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JP4769183B2 - 無線周波数多重極の漏れ磁場を修正するシステムおよび方法 - Google Patents
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無線周波数多重極の漏れ磁場を修正するシステムおよび方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、質量分析計およびイオン・ガイドに関し、詳細には、無線周波数多重極質量分析計およびイオン・ガイドに関する。
発明の背景
質量分析は、サンプル中のアナライトを同定するための有効な手段である。用途は数多く、炭水化物、核酸、ステロイドなどの生体高分子を同定すること、タンパク質や糖類などの生体高分子の配列を決定すること、薬剤が人体によってどのように使用されるかを判定すること、法医学分析を行うこと、環境汚染物質を分析すること、地球科学および考古学の標本の年代および起源を判定することなどが含まれる。
質量分析では、サンプルの一部がアナライト・イオンを含む気体に転換される。気体状アナライト・イオンは、質量分析計内でイオンの質量・電荷(m/z)比に従って分離され、次いで検出器によって検出される。検出器内で、イオン流束は比例的な電流に変換される。質量分析計は、これらの電気信号の大きさをm/zの関数として記録し、この情報を、アナライトを同定するのに用いることのできる質量スペクトルに転換する。
たとえば、四重極質量分析計では、導体の構成に適切な電圧を印加することによって生成された時間依存電場が、導体の近くのイオンに力をかける。イオンの軌跡はイオンのm/z比に依存する。適切な電圧を選択することによって、特定のm/zを中心とする小さな間隔内に入るm/z値を有する導体間の空間に噴射されたイオンは、透過し、次いで検出器によって検出される。この間隔に入らないm/z値を有する他のイオンは、検出されずに排除される。
電極の1つの一般的な構成は、4つの互いに平行なロッドと、端板やレンズのような2つの終端装置とを含む四重極質量分析計の構成である。様々な電圧をロッドおよび端板に印加することができる。たとえば、両方のロッド対にRF電圧およびDC電圧を印加するか(RF/DC質量分析計)、または両方のロッド対にRF電圧のみを印加することができる(RF専用質量分析計)。端板にDC電圧を印加すると、イオンの一部が放出され検出される前にイオンが捕捉される(イオントラップ型質量分析計)。同様のシステムをイオン・ガイドとして使用することもできる。イオントラップ型質量分析計にイオンを捕捉するだけでなく、端板も、一般に四重極ロッドから生じる磁界を終わらせる働きをする。
端板が存在しないときの無限に長いロッドから成る理想的な構成の電場は、比較的単純な電場を生成する。特に、4つのロッドがボックスの縁部上に配置され、互いに向かい合う縁部が同位相になり、互いに隣接する縁部同士の位相が180°ずれるようにロッドにRF電場を印加すると、四重極場が生じる。しかし、実験室の質量分析計ではロッドの長さが有限であり、かつ端板が存在するため、生じる挙動は理想的なものではない。特に、端部電場が四重極ロッドの軸方向領域を透過すると、理想的な四重極場が局所的に歪み、入射プレートおよび出射プレートの近くで最も顕著な漏れ磁場が生じる。
したがって、多重極質量分析計またはイオン・ガイドでは、端板の近くのイオンは、入射プレートおよび出射プレートの近くで主RF電場およびDC電場が終わる性質があるため、完全に四重極ではない電場を受ける。漏れ磁場は、捕捉されたイオンの半径方向自由度と軸方向自由度を結合する。これに対して、端板および漏れ磁場から遠く離れたロッド構成の中心の近くでは、イオン運動の軸方向および半径方向成分は、結合されないかまたは最小限の結合を受ける。
漏れ磁場は、捕捉されたイオンの半径方向自由度と軸方向自由度を結合する。あるイオントラップ型質量分析計では、内容が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,177,668号に記載されたように、このことを利用してイオンを軸方向に放出することができる。特に、端板を有する四重極ロッド構成では、イオンを捕捉することができ、次いで、低電圧補助AC電場の周波数を走査することによって、特定のm/z値のイオンを捕捉状態から軸方向に放出して検出することができる。
