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JP4737626B2 - 回転体機構 - Google Patents
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JP4737626B2 - 回転体機構 - Google Patents

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本発明は、例えばトルクリミッタとして機能する摩擦機構を介して相互に回転力を伝達するように結合された第1の回転体と第2の回転体とを有する回転体機構に関する。
従来、図6乃至図8に示されるようなトルクリミッタ(摩擦機構)付きのギア機構(回転体機構)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、図6は、ギア機構の部品構成を示す分解斜視図であり、図7は、ギア機構の断面図であり、図8は、ギア機構に設けられた摩擦機構を示す平面図である。
図6において、このギア機構(回転体機構)は、それぞれ合成樹脂で形成された第1の回転体70及び第2の回転体80を有している。第1の回転体70は円盤部71を有し、その円盤部71の一方の面の中心部位に軸部74が立設される共に、その軸部74を同軸的に囲むように形成された外周面を有する環状壁部72が形成されている。また、円盤部71の他方の面にはそれと同軸的にギア部73が形成され、そのギア部73の周面にギア歯73aが形成されている。そして、軸部74及びギア部73を貫通するように軸孔70aが形成されている。なお、軸部74の先端近傍の周面にはEリング、ワッシャ等の止め具を嵌め込むための環状溝74aが形成されている。
第2の回転体80はそれ自体ギアであり、丸型のキャップ状でその周面にギア歯80aが形成されている。また、第2の回転体80の回転中心部には軸孔82が形成され、その軸孔82を囲むように3つの係止孔81a、81b、81cが形成されている。
また、このギア機構は、トルクリミッタとして機能する摩擦機構の一部を構成する弾性ベルト部材30を有している。この弾性ベルト部材30は、リン青銅板などの板バネ金属材料で形成されており、直状のストレート部31、33、35と湾曲したたるみ部32、34、36とが交互に配列されて環状となっている。また、各たるみ部32、34、36には、その板面に沿って突出する係止片37a、37b、37cが形成されている。
前述した構造の第1の回転体70、第2の回転体80及び弾性ベルト部材30は、図7及び図8に示すように一体化されてギア機構として構成される。即ち、環状の弾性ベルト部材30が環状壁部72に嵌め込まれるように第1の回転体70にセットされる(図8参照)。この状態で、弾性ベルト部材30の各ストレート部31、33、35が環状壁部72の外周面を弾性押圧するように締め付け、弾性ベルト部材30と環状壁部72との間の摩擦力によって、それらの相対的な回転が阻まれるようになる。このように弾性ベルト部材30と第1の回転体70に形成された環状壁部72とによって摩擦機構が構成される。
第1の回転体70の軸部74を第2の回転体80の軸孔82に嵌め込みつつ弾性ベルト部材30の装着された環状壁部74を第2の回転体80の内側に入れ込み、弾性ベルト部材30の各係止片37a、37b、37cを第2の回転体80の対応する係止孔81a、81b、81cに嵌め込むことによって第1の回転体70、第2の回転体80及び弾性ベルト30が一体化される。そして、第2の回転体80の表面から突出する第1の回転体70の軸部74の先端近傍に形成された環状溝74aにEリング、ワッシャ等の止め具90が嵌め込まれる。これにより、弾性ベルト部材30及び環状壁部72で構成された摩擦機構を介して相互に回転力が伝達するように第1の回転体70と第2の回転体80とが同軸的に結合された構造のギア機構(回転体機構)が完成する。
