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JP4738967B2 - 円偏波ループアンテナ - Google Patents
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本発明は、円偏波のビームチルト角を任意のビームチルト角に設定することのできる円偏波ループアンテナに関する。
現在、円偏波を用いる通信が多く採用されている。例えば、古くはレーダに利用されており、最近では衛星放送や移動体における衛星通信等に利用されるようになっている。円偏波を利用する通信においては円偏波アンテナが必要とされ、従来、円偏波アンテナとしてヘリカルアンテナ、クロスダイポールアンテナおよびパッチアンテナなどが知られている。この場合、移動体における衛星通信においては、天頂方向にある衛星からの電波を受信するために、パッチアンテナのような単一指向特性型アンテナが従来から使用されており、移動体のルーフまたは車内において衛星からの電波が届く場所に上記アンテナを取り付けて受信している。あるいは、フィルム上に形成された円偏波を受信可能なフィルムアンテナを、窓ガラスに貼り付けて受信するようにしている。
特許第3443897号公報 特開昭61−252701号公報
従来の円偏波アンテナであるパッチアンテナは、GPSアンテナとして車両のダッシュボードの上等に取り付けられて使用されている。しかし、パッチアンテナは、アンテナ構成部品点数が多くコストが高くされている。さらに、ダッシュボード等に取り付けられることからアンテナ取り付け方法など工夫する必要があり、取り付けるためのスペースが必要になるという問題点があった。また、ヘリカルアンテナは、螺旋状に導電線を巻回することにより構成されており、パッチアンテナと同様に取り付けるためのスペースが必要になるという問題点があった。さらに、クロスダイポールアンテナは、2本の等長のダイポールアンテナを直交させて配置させ、それぞれのダイポールアンテナに互いに位相が90°異なるように給電をしている。このため、クロスダイポールアンテナにおいては2分配器及び90°移相器が必要となると共に大型になるという問題点があった。ところで、フィルム上に形成された円偏波を受信可能なフィルムアンテナを、窓ガラスに貼り付けて受信する場合には、取り付けるスペースは必要にならないものの窓ガラスがほぼ垂直あるいは急角度に傾斜していることから、フィルムループアンテナから放射されるビームの仰角が低くなってしまうことになる。すると、GPS衛星等の天頂方向もしくは高仰角から到来する電波を受信することが困難になるという問題点があった。また、円偏波を受信可能なフィルムアンテナのゲインが低いという問題点があった。
そこで、本発明は高仰角から到来する円偏波を受信することのできる高ゲインの円偏波ループアンテナを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の円偏波ループアンテナは、ループ導体と、該ループ導体の一辺に平行に設けられた2本の摂動導体とを備える第1のループ素子と第2のループ素子とを間隔を置いて配置し、第1のループ素子と第2のループ素子とに位相差を与えて給電するようにしたことを最も主要な特徴としている。
本発明によれば、ループ導体と、該ループ導体の一辺に平行に設けられた2本の摂動導体とを備える第1のループ素子と第2のループ素子とを間隔を置いて配置し、第1のループ素子と第2のループ素子とに位相差を与えて給電するようにしたことから、円偏波ループアンテナのビームを給電手段の位相差に応じてチルトすることができるようになる。従って、移動体の窓ガラスに固着してもビームをチルトすることにより高仰角のビームを形成することができるようになる。また、2本のループ導体で受信した信号を合成していることから円偏波ループアンテナのゲインを高くすることができる。
本発明の実施例の円偏波ループアンテナの構成を図1に示す。
図1に示す円偏波ループアンテナ1は、第1ループ素子10と第2ループ素子20とが所定の距離離隔して配置されている。第1ループ素子10は、矩形状に形成された第1ループ導体11を有しており、第1ループ導体11の上辺に平行に等間隔で第1摂動導体12と第2摂動導体13とが配設されている。また、第2ループ素子20は、矩形状に形成された第2ループ導体21を有しており、第2ループ導体21の上辺に平行に等間隔で第1摂動導体22と第2摂動導体23とが配設されている。第1ループ素子10は、第1ループ導体11の上辺に近接して配置された2本の第1摂動導体12および第2摂動導体13の作用により円偏波の送受信が可能となる。第2ループ素子20も同様であり、第2ループ導体21の上辺に近接して配置された2本の第1摂動導体22および第2摂動導体23の作用により円偏波の送受信が可能となっている。なお、第1ループ素子10と第2ループ素子20は、それぞれ有している2本の摂動導体の間隔を調整することにより円偏波特性および軸比特性を容易に調整することができるようになる。
