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JP4747854B2 - アレーアンテナ - Google Patents
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Description

本発明は、裏面に接地板を有する誘電体基板の表側に導体から成る所定の単位パターンを一軸方向に周期的に繰り返し配置することによって形成されたストリップ線路を有するアレーアンテナ(漏れ波アンテナ)に関し、特に、アンテナの指向性を制御可能としたものに関する。
この発明は、ミリ波帯域又はマイクロ波帯域の電磁波を送信または受信するレーダや通信機器などに有益であり、アンテナの小型化または配設空間の省スペース化に大いに有用なものである。
誘電体基板上にCRLH(Composite Right and Left Handed )伝送線路を備えた従来のストリップアレーアンテナ(漏れ波アンテナ)の構成例を図6に例示する。このCRLH線路には、伝送線路(X軸方向の主線路)を周期的に分断するギャップや、その伝送線路から枝分かれしたスタブなどが具備されている。このアンテナでは、ギャップが供するキャパシタンスや、スタブが供するインダクタンスの作用により、ある周波数帯において、伝送される電磁波の群速度の向きと位相速度の向きを相互に反対の向きとすることができる。これにより、伝送される電磁波の周波数を変化させることができるので、主線路上で電磁波が伝播する向きとは反対向きの図中のz軸の正の向きからx軸の負の向きの方に傾斜したθ<0なる角度領域に対しても電磁波を放射することができる。その結果、放射ビームの方向を変化させる場合には、その放射ビームの走査範囲を広くとることができる。この様な、位相速度と群速度の向きが反対となる原理については、例えば下記の非特許文献1などに詳しい開示がある。しかしながら、その従来技術においては、周波数を大きく変化させないと、上記の様なθ<0なる角度領域に傾斜した向きに放射ビームの指向性を持たせることは困難である。
また、下記の非特許文献2には、給電点から入力する電磁波の周波数を一定値に固定したまま、所定の電子制御に基づいて放射ビームの放射角を可変制御する制御方式が開示されている。この放射角の制御方式では、例えば図6の配線パターンの個々のギャップやスタブに対して、それぞれバラクタダイオードを接近させて配置し、各バラクタダイオードの容量を可変制御することによって放射ビームの放射角を可変制御している。
また、下記の非特許文献3には、中央にビアのある金属パッチを誘電体基板上に周期的に配置したEBG構造(Electrical Band Gap 構造)の反射体を利用したビーム走査アンテナ(図7−A,−B)が提案されている。このビーム走査アンテナは、反射体が有する各金属パッチ間のキャパシタンスを変化させることによって、所定の方向からその反射体に入射した電磁波の反射波の進行方向、すなわち、反射の指向性を可変制御するもので、各金属パッチ間のキャパシタンスは、金属パッチが貼り付けられた可動板を水平方向に動かすことによって可変制御される。
また、その他の制御方式としては、例えば、電磁波が伝播する材料の透磁率をフェライトなどを利用して電気的に可変制御することによってその材料の伝搬定数を可変制御するのと同様に、誘電率を可変制御する方式がある。即ち、その様な制御方式としては、例えば、目的のアンテナを構成する誘電体基板の誘電率を電圧によって可変制御して、これによってアレーアンテナの放射ビームの放射角を所望の角度に可変制御する制御方式などを考えることができる。誘電率が可変制御されるその様な誘電体基板の材料としては、例えば液晶や強誘電体などがある。
なお、電磁波センシングや無線通信などの分野では、放射電磁波の周波数を変化させることなく、アンテナの放射ビームの指向性が制御されることが望ましい。
伊藤龍男、他2名、’CHARACTERISTICS AND APPLICATIONS OF PLANAR NEGATIVE REFRACTIVE INDEX MEDIA’,MWE2003,WS02−03 伊藤龍男、他2名、’Electronically-Controlled Metamaterial-Based Transmission Line as a Continuous-Scanning Leaky-Wave Antenna’,2004 IEEE MTT-S Digest TU1D-4. 米国特許:US6,552,696B1
