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JP4736231B2 - 感圧接着性組成物の製造方法 - Google Patents
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JP4736231B2 - 感圧接着性組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性の感圧接着性組成物および感圧接着シートに関する。詳しくは、優れた接着性、電気絶縁性、熱伝導性、難燃性および柔軟性を併せ持つ熱伝導性の感圧接着性組成物および感圧接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子部品の中には動作時に発熱を伴うものがあり、熱を迅速に除去しないとその性能や寿命の低下を来すことになる。そのためCPU、発光素子等では、発熱による性能低下を防止するために、放熱ヒートシンクを取り付けている。熱伝導性部品へのヒートシンクの取り付けには、熱伝導効率の高い接着剤や接着シートが用いられる。かかる目的の接着剤や接着シートは、接着性、熱伝導性、電気絶縁性および難燃性を有していることが必要で、接着操作が容易であることも重要である。
米国特許第4722960号には、熱を生成する電気・電子部品をヒートシンクに取り付けるための熱伝導接着剤が開示されている。しかし、該接着剤を用いる方法は、部品とヒートシンクを固定した状態で接着剤を硬化させる必要があるため、作業性が悪いという欠点がある。特開平6−88061号公報には、極性基含有アクリル系ポリマーとアルミニウムまたはチタンの酸化物もしくは窒化物を含有する感圧接着剤が提案されている。しかし、該接着剤は難燃性でない欠点を有している。特開平11−269438号公報は、接着性を強めるために粘着性付与樹脂を含む感圧接着テープを教示しているが、高温で粘着力が低下する問題を有している。また、特開2000−281997号公報では難燃剤を配合した感圧接着剤が提案されているが、難燃剤添加に伴う無機イオンが多量に存在するため、長期間経過すると接着持続性が低下する問題がある。
接着剤の接着力は、接着剤の粘着性と構造的強度に依存する。構造的強度を向上させるために、架橋性モノマーを共重合させる方法や、重合体に対してエポキシ系架橋剤やイソシアネート系架橋剤を反応さる手法が採用されている。そのため接着剤は剛直性を増してきている。
【0003】
一方、従来知られている接着剤や接着シートは、いずれも厚さが200μm以下の薄い状態で使用されている。それは、発熱体とヒートシンクの距離が短いと効率よく熱が伝達されるためである。
近年、接着工程の作業を簡素化するために、従来のように発熱体表面を平坦に仕上げてからヒートシンクに接着するのではなく、数100μmの凹凸のある発熱体表面や歪みのある発熱体表面のままヒートシンクに接着することや、歪みの大きい面に平坦化までに至らない程度の地ならし加工を施してヒートシンクに接着することが必要になってきた。そのため、厚膜でも十分な熱伝導性を有し、柔軟性があって接着対象物の表面形状に容易に追随して自ら変形して接着性と接着持続性とを有する接着剤や接着シートが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた熱伝導性、電気絶縁性、接着力および難燃性を発揮するとともに、柔軟性を有して接着持続性のある感圧接着性組成物および感圧接着シートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、イオン架橋構造を有するアクリル系ポリマーと水酸化アルミニウムを含有する組成物が上記目的を達成することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)(メタ)アクリレート系ポリマーと、金属水酸化物とを有する感圧接着性組成物であって、
前記(メタ)アクリレート系ポリマーが、イオン架橋構造を有し、
前記金属水酸化物が周期表第2族または第13族の金属の水酸化物であり、
前記(メタ)アクリレート系ポリマー100重量部に対する前記金属水酸化物の配合割合が50〜200重量部である感圧接着性組成物、
(2)上記(1)に記載の感圧接着性組成物が、基材の上に塗布されている感圧接着シート、 および、
(3)上記(1)に記載の感圧接着性組成物が、基材の上に塗布されている発熱性電子製品用放熱シート、
を提供するものである。
また、本発明は、好ましい態様として、上記(1)〜(3)記載の感圧接着性組成物、感圧接着シートまたは発熱性電子製品用放熱シートにおいて、
(4)上記金属水酸化物の平均粒径が0.5〜250μmであるもの、および、
(5)上記感圧接着性組成物のデュロ硬度が10〜50のもの、
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の態様】
本発明で使用する(メタ)アクリレート(アクリレートまたはメタクリレートの意味。)系ポリマーは、炭素数が、通常、2〜12、好ましくは4〜8のアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートモノマー単位が、ポリマーの全モノマー単位の、通常、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは75重量%以上占め、かつ、イオン架橋構造を含有するポリマーである。