このようなギア機構は、第1の回転体70に形成された軸孔70aが例えば機器に立設された軸100に嵌め込まれ、当該軸100に回動自在となって装着されている。そして、駆動源からの回転力がギアを介して第1の回転体70のギア部73に伝達すると第1の回転体70が回転する。第1の回転体70の回転と共に環状壁部72が回転すると、各ストレート部31、33、35の弾性押圧に基づいた摩擦力によって弾性ベルト部材30が環状壁部72に対して相対的に回転することなく連れ回転する。これにより、第1の回転体70の回転力が環状壁部72及び弾性ベルト部材30を介して第2の回転体80に伝達して当該第2の回転体80が回転する。そして、更に、第2の回転体80の回転力はギア歯80aに噛合するギアを介して他の回転機構に伝達する。
例えば、第2の回転体80に何らかの理由によって多大な負荷がかかると、環状壁部72に対する弾性ベルト部材30の連れ回転負荷が多大となり、弾性ベルト部材30(ストレート部31、33、35)の弾性押圧に基づいた摩擦力に抗して第1の回転体70と共に回転する環状壁部72が弾性ベルト部材30に対して滑り出し、第1の回転体70の回転力が第2の回転体80に伝達しなくなる。これにより、第1の回転体70のギア部73に連結するギア列系及び駆動源に対する負荷トルクが多大になることが防止され(トルクリミット)、そのギア列系や駆動源の破損を未然に防止することができる。
特開2005−188576号公報
ところで、前述したような回転体機構では、第1の回転体70と共に回転する環状壁部72が弾性ベルト部材30に対して滑り始める負荷トルク、即ち、最大負荷トルクが安定していることがその安定した回転力伝達動作を保証するうえで重要である。
しかしながら、従来の回転体機構では、金属製(例えば、リン青銅板)の弾性リング部材30によって弾性押圧されて締め付けられる第1の回転体70の環状壁部72が樹脂製であることから、温度変化に対する環状壁部72の形状変化(径変化)が弾性リング部材30のそれより大きい。そのため、温度変化に対する弾性リング部材30と環状壁部72との間の摩擦力の変動、即ち、温度変化に対する前記最大負荷トルクの変動が比較的大きく、第1の回転体70と第2の回転体80との間での安定した回転力の伝達が損なわれることがある。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、温度変化が比較的大きくなる環境のもとでも摩擦機構を介して第1の回転体と第2の回転体との間でより安定した回転力の伝達を可能にする回転体機構を提供するものである。
本発明に係る回転体機構は、摩擦機構を介して相互に回転力が伝達するように同軸的に結合された第1の回転体と第2の回転体とを有する回転体機構であって、前記摩擦機構は、前記第1の回転体に同軸的に設けられ、その軸心を囲むように形成された周面を有する金属製のドラム部材と、前記第2の回転体に設けられ、前記ドラム部材の前記周面を弾性押圧する金属製の弾性押圧部材とを有し、前記ドラム部材は、前記第1の回転体に同軸的に設けられた円盤部を有すると共に該円盤部の外縁から立ち上がる面を前記周面として有し、前記ドラム部材の円盤部が前記第1の回転体の当接面において所定の遊びをもつように前記ドラム部材が前記第1の回転体に設けられた構成となる。
このような構成により、摩擦力によって第1の回転体と第2の回転体との間で回転力を伝達させる摩擦機構におけるドラム部材と、該ドラム部材の周面を弾性押圧する弾性押圧部材とが共に金属製であるので、温度変化に伴う弾性押圧部材の形状変化(膨張・収縮)とドラム部材の形状変化(膨張・収縮)との差が小さくなり得る。そのため、温度変化に対する弾性押圧部材とドラム部材の周面との間の摩擦力の変動が小さくなり得る。
また、ドラム部材の円盤部の外縁から立ち上がる面を弾性押圧部材が弾性押圧するようになるので、その円盤部の外縁から立ち上がる面と弾性押圧部材との摩擦力によって第1の回転体と第2の回転体との間での回転力の伝達がなされ得る。また、前記立ち上がる面の立上がり幅を調整することにより、ドラム部材と弾性押圧部材との当接面の広さ(摩擦面の広さ)を調整することができ、結果として、第1の回転体と第2の回転体との間で回転力を伝達させるための摩擦力を調整することができるようになる。更に、ドラム部材の円盤部は第1の回転体の当接面において遊びの分の移動が可能となるので、その円盤部から立ち上がる面(ドラム部材の周面)に対する弾性押圧部材の当たりの不均一さをその移動によって低減させることができるようになる。
