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JP4734874B2 - ミシンの糸切り装置 - Google Patents
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JP4734874B2 - ミシンの糸切り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転釜の内釜上面に上糸の捩れを防止する植毛状のパイル部材を設けた場合でも、糸切り装置の糸捕捉体による上下両糸の糸捕捉を確実に行えるようにしたものに関する。
従来、縫製中断時や縫製終了時に、上糸と下糸を切断するための糸切り装置を備えたミシンが提供されている。この種の糸切り装置においては、糸捕捉体を往復移動可能に設け、糸捕捉体を往復移動させることで上糸と下糸を捕捉し、その捕捉された上糸と下糸を切断するようにしてある。
例えば、特許文献1のミシンに設けられた糸切り装置は、糸切断時に、往復移動可能な糸捕捉体を往動させた後に、外釜の回転により剣先と共に移動してきた上糸を捕捉するまでの間、糸捕捉体を一旦停止させて待機させる。その後、糸捕捉体を復動させて下糸を捕捉して、その糸捕捉体に捕捉された上糸と下糸を、固定的に設けた切断刃と協働して同時に切断するようにしてある。
ところで、通常の縫製時においては、回転釜の剣先により引っ掛けられた上糸ループが内釜から糸抜けした後に、その上糸ループが天秤により引き上げられることで縫目が形成されるが、その上糸ループが弛んで捩じれが発生し、その捩じれた状態のまま天秤により上糸ループが引き上げられて縫目が形成されてしまい、所謂タオル目と呼ばれる縫目不良が発生する場合が稀にある(例えば、特許文献2(段落番号[0006]、[0007])参照)
また、糸切り装置における糸捕捉体が上糸を捕捉する際に、上糸ループの弛みにより捕捉ミスが発生することがある。このような縫製不良や上糸の捕捉ミスを防止するために、内釜から糸抜けした上糸ループを軽く保持するための植毛状のパイル部材を内釜上面に貼着し、そのパイル部材により上糸ループの弛みを防止し、捩じれを発生させないような対策を施したミシンがある(例えば、特許文献3(段落番号[0011]、[0020])参照)
また、送り歯による布送りを使用せずに刺繍縫製等を行う場合には、送り歯による布送りを不作用状態に切換えるために、送り歯を針板上面から突出しない沈下位置に切換え可能な送り歯沈下機構を設けたミシンが普及している(例えば、特許文献4参照)
特開2003−284878号公報 (第3頁、図1,図2) 特開平11−342281号公報 特開平7−5581号公報 特開平4−371189号公報
前述した特許文献1に記載のミシンに設けられた糸切り装置において、内釜上面にパイル部材を設けるとともに、送り歯沈下機構を設け、送り歯沈下機構により送り歯を沈下位置に沈下させた状態で縫製する場合、内釜に収容された下糸ボビンから繰り出された下糸は、沈下状態の送り歯により常にパイル部材に押えられた状態であるため、下糸がパイル部材の内部に潜り込んでしまい、糸切断に際して糸捕捉体が往動したときに、その捕捉部でパイル部材の内部に潜り込んだ下糸を捕捉できず、下糸を切断できない場合が起こるという問題がある。
請求項1に係るミシンの糸切り装置は、ミシンの針板の下側において回転釜に接近させて配設された糸切り装置であって、往復移動により布から延びる上糸と下糸とを捕捉する糸捕捉体と、その糸捕捉体で捕捉された上糸と下糸とを切断する切断刃とを有する糸切り装置において、回転釜の内釜から外れた上糸ループの天秤による糸引き上げに際して上糸の捩じれを防止する為の植毛状のパイル部材を内釜上面に設け、パイル部材に潜り込んだ下糸を浮き上がらせるための糸引っ掛け部を糸捕捉体に設けたものである。
