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JP4734883B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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本発明は、自動車もしくは産業車両に搭載される電動式パワーステアリング装置に関し、特に、操舵補助用の電動モータと周辺部品との干渉を防ぎ、搭載性の向上を図るための改良に関する。
電動式パワーステアリング装置は、油圧式のものに較べ、走行条件に応じた細かい制御が可能であるという利点から、自動車に広く用いられている。しかし、近年、自動車の多機能化にともなって、エンジンルーム内に配される部品点数が増加傾向にあり、電動式パワーステアリング装置の搭載性の向上が求められていた。
そこで、搭載性の向上を図った電動式パワーステアリング装置として、操舵補助用の電動モータの軸線をラック(転舵ロッド)の軸線とほぼ平行に配置させたものが、特許文献1に開示されている。
図4は、特許文献1に開示されるような従来の電動式パワーステアリング装置のステアリングギヤ部を車両前方から見た正面図であり、図5は、その上面図である。図4および図5において、電動式パワーステアリング装置100は、ステアリングホイールに連係されたピニオン軸101と、ステアリングギヤ部102でピニオン軸101に噛合するラック軸103とからなり、ステアリングギヤ部102でピニオン軸101の回転運動をラック軸103の直線運動に変換するようになっている。そして、ラック軸103は、ラックケーシング104内で軸方向に摺動自在に支持され、両端に配されたタイロッド(図示せず)を介して車輪を転舵するようになっている。
また、ピニオン軸101には、減速機構105を介して、電動モータ106のモータ軸107の回転が伝達される。すなわち、この電動式パワーステアリング装置100では、操舵トルクや車速に応じたECUの電流制御により電動モータ106が駆動し、該電動モータ106のモータ軸107の回転が、減速機構105を介してピニオン軸101に伝達されることによって、操舵補助力が付与されるようになっている。
この電動式パワーステアリング装置100では、図4および図5に示すように、モータ軸107の軸線mとラック軸103の軸線rとがほぼ平行に配され、これにより、電動モータ106がラックケーシング104やダストブーツ108などに干渉するのを防止するようになっている。
また、図6は、図4に示した電動式パワーステアリング装置100の電動モータ106を、ピニオン軸の軸線pとモータ軸の軸線mとが直角になるように配した電動式パワーステアリング装置100´を示す正面図である。図4と図6との比較から明らかなように、電動式パワーステアリング装置100は、ラックケーシングを基準とする電動モータ106の高さhが、電動式パワーステアリング装置100´における電動モータ106の高さh´よりも小さくなっている。すなわち、電動式パワーステアリング装置100は、車両に搭載した際に必要となる電動モータ106の上方のスペースを小さくすることによって、車両上下方向の搭載性の向上を図っている。
同様に、電動機(電動モータ)の回転軸(モータ軸)の軸線とピニオン軸の軸線との交差角に自由度を持たせ、モータ軸をラック軸と平行に近くなる方向に配すことによって、電動モータをコンパクトに搭載するようにしたものが、特許文献2に開示されている。
特開2000−219140号公報 特公平3−11941号公報
しかしながら、上記特許文献1では、モータ軸107の軸線mとラック軸103の軸線rとがほぼ平行に配された構造になっているため、電動モータ106は、減速機構105内のウォームホイールの噛み合いピッチ円状において、ラック軸103から最も離れた位置に配されることになる。したがって、例えば、図5に示すように、電動モータ106と該電動モータ106の後方に配されたエンジンルーム内の周辺部品109との距離が近くなってしまい、電動モータ106が周辺部品109に干渉する恐れがあった。そのため、電動式パワーステアリング装置100を車両に搭載する際に、電動モータ106の前後方向に、電動モータ106が周辺部品109に干渉するのを防止するための大きなスペースが必要であった。すなわち、エンジンルーム内に多数の部品が配されている近年の車両に電動式パワーステアリング装置100を搭載するには、電動モータ106を、車両上下方向だけではなく車両前後方向に対してもコンパクトに搭載する必要があった。
また、特許文献2に開示される電動式パワーステアリング装置も同様に、車両前後方向における電動モータの搭載性については考慮されていなかったため、部品点数が多い近年の車両に搭載する場合には、その配置スペースに制限があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動式パワーステアリング装置を車両に搭載した際に、電動モータが車両上下方向だけではなく車両前後方向に対してもコンパクトになるようになるように配されることによって、エンジンルーム内に配された周辺部品への干渉を防止し、電動式パワーステアリング装置の車両搭載性を向上させることである。