また、本発明に係る回転体機構において、前記ドラム部材は、板金の絞り加工により形成された構成とすることができる。
このような構成により、板金を絞り加工して円盤部と該円盤部の外縁から立ち上がる面とを有するドラム部材が形成されるので、その絞り加工による加工硬化によって、金属製の弾性押圧部材によって弾性押圧される前記ドラム部材の周面をより平滑化させ、また、より硬くすることができるようになる。
また、本発明に係る回転体機構において、前記ドラム部材は、軸心に直交する面において所定の遊びをもつように前記第1の回転体に設けられた構成とすることができる。
このような構成により、ドラム部材は軸心に直交する面において遊びの分の移動が可能となるので、ドラム部材の周面に対する弾性押圧部材の当たりの不均一さをその移動によって低減させることができるようになる。
また、本発明に係る回転体機構において、前記第1の回転体の前記ドラム部材の前記円盤部との前記当接面に複数の突起を有し、前記円盤部は、前記突起のそれぞれに遊嵌する孔が形成された構成とすることができる。
このような構成により、ドラム部材の円盤部が第1の回転体の当接面に対して所定の遊びをもつこととなる。
また、本発明に係る回転体機構において、前記前記弾性押圧部材は、環状のベルト部材であり、複数のストレート部と複数のたるみ部が交互に配列され、前記複数のストレート部にて前記ドラム部材の周面を押圧するように前記第2の回転体に設けられた構成とすることができる。
このような構成により、弾性押圧部の複数のストレート部によってドラム部材の周面を囲むようにして弾性押圧することができるようになる。
また、本発明に係る回転体機構において、前記弾性押圧部材は、前記ドラム部材の前記周面を囲むように複数の弾性切片を有し、各弾性切片にて前記ドラム部材の前記周面を弾性押圧するようにした構成とすることができる。
このような構成により、弾性押圧部材の複数の弾性切片それぞれが個別的にドラム部材の周面を弾性押圧するので、全体を押し広げてドラム部材に装着しなければならない環状のベル部材に比べて当該ドラム部材への装着作業が容易になる。
また、本発明に係る回転体機構において、前記複数の弾性切片のそれぞれは、前記ドラム部材の前記周面に当接する凸部を有する構成とすることができる。
このような構成により、弾性押圧部材の複数の弾性切片それぞれがその凸部にてドラム部材の周面を弾性押圧するようになるので、ドラム部材の周面に対する各弾性切片の接触面をより均一化することができる。
更に、本発明に係る回転体機構において、前記弾性押圧部材は、軸心に直交する面において所定の遊びをもつように前記第2の回転体に設けられた構成とすることができる。
このような構成により、弾性押圧部材は軸心に直交する面において遊びの分の移動が可能となるので、ドラム部材の周面に対する弾性押圧部材の当たりの不均一さをその移動によって解消させることができるようになる。
本発明に係る回転体機構によれば、摩擦力によって第1の回転体と第2の回転体との間で回転力を伝達させる摩擦機構におけるドラム部材と該ドラム部材の周面を弾性押圧する弾性押圧部材とが共に金属製であるので、温度変化に対する弾性押圧部材とドラム部材の周面との間の摩擦力の変動を小さくすることができる。その結果、温度変化が比較的大きくなる環境のもとでもその摩擦機構を介して第1の回転体と第2の回転体との間でより安定した回転力の伝達が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る回転体機構は、図1乃至図3に示すように構成される。この回転体機構は、前述した従来例(図6乃至図8参照)と同様にトルクリミッタ(摩擦機構)付きのギア機構である。なお、図1は、本発明の実施の形態に係る回転体機構の部品構成を示す分解斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態に係る回転体機構の断面図であり、図3は、摩擦機構の構成を示す平面図である。