糸切断に際して、下糸が回転釜の内釜上面に設けた植毛状のパイル部材の内部に潜り込んでいる場合でも、糸捕捉体に設けた糸引っ掛け部により、パイル部材に潜り込んだ下糸を浮き上がらせ、その浮き上がった下糸を糸捕捉体で捕捉し、切断刃との協働で上糸と下糸とが切断される。
請求項2に係るミシンの糸切り装置は、請求項1の発明において、前記糸捕捉体は布側の上糸及び下糸を捕捉する第1糸捕捉部と、針側の上糸とボビン側の下糸を捕捉する第2糸捕捉部を有し、糸引っ掛け部の下端が第2糸捕捉部の下端よりも低く形成されたものである。
請求項3に係るミシンの糸切り装置は、請求項2の発明において、前記糸引っ掛け部は第2糸捕捉部に対して糸捕捉体の往動方向下流側に所定距離隔てて糸捕捉体と一体形成され、糸引っ掛け部の下端部は鋭角状に形成され、その鋭角状に形成された先端部が第2糸捕捉部側に向かう方向に設けられたものである。
請求項4に係るミシンの糸切り装置は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記糸引っ掛け部は、糸捕捉体の往動完了時までにパイル部材に潜り込んだ下糸を引っ掛けて浮き上がらせる位置に設けられたものである。
請求項5に係るミシンの糸切り装置は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記糸引っ掛け部から糸捕捉体の基端部に至る糸摺接部は、上糸が摺接して移動可能な直線又は曲線で連続的に繋がる形状である。
請求項1の発明によれば、回転釜の内釜から外れた上糸ループの天秤による糸引き上げに際して上糸の捩じれを防止する為の植毛状のパイル部材を内釜上面に設け、パイル部材に潜り込んだ下糸を浮き上がらせるための糸引っ掛け部を糸捕捉体に設けたので、糸切断に際して、下糸が回転釜の内釜上面に設けた植毛状のパイル部材の内部に潜り込んでいるような場合でも、糸捕捉体に設けた糸引っ掛け部により、パイル部材に潜り込んだ下糸を浮き上がらせることができ、その浮き上がった下糸を糸捕捉体で捕捉できるため、切断刃との協働で上糸と下糸とを確実に切断することができる。
請求項2の発明によれば、前記糸捕捉体は布側の上糸及び下糸を捕捉する第1糸捕捉部と、針側の上糸とボビン側の下糸を捕捉する第2糸捕捉部を有し、糸引っ掛け部の下端が第2糸捕捉部の下端よりも低く形成されたので、糸引っ掛け部による下糸の浮き上がらせる効果を高めることができ、その浮き上がらせた下糸を、先ず、第1糸捕捉部よりも下糸のボビン出口側に近い第2糸捕捉部に捕捉させることができ、続けて、第1糸捕捉部にも下糸を捕捉させることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記糸引っ掛け部は第2糸捕捉部に対して糸捕捉体の往動方向下流側に所定距離隔てて糸捕捉体と一体形成され、糸引っ掛け部の下端部は鋭角状に形成され、その鋭角状に形成された先端部が第2糸捕捉部側に向かう方向に設けられたので、糸捕捉体が往動方向に移動する際に、パイル部材に潜り込んだ下糸を糸引っ掛け部の鋭角状先端部で確実に引っ掛けて浮き上がらせることができ、糸捕捉体の復動方向への移動時に、糸引っ掛け部で引っ掛けた下糸を第2糸捕捉部に引き継いで捕捉させることができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
請求項4の発明によれば、前記糸引っ掛け部は、糸捕捉体の往動完了時までにパイル部材に潜り込んだ下糸を引っ掛けて浮き上がらせる位置に設けられたので、糸捕捉体を往動方向に移動させる移動途中において、糸引っ掛け部によりパイル部材に潜り込んだ下糸を引っ掛けて浮き上がらせてから捕捉状態に保持でき、しかも糸捕捉体の復動時に糸引っ掛け部で捕捉状態に保持した下糸を第2糸捕捉部に受け渡して捕捉させることができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、前記糸引っ掛け部から糸捕捉体の基端部に至る糸摺接部は、上糸が摺接して移動可能な直線又は曲線で連続的に繋がる形状であるので、糸捕捉体が往動方向への移動を完了してから、回転釜の回転により上糸が、糸捕捉体に沿うように糸引っ掛け部に移動するに際して、糸捕捉体に連続的に形成された直線又は曲線の糸摺接部を経て糸引っ掛け部に捕捉状態で保持させることができ、糸捕捉体の復動時に、第2糸捕捉部による上糸と下糸の捕捉を何ら支障なく行うことができる。その他請求項1〜4の何れかと同様の効果を奏する。
