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JP4730327B2 - ハイブリッド自動車およびその制御方法 - Google Patents
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JP4730327B2 - ハイブリッド自動車およびその制御方法 - Google Patents

ハイブリッド自動車およびその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車およびその制御方法に関する。
従来から、エンジン、第1のモータおよび車軸に接続された遊星歯車機構と、当該車軸に接続された第2のモータと、第1および第2のモータと電力をやり取り可能なバッテリとを備えたハイブリッド自動車が知られている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、アクセル操作に応じた運転者により要求されている要求トルクが設定されると共に、当該要求トルクを所定のトルク上下限値で制限することにより車軸に出力すべき目標トルクが緩変化するように設定され、要求トルクに基づいてエンジンが制御されると共に目標トルクが車軸に出力されるように第1および第2のモータが制御される。そして、目標トルクの設定に際して、トルク上下限値は、目標トルクの前回値の絶対値が小さいほど小さくなる傾向に設定される。これにより、このハイブリッド自動車では、運転者によるアクセル操作に応じて車軸に出力されるトルクが負側から正側に変化する際に、当該トルクの変化を緩やかなものとして車軸に出力される走行用のトルクの変化に起因した振動等を抑制することが可能となる。
特開2004−350364号公報
上記ハイブリッド自動車では、上述のトルク上下限値を用いて目標トルクを設定して車軸に出力されるトルクを緩やかに変化させている際、エンジンにより出力される余剰分のパワーは第1のモータにより回生されてバッテリの充電に供されることになる。ただし、バッテリの残容量やバッテリ環境によっては当該バッテリの充電が制限されることもあり、バッテリの充電が制限される場合にはエンジンにより出力される余剰分のパワーを消費しきれなくなる。このようにバッテリの充電が制限されているときには、第2のモータに電力を消費させるべく上述のようなトルク上下限値を用いた目標トルクの設定を中止することも考えられるが、これでは運転者によるアクセル操作に応じて走行用のトルクを負側から正側へと変化させる際に車軸に出力されるトルクを緩変化させ得なくなり、車軸に出力されるトルクの急変によりショックを生じさせてしまうおそれがある。
そこで、本発明によるハイブリッド自動車およびその制御方法は、運転者による駆動力要求操作に応じて走行用の動力を負側から正側へと変化させる際に生じがちなショックをより適正に抑制することを目的とする。
本発明によるハイブリッド自動車およびその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明によるハイブリッド自動車は、
内燃機関と、
所定の車軸と前記内燃機関の機関軸とに接続され、前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に電力の入出力を伴って前記車軸に動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、
前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を出力可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
運転者による駆動力要求操作に応じて要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される要求機関パワーを設定する要求機関パワー設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づいて目標駆動力を設定すると共に、少なくとも走行用の動力が値0を含む所定範囲内に含まれるときには、前記目標駆動力を前記要求駆動力に基づいて緩変化するように設定する目標駆動力設定手段と、
前記設定された要求機関パワーに基づいて前記内燃機関に出力させるべき目標機関パワーを設定すると共に、少なくとも走行用の動力が負側から正側へと変化する移行時に前記内燃機関の回転数に関連した所定条件が成立した場合には、前記目標機関パワーを前記要求機関パワーに基づいて緩変化するように設定する目標機関パワー設定手段と、
前記内燃機関が前記設定された目標機関パワーを出力すると共に前記設定された目標駆動力に基づく走行用の動力が得られるように前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えるものである。
このハイブリッド自動車では、運転者による駆動力要求操作に応じて要求駆動力が設定されると共に当該要求駆動力に基づいて内燃機関に要求される要求機関パワーが設定される。更に、要求駆動力に基づいて目標駆動力が設定されると共に、要求機関パワーに基づいて内燃機関の目標機関パワーが設定され、内燃機関が目標機関パワーを出力すると共に目標駆動力に基づく動力が得られるように内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とが制御される。そして、このハイブリッド自動車では、少なくとも走行用の動力が値0を含む所定範囲内に含まれるときに目標駆動力が要求駆動力に基づいて緩変化するように設定されると共に、走行用の動力が負側から正側へと変化する移行時に内燃機関の回転数に関連した所定条件が成立した場合、目標機関パワーが要求機関パワーに基づいて緩変化するように設定される。これにより、要求駆動力が負側から正側へと変化して走行用の動力が値0を含む所定範囲内に含まれるようになった際に、蓄電手段の充電に許容される電力が比較的小さく蓄電手段の充電が制限されていても、上記移行時に内燃機関の回転数に関連した所定条件が成立していれば目標機関パワーが緩変化させられることから、内燃機関から出力される余剰パワーによる蓄電手段の過充電を抑制しつつ走行用のトルクの急変に起因したショックを抑制すべく目標駆動力を緩やかに変化するように設定し続けることができる。従って、このハイブリッド自動車では、運転者による駆動力要求操作に応じて走行用の動力を負側から正側へと変化させる際に生じがちなショックをより適正に抑制することが可能となる。
この場合、前記所定条件は、前記内燃機関の回転数が所定回転数以上であるときに成立するものであってもよい。すなわち、内燃機関は、その回転数が比較的高いと指令値に対して応答性よくパワーを出力可能なものであり、このように回転数が比較的高い場合には内燃機関から出力される余剰パワーにより蓄電手段が過充電されやすくなる。従って、上記移行時であって内燃機関の回転数が所定回転数以上であるときに目標機関パワーを要求機関パワーに基づいて緩変化するように設定すれば、内燃機関から若干抑え気味にパワーが出力されるようにして蓄電手段の過充電を抑制することが可能となる。
また、上記ハイブリッド自動車は、前記要求駆動力を設定するための駆動力設定制約と前記目標機関パワーに対応した前記内燃機関の運転ポイントを設定するための機関運転ポイント設定制約とをそれぞれ含む複数の運転条件のうち、通常走行用の運転条件に対応づけられた第1のシフトポジションと、前記通常走行用の運転条件とは異なる複数の運転条件に対応づけられた第2のシフトポジションとの選択を運転者に許容すると共に、前記第2のシフトポジションが選択されているときに、該第2のシフトポジションに対応づけられた前記複数の運転条件からの任意の運転条件の選択を運転者に許容するシフトポジション選択手段を更に備えてもよく、前記所定条件は、前記第2のシフトポジションが選択されているときに成立するものであってもよい。すなわち、通常走行用の運転条件とは異なる複数の運転条件に対応づけられた第2のシフトポジションの選択と当該複数の運転条件からの任意の運転条件の選択を運転者に許容する場合、当該複数の運転条件の中に内燃機関の運転ポイントとしての目標回転数を比較的高めに設定する傾向をもった機関運転ポイント設定制約が含まれることがある。従って、上記移行時であって第2のシフトポジションが選択されているときに目標機関パワーを要求機関パワーに基づいて緩変化するように設定すれば、内燃機関の回転数が比較的高い状態にあるときに内燃機関から若干抑え気味にパワーが出力されるようにして蓄電手段の過充電を抑制することが可能となる。