図1において、この回転体機構は、第1の回転体10、ドラム部材20、弾性ベルト部材30(弾性押圧部材)及び第2の回転体40を有している。第1の回転体10は、合成樹脂(例えば、POM(ポリアセタール樹脂))にて形成され、円盤部11を有している。円盤部11の一方の面には、その中心部位に軸部14が形成されると共に、その軸部14を中心としてそれを囲むように等角度間隔にて3つのボス(突起)13a、13b、13cが形成されている。また、円盤部11の他方の面にはそれと同軸的にギア部12が形成され、そのギア部12の周面にギア歯12aが形成されている。そして、軸部14及びギア部12を貫通するように軸孔10aが形成されている。軸部14の先端近傍の周面にはEリング、ワッシャ等の止め具50を嵌め込むための環状溝14aが形成されている。
ドラム部材20は、円盤部21とその円盤部21の外縁から立ち上がる帯状の立上がり部22とを有する構造となり、ステンレス(SUS)等の板金を絞り加工することによって形成される。円盤部21には、その中央部位に第1の回転体10の軸部14が遊嵌する中央孔24が形成されると共に、第1の回転体10の各ボス13a、13b、13cが遊嵌する孔23a、23b、23cが中央穴24を囲むように形成されている。なお、孔23aは、円形状となるが、他の孔23b、23cは、円盤部21の径方向に延びる長孔形状となっている。
弾性ベルト部材30は、前述した従来例のもの(図6参照)と同様に、リン青銅板などの板バネ金属材料で形成されており、直状のストレート部31、33、35と湾曲したたるみ部32、34、36とが交互に配列されて環状となっている。また、各たわみ部32、34、36には、その板面に沿って突出する係止片37a、37b、37cが等角度間隔となるように形成されている。
第2の回転体40は、合成樹脂(例えば、POM(ポリアセタール樹脂))にて形成されている。この第2の回転体40は、それ自体ギアであり、丸型のキャップ状で周面にギア歯40aが形成されている。第2の回転体40の回転中心部に軸孔42が形成されると共に、弾性ベルト部材30の3つの係止片37a、37b、37が係合すべき係止孔41a、41b、41cが軸孔42を中心にしてそれを囲むように形成されている。また、キャップ状の第2の回転体40の内側には図2に示すように、軸孔42の周りに筒状の軸受け部43が形成されている。
前述した第1の回転体10、ドラム部材20、弾性ベルト部材30及び第2の回転体40は、図2及び図3に示すように一体化されてギア機構として構成される。
具体的には、図2及び図3に示すように、第1の回転体10の円盤部11に形成されたた軸部14及び3つのボス13a、13b、13cがドラム部材20の円盤部21に形成された中央穴24及び3つの孔23a、23b、23cに遊嵌するように、ドラム部材20が第1の回転体10にセットされる。これにより、ドラム部材20の円盤部21が第1の回転体10の軸心に直交する面となる円盤部11の当接面において所定の遊びをもつようになる。なお、2つの孔23b、23cが円盤部21の径方向に延びる長孔形状となっていることから、ドラム部材20の円周方向の遊びは極力小さいものとなっている。第1の回転体10にセットされたドラム部材20に環状の弾性ベルト部材30が嵌め込まれる。この状態で、弾性ベルト部材30の各ストレート部31、33、35がドラム部材20の立上がり部22の外周面22aを弾性押圧するように締め付け、弾性ベルト部材30とドラム部材20(立上がり部22の外周面22a)との間の摩擦力によって、それらの相対的な回転が阻まれるようになる。このようにドラム部材20と弾性ベルト部材30とによって摩擦機構が構成される。
第1の回転体10の軸部14を第2の回転体40の軸孔42に嵌め込みつつ弾性ベルト部材30の装着されたドラム部材20を第2の回転体40の内側に入れ込み、弾性ベルト部材30の各係止片37a、37b、37cを第2の回転体40の対応する係止孔41a、41b、41cに嵌め込むことによって、第1の回転体10と第2の回転体20とが摩擦機構となるドラム部材20及び弾性ベルト部材30を介して同軸的に結合された構造となる。そして、第2の回転体40の表面から突出する第1の回転体10の軸部14の先端近傍に形成された環状溝14aに止め具50が嵌め込まれる。これにより、第1の回転体10と、ドラム部材20及び弾性ベルト部材30からなる摩擦機構と、第2の回転体40とが一体化される。
