JP4746466B2 - スラグ流出検知方法、溶融金属の注入制御方法、スラグ流出検知装置、溶融金属の注入制御装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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感覚による方法は2つあり、その一つは視覚による方法であり、もう一つは触覚による方法である。
(1)視覚による方法
注湯末期にタンディッシュ85内の湯面85aを注意深く観察すると、スラグがタンディッシュ85に流入すると表面にスラグが浮上するので、湯面の輝度や色調の変化によって取鍋からのスラグの流出を判定できる。
(2)触覚による方法
ロングノズル84の支持装置の一部に触手し、その振動の強さが変化することによって、スラグの流出を判定できる。
取鍋81内の溶鋼83は、ロングノズル84を通って、重力により自由落下して、タンディッシュ85内の湯面85aに衝突する。この流体衝突により、ロングノズル84の先端が加振され、ロングノズル84に振動が発生する。
その際に、溶鋼83に代わってスラグ82が流出した場合には、スラグ82の比重は溶鋼83の比重の1/3程度であるので、その比重差により、流体衝突によって発生するロングノズル84への加振力が低下し、ロングノズル84に発生する振動レベルは、溶鋼83の場合よりも減少する。
前記シールされた流通管で発生する1次元、2次元または3次元方向の振動レベルを経時的に測定する振動レベル測定工程と、
前記振動レベル測定工程において測定した振動測定信号を基に遅延ベクトルを作成する遅延ベクトル作成工程と、
前記遅延ベクトル作成工程において作成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、各時刻の振動状態を数値指標化した活動度を求める活動度算出工程と、
前記活動度算出工程において求めた活動度を、スラグが流出しない時間帯に求めておいた活動度の平均値を示す基準活動度、スラグが流出しない時間帯に求めておいた溶融金属流量の平均値を示す基準溶融金属流量及び溶融金属流量変化時の活動度推定式を用いて補正して補正活動度を算出する補正活動度算出工程と、
前記補正活動度算出工程において算出された補正活動度に基づいてスラグの流出を検出するスラグ流出検出工程とを有し、
前記補正活動度は下記の式、
補正活動度=活動度/{基準活動度×(溶融金属流量/基準溶融金属流量) C }
より求め、前記式における定数C は下記の関係式、
「{log活動度}のチャージ内変動量」=C×「{log溶融金属流量}のチャージ内変動量」
における定数とすることを特徴とする。
また、本発明のスラグ流出検知方法の他の特徴とするところは、前記補正活動度算出工程において用いる溶融金属流量変化時の活動度推定式は、同一チャージ内での変化前の活動度、溶融金属流量及び変化後の溶融金属流量から推定することを特徴とする。
また、本発明のスラグ流出検知方法のその他の特徴とするところは、前記スラグ流出検出工程においては、前記補正活動度の平均変化率が予め設定した閾値を下回ったら補正活動度の減衰開始と判定し、さらに補正活動度の減衰開始を以てスラグ流出開始と判定することを特徴とする。
前記シールされた流通管で発生する1次元、2次元または3次元方向の振動レベルを経時的に測定する振動レベル測定手段と、前記振動レベル測定手段により測定した振動測定信号を基に遅延ベクトルを作成する遅延ベクトル作成手段と、前記遅延ベクトル作成手段により作成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、各時刻の振動状態を数値指標化した活動度を求める活動度算出手段と、前記活動度算出手段により求めた活動度を、スラグが流出しない時間帯に求めておいた活動度の平均値を示す基準活動度、スラグが流出しない時間帯に求めておいた溶融金属流量の平均値を示す基準溶融金属流量及び溶融金属流量変化時の活動度推定式を用いて補正して補正活動度を算出する補正活動度算出手段と、前記補正活動度算出手段により算出された補正活動度に基づいてスラグの流出を検出するスラグ流出検出手段とを有し、
前記補正活動度は下記の式、
補正活動度=活動度/{基準活動度×(溶融金属流量/基準溶融金属流量) C }
より求め、前記式における定数Cは下記の関係式、
「{log活動度}のチャージ内変動量」=C×「{log溶融金属流量}のチャージ内変動量」
における定数とすることを特徴とする。
また、本発明のスラグ流出検知装置の他の特徴とするところは、前記補正活動度算出手段により用いる溶融金属流量変化時の活動度推定式は、同一チャージ内での変化前の活動度、溶融金属流量及び変化後の溶融金属流量から推定することを特徴とする。