補助AC電場は、端板に供給される捕捉DC電圧に付加され、半径方向と軸方向の両方の永続イオン運動に結合される。補助AC電場は、イオンが出射プレートの所の軸方向DC電位障壁に打ち勝ち、したがって軸方向に離れることができるのに十分な程度にイオンを励起させることが分かっている。出射プレートの近くで電場がずれると、上述のように軸方向と半径方向のイオン運動が結合される。この結合は、イオンを半径方向永続周波数で軸方向に放出するのを可能にし、次いでこのイオンを通常の質量分析技術によって分析することができる。これに対して、従来のイオン捕捉では、半径方向永続運動を励起させると一般に、イオンが半径方向に放出され、軸方向永続運動を励起させると一般に、イオンが軸方向に放出される。
このように漏れ磁場を用いて、質量分析のために捕捉されたイオンを軸方向に放出させることと、RF/DC質量分析計およびRF専用質量分析計におけるこれらの電場の役割とによって、漏れ磁場を理解し制御することが重要であることがよく分かる。
このような漏れ磁場は多重極質量分析計の性能において重要な役割を果たす。入射漏れ磁場はRF/DC四重極質量分析計のイオン許容特性を著しく変化させることができ、このような漏れ磁場は数人の研究者によって調査されている。
出射漏れ磁場は、RF専用四重極質量分析計と軸方向にイオンを放出させる線形イオントラップ型質量分析計の動作に重要であることが分かっている。これらの装置では、動作のメカニズムが、多重極の出射漏れ磁場領域で誘導されるイオン運動の半径方向・軸方向結合に密に関連している。
本発明の概要
漏れ磁場は、ロッドに印加されるRF電圧またはDC電圧を変化させることによって修正することができる。たとえば、本発明者は、四重極ロッド・アレイの2つの極対に対する相対的なRF電圧量を変化させると、入射漏れ磁場と出射漏れ磁場の両方を十分に変化させることができることを知った。しかし、RFグランドを基準電圧として用いないと、2つの極対間のRF電圧比は不適切なものになる。これは、線形多重極の中央部のようにロッド端部から十分に離れた多重極構造内の場合に当てはまる。入射レンズおよび出射レンズによって生成される入射漏れ磁場および出射漏れ磁場ではRFグランドを基準電圧としている。このような条件の下では、多重極アレイの極対に対する相対的なRF電圧比は、重要であり、多重極イオン・ガイド、RF/DC質量分析計、RF専用質量分析計、および質量選択的線形イオントラップ型質量分析計の性能に著しく影響を与えることがある。
さらに、本発明者は、四重極ロッド・アレイの2つの極対のRF電圧比を変化させると一般に、入射漏れ磁場と出射漏れ磁場が同様に影響を受け、これが望ましくない場合があることを知った。AB|MDS SCIEX社によって製造されているQ TRAPのようないくつかの縦列質量分析計は、交互走査によるRF/DC四重極質量分析計および線形イオントラップ型質量分析計として動作することのできるロッド・アレイを使用している。最適なRF/DC質量分析計性能を得るには、適切に配置された出射漏れ磁場によって最適な線形イオントラップ型質量分析計性能を得つつ、入射漏れ磁場を適切に調整することが重要である。残念なことに、ロッド・アレイの2つの極対に印加される相対的なRF電圧およびDC電圧を単純に変化させることによって入射漏れ磁場と出射漏れ磁場を同時に最適化するのは不可能であることが多い。したがって、多重極ロッド・アレイの入射漏れ磁場と出射漏れ磁場を独立に修正するのを可能にする方法が必要である。
したがって、極対に印加されるRF電圧比にかかわらず多重極ロッド・アレイの入射漏れ磁場と出射漏れ磁場を同時に独立に最適化するのを可能にする方法を提供することが望ましい。多くの場合、最大のイオンm/z範囲にわたるイオンを透過させかつ/または捕捉するようにRF電圧を平衡構成で動作させることが望ましいことが認識されている。したがって、多重極をRF電圧平衡構成に維持しつつ入射漏れ磁場および出射漏れ磁場を修正することが望ましい。これは、ロッド極対に印加されるRF電圧の適切な位相のある部分を多重極ロッド・アレイの端部の所の入射レンズおよび出射レンズに加えることによって行うことができる。このような追加的または補助的なRF電圧を独立に調節可能な方法で印加すると、この手法によって、極対に印加されるRF電圧を平衡構成に維持しつつ、入射漏れ磁場を最良のRF/DC四重極質量分析計性能が得られるように最適化し、同時に出射漏れ磁場を最良の軸方向放出線形イオントラップ型質量分析計性能が得られるように最適化することができる。
