右支柱22の上端部22a、左支柱21、右支柱22の各下端部21b、22bに対する側部44、52、54の回動機構部分の構成も、図6(a)に示す構成と同様であり、雄ねじ部34と同様の雄ねじ部を回動軸として側部44、52、54が回動する。そして、それぞれ、回転把持部32、29、30(図2参照)によって回動規制及び回動許可の操作が可能である。連結部UCON、連結部LCONと雄ねじ部34とが、上側可折パイプ体UP、下側可折パイプ体LPを折り曲げ可能にする「折曲手段」を構成する。
なお、図6(a)に示す構成に代えて、図6(b)に示す構成を採用してもよい。すなわち、図6(a)に示す構成では、受け部33が上端部21aに一体に形成されたが、図6(b)に示す構成では、受け部33に相当する受け部133を、上端部21aとは別体で構成する。回転把持部31を締める方向に回転させると、受け部133の後面が上端部21aの前面に圧接すると共に、側部42の前端部42aが上端部21aの内側面に圧接し、側部42の回動が規制される。
図7は、スタンド20の立設状態における上側の連結部UCONの正面図である。図8は、スタンド20の立設状態における上側の連結部UCONの下面図である。図9は、図7のA−A線に沿う断面図である。
図7〜図9に示すように、左上パイプUPLの後部43の右端部43aと右上パイプUPRの後部45の左端部45aとは、前後に配置された2枚の連結片61で連結される。いずれの連結片61も、それらの両端部が、各々、連結ピン62、63で右端部43a、左端部45aに回動自在に連結されている。これにより、連結ピン62、63の軸部62a、63a(図9参照)を中心に、連結片61と後部43、45とが上下及び左右方向に沿う面に平行に回動自在となっている。
後部43、45はいずれも中空の環状に構成されている。右端部43aには摺動自在な可動バー60が内挿され、スタンド20の立設状態においては、可動バー60は、右端部43aから左端部45aに亘って介在している。右端部43aの下部には、その長手方向に沿ってスリット67が形成されている(図8、図9参照)。可動バー60の後部43側の端部近傍には、スリット67を貫通して、締め付けネジ58のネジ部66が螺合されている。一方、可動バー60の後部45側の端部近傍には、後部45の不図示の穴を貫通して、締め付けネジ59のネジ部68が螺合されている(図7参照)。また、可動バー60の前部及び後部には、凹溝60aが全長に亘って形成されている(図7、図9参照)。
右端部43a、左端部45aの各前部には、回り止めピン64、65が取り付けられている。回り止めピン64、65の先端(先端64aのみ図示)は、可動バー60の凹溝60a内に介在し、可動バー60が長手方向に沿う軸に対して回転しようとすると、凹溝60aと当接係合して、可動バー60の所定以上の回転を阻止する。なお、凹溝60aは、右端部43a、左端部45a内にある連結ピン62、63の部分との干渉を避けることにも寄与しているが、該連結ピン62、63の部分も先端64aと同様の回り止め機能を果たし得る。
かかる構成において、スタンド20の立設状態においては、可動バー60が締め付けネジ58、59と協働することにより後部43、45を強固に連結固定する機能を果たすので、上側可折パイプ体UPは、安定して立設状態に対応する姿勢(所定姿勢)を維持することができる。
スタンド20を立設状態から折り畳み状態に遷移させる際には、締め付けネジ58を緩めると共に、締め付けネジ59を取り外す。そして、締め付けネジ58を把持して、可動バー60を左方に移動させると、締め付けネジ58ネジ部66がスリット67内を摺動していく。そして、ネジ部66がスリット67の左端に当接するまで可動バー60を摺動移動させれば、その位置が可動バー60の左限位置となる。
可動バー60が左限位置にあるときは、可動バー60が右端部43a内に完全に収容される。この状態で、取り外した締め付けネジ59を、スリット67を介して可動バー60に螺合しておくことで、可動バー60が右端部43aから勝手に抜けることが防止される。さらには、締め付けネジ58、59を締め付けておくことで、がたつくことなく可動バー60が右端部43a内に固定される(図3参照)。
そして、後部43、45を、連結部UCONが下方に凸となる方向に連結片61を介してそれぞれ90°回動させて、互いに平行にする(図3参照)。これにより、上側可折パイプ体UPが、スタンド20の折り畳み状態に対応する折曲状態となる。
一方、スタンド20を立設状態に戻すには、後部43と後部45とを回動させて同心上に真直にし、すなわち、右端部43aと左端部45aの端面同士を対向させる。そして、締め付けネジ58を緩め、締め付けネジ59を取り外した状態で、可動バー60を移動可能な最も右方の位置に位置させる。ここで、締め付けネジ58のネジ部66がスリット67の右端に当接するまで可動バー60を移動させれば、その位置が可動バー60の右限位置となる(図8参照)。そして、その位置で締め付けネジ58、59を締める。