更に、前記第2のシフトポジションに対応づけられた前記複数の運転条件の機関運転ポイント設定制約は、それぞれ車速と前記内燃機関の目標回転数との関係を規定するものであってもよく、前記所定条件は、運転者により前記複数の運転条件の中から所定の運転条件が選択されているときに成立するものであってもよい。これにより、目標機関パワーを要求機関パワーに基づいて緩変化するように設定する機会を例えば内燃機関の目標回転数を比較的高く規定する機関運転ポイント設定制約を含む運転条件が選択されたとき等に限定し、必要以上に内燃機関のパワーを抑えないようして運転者による加速要求等に良好に応えることが可能となる。
また、前記要求駆動力設定手段は、運転者によるアクセル操作に応じて前記要求駆動力を設定するものであってもよく、前記移行時は、運転者によるアクセル操作の状態がアクセルオフ状態からアクセルオン状態へと変化したときであってもよい。
更に、前記目標機関パワー設定手段は、前記要求機関パワーが上昇傾向にあるときに前記目標機関パワーを第1の制約と前記要求機関パワーとに基づいて緩変化するように設定すると共に、前記移行時に前記所定条件が成立した場合には、前記目標機関パワーを前記第1の制約に比べて前記目標機関パワーをより緩やかに変化させる傾向の第2の制約と前記要求機関パワーとに基づいて緩変化するように設定するものであってもよい。これにより、上記移行時であって上記所定条件が成立したとき以外の場合には、走行用の動力の急変を抑制しつつ運転者による加速要求等に良好に応えることを可能にすると共に、上記移行時であって上記所定条件が成立した場合には、蓄電手段の過充電を抑制しつつ走行用のトルクの急変に起因したショックを抑制すべく目標駆動力を緩やかに変化するように設定し続けることとができる。
また、前記目標駆動力設定手段は、前記要求駆動力が上昇傾向にあるときに前記目標駆動力を第1の制約と前記要求駆動力とに基づいて緩変化するように設定すると共に、走行用の動力が値0を含む所定範囲内に含まれるときには、前記目標駆動力を前記第1の制約に比べて前記目標駆動力をより緩やかに変化させる傾向の第2の制約と前記要求駆動力とに基づいて緩変化するように設定するものであってもよい。
そして、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電用電動機と、前記車軸と前記内燃機関の前記機関軸と前記発電用電動機の回転軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段とを含むものであってもよい。
本発明によるハイブリッド自動車の制御方法は、
内燃機関と、所定の車軸と前記内燃機関の機関軸とに接続され、前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に電力の入出力を伴って前記車軸に動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えたハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)運転者による駆動力要求操作に応じて要求駆動力を設定するステップと、
(b)ステップ(a)にて設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される要求機関パワーを設定するステップと、
(c)ステップ(a)にて設定された要求駆動力に基づいて目標駆動力を設定すると共に、少なくとも走行用の動力が値0を含む所定範囲内に含まれるときには、前記目標駆動力を前記要求駆動力に基づいて緩変化するように設定するステップと、
(d)ステップ(b)にて設定された要求機関パワーに基づいて前記内燃機関に出力させるべき目標機関パワーを設定すると共に、少なくとも走行用の動力が負側から正側へと変化する移行時に前記内燃機関の回転数に関連した所定条件が成立した場合には、前記目標機関パワーを前記要求機関パワーに基づいて緩変化するように設定するステップと、
(e)前記内燃機関がステップ(d)にて設定された目標機関パワーを出力すると共にステップ(c)にて設定された目標駆動力に基づく走行用の動力が得られるように前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御するステップと、
を含むものである。
この方法によれば、要求駆動力が負側から正側へと変化して走行用の動力が値0を含む所定範囲内に含まれるようになった際に、蓄電手段の充電に許容される電力が比較的小さく蓄電手段の充電が制限されていても、上記移行時に内燃機関の回転数に関連した所定条件が成立していれば目標機関パワーが緩変化させられることから、内燃機関から出力される余剰パワーによる蓄電手段の過充電を抑制しつつ走行用のトルクの急変に起因したショックを抑制すべく目標駆動力を緩やかに変化するように設定し続けることができる。従って、この方法を採用すれば、運転者による駆動力要求操作に応じて走行用の動力を負側から正側へと変化させる際に生じがちなショックをより適正に抑制することが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。同図に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22の出力軸であるクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに連結された減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70等とを備えるものである。
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24による燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22に対して設けられて当該エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力される。そして、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号や上記センサからの信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。機関側回転要素としてのキャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、車軸側回転要素としてのリングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して最終的に駆動輪である車輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、何れも発電機として作動すると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介して二次電池であるバッテリ50と電力のやり取りを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の何れか一方により発電される電力を他方のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2の何れかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになり、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、何れもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号等が出力される。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンを実行し、モータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。また、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からのバッテリ温度Tb等が入力されている。また、バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70やエンジンECU24に出力する。