本実施形態におけるミシンの糸切り装置は、回転釜の内釜上面に設けた植毛状のパイル部材に下糸が潜り込んだ場合でも、糸捕捉体に設けた糸引っ掛け部でその下糸を引っ掛けて浮き上がらせてから、糸捕捉体で捕捉できるようにしてある。
図1に示すように、ミシン1は、水平面を有するベッド部2と、ベッド部2の右部から上方に立設された脚柱部3と、脚柱部3からベッド部2に対向するように水平に延びるアーム部4等から構成されている。
アーム部4にタッチパネル付きの液晶ディスプレイ5が設けられ、縫製する模様を表示により選択できるようになっている。アーム部4内の左端部には、図示しない針棒駆動機構、押え足駆動機構、天秤駆動機構、糸通し機構等が設けられている。
ベッド部2の内部に左右方向向きの下軸6が配設され、ミシン機枠(図示略)に回転可能に枢支されている。下軸6の左端部分に、送り歯7を前後方向及び上下方向に駆動させる送り歯駆動機構(図示略)、水平回転釜8、上糸31及び下糸30を切断するための糸切り装置10、送り歯7を沈下位置に保持するように切換える送り歯沈下機構(図示略)等が設けられている。
水平回転釜8の上側に対応するベッド部2に針板9が配設され、この針板9には、上下動する縫針(図示略)の通過を許容する針穴9a(図2参照)が形成されている。送り歯7には、縫針の上下動を許容するための開口部7aが形成されている。
次に、ベッド部2の左端部に設けられた糸切り装置10について説明する。糸切り装置10は、ベース上板11及びベース下板12によりユニット化されており、水平回転釜8の直ぐ左側に配設されている。
図2に示すように、ベース上板11には、左右方向向きの貫通長穴11aが形成され、ベース上板11の上面の貫通長穴11aの周囲に、薄板状で樹脂製のガイド部材13が複数箇所で固着されている。また、ガイド部材13の前側の右端部に、後述する糸捕捉体15と協働して上糸31と下糸30を切断する左右方向向きに配設された切断刃14の下端部が固着されている。この切断刃14の刃部は右側端部である。
ガイド部材13の上面側には、糸捕捉体15(図8−1参照)が左右方向向きに配置され、その糸捕捉体15の基端部に形成された水平状の駆動部15aに設けられた下向きの2本のガイドピン16,17が貫通長穴11aに移動可能に内嵌されている。
図8−2に示すように、糸捕捉体15の直線状で且つ断面門形である捕捉本体部15bの先端部に、布側の上糸31及び下糸30を捕捉する第1糸捕捉部15eと、針側の上糸31と下糸ボビン26側の下糸30を捕捉する第2糸捕捉部15fとが夫々形成されている。即ち、捕捉本体部15bの後側縦壁15cの先端部に第1糸捕捉部15eが形成され、捕捉本体部15bの前側縦壁15dの先端部に第2糸捕捉部15fが、第1糸捕捉部15eに対して所定寸法だけ糸捕捉体15の往動方向FD下流側に形成されている。
前述した断面門形である捕捉本体部15bは、図5,図6に示すように、ガイド部材13に固着された切断刃14に対して上方から覆い被さるような位置に配設されており、糸捕捉体15が、ベース上板11の貫通長穴11aに沿って左右方向に往復移動する際に、捕捉本体部15b内側部は切断刃14とは接触しない状態で往復移動する。
このように、糸捕捉体15が往復移動することにより、下糸30と上糸31とが捕捉された後、切断刃14により切断される。第1糸捕捉部15eの往動方向FDの先端部には、傾斜端部が突出状に形成され、糸捕捉体15が往動方向への移動時に下糸30を乗り越え易くなっている。