下側の連結部LCONについても、その構成は連結部UCONと全く同様であり、スタンド20の折り畳み時の折り曲げ方向が上方に凸となる点だけが異なる。また、上側可折パイプ体UPと下側可折パイプ体LPの伸張、折り畳み操作は並行して行うようにする。ところで、補強部材36、37は、連結部UCON、LCONを固定して上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPを平行にした状態で着脱する。
ここで、連結部UCONを構成する要素のうち、立設状態において最も高い位置に位置する部位は、後部43、45を除けば連結片61の上縁61aである(図7、図9参照)。そして、この連結片61の上縁61aよりも、楽器本体10の底面を受ける緩衝部27、28、48、49(図2参照)の位置の方が高く設定されている。これにより、楽器本体10を支持する際に楽器本体10の底面が連結部UCONに干渉することが回避される。
本実施の形態によれば、スタンド20を折り畳むと、左支柱21と右支柱22とが近接すると共に、上側可折パイプ体UPの左上パイプUPL及び右上パイプUPR、下側可折パイプ体LPの左下パイプLPL及び右下パイプLPRが、左支柱21、右支柱22に対して平行になるので、非使用時には左右方向にコンパクトに折り畳むことができる。特に、スタンド20の折り畳み状態では、左右方向における左支柱21の左端と右支柱22の右端までの範囲に、パイプUPL、UPR、LPL、LPRのすべてが平行な状態で収まるので、折り畳み時の左右方向のサイズを一層コンパクトにすることができる。その一方で、上側可折パイプ体UP、下側可折パイプ体LPは、立設状態において平面視コ字状であり、左支柱21、右支柱22の各上端部21a、22a、各下端部21b、22bに回動自在にされているので、スタンド20の立設状態で楽器本体10を支持する使用時には、演奏者の足が入るスペースを大きく確保することができる。
また、上側可折パイプ体UP、下側可折パイプ体LPは、それぞれ、下方に凸/上方に凸となるように折れ曲がって折曲状態となるので、スタンド20の折り畳み状態での上下方向のサイズをコンパクトにすることができる。
また、連結部UCONと連結部LCONとで、及び、後部43、45と後部53、55とで、それぞれ奥行き方向の位置が異なっていて、なおかつ、スタンド20の折り畳み時においては、上側可折パイプ体UPと下側可折パイプ体LPとが上下方向にオーバラップする。これにより、折曲時に上側可折パイプ体UPと下側可折パイプ体LPとが干渉しないようにできると共に、スタンド20の左右方向の長さを長くしたとしても、折り畳み状態での上下方向のサイズをコンパクトにすることができる。
また、スタンド20の立設状態においては、連結部UCONを構成する要素の最上部位である連結片61の上縁61aよりも、緩衝部27、28、48、49(図2参照)の位置の方が高いので、使用時に楽器本体10を支持する際には、楽器本体10の左右方向の長さや、楽器本体10の底面における連結部UCONとの干渉回避のための形状の制約を受けることなく、連結部UCONに楽器本体10が干渉しないようにすることができる。
また、スタンド20の折り畳み時には、後側受け部46の緩衝部48と後側受け部47の緩衝部49とが当接して(図4参照)、上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPが平行な折曲状態となるので、上側可折パイプ体UPと下側可折パイプ体LPとのパイプ部分の接触が抑制される。これにより、折り畳み操作によるスタンド20の損傷を抑制することができる。しかも、後側受け部46、47は、立設状態において楽器本体10を受ける役割を果たすものでもあるので、構成要素の兼用により、損傷防止用専用の部品を設ける必要がなく、構成が複雑化しないで済む。
また、平面視において、ストッパ50、51と、後側受け部46、47(乃至連結部UCONの連結片61)とによって生じる囲み部S1内に、取り外した補強部材36、37を挿通して、立設保持させることができるので(図3、図5参照)、スタンド20の非使用時において、立設保持専用の機構を設けることなく補強部材36、37を保持することができる。
また、上側可折パイプ体UP、下側可折パイプ体LPの、側部42、44、52、54、後部43、45、53、55の長さの設定によって、立設状態における左支柱21、右支柱22の傾斜角度を決められるので、スタンド20の設計の自由度が高い。