さらに、漏れ磁場は、ロッドに印加されるRF電圧またはDC電圧を変化させることによって修正することができる。たとえば、内容が参照として本明細書に組み入れられるHagerの米国特許第6,028,308号に記載されたように、四重極ロッド・アレイの2つの極対に対する相対的なRF電圧量を変化させると漏れ磁場を十分に変化させることができ、本発明は、一局面において、このことを出射漏れ磁場と入射漏れ磁場の両方に適用する。漏れ磁場を変化させるこの方法は、多重極イオン・ガイド、RF/DC質量分析計、RF専用質量分析計、および質量選択的線形イオントラップ型質量分析計に適用することができる。
本明細書では、RF/DC質量分析計、イオントラップ型質量分析計、およびイオン・ガイドの少なくとも1つを含む多重極計器において修正可能な漏れ磁場を生成するシステムおよび方法について説明する。システムは、第1の極対、第2の極対を有する多重極ロッド・セットと、イオンがロッド・セットに入射できるようにするかまたはロッド・セットから出射できるようにする終端装置とを含む。システムは、第1の電圧を印加することによって終端装置の近くで漏れ磁場が発生するように、第1の極対に第1の電圧を印加する第1の電源をさらに含む。終端装置電源は、終端装置に終端装置電圧を供給し、イオンの入射および出射を容易にするように漏れ磁場を修正する。
本明細書では、イオントラップ型質量分析計において漏れ磁場を生成するシステムについても説明する。システムは、第1の極対、第2の極対を有する多重極ロッド・セットと、イオンがロッド・セットに入射できるようにするかまたは出射できるようにする終端装置とを含む。システムは、第1の極対に第1の電圧を印加する第1の電源と、第2の極対に第2の電圧を印加する第2の電源とをさらに含む。補助電源は、第1の極対に補助電圧を供給し、イオントラップ型質量分析計に捕捉されているイオンを放出させる。第1の電圧の振幅は、第2の電圧の振幅と異なり、それによって、イオンの入射または出射を容易にする漏れ磁場を終端装置の近くで生成する。
発明の詳細な説明
本発明によるシステムについて詳しく説明する前に、四重極装置の動作のいくつかの基本原則を検討する。しかし、本発明は、多くの局面において、たとえば六重極および八重極を含む様々な多重極計器に適用することができる。
RF/DC四重極の動作時には、イオンは、逆の極性の極、すなわち、正のイオンの場合は、負の四重極DCを運ぶ極のロッド同士の間で線形に偏向する傾向がある。すなわち、X極が正の四重極DCを運ぶ場合、正のイオンはy-z平面内で偏向する傾向がある。この傾向は、電場が軸方向成分を有さない四重極の中央部で検出可能であるが、四重極アレイの入射端部および出射端部の所の周縁領域で最も強く現れる。
RF四重極電位とDC四重極電位の組合せに応じたイオンの挙動については、Dawson [Dawson, P.H. Quadruple Mass Spectrometry and its Applications; AIP Press: Woodbury, New York, 1995]が詳しく説明している。終端効果が無視できないものになる四重極ロッド・アレイの中央部では、二次元四重極電位を次式のように書くことができる。
Figure 0004769183
上式で、2r0は互いに向かい合うロッド間の最短距離であり、φ0は、グランドに対して測定された、2つの極のそれぞれが逆の極性を有するように印加される電位である。通常、φ0は、次式のようにDC成分とRF成分の線形組合せとして書かれている。
Figure 0004769183
上式で、WはRF駆動の角周波数であり、UとVはそれぞれ、DC成分とRF成分である。
数式2によって表される電位に応じて、質量mの単一電荷正イオンの運動式は以下のようになる。
Figure 0004769183
上式で、eは電荷であり、mはイオンの質量である。以下の無次元パラメータで置換すると、
Figure 0004769183
数式3を次式のようにマチウ形式にすることができる。
Figure 0004769183
上式で、uはxまたはyであってよく、
Figure 0004769183