本発明の上記目的は、ステアリングシャフトに連係するピニオン軸と、該ピニオン軸の回転運動をステアリングギヤ部で長手方向の直線運動に変換して転舵角を変更するラック軸と、前記ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに応じてモータ軸を回転駆動する電動モータと、前記モータ軸の回転を減速して前記ピニオン軸に伝達する減速機構とを備え、少なくとも前記ステアリングギヤ部および前記電動モータが車両のエンジンルーム内に配されるとともに、前記電動モータの車両前方側に周辺部品が設けられている電動式パワーステアリング装置において、前記ステアリングギヤ部を前方から見た前方視では、前記モータ軸の軸線と前記ピニオン軸の軸線との交差角が前記ピニオン軸の軸線と前記ラック軸の軸線との交差角と等しくなり、前記ステアリングギヤ部を上方から見た上方視では、少なくともモータ本体の一部がラック軸と重なり、かつ、車両搭載時に必要なスペースが最小となるように、前後方向においてモータ本体の後端と前記減速機構を収容したギヤボックスの後端とがほぼ同じ位置となるように、前記電動モータを配すことにより、達成される。
また、上記目的は、前記ステリングギヤ部を上方から見た上方視においては、前記モータ軸の軸線と前記ラック軸の軸線との交差角が、10°ないし30°であることにより、効果的に達成される。
以上のように、本発明に係る電動式パワーステアリング装置によると、ステアリングギヤ部を前方から見た前方視では、モータ軸の軸線とピニオン軸の軸線との交差角がピニオン軸の軸線とラック軸の軸線との交差角と等しく、かつ、ステアリングギヤ部を上方から見た上方視にでは、少なくともモータ本体の一部がラック軸と重なるように電動モータを配すことによって、車両搭載時に必要なスペースを、上下方向だけではなく、前後方向においても最小に抑えることができる。この結果、電動モータの前後方向に配された周辺部品に対しても、電動モータの干渉を防止することができるので、部品点数が多い近年の車両に対する搭載性の向上を図ることができる。
また、ステリングギヤ部を上方から見た上方視において、モータ軸の軸線とラック軸の軸線との交差角を、10°ないし30°にすることにより、電動式パワーステアリング装置の操舵補助用モータとして、一般的なサイズの電動モータを搭載した際に、モータ本体をラック軸と重なるように配すことができ、車両前後方向における電動式パワーステアリングの設計自由度の向上を図ることができる。
以下、図面を参照にしながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動式パワーステアリング装置1を示す概略構成図である。同図において、電動式パワーステアリング装置1は、ステアリングシャフト2に連係されたピニオン軸3と、該ピニオン軸3の回転運動をステアリングギヤ部4で長手方向(軸方向)の直線運動に変換するラック軸5とからなり、ステアリングシャフト2に連係されたステアリングホイール6から操舵力が付与されると、ラック軸5が軸方向に直線運動し、該直線運動がタイロッド7,7から車輪8,8に伝達され、転舵角が変更されるようになっている。
また、この電動式パワーステアリング装置1は、電動モータ10のモータ軸11の回転を、減速機構9を介してピニオン軸3に伝達することによって、操舵補助を行うようになっている。この電動モータ10は、ステアリングシャフト2に生じる操舵トルクを検出するトルクセンサ12や車輪8に備えられた車速センサ13などの各種センサからの信号に応じて、ECU14がモータ供給電流を制御することによって、その駆動を制御されている。
図2は、電動式パワーステアリング装置1のステアリングギヤ部4を車両前方から見た正面図であり、図3は、その上面図である。図2および図3において、ラック軸5は、ラックケーシング15内で軸方向(図2および図3の左右方向)に摺動自在に支持されており、ステアリングギヤ部4でピニオン軸3の回転運動が軸方向の直線運動に変更されて、軸方向に摺動するようになっている。また、減速機構9内では、モータ軸11の端部に設けられたウォーム16が、ピニオン軸3と同軸に設けられたウォームホイール17と噛合しており、モータ軸11の回転を減速してピニオン軸3に伝達するようになっている。