実施例のバッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCを算出したり、当該残容量SOCに基づいてバッテリ50の充放電要求パワーPb*を算出したり、残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の充電に許容される電力である充電許容電力としての入力制限Winとバッテリ50の放電に許容される電力である放電許容電力としての出力制限Woutとを算出したりする。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定すると共に、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定可能である。図2にバッテリ温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図3にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に各種処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、計時指令に応じて計時を実行するタイマ78と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ87からの車速V等が入力ポートを介して入力される。そして、ハイブリッドECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と各種制御信号やデータのやり取りを行なう。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバー81のシフトポジションSPとして、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション)、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)、中立のニュートラルポジション(Nポジション)、通常の前進走行用のドライブポジション(Dポジション:第1のシフトポジション)の他に、複数の仮想シフトポジションSP1〜SP8からの任意の仮想シフトポジションの選択を可能とするシーケンシャルシフトポジション(Sポジション:第2のシフトポジション)、アップシフト指示ポジションおよびダウンシフト指示ポジション等が用意されている。シフトポジションSPとしてDポジションを選択すると、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22が効率よく運転されるように運転制御される。また、シフトポジションSPとしてSポジションを選択すれば、車速Vに対するエンジン22の回転数の比を例えば8段階(SP1〜SP8)に変更することが可能となる。実施例では、運転者によりシフトレバー81のシフトポジションとしてSポジションが選択されると、その際の車速Vに応じて仮想シフトポジションSP1〜SP8の中の何れかが初期段として設定され、以後、シフトレバー81がアップシフト指示ポジションにセットされると仮想シフトポジションが1段ずつ上げられる(アップシフトされる)一方、シフトレバー81がダウンシフト指示ポジションにセットされると仮想シフトポジションが1段ずつ下げられ(ダウンシフトされ)、シフトポジションセンサ82は、シフトレバー81の操作に応じて現在のシフトポジションSP(SP1〜SP8の何れか)を出力する。
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動輪たる車輪39a,39bに連結された車軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクT*が計算され、この要求トルクT*に対応する動力がリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するように運転制御するモータ運転モード等がある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転者によるアクセル操作の状態がアクセルオフ状態からアクセルオン状態へと変化したときのハイブリッド自動車20の動作について説明する。図4および図5は、運転者によるアクセル操作の状態がアクセルオフ状態からアクセルオン状態に変化すると、ハイブリッドECU70により所定時間(例えば数msec)ごとに繰り返し実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
なお、運転者によるアクセル操作の状態がアクセルオフ状態にあるときには、ハイブリッドECU70により図示を省略するアクセルオフ時駆動制御ルーチンが実行され、図6に例示する要求トルク設定用マップを用いてアクセル開度Accと車速VとシフトポジションSPとに対応した要求トルクT*が設定されると共に、当該要求トルクT*に基づいて車軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき目標トルクTr*(過渡状態を除いて基本的には要求トルクT*と同一の値)が設定され、更に所定のアクセルオフ時目標回転数設定用マップ(目標回転数設定制約:実施例では図9に例示するエンジン下限回転数設定用マップ)を用いて車速VとシフトポジションSPとに対応したエンジン22の目標回転数Ne*が設定される。そして、回転数Neが目標回転数Ne*となるように燃料カットした状態のエンジン22がモータMG1によりモータリングされると共に、車軸としてのリングギヤ軸32aに目標トルクTr*に基づくトルクが出力されるようにモータMG1およびMG2が駆動制御される。ここで、図6に例示する要求トルク設定用マップは、アクセル開度Accが0%(アクセルオフ)のときには例えば仮想シフトポジションSP8からSP1へと段数が小さくなるほど同一の車速Vに対する駆動力を小さく(制動力として大きく)設定するものとして(ただし、図6の例においてDポジションとSP8との間では同一)予め作成され、ROM74に記憶されている。すなわち、実施例のハイブリッド自動車20において、アクセル開度Accが0%である場合については、仮想シフトポジションSP1〜SP8に、それぞれ異なる要求トルク設定制約(要求駆動力設定制約)が対応づけられる。このような要求トルク設定用マップを用いることにより、運転者によるアクセル操作の状態がアクセルオフ状態にあると共に車速Vがある程度高い場合には、図6からわかるように、要求トルクT*や目標トルクTr*が制動トルク(負のトルク)として設定されることになる。また、図示しないアクセルオフ時目標回転数設定用マップは、車速VとシフトポジションSP(D,SP1〜SP8)とエンジン22の目標回転数Ne*との関係を規定するものとして予め作成され、ROM74に記憶されている。そして、実施例のアクセルオフ時目標回転数設定用マップは、同一の車速Vに対してシフトポジションSPの段数が大きくなるほど(SP1からSP8に至るほど)目標回転数Ne*を小さく設定するように作成されている。これにより、実施例では、例えばシフトポジションSPが仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかに設定されている場合、アクセルオフ状態のもとでもエンジン22の回転数Neが比較的高く保たれることになる。
さて、図4の駆動制御ルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accやシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、車速センサ87からの車速V、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、充放電要求パワーPb*、バッテリ50の入出力制限Win,Wout、タイマ78により計時される経過時間tといった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、モータECU40から通信により入力するものとした。また、充放電要求パワーPb*や入出力制限Win,Woutは、バッテリECU52から通信により入力するものとした。更に、経過時間tは、アクセル操作状態がアクセルオフ状態にあるときに運転者によりアクセルペダル83が踏み込まれてから、すなわちアクセルオフ状態からアクセルオン状態へと移行してからの経過時間であり、タイマ78により計時されるものである。