第1ループ導体11と第2ループ導体21とは、円偏波ループアンテナ1の動作中心周波数の波長をλとした際に、約1λの長さとされ、その高さHと幅Wは円偏波ループアンテナ1の共振特性に影響を与えそれぞれ約λ/4の長さとされている。また、第1ループ素子10における第1ループ導体11の上辺と第1摂動導体12との間隔D1と、第1摂動導体12と第2摂動導体13との間隔D2は、円偏波ループアンテナ1の円偏波特性および軸比特性に影響を与え、約0.025λ〜0.03λの間隔とされる。この間隔は、第2ループ素子20における第2ループ導体21の上辺と第1摂動導体22との間隔と、第1摂動導体22と第2摂動導体23との間隔と同様であり、その間隔も約0.025λ〜0.03λの間隔とされる。
第1ループ素子10の下部には給電点14が設けられており、この給電点14から第1ループ素子10に給電される。また、第2ループ素子20の下部には給電点24が設けられており、この給電点24から第2ループ素子20に給電される。給電点14には給電線15が接続されて、給電線15は第2ループ素子20から導出されている給電線25に接続されて給電部30に接続されている。また、第2ループ素子20は給電線25を介して給電部30に接続されている。そして、第1ループ素子10の受信信号と第2ループ素子20の受信信号とが合成されて給電部30から出力されるようになる。この給電部30には、円偏波ループアンテナ1がGPSアンテナとされた場合はGPS受信機から導出されたケーブルが接続される。ここで、給電部30から見ると、給電部30から給電点24までの長さより給電点14までの長さが給電線15の長さL1だけ長くなっている。このため、給電点14の受信信号は、長さL1に対応する時間だけ位相が遅れて給電部30に達し、給電点24の受信信号と合成されるようになる。すなわち、第1ループ素子10と第2ループ素子20とにより形成されるビームは天頂方向にチルトするようになる。このビームチルト角は給電線15の長さL1に対応する角度となる。
給電線15の間隔D3は、給電線のインピーダンス特性に影響を与え、約0.003λの間隔とされている。また、給電線25の間隔も給電線15の間隔と同様とされている。また、第1ループ導体10と第2ループ素子20とが離隔されている距離L2は、第1ループ導体10と第2ループ素子20とのアイソレーション特性に影響を与え、約0.15λの距離とされている。さらに、長さD4は給電線25の一方が給電線15の一方に接触しないように跨ぐ長さとされており、極力短くされている。
本発明にかかる円偏波ループアンテナ1は、フィルム上に導電塗料を塗布、あるいは、蒸着や貼着により第1ループ素子10および第2ループ素子20や給電線15,25を形成してフィルムアンテナとすることができる。また、フィルムに替えてプリント基板上に第1ループ素子10および第2ループ素子20や給電線15,25をプリントしたプリントアンテナとすることもできる。
上記したように給電線15の長さL1により位相調整を行って、ビームチルト角を設定することができるようになるが、その給電線路長L1とビームチルト角の対応表を図2に示す。図2を参照すると、ビームチルト角として20度を得たい場合は給電線路長L1を約0.15λとすればよく、ビームチルト角として45度を得たい場合は給電線路長L1を約0.32λとすればよく、ビームチルト角として70度を得たい場合は給電線路長L1を約0.45λとすればよいことがわかる。このように、ビームチルト角として任意の角度に設定することができる。このため、フィルムアンテナとした円偏波ループアンテナ1を移動体の窓ガラスに貼着して取り付けても、円偏波ループアンテナ1が形成するビームの仰角を天頂方向にチルトすることができ、GPS衛星をはじめとする通信衛星にビームを向けることができるようになる。また、通信衛星に限らず所望の通信局の仰角方向に円偏波ループアンテナ1のビームを向けることができるようになる。
円偏波ループアンテナ1において給電線路長L1を約0.35λとすると共に、上記した寸法とした際の円偏波ループアンテナ1のX−Z平面の放射特性を図3に示す。図3において、Z方向が天頂方向でありX−Y平面が地平面に平行な水平面となる。図3を参照すると、約50度の仰角が得られている。また、円偏波ループアンテナ1は第1ループ素子10と第2ループ素子20とによりそれぞれ受信された信号を合成して出力していることから、単一のループアンテナより高いゲイン特性を示すようになる。
さらに、円偏波ループアンテナ1において給電線路長L1を約0.35λとすると共に、上記した寸法とした際の円偏波ループアンテナ1のX−Y平面の放射特性を図4に示す。図4において、X−Y平面が地平面に平行な水平面であり、紙面に垂直な方向(Z方向)が天頂方向となる。図4を参照すると、ほぼ無指向性とされて良好な軸比特性が得られていることがわかる。なお、図3および図4における放射特性は周波数1.57542GHzとされており、この周波数はGPSで用いられている周波数である。なお、GPSにおける周波数占有帯域幅は2.046MHzとされている。
次に、円偏波ループアンテナ1において給電線路長L1を約0.35λとすると共に、上記した寸法とした際の円偏波ループアンテナ1の電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を図5に示し、その際のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートを図6に示す。図5および図6を参照すると、周波数が約1530MHz〜1700MHzにおいて正規化したインピーダンスが1近傍の値となってVSWR2.0以下の良好なVSWR値が得られていることがわかる。なお、図5および図6におけるマーカ1の周波数1.57542GHzはGPSで用いられている周波数であり、マーカ1で示す周波数において1.49の良好なVSWR値が得られている。マーカ2の周波数1.5893GHzは最良のVSWRが得られている周波数であり、マーカ2で示す周波数においてVSWR1.477の最良の値が得られている。