また、締め付けネジ58(図8参照)のネジ部66がスリット67の右端、左端に当接することで、可動バー60の右限位置、左限位置が規制されるので、可動バー60の位置合わせが容易であると共に、ネジ部66がストッパ機能を兼ねるので、構成が複雑化しない。しかも、締め付けネジ58、59が、スタンド20の立設状態と折り畳み状態の双方において、締め付けにより可動バー60を固定するのに用いられるので、構成が複雑化しない。
緩衝部27、28、48、49が弾性部材で構成されたので、楽器本体10が多少傾いたり揺れたりしても、簡単にはずれて脱落せず、安定した位置で楽器本体10を支持することができる。なお、楽器本体10のずれ防止の観点からは、緩衝部27、28、48、49のうち少なくとも1つ、好ましくは2つ以上を滑りにくい弾性部材で構成すればよい。
なお、補強部材36、37の下端部36b、37bについては、左下パイプLPL、右下パイプLPRに固着されたが(図2参照)、上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPを立設状態に対応する姿勢で固定的に支持できればよく、上記構成に限るものではない。例えば、下端部36b、37bは、床面に接地させてもよいし、左支柱21、右支柱22またはこれらに対して固定的にされた部分に対して固着するように構成してもよい。
なお、本実施の形態では、連結部UCON、LCONにより上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPが回動阻止されることに加えて、補強部材36、37を設けて、上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPが立設状態に対応する姿勢で安定的に維持されるようにした。しかし、連結部UCON、LCONの強度を十分に高くしておけば、上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPを、スタンド20の立設状態に対応する姿勢で維持できるので、補強部材36、37は必須ではない。また、逆に、折り畳み機能と楽器本体10を支持する機能に限って言えば、連結部UCON、LCONにおいては、回動機能のみ設け、後部43と後部45、及び後部53と後部55とをそれぞれ固定的にする機能は廃止し、専ら補強部材36、37によって、上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPを、楽器本体10を支持する姿勢で維持するようにしてもよい。
なお、連結部UCONと楽器本体10との干渉回避の観点に限って言えば、上側可折パイプ体UP、下側可折パイプ体LPの左支柱21、右支柱22に対する回動中心の軸方向や、折り畳み時における連結部UCON、LCONの凸となる方向は、限定されない。
なお、連結部UCON(図8参照)において、可動バー60は締め付けネジ58のみで固定されるようにして、締め付けネジ59は廃止してもよい。なぜなら、可動バー60が後部43、後部45に対してそれぞれ重なり領域OL1、OL2(図7参照)にて重なる状態となり、その状態を維持するためには少なくとも1箇所の固定で足りるからである。これに対するさらなる改善として、図10(a)の構成を示す。図10(a)は、連結部UCONの変形例の右半部の断面図である。締め付けネジ59を廃止する場合は、同図(a)に示すように構成するのが望ましい。
すなわち、右上パイプUPRの後部45内に臼型の受け部材69を固定する。受け部材69の左端部内側にはテーパ面69aが形成されている。一方、可動バー60の右端部には、段部60cを介して小径部60dが形成され、該小径部60dの右端部には、テーパ面69aに対応するテーパ面60bが形成されている。可動バー60を右方に移動させると、締め付けネジ58のネジ部66がスリット67(図8参照)の右端に当接する以前に、テーパ面69aとテーパ面60bとが当接するように設定されている。これにより、テーパ面69a、60bの当接によって可動バー60の右限位置が規制されると共に、可動バー60が後部45と同心に位置するようになる。従って、締め付けネジ59のようなもので固定しなくても、可動バー60の右端部がぐらつくことなく安定する。
なお、連結部UCONは、上記説明した構成に対して、前後対称、左右対称、あるいは前後及び左右対称に、逆の構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、左支柱21、右支柱22は棒状であり、各パイプUPL、UPR、LPL、LPRは、側部が後部とほぼ直角を成して奥行き方向に延びた部材とすることで、上下及び左右方向に沿う面に平行に回動自在に左支柱21、右支柱22に連結された。しかし、これに限るものではない。