ステップS100のデータ入力処理の後、入力したアクセル開度Accと車速VとシフトポジションSPとに基づいて運転者により要求されている要求トルクT*を設定した上で、エンジン22に要求される要求エンジンパワーP*を設定する(ステップS110)。ここでは、上述した図6の要求トルク設定用マップからアクセル開度Accと車速VとシフトポジションSPとに対応したものが要求トルクT*として導出・設定される。なお、図6に例示する要求トルク設定用マップは、アクセルオン状態(Acc>0%)にあるときにはシフトポジションSPがDポジションおよび仮想シフトポジションSP1〜SP8の何れであっても同一の制約のもとでアクセル開度Accと車速Vとに応じた要求トルクT*を設定するように作成されている。ただし、アクセルオン状態(Acc>0%)にある場合の要求トルク設定制約(要求駆動力設定制約)をDポジションおよびSP1〜SP8とのうちの少なくとも何れか2つの間で異なるものとしてもよいことはいうまでもない。また、実施例において、要求エンジンパワーP*は、設定した要求トルクT*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものと充放電要求パワーPb*(ただし放電要求側を正とする)とロスLossとの総和として計算される。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、図示するようにモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除するか、あるいは車速Vに換算係数kを乗じることによって求めることができる。
次いで、駆動輪たる車輪39a,39bに連結された車軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべきトルクとして設定される目標トルクTr*の前回値(アクセルオン直後にはアクセルオフ時駆動制御ルーチンにて設定された値)の絶対値が所定の閾値Tref以下であるか否かを判定する(ステップS120)。ここで、閾値Trefは、車軸としてのリングギヤ軸32aに実際に出力される走行用のトルク(負のトルクを含む)が値0を含む所定範囲(値0近傍)に含まれているとみなせるか否かを判定するためのものであり、実験・解析を経て定められる比較的小さな値である。そして、目標トルクTr*の前回値の絶対値が閾値Trefを上回っていれば、目標トルクTr*の所定時間(ここでは本ルーチンの実行間隔)あたりの変化量の上下限値である上下限レート値Trtを第1レート値Trt1に設定し(ステップS130)、目標トルクTr*の前回値の絶対値が閾値Tref以下であれば、上下限レート値Trtを第1レート値Trt1よりも小さい第2レート値Trt2に設定する(ステップS140)。こうして上下限レート値Trtを設定したならば、要求トルクT*と目標トルクTr*の前回値と上下限レート値Trtとに基づいて目標トルクTr*を設定する(ステップS150)。すなわち、ステップS150では、次式(1)に示すように、目標トルクTr*の前回値から上下限レート値Trtを減じた値とステップS110で設定した要求トルクT*とのうちの大きい方と、目標トルクTr*の前回値に上下限レート値Trtを加えた値とのうちの小さい方を目標トルクTr*として設定する。これにより、アクセルオフ状態からアクセルオン状態へと移行して要求トルクT*が上昇していく場合、図7に示すように、基本的に目標トルクTr*が第1の制約たる第1レート値Trt1と要求トルクT*とに基づいて緩変化するように設定され(ステップS130)、走行用のトルク(目標トルクTr*の前回値)が値0を含む所定範囲(値0近傍)に含まれる間、目標トルクTr*が第1レート値Trt1よりも目標トルクTr*をより緩やかに変化させる傾向の第2レート値Trt2(第2の制約)と要求トルクT*とに基づいて緩変化するように設定されることになる。従って、アクセルオフ状態からアクセルオン状態へと移行したときには、図7に示すように時間の経過と共に徐々に目標トルクTr*が要求トルクT*に一致するようになり、その間、走行用のトルクが値0を含む所定範囲(−Tref〜Trefの範囲)に含まれているときには目標トルクTr*がその前後に比べてより緩やかに変化するように設定されることから、車軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクの変化に起因した振動やショックを抑制することが可能となる。
Tr*=min(max(T*,前回Tr*-Trt),前回Tr*+Trt ) …(1)
ステップS150にて目標トルクTr*を設定したならば、更にエンジン22の目標エンジンパワーPe*を設定する(ステップS160)。この場合、図5に示すように、まず通常時には値0に設定される所定のフラグFが値0であるか否かを判定し(ステップS161)、フラグFが値0であれば、更に目標トルクTr*の前回値(ステップS120の場合と同様)が値0未満であるか否かを判定する(ステップS162)。目標トルクTr*の前回値が値0以上である場合には、車軸としてのリングギヤ軸32aに出力される走行用のトルクも値0以上になっているとみなされるので、この場合には、目標エンジンパワーPe*の所定時間(本ルーチンの実行間隔)あたりの変化量の上下限値である上下限レート値Prtを所定値Prt1に設定した上で(ステップS163)、要求エンジンパワーP*と目標エンジンパワーPe*の前回値(アクセルオン直後には値0)と上下限レート値Prtとに基づいて目標エンジンパワーPe*を設定する(ステップS169)。すなわち、ステップS169では、次式(2)に示すように、目標エンジンパワーPe*の前回値から上下限レート値Prtを減じた値とステップS110で設定した要求エンジンパワーP*とのうちの大きい方と、目標エンジンパワーPe*の前回値に上下限レート値Prtを加えた値とのうちの小さい方を目標エンジンパワーPe*として設定する。これにより、ステップS163の処理が実行された場合には、目標エンジンパワーPe*がある程度の立ち上がりをもって緩変化するように設定されることになる(図7における一点鎖線参照)。
Pe*=min(max(P*,前回Pe*-Prt),前回Pe*+Prt ) …(2)
一方、ステップS162にて目標トルクTr*の前回値が値0未満であると判断された場合、すなわち車軸としてのリングギヤ軸32aに制動トルクが出力されていると見なされる場合には、更にステップS100にて入力したシフトポジションSPがDポジション、仮想シフトポジションSP1〜SP8の何れであるかを調べる(ステップS164)。そして、シフトポジションSPがDポジション、仮想シフトポジションSP5〜SP8の何れかである場合には、上述のステップS163の処理を実行した上で、ステップS169にて目標エンジンパワーPe*を設定する。すなわち、シフトポジションSPがDポジション、仮想シフトポジションSP5〜SP8の何れかに設定されている場合には、アクセルオフ状態のもとでもエンジン22の回転数Neは比較的低い状態に保たれている。従って、エンジン22の目標エンジンパワーPe*をある程度の立ち上がりをもって上昇させても、応答遅れによりエンジン22から実際に出力されるパワーは目標エンジンパワーPe*よりも若干低くなり、リングギヤ軸32aに出力されるトルクが負側から正側に変化する場合であってもトルクの変化に起因した振動やショックを生じさせるおそれは少ない。このため、ステップS164にてシフトポジションSPがDポジション、仮想シフトポジションSP5〜SP8の何れかであると判断された場合には、ステップS163の処理を経てステップS169にて目標エンジンパワーPe*を設定するのである。