しかしながら、非特許文献1に記載されている従来のアレーアンテナでは、給電点から入力する電磁波の周波数を一定にしたまま、アンテナの放射ビームの放射角を可変制御することはできない。このため、この方式を採用したアンテナは、ミリ波レーダなど、一定の周波数の電磁波を放射したり、或いは受信したりするアンテナには不向きである。
また、非特許文献2に記載されている従来のアレーアンテナには、可変容量としてバラクタダイオードが用いられているが、一般にバラクタダイオードは伝送損失が大きいため、数GHz以上の周波数帯域においては、バラクタダイオードを所望の可変容量として動作させることは難しい。このため、数GHz以上の周波数帯域の電磁波を取り扱うアレーアンテナにこの従来技術を用いることはできない。
また、放射角が可変制御可能な1GHz以下の周波数帯域などにおいても、一般にバラクタダイオードでは標準容量(所定の基準容量)に対する容量変位の比率(変化率)を十分大きく確保することは必ずしも容易ではないので、放射角の変動範囲を大きく確保することも必ずしも容易とは言えない。
また、非特許文献3に記載されている従来のビーム走査アンテナ(図7−A,−B)には、以下の様な生産性や制御性や、或いは小型化や薄板化など係わる問題がある。
(1)図7−A,−Bに示す様に、EBG構造の反射体を用いてビーム走査アンテナを構成するので、この反射体に対して電磁波を照射するための別の給電用アンテナを別途用意する必要がある。
(2)可動板を水平方向に動かすことによって、アンテナの放射ビームの指向性を可変制御することはできるが、各金属パッチには周期的な位置関係に関する理論的及び物理的な強い制約があるので、各金属パッチをそれぞれ独立に位置制御することはできない。このため、この従来のビーム走査アンテナに対して、ビーム幅やビームパターンを可変制御するなどのビーム成形技法を導入することは不可能である。
また、前述の様に、目的のアンテナを構成する誘電体基板の誘電率または透磁率を、能動的に制御された電界または磁界によって可変制御して、これによってアレーアンテナの放射ビームの放射角を所望の角度に可変制御する制御方式を考えることもできるが、誘電率が変化する例えば強誘電体やフェライトなどの材料を用いた場合には、アンテナ中を伝播する電磁波の電力損失が非常に大きくなるので、アンテナの利得を大きく確保することは困難になる。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、1GHz以上の高い周波数帯域においても使用することができる、ビーム指向の走査範囲の広い小形のアレーアンテナを実現することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、誘電体基板と、導体から成る同一または類似の単位パターンを前記誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、各単位パターンは、伝送線路と、伝送線路を途中で分断するギャップと、伝送線路から枝分かれするスタブとを有した、使用周波数において左手系となるパターンであり、誘電体、磁性体、金属導体、またはそれらの複合体のうち少なくとも一つから構成され、ストリップ線路または単位パターンに対して接近して、ストリップ線路または単位パターンを覆う様に配設され、ストリップ線路からの高さhが変動可能な可動部材と、可動部材に対して機械的に作用して可動部材の前記高さhを変化させるアクチュエータとを有し、アクチュエータは、可動部材のストリップ線路からの高さhを、アレーアンテナが、使用周波数において、左手系動作状態から、右手系動作状態まで、変化させる範囲で、変化可能であることを特徴とする。
ただし、上記の単位パターンは、1列に配列しても良いし、複数列に渡ってそれぞれ配列しても良い。即ち、本願発明のアレーアンテナは、ストリップ線路が1本のラインアンテナであっても、複数本のストリップ線路から成る平面アンテナであっても良い。