図10(b)は、変形例の楽器用スタンドの背面側から見た斜視図を模式的に示す図である。同図(b)は、立設状態と折り畳み状態との中間の状態を示している。同図(b)に示すように、左支柱21、右支柱22に代えて、板状の側板121、122を設ける。そして、側板121、122の上端部の後部に対して、上側可折パイプ体UPに相当する上側可折パイプ体101を回動自在に連結すると共に、側板121、122の下端部の後部に対して、下側可折パイプ体LPに相当する下側可折パイプ体102を回動自在に連結してもよい。また、これに加えて、側板121、122の上端部の前部に対しても、上側可折パイプ体103を回動自在に連結してもよい。
ここで、上側可折パイプ体101、103は、中間位置の連結部で下方に凸となるように折れ曲がる。一方、下側可折パイプ体102は、中間位置の連結部で前方に凸となるように折れ曲がる(同図(b)の矢印参照)。
さらに、図示は省略するが、これらパイプ体101〜103は、上記した補強部材36、37(図2参照)と同様の補強部材(図示せず)で、相互に、あるいは側板121、122に対して連結する。また、側板121、122の後部下部には、切欠部121a、122aが切り欠いて設けられ、切欠部121a、122aに、下側可折パイプ体102の両端部が連結される。
すなわち、図10(c)に側板121の後部下部の拡大図を示すように、下側可折パイプ体102の右端部には、直角エルボ部102bが形成されている。そして、この直角エルボ部102bが、切欠部121aにおいて、回動把持部123によって螺着されている。これにより、直角エルボ部102bが、水平方向に平行に回動自在に側板121に支持される。左側の切欠部122aにおいても同様に、回動把持部123によって下側可折パイプ体102の左端部が水平方向に回動自在となっている。
このような構成により、上側可折パイプ体101、103と共に下側可折パイプ体102を折曲したとき、スタンド全体の厚みは、ほぼ、側板121、122と下側可折パイプ体102自体の厚みを合わせたものとなる。なお、側板121、122の内側に、下側可折パイプ体102が嵌合収容されるための収納溝を前後方向に沿って形成すれば、折り畳み状態におけるスタンド全体の厚みは、ほぼ、側板121、122の厚みとなる。なお、下側可折パイプ体102は、上記した下側可折パイプ体LPと同様に上方に凸となるように折れ曲がるように構成してもよい。
なお、折り畳み時の左右方向のサイズをコンパクトにすることに限っていえば、上側可折パイプ体、下側可折パイプ体の折曲方向は問わず、また、互いに異なる方向に折曲されるものであってもよい。
上記第1の実施の形態では、上側可折パイプ体UPを立設状態に対応する姿勢で維持する機構として、連結部UCONを例示したが、連結部UCONの構成はこれに限るものではなく、種々考えられる。以降の実施の形態では、連結部の他の構成を説明する。
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る楽器用スタンドにおいて、上側の連結部を斜め右上前方から見た斜視図である。本実施の形態では、連結部の構成のみが第1の実施の形態とは異なり、その他の構成は同様である。
図11に示すように、本実施の形態で採用される連結部UCON2においては、左上パイプUPLの後部43の右端部43aと右上パイプUPRの後部45の左端部45aとが1枚の連結部材71で連結される。右端部43aと左端部45aとは、共に、回動軸部72で連結部材71に対して上下方向に回動自在にされている。右端部43aの前部には、ピン73が設けられている。右端部43aには、右端部43aの長手方向に摺動自在な可動体70が装着されている。
図12(a)は、連結部UCON2の可動体70の右側面図である。図12(b)は、同図(a)のB−B線に沿う断面図である。
可動体70は、金属性等の別体の上側部材76と下側部材77とが円柱状の穴70aを形成するように組み付けられて成る。上側部材76の基端部76aと下側部材77の基端部77aとは、穴70a内に右端部43aを挿通した状態で、ネジ79で固定される(図11参照)。そして、上側部材76の先端部76bと下側部材77の先端部77bとを、締め付けネジ74、75で緩める/締め付けることで、右端部43a乃至左端部45aに対して摺動可能/固定することができる。なお、先端部76b、77b間の間隔を大きく広げられるように構成すれば、上側部材76と下側部材77は一体の部材であってもよい。
図12(b)に示すように、穴70a内における前側には、穴70aの長手方向に沿って、ピン73、回動軸部72の逃げ部としての溝78が形成されている。溝78は、右端から締め付けネジ74の近傍までに亘って形成されている。
かかる構成において、スタンド20を立設状態にするには、図11に2点鎖線で示すように、可動体70を右方に移動させ、右端部43aと左端部45aとに架け渡した位置に位置させる。可動体70の右限位置は、溝78の左端78aがピン73に当接することで規制される。可動体70には溝78が設けられているので、可動体70が移動する際、ピン73と干渉することはない。そして、右限位置に位置した可動体70を、締め付けネジ74、75で締めて固定する。