本実施形態に係る電動式パワーステアリング1では、図2に示すように、電動モータ10は、モータ軸11の軸線mとピニオン軸3の軸線pとの交差角Xが、ラック軸5の軸線rとピニオン軸3の軸線pとの交差角Yとほぼ等しくなるように配されている。これにより、ラックケーシング15を基準とする電動モータ10の高さhを最小に抑えることができるので、電動モータ10がラックケーシング15やダストブース18、あるいは電動モータ10の上下方向に配されたエンジンルーム内の部品に干渉するのを防止することができ、搭載性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、図3に示すように、電動モータ10が、図5に示された電動モータ106の位置からウォームホイール17のピッチ円に沿って回転移動され、モータ本体19がラック軸5およびラックケーシング15と重なるように配されている。これにより、車両搭載時に必要なスペースを、上下方向(図2上下方向)だけではなく、前後方向(図3上下方向)においても最小に抑えることができる。この結果、例えば、図5の電動式パワーステアリング装置100では、電動モータ106がエンジンルーム内に設置された周辺部品109に干渉する恐れがあったため、車両前後方向における搭載性に制限があったが、本実施形態に係る電動式パワーステアリング装置1では、図3に示すように、図5の周辺部品109と同位置に設置されたエンジンルーム内の周辺部品20と電動モータ10との距離が離れているので、電動モータ10が周辺部品20に干渉するのを防止することができる。したがって、本実施形態に係る電動式パワーステアリング装置1では、車両上下方向における搭載性だけではなく、車両前後方向における搭載性の向上も図ることができる。
また、電動モータ10が、操舵補助用モータとして一般的に採用されるサイズ(例えば、図3に示すように、モータ直径Dが80mm、モータ長さLが110mm)であるとすると、図3におけるモータ軸11の軸線mとラック軸5の軸線rとの交差角Zは、10°ないし30°であることが望ましい。これにより、車両に搭載する際に必要となる電動モータ10の前後方向におけるスペースを、最小に抑えることができ、電動式パワーステアリングの設計自由度の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、電動モータ10がラック軸5の上方に配されているが、これに限定されず、例えば、電動モータ10がラック軸5の下方に配される場合にも、同様の効果を有する。また、電動モータ10の搭載位置を、本実施形態に係る電動式パワーステアリング装置1に対して、ピニオン軸3の左右およびラック軸5の上下で入れ替えても、同様の効果を有する。
以上、本発明を具体的に説明してきたが、本発明はそれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本発明の実施形態に係る電動式パワーステアリング装置の概略構成図である。 上記電動式パワーステアリング装置のステアリングギヤ部を車両前方から見た正面図である。 上記電動式パワーステアリング装置のステアリングギヤ部を車両上方から見た上面図である。 従来の電動式パワーステアリング装置のステアリングギヤ部を車両前方から見た正面図である。 従来の電動式パワーステアリング装置のステアリングギヤ部を車両上方から見た上面図である。 図4に示した従来の電動式パワーステアリング装置において、ピニオン軸の軸線とモータ軸の軸線とが直角になるように電動モータを配した状態を示す正面図である。
符号の説明
1 電動式パワーステアリング装置
2 ステアリングシャフト
3 ピニオン軸
4 ステアリングギヤ部
5 ラック軸
9 減速機構
10 電動モータ
11 モータ軸
19 モータ本体
m モータ軸の軸線
p ピニオン軸の軸線
r ラック軸の軸線
X モータ軸の軸線とピニオン軸の軸線との交差角
Y ラック軸の軸線とピニオン軸の軸線との交差角
Z モータ軸の軸線とラック軸の軸線との交差角

Claims (2)

  1. ステアリングシャフトに連係するピニオン軸と、該ピニオン軸の回転運動をステアリングギヤ部で長手方向の直線運動に変換して転舵角を変更するラック軸と、前記ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに応じてモータ軸を回転駆動する電動モータと、前記モータ軸の回転を減速して前記ピニオン軸に伝達する減速機構とを備え、
    少なくとも前記ステアリングギヤ部および前記電動モータが車両のエンジンルーム内に配されるとともに、前記電動モータの車両前方側に周辺部品が設けられている電動式パワーステアリング装置であって、
    前記電動モータは、前記ステアリングギヤ部を前方から見た前方視においては、前記モータ軸の軸線と前記ピニオン軸の軸線との交差角が、前記ピニオン軸の軸線と前記ラック軸の軸線との交差角と等しくなり、前記ステアリングギヤ部を上方から見た上方視においては、少なくともモータ本体の一部が、ラック軸と重なり、かつ、車両搭載時に必要なスペースが最小となるように、前後方向において、モータ本体の後端と、前記減速機構を収容したギヤボックスの後端とが、ほぼ同じ位置となるように配されたことを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 前記ステリングギヤ部を上方から見た上方視においては、前記モータ軸の軸線と前記ラック軸の軸線との交差角は、10°ないし30°である請求項1記載の電動式パワーステアリング装置。
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