また、上記の高さhは、上記の単位パターンが配列される上記の誘電体基板の表面から垂直に計った距離である。また、上記の単位パターンは、少なくとも設計や製造の容易性の観点からすれば、同一パターンのものを周期的に配列することが望ましいが、必ずしも同一パターンのものを周期的に配列する必要はない。
また、上記のアクチュエータは、例えば圧電素子(ピエゾ素子)などを用いて構成することが可能であり、この場合には、電気的に上記の高さhを制御することができる。しかしながら、上記の高さhは、機械的な駆動制御機構を用いて可変制御しても良い。
また、上記のスタブはストリップ線路の片側だけにあっても、同位置で両側にあっても良く、或いは、進行方向に沿って設ける側を交互に反転しても良い。上記のスタブは、通常、ストリップ線路に対して直角に設けられるが、その角度は一般に任意で良い。また、上記のギャップを構成するストリップ線路の対峙部分は、キャパシタンスを大きくするために、伝送方向に対して垂直方向のその幅を広く構成しても良い。そして、単位パターンに垂直な方向を中心(角度基準)として伝送方向に沿った、給電点側寄り又は終端点側寄り等の指向性(即ち、図6の角度θに関する指向性)は、各単位パターンに給電される電力の位相に基づいて変化する。
また、誘電体と金属導体との複合体、若しくは磁性体と金属導体との複合体で、上記の可動部材を構成した場合には、その誘電体や磁性体の表面に金属導体を設けても良く、或いはその誘電体や磁性体の内部に金属導体を設けても良い。
ただし、ストリップ線路全体または単位パターン全体を覆う様な広範に渡って連なる金属導体を配置すると、当該アレーアンテナからの電磁波の放射が阻止されてしまうので、板状または網状に広く連なった金属導体を上記の可動部材の構成に使用することはない。これらの金属導体を用いる場合には、それらの金属導体は、例えば誘電体基板の中に局所的に含めるなどして、上記の可動部材の少なくとも一部として局所的に分散配置する。
また、上記の可動部材は、必ずしも上記の単位パターンの全体を覆う様に配設しなくても良い。例えば、上記の可動部材によって、ギャップだけを上から覆う様にしても良いし、スタブだけを上から覆う様にしても良いし、それらの両方だけを上から覆う様にしても良い。ギャップの近傍に配設される可動部材の部分がそのギャップのキャパシタンスを支配的に変化させ、スタブの近傍に配設される部分がそのスタブのインダクタンスを支配的に変化させる。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、上記のアクチュエータと上記の可動部材を上記の各単位パターン毎にそれぞれ個別に設け、上記の可変制御をそれらの各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行することである。
ただし、ここで、上記の可動部材は、必ずしも各単位パターン毎にそれぞれ同一形状である必要はない。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
上記の可動部材を基板に対して垂直に機械的に動かすことにより、ギャップやスタブの近傍の等価誘電率を変化させたり、ギャップが供するキャパシタやスタブが供するインダクタの電気長を変化させることができる。即ち、上記の高さhを可変制御することにより、ギャップのキャパシタンスやスタブのインダクタンスを変化させることができるため、アレーアンテナから放射される電磁波の強度や位相分布などを自在に可変制御することができる。したがって、本発明の第1の手段によれば、上記の高さhを上記のアクチュエータを用いて可変制御することにより、当該アレーアンテナの指向性を可変制御することができる。
また、この時の高さhの変動幅は、1mm未満の十分に小さな長さに留めることができるので、本発明の第1の手段によれば、1GHz以上の高い周波数帯域においても、所定の周波数に対してビーム指向の走査範囲の広い、従来よりも格段に小形のアレーアンテナを実現することができる。これは、個々の可動部材の微小変位に基づいて、放射ビームの指向性が可変制御できるので、アレーアンテナ全体の方位を機械的に変化させて指向性を可変制御する従来方式の場合に比べ、所望のアレーアンテナをよりコンパクトに形成することができるためである。