これに対して、ステップS164にてシフトポジションSPが仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかであると判断された場合には、フラグFを値1に設定した上で(ステップS165)、ステップS100にて入力した経過時間tに基づいて上下限レート値Prtを設定する(ステップS166)。実施例では、ステップS166の処理に際して、上下限レート値Prtと経過時間tとの関係を規定する関数が用いられる。この関数は、図7において実線で示すように、上記所定値Prtを上下限レート値とした場合(図7における一点鎖線参照)に比べて目標トルクTr*がより緩やかに変化するように上下限レート値Prtと経過時間tとの関係を規定するように実験・解析を経て予め作成されている。ステップS166にて上下限レート値Prtを設定したならば、ステップS100にて入力した経過時間tが目標トルクTr*と要求トルクT*とを一致させるのに十分な所定時間tref以上であるか否かを判定し(ステップS167)、経過時間tが所定時間tref未満であれば、上述のステップS169にて、要求エンジンパワーP*と目標エンジンパワーPe*の前回値と上下限レート値Prtとに基づいて目標エンジンパワーPe*を設定する。また、上述のようにしてステップS165にてフラグFが値1に設定されると、本ルーチンの次の実行時には、ステップS162およびS164の処理がスキップされ、ステップS166,S167およびS169の処理が実行される。そして、ステップS168にて経過時間tが所定時間tref以上であると判断されると、フラグFが値0に設定されると共にタイマ78がオフされ(ステップS168)、それ以後、基本的にステップS163にて設定される上下限レート値Prt等に基づいてエンジン22の目標エンジンパワーPe*が設定されるようになる(ステップS169)。このように、アクセルオフ状態からアクセルオン状態への移行時に、車軸としてのリングギヤ軸32aに制動トルクが出力されると共にシフトポジションSPとして仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかが設定されている場合には、ステップS166にて上下限レート値が設定されることから、図7に示すように、ステップS163の処理が実行される場合に比べて目標エンジンパワーPe*がより緩やかに変化するように設定されることになる。
上述のようにしてエンジン22の目標エンジンパワーPe*を設定したならば、当該目標エンジンパワーPe*に基づいてエンジン22の仮の目標運転ポイントである仮目標回転数Netmpと仮目標トルクTetmpとを設定する(ステップS170)。実施例では、エンジン22を効率よく動作させるための動作ラインと目標エンジンパワーPe*とに基づいてエンジン22の仮目標回転数Netmpと仮目標トルクTetmpとを設定するものとした。図8に、エンジン22の動作ラインと回転数NeとトルクTeとの相関曲線とを例示する。同図に示すように、仮目標回転数Netmpと仮目標トルクTetmpとは、上記動作ラインと目標エンジンパワーPe*(Ne*×Te*)が一定となることを示す相関曲線との交点として求めることができる。エンジン22の仮目標回転数Netmpと仮目標トルクTetmpとを設定したならば、ステップS100にて入力したシフトポジションSPがDポジション、仮想シフトポジションSP1〜SP8の何れであるかを調べ(ステップS180)、シフトポジションSPがDポジションである場合には、仮目標回転数Netmpをエンジン22の目標回転数Ne*として設定すると共に仮目標トルクTetmpをエンジン22の目標トルクTe*として設定する(ステップS190)。また、シフトポジションSPが仮想シフトポジションSP1〜SP8の何れかである場合には、ステップS100にて入力した車速VとシフトポジションSPとに基づいてエンジン22の回転数Neの下限値であるエンジン下限回転数Neminを設定する(ステップS200)。ここで、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションSPとしてSポジションが選択されているときに、車速VとシフトポジションSP(SP1〜SP8)に応じてエンジン下限回転数Neminを定めることとしており、エンジン下限回転数Neminは、同一の車速Vに対してシフトポジションSPの段数が大きくなるほど(SP1からSP8に至るほど)小さな値に設定される。そして、実施例では、車速VとシフトポジションSPとエンジン下限回転数Neminとの関係が予め定められて図9に例示するようなエンジン下限回転数設定用マップとしてROM74に記憶されており、エンジン下限回転数Neminとしては、与えられた車速VとシフトポジションSPとに対応したものが当該マップから導出・設定される。すなわち、仮想シフトポジションSP1〜SP8には、アクセルオフ状態およびアクセルオン状態について、それぞれ異なるエンジン22の運転ポイント設定制約(目標回転数設定制約)が対応づけられている。ステップS200にてエンジン下限回転数Neminを設定したならば、仮目標回転数Netmpとエンジン下限回転数Neminとの大きい方をエンジン22の目標回転数Ne*として設定すると共に、ステップS160にて設定した目標エンジンパワーPe*を目標回転数Ne*で除することによりエンジン22の目標トルクTe*を設定する(ステップS210)。
ステップS190またはS210にてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定したならば、目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρ(サンギヤ31の歯数/リングギヤ32の歯数)とを用いて次式(3)に従いモータMG1の目標回転数Nm1*を計算した上で、計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づく次式(4)に従ってモータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm1tmpを計算する(ステップS220)。ここで、式(3)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図10に例示する。図中、左側のS軸はモータMG1の回転数Nm1に一致するサンギヤ31の回転数を示し、中央のC軸はエンジン22の回転数Neに一致するキャリア34の回転数を示し、右側のR軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。また、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1にトルクTm1を出力させたときにこのトルク出力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2にトルクTm2を出力させたときに減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。モータMG1の目標回転数Nm1*を求めるための式(3)は、この共線図における回転数の関係を用いれば容易に導出することができる。そして、式(4)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(4)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。更に、次式(5)および(6)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限値であるトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定し(ステップS230)、モータMG1に対するトルク指令Tm1*をトルク制限Tm1min,Tm1maxで仮モータトルクTm1tmpを制限した値として設定する(ステップS240)。ここで、式(5)は、モータMG1やモータMG2によりリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から目標トルクTr*までの範囲内に含まれることを示す関係式であり、式(6)は、モータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内に含まれることを示す関係式である。式(5)および(6)に示す関係を図11に例示する。同図からわかるように、トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示す領域内のトルクTm1の最小値および最大値として求められる。このようにしてモータMG1に対するトルク指令Tm1*を設定することにより、モータMG1に出力させるトルク(回生トルク)をバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内、特に入力制限Winの範囲内に制限したトルクとして設定することができる。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) …(3)
Tm1tmp=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt …(4)
0≦-Tm1/ρ+Tm2・Gr≦Tr* …(5)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout …(6)
