JP4750909B2 - ヒートシール性積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このような紙製基材に樹脂被覆が施されている積層体においては、加工性に優れていると共に、紙との接着性や溶融押出性に優れていることから、一般にポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンが被覆樹脂として用いられているが、ポリオレフィンは、食品用容器に必要な機能である、耐熱性や臭気等の遮断性、保香性等の点で充分満足するものではなく、その用途が限定されている。
このため、例えば下記特許文献1には、繊維基材にポリエステルを押出コーティングする方法において、ポリエステルとして、溶融粘度比η50/η950(ただし、η50は、280℃、剪断速度50s−1における溶融粘度であり、η950は、280℃、剪断速度950s−1における溶融粘度)が、2.0<η50/η950<3.0の範囲にあり、固有粘度が、0.5〜1.4dl/gの範囲にあるエチレンテレフタレート単位を主成分とするポリエステルを用いるとともに、ダイ下押出温度300〜340℃、溶融伸長比25以下、コート厚み20μm以上、ロール圧着線圧力5〜50Kg/cmの条件で押出コーティングすることを特徴とする積層体の製造方法が提案されており、この方法によれば、均一な膜厚を有し、層間接着性に優れたポリエステル加工紙を、安定性良く製造できることが記載されている。
またポリエチレンテレフタレートを、密度が1.35g/cm3未満のポリエチレンテレフタレート共重合樹脂を介して紙基材にラミネートしてなる多層ポリエステル系ラミネート紙も提案されている(特許文献2)。
また上記特許文献2では、ポリエチレンテレフタレート共重合樹脂を介すれば、ホモポリエチレンテレフタレート同士のヒートシール性を確保できるが、このような共重合樹脂を用いない場合には、ホモポリエチレンテレフタレート同士のヒートシール性は全く得られないことが記載されている。
従って、本発明の目的は、ホモポリエチレンテレフタレートから成り、均一な膜厚を有する被覆が直接紙製基材に形成され、ホモポリエチレンテレフタレート面同士のヒートシール性に優れたヒートシール性積層体を提供することである。
本発明の他の目的は、ホモポリエチレンテレフタレートを押出コート法により直接紙製基材上に、耳揺れ等を生ずることなく溶融押出することが可能な積層体の製造方法を提供することである。
1.紙製基材が、表面にアルミニウム箔が積層されていること、
2.ホモポリエチレンテレフタレートから成る被覆が、10ないし60μmの厚みを有すること、
が好適である。
また本発明のヒートシール性積層体は、ヒートシール可能なホモPET被覆が表面に形成されているため、積層体同士を重ね合わせてヒートシールすることにより、容易に容器を成形することもでき、特に、従来ヒートシールが困難であった、ホモPET/ホモPET面同士のヒートシールを比較的低温で行うことができる。
このことは後述する実施例の結果からも明らかである。すなわち、本発明のヒートシール性積層体においては、190℃以上のヒートシール温度であれば、ホモPET/ホモPET面同士のヒートシールが確実に行われ、160℃の低温においても優れたヒートシール性が得られる場合もある(実施例1〜3,7〜14)のに対して、エアギャップが大きく、また押出温度が本発明を満足しない方法により製造された積層体においては、190℃でもホモPET/ホモPET面同士の確実なヒートシール性が得られていない(比較例1及び比較例2)。
このことは後述する実施例19の結果からも明らかである。すなわち、比較例6に示すポリエチレン(PE)をラミネートした積層体から成る容器では、p−ジクロロベンゼンの容器内部への移行が見られたのに対し、実施例1、15〜18の本発明の製造方法で製造された積層体から成る容器では、従来よりバリアー性高いことが知られている二軸延伸ホモPETフィルムを積層して成る積層体から成る容器(比較例7)と同様の高いバリアー性を有することが明らかである。
このことは後述する実施例20の結果からも明らかである。すなわち、本発明のヒートシール性積層体から成る容器及び、紙製基材にポリエチレン(PE)を被覆してなる積層体から成る容器のそれぞれにエタノールを収納した結果、本発明のヒートシール性積層体では、収納したエタノールからホモPET被覆に由来する不純成分がほとんど検出されなかったのに対し、PE被覆を施した容器に収納したエタノールからは、PEに由来する種々の不純成分が検出されており、エタノールの純度を損なうおそれがある。このように本発明の積層体が飲食品の容器の基材として用いられた場合、風味(フレーバー)の保持性の点で優れていることが明らかである。
また本発明の積層体の製造方法は、製膜性に優れ、耳揺れやネックインの発生が抑制されているため、比較的高速でのラミネートが可能であり、生産性良く本発明の積層体を製造することが可能となる。
本発明の積層体においては、紙製基材の少なくとも一方の面に、ホモポリエチレンテレフタレートが直接被覆されていることが重要な特徴である。