また、本発明の第2の手段によれば、上記のキャパシタンスやインダクタンスを各単位パターン毎に制御することができるので、アンテナのビーム幅やビーム形状をも自在に可変制御することができる。
例えば、上記のキャパシタンスやインダクタンスを各単位パターン毎に制御することによって、アンテナの有効長を可変制御することができるので、これによって、アンテナのビーム幅を可変制御することができる。この時、アンテナの有効長は、所定の周波数帯に対して動作しにくい単位パターンの並びをアンテナの終端側に設けてそこにバンドギャップを形成することによって可変制御される。即ち、所定の周波数帯に対して動作しにくい上記の単位パターンの並びの長さ(単位パターンの長さ×単位パターンの個数)が長い場合ほど、アンテナの有効長を短く設定することができる。
また、個々の単位パターン毎にそれらの位相を可変制御することによって、個々の単位パターン毎にそれらの指向性を制御すれば、アレーアンテナのビーム形状にヌルを形成することができる。また、例えばテーラー分布などの様な適当な放射パターンを採用すれば、上記のキャパシタンスやインダクタンスを各単位パターン毎に制御することによって、サイドローブの小さなビーム形状を実現することも可能となる。
なお、上記の可動部材の材料としては、例えばフッ素樹脂やセラミックスなどが適している。これらの材料を用いれば、上記の可動部材の比誘電率を2〜4に制御することができるので、1GHz以上の高い周波数帯域においても使用可能な、ビーム指向の走査範囲の広い小形のアレーアンテナを安価に実現することができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1に本実施例1のアレーアンテナ100の斜視図及び正面図を示す。誘電体基板1は、4フッ化エチレン樹脂(:比誘電率2.2)から形成された厚さ約0.13mmの板状材料から成り、これが請求項1に記載の可動部材に相当している。この誘電体基板1は、ピエゾ素子2を介して、アレー基板10に接続されている。ピエゾ素子2は、その表面に電圧を印加することによって、誘電体基板1の法線方向、即ち図中のz軸方向に伸縮動作することができる。即ち、このピエゾ素子2が、請求項1に記載のアクチュエータに相当している。
図1の正面図に示すように、アレー基板10は、誘電体基板15をベースに形成されており、この誘電体基板15の上面にはストリップ線路14が形成されている。また、この誘電体基板15の裏面には金属層から形成された接地導体16が積層されている。
図2に、このアレー基板10の平面図を示す。上記のストリップ線路14は、単位パターンUのx軸方向における周期的な配列によって形成されている。この単位パターンUは、x軸方向に連なる伝送線路11と、この伝送線路11から分岐してy軸方向に伸びるスタブ12から構成されている。このスタブ12の端部は、伝送線路11から分岐した途中の部位よりもx軸方向に幅広に形成されている。
また、ギャップG1は、伝送線路11が有するy軸方向に幅広の対峙部11aと対峙部11bとの隙間から形成されている。
この様に、ストリップ線路14は、単位パターンUのx軸方向における周期的な配列によって形成されており、図中の右端部分(P1 )が給電点、図中の左端部分(P2 )が終端点となっている。
図1の高さhは、このアレー基板10のベースを成す上記の誘電体基板15の上面から、上記の誘電体基板1の裏面までの距離を示すものであり、z軸方向に測る。この高さhは、上記の様にその印加電圧が可変制御可能なピエゾ素子2(アクチュエータ)の伸縮動作によって、自在に可変制御することができる。
図3に、アレーアンテナ100の指向性の高さhに関する依存特性を示す。この指向性は、上記の高さhを、h=0.1mm,0.05mm,0.025mmの3通りに変化させて、それぞれ測定したものである。給電電力の周波数は、76.5GHzとした。この時の放射パターンのピーク位置(角度θ)は、h=0.05mmの時θ≒0°(z軸方向)であり、h=0.1mmの時θ≒+25°であり、h=0.025mmの時θ≒−28°であった。