モータMG1に対するトルク指令Tm1*を設定したならば、要求トルクT*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを次式(7)に従い計算する(ステップS250)。更に、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとステップS240にて設定したモータMG1に対するトルク指令Tm1*とモータMG1,MG2の現在の回転数Nm1,Nm2とを用いてモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(8)および式(9)に従い計算する(ステップS260)。そして、モータMG2に対するトルク指令Tm2*をトルク制限Tm2min,Tm2maxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値として設定する(ステップS270)。このようにしてモータMG2に対するトルク指令Tm2*を設定することにより、車軸としてのリングギヤ軸32aに出力するトルクをバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内に制限したトルクとして設定することができる。なお、式(7)は、図10の共線図から容易に導出することができる。こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2に対するトルク指令Tm1*,Tm2*を設定したならば、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS280)、再度ステップS100以降の処理を実行する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを得るための制御を実行する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*に従ってモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*に従ってモータMG2が駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(7)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(8)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(9)
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセル操作(駆動力要求操作)に応じてアクセル開度Accに基づいて要求トルクT*が設定されると共に当該要求トルクT*に基づいてエンジン22に要求される要求エンジンパワーP*が設定される(ステップS110)。更に、要求トルクT*に基づいて目標トルクTr*が設定されると共に(ステップS120〜S150)、要求エンジンパワーP*に基づいてエンジン22の目標エンジンパワーPe*が設定され(ステップS160)、エンジン22が目標エンジンパワーPe*を出力すると共に目標トルクTr*に基づくトルクが車軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される(ステップS170〜S280)。そして、ハイブリッド自動車20では、目標トルクTr*の前回値の絶対値が所定の閾値Tref以下であってリングギヤ軸32aに出力される走行用のトルク(負のトルクを含む)が値0を含む所定範囲内(値0近傍)に含まれるとみなされる場合、それ以外の場合に比べて目標トルクTr*がより緩やかに変化するように要求トルクT*に基づいて設定されると共に(ステップS140,S150)、アクセルオフ状態からアクセルオン状態への移行に伴って走行用のトルクが負側から正側へと変化する移行時にエンジン22の回転数Neに関連した所定条件が成立した場合(ステップS164)、それ以外の場合に比べて目標エンジンパワーPe*がより緩やかに変化するように要求エンジンパワーP*に基づいて設定される(ステップS166,S169等)。これにより、アクセルオフ状態からアクセルオン状態への移行に伴って要求トルクT*が負側から正側へと変化し、走行用のトルクが値0を含む所定範囲内に含まれるようになった際に充電許容電力としての入力制限Winが比較的小さくバッテリ50の充電が制限されていても、上記移行時にステップS164にてシフトポジションSPが仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかであると判断されれば、目標エンジンパワーPe*がより緩やかに変化するように設定されることから、エンジン22から出力される余剰パワーによるバッテリ50の過充電を抑制しつつ走行用のトルクの急変に起因したショックを抑制すべく目標トルクTr*を緩やかに変化するように設定し続けることができる。従って、ハイブリッド自動車20では、運転者による駆動力要求操作に応じて走行用の動力を負側から正側へと変化させる際に生じがちなショックをより適正に抑制することが可能となる。
すなわち、実施例のハイブリッド自動車20では、通常走行用のDポジションに対応づけられた運転条件(要求トルク設定制約および目標回転数設定制約)とは異なる複数の運転条件に対応づけられたSポジションの選択と任意の仮想シフトポジションSP1〜SP8の選択すなわち当該複数の運転条件からの任意の運転条件の選択がシフトレバー81を介して運転者に許容される。そして、仮想シフトポジションSP1〜SP8(それぞれに対応した運転条件)の中には、実施例では仮想シフトポジションSP1〜SP4といったようにアクセルオフ時におけるエンジン22の運転ポイントとしての目標回転数Ne*を比較的高めに設定する傾向をもったもの(機関運転ポイント設定制約)が含まれている。また、一般に内燃機関は、その回転数が比較的高いと指令値に対して応答性よくパワーを出力可能なものである。従って、走行用のトルクが値0を含む所定範囲内に含まれるとみなされる場合に目標トルクTr*をより緩やかに変化するように要求トルクT*に基づいて設定するだけでは、シフトポジションSPとして仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかが選択されているアクセルオフ状態でアクセルペダル83が踏み込まれて走行用のトルクを負側から正側へと変化させる際に、エンジン22から出力される余剰パワーによりバッテリ50が過充電されやすくなる。つまり、このような場合に要求エンジンパワーP*に基づいてエンジン22を制御するとエンジン22から応答性よくパワーが出力されることから、図4のステップS240のような処理を実行して入力制限Winに応じてモータMG1に対するトルク指令Tm1*を制限しても、エンジン22からのトルクに抗しきれずにモータMG1の回転数Nm1が高まり、その結果、モータMG1により発電される電力が大きくなってバッテリ50の入力制限Winを超えてしまうおそれがある。これに対して、上記ハイブリッド自動車20のように、アクセルオフ状態からアクセルオン状態への移行に伴って走行用のトルクが負側から正側へと変化する移行時にシフトポジションSPとしてSポジションが選択されると共に仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかが選択されている場合、目標エンジンパワーPe*を要求エンジンパワーP*に基づいてより緩やかに変化するように設定すれば、エンジン22の回転数Neが比較的高い状態にあるときにエンジン22から若干抑え気味にパワーが出力されるようにしてバッテリ50の過充電を抑制することが可能となる。
また、上記実施例のように、上記移行時であってシフトポジションSPとしてエンジン22の目標回転数Ne*を比較的高く規定する仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかが選択された場合にのみ、ステップS166にて設定される上下限レート値Prtを用いてそれ以外の場合に比べて目標エンジンパワーPe*をより緩やかに変化するように設定すれば、必要以上にエンジン22のパワーを抑えないようして運転者による加速要求等に良好に応えることが可能となる。ただし、仮想シフトポジションSP1〜SP8のそれぞれに対応づけられる機関運転ポイント設定制約(目標回転数設定制約)の設定によっては、あるいは制御をより単純化するために、アクセルオフ状態からアクセルオン状態への移行に伴って走行用のトルクが負側から正側へと変化する移行時にシフトポジションSPとしてSポジションが選択されていれば、仮想シフトポジションSP1〜SP8の何れが選択されていても一律にステップS166〜S169の処理が実行されるようにしてもよい。