本発明の積層体に用いるホモポリエチレンテレフタレートは、ジオール成分としてエチレングリコールとジカルボン酸成分としてテレフタル酸を重縮合して成るものであり、積極的に他の共重合成分を含有しない、汎用のポリエチレンテレフタレートを意味するものであり、ポリエチレンテレフタレート調製の際に副生する不純物成分まで排除するものではない。
このホモポリエチレンテレフタレートは、一般に約67℃のガラス転移温度(Tg)を有するものであるが、本発明においては、Tgが約67℃以上の範囲にあるホモポリエチレンテレフタレートを使用することが好適である。
また本発明の積層体に用いるホモポリエチレンテレフタレートは、固有粘度(IV)が0.72ないし0.88dL/g、特に0.80ないし0.83dL/gの範囲にあることが製膜性の点で重要であり、上記範囲よりも固有粘度が低い場合には製膜性に劣るようになり、一方上記範囲よりも固有粘度が高い場合には、押出性に劣るようになる。
更に、本発明の積層体に用いるホモポリエチレンテレフタレートは、それ自体公知のフィルム用配合剤、例えば、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を公知の処方に従って配合することもできる。
本発明の積層体に用いる紙製基材は、従来紙器に使用されている板紙であれば全て使用することができ、用途に応じて種々のものを採用することができる。例えばこれに限定されないが、アイボリー原紙、カップ原紙、マニラボール原紙、カード紙等の他、合成紙等も使用することができる。また塗工又は非塗工の何れであってもよい。
用いる原紙の秤量は、特に限定されないが、概ね180ないし500g/m2の範囲にあることが好適である。上記範囲よりも秤量が小さい場合には、得られる容器の機械的強度が欠けるようになり、一方上記範囲よりも秤量が大きい場合には、得られる容器が重くなり、取扱性や経済性に劣るだけでなく、成形性に劣るようになる。
また紙製基材は、紙製基材表面の濡れ性を向上し、ホモポリエチレンテレフタレートとの接着性を向上させるために、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
更に、紙製基材の表面には、アルミニウム箔が積層されていてもよく、本発明の積層体の製造方法においては、紙製基材表面のみならず、アルミニウム箔面に対しても密着性を有する被覆を形成することが可能になる。
尚、紙製基材にアルミニウム箔を積層するには、接着剤を用いたドライラミネーション等従来公知の方法により積層することができる。
本発明の積層体においては、上述したホモポリエチレンテレフタレートから成る被覆層(以下、単に「ホモPET層」ということがある)が紙製基材の少なくとも一方の表面に形成されている。
ホモPET層の厚みは、積層体の用途、積層体から成形する容器形状等によって一概に規定できないが、製膜性、耐熱性、耐水性、保香性、或いはヒートシール性等の点から10ないし60μmの範囲が好ましい。また、さらに好ましくは12ないし50μmの範囲である。
本発明の積層体においては、ホモPET層が、紙製基材の両面に形成されている他、一方の面にのみ形成されていても良く、この場合、ホモPET層が形成されていない面には、他の合成樹脂フィルムを積層することもできる。このような合成樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を挙げることができ、これらは延伸されていてもよい。これらの合成樹脂フィルムは、ドライラミネーション、或いはエクストリュージョンラミネーション等従来公知の方法により積層することができる。
本発明の積層体の製造方法において、上述したホモポリエチレンテレフタレートを、接着剤等を用いることなく、直接紙製基材表面に安定して被覆するためには、押出コート法によりホモポリエチレンテレフタレートの溶融樹脂膜を紙製基材にラミネートする際の加工条件の選択が重要であり、特にTダイのリップ開口部と紙製基材表面までの距離が重要になる。すなわち、Tダイのリップ開口部と紙製基材表面までの距離(エアギャップ)が 25cm以下、好ましくは5ないし20cmの範囲に設定することが重要になる。
また、押出機からの溶融樹脂の押出しに際して、押出される溶融樹脂の押出温度を、用いるホモポリエチレンテレフタレートの融点(Tm)を基準として、Tm+25ないしTm+60℃の範囲、特にTm+30ないしTm+50℃の範囲に設定することが好ましい。
さらに、押出しの際の押出圧力を3.5ないし6.5MPa、特に4.0ないし6.0MPaとすることが好ましい。
尚、各温度設定に対する実際の測定温度のずれは小さい方が好ましい。また、圧力調整についても精密に行うことが好ましい。
上記の範囲に設定することで、前述したように、膜揺れの発生が抑制され、膜厚の均一性、或いは被覆の密着性に優れた積層体を製造することが可能になる。このことは後述する実施例の結果からも明らかである。
