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JP4734211B2 - リング状部材の製造方法 - Google Patents
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JP4734211B2 - リング状部材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、リング状部材の製造方法に関する。
従来、図12に示すようなリング状部材1は、図13(a)、(b)に示す所定の板厚を有する素材2から、プレス装置によって複数個の円環状のリング状部材1を単列または複数列で打ち抜く方法によって製造されていた。
ところが、前記従来の製造方法では、素材2の重量に対するリング状部材1の重量の割合である歩留り率が悪く、リング状部材1のコストを高くしていた。
その理由は、リング状部材1に対するスケルトンS1およびスラッグS2の割合が高い材料取りとなるためである。なお、前記「スケルトン」とは、複数個のリング状部材1の打ち抜きによって残る枠状のスクラップのことであり、また、前記「スラッグ」とは、複数個のリング状部材1の打ち抜き時に、ポンチで打ち抜き除去される複数のスクラップのことである。
そこで、図14(a)、(b)に示すリング状部材の成形方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
前記特許文献1に記載されているリング状部材の成形方法は、長円リング状の素材の幅を、その変形を防止しながら連続曲げして円形状にする工程と、この円形状にした素材を真円状にする工程とからなる。
すなわち、図14(a)のように、長円リング状の素材100の短径側の一方の幅を摺動可能に対向挟持する回転・移動自在な内、外ロール103、104と、移動自在な一対の曲げロール105とを設け、矢印Fまたはその反対方向に内、外ロール103、104を回転させることで、長円リング状の素材100を矢印Lまたはその反対方向に送り出しつつ、一対の曲げロール105を矢印G方向に押し込むことによって、素材100の直線部分を順次曲率加工して円形状にした素材101を成形する。
つぎに、図14(b)のように、内ロール103に大径内ロール106を同時回転可能に外嵌して円形状にした素材101に内接させ、矢印Fまたはその反対方向に大径内ロール106と外ロール103、104とを回転させることで、真円状に成形したリング状部材102を得ることができる。
このようなリング状部材の成形方法によれば、長円リング状の素材100から円形状の素材101を得るので、真円状のリング状部材102に対するスケルトンおよびスラッグの割合を、図13で説明したリング状部材1に対するスケルトンS1およびスラッグS2の割合よりも低く抑えた材料取りを可能にして、素材の重量に対するリング状部材102の重量の割合である歩留り率を良くして、リング状部材102のコストを低減することができる。
特開昭62−203633号公報
しかし、上記特許文献1に記載されているリング状部材の成形方法では、円形状にした素材101に残存している小さい曲率半径の曲線部107が大径内ロール106による矢印K方向への強い押圧力によってその内側から押し拡げられることになる。このように、小さい曲率半径の曲線部107が内側から押し拡げられると、曲線部107における曲率半径の小さい径内域に大きい「延び」が生じて肉が薄くなり、応力が集中することになる。このため、円形状にした素材101が真円状のリング状部材102に成形される過程で、曲線部107の径内域に亀裂が生じるおそれを有し、これが長円リング状の素材100に対する真円状のリング状部材102の割合である歩留り率を悪くし、そのコストを高くしていた。
本発明は、このような問題を解決するものであって、その目的とするところは、素材の重量に対するリング状部材の重量の割合である歩留り率を良くして、コストを低減することができるものでありながら、縦長環状のブランク(前記特許文献1に記載の長円リング状の素材に相当する)に対するリング状部材(前記特許文献1に記載の真円状に成形されたリング状部材に相当する)の割合である歩留り率を良くすることができるリング状部材の製造方法を提供することにある。
