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JP4767780B2 - 人体用エアバッグ装置 - Google Patents
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本発明は、主に高齢者、病人、障害者等を転倒時の衝撃から保護するための人体用エアバッグ装置に関するものである。
日常生活や業務中においては、例えば歩行中につまずいて転倒したり、或いは急な発病により転倒する場合があり、このような場合は転倒時の衝撃により外傷を負うことが多い。特に、高齢者は身体能力が低下しているため、僅かな段差や軽い衝突等によっても転倒し易く、転倒した場合は腰部、大腿部、頭部等を損傷するおそれがある。また、例えば癲癇の患者の場合、発作を起こすと意識を失って転倒することがあるため、その際に頭部等を強打する危険性がある。
そこで、このような転倒事故から人体を保護するものとして、人体の傾斜を検知するとエアバッグを膨張させ、エアバッグによって転倒時の衝撃を吸収するようにしたものが知られている。例えば、人体と物体との相対速度及び距離に基づいて人体が転倒を開始したことを検知するようにしたもの、或いは人体の足の裏側に加わる荷重の分布状態の変化に基づいて人体が転倒を開始したことを検知するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特開2000−317002号公報 特開2003−236002号公報
しかしながら、人体と物体との相対速度及び距離に基づいて傾斜を検知するようにしたものでは、検知可能な方向がセンサの位置に限定されるため、多方向への転倒を確実に検知することは困難であった。また、人体の足の裏側に加わる荷重に基づいて傾斜を検知するようにしたものでは、飛び跳ねたり、走った場合にも足の裏側の荷重が変化するため、このような転倒以外の動作に対して作動し易かった。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、多方向への転倒を確実に検知することができるとともに、転倒以外の動作に対する作動を少なくすることのできる人体用エアバッグ装置を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、人体の所定部位に対応するように設けられたエアバッグと、エアバッグを膨張させる膨張手段とを備え、人体の傾斜を検知すると膨張手段によってエアバッグを膨張させるようにした人体用エアバッグ装置において、少なくとも3軸方向の加速度を検出する加速度センサと、少なくとも3軸周りの角速度を検出する角速度センサと、加速度センサによって検出された加速度の全ての絶対値が所定の加速度よりも小さく、角速度センサによって検出された角速度の何れかの絶対値が所定の角速度よりも大きい場合にエアバッグを膨張させる制御手段とを備えている。
これにより、人体が転倒等により自由落下と同等の状態になり、加速度センサによって検出された加速度の全ての絶対値が所定の加速度よりも小さくなるとともに、転倒時に何れかの方向に角速度が生じ、角速度センサによって検出された角速度の何れかの絶対値が所定の角速度よりも大きくなると、エアバッグが膨張することから、多方向への転倒が確実に検知されるるとともに、転倒以外の動作に対する作動も少なくなる。
本発明の人体用エアバッグ装置によれば、多方向への転倒を確実に検知することができるとともに、転倒以外の動作に対する作動も少なくすることができるので、高齢者や病人等を不慮の転倒事故から効果的に保護することができる。
図1乃至図9は本発明の一実施形態を示すもので、図1は人体用エアバッグ装置の正面図、図2はその側面図、図3はその背面図、図4は制御系を示すブロック図、図5は加速度及び角速度の方向を示す概略図、図6は制御部の動作を示すフローチャート、図7は転倒時の動作を示す概略図、図8は人体用エアバッグ装置の着用例を示す正面図、図9はその背面図である。
本実施形態の人体用エアバッグ装置は、人体の頭部を覆うように膨張可能な第1のエアバッグ1と、人体の臀部を覆うように膨張可能な第2のエアバッグ2と、第1のエアバッグ1が設けられた第1の着用体3と、第2のエアバッグ2が設けられた第2の着用体4と、第1及び第2のエアバッグ1,2をそれぞれ膨張させる膨張手段としての第1及び第2のインフレータ5,6と、加速度を検出する加速度センサ7と、角速度を検出する角速度センサ8と、各センサ7,8の検出信号に基づいて各インフレータ5,6を作動させる制御部9とから構成されている。