例えば、この様に、このアレーアンテナ100では、上記のアクチュエータによって、上記の高さhを可変制御することによって、放射ビームの方向を自在に可変制御することができる。
図4に本実施例2のアレーアンテナ200の斜視図を示す。このアレーアンテナ200は、上記の実施例1のアレーアンテナ100を改良したものであり、アレー基板10については、実施例1のアレーアンテナ100に用いたものと同一材料で同一構造のものを使用した。ただし、個々の単位パターンUの形状などの構成は同一としたが、単位パターンUのx軸方向における繰り返し回数は、11単位とした。
このアレーアンテナ200の特徴は、アレーアンテナ100の誘電体基板1を各単位パターンU毎にそれぞれ対応させて、分割して配列した点にある。即ち、このアレーアンテナ200においては、アレーアンテナ100の誘電体基板1が、1a〜1kの計11枚にそれぞれ分割されてx軸方向に並べられている。また、この分割に伴って、アレーアンテナ100のピエゾ素子2(アクチュエータ)も、各誘電体基板1a〜1k毎に対応させて、それぞれ個別に配設されている。例えば、ピエゾ素子2kは、誘電体基板1kをz軸方向に並進移動させるためのアクチュエータである。ピエゾ素子2a〜2jについても同様である。
(実施例2の作用と効果)
各誘電体基板1a〜1kの高さhは、2a〜2kの各圧電素子に印加する電圧をそれぞれ可変制御することによって、それぞれ可変制御することができる。そして、この高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行することによって、以下の作用・効果を得ることができる。
(1)アンテナのビーム幅を自在に変更する
例えば、上記のアクチュエータを用いて、ギャップのキャパシタンス成分やスタブのインダクタンス成分を可変制御することができるので、これにより、一部の単位パターンを所定の周波数に対して非動作状態に制御することができる。そして、この場合、それらの非動作状態の単位パターンによって、当該アレーアンテナの終端側に、即ち、給電点の反対側にバンドギャップを形成することができるので、この作用により、当該アレーアンテナの実効長を可変制御することができる。その際、アレーアンテナの実効長が短い場合ほど、当該アレーアンテナのビーム幅が広くなるので、アンテナのビーム幅を自在に可変制御することが可能となる。ただし、上記の実効長とは、当該アンテナを構成する単位パターンの配列の全長の内、実際にアンテナとして実質的に有効に作用する部分の長さのことであり、この長さは各単位パターンの各放射量に基づいて判定することができる。
図5に、アレーアンテナ200のz軸方向におけるビーム形状(方位−利得特性)を例示する。例えば、給電電力の周波数を76.0GHzとし、誘電体基板1a〜1cの高さhをそれぞれ0.1mmに、誘電体基板1d〜1kの高さhをそれぞれ0.025mmにすると、図5の(c)に示す様なビーム形状が得られる。また、同一周波数で、誘電体基板1a〜1gの高さhを0.1mmに、誘電体基板1h〜1kの高さhを0.025mmにすると、図5の(b)に示す様なビーム形状が得られる。また、同一周波数で、誘電体基板1a〜1kの高さhをそれぞれ全て0.1mmにすると、図5の(a)に示す様なビーム形状が得られる。
(2)不要なサイドローブの放射量を抑制する
また、高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行すれば、サイドローブレベルを抑制することも可能となる。即ち、上記のアクチュエータを用いて、上記の単位パターンの各放射量の分布を、例えば周知のテイラー分布などの様なサイドローブ抑制作用を奏する適当な分布に制御することができ、これによって、当該アレーアンテナのサイドローブの放射量を小さく抑制することができる。
(3)所望の向きにヌルを形成する
また、高さhの可変制御を各単位パターン毎にそれぞれ独立に実行すれば、単位パターンの各指向性を相異なる複数の向きに制御することによって、それらの向きから外れた向きにヌルを形成することができ、これによって、任意の方向からの信号の受信を低減させることができる。例えば、アンテナの正面方向にヌルを形成したい場合には、半数の単位パターンのビームの向きを後方波(Backward波)の側(即ち、左手系のビームの向き)に向け、残りの半数の単位パターンのビームの向きを前方波(Forward 波)の側(即ち、右手系のビームの向き)に向ければ良い。これにより、正面方向からの信号の受信を低減させることができる。