発明は、縦長環状のブランクから円環状のリング状部材を得るリング状部材の製造方法において、前記縦長環状のブランクが幅方向両側で互いに対向する直線部と、これら直線部の縦長方向の両端部を連続させる一対の曲線部とを備えており、前記ブランクを、前記直線部を幅方向外方へ拡げて前記ブランクの幅方向の寸法よりも拡大した幅方向寸法のブランクに成形し、次いで、その拡大した幅方向寸法のブランクを、前記曲線部を当初の曲率半径よりも大きい曲率半径となるよう拡げた一対の大曲線部と、前記直線部に前記曲線部の曲率半径よりも大きい曲率半径で円弧状に湾曲形成した一対の膨出部とを有する半加工品に成形し、しかる後、その半加工品を円環状のリング状部材に成形することに特徴を有するものである。
このような構成によれば、縦長環状のブランクから円環状のリング状部材を得るので、リング状部材に対するスケルトンおよびスラッグの割合を、図13に示す場合に比較して、低く抑えた材料取りが可能になって、素材の重量に対するリング状部材の重量の割合である歩留り率を良くすることができる。
また、縦長環状のブランクを円環状に成形する前に、先ず、直線部を幅方向外方へ拡げて前記ブランクの幅方向の寸法よりも拡大した幅方向寸法のブランクに成形する工程を経てから、曲線部を当初の曲率半径よりも大きい曲率半径となるよう拡げた大曲線部と、直線部に曲線部の曲率半径よりも大きい曲率半径で円弧状に湾曲形成した膨出部とを有する半加工品に成形する工程に移すので、半加工品の成形工程時には、曲線部における曲率半径の小さい径内域の「延び」が極力抑えられて、径内域の肉が薄くなるようなことがなく、径内域に応力が集中しなくなって、曲線部に亀裂を発生させることなく、曲線部を曲率半径の大きい大曲線部に容易に成形することができる。
次いで、そのような半加工品の成形工程を経たうえで円環状のリング状部材に成形するので、円環状のリング状部材の成形時には、曲率半径の大きい大曲線部及び膨出部の径内域の「延び」が極力抑えられて、径内域が薄肉になるのが避けられ、径内域の応力集中を緩和する。その結果、大曲線部及び膨出部に亀裂が発生しなくなって、縦長環状のブランクに対するリング状部材の割合である歩留り率を良くすることができる。
本発明によれば、リング状部材に対するスケルトンおよびスラッグの割合を低く抑えた材料取りによって、素材の重量に対するリング状部材の重量の割合である歩留り率を良くして、リング状部材のコスト低減することができる。しかも、縦長環状のブランクの曲線部における径内域の「延び」が極力抑えられて、径内域の肉が薄くなるのを避けることができ、径内域に応力が集中しなくなるので、縦長環状のブランクの曲線部に亀裂が発生しなくなって、縦長環状のブランクに対するリング状部材の割合である歩留り率を良くすることができて有利である。
以下、本発明に係るリング状部材の製造方法の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、所定板厚の素材2を矢印Xで示すように該素材2の長手方向に送りながら、プレス装置によって送り方向に所定の間隔lを隔てて複数個の縦長環状のブランク3を直列して打ち抜く。なお、素材2としては銅、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属製棒材を圧延等で板状体にしたものを用いるか、あるいは当初から板状体の素材を用いる。また、縦長環状のブランク3は、板状体の素材2を打ち抜いて得るに代えて、金属製棒材を切断、打ち抜き等のプレス加工、鍛造などにより得ることもできる。
縦長環状のブランク3は、図2に示すように、内側に幅寸法w1の小さい縦長の孔3aを挟んで互いに対向する左右両側の直線部3b、3cと、これら直線部3b、3cの縦長方向の両端部を連続させる一対の曲線部3dとを備えており、この縦長環状のブランク3を図3に示すように第1の型押し装置4にセットする。
第1の型押し装置4は、移動板5と、前後一対の案内板6とを備え、移動板5は、案内板6に案内されて図示していない進退機構により左右方向(矢印X1、X2方向)に進退する。移動板5は、本体部5aと、この本体部5aの前後方向の両端部に形成した鍔部5b、5bとを備え、鍔部5b、5bが案内板6における相手に対向する側の縁部6a、6aの下側に摺動自在に潜り込んでおり、本体部5aと鍔部5b、5bとの境界に形成される垂直段差面5cが案内板6における相手に対向する側の端面6bに摺動自在に当接するように配置されている。また、移動板5における本体部5aの中央部には、投影平面形状船形の内型8ー1が直線Xに直交する直線Y上において上向きに突設されている。この内型8ー1の幅寸法w2は、ブランク3の縦長の孔3aに嵌合できるように、該縦長の孔3aの幅寸法w1よりも僅かに小さい大きさに設定されている。