【0007】
上記(メタ)アクリレート系ポリマーを製造するための好ましいモノマーは、具体的には、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキル基中に環構造を有しないアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の環構造を含有するアルキル(メタ)アクリレートを20重量%以上含有するポリマーを用いた接着性組成物は、デュロ硬度が10より小さく、硬度が低すぎる接着層を与えるので好ましくない。
【0008】
上記(メタ)アクリレート系ポリマーは、上記のモノマーの他に、それらと共重合可能なモノマーとの共重合体であってもよい。共重合可能なモノマーとしては、アクリル酸およびその無水物、メタクリル酸およびその無水物、イタコン酸およびその無水物、マレイン酸およびその無水物などのようなカルボン酸およびその無水物;炭素数1〜8のアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の極性基含有モノマー等が挙げられる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー量に対して、通常、30重量%以下、好ましくは25重量%以下、より好ましくは22重量%以下である。
【0009】
本発明で使用する(メタ)アクリレート系ポリマーの重合方法としては、乳化重合、分散重合、懸濁重合、溶液重合、隗状重合等の公知の重合方法が採用できる。
重合開始方法は、ラジカル開始剤を用いて加熱して開始する方法、光重合開始剤を用いる低強度紫外線を照射して開始する方法、電子線照射による方法等を任意に選択することができる。 重合反応温度は限定されないが、通常、30〜80℃である。
【0010】
(メタ)アクリレート系ポリマーにイオン架橋構造を含有させる方法として、特に限定されないが、例えば。多価金属の(メタ)アクリル酸塩を、上記(メタ)アクリレート系モノマーと共重合させる方法;(メタ)アクリレート系ポリマーに対して多価金属の(メタ)アクリル酸塩をラジカル開始剤と共に反応させる方法;金属アルコキシドを(メタ)アクリレート系モノマーの重合時に添加する方法;金属アルコキシドを(メタ)アクリレート系ポリマーに添加して加熱し、脱アルコール反応させて導入する方法;カリウム、ナトリウム、リチウム、セシウム、ストロンチウム、クロム等の第1、2、11および12族の金属の酸化物または水酸化物、リン酸等の無機酸、オクチル酸、ステアリン酸、オレイン酸等の有機酸の塩、水酸化アンモニウムおよびリン酸アンモニウム塩等を(メタ)アクリレート系ポリマーに添加して加熱してイオン架橋構造を導入する方法等が挙げられる。これらの多価金属塩等は、(メタ)アクリレート系ポリマー100重量部に対して、通常、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部添加される。
【0011】
また、乳化重合、分散重合、懸濁重合などの水性媒体で行う重合の場合の、水を利用したイオン架橋の導入法としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチルなどのカルボキシル基含有モノマーを、アルキル(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部共重合させて得られたカルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーの水性分散液に、1〜3価のカチオン供給体を添加する方法によってもイオン架橋ポリマーを得ることができる。カチオン供給体としては、カリウム、ナトリウム、リチウム、アンモニウムイオンなどの1価イオン;スズ、銅、クロム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ストロンチウムイオンなどの2価イオン;アルミニウムイオンなどの3価イオンなどを生成するイオン化合物が挙げられ、好ましくは、2価イオンまたは3価イオンを生成するイオン化合物である。カチオン供給体を添加した後は、噴霧乾燥で乾燥することが好ましい。
【0012】
本発明で使用する(メタ)アクリレート系ポリマーには、上記のイオン架橋に加えて、共有結合による架橋構造を含有させてもよい。ポリマーに共有結合による架橋構造を導入するには、ラジカル開始剤または光重合開始剤を添加して(メタ)アクリレート系モノマーに架橋性モノマー共重合させる方法が一般的である。架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレートなどのジアクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリル酸エステル類;ブタジエン、イソプレンなどのジエン類などが挙げられる。
【0013】