ただし、例えば、単位パターンの各指向性を相異なる2つの向きに組分けして制御する場合、一方の向きに放射させる単位パターンの組に属する各単位パターンは、必ずしも単位パターンの配列上に連続に一纏まりに配置する必要はない。即ち、相異なる指向性を与える単位パターンを交互に配置しても良いし、一方の向きに放射させる単位パターンの組を配列上の連続的な1組にまとめても良い。また、上記の複数の向きは、3方向でも4方向以上でも良い。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の各実施例では、可動部材として誘電体を移動しているが、これらの誘電体の内部に金属片を入れても良い。その場合は単に誘電率を制御するだけでなく、同時にギャップやスタブの電気長を制御することもでき、よって、誘電体の移動に対するビーム角θの変化をより敏感に設定することが可能となる。したがって、この様な改造を施せば、ビーム方向の変化範囲をより幅広く確保したり、或いは、アクチュエータを更に小型化したりすることも可能又は更に容易となる。
(変形例2)
また、上記の実施例では、可動部材を上下方向(z軸方向)に並進移動させているが、可動部材の運動は、並進往復運動でも回動運動でも良い。任意の形態の運動によって、上記の高さhを可変制御することができる。
本発明は、無線通信や電磁波センシングに有用であり、例えば、無線通信装置や、車両の事故防止システムやオートクルーズ制御システムなどに用いられる障害物センサや、或いはその他の車両周辺の物体に対する物体探索手段などとして利用することができる。
実施例1のアレーアンテナ100の斜視図及び正面図 アレーアンテナ100のアレー基板10の平面図 アレーアンテナ100の指向性の高さhに関する依存特性を示すグラフ 実施例2のアレーアンテナ200の斜視図 アレーアンテナ200のビーム形状(方位−利得特性)を例示するグラフ 従来のストリップアレーアンテナの特性を説明する説明図 その他の従来のビーム走査アンテナの平面図 その他の従来のビーム走査アンテナの断面図
100 : アレーアンテナ
1 : 誘電体基板(可動部材)
2 : ピエゾ素子(アクチュエータ)
10 : アレー基板
12 : スタブ
14 : ストリップ線路
15 : 誘電体基板
U : 単位パターン
G1 : ギャップ

Claims (2)

  1. 誘電体基板と、導体から成る同一または類似の単位パターンを前記誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、前記誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、
    前記各単位パターンは、伝送線路と、前記伝送線路を途中で分断するギャップと、前記伝送線路から枝分かれするスタブとを有した、使用周波数において左手系となるパターンであり、
    誘電体、磁性体、金属導体、またはそれらの複合体のうち少なくとも一つから構成され、前記ストリップ線路または前記単位パターンに対して接近して、前記ストリップ線路または前記単位パターンを覆う様に配設され、前記ストリップ線路からの高さhが変動可能な可動部材と、
    前記可動部材に対して機械的に作用して前記可動部材の前記高さhを変化させるアクチュエータと
    を有し、
    前記アクチュエータは、前記可動部材の前記ストリップ線路からの前記高さhを、前記アレーアンテナが、使用周波数において、左手系動作状態から、右手系動作状態まで、変化させる範囲で、変化可能である
    ことを特徴とするアレーアンテナ。
  2. 前記アクチュエータと前記可動部材は、前記単位パターン毎にそれぞれ個別に設けられ、前記可変制御は、前記単位パターン毎にそれぞれ独立に実行される
    ことを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ。
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