第1の型押し装置4における案内板6には、前後一対の位置決め突起8ー2と、前後二対の位置決め兼変形許容突起9を設けてある。一対の位置決め突起8ー2は、後述のように、第1の型押し装置4に縦長環状のブランク3をセットした場合に、縦長環状のブランク3が矢印Y1、Y2方向に移動するのを防止して、縦長環状のブランク3を適正な位置に位置決めするためのもので、前記直線Xに直交する前記直線Y上で互いに対向して、直線Xを間に挟んで対称な位置に立設されており、その対向間隔は、縦長環状のブランク3のセットを許容できるように、縦長環状のブランク3の縦長方向の寸法よりも僅かに大きい値に設定されている。
また、前後二対の位置決め兼変形許容突起9は、後述のように、第1の型押し装置4に縦長環状のブランク3をセットした場合に、縦長環状のブランク3が矢印X1、X2方向に移動するのを防止して、縦長環状のブランク3を適正な位置に位置決めするとともに、内型8ー1による縦長環状のブランク3の変形を許容するためのもので、移動板5の中心を通る直線Xと直線Yを間に挟んだ対称な位置に立設されており、直線X方向の対向間隔は、縦長環状のブランク3のセットを許容できるように、縦長環状のブランク3の幅方向の寸法よりも僅かに大きい値に設定されている。そして、各位置決め兼変形許容突起9は、直線Yに平行な位置決め面9aに連続して円弧状の変形許容面9bが形成されている。
図3に示すように、縦長環状のブランク3が第1の型押し装置4にセットされると、その上方から二点鎖線で示す上型10を下降させる。これにより、案内板6、位置決め突起8ー2および位置決め兼変形許容突起9それぞれの上面は上型10の下面で押圧され、ブランク3と内型8ー1の上面は、上型10の下面に対して極めて小さい隙間(摺動が許容される小さい隙間)を介して対向して、ブランク3の反りを防止する。
この状態で移動板5を矢印X2方向に移動させる。これにより、内型8ー1は縦長環状のブランク3の右側直線部3cをその内側から矢印X2方向に押圧付勢して、図4に示すように矢印X2方向に押し曲げ、つづいて、移動板5を矢印X1方向に移動させることにより、内型8ー1は縦長環状のブランク3の左側直線部3b(図3参照)をその内側から矢印X1方向に押圧付勢して、図4に示すように矢印X1方向に押し曲げ、幅方向の寸法が図3の幅方向の寸法よりも拡大されて変形した縦長環状のブランク3Aを成形する。この成形の過程で、図3に示す縦長環状のブランク3における左右両側の直線部3b、3cの拡開変形は、これら直線部3b、3cにおける曲線部3d近くの部位の幅方向外面が、二対の位置決め兼変形許容突起9それぞれの円弧状の変形許容面9bに当接するまで拡げられることによって許容されるとともに、変形許容面9bが円弧状に形成されていることによって、拡開変形時における拡開変形部の肉が薄くなるのを抑制できる。
図4に示す変形した縦長環状のブランク3Aは、次の工程で図5に示す第2の型押し装置11にセットされる。
第2の型押し装置11は、左右一対の成形外型12と、前後一対の規制型13とを備え、成形外型12は、案内溝14に案内されて図示していない進退機構によりベース15上を左右方向(矢印X1、X2方向)に進退する。
成形外型12は、載置面12aと、載置面12aから垂直上向きに突出して投影平面形状が円弧状に窪んだ押圧面12bとを備え、この押圧面12bの曲率半径は、変形した縦長環状のブランク3Aにおける曲線部3dの外周面の曲率半径よりも大きい値に設定してある。また、規制型13には、相手に対向する側の端面に投影平面形状が円弧状に窪んだ規制面13aを形成してある。さらに、ベース15の中央部上面から上方に突出して、投影平面形状船形の保持内型16が直線X方向にのびて設けられ、この保持内型16の幅寸法は、変形した縦長環状のブランク3Aの縦長の孔3eに嵌合できるように、該縦長の孔3eの幅寸法よりも僅かに小さい寸法に設定されている。また、保持内型16の直線X上の両端部には円弧状の保持面16aが垂直に設けられ、これら保持面16aとその近傍の下側には切欠部16bを設けてある。