また、本発明のスラグ流出検知装置のその他の特徴とするところは、前記スラグ流出検出手段は、前記補正活動度の平均変化率が予め設定した閾値を下回ったら補正活動度の減衰開始と判定し、さらに補正活動度の減衰開始を以てスラグ流出開始と判定することを特徴とする。
前記補正活動度は下記の式、
補正活動度=活動度/{基準活動度×(溶融金属流量/基準溶融金属流量) C }
より求め、前記式における定数Cは下記の関係式、
「{log活動度}のチャージ内変動量」=C×「{log溶融金属流量}のチャージ内変動量」
における定数とすることを特徴とするスラグ流出検知方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明の他の特徴によれば、スラグ流出判定及びロングノズルの閉鎖を自動的に行うことができ、現場の作業を削減することができるとともに、オペレータの熟練に頼ることなく高清浄度鋼を製造することができる。
また、本発明のその他の特徴によれば、タンディッシュ深さやロングノズルの位置等の操業条件によらず、普遍的に使用することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本実施形態は主に連続鋳造に適用されるものであるが、アルミニウムのDC鋳造といった非鉄金属の鋳造においてもスラグの流出を極力防ぐ必要性が有る場合に適用可能なものである。
処理が開始されると、最初のステップS31において、振動レベル測定部11(図2の加速度センサ22)によりロングノズル20の振動レベルを、1次元、2次元または3次元方向について経時的に測定する。
次に、ステップS33に進み、前記ステップS32において作成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、各時刻の振動状態を数値指標化した活動度を算出する。
時系列データからの系の次元は以下に示す相関次元で決定する。すなわち、或る次元数mを仮定し、下記の(1)式に基づいて作成した再構成アトラクタ上の或る点vk(i)を中心に描いた半径εの超球内に含まれる点vk(i)の近傍点数を数える。同様の操作を再構成アトラクタの全体にわたって行い、これら近傍点数の総和N(ε)を下記の(2)式にて求める。
I(t)=1(t≧0)、0(t<0) ・・・(3)
このとき、系の次元mとN(ε)、εの間には(4)式に示す関係が成立するので、
log(N(ε))∝m・log(ε) ・・・(4)
log(N(ε))とlog(ε)の関係をプロットし、直線の勾配より相関次元mを決定する。
x軸相関次元mx=7.2 ・・・(5)
y軸相関次元my=6.9 ・・・(6)
z軸相関次元my=8.2 ・・・(7)
これら3軸の相関次元の平均値をとり、ロングノズル振動加速度の代表相関次元mを以下の値に決定した。
代表相関次元 m=7.43 ・・・(8)
埋め込み次元は、前記(8)式で決定した振動加速度の代表相関次元7.43の2倍以上の値を採用して、15とした。
そして、x、y及びz軸の振動加速度計測値を使い、15次元の遅延ベクトルを下記(9)式のように構成する。
v(tn)の最近接ベクトルvk NN(tn)、(1≦k≦N)を使って下記(10)式と(11)式より共分散マトリックスWの構成要素Wijを計算する。前記Nは、最近接ベクトルの数を表し、埋め込み次元+1である16を採用した。
注湯される溶鋼の流量は通常計測されないため、タンディッシュ重量の計測値と鋳片の製造速度から、以下の方法で算出する。まず、タンディッシュ重量の時系列データから一定時間幅のデータを抽出し、線形回帰式の勾配を求め、これをタンディッシュ重量の平均変化率とする。このとき、データの抽出は各時刻の前後10秒程度の範囲とするのが望ましい。次に、(13)式により溶鋼流量を計算する。
1つのチャージで注湯が50%進行した時刻から70%進行した時刻までの間に最低でも1分間以上、好ましくは3分間以上の活動度及び溶鋼流量の平均値を求めて、それぞれ基準活動度、基準溶鋼流量とする。
補正活動度=F(活動度、A(基準活動度、基準溶鋼流量、溶鋼流量))…(14)
F(a,b)=a/b …(15)
や、
F(a,b)=a−b …(16)
といった函数で、前者の場合はF(a,b)と1との大小関係はaとbとの大小関係と同等で、後者の場合はF(a,b)と0との大小関係はaとbとの大小関係と同等である。
(1)Q1がQ0と等しいときにはA1はA0と等しくなり、
(2)Q1がQ0よりも大きいときにはA1はA0よりも大きくなり、
(3)Q1がQ0よりも小さいときにはA1はA0よりも小さくなる。
言い換えれば溶鋼流量が変化しなければ活動度は変化せず、溶鋼流量が増加すれば活動度も増加、溶鋼流量が減少すれば活動度も減少することである。