第1及び第2のエアバッグ1,2は、気密性及び耐久性の高い生地(例えば、全芳香族ポリエステル)からなり、このような生地を縫製または熱融着することによって袋状に形成されている。第1のエアバッグ1は、人体Aの頭部前面側及び背面側を覆う前後一対のエアバッグ部1aと、各エアバッグ部1aを連通する連通部1bとからなり、各エアバッグ部1aはそれぞれ円形に形成されている。連通部1bは前後方向に延びる筒状に形成され、人体Aの頭部の一側方に位置するように各エアバッグ部1aに接続されている。また、前面側のエアバッグ部1aの中央には開口部1cが設けられている。第2のエアバッグ2は、上端側に対して下端側が前方に屈曲するように形成され、上端側と下端側との間に人体Aの臀部が位置するようになっている。
第1の着用体3は人体Aの上半身に着用可能なベスト型の衣服状に形成され、その上部背面側には第1のエアバッグ部1が収縮状態で収納されている。また、第1の着用体3の背面には第1のインフレータ5を収納するポケット状の収納部3aが設けられている。
第2の着用体4は、人体Aの胴部に着脱可能なベルト4aと、人体Aの背面側に位置するようにベルト4aに設けられた収納体4bとからなるウエストバッグ状に形成され、収納体4bには第2のエアバッグ部2が収縮状態で収納されている。
第1及び第2のインフレータ5,6は、例えば圧縮流体を封入したボンベを火薬の爆発によって開封する周知の構成からなり、図示しないバッテリの電気により火薬に着火するようになっている。第1のインフレータ5は第1の着用体3の収納部3a内に収納され、エアチューブ5aを介して第1のエアバッグ1に接続されている。第2のインフレータ6は第2の着用体3内に収納され、第2のエアバッグ2に接続されている。
加速度センサ7は、例えば周知の3軸加速度センサからなり、人体Aの前後方向(X軸)、左右方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)の加速度をそれぞれ検出するようになっている。
角速度センサ8は、例えば周知の3軸角速度センサからなり、人体Aの前後方向(X軸)、左右方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)の軸周りの角速度をそれぞれ検出するようになっている。
制御部9はマイクロコンピュータによって構成され、第1及び第2のインフレータ5,6、加速度センサ7及び角速度センサ8に接続されている。制御部9を構成する回路基板やバッテリ等の電装部品及び各センサ7,8は制御ユニット9aに収納され、制御ユニット9aは第2の着用体4内に収納されている。また、制御ユニット9aは電力供給用のリード線9bを介して第1のインフレータ5に接続されている。
以上のように構成された人体用エアバッグ装置を使用する場合は、図8及び図9に示すように、第1の着用体3を人体Aの上半身に着用し、第2の着用体4を人体Aの胴部に着用する。次に、使用者が転倒した場合には、第1及び第2のインフレータ5,6が作動し、第1及び第2のエアバッグ1,2が瞬時に膨張する。これにより、人体Aの頭部前面側及び背面側が第1のエアバッグ1によって覆われ、人体Aの臀部が第2のエアバッグ2によって覆われる。その際、図7(a) に示すように人体Aの臀部への衝撃が第2のエアバッグ2によって吸収され、図7(b) に示すように人体Aの頭部への衝撃が第1のエアバッグ1によって吸収される。
次に、図6のフローチャートを参照し、制御部9の動作について説明する。即ち、図示しないメインスイッチがオンにされると(S1)、カウンタの値Nを初期値「0」にするとともに(S2)、加速度センサ7によって加速度Gx ,Gy ,Gz を検出し(S3)、角速度センサ8によって角速度Ωx ,Ωy ,Ωz を検出する(S4)。その際、加速度Gx ,Gy ,Gz の全ての絶対値|Gxyz |が所定の基準値G1 よりも小さく(S5)、更に角速度Ωx ,Ωy ,Ωz の何れかの絶対値|Ωxyz |が所定の基準値Ω1 よりも大きい場合には(S6)、カウンタの値Nに「1」を加え(S7)、カウンタの値Nが所定回数N1 (例えば「4」)よりも小さければ(S8)、前記ステップS3からS6までの動作を繰り返し、カウンタの値Nが前記所定値N1 になる前に、加速度|Gxyz |が基準値G1 以上になるか(S5)、または角速度|Ωxyz |が基準値Ω1 以下になった場合には(S6)、前記ステップS2に戻り、カウンタの値Nを初期値「0」にする(S2)。また、前記ステップS3からS6までの動作を繰り返し、カウンタの値Nが所定回数N1 になった場合には(S8)、各インフレータ5,6を作動して各エアバッグを膨張させる(S9)。