前記ラジカル開始剤としては、公知のものが使用できる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;過酸化水素;ラウロイルパーオキサイド、ベンソイルパーオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、クメンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物などがあり、これらは単独もしくは混合して、またはさらに酸性亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などのような還元剤と併用したレドックス系として使用できる。また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイック酸)などのアゾ化合物;2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどのアミジン化合物などを使用することもできる。
【0014】
光重合開始剤の例としては、アシロインエーテル(例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインエチルエーテルおよびアニソインイソプロピルエーテル)、置換アシロインエーテル(例えば、α-ヒドロキシメチルベンゾインエチルエーテル)、マイケルケトン(4,4’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(例えば、サルトマー社製のKB−1またはチバ-ガイギー社製の「イルガキュア(Irgacure)」651)などが含まれる。
上記ラジカル開始剤および光重合開始剤の配合量は、モノマー総量100重量部あたり0.01〜5重量部である。
【0015】
(メタ)アクリレート系ポリマーの乳化重合、懸濁重合に用いられる乳化剤や分散剤は、通常の乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などに用いられるものでよく、具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェートナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テルサルフェートナトリウムなどのアルコキシサルフェート塩;ラウリルスルホン酸ナトリウムなどのアルキルスルホン酸塩;アルキルエーテルリン酸エステルおよびそのナトリウム塩;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などの非イオン性乳化剤;ゼラチン、無水マレイン酸−スチレン共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、重合度700以上かつケン化度75%以上のポリビニルアルコールなどの水溶性高分子などが例示され、これらは単独でも2種類以上を併用して用いても良い。乳化剤、分散剤の添加量は、モノマー総量100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部程度である。
【0016】
(メタ)アクリレート系ポリマーの重合を乳化重合、分散重合、懸濁重合などの水性分散液での重合反応によった場合は、重合後、スチーム凝固、アルコール凝固、塩析などによりクラムとし、濾過の後、バンドドライアー、ロータリーキルン、エクスパンジョンドライアーなどで乾燥して(メタ)アクリレート系ポリマーを得ることができる。また、(メタ)アクリレート系ポリマーをTHF不溶のポリマー1とTHF可溶のポリマー2の2種類重合する場合のポリマー1などのように、粘着性がないポリマーであれば噴霧乾燥、流動乾燥、フラッシュ乾燥などの乾燥機を使用することもできる。溶液重合によった場合も、スチーム凝固、メタノール凝固などによりクラムとすることができる。
【0017】
本発明で使用する(メタ)アクリレート系ポリマ−は、イオン架橋構造を含有する。これにより、該ポリマーが接着剤として使用されるときに構造強度を発現して強靱な接着剤として機能することができる。
【0018】
本発明の感圧接着性組成物(以下「接着剤」と記すことがある。)は、上記(メタ)アクリレート系ポリマーに、周期表第2族または第13族の金属の水酸化物を配合して調製される。周期表第2族の金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが、また、第13族の金属としてはアルミニウム、ガリウム、インジウムなどが挙げられ、なかでもアルミニウムが好ましい。かかる金属の水酸化物の平均粒径は、遠心沈降法による個数基準の長さ平均径で、通常、0.5〜250μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは10〜70μmである。該金属水酸化物が小さすぎると熱伝導性が低下するおそれがあり、逆に大きすぎると難燃性が低下する可能性がある。また、粒子形状は、球状、針状またはフレーク状、あるいは不定形であってもよい。なお、該金属水酸化物の分散性を向上するため、それらの粒子表面をカップリング剤処理、ステアリン酸処理等を適宜行っても良い。
【0019】
該金属水酸化物は、接着剤に難燃性および熱電導性を付与する作用を有する。
該金属水酸化物の配合量は、(メタ)アクリレート系ポリマー100重量部あたり50〜200重量部、好ましくは80〜160重量部、より好ましくは90〜140重量部である。該金属水酸化物が少なすぎると感圧接着性組成物の難燃性および熱伝導性が低下するおそれがあり、逆に多すぎると接着力が低下する可能性がある。
【0020】
本発明の感圧接着性組成物には、その凝集力を向上する目的で、必要に応じてエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤またはキレート系架橋剤などの架橋剤を配合することもできる。