ところで、図8−2に示すように、前側縦壁15dの第2糸捕捉部15fに対して、糸捕捉体15の往動方向FD下流側に所定距離隔てて糸引っ掛け部15gが糸捕捉体15と一体形成されている。更に、この糸引っ掛け部15gから捕捉本体部15bの基端部に至る糸摺接部15hが連続的に繋がる形状で形成され、しかも糸引っ掛け部15gの下端が第2糸捕捉部15fの下端よりも所定寸法tだけ低く形成され、更に、糸引っ掛け部15gの第2糸捕捉部15f側に向かう下端部が鋭角状に形成されたものである。
図5,図6に示すように、糸切断用モータ18がベース下板12の下面にビスで固定され、そのモータ軸に固定された駆動ギヤ20がベース下板12の上側に位置している。その駆動ギヤ20に、樹脂製の伝達ギヤ21の大径ギヤ21aが噛合している。
一方、図2,図3に示すように、ベース上板11の下側に配設された扇形ギヤ23がその基端部において、ベース上板11に固着した鉛直向きの支持ピン24で回動可能に枢支され、その扇形ギヤ23と、大径ギヤ21aと一体形成された小径ギヤ21bとが噛合している。
その支持ピン24には揺動レバー25の基端部が回動可能に枢支され、これら扇形ギヤ23と揺動レバー25とが連結ピン25aで一体的に固定されている。それ故、伝達ギヤ21の回転により扇形ギヤ23と揺動レバー25とが一体に揺動する。その揺動レバー25の先端側部分(後端側部分)に長穴25bが形成され、糸捕捉体15の左側のガイドピン16がその長穴25bに嵌め込まれている。
糸切断用モータ18が平面視にて時計回りに回転すると、駆動ギヤ20と扇形ギヤ23と揺動レバー25を介して、糸捕捉体15が長穴25bでガイドされながら、図12−1に示す最大往動位置まで往動方向FDに移動する。反対に、糸切断用モータ18が反時計回りに回転すると、糸捕捉体15が長穴25bでガイドされながら、図2に示す待機位置まで復動方向RD(往動方向FD方向と反対方向)に移動する。
ところで、前述した水平回転釜8の内釜8aの上面であって、送り歯7の最前端に隣接する下糸30の糸道経路に対応する部位、つまり内釜8aに収容された下糸ボビン26から繰り出された下糸30が送り歯7を経て針板9の針穴9aに至る糸道経路には、図2,図9に示すように、所定長さの多数の毛を密集状に植毛した平面視にて矩形状のパイル部材28が接着固定されている。このパイル部材28は、内釜8aから外れた上糸31ループの天秤による糸引き上げに際して、上糸31の捩じれを防止する為のものである。
それ故、送り歯7が上下動する通常の縫製時には、下糸30はパイル部材28に潜り込むようなことがなく、パイル部材28の表面近くを移動するようになっている。しかし、送り歯沈下機構により送り歯7がその沈下位置に保持されるような縫製時においては、下糸ボビン26から繰り出された下糸30が送り歯7の下側により常にパイル部材28に押えられた状態であるため、下糸ボビン26からの下糸30がパイル部材28の内部にまで潜り込んだ状態で繰り出されるようになる。
次に、糸切断時における糸捕捉体15の作用及び効果について説明する。但し、この場合には、送り歯沈下機構により送り歯7が沈下位置に保持されているものとする。それ故、下糸ボビン26からの下糸30は、図10,図11−2に示すように、送り歯7の沈下状態によりパイル部材28に潜り込んだ状態を経て繰り出される。
このように、送り歯7による布送りが実行されない縫製作業中において、糸捕捉体15は図2に示す待機位置で待機している。縫製終了に伴う糸切断に際して、前述したように、糸切断用モータ18の時計回りの回転により、糸捕捉体15が往動方向FDに移動する(図11−1,図11−2参照)。
糸捕捉体15の往動方向FDへの往動完了までの途中部において、図12−1,図12−2に示すように、第1糸捕捉部15eと第2糸捕捉部15fがパイル部材28に潜り込んだ下糸30を乗り越えるが、糸引っ掛け部15gの下端が第2糸捕捉部15fの下端よりも低く形成され、しかも糸引っ掛け部15gの第2糸捕捉部15f側の下端部が鋭角状に形成されているため、下糸30がパイル部材28に潜り込んでいても、糸引っ掛け部15gがその潜り込んでいる下糸30よりも下側まで延びているため、糸引っ掛け部15gの鋭角状の先端部で潜り込んだ下糸30を確実に引っ掛けて浮き上がらせる。