前記加速度の基準値G1 は重力加速度以下の値に設定されており、人体Aが転倒等により自由落下と同等の状態になると、検出値の絶対値|Gxyz |が全て基準値G1 よりも小さくなる。これだけで転倒したと判定すると、飛び跳ねた場合や僅かな段差を飛び越えたときなど、転倒以外の動作によって加速度が基準値G1 よりも小さくなることもある。そこで、転倒時には何れかの方向に角速度が生ずるため、加速度の全ての絶対値が基準値G1 よりも小さく、且つ角速度の何れか一つの絶対値が基準値Ω1 よりも大きい場合のみ転倒したと判定することにより、転倒以外の作動が少なくなる。また、このような場合でも、急激な運動や動作により瞬間的に前述の条件を満たす場合もあるため、前記転倒の判定動作が所定回数N1 以上連続した場合のみ転倒したと判定することにより、転倒以外の作動がより少なくなる。
このように、本実施形態によれば、人体Aの3軸方向の加速度を検出する加速度センサ7と、人体Aの3軸周りの角速度を検出する角速度センサ8とを備え、加速度センサ7によって検出された加速度の全ての絶対値が所定の加速度よりも小さく、角速度センサ8によって検出された角速度の何れか一つの絶対値が所定の角速度よりも大きくなった場合に、各エアバッグ1,2を膨張させるようにしたので、多方向への転倒を確実に検知することができるとともに、転倒以外の作動を少なくすることができ、高齢者や病人等を不慮の転倒事故から効果的に保護することができる。
また、人体Aの頭部を覆う第1のエアバッグ1を備えているので、転倒時に頭部への衝撃を吸収することができ、頭まで打つような転倒の場合は勿論のこと、例えば癲癇の患者が発作により意識を失って転倒した場合にも効果的である。この場合、人体Aの上半身に着用可能な第1の着用体3に第1のエアバッグ1を設けたので、第1の着用体3を衣服を着るように容易に装着することができ、しかも第1の着用体3はベスト型の衣服状に形成されているので、見栄えを損なうことなく着用することができる。
更に、人体Aの臀部を覆う第2のエアバッグ2を備えているので、転倒時に臀部への衝撃を吸収することができ、例えば尻餅をつくように転倒した場合に効果的である。この場合、人体Aの胴部に着用可能な第2の着用体4に第2のエアバッグ2を設けたので、第2の着用体4をベルトのように容易に装着することができ、しかも第2の着用体4はウエストバッグ状に形成されているので、見栄えを損なうことなく着用することができる。
尚、前記実施形態では、加速度センサ7に3軸加速度センサを用いるとともに、角速度センサ8に3軸角速度センサを用いたものを示したが、複数の1軸センサを組み合わせたり、或いは3軸センサを複数ずつ設け、より多軸のセンサを構成するようにしてもよい。
本発明の一実施形態を示す人体用エアバッグ装置の正面図 人体用エアバッグ装置の側面図 人体用エアバッグ装置の背面図 制御系を示すブロック図 加速度及び角速度の方向を示す概略図 制御部の動作を示すフローチャート 転倒時の動作を示す概略図 人体用エアバッグ装置の着用例を示す正面図 人体用エアバッグ装置の着用例を示す背面図
符号の説明
1…第1のエアバッグ、2…第2のエアバッグ、3…第1の着用体、4…第2の着用体、5…第1のインフレータ、6…第のインフレータ、7…加速度センサ、8…角速度センサ、9…制御部。

Claims (3)

  1. 人体の所定部位に対応するように設けられたエアバッグと、エアバッグを膨張させる膨張手段とを備え、人体の傾斜を検知すると膨張手段によってエアバッグを膨張させるようにした人体用エアバッグ装置において、
    少なくとも3軸方向の加速度を検出する加速度センサと、
    少なくとも3軸周りの角速度を検出する角速度センサと、
    加速度センサによって検出された加速度の全ての絶対値が所定の加速度よりも小さく、角速度センサによって検出された角速度の何れかの絶対値が所定の角速度よりも大きい場合にエアバッグを膨張させる制御手段とを備えた
    ことを特徴とする人体用エアバッグ装置。
  2. 前記人体の頭部を覆うエアバッグが設けられ、人体の上半身に着用可能な着用体を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の人体用エアバッグ装置。
  3. 前記人体の臀部を覆うエアバッグが設けられ、人体の胴部に着用可能な着用体を備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の人体用エアバッグ装置。
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