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JP4736268B2 - ガス処理装置およびガス処理方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、活性炭素繊維(以下ACFと記す)を吸着材として、有機溶剤含有ガスの吸着を行うと同時に、吸着した有機溶剤を脱着、回収するガス処理装置およびこの装置を用いた処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有害大気汚染物質に対する排出濃度規制が強化されてきており、有害大気汚染物質をガス処理装置により処理する場合にガス処理装置出口の有害大気汚染物質濃度をできる限り低減することが望まれている。
【0003】
従来、上記ガス処理装置は、活性炭素繊維素材で被処理ガス(つまり有機溶剤含有ガス等の排気ガス)を吸着する1対以上の吸着槽と、各吸着槽に対する被処理ガス供給手段と脱着用ガス供給手段とを設け、前記吸着槽に被処理ガスを供給する吸着処理状態と、脱着用ガスにより吸着した被処理ガスを脱着する脱着状態とに切り替える手段を設けて構成してあった。
【0004】
従来、上記ガス処理装置は、吸着材にACFや粒状活性炭が一般的に用いられるが、ACFは、粒状活性炭と比べ、比表面積が1000〜2000m2/gと大きく、吸着材表面にガス吸着に有効なミクロポアが数多く存在し、吸脱着速度に極めて優れるために、有機溶剤回収分野ではもっとも一般的な方法として知られ用いられている。たとえば、ACFを支持体に固定し、または自己支持にて円筒状に構成し、芯材内にたて型に配設した装置が特開昭51−38278号公報、特公報64−11326号に提案されている。また、実公平7−2028,2029,2030号にも同様な吸脱着を行うガス装置が提案されている。これらは、いずれも、ACFを格納している芯材に水蒸気を噴出し、ACFに吸着された有機溶剤を脱着、回収させるものである。
【0005】
一般的に、ACFの有機溶剤吸着能力は、水分の影響を受けやすく、ACFの含水率が高くなると、吸着能力は極端に低下する。このため、前記提案においては、芯材、すなわち吸着エレメントへの水蒸気噴出方向を上または下から、あるいは中央内部方向からなどいろいろ工夫が凝らされている。しかし、運転開始時などにおいて、噴出する水蒸気のドレンの飛散や、凝縮液の逆流により吸着エレメントが水分を含み濡れてしまい、ACFの有機溶剤の吸着能力を低下させるという問題があった。
【0006】
さらに、上記に示したガス吸着エレメントを用いたガス処理装置において、長期にわたり吸脱着が安定して連続運転することは困難とされていた。即ち、有機溶剤の吸着したエレメントに水蒸気を噴出させ、吸着した有機溶剤を脱着させることを交互に繰り返して使用する場合、特に低沸点溶剤は、外気の温度などの影響を著しく受け、溶剤回収部(以下セパレーターと記す)へ繋がる配管から凝縮液が逆流することがしばしばある。この逆流により、ガス処理エレメント内のACFに凝縮液が接触し、吸着能力を大きく低下させる問題があり、連続運転にも支障をきたしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ACFを用いて有機溶剤含有ガス、特に低沸点溶剤の吸脱着を、高い効率でかつ連続的に行うことを可能としたガス処理装置に関するものである。
【0008】
吸着エレメントを用いたガス処理装置の連続運転において、脱着処理状態の時、脱着ガスである水蒸気と脱着された脱着ガスは、脱着ガス供給初期に吸着槽内にて凝縮液となり吸着槽下部の槽ドレンラインを通りセパレータへ排出される。一方、未凝縮の水蒸気と有機溶剤は、脱着ガスラインを通り冷却部(以下コンデンサーと記す)で凝縮後、槽ドレンラインに合流しセパレータへ排出される。例えば、第1図の吸着槽4(連続運転のため、他の槽が吸着槽として運転している時は、脱着槽となる)の下部からの凝縮液が槽ドレンライン8を通ってセパレータ12に送られるが、この時槽ドレンライン8中に滞留していた凝縮液が上記吸着槽4の下部からの凝縮液で加熱され、沸騰ガス化し逆流する。外気温が低く、凝縮液が多い時や被処理ガスが低沸点溶剤を含有する場合は、この傾向が顕著となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸着槽の槽ドレンラインへの排出口にバッフルを設置し、槽内への凝縮液の逆流による吸着エレメントの濡れを防止するものである。バッフルとは、図2に例が示されるように、平板に支柱を立て、排出口の上に取りつけられたものである。この支柱の間は、自由に水蒸気、被処理ガス及び凝縮液の通過ができるもので、槽内の圧バランス、気体の流れに影響を与えない。外気温度が下がり、吸着槽内の凝縮液の量が増え逆流し吸着槽内に入っても、このバッフルにあたり、吸着エレメントへの凝縮液の飛散を防止出来る。よって、吸着エレメントを凝縮液で濡らすこともなく、連続運転を可能とするものである。