本実施形態では、補正活動度の減衰をもってスラグ流出と判定するが、補正活動度の減衰開始は以下の方法で判定する。補正活動度の好ましくは「40〜80」秒間程度のデータを抽出し、この抽出したデータから線形回帰式の勾配を求め、これを補正活動度の平均変化率とする。ここで、データの抽出は現時刻から過去及び未来の同じ時間幅の範囲で行う。
補正活動度の減衰開始時刻から注湯を停止するまでの時間を活動度減衰時間とすると、活動度減衰時間が長くなると高清浄度鋼として出荷している製品に不合格品が発生するようになる。不合格品が発生しない時間の上限を求め、スラグ流出開始からこの時間経過後に注湯を停止する。
図12に、溶融金属の注入制御装置を構成可能なコンピュータシステムの一例を示す。
図12において、1200はコンピュータPCである。PC1200は、CPU1201を備え、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶された、あるいはフレキシブルディスクドライブ(FD)1212より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。
前述した本発明の実施形態におけるスラグ流出検知装置、溶融金属の注入制御装置を構成する各手段、並びにスラグ流出検知方法、溶融金属の注入制御方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
スラグ流出が確認されたチャージについて本発明の方法で流出開始判定を行った。図6は活動度の、図7は溶鋼流量の時系列データの例であり、特性図における時刻0秒がチャージの終了のタイミングである。このチャージの鋳造時間は30分間で、17分/30分進行した時点である−780秒から20分/30分進行した時点である−600秒までの3分間のデータ(これは実施形態で説明した50%から70%までの条件を満たす)を用いて基準活動度及び基準溶鋼流量を求め、先の(17')式及び(15)式を(14)式へ適用した(14')式により補正活動度を算出する。
10a 遅延ベクトル作成部
10b スラグ流出判定部
11 振動レベル測定部
12 ロングノズル制御装置
13 ロングノズル
20 ロングノズル
21 操作ハンドル
22 加速度センサ
81 取鍋
82 スラグ
83 溶鋼
84 ロングノズル
85 タンディッシュ
85a タンディッシュ内の湯面
86 浸漬ノズル
87 鋳型
SN 取鍋開閉弁
1200 コンピュータPC
1201 CPU
1202 ROM
1203 RAM
1204 システムバス
1205 KBC
1206 CRTC
1207 DKC
1208 NIC
1209 KB
1210 CRT
1211 HD
1212 FD
1220 LAN
Claims (10)
- 溶融金属とスラグとが入った容器から、シールされた流通管を介して他の容器に前記溶融金属を注入する際に、前記スラグが前記シールされた流通管を通して前記他の容器に流出するのを検知するスラグ流出検知方法であって、
前記シールされた流通管で発生する1次元、2次元または3次元方向の振動レベルを経時的に測定する振動レベル測定工程と、
前記振動レベル測定工程において測定した振動測定信号を基に遅延ベクトルを作成する遅延ベクトル作成工程と、
前記遅延ベクトル作成工程において作成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、各時刻の振動状態を数値指標化した活動度を求める活動度算出工程と、
前記活動度算出工程において求めた活動度を、スラグが流出しない時間帯に求めておいた活動度の平均値を示す基準活動度、スラグが流出しない時間帯に求めておいた溶融金属流量の平均値を示す基準溶融金属流量及び溶融金属流量変化時の活動度推定式を用いて補正して補正活動度を算出する補正活動度算出工程と、
前記補正活動度算出工程において算出された補正活動度に基づいてスラグの流出を検出するスラグ流出検出工程とを有し、
前記補正活動度は下記の式、
補正活動度=活動度/{基準活動度×(溶融金属流量/基準溶融金属流量) C }
より求め、前記式における定数C は下記の関係式、
「{log活動度}のチャージ内変動量」=C×「{log溶融金属流量}のチャージ内変動量」
における定数とすることを特徴とするスラグ流出検知方法。 - 前記補正活動度算出工程において用いる溶融金属流量変化時の活動度推定式は、同一チャージ内での変化前の活動度、溶融金属流量及び変化後の溶融金属流量から推定することを特徴とする請求項1に記載のスラグ流出検知方法。
- 前記スラグ流出検出工程においては、前記補正活動度の平均変化率が予め設定した閾値を下回ったら補正活動度の減衰開始と判定し、さらに補正活動度の減衰開始を以てスラグ流出開始と判定することを特徴とする請求項1または2に記載のスラグ流出検知方法。