以上説明したように、本発明の円偏波ループアンテナ1は窓ガラス等のほぼ垂直な面に取り付けられた場合に上下に離隔して配置された第1ループ素子10と第2ループ素子20を備え、第1ループ素子10と第2ループ素子20とによりそれぞれ受信された信号を合成して出力している。この際に、給電線15の長さL1により上に配置された第1ループ素子10の受信信号を遅延して合成していることから、ほぼ垂直な面に取り付けられた円偏波ループアンテナ1のビームを天頂方向へチルトすることができるようになる。すなわち、図7に示すように車両40の後部の窓ガラスに円偏波ループアンテナ1を取り付けると図示するような高仰角のビーム41を形成することができるようになる。ビーム41のビームチルト角は給電線15の長さL1の長さを変更することにより調整することができる。
また、図8に示すように車両50の両サイドの窓ガラスに円偏波ループアンテナ1をそれぞれ取り付けると図示するような高仰角のビーム51a、51bを両サイドに形成することができるようになる。ビーム51a、51bのビームチルト角は給電線15の長さL1の長さを変更することによりそれぞれ調整することができる。
なお、本発明の円偏波ループアンテナ1はほぼ水平な面に取り付けられてもよく、この場合は水平方向に離隔して第1ループ素子10と第2ループ素子20が配置される。このため、ほぼ水平な面に取り付けられた円偏波ループアンテナ1のビームを天頂方向からチルトすることができるようになる。また、傾斜した面に本発明の円偏波ループアンテナ1を取り付けても良いことは云うまでもないことである。
以上の説明では移動体の窓ガラスに取り付け可能なフィルムアンテナに適用する円偏波ループアンテナとして説明したが、これに限ることはなく移動体以外に使用されるフィルムアンテナの円偏波ループアンテナに適用することができる。また、導電線や導電パイプを折曲することにより図1に示す形状の円偏波ループアンテナ1を構成するようにしてもよい。また、本発明の円偏波ループアンテナは、GPSに限らず種々の円偏波を用いる通信に利用することができる。
本発明の実施例の円偏波ループアンテナの構成を示す図である。 本発明の実施例の円偏波ループアンテナにおけるの給電線路長とビームチルト角の対応表を示す図表である。 本発明の実施例の円偏波ループアンテナのX−Z平面の放射特性を示す図である。 本発明の実施例の円偏波ループアンテナのX−Y平面の放射特性を示す図である。 本発明の実施例の円偏波ループアンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。 本発明の実施例の円偏波ループアンテナのインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。 本発明の円偏波ループアンテナを車両の後部の窓ガラスに取り付けた際に形成されるビームの一例を示す図である。 本発明の円偏波ループアンテナを車両の両サイドの窓ガラスに取り付けた際に形成されるビームの一例を示す図である。
符号の説明
1 円偏波ループアンテナ、10 ループ導体、10 ループ素子、11 ループ導体、12 摂動導体、13 摂動導体、14 給電点、15 給電線、20 ループ素子、21 ループ導体、22 摂動導体、23 摂動導体、24 給電点、25 給電、25 給電線、30 給電部、40 車両、41 ビーム、50 車両、51a ビーム、51b ビーム

Claims (2)

  1. 第1のループ導体と、該第1のループ導体の一辺にほぼ平行に所定の間隔毎に設けられた2本の摂動導体とを有している第1のループ素子と、
    第2のループ導体と、該第2のループ導体の一辺にほぼ平行に所定の間隔毎に設けられた2本の摂動導体とを有し、前記第1のループ素子に間隔を置いて配置されている第2のループ素子と、
    前記第1のループ素子と前記第2のループ素子とに、位相差を与えて給電する給電手段と、
    前記第1のループ素子と前記第2のループ素子、および、前記給電手段が形成されている絶縁フィルムとを備え
    前記第1のループ素子および前記第2のループ素子において、動作中心周波数の波長をλとした際に、前記ループ導体の一辺と前記2本の摂動導体の内の一方の第1摂動導体との間隔、および、前記第1摂動導体と前記2本の摂動導体の内の他方の第2摂動導体との間隔が約0.025λ〜0.03λの間隔とされており、移動体に於ける窓ガラス上に貼着可能なフィルムアンテナとされていることを特徴とする円偏波ループアンテナ。
  2. 前記第1のループ素子と前記第2のループ素子とが上下に間隔を置いて配置されており、前記第1のループ素子と前記第2のループ素子とに給電する給電線の長さにより前記位相差を与えていることを特徴とする請求項1記載の円偏波ループアンテナ。
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