更に、実施例のハイブリッド自動車20では、要求エンジンパワーP*が上昇傾向にあるときに目標エンジンパワーPe*が第1の制約としてステップS163にて設定される上下限レート値Prtと要求エンジンパワーP*とに基づいてより緩やかに変化するように設定されると共に、アクセルオフ状態からアクセルオン状態への移行に伴って走行用のトルクが負側から正側へと変化する移行時にステップS164にてシフトポジションSPが仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかであると判断された場合には、目標エンジンパワーPe*をより緩やかに変化させる傾向の第2の制約としてステップS166にて設定される上下限レート値Prtと要求エンジンパワーP*とに基づいて緩変化するように目標エンジンパワーPe*が設定される。これにより、上記移行時であってシフトポジションSPが仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかであるとき以外の場合には、走行用のトルクの急変を抑制しつつ運転者による加速要求等に良好に応えることを可能にすると共に、上記移行時であってシフトポジションSPが仮想シフトポジションSP1〜SP4の何れかである場合には、バッテリ50の過充電を抑制しつつ走行用のトルクの急変に起因したショックを抑制すべく目標エンジンパワーPe*を緩やかに変化するように設定し続けることとができる。
なお、一般に内燃機関は回転数が比較的高いと指令値に対して応答性よくパワーを出力することを考慮すれば、上記実施例のようにシフトポジションSPに応じて目標エンジンパワーPe*を設定するための上下限レート値Prtを変化させる代わりに、図12に示すように、アクセルオフ状態からアクセルオン状態への移行に伴って走行用のトルクが負側から正側へと変化する移行時に、図示しないクランク角センサの検出値等に基づいて計算されるエンジン22の回転数Neが所定回転数以上であるときに(ステップS164′)、ステップS166にて上下限レート値Prtを設定するようにしてもよい。これにより、上記移行時であってエンジン22の回転数Neが所定回転数以上であるときに目標エンジンパワーPe*が要求エンジンパワーP*に基づいて緩変化するように設定されることから、エンジン22から若干抑え気味にパワーが出力されるようにしてバッテリ50の過充電を抑制することが可能となる。また、図5のステップS166では、アクセルオフ状態からアクセルオン状態へと移行してからの経過時間tに基づいて上下限レート値Prtを設定しているが、ステップS166では、アクセル開度Accやエンジン22の回転数Neに基づいて上下限レート値Prtを設定してもよい。更に、上記ハイブリッド自動車20では、目標トルクTr*や目標エンジンパワーPe*の設定に際して上下限レート値を用いたいわゆるレート処理が実行されるが、これに代えて、所定の時定数を用いたいわゆるなまし処理を実行して目標トルクTr*や目標エンジンパワーPe*を設定してもよいことはいうまでもない。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、駆動軸としてのリングギヤ軸32aとモータMG2とがモータMG2の回転数を減速してリングギヤ軸32aに伝達する減速ギヤ35を介して連結されているが、減速ギヤ35の代わりに、例えばHi,Loの2段の変速段あるいは3段以上の変速段を有したモータMG2の回転数を変速してリングギヤ軸32aに伝達する変速機を採用してもよい。更に、実施例のハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸に出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図13に示す変形例としてのハイブリッド自動車20Aのように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸(車輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図13における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものに適用されてもよい。また、実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して車輪39a,39bに接続される車軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図14に示す変形例としてのハイブリッド自動車20Bのように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と車輪39a,39bに動力を出力する車軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を車軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えたものに適用されてもよい。
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、上記実施例および変形例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1および動力分配統合機構30の組み合わせや対ロータ電動機230が「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、モータMG2と電力をやり取り可能なバッテリ50が「蓄電手段」に相当し、図4のステップS110の処理を実行するハイブリッドECU70が「要求駆動力設定手段」および「要求機関パワー設定手段」に相当し、図4のステップS120〜S150の処理を実行するハイブリッドECU70が「目標駆動力設定手段」に相当し、図4のステップS160(図5のステップS161〜S169)の処理を実行するハイブリッドECU70が「目標機関パワー設定手段」に相当し、図4のステップS170〜S280の処理を実行するハイブリッドECU70やエンジンECU24、モータECU40が「制御手段」に相当する。また、DポジションとSポジションとの選択を運転者に許容すると共にSポジションが選択されているときに仮想シフトポジションSP1〜SP8を介して当該Sポジションに対応づけられた複数の運転条件からの任意の運転条件の選択を運転者に許容するシフトレバー81が「シフトポジション選択手段」に相当し、モータMG1が「発電用電動機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。
なお、「内燃機関」は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力するエンジン22に限られず、水素エンジンといったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「電力動力入出力手段」は、所定の車軸と内燃機関の機関軸とに接続され、内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に電力の入出力を伴って車軸に動力を入出力可能なものであれば、モータMG1および動力分配統合機構30の組み合わせや対ロータ電動機230以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。