これに対して上記条件を全て満足する本発明の積層体の製造方法においては、耳揺れ幅が4mm未満に抑制されていると共に、膜厚の変動幅も目標とする膜厚の±20%未満と小さく、また接着性にも優れていることが明らかである(実施例1〜18)。
本発明においては、上述したように紙製基材B上にホモPET溶融樹脂膜Pが押出された後、チルロール3とプレッシャーロール4でニップするが、この際チルロールでホモPET層を急冷することにより、ホモポリエチレンテレフタレートの結晶化を抑制しておくことが望ましい。これにより、ホモPET層のヒートシール性を確保することが可能となる。チルロールの表面温度は、特に限定されないが、10ないし25℃の範囲にあることが好適である。
また溶融樹脂膜の押出圧力を一定に保持することも重要であり、図示していないが、押出機とTダイとの間にギアポンプを設けることも望ましい。
ホモポリエチレンテレフタレートを押出すためのダイとしては、樹脂の押出コートに一般に使用されているダイを用いることができ、ダイリップの開口幅が0.4ないし1.4mm、ダイの幅が、90ないし180cmの範囲にあることが好ましい。 更に本発明条件においては、50ないし100m/minのライン速度でラミネートすることが、均一な膜厚やホモPET層の接着性の点から好適である。
本発明の積層体から成る容器は、本発明の積層体のホモPET層同士を重ね合せ、この重ね合わせた部分をヒートシールすることにより、カップ型、トレイ型、パウチ型等従来公知の形状の容器に成形することができる。
リップ開口巾を0.8mmに調整したダイ(幅約110cm)からエアギャップ(Tダイのリップ開口部からコーティングするカップ原紙までの距離)が10cmとなるように押出ラミネーターを調整し、前記ダイから押出温度300℃としたホモポリエチレンテレフタレートを押出圧力6.0MPaとしてカップ原紙(コロナ放電処理あり、坪量320g/m2)上にコーティングした。尚、実施例1〜14及び比較例1〜5に用いたホモポリエチレンテレフタレートは、固有粘度0.83dL/g、融点250℃のもの(三菱化学株式会社製のNOVAPEX BK6180)を用いた。
ホモPETのコーティング厚みは25μm、コーティングライン速度は65m/minで行った。原紙へのコーティングと同時にチルロール(表面温度:22℃)とゴムロールの間を通して積層体を完成させた。これらの工程について押出しラミネートの状態について評価した。結果を表1に示す。
エアギャップを5cmとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表1に示す。
エアギャップを15cmとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表1に示す。
エアギャップを20cmとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表1に示す。
エアギャップを25cmとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表1に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及びホモポリエチレンテレフタレートの押出温度を280℃とすること以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表2に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及びホモポリエチレンテレフタレートの押出温度を290℃とすること以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表2に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及びホモポリエチレンテレフタレートの押出温度を300℃とすること以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表2に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及びホモポリエチレンテレフタレートの押出温度を310℃とすること以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及び押出圧力を4.0MPaとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表3に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及び押出圧力を4.5MPaとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表3に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及び押出圧力を5.0MPaとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表3に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及び押出圧力を5.5MPaとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表3に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及び押出圧力を6.0MPaとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表3に示す。