【0010】
バッフルの形状としては、上記以外に傘状でもよく、また半球状でもよく、排出口に対して円錐状、または末広がり状の形状が好ましい。また、排出口の上部に位置するように支柱によって設置される。材質としては、被処理ガスに含まれる有機溶剤に溶解しないものなら何でもよい。また、支柱により吸着槽より取り外しができるように設置され、掃除などの時には、取り外して操作を容易にできる。
【0011】
吸着エレメントを用いて水蒸気の脱着により有機溶剤の処理を連続で行うガス処理装置の場合、特に低沸点溶剤にこの効果が顕著である。通常有機溶剤は水蒸気と一緒に吸着エレメントの外へ排出されるが、水に溶けにくい有機溶剤の場合、吸着エレメントの外での冷却により、水層と溶剤層の2層に分離が起こる。一般に有機溶剤の方の比重が大きく、2層の下側に分離するため、槽ドレンラインの最下部に貯まりやすくなり沸騰による逆流が顕著になる。従って、吸着槽の下部から凝縮液の逆流が発生した場合はこの凝縮液にて吸着エレメントが濡れることにより、吸着能力を低下させてしまう。
【0012】
ここで言う有機溶剤とは、塩化メチレン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、クロロホルム等の有機溶剤を指し、特に本発明においては塩化メチレンなどの沸点が水よりも低く、比重が水よりも重い溶剤が適する。
このバッフルの設置により吸着エレメントの凝縮液による濡れがなくなり、吸脱着槽内の温度、相対湿度の制御も容易になり、吸着効率が一層向上した。
【0013】
さらに、吸着エレメントは常時水分と接触することがなくなり、吸着能力は維持されることから,吸着槽として、また脱着槽とし連続的に切り替えが可能となった。この結果、本発明の装置は運転、停止時のスムースな操作とともに連続的に有機溶剤含有ガスの吸脱着が可能となり操作性に優れるとともに、長期期間にわたっての運転も可能となった。
【0014】
本発明で使用するACFとはアクリロニトリル(PAN)系繊維、レーヨン系、石炭ピッチ系、フェノール樹脂系、石油ピッチ系など原料繊維を既存の方法にて処理して得られた比表面積1000〜2000m2/g、繊維直径が2〜30μm程度、繊維長さが0.5〜10mm程度、細孔半径が5〜20Å程度であれば、いずれを用いても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態の一例を図1にて説明する。有機溶剤含有ガス(被処理ガス)Xはプレフィルター1(コンデンサー10、セパレータ12内に滞留しているガス*3,*4は戻りガスライン13を通って再度このプレフィルター1に戻される)を通り、送風機2にて吸着槽3(この時吸着槽4には、有機溶剤含有ガスを送ることはなく、自動ダンパー6で封鎖されている。吸着槽4内では、水蒸気を噴出して、すでに吸着エレメント5に吸着されたガスを脱着している状態である)に送られ、吸着エレメント5でガス吸着が行なわれ、清浄空気Yとして、吸着槽3の排気口14より系外に排出される。凝縮液は、吸着槽4下部の槽ドレンライン8を通ってセパレータ12に送られる。未凝縮の水蒸気及び有機溶剤は脱着ガスライン9を通って、コンデンサー10へ送られる。コンデンサー10からは高濃度の有機溶剤を含んだ凝縮液が回収液ライン11を通り槽ドレンライン8に合流してセパレータ12へ送られる。
【0016】
この時、低沸点溶剤が混合された混合ガスの場合に、特に外部温度が低下すればするほどこの槽ドレンライン8に流れ込む量が多くなることにより、凝縮液の吸着槽への逆流が顕著になり、吸着槽4に噴出し、吸着エレメントを濡らしてしまう。
【0017】
図2に吸着槽(脱着槽)内、槽ドレンライン上部のバッフルを拡大して示した。特に外気温度が下がり、吸着槽内の凝縮液の量が増え逆流し吸着槽内に入っても、このバッフルにあたり、吸着エレメントへの凝縮液の飛散を防止出来る。従って、吸着エレメントを凝縮液で濡らすこともなく、連続運転を可能となった。
【0018】
この結果、さらに吸着槽3、4を切り替え連続運転しても、常時系外に排出される有機溶剤ガス濃度は低濃度でかつ一定化することが可能となった。
【0019】
吸着エレメント5に吸着された有機溶剤は、吸着槽4にて水蒸気W1より自動弁7を介して吸着槽内の吸着エレメントに噴出させて、有機溶剤の脱着を行う。水蒸気の量は蒸気調整自動弁7にて制御される。また、この水蒸気は吸着槽4の上部または、下部(図1中の点線)より槽内に噴出される。