このようなギア機構は、前述した従来例(図7参照)と同様に、第1の回転体10に形成された軸孔14aが例えば機器に立設された軸に嵌め込まれ、当該軸に回転自在となって装着される。そして、駆動源からの回転力がギアを介して第1の回転体10のギア部12に伝達すると第1の回転体10が回転する。第1の回転体10の回転と共にドラム部材20が回転すると、各ストレート部31、33、35の弾性押圧に基づいた摩擦力によって弾性ベルト部材30がドラム部材20(立上がり部22の外周面22a)に対して相対的に回転することなく連れ回転する。これにより、第1の回転体10の回転力がドラム部材20及び弾性ベルト部材30を介して第2の回転体40に伝達して当該第2の回転体40が回転する。そして、更に、第2の回転体40の回転力はギア歯40aに噛合するギアを介して他の回転機構に伝達する。
また、第2の回転体40に何らかの理由によって多大な負荷がかかると、ドラム部材20に対する弾性ベルト部材30の連れ回転負荷が多大となり、弾性ベルト部材30(ストレート部31、33、35)の弾性押圧に基づいた摩擦力に抗して第1の回転体10と共に回転するドラム部材20が弾性ベルト部材30に対して滑り出し、第1の回転体10の回転力が第2の回転体40に伝達しなくなる。これにより、第1の回転体10のギア部12に連結するギア列系及び駆動源に対する負荷トルクが多大になることが防止され(トルクリミット)、そのギア列系や駆動源の破損を未然に防止することができる。
前述したようなギア機構(回転体機構)では、摩擦機構を構成するドラム部材20と弾性ベルト部材30とが共に金属製であるため、温度変化に伴う弾性ベルト部材30の形状変化(膨張・収縮)とドラム部材20の形状変形(膨張・収縮)との差を小さくすることができ、弾性ベルト部材20とドラム部材20(立上げ部22の外周面22a)との間の摩擦力の変動を小さくすることができる。そのため、温度変化が比較的大きくなる環境のもとでも、第1の回転体10と共に回転するドラム部材20が弾性ベルト部材30に対して滑り始める負荷トルク、即ち、最大負荷トルクが比較的安定したものとなり、第1の回転体10と第2の回転体20との間でより安定した回転力の伝達が可能となる。
また、ドラム部材20の円盤部21が第1の回転体10の円盤部11の当接面において所定の遊びをもつように当該ドラム部材20が第1の回転体10にセットされているので、弾性ベルト部材30がドラム部材20に嵌め込まれた際に、ドラム部材20はその弾性ベルト部材30内において前記遊びの範囲で自己求心的に動き得る。これにより、ドラム部材20における立上がり部22の外周面22aに対する弾性ベルト部材30の当たりの不均一さを低減させることができ、第1の回転体10と第2の回転体40との間で更に安定した回転力の伝達が可能となる。
なお、第2の回転体40に形成される係止孔41a、41b、41cのサイズ等を適当に設定することにより、弾性ベルト部材20が軸心に直交する面(第2の回転体40の回転軸に直交する面)において所定の遊びをもつように当該弾性ベルト部材20を第2の回転体40に設けることもできる。この場合、弾性ベルト部材30は前記軸心に直交する面において遊びの分の動きが可能となるので、ドラム部材20(立上がり部22の外周面22a)に対する弾性ベルト部材30の当たりの不均一さを低減させることができるようになる。その結果、第1の回転体10と第2の回転体40との間で更に安定した回転力の伝達が可能となる。
前述したように、ドラム部材20が第1の回転体10に遊びをもって結合され、あるいは、ドラム部材20に嵌め込まれる弾性ベルト部材30が第2の回転体40に対して遊びをもって設けられているので、第1の回転体10の軸体14が第2の回転体40の軸孔42に隙間なく嵌合した状態でも、弾性ベルト部材30による付勢力が、軸孔42と軸体14との嵌合部に作用することがなく、軸孔42及び軸体14には磨耗や偏った当たり等のストレスが作用することがない。
更に、前述したドラム部材20は、ステンレス(SUS)等の板金を絞り加工することによって形成されるので、その絞り加工による加工硬化によって、金属製の弾性ベルト部材30によって弾性押圧されるドラム部材20の立上がり部22の外周面をより平滑化させ、また、より硬くすることができるようになる。その結果、ドラム部材20(立上がり部22の外周面22a)と弾性ベルト部材30との接触部が磨耗や変形し難く、その当接状態を安定化させることが可能となり、第1の回転体10と第2の回転体40との間で更に安定した回転力の伝達が可能となる。