このときには、上糸31は水平回転釜8の外釜8bに有する剣先(図示略)に捕捉されていない。そこで、糸捕捉体15は、復動方向RDに所定距離だけ復動し、糸引っ掛け部15gに捕捉状態で保持された下糸30は第2糸捕捉部15fに引き継いで捕捉されてから、糸捕捉体15は水平回転釜8の中央付近で一時的に停止する。
このように、糸捕捉体15の停止中に、剣先の反時計方向への回転により、剣先に引っ掛けられた上糸31が糸捕捉体15の糸摺接部15hに摺接しながら先端部に移動し(図12−2参照)、糸引っ掛け部15gに捕捉状態に保持される。
この時点で糸切断用モータ18の駆動により糸捕捉体15が再び復動方向RDに復動し始めると、図13−1,図13−2に示すように、下糸30と上糸31とが共に第2糸捕捉部15fと第1糸捕捉部15eとに捕捉された状態で待機位置まで復帰移動する途中において、第1糸捕捉部15eと第2糸捕捉部15fの間の下糸30と上糸31が切断刃14に交差するように接触し、その後、切断刃14により下糸30と上糸31とが同時に切断される。
このように、水平回転釜8の内釜8aから外れた上糸ループの天秤による糸引き上げに際して上糸31の捩じれを防止する為の植毛状のパイル部材28を内釜8aの上面に設け、パイル部材28に潜り込んだ下糸30を浮き上がらせるための糸引っ掛け部15gを糸捕捉体15に設けたので、糸切断に際して、下糸30が水平回転釜8の内釜8a上面に設けたパイル部材28に潜り込んでいるような場合でも、糸捕捉体15に設けた糸引っ掛け部15gにより、パイル部材28に潜り込んだ下糸30を浮き上がらせることができ、その浮き上がった下糸30を糸捕捉体15で捕捉できるため、切断刃14との協働で下糸30と上糸31とを確実に切断することができる。
また、糸捕捉体15は布側の上糸31及び下糸30を捕捉する第1糸捕捉部15eと、針側の上糸31とボビン側の下糸30を捕捉する第2糸捕捉部15fを有し、糸引っ掛け部15gの下端が第2糸捕捉部15fの下端よりも低く形成されたので、糸引っ掛け部15gによる下糸30の浮き上がらせ効果を高めることができ、その浮き上がらせた下糸30を、先ず、第1糸捕捉部15eよりも下糸30の下糸ボビン26出口側に近い第2糸捕捉部15fに捕捉させることができ、続けて、第1糸捕捉部15eにも下糸30を捕捉させることができる。
また、糸引っ掛け部15gは第2糸捕捉部15fに対して糸捕捉体15の往動方向FD下流側に所定距離隔てて糸捕捉体15と一体形成され、糸引っ掛け部15gの下端部は鋭角状に形成され、その鋭角状に形成された先端部が第2糸捕捉部15f側に向かう方向に設けられたので、糸捕捉体15が往動方向に移動する際に、パイル部材28に潜り込んだ下糸30を糸引っ掛け部15gの鋭角状先端部で確実に引っ掛けて浮き上がらせることができ、糸捕捉体15の復動方向への移動時に、糸引っ掛け部15gで引っ掛けた下糸30を第2糸捕捉部15fに引き継いで捕捉させることができる。
また、糸引っ掛け部15gは、糸捕捉体15の往動完了時までにパイル部材28に潜り込んだ下糸30を引っ掛けて浮き上がらせる位置に設けられたので、糸捕捉体15を往動方向に移動させる移動途中において、糸引っ掛け部15gによりパイル部材28に潜り込んだ下糸30を引っ掛けて浮き上がらせてから捕捉状態に保持でき、しかも糸捕捉体15の復動時に糸引っ掛け部15gで捕捉状態に保持した下糸30を第2糸捕捉部15fに受け渡して捕捉させることができる。
更に、糸引っ掛け部15gから糸捕捉体15の基端部に至る糸摺接部15hは、上糸31が摺接して移動可能な直線で連続的に繋がる形状であるので、糸捕捉体15が往動方向への移動を完了してから、水平回転釜8の回転により上糸31が、糸捕捉体15に沿うように糸引っ掛け部15gに移動するに際して、糸捕捉体15に連続的に形成された直線の糸摺接部15hを経て糸引っ掛け部15gに捕捉状態で保持させることができ、糸捕捉体15の復動時に、第2糸捕捉部15fによる下糸30と上糸31の捕捉を何ら支障なく行うことができる。