図5に示すように、変形した縦長環状のブランク3Aにおける直線部3b、3cで保持内型16を挟み、かつ該ブランク3Aの曲線部3dおよびその近傍を成形外型12の載置面12aに載置した状態で、縦長環状のブランク3Aが第2の型押し装置11にセットされると、その上方から二点鎖線で示す上型17を下降させる。これにより、規制型13と保持内型16の上面は上型17の下面で押圧され、縦長環状のブランク3Aと成形外型12の上面は、上型17の下面に対して極めて小さい隙間(摺動が許容される小さい隙間)を介して対向して、ブランク3Aの反りを防止する。
この状態で、成形外型12を矢印X1、X2方向に移動させる。これにより、成形外型12の押圧面12bは変形した縦長環状のブランク3Aの曲線部3dの外側を相手側の曲線部3dに向けて押圧付勢する。この際、成形外型12の載置面12aは保持内型16の切欠部16bに進入する。したがって、両曲線部3dは、図6に示すように、その径内面が保持内型16の円弧状の保持面16aにより少し押し拡げられて矢印X1、X2方向への移動が規制された位置決め状態で、曲率半径の大きい径外面が成形外型12の円弧状に窪んだ押圧面12bにより外側から内向きに押圧されることによって、該押圧面12bに沿って変形し、これにより曲線部3dの曲率半径よりも大きい曲率半径の大曲線部3Dが成形され、この大曲線部3Dの径外域に「延び」が生じて、径内域の「延び」が極力抑えられ、径内域の肉が薄くなるのを避けることができるばかりか、むしろ大曲線部3Dを厚肉化するような材料の流れが生じて、径内域の応力集中を緩和する。その結果、両曲線部3dに亀裂を発生させることなく、両曲線部3dを当初の曲率半径よりも大きい曲率半径でリング状部材1の製造に有利な大曲線部3Dに成形することができるので、縦長環状のブランク3Aに対するリング状部材1の割合である歩留り率を良くすることができる。
両曲線部3dの曲率半径よりも大きい曲率半径の大曲線部3Dに成形される過程で、図5に示す変形した縦長環状のブランク3Aにおける直線部3b、3cは、矢印Y1、Y2方向に拡開されて、図6に示すように、その中央部に曲線部3dの当初の曲率半径よりも大きい曲率半径で円弧状に湾曲した一対の膨出部3Eが形成され、これら膨出部3Eの外面が規制型13の円弧状に窪んだ規制面13aに当接することによって、変形した縦長環状のブランク3A(図5参照)が矢印Y1、Y2方向に過剰に拡開されるのを規制して、一対の大きい曲率半径の大曲線部3Dと、一対の大きい曲率半径で円弧状に湾曲した膨出部3Eとを有し、これら大曲線部3Dと膨出部3Eとが四つの短い直線部3Fを介して互いに連続した半加工品18が成形される。
図6に示す半加工品18は、さらに次の工程で図7に示す第3の型押し装置19にセットされる。
第3の型押し装置19は、ベース20と、このベース20の上面を高さ方向の間隔を隔てて塞ぐ上板21とを有し、ベース20には、その中心を通る直線X上に案内溝22が設けられ、この案内溝22に矢印X1、X2方向に進退自在に移動板23が嵌合されている。この移動板23は、図示していない進退機構によって矢印X1、X2方向に進退する。移動板23の上面はベース20の上面と面一になっており、その中央部には、投影平面形状が楕円形の仕上げ内型24がベース20の中心を通って直線Xに直交する直線Y上において上向きに突設されている。この仕上げ内型24は、上板21に形成されている略真円形の窓部25に臨んでおり、該窓部25の内周面は外型として機能する。
図7に示すように、半加工品18が第3の型押し装置19にセットされると、その上方から二点鎖線で示す上型26を下降させる。これにより、上板21上面は上型26の下面に押圧され、半加工品18と仕上げ内型24の上面は、上型26の下面に対して極めて小さい隙間(摺動が許容される小さい隙間)を介して対向して、半加工品18の反りを防止する。