【0020】
この結果、有機溶剤含有ガスXは清浄空気Yとして系外に放出されるとともに、脱着された未凝縮の有機溶剤ガスと水蒸気は、コンデンサー10で冷却され、凝縮してセパレーター12に回収される。水に溶けにくい液は、比重により重比重液Zと軽比重液W2として回収される。例えば、有機溶剤ガスが比重1.3(20/4℃)の塩化メチレンの場合、重比重液Zが塩化メチレン、軽比重液W2は水蒸気凝集水として回収される。
【0021】
【実施例1】
本発明のバッフルを設置した図1に示したガス処理装置を用いて塩化メチレンを9000ppm含む温度40℃の有機溶剤含有ガスを、風量70Nm3/分で送風機2より吸着槽3に送風した。吸着槽4で8分間脱着を行い、その後自動ダンパー6で吸着槽3への送風を封鎖し、次に吸着槽3の吸着エレメント5内に水蒸気を噴出した。この処置と同時に吸着槽4の自動ダンパー6を開放し、今度は、この吸着槽4でガス吸着を行った。この吸着と脱着の操作を繰り返し10回以上実施した。バッフルの拡大図を図2に示した。
系外に排出されるガスの濃度は、島津製作所製の全炭化水素計HCM−1Bの測定器を用いて送風機2の出口と吸着槽3,4出口の合流地点で測定した。連続運転した時のガス処理装置入・出口のガス濃度を図3に示した。
【0022】
【比較例1】
本発明のバッフルを設置しない以外は図1と同等である装置を用いた場合についても同様の条件で実施した。連続運転した時のガス濃度を図4に示した。
【0023】
図3,4のグラフを比較するとわかるように、実施例の発明の方法を用いることで系外に排出されるガス濃度は吸着槽3,4交互の切り替え運転においても、安定し、かつ低濃度であることが明らかである。連続運転してもガス濃度の変動も殆どない。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明したごとく、回収液ラインの凝縮液が槽ドレンラインに流入しないようにバッフルを設置することにより低沸点溶剤を含む有機溶剤含有ガスの吸脱着が連続的に安定に高効率に行えることが可能となり、産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス吸着処理装置の基本処理フロー図例
【図2】バッフル16の拡大図例
【図3】バッフル16を設けた場合の排出ガス濃度(実施例)
【図4】バッフル16を設けない場合の排出ガス濃度(比較例)
【符号の説明】
1 :プレフィルター
2 :送風機
3 :吸着槽(4が吸着槽として機能する時は、脱着槽)
4 :脱着槽(3が脱着槽として機能する時は、吸着槽)
5 :吸着エレメント
6 :自動ダンパー
7 :蒸気調整自動弁
8 :槽ドレンライン
9 :脱着ガスライン
10:コンデンサー
11:回収液ライン
12:セパレータ
13:戻りガスライン
14:排気口
15:水蒸気ライン
16:バッフル(17,18の総称)
17:支柱
18:逆流防止版
X :有機溶剤含有ガス(被処理ガス)
Y :清浄空気
Z :重比重液
W1:水蒸気
W2:軽比重液
W3:冷却水

Claims (6)

  1. 被処理ガスを吸着処理する活性炭素繊維素材の吸着エレメントを吸着槽内に設け、前記吸着槽に対する被処理ガス供給手段と脱着用ガス供給手段とを設けるとともに脱着用ガス供給手段により脱着された脱着ガスを冷却回収する手段を設けたガス処理装置において、前記吸着槽の下部から溶剤回収部に繋がる配管である槽ドレンラインの吸着槽からの排出口の上部に、支柱と逆流防止板からなるバッフルを設けたことを特徴とするガス処理装置。
  2. バッフルの逆流防止板の形状が平板状、傘状、半球状、円錐状、または末広がり状である請求項1に記載のガス吸着処理装置。
  3. 吸着槽を2槽以上備え、被処理ガスを吸着する吸着処理状態と、脱着用ガスで吸着された被処理ガスを脱着する脱着処理状態とを順次切り替える手段を設けた請求項1または2に記載のガス処理装置。
  4. 脱着用ガス供給手段が吸着槽内の吸着エレメントの芯材上部または下部または中央部に配置された請求項1〜3のいずれかに記載のガス処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のガス処理装置を用いて、有機溶剤含有ガスを処理する方法。
  6. 有機溶剤が、沸点が水よりも低く、比重が水よりも重い有機溶剤である請求項5に記載の有機溶剤含有ガスを処理する方法。
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