エアギャップを30cmとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネート状態について評価した。結果を表1に示す。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表1に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及びホモポリエチレンテレフタレートの押出温度を270℃とすること以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表2に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及びホモポリエチレンテレフタレートの押出温度を320℃とすること以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表2に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及び押出圧力を3.5MPaとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表3に示す。
エアギャップを15cmとしたこと、及び押出圧力を6.5MPaとしたこと以外は実施例1と同様に行った。押出しラミネートの状態について評価した。結果を表3に示す。
1.ホモPET層の耳揺れ幅
○…耳揺れ幅2mm以内
△…耳揺れ幅4mm未満
×…耳揺れ幅4mm以上
耳揺れ幅4mm未満が実用可能
2.膜厚の均一性
○…ホモPET層の膜厚の変動幅が目標膜厚の±15%以内
△…ホモPET層の膜厚の変動幅が目標膜厚の±20%未満
×…ホモPET層の膜厚の変動幅が目標膜厚の±20%以上
変動幅が±20%未満のものが実用可能
3.接着性
○…ホモPET層と紙製基材の間に十分な接着性がある
△…ホモPET層と紙製基材の間に接着性がある
×…ホモPET層と紙製基材の間にやや剥がれる場合がある
ホモPET層と紙製基材の間に剥がれのないものが実用可能
4.ヒートシール性
ホモポリエチレンテレフタレートをラミネートした面同士を重ね合わせ、インパルスシーラーにより、160℃,170℃,190℃,220℃の各ヒートシール温度に調節された熱板を2秒間、圧力2kg/cm2で保持することにより、溶着させてヒートシールを行った。
次いで、ヒートシールを行った積層体のヒートシール面を引き剥がし、紙製基材との破壊状態を観察した。評価基準は下記の通りである。
◎…紙製基材面での破壊が溶着面積の90%以上
○…紙製基材面での破壊が溶着面積の60%以上90%未満
△…紙製基材面での破壊が溶着面積の30%以上60%未満
×…紙製基材面での破壊が溶着面積の30%未満
用いるホモポリエチレンテレフタレートとして、固有粘度0.88dL/g及び融点250℃のホモポリエチレンテレフタレート(ユニチカ株式会社製NEH−2070)(実施例15)、固有粘度0.80dL/g及び融点236℃のホモポリエチレンテレフタレート(SKケミカル株式会社製BR8040)(実施例16)、固有粘度0.76dL/g及び融点252℃のホモポリエチレンテレフタレート(帝人化成株式会社製TRN−8550FF)(実施例17)、及び固有粘度0.72dL/g及び融点251℃のホモポリエチレンテレフタレート(ユニチカ株式会社製NES−2040)(実施例18)を用いた。また、押出し条件としては、SKケミカル株式会社製BR8040のみ押出温度を290℃とし、それ以外は、実施例1と同様にして積層体を作成し、実施例1と同様に評価を行った。表5及び6に結果を示す。
実施例1及び実施例15〜18で得られた各種積層体(原紙300g/m2/ホモPET25μm、A4サイズ)を2枚用いて、内側がホモPETラミネート面となるようにして、ホモPETラミネート面同士を200℃で保った熱板を3秒間、圧力2kg/cm2に保って、ヒートシールを行い、袋状の容器を形成し、さらに開口部のホモPETラミネート面同士をヒートシールして密封した(実施例19〜23)。
比較対照品として、ポリエチレンを紙の外側及び内側にラミネートした積層体(外側PE60μm/原紙300g/m2/PE40μm 内側)及び2軸延伸したホモPETフィルムをPEを介して積層した積層体(外側 PE70μm/原紙300g/m2/PE15μm/ホモPETフィルム12μm/PE30μm内側)をそれぞれ2枚づつ用いて、上述と同様に内側のPEラミネート面同士をヒートシールを行い、袋状の容器を形成し、上述と同様にPEラミネート面同士をヒートシールして密封した(比較例6及び7)。