この状態で移動板23を矢印X2方向に移動させる。これにより、仕上げ内型24は半加工品18の右半部をその内側から矢印X2方向に押圧付勢して、図8に示すように右半部の外周面を略真円形の窓部25における右半部の内周面に押し付けて、半加工品18の右半部を半円形に成形する。続いて、移動板23を矢印X1方向に移動させる。これにより、仕上げ内型24は半加工品18の左半部をその内側から矢印X1方向に押圧付勢して、図9に示すように左半部の外周面を略真円形の窓部25における左半部の内周面に押し付けて、半加工品18の左半部を半円形に成形することによって、図9および図12に示す円環状のリング状部材1が製造される。このように半加工品18を円環状のリング状部材1に成形するときには、曲率半径の大きい大曲線部3D及び膨出部3Eの径内域の「延び」が極力抑えられて、径内域の肉が薄くなるのが避けられ、径内域の応力集中を緩和する。その結果、大曲線部3D及び膨出部3Eに亀裂が発生しない。
このように、本発明によれば、図1に示す素材2から複数個の縦長環状のブランク3を打ち抜き、これら縦長環状のブランク3を第1〜第3の型押し装置4、11、19によって押し拡げて円環状に成形することで、図9および図12に示すリング状部材1が製造される。したがって、リング状部材1に対する図1のスケルトンS1およびスラッグS2の割合を、図13で説明したリング状部材1に対するスケルトンS1およびスラッグS2の割合よりも低く抑えた材料取りによって、素材2の重量に対するリング状部材1の重量の割合である歩留り率を良くして、リング状部材1のコストを低減することができる。
また、第2の型押し装置11によって、変形した縦長環状のブランク3Aにおける一対の曲線部3dの外側を成形外型12の円弧状に窪んだ押圧面12bによって相手側の曲線部3dに向けて押圧付勢することで、各曲線部3dは、その径内面が保持内型16の円弧状の保持面16aにより少し押し拡げられて矢印X1、X2方向への移動が規制された位置決め状態で、その径外面が成形外型12の円弧状に窪んだ押圧面12bにより外側から内向きに押圧されることによって、該押圧面12bに沿って変形して曲率半径の大きい大曲線部3Dが成形されることになるので、曲率半径の大きい径外域の「延び」が極力抑えられ、径内域の肉が薄くなるのを避けられるばかりか、むしろ大曲線部3Dを厚肉化するような材料の流れが生じて、径内域の応力集中を緩和する。その結果、曲線部3dに亀裂を発生させることなく、両曲線部3dを大きい曲率半径でリング状部材1の製造に有利な大曲線部3Dに成形することができるので、縦長環状のブランク3Aに対するリング状部材1の割合である歩留り率を良くして、リング状部材1のコストを低減することができる。
前記実施形態では、図2に示すように、縦長の孔3aの幅寸法w1が小さい縦長環状のブランク3を打ち抜き、このブランク3を押し拡げることでリング状部材1を製造しているが、図10に示すように、幅寸法w3が前記図2の幅寸法w1よりも充分に大きい小判形の縦長の孔27aを有する縦長環状のブランク27を打ち抜き、このブランク27を前記実施形態と同じ手順で押し拡げてリング状部材1を成形することもできる。この場合においても、前記実施形態と同様に、縦長環状のブランク27に対するリング状部材1の割合である歩留り率を良くして、リング状部材1のコストを低減することができる。
また、所定幅の素材2から複数個の縦長環状のブランク3、27を打ち抜くに際し、図11(a)、(b)に示すように、素材2の幅方向両端面2aを活用して、縦長環状のブランク3、27における直線部3b、3cの外端面を形成し、かつ、プレス装置による素材2の剪断によって、一対の直線部3b、3cを互いに連続させる一対の曲線部3dを長手方向の両端部に形成することができる。これにより、縦長環状のブランク3、27に対するスクラップの割合を最低限に抑えた材料取りが可能になる。すなわち、前記スクラップが、縦長の孔3aまたは小判形の縦長の孔27aの打ち抜き時に、ポンチで打ち抜き除去されるスラッグS1と、図11(a)、(b)において斜線で示すように、長手方向に配列して素材2から切り離される縦長環状のブランク3どうし又はブランク27どうしの間に存在する鼓形の端板部2xとに削減される。その結果、素材2の重量に対するリング状部材1の重量の割合である歩留り率をより一層良くすることができる。
更に、本発明のリング状部材の製造方法は以下の点においても特徴を有するものである。