また、一定の径となるドラム部材20に対して、弾性ベルト部材30の内径を変えることにより、種々の最大負荷トルクとなるトルクリミッタ(摩擦機構)付きのギア機構(回転体機構)を提供することが可能となる。
前述した環状の弾性ベルト部材30に代えて、図4に示すような環状ではない弾性押圧部材60を用いることもできる。この弾性押圧部材60は、金属製(例えば、バネ用ステンレス鋼板(SUS304CSP))であり、3つの放射アーム部61a、61b、61cが等角度間隔にて3方向に延びる構造となる支持プレート61を有している。各放射アーム部61a、61b、61cはその先端部分が垂直に折れ曲がっており、その折れ曲がった部分から周方向に円弧状に延びるようにスプリングアーム片(弾性切片)62a、62b、62cが形成されている。各スプリングアーム片62a、62b、62cの先端部には内方に突出する凸部63a、63b、63cが形成されている。
支持プレート61の中央部には中央孔65が形成されると共に、各放射アーム部61a、61b、61cの所定の位置に孔64a、64b、64cが形成されている。この例では、第2の回転体40の円盤状の内面には図2に示すように筒状の軸受け部43と共に、その軸受け部43を囲むように前述した各放射アーム部61a、61b、61cに形成された孔64a、64b、64cに対応して3つのボスが形成されている(図示略)。
弾性押圧部材60は、各スプリングアーム片62a、62b、62cがドラム部材20の立上がり部22の外周面22aを弾性押圧するように第2の回転体40の内側にセットされる。具体的には、第2の回転体40の内面に形成された軸受け部43及び前記3つのボスが支持プレート61に形成された中央孔65及び3つの孔64a、64b、64cに遊嵌するように弾性押圧部材60が第2の回転体40の内側にセットされる。そして、各スプリングアーム片62a、62b、62cは、図5に示すように、その先端部に形成された凸部63a、63b、63がドラム部材20の立上げ部22の外周面22aに当接するようにしてその外周面22aを弾性押圧する。
このような弾性押圧部材60を用いたギア機構では、第1の回転体10の回転と共にドラム部材20が回転すると、弾性押圧部材60の各スプリングアーム片62a、62b、62cの弾性押圧に基づいた摩擦力によって弾性押圧部材60がドラム部材20(立上がり部22の外周面22a)に対して相対的に回転することなく連れ回転する。これにより、第1の回転体10の回転力がドラム部材20及び弾性押圧部材60を介して第2の回転体40に伝達して当該第2の回転体40が回転する。
また、第2の回転体40に何らかの理由によって多大な負荷がかかると、ドラム部材20に対する弾性押圧部材60の連れ回転負荷が多大となり、各スプリングアーム62a、62b、62cの弾性押圧に基づいた摩擦力に抗して第1の回転体10と共に回転するドラム部材20が各スプリングアーム62a、62b、62cに対して滑り出し、第1の回転体10の回転力が第2の回転体40に伝達しなくなる。
前述した弾性押圧部材60を用いた場合、各スプリングアーム片62a、62b、62cのそれぞれが個別的にドラム部材20における立上がり部22の外周面22aを弾性押圧するので、全体を押し広げてドラム部材20に装着しなければならない環状の弾性ベルト部材30(図1乃至図3参照)に比べてドラム部材20への装着作業が容易になる。
また、各スプリングアーム片62a、62b、62cの先端部に形成された凸部63a、63b、63cがドラム部材20の立上がり部22の外周面22aを押圧するようになっているので、ドラム部材20のその外周面22aに対する各スプリングアーム片62a、62b、62cの接触部位を明確化することができる。その結果、第1の回転体10と第2の回転体40との間で更に安定した回転力の伝達が可能となる。
この場合も、弾性押圧部材60が第2の回転体40の回転軸に対して垂直となる面において所定の遊びを有することから、前述したのと同様に、ドラム部材20(立上がり部22の外周面22a)に対する各スプリングアーム片62a、62b、62cの当たりの不均一さを更に低減させることができるようになる。