「電動機」や「発電用電動機」は、モータMG1,MG2のような同期発電電動機に限られず、誘導電動機といったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「蓄電手段」は、バッテリ50のような二次電池に限られず、電力動力入出力手段や電動機と電力をやり取り可能なものであればキャパシタといったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「要求駆動力設定手段」は、アクセル開度Accと車速VとシフトポジションSPに基づいて要求トルクT*を設定するものに限られず、運転者の駆動力要求操作に応じて要求駆動力を設定するものであれば、シフトポジションSPとアクセル開度Accとに基づいて要求トルクを設定するものといったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「制御手段」は、内燃機関が目標機関パワーを出力すると共に目標駆動力に基づく走行用の動力が得られるように内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御するものであれば、ハイブリッドECU70とエンジンECU24とモータECU40との組み合わせに限られるものではなく、単一の電子制御ユニットのような他の如何なる形式のものであっても構わない。「シフトポジション選択手段」は、要求駆動力を設定するための駆動力設定制約と目標機関パワーに対応した内燃機関の運転ポイントを設定するための機関運転ポイント設定制約とをそれぞれ含む複数の運転条件のうち、通常走行用の運転条件に対応づけられた第1のシフトポジションと、通常走行用の運転条件とは異なる複数の運転条件に対応づけられた第2のシフトポジションとの選択を運転者に許容すると共に、第2のシフトポジションが選択されているときに、該第2のシフトポジションに対応づけられた複数の運転条件からの任意の運転条件の選択を運転者に許容するものであれば、シフトレバー81以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。何れにしても、これら実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。 バッテリ50におけるバッテリ温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量SOCと入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 図4のステップS160の詳細を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 目標トルクTr*および目標エンジンパワーPe*の時間変化を例示する説明図である。 エンジン22の動作ラインと目標回転数Ne*と目標トルクTe*との相関曲線とを例示する説明図である。 エンジン下限回転数設定用マップの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 トルク制限Tm1min,Tm1maxの設定手順を説明するための説明図である。 図4のステップS160において実行され得る他の手順を説明するためのフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車20Aの概略構成図である。 変形例のハイブリッド自動車20Bの概略構成図である。
符号の説明
20,20A,20B ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a〜39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、78 タイマ、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関と、
    所定の車軸と前記内燃機関の機関軸とに接続され、前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に電力の入出力を伴って前記車軸に動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、
    前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を出力可能な電動機と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
    運転者による駆動力要求操作に応じて前記車軸に出力すべき要求トルクを設定する要求駆動力設定手段と、
    前記設定された要求トルクに基づいて前記内燃機関に要求される要求機関パワーを設定する要求機関パワー設定手段と、
    前記設定された要求トルクに基づいて目標トルクを設定すると共に、少なくとも前記車軸に出力されるトルクが値0を含む所定範囲内に含まれるとみなされるときには、前記目標トルクを前記要求トルクに基づいて緩変化するように設定する目標駆動力設定手段と、
    前記設定された要求機関パワーに基づいて前記内燃機関に出力させるべき目標機関パワーを設定すると共に、少なくとも前記車軸に出力されるトルクが負側から正側へと変化したとみなされるときに前記内燃機関の回転数が所定回転数以上である場合には、前記目標機関パワーを前記要求機関パワーに基づいて緩変化するように設定する目標機関パワー設定手段と、
    前記内燃機関が前記設定された目標機関パワーを出力すると共に前記設定された目標トルクに基づくトルクが前記車軸に出力されるように前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド自動車。
  2. 請求項に記載のハイブリッド自動車において、
    前記目標機関パワー設定手段は、前記要求機関パワーが上昇傾向にあるときに前記目標機関パワーを第1レート値と前記要求機関パワーとに基づいて緩変化するように設定すると共に、前記車軸に出力されるトルクが負側から正側へと変化したとみなされるときに前記内燃機関の回転数が前記所定回転数以上である場合には、前記目標機関パワーを前記第1レート値に比べて前記目標機関パワーをより緩やかに変化させる傾向の第2レート値と前記要求機関パワーとに基づいて緩変化するように設定するハイブリッド自動車。
  3. 請求項1または2に記載のハイブリッド自動車において、
    前記目標駆動力設定手段は、前記要求トルクが上昇傾向にあるときに前記目標トルクを第1の上下限レート値と前記要求トルクとに基づいて緩変化するように設定すると共に、前記車軸に出力されるトルクが値0を含む所定範囲内に含まれるとみなされるときには、前記目標トルクを前記第1の上下限レート値に比べて前記目標トルクをより緩やかに変化させる傾向の第2の上下限レート値と前記要求トルクとに基づいて緩変化するように設定するハイブリッド自動車。
  4. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電用電動機と、前記車軸と前記内燃機関の前記機関軸と前記発電用電動機の回転軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段とを含む請求項1からの何れかに記載のハイブリッド自動車。
  5. 内燃機関と、所定の車軸と前記内燃機関の機関軸とに接続され、前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に電力の入出力を伴って前記車軸に動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えたハイブリッド自動車の制御方法であって、
    (a)運転者による駆動力要求操作に応じて前記車軸に出力すべき要求トルクを設定するステップと、
    (b)ステップ(a)にて設定された要求トルクに基づいて前記内燃機関に要求される要求機関パワーを設定するステップと、
    (c)ステップ(a)にて設定された要求トルクに基づいて目標トルクを設定すると共に、少なくとも前記車軸に出力されるトルクが値0を含む所定範囲内に含まれるとみなされるときには、前記目標トルクを前記要求トルクに基づいて緩変化するように設定するステップと、
    (d)ステップ(b)にて設定された要求機関パワーに基づいて前記内燃機関に出力させるべき目標機関パワーを設定すると共に、少なくとも前記車軸に出力されるトルクが負側から正側へと変化したとみなされるときに前記内燃機関の回転数が所定回転数以上である場合には、前記目標機関パワーを前記要求機関パワーに基づいて緩変化するように設定するステップと、
    (e)前記内燃機関がステップ(d)にて設定された目標機関パワーを出力すると共にステップ(c)にて設定された目標トルクに基づくトルクが前記車軸に出力されるように前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御するステップと、
    を含むハイブリッド自動車の制御方法。
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