一方、スタンド20を立設状態から折り畳み状態へと遷移させるには、図11に実線で示すように、可動体70を左限位置に位置させる。ここで、可動体70の左限位置は、可動体70の左端が補強部材36の上端部36a(図2参照)と当接することで規制される。そして、締め付けネジ74、75を締めておくことで、可動体70が右端部43aに固定される。この状態で、右端部43aと左端部45aとは、連結部材71を介して自由に折り曲げ自在になっているので、その後の折り曲げ操作は第1の実施の形態と同様である。
ところで、スタンド20の立設状態においては、連結部UCON2を構成する要素の最上部位である締め付けネジ74、75の上端よりも、緩衝部27、28、48、49(図2参照)の位置の方が高く設定されている。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、締め付けネジ74、75は、上方から操作できるので、立設/折り畳みの作業を行いやすい。
なお、連結部UCON2は、上記説明した構成に対して、前後対称、左右対称、あるいは前後及び左右対称に、逆の構成としてもよい。
(第3の実施の形態)
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る楽器用スタンドにおいて、その立設状態における上側の連結部を斜め右上前方から見た斜視図である。図14は、図13のC−C線に沿う断面図である。本実施の形態では、連結部の構成のみが第1の実施の形態とは異なり、その他の構成は同様である。
図13、図14に示すように、本実施の形態で採用される連結部UCON3においては、左上パイプUPLの後部43の右端部43aと右上パイプUPRの後部45の左端部45aとが前後2枚の連結片81で連結される。右端部43aと左端部45aとは、共に、回動軸部82で連結片81に対して上下方向に回動自在にされている。スタンド20の立設状態においては、右端部43aと左端部45aとに架け渡すように、連結固定部材80が装着されている。
連結固定部材80は、上板部85、下板部86及びこれらを前部の2箇所で接続する接続部87から成り、側面視コ字状に金属等で一体に構成される。上板部85、下板部86、接続部87が、右端部43a、左端部45aの各外周面における上部、下部、前部に当接している。連結固定部材80は、2つの締め付けネジ83によって右端部43a、左端部45aに固定されている。すなわち、各締め付けネジ83のネジ部83aが、上板部85、右端部43a、左端部45aを貫通して、下板部86に螺合されている。
かかる構成において、図13に示す立設状態から折り畳み状態へと遷移させるには、2つの締め付けネジ83を外すと共に、連結固定部材80を前方へずらして取り外す。この状態で、右端部43aと左端部45aとは、連結片81を介して自由に折り曲げ自在になっているので、その後の折り曲げ操作は第1の実施の形態と同様である。
ところで、スタンド20の立設状態においては、連結部UCON3を構成する要素の最上部位である締め付けネジ83の上端よりも、緩衝部27、28、48、49(図2参照)の位置の方が高く設定されている。
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、連結部UCON3は、上記説明した構成に対して、前後対称、左右対称、あるいは前後及び左右対称に、逆の構成としてもよい。
なお、第2、第3の実施の形態において、上記連結部LCONに相当する下側の連結部にも、上側の連結部UCON2または連結部UCON3の構成を採用できることは言うまでもない。また、上側の連結部と下側の連結部とに採用する構成は、同一でなくてもよく、第1〜第3の実施の形態で説明したいずれの構成(UCON、UCON2、UCON3)をどのように組み合わせて採用してもよい。
なお、第1〜第3の実施の形態では、上側可折パイプ体UP及び下側可折パイプ体LPが折曲しないように維持するための部材として、可動バー60、可動体70、連結固定部材80を例示したが、このような機能を果たす部材は、パイプ体UP、LPに対して可動または着脱自在な部材であればよい。
(第4の実施の形態)
図15(a)は、本発明の第4の実施の形態に係る楽器用スタンドにおいて、その立設状態における上側の連結部の縦断面図である。図15(b)は、同連結部の横断面図である。本実施の形態では、連結部の構成のみが第1の実施の形態とは異なり、その他の構成は同様である。