縦長環状のブランク3を、その縦長方向両端部の曲線部3dを相手側に向けて外側から押圧して円環状に成形する。このようにすることで、リング状部材1に対するスケルトンおよびスラッグの割合を低く抑えた材料取りが可能になって、素材の重量に対するリング状部材1の重量の割合である歩留り率を良くすることができる。また、縦長方向両端部の曲線部3dを相手側に向けて外側から押圧することによって、これら曲線部3dにおける曲率半径の小さい径内域の「延び」が極力抑えられて、径内域の薄肉化が避けられるばかりか、むしろ曲線部3dを厚肉化するような材料の流れが生じて、径内域の応力集中を緩和する。その結果、曲線部3dに亀裂が発生しなくなって、縦長環状のブランク3に対するリング状部材1の割合である歩留り率を良くすることができる。
また、縦長環状のブランク3を内型16、24と外型12、25とを備えた型押し装置11、19によって円環状に成形することが望ましい。これによると、高品質のリング状部材1を能率よく製造して、コストダウンを図ることができる。
さらに、縦長環状のブランク3が、その内側に縦長の孔3aを有して、幅方向両側で互いに対向する直線部3b、3cと、これら直線部3b、3cの縦長方向の両端部を連続させる曲線部3dとを備え、縦長の孔3aに嵌合した内型8−1による直線部3b、3cへの押圧付勢で縦長環状のブランク3の幅方向の寸法を拡大したのちに、この幅方向の寸法が拡大された縦長の孔3aに保持内型16を嵌合した状態で、曲線部3dの外側を成形外型12で相手側の曲線部3dに向けて押圧付勢して、これら曲線部3dを大きい曲率半径の大曲線部3Dに押し拡げることが望ましい。
このように、縦長の孔3aに嵌合した内型8−1により縦長環状のブランク3の幅方向の寸法を拡大したのちに、幅方向の寸法が拡大された縦長の孔3aに保持内型16を嵌合した状態で、成形外型12で曲線部3dの外側を相手側の曲線部3dに向けて押圧付勢することによって、これら曲線部3dは、保持内型16により相手側の曲線部3dへの移動が規制されて位置決めされた状態で、成形外型12により外側から内向きに押圧されることになるので、これら曲線部3dにおける曲率半径の小さい径内域の「延び」が極力抑えられて、径内域の肉が薄くなるのを避けられ、径内域に応力が集中しなくなって、曲線部3dに亀裂を発生させることなく、両曲線部3dを大きい曲率半径の大曲線部3Dに容易に成形することができる。
素材からブランクを打ち抜く工程の第1実施形態を示す平面図である。 図1の素材から打ち抜かれたブランクを示す拡大正面図である。 第1の型押し装置にブランクをセットした状態の実施形態を示す平面図である。 第1の型押し装置によって変形したブランクが成形された状態の実施形態を示す平面図である。 第2の型押し装置に変形したブランクをセットした状態の実施形態を示す平面図である。 第2の型押し装置によって半加工品が成形された状態の実施形態を示す平面図である。 第3の型押し装置に半加工品をセットした状態の実施形態を示す平面図である。 第3の型押し装置によって半加工品の右半部が半円状に成形された状態の実施形態を示す平面図である。 第3の型押し装置によって半加工品がリング状部材に成形された状態の実施形態を示す平面図である。 ブランクの第2実施形態を示す拡大正面図である。 素材からブランクを打ち抜く工程の他の実施形態を示す平面図である。 リング状部材の一例を示す正面図である。 素材からブランクを打ち抜く従来の工程を示す平面図であり、図13(a)は単列打ち抜きを示し、図13(b)は並列打ち抜きを示している。 特許文献1に記載のリング状部材の成形方法の説明図である。
1 リング状部材
3 縦長環状のブランク
3b、3c 直線部
3A 拡大した幅方向寸法のブランク
3D 大曲線部
3d 曲線部
3E 膨出部
18 半加工品

Claims (1)

  1. 縦長環状のブランクから円環状のリング状部材を得るリング状部材の製造方法において、前記縦長環状のブランクが幅方向両側で互いに対向する直線部と、これら直線部の縦長方向の両端部を連続させる一対の曲線部とを備えており、前記ブランクを、前記直線部を幅方向外方へ拡げて前記ブランクの幅方向の寸法よりも拡大した幅方向寸法のブランクに成形し、次いで、その拡大した幅方向寸法のブランクを、前記曲線部を当初の曲率半径よりも大きい曲率半径となるよう拡げた一対の大曲線部と、前記直線部に前記曲線部の曲率半径よりも大きい曲率半径で円弧状に湾曲形成した一対の膨出部とを有する半加工品に成形し、しかる後、その半加工品を円環状のリング状部材に成形することを特徴とするリング状部材の製造方法。
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