- 前記請求項1〜3の何れか1項に記載のスラグ流出検知方法によって判定したスラグ流出開始時刻から一定時間経過後に、前記溶融金属とスラグが入った容器から、前記シールされた流通管を介して他の容器に前記溶融金属を注入するのを停止することを特徴とする溶融金属の注入制御方法。
- 溶融金属とスラグとが入った容器から、シールされた流通管を介して他の容器に前記溶融金属を注入する際に、前記スラグが前記シールされた流通管を通して前記他の容器に流出するのを検知するスラグ流出検知装置であって、
前記シールされた流通管で発生する1次元、2次元または3次元方向の振動レベルを経時的に測定する振動レベル測定手段と、
前記振動レベル測定手段により測定した振動測定信号を基に遅延ベクトルを作成する遅延ベクトル作成手段と、
前記遅延ベクトル作成手段により作成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、各時刻の振動状態を数値指標化した活動度を求める活動度算出手段と、
前記活動度算出手段により求めた活動度を、スラグが流出しない時間帯に求めておいた活動度の平均値を示す基準活動度、スラグが流出しない時間帯に求めておいた溶融金属流量の平均値を示す基準溶融金属流量及び溶融金属流量変化時の活動度推定式を用いて補正して補正活動度を算出する補正活動度算出手段と、
前記補正活動度算出手段により算出された補正活動度に基づいてスラグの流出を検出するスラグ流出検出手段とを有し、
前記補正活動度は下記の式、
補正活動度=活動度/{基準活動度×(溶融金属流量/基準溶融金属流量) C }
より求め、前記式における定数Cは下記の関係式、
「{log活動度}のチャージ内変動量」=C×「{log溶融金属流量}のチャージ内変動量」
における定数とすることを特徴とするスラグ流出検知装置。 - 前記補正活動度算出手段により用いる溶融金属流量変化時の活動度推定式は、同一チャージ内での変化前の活動度、溶融金属流量及び変化後の溶融金属流量から推定することを特徴とする請求項5に記載のスラグ流出検知装置。
- 前記スラグ流出検出手段は、前記補正活動度の平均変化率が予め設定した閾値を下回ったら補正活動度の減衰開始と判定し、さらに補正活動度の減衰開始を以てスラグ流出開始と判定することを特徴とする請求項5または6に記載のスラグ流出検知装置。
- 前記請求項5〜7の何れか1項に記載のスラグ流出検知装置によって判定したスラグ流出開始時刻から一定時間経過後に、前記溶融金属とスラグが入った容器から、前記シールされた流通管を介して他の容器に前記溶融金属を注入するのを停止することを特徴とする溶融金属の注入制御装置。
- 溶融金属とスラグとが入った容器から、シールされた流通管を介して他の容器に前記溶融金属を注入する際に、前記スラグが前記シールされた流通管を通して前記他の容器に流出するのを検知するスラグ流出検知方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記シールされた流通管で発生する1次元、2次元または3次元方向の振動レベルを経時的に測定する振動レベル測定工程と、
前記振動レベル測定工程において測定した振動測定信号を基に遅延ベクトルを作成する遅延ベクトル作成工程と、
前記遅延ベクトル作成工程において作成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、各時刻の振動状態を数値指標化した活動度を求める活動度算出工程と、
前記活動度算出工程において求めた活動度を、スラグが流出しない時間帯に求めておいた活動度の平均値を示す基準活動度、スラグが流出しない時間帯に求めておいた溶融金属流量の平均値を示す基準溶融金属流量及び溶融金属流量変化時の活動度推定式を用いて補正して補正活動度を算出する補正活動度算出工程と、
前記補正活動度算出工程において算出された補正活動度に基づいてスラグの流出を検出するスラグ流出検出工程とを有し、
前記補正活動度は下記の式、
補正活動度=活動度/{基準活動度×(溶融金属流量/基準溶融金属流量) C }
より求め、前記式における定数Cは下記の関係式、
「{log活動度}のチャージ内変動量」=C×「{log溶融金属流量}のチャージ内変動量」
における定数とすることを特徴とするスラグ流出検知方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項9に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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