本実施の形態で採用される連結部UCON4においては、左上パイプUPLの後部43の右端部43aと右上パイプUPRの後部45の左端部45aとが連結部材90で連結され、連結部UCON4が下方に凸となるように回動可能となっている。そして、右端部43aが、左端部45aに対して軸方向に移動可能になっており、その移動によって、両者間の固定(回動規制)と回動許容とを行えるようになっている。従って、本実施の形態においては、下側の連結部LCONについても、連結部UCON4と同様の機構を採用する必要がある。
図16(a)は、連結部UCON4において左上パイプUPL、右上パイプUPRの後部43、45が回動自在にされた状態を示す正面図である。同図(b)は、連結部UCON4において左上パイプUPL、右上パイプUPRの後部43、45が少し回動した状態を示す部分正面図である。
図15(a)、(b)に示すように、左端部45aの内周側には、円筒状の樹脂製等の固定柱94が内装され、固定柱94の内部には、金属製の係合片96が接着等によって内装固定されている。固定柱94の左端部は、左端部45aよりも左方に突出している(図16(a)参照)。係合片96の左端部は固定柱94より左方に突出している。係合片96にはネジ穴96bが形成されており、固定ネジ99が、左端部45a及び固定柱94を介して、ネジ穴96bに螺合されることで(図15(b)参照)、係合片96及び固定柱94が左端部45aに対して常時固定状態とされている。
一方、右端部43aの内周側には、円筒状の樹脂製等の固定柱93が接着等によって内装固定されている。固定柱93の内部には、金属製の係合片95が固定柱93の長手方向に摺動自在に挿入されている。係合片95の右端部は固定柱93より右方に突出している。係合片95には、その長手方向に沿ってスリット95cが形成されている。係合片95の左端部には、ネジ穴95bが形成されている。
図15(b)に示すように、右端部43aには、締め付けネジ98が後方から設けられている。すなわち、締め付けネジ98のネジ部98aが、右端部43aの後部及び固定柱93の各不図示の穴、さらにはスリット95cの右端部を貫通して、右端部43aの前部に設けた不図示の雌ねじに螺合されている。従って、締め付けネジ98、右端部43a及び固定柱93が一体となったものに対して、係合片95が右端部43aの長手方向に相対的に変位可能となる。
また、締め付けネジ97が、右端部43aの後面側の肉部及び固定柱93の各不図示の穴を介して、ネジ穴95b(図15(a)参照)に螺合されている。スタンド20の立設状態においては、右端部43aの右端面43abと左端部45aの左端面45aaとを当接させた状態を維持しつつ、締め付けネジ97、98を締め付けておくことで、左端部45aと右端部43aとが同心状態となって固定状態が安定して維持される。
係合片95、96は、連結部材90に対して、回動軸部92を中心に上下方向に回動自在に連結されている。連結部材90の下部には回動規制用の当接片91が一体に形成されている。
図15に示す立設状態においては、右端部43aのうち、固定柱93より右方の環状部分43aaが、連結部材90を覆うと共に、固定柱94の左端部をも覆っており、右端部43aの右端面43abが左端部45aの左端面45aaと当接している。
かかる構成において、図15に示す立設状態から折り畳み状態へと遷移させるには、以降、同じ構成の図示しない下側の連結部についても、同じ操作を同時に行う。まず、締め付けネジ97を、少なくともネジ穴95bから外す。すると、右端部43aが左端部45aから離間して左方へ移動可能となる。すなわち、係合片95にはスリット95cが形成されているので、締め付けネジ98のネジ部98aがスリット95cの左端に当接するまで右端部43aを移動させることができる。ネジ部98aがスリット95cの左端に当接した位置が、右端部43aの左限位置となる。
右端部43aが左限位置にくると、図16(a)に示すように、連結部材90が完全に露出し、右端部43aと左端部45aとは、回動自在となる。この状態で、締め付けネジ97を締めておくことで、右端部43aが不用意に移動することが防止される。その後の折り曲げ操作は第1の実施の形態と同様である。
ここで、本実施の形態では、連結部材90の下部に当接片91を設け、右端部43aと左端部45aとを真直にしたとき、係合片95の右端95aと係合片96の右端96a(図16(b)参照)とが、当接片91に当接するようになっている。すなわち、上側可折パイプ体UPは、右端部43aと左端部45aとが真直な状態から、連結部UCON4が下方に凸となる方向にのみ回動が許容される。従って、右端95a、右端96aが当接片91に当接した状態が、スタンド20の立設状態に対応する上側可折パイプ体UPの姿勢となるので、当接片91等によって、上記姿勢での上側可折パイプ体UPの仮固定の機能が果たされることになる。