以上、説明したように、本発明に係る回転体機構は、温度変化が比較的大きくなる環境のもとでも摩擦機構を介して第1の回転体と第2の回転体との間でより安定した回転力の伝達が可能となるという効果を有し、トルクリミット付きのギア機構等の回転体機構として有用である。
本発明の実施の一形態に係る回転体機構の部品構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の一形態に係る回転体機構の断面図である。 図1及び図2に示す回転体機構に設けられる摩擦機構の構成を示す平面図である。 弾性押圧部材の他の構成例を示す斜視図である。 図4に示す弾性押圧部材とドラム部材との当接状態を示す断面図である。 従来の回転体機構の一例の部品構成を示す分解斜視図である。 図6に示す部品構成となる回転体機構の断面図である。 図6及び図7に示す従来の回転体機構に設けられる摩擦機構の構成を示す平面図である。
符号の説明
10 第1の回転体
10a 軸孔
11 円盤部
12 ギア部
12a ギア歯
13a、13b、13c ボス
14 軸部
14a 環状溝
20 ドラム部材
21 円盤部
22 立上がり部
22a 周面
23a、23b、23c 孔
24 中央孔
30 弾性ベルト部材
31、33、35 ストレート部
32、34、36 たるみ部
37a、37b、37c 係止片
40 第2の回転体
41a、41b、41c 係止孔
42 軸孔
43 軸受け部
50 止め具
60 弾性押圧部材
61 支持プレート
61a、61b、61c 放射アーム部
62a、62b、62c スプリングアーム片
63a、63b、63c 凸部
64a、64b、64c 孔
65 中央孔

Claims (7)

  1. 摩擦機構を介して相互に回転力が伝達するように同軸的に結合された第1の回転体と第2の回転体とを有する回転体機構であって、
    前記摩擦機構は、
    前記第1の回転体に同軸的に設けられ、その軸心を囲むように形成された周面を有する金属製のドラム部材と、
    前記第2の回転体に設けられ、前記ドラム部材の前記周面を弾性押圧する金属製の弾性押圧部材とを有し、
    前記ドラム部材は、前記第1の回転体に同軸的に設けられた円盤部を有すると共に該円盤部の外縁から立ち上がる面を前記周面として有し、
    前記ドラム部材の円盤部が前記第1の回転体の当接面において所定の遊びをもつように前記ドラム部材が前記第1の回転体に設けられたことを特徴とする回転体機構。
  2. 前記ドラム部材は、板金の絞り加工により形成されたことを特徴とする請求項記載の回転体機構。
  3. 前記第1の回転体の前記ドラム部材の前記円盤部との前記当接面に複数の突起を有し、
    前記円盤部は、前記突起のそれぞれに遊嵌する孔が形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の回転体機構。
  4. 前記弾性押圧部材は、環状のベルト部材であり、複数のストレート部と複数のたるみ部が交互に配列され、前記複数のストレート部にて前記ドラム部材の周面を押圧するように前記第2の回転体に設けられたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の回転体機構。
  5. 前記弾性押圧部材は、前記ドラム部材の前記周面を囲むように複数の弾性切片を有し、各弾性切片にて前記ドラム部材の前記周面を弾性押圧するようにしたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の回転体機構。
  6. 前記複数の弾性切片のそれぞれは、前記ドラム部材の前記周面に当接する凸部を有することを特徴とする請求項記載の回転体機構。
  7. 前記弾性押圧部材は、軸心に直交する面において所定の遊びをもつように前記第2の回転体に設けられたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の回転体機構。
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