次に、前記実施例の変更形態について説明する。
1〕糸捕捉体15の糸引っ掛け部15gから基端部に至る糸摺接部15hは、上糸31が摺接して移動可能に湾曲させた曲線で連続的に繋がる形状であってもよい。
2〕下糸30がパイル部材28に潜り込む深さは、パイル部材28に植毛する毛の太さや長さ、密集度合い、パイル部材28の大きさ等に応じて異なるため、糸引っ掛け部15gの下端を第2糸捕捉部15fの下端より低くする寸法tを、潜り込む深さより大きな寸法に適宜設定することが望ましい。
3〕本発明は以上説明した実施例及びその変更形態に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
本発明の実施例に係るミシンの正面図である。 本発明の実施例に係るミシンに設けられた糸切り装置及び水平回転釜の平面図である。 糸切り装置の底面図である。 糸切り装置の正面図である。 糸切り装置の右側面図である。 糸切り装置の左側面図である。 糸切り装置の背面図である。 糸捕捉体の平面図である。 糸捕捉体の正面図である。 下糸がパイル部材の上側にあるときの図2のI−I線縦断側面図である。 下糸がパイル部材に潜り込んだときの図9相当図である。 水平回転釜と往動方向に移動する糸捕捉体の平面図である。 図11−1のK−K線縦断正面図である。 水平回転釜と往動方向移動を完了した糸捕捉体の平面図である。 図12−1のL−L線縦断正面図である。 水平回転釜と復動方向移動を完了する糸捕捉体の平面図である。 図13−1のM−M線縦断正面図である。
符号の説明
1 ミシン
8 水平回転釜
8a 内釜
9 針板
10 糸切り装置
14 切断刃
15 糸捕捉体
15e 第1糸捕捉部
15f 第2糸捕捉部
15g 糸引っ掛け部
15h 糸摺接部
28 パイル部材
30 下糸
31 上糸
26 下糸ボビン

Claims (5)

  1. ミシンの針板の下側において回転釜に接近させて配設された糸切り装置であって、往復移動により布から延びる上糸と下糸とを捕捉する糸捕捉体と、その糸捕捉体で捕捉された上糸と下糸とを切断する切断刃とを有する糸切り装置において、
    前記回転釜の内釜から外れた上糸ループの天秤による糸引き上げに際して上糸の捩じれを防止する為の植毛状のパイル部材を内釜上面に設け、
    前記パイル部材に潜り込んだ下糸を浮き上がらせるための糸引っ掛け部を前記糸捕捉体に設けた、
    ことを特徴とするミシンの糸切り装置。
  2. 前記糸捕捉体は布側の上糸及び下糸を捕捉する第1糸捕捉部と、針側の上糸とボビン側の下糸を捕捉する第2糸捕捉部を有し、前記糸引っ掛け部の下端が前記第2糸捕捉部の下端よりも低く形成されたことを特徴とする請求項1に記載のミシンの糸切り装置。
  3. 前記糸引っ掛け部は前記第2糸捕捉部に対して糸捕捉体の往動方向下流側に所定距離隔てて糸捕捉体と一体形成され、糸引っ掛け部の下端部は鋭角状に形成され、その鋭角状に形成された先端部が第2糸捕捉部側に向かう方向に設けられたことを特徴とする請求項2に記載のミシンの糸切り装置。
  4. 前記糸引っ掛け部は、糸捕捉体の往動完了時までに前記パイル部材に潜り込んだ下糸を引っ掛けて浮き上がらせる位置に設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシンの糸切り装置。
  5. 前記糸引っ掛け部から糸捕捉体の基端部に至る糸摺接部は、上糸が摺接して移動可能な直線又は曲線で連続的に繋がる形状であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシンの糸切り装置。
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