また、本発明の感圧接着性組成物には、柔軟性や粘着性を向上する目的で、必要に応じて改質用ポリマーを配合することも可能である。かかる改質用ポリマーとしては、ジシクロペンタジエン樹脂、水添ジシクロペンタジエン樹脂、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体およびそれらの変性体等があげられる。これらの改質ポリマーの添加量は、(メタ)アクリレート系ポリマー100部未満である。100部以上添加すると、100℃以上の高温下で接着力が低下する。
【0021】
本発明の感圧接着性組成物を調製するための、(メタ)アクリレート系ポリマーと金属水酸化物との混合方法は特に限定されない。ロール、ヘンシェル、ニーダー等を用いて乾燥した(メタ)アクリレート系ポリマーと金属水酸化物を混合する乾式混合法でも、攪拌機を有する容器中で有機溶媒の存在下で混合する湿式混合法でもよい。感圧接着性組成物の調製時に上記の、必要に応じて配合される熱伝導性無機粒子、架橋剤、改質用ポリマーなどは、このとき添加する。
【0022】
本発明の感圧接着シートは、上記の感圧接着性組成物が基材の上に塗布されているものである。該感圧接着シートの製造方法としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート等の合成樹脂フィルムやアルミニウム箔等からなる基材を剥離剤処理しておき、その上に上記の感圧接着性組成物をロールコーター、ドクターブレードなどで塗布し、該感圧接着性組成物が溶媒を含有している場合は溶媒を除去し、必要に応じて加熱または光等のエネルギー線を照射して架橋させて製造する。ポリマーが実質的に溶媒を含有しない場合は、押出機により感圧接着性組成物をシートとし、これを剥離剤処理を施した基材と合わせて巻き取る方法も可能である。
【0023】
感圧接着シートの接着剤層の厚さは、通常、0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmである。接着剤層が薄すぎると発熱体表面に起伏がある場合に形状に追随させることが出来ないおそれがあり、また、厚すぎると熱伝導効率が低下し十分な放熱ができない可能性がある。
本発明の感圧接着シートは、接着剤層の硬度がデュロ硬度で10〜50であることが好ましく、15〜45であることがより好ましく、20〜40であることが特に好ましい。接着剤層のデュロ硬度が10未満であると、ヒートシンクと発熱体とを取り付ける際に、接着剤層が容易に大きく変形し、それに伴って発熱体が大きく変形する可能性があるため好ましくない。またデュロ硬度が50よりも大きいと、接着剤の柔軟性が欠け、接着剤を接着対象物の形状に追随できなくてヒートシンクと電子部品の接触が不十分となる可能性がある。
【0024】
本発明の感圧接着性組成物は、ハイブリッドパッケージ、マルチチップモジュール、セラミック集積回路パッケージ、プラスチック集積回路パッケージ、金属集積回路パッケージ等の発熱性電気・電子部品のヒートシンクへの貼り付けの際に、両者間に介在させ、圧力を加えることにより、両者を容易に固定させることが可能である。
上記の用途においてさらに容易な操作で固定させる方法として、本発明の感圧接着シートの接着剤面を一方に、例えばヒートシンクに当接させておき、上記シートの基材を剥離した面に他の一方、例えばハイブリッドパッケージを当接して押し付けて接着させる方法が可能である。したがって該シートは発熱性電子製品用放熱シートとして好適である。
【0025】
本発明の感圧接着性組成物および感圧接着シートを用いることにより、発熱体とヒートシンクとを容易に固定できる。これらの接着剤層は電気絶縁性および熱伝導性に優れる上に、柔軟性があって接着面の形状追随性が良いので接着後長期間経ても、また、高温下に置かれても大きな接着力が発現される。
【0026】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。 なお、「部」および「%」は特記ない限り重量基準である。
試験法は以下によった。
(1)重量平均分子量(Mw)
Mwは、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で求めた。
(2)表面硬度
接着層の硬度は、厚さ2mmのシートを3枚重ねて厚さを6mmとし、デュロメーター硬さ(JIS K 6253)で測定した。
【0027】
(3)熱伝導性
室温で、迅速熱伝導率計〔QTM―500、京都電子工業社製〕により測定した。この値が0.3W/m・K以上であると熱伝導性が良いと判断される。
(4)電気絶縁性
エレクトロメーター〔R8340、アドバンテスト社製〕により、試料箱TR42を用いて測定した。
(5)接着力
アルミ板に接着した20mm×100mmのテープサンプルをのせ、PETフィルムの上からJIS Z 0237に記載された圧力装置で2kgの荷重のローラーを5回往復させて接着した試験片を用い、180°方向に剥離速度50mm/minで引き剥がして接着力を測定した。試験片は、測定前に恒温槽で常温と100℃の各々で各30分間置いてから測定した。
(6)難燃性
UL規格〔UL94「機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験方法」に準じて試験した。「VTM−0」および「VTM−1」は下記の基準による。