ところで、下側の連結部については、連結部UCON4とは逆に下側可折パイプ体LPが上側に凸となるようにのみ折曲可能である点だけが異なる。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。それだけでなく、上側可折パイプ体UPが下方にのみ折曲可能で、立設状態に対応する姿勢で仮固定できるので、スタンド20の立設作業がやりやすくなる。
なお、連結部UCON4は、上記説明した構成に対して、前後対称、左右対称、あるいは前後及び左右対称に、逆の構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、固定柱94に右端部43aの環状部分43aaが被せられることで、右端部43aと左端部45aとが固定状態となったが、これに限られない。すなわち、右端部43aと左端部45aとを相対的に変位可能に構成すると共に、右端部43aに対して固定的な係合部と左端部45aに対して固定的な被係合部とが係合することで、右端部43aと左端部45aとが固定状態となるように構成すればよい。
(第5の実施の形態)
図17(a)は、本発明の第5の実施の形態に係る楽器用スタンドの立設状態を示す斜め前方からみた斜視図である。図17(b)は、同楽器用スタンドの立設状態を示す上から見た平面図である。
左側脚部111と右側脚部112との間に、上記した上側可折パイプ体UPに相当する可折体115が配置される。可折体115は、それぞれ板状の左側部材113と右側部材114とが、第4の実施の形態でも説明した連結部UCON4にて下方に折り曲げ可能に連結されて構成される。連結部UCON4は、前後2箇所に設けられる。
図18(a)は、図17(b)のD−D線に沿う断面図である。図18(b)は、本楽器用スタンドの折り畳み状態を示す部分断面図である。図18(c)は、連結部UCON4において左側部材113と右側部材114とが回動自在にされた状態を示す斜め前方からみた斜視図である。
連結部UCON4の構成は第4の実施の形態(図15、図16参照)のものと同じである。従って、図18(c)において、同じ構成要素には同一符号が付してある。図18(c)に示すように、立設状態における左側部材113の右端部には、左上パイプUPLの後部43(図15、図16参照)に相当するパイプ部143が埋設固定されている。パイプ部143の端面143abが、左上パイプUPLの後部43の右端面43abに相当する。端面143abと左側部材113の右端面113bとは面一に形成される。また、パイプ部143の環状内壁143aaが、右端部43aの環状部分43aaに相当する。
一方、立設状態における右側部材114の左端部には、右上パイプUPRの後部45(図15、図16参照)に相当するパイプ部(図示せず)が埋設固定され、このパイプ部に、上記した固定柱94が内装固定されている。このパイプ部の左端面(図15に示す左端面45aaに相当)と右側部材114の左端面114bとは面一に形成されている。締め付けネジ97、固定ネジ99(図18では図示省略)は廃止してもよい。また、締め付けネジ98は、後側にも設けてもよい。
図18(b)に示すように、左側部材113、右側部材114は、それぞれ、左側脚部111、右側脚部112の各内側面に対して、蝶番部116、117によって回動自在に連結されている。左側部材113の左側脚部111に近い側の端面、右側部材114の右側脚部112に近い側の端面には、それぞれ、く字状またはL字状のストッパ部118、119が取り付けられている(図17(b)も参照)。図17(a)、(b)、図18(a)、(b)に示すように、左側脚部111、右側脚部112の各内側には、ストッパ部118、119と同じ前後方向の位置に、ストッパ部118、119に対応して凹部111a、112aが形成されている。
スタンドの立設状態において、楽器本体10(図1参照)は、左側部材113、右側部材114の各上面113a、114aに載置される。左側脚部111、右側脚部112のうち上面113a、114aより高い部分である突出部111b、112bは、楽器本体10の左右方向へのずれや脱落を防止する。従って、この部分は、楽器本体10の高さの半分程度あれば十分である。
かかる構成において、スタンドの立設と折り畳み状態との遷移は、第4の実施の形態(図15、図16)と基本的に同様である。従って、立設状態では、左側部材113と右側部材114とが水平となる。すなわち、第4の実施の形態と同様に、図18(c)に示す状態から、左側部材113と右側部材114とを押し合う方向に付勢すると、各連結部UCON4の係合片95、連結部材90及び固定柱94が、パイプ部143内に入り込んでいく。そして、環状内壁143aaに固定柱94が滑り込んで、左側部材113と右側部材114との両対向面が対向して当接することで、本スタンドが立設状態となって、左側部材113と右側部材114とが確実に水平に保たれる。