次にこれらの密閉された袋状の容器を、縦50cm、横50cm、高さ50cmの略立方体状の密閉されたプラスチックケースの中央にp−ジクロロベンゼン25gを載置し、該ケース内部の底面部の端部に、上記袋状の容器を載置し、7日間、室温下で放置した。7日後に各容器の内部の気体を一部採取して、容器壁(積層体)を介して容器内に移行したパラジクロロベンゼン量を測定した。
測定方法は、当該気体を80℃に加温後、ヘッドスペースをGC/MSで定量した。結果を表7に示す。
そして、本発明のホモPETラミネート紙(実施例19〜23)についてもホモPETフィルム(比較例7)と同等のバリアー性を有することが判明した。本発明のホモPETラミネート紙(実施例19〜23)の有用性を示す結果である。
実施例19で用いた、実施例1の積層体から得られた袋状の容器及び比較例6の袋状の容器に、25%の濃度に調製したエタノールを100g封入してホモPETラミネート面同士をヒートシールして密封した。これらを温度60℃の恒温機に入れて24時間保持した後、内部のエタノールを取り出して、GC/MSで成分を分析した。
実施例1の積層体から得られた容器に封入していたエタノールはチャート2に示した。また、比較例6の容器に封入していたエタノールはチャート3に示した。
尚、比較対照として容器に封入前のエタノールについてはチャート1に示した。
さらに、溶融前のペレット状態であるホモPET樹脂をエタノールに浸漬し、上部を密閉して温度60℃の恒温機に入れて24時間保持した後、内部のエタノールを取り出して、GC/MSで成分を分析した結果をチャート4に示す。また、PE樹脂を同様にして浸漬した場合のエタノールのGC/MS分析の結果をチャート5に示す。
それぞれの結果を図2に示す。
図2に示したように、封入前のエタノールには不純物がほとんど検出されていないのに対して、ホモPETをラミネートした本発明の積層体の容器を用いた場合にも、同様に不純物のピークはほとんど見られていない。
一方、PEについては、PE樹脂のペレット自体をエタノールに浸漬するのみでも複数のピークが検出され(チャート5)、さらに、これを溶融してPEを紙にラミネートした容器を用いた場合、さらに多くの不純物のピークが検出された。
これらの不純物のピークは内容物のエタノールの純度に影響を与える可能性もある。このように本発明の積層体が飲食品の容器の基材として用いられた場合、風味(フレーバー)の保持性の点で優れていることが明らかである。ホモPETラミネートタイプでは、このような問題は起こらないことが示唆された。
リップ開口巾を0.8mmに調整したダイ(幅約110cm)からエアギャップ(Tダイのリップ開口部からコーティングするカップ原紙までの距離)が13〜14cmとなるように押出ラミネーター調整し、前記ダイから押出温度310℃としたホモポリエチレンテレフタレートを押出圧力5.0MPaとして230gカップ原紙に7μmのアルミ箔を糊で貼ったものの上にコーティングした。
尚、アルミ箔へのホモポリエチレンテレフタレートのコーティング厚みは60μm(実施例25)及び80μm(実施例26)、コーティングライン速度は約65m/min及び約50m/minで行った。原紙へのコーティングと同時にチルロール(表面温度:22℃)とゴムロールの間を通して積層体を完成させた。これらの工程について押出しラミネートの状態について評価した。結果を表8及び9に示す。
更に本発明の積層体からなる容器は、アルコールを封入する容器として用いた場合、ラミネート層に由来する不純物が内容物であるアルコールに溶出することなく、アルコールの持つ本来の風味を損なうことがなかった。このように内容物の風味を維持する効果に優れていることから、酒等のアルコールを含有する飲食品に好適に使用することができる。
尚、アルコールを含まないすべての食品についても同様に好適に使用できることはもちろんである。
Claims (3)
- 紙製基材の少なくとも一方の面に、ホモポリエチレンテレフタレートから成る被覆が直接被覆されて成るヒートシール性積層体を押出コート法で形成する製造方法であって、前記ホモポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.72ないし0.88dl/gの範囲にあり、前記押出コート法の溶融押出時のホモポリエチレンテレフタレートの押出温度が、前記ホモポリエチレンテレフタレートの融点(Tm)を基準として、Tm+25ないしTm+60℃の範囲にあり、押出圧力が4.0ないし6.0MPaの範囲であり、Tダイのリップ開口部から紙製基材までの距離で表わされるエアギャップが25cm以下であることを特徴とするヒートシール性積層体の製造方法。
- 前記紙製基材が、表面にアルミニウム箔が積層されている請求項1記載のヒートシール性積層体の製造方法。
- 前記ホモポリエチレンテレフタレートから成る被覆が、10ないし60μmの厚みである請求項1または2記載のヒートシール性積層体の製造方法。
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