シート状の接着剤資料を円筒に入れ、3秒間の接炎を2回行い、下記評価を行った。同一試料種につき5枚づつ試験した。
燃焼クラス分類 VTM−0 VTM−1
各資料の残炎燃焼時間 ≦30秒 ≦10秒
5枚の試料の合計燃焼時間 ≦250秒 ≦50秒
第2回接炎後の残炎時間と無炎燃焼時間の和 ≦60秒 ≦30秒
滴下物による綿への着火 なし なし
クランプまでの残炎または無炎燃焼 なし なし
【0028】
実施例1
水酸化アルミニウム(B103,日本軽金属社製、平均粒径8μm)112部、2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」と記す。)100部、メタクリル酸亜鉛12部および過酸化物1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン〔パーヘキサ3M、日本油脂社製、10時間半減温度90.0℃〕0.17部を均一に混合した後、深さ2mmの金型内に、上下にPETフィルムを当てがって入れ、10MPaでプレスした。次いで、金型を1時間、温度120℃に制御して重合し、ポリマーフィルムAを得た。重合転化率は97%であった。
【0029】
実施例2
反応容器に酢酸エチル300部、2EHA90部、アクリル酸(以下、「AA」と記す。)10部およびベンゾイルパーオキサイド0.1部を入れ、攪拌しつつ温度80℃にて4時間重合した。重合転化率は97%であった。得られた重合体を多量のメタノールに注いでポリマーを析出させ、濾過後、90℃にて24時間減圧乾燥して流動性のあるポリマーpを得た。ポリマーpのMwは350,000、Mw/Mnは3.8であった。
水酸化アルミニウム(B103)80部、ポリマーp70部、2EHA30部、メタクリル酸亜鉛10部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.7部を均一に混合し、以後は実施例1と同様にして金型で重合してポリマーフィルムBを得た。重合転化率は99%であった。
【0030】
実施例3
ポリマーpを45部、2EHA45部に減じ、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを1.9部、AA10部を加えて均一に混合した他は実施例2と同様に行ってポリマーフィルムCを得た。重合添加率は99%であった。
【0031】
比較例1
水酸化アルミニウム(B103)100部、2EHA100部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.15部を均一に混合した後、深さ2mmの金型内に、上下にPETフィルムを当てがって入れてプレスした。次いで、金型ごと1時間、温度120℃に制御して重合し、ポリマーフィルムDを得た。重合転化率は97%であった。
【0032】
比較例2
ポリマーpを100部と水酸化アルミニウム(B103)100部を均一に混合した後、深さ2mmの金型内に、上下にPETフィルムを当てがって入れてプレスし、ポリマーフィルムEを得た。
【0033】
比較例3
実施例1において、水酸化アルミニウムに代えて酸化アルミニウムを用いた他は実施例1と同様に行ってポリマーフィルムFを得た。重合添加率は98%であった。
ポリマーフィルムA〜Fについて試験した結果を表1に記す。
【0034】
【表1】
Figure 0004736231
【0035】
表1が示すように、イオン架橋したアクリレート系ポリマーを用いた本発明の感圧接着性組成物は熱伝導性があり、電気絶縁性、難燃性および接着力も十分で、また、適度の表面硬度を有して柔軟性があり、高温接着力(接着持続性)が大きかった(実施例1〜3)。
一方、イオン架橋を施していないアクリレート系ポリマーを配合した接着剤は接着力および高温接着力が低下した(比較例1、2)。また、実施例1と同様のイオン架橋ポリマーを用いても、水酸化アルミニウムの代りに酸化アルミニウムを配合した接着剤は燃焼してしまった(比較例3)。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、優れた電気絶縁性、難燃性および接着力を有し、柔軟性があって接着持続性の良い熱伝導性の感圧接着性組成物が提供される。

Claims (2)

  1. (メタ)アクリレート系モノマーと、多価金属の(メタ)アクリル酸塩と、周期律表第2族または第13族の金属の水酸化物とを含む混合物を準備し、
    前記(メタ)アクリレート系モノマーと、多価金属の(メタ)アクリル酸塩とを共重合することを特徴とする、イオン架橋構造を有する(メタ)アクリル系ポリマーと金属水酸化物とを含有する感圧接着性組成物の製造方法。
  2. (メタ)アクリレート系ポリマーと、(メタ)アクリレート系モノマーと、多価金属の(メタ)アクリル酸塩と、ラジカル開始剤と、周期律表第2族または第13族の金属の水酸化物とを含む混合物を準備し、
    前記(メタ)アクリレート系ポリマーと、前記(メタ)アクリレート系モノマーと、多価金属の(メタ)アクリル酸塩とをラジカル開始剤とともに反応させることを特徴とする、イオン架橋構造を有する(メタ)アクリル系ポリマーと金属水酸化物とを含有する感圧接着性組成物の製造方法。
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