また、このとき、図18(a)に示すように、左側部材113のストッパ部118が、凹部111aに嵌入し、凹部111aの左側の底部に当接する。右側部材114についてはその様子は図示しないが、同様に、ストッパ部119が、凹部112aの右側の底部に当接する。これにより、仮に本スタンドにおいて、左から力が加わったとしても、左側脚部111が左側部材113のストッパ部118を押すので、左側脚部111と左側部材113とは変形を起こさない。右からの力が加わったとしても、同様に、右側脚部112と右側部材114とは変形しない。すなわち、ストッパ部118、119と凹部111a、112aとの当接によって互いに抗力が生じるから、スタンドは変形しない。従って、ストッパ部118、119が連結部UCON4と協働して、スタンドの立設状態を安定的にする役割を果たす。また、立設状態において、凹部111a、112aにストッパ部118、119の一部が入り込んで当接するように構成したのは、載置した楽器本体10の側面がストッパ部118、119に干渉しないようにするためである。
また、立設状態においては、図17(a)に示すように、左側部材113、右側部材114の各上面113a、114aが面一となる。しかも、連結部UCON4は、左側部材113、右側部材114に内装状態となっていて、上面113a、114aよりも下方に位置する(図18(c)参照)。さらに、ストッパ部118、119のうち左側脚部111、右側脚部112間にある部分については、上面113a、114aと面一である(図18(a)参照)。従って、載置面となる上面113a、114aにおいて、それより上方に突出する構成要素がないので、載置する楽器本体10の底面形状の制約をほとんど受けることなく楽器本体10を支持することができる。
立設状態から左側部材113と右側部材114とを離間させると、図18(c)に示すように、連結部UCON4が露出して、左側部材113と右側部材114との折曲を許容する状態となる。そして、可折体115を下方に凸となるように折り曲げると、図18(b)に示すように、本スタンドが折り畳み状態となる。
ここで、図17(b)に示すように、凹部111aと凹部112aとは、前後方向の位置がずれていて、ストッパ部118とストッパ部119とも同様にずれている。これにより、折り畳み状態においても、ストッパ部118とストッパ部119とが干渉することがない(図18(b)参照)。折り畳み状態では、スタンド全体の左右方向の幅は、ほぼ、左側脚部111、右側脚部112、左側部材113、右側部材114を併せた厚みにまで薄くなる。
本実施の形態によれば、第4の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上記突出部111b、112bの上方への突出量を極力小さく設定して、左側脚部111、右側脚部112の各上面TP(図17(a)参照)に楽器本体10の不図示の脚部を当接させて、楽器本体10が上面TP上に載置されるように構成してもよい。そのように構成した場合は、仮に、左右いずれかの方向から本スタンドに対して、スタンド設置面EE(図17(a)参照)と左側脚部111、右側脚部112の各下面とがずれるくらいの強い力が加わったとき、加わった力の方向の反対側の脚部は、同じ側のストッパ部と離間することによりその方向に傾斜するおそれがある。しかし、上記反対側の脚部の傾倒を、上面TPと楽器本体10の脚部との摩擦力によって防止することができる。このような、さらなる安定構造且つ簡単構造のスタンドも実現することができる。
ところで、上記各実施の形態において、連結部UCON等の操作や状態に着目して表現するならば、パイプUPL、UPR、LPL、LPRが連結部UCON、UCON2、3、4、LCONにて回動可能な状態にすることは、連結部UCON2、3、4、LCON、補強部材36、37の操作や状態においては、「折曲許容状態にする」となる(図3〜図5、図10(b)、図11、図16、図18(c))。一方、パイプUPL、UPR等を回動不能な状態にすることは、連結部UCON等の操作や状態においては、「折曲禁止状態にする」となる(図2、図7、図8、図13、図15)。
なお、上記各実施の形態において、スタンド20は、楽器本体10の支持に用いるとしたが、支持される楽器は鍵盤楽器に限られない。
10 楽器本体、 20 スタンド(楽器用スタンド)、 21 左支柱(左側脚部)、 22 右支柱(右側脚部)、 21a、22a 上端部、 34 雄ねじ部(左側回動軸、右側回動軸)、 36 補強部材(左側支持部材)、 37 補強部材(右側支持部材)、 36a、37a 上端部(一端部)、 42a、44a 前端部、 46、47 後側受け部(左側、右側受け部)、 50 ストッパ(左側突起部)、 51 ストッパ(右側突起部)、 UP 上側可折パイプ体(可折体)、 UPL 左上パイプ(左側部材)、 UPR 右上パイプ(右側部材)、 UCON、UCON2、UCON3、UCON4 連結部(折曲部)、 S1 囲み部