上式で、+符号および-符号はそれぞれ、u = xおよびu = yに対応する。イオンが四重極ロッド・セット内に安定な軌跡を維持するには、aパラメータおよびqパラメータが、図1に示されているように第1の安定領域として図表にマップすることのできる特定の値範囲に入らなければならない。
RF電圧が極同士の間で平衡すると、四重極場が周縁領域で低下するにつれて、イオンの軌跡が安定であり、安定セグメントとして識別される、走査線のセグメントが、この走査線に沿って原点の方へ移動し、by = 0に交差する。通常、安定セグメントが、図2に示されているように、完全に第1の安定領域の外側に位置する座標に変換される位置が周縁領域内にある。その結果、イオンの軌跡は、イオンが周縁領域のこの部分を通過するのにかかる時間の間不安定であり、したがって、一部のイオンが失われる。
図2で、この安定セグメントは、ロッドの端部から離れた従来の動作に関する2に示されている。たとえば、x = 0.5r0であるx-z平面内の、ロッド・アレイの内側で、ロッドの端部から0.25r0である点を検討されたい。この点では、安定セグメントは、4、6、8と様々な点に示されている。セグメント4は、RF電圧の電位比がX:Y = 85:115の場合のその位置を示している。セグメント6は、XロッドおよびYロッド上の電位が等しい場合、すなわち、比X:Y = 100:100である場合の位置を示している。セグメント8は、RF電圧の電位比がX:Y = 115:85である場合の位置を示している。
さらに、一群のイオンの軸方向エネルギーの分布の幅は、それらのイオンが漏れ磁場を透過するときに大きくなる。この条件は、出射と入射の両方およびRF専用漏れ磁場とRF/DC漏れ磁場の両方に当てはまる。
一群のイオンが漏れ磁場を透過するときに受ける軸方向エネルギーの分布が広がる度合いは、RF電圧不平衡の度合いに応じて高くなる。たとえば、構成が平衡しており、すなわち、X:Y = 100:100であるとき、軸方向分布は約50%広げられる。X:Y = 85:115のとき、軸方向分布は約1桁大きく広げられる。本明細書で調べたX:Y比の範囲、すなわち、100:100から85:115までの範囲では、漏れ磁場を横切った後の一群のイオンの軸方向エネルギーの分布の幅の増大は、極平衡部分の一次関数であった。
実験では、特にm/zが高いときの、RF/DC質量スペクトル・ピークの強度、および程度は低いがその質が、Q3 RFタンク回路を不平衡にしたときに向上することが分かっている。具体的には、A極がB極と比べて低いときに最大の強度が実現され、この関係は、RFレベルの比がX:Y = 0.85:1.15程度に高い場合に実証されている。A極がRF/DC動作時に正のDCを運び、質量選択的軸方向放射を行うのに用いられる補助二極励起がA極ロッド間にかけられることに留意すべきである。さらに、極同士の間のRFレベルの比は、レンズ要素がRFグランドを基準電圧とするときのロッドの端部の近くの周縁領域でのみ高くなる。
正の四重極DCを運ぶ極の方がRF振幅が小さいときにRF/DCフィルタの感度が向上することは、安定頂点の近くでの走査線の結果を調べることによって理解できる。四重極DCはRFコイルの同調にかかわらず平衡したままであるので、周縁領域内の走査線の勾配は、RFが不平衡であるときx-z平面とy-z平面とで異なる。具体的には、A極のRFが低い場合、走査線の勾配はx-z平面で大きくなり、y-z平面で小さくなる。
図3は、多重極計器において修正可能な漏れ磁場を生成するシステム10を示している。たとえば、多重極計器は、RF/DC質量分析計、RF専用質量分析計、イオントラップ型質量分析計、およびイオン・ガイドのうちの1つを含んでよい。システムは、第1の極対14、第2の極対16を有する導体構成12と、第1の極対14および第2の極対16の端部20の近くの終端装置18とを含んでいる。たとえば、終端装置18は端板またはレンズであってよい。システム10は、第1の電源22、第2の電源24、および第1の終端装置電源32をさらに含んでいる。システム10は、第1の終端装置18だけでなく、第1の極対14および第2の極対16の他方の端部30の近くの第2の終端装置28を含んでもよい。たとえば、第2の終端装置28は端板またはレンズであってよい。終端装置18は、入射装置であっても出射装置であってもよい。終端装置18が入射装置である場合、第2の終端装置28は出射装置であり、終端装置18が出射装置である場合、第2の終端装置28は入射装置である。システム10は第2の終端装置電源42を含んでもよい。多くの場合、電源22、24、32、および42を一体化することが可能である。
一例として、図3では、第1の終端装置18は、イオンがロッド・セット12に入射できるようにする8mmのメッシュで覆われたアパーチャを持つ入射レンズであり、第2の終端装置28は、同様にイオンがロッド・セット12に入射できるようにする8mmのメッシュで覆われたアパーチャを有してよい出射レンズである。終端装置18および28は、四重極場を終わらせる働きもする。
第1の電源22は第1の極対14に第1の電圧を印加し、一方、第2の電源24は第2の極対16に第2の電圧を印加する。
同様に、第1および第2の電圧を印加すると、入射装置18の近くで漏れ磁場が発生する。第1の終端装置電源32は、入射装置18に第1の終端装置電圧を印加し、第1の漏れ磁場をイオンの入射を容易にするように修正する。出射レンズ18が存在する状態で第1および第2の電圧を印加すると、出射レンズ28の近くで別の漏れ磁場が発生する。終端装置電源42は、出射装置28に第2の終端装置電圧を印加し、以下に詳しく説明するように漏れ磁場をイオンの出射を容易にするように修正する。
第1の漏れ磁場と第2の漏れ磁場はそれぞれ独立に修正することができる。さらに、漏れ磁場は、第1の電圧および第2の電圧を実質的に変更せずに修正することができる。したがって、第1の電圧および第2の電圧は、漏れ磁場に対する効果にかかわらず、どんな要件でも満たすように最適化することができる。次いで、それぞれの漏れ磁場を、ロッド・セット12に印加される最適な第1および第2の電圧に影響を与えずに独立に変更することができる。
図3では、第1の極対14は2つの導電ロッドを含み、第2の極対16も2つの導電ロッドを含んでいる。すべての4本のロッドは実質的に平行である。各ロッドは、円筒形であってよく、または一部が双曲線を表す断面を有してよい。4本のロッドは実質的に長さが同じである。第1の極対14の2つのロッドは、仮想ボックスの互いに向かい合う縁部上に位置し、第2の極対16の2つのロッドは、ボックスの他の互いに向かい合う縁部上に位置している。
図3は、イオントラップ型質量分析計において修正可能な漏れ磁場を生成するシステム10を示している。システム10は、RF/DC質量分析計、RF専用質量分析計、およびイオン・ガイドのような他の多重極計器に用いてもよい。
イオントラップ型質量分析計の場合、第1の極対14に印加される第1の電圧は第1のRF電圧であり、第2の極対16に印加される第2の電圧は第2のRF電圧であり、第1の電圧と第2の電圧は位相が180°ずれている。さらに、すべてのロッドにDCロッド・補正電圧が印加される。出射レンズ28には捕捉DC電圧も印加される。ただし、イオントラップ型質量分析計のロッドにDC分解電圧を印加する必要はない。RF/DC質量分析計の場合、当業者に知られているように、第1の電圧は第1のDC分解電圧を含み、第2の電圧は第2のDC分解電圧を含む。
出射レンズ28の近くの漏れ磁場を制御するために、出射レンズ28に印加される終端装置電圧は、第1の電圧と同位相の終端装置RF電圧である。終端装置電圧は、より大きな軸方向運動エネルギーをイオンに加えてイオンの出射を容易にし、それによって多重極計器の感度を高めるように漏れ磁場を修正する。
図4は、イオントラップ型質量分析計において漏れ磁場を生成し修正するシステム10を含む装置68の概略図である。装置68は、Q TRAP計器(Applied Biosystems/MDS SCIEX, Toronto, Canada)の、Q-q-Q線形イオントラップ型構成を有するQ TRAP計器種類である。装置68は、カーテン・ガス入射プレート70と、カーテンガス・差動排気領域71と、カーテン・ガス出射プレート72と、スキマープレート74と、ブルベーカー・レンズ75と、4組のロッドQ0、Q1、q2、およびQ3とを含んでいる。装置68は、ロッド・セットQ0およびQ1との間に終端四重極間アパーチャまたはレンズIQ1を含み、Q2とQ3の間にIQ2を含み、Q2とQ3の間にIQ3(出射レンズ18としても識別される)を含むと共に、出射レンズ28、偏向レンズ76、および検出器(チャネル電子増倍管)78をさらに含んでいる。レンズIQ1、IQ2、およびIQ3は、既知のように、イオンが通過することができるオリフィスまたはアパーチャを有している。
第1の四重極ロッド・セットQ1は、従来の三重四重極動作に続いて、質量分析器として働き所望の質量/電荷比のイオンを選択するように構成されている。このようなイオンは次いで、79に示されているように、衝突セルとして働くように構成され密閉された第2のロッド・セットQ2に入る。Q2の衝突セル内に形成された断片イオンは次いで、最後のロッド・セットQ3および検出器78によって質量分析される。
図3によれば、最後の四重極ロッド・アレイQ3は、第1の極対14および第2の極対16(図4には示されていない)を含み、質量選択的軸方向放出を行う線形イオントラップ型装置として動作するように構成されている。他の態様では、最後の四重極ロッド・セットQ3は、従来のRF/DC質量フィルタとして構成されている。
上記に識別された第1のモード、すなわち、線形イオントラップ型装置における動作の場合、印加されるDC電圧は、スキマープレート74の所でグランドであり、Q0の所で-10DCVであり、IQ1の所で11DCVであり、Q1の所で-11DCVであり、IQ2の所で-20DCVであり、Q2の所で-20DCVであり、IQ3の所で-21DCVであり、Q3上で-30DCVであり、出射レンズ28の所で0Vである。四重極に分解DC電圧が印加されることはない。
適切なイオン源、たとえば空気援用電子噴霧イオン源(図示せず)は、イオンを入射プレート70を通してカーテンガス・差動排気領域71内に噴射する。イオンは、カーテン・ガス出射プレート72から出て、約6 x 10-3トルに維持されたチャンバ内に配置されたRF専用四重極ガイドQ0に入る。Q0ロッドは、Q1イオン・セット駆動RF電圧の場合、1 MHzイオン源(図示せず)に容量結合される。四重極間アパーチャまたはレンズIQ1は、Q0チャンバおよび分析器チャンバをロッド・セットQ1から分離する。Q1 RF/DC四重極質量分析計の前方に配置された短いRF専用ブルベーカー・レンズ75は、Q1駆動RF電源に容量結合されている。
衝突セル79のロッド・セットQ2は、レンズIQ2とレンズIQ3との間に配置されている。衝突ガスとして窒素ガスが用いられている。Q2内のガス圧は、IQ2およびIQ3の導電率とターボ分子ポンプのポンピング速度とから算出される。代表的な動作圧力は、Q2では5 x 10-3トルであり、Q3では3.5 x 10-5トルである。衝突セル・ロッドQ2を駆動するのに用いられるRF電圧は、ロッド・セットQ3用の1.0 MHz RF電源から容量結合回路網を通して伝達される。
Q3四重極ロッド・セットは機械的にはQ1と同様である。装置68は、メッシュで覆われた8mmアパーチャを含む出射レンズ28と、直径が8 mmの透明アパーチャを含む偏向レンズ76とをQ3の下流側に含んでいる。通常、偏向レンズ76は、約200 Vで動作し、出射レンズ28に対して引き付けられ、Q3に捕捉されていたイオンをイオン検出器78の方へ引く。
検出器78は、パルス計数モードで動作し、入射イオンが正イオン検出の場合は-6 kVにフロートし、負イオンの検出の場合は+4 kVにフロートする入口を有するETP(オーストラリア、シドニー)離散型ダイノード電子増倍管であってよい。
動作時には、IQ1上のDCレンズ電圧を(イオンを停止させる)+20 Vから(イオン透過のための)-11 Vに変化させることによって、イオンの短いパルスがQ0からQ1に移ることができるようになる。ここで、Q1とQ2はどちらも単純なイオン・ガイドとして働く。イオンは、出射レンズ上の比較的高い電位によってQ3に捕捉され、次いで、Q3ロッドに印加されるRFを通常924 Vp-pから960 Vp-pまで上昇させることによって軸方向に走査される。次いで、そのロッドに印加されるRFを低電圧、通常10 Vp-pに低下させることによって、Q3からあらゆる残留イオンが除去される。イオンの軸方向放出は、補助二極AC電場を周波数380 kHzおよび振幅約1 VでQ3に印加し、次いでRF電圧を走査することによって行われることが多い。次にこのシーケンスが繰り返される。
図5は、出射レンズ28にRF電圧を印加するのに用いられる回路90を示している。同様の回路を用いてIQ3入射レンズ18にRF電圧を供給するか、または同様の混成回路を用いて入射レンズ18と出射レンズ28の両方にRF電圧を供給することができる。回路90は、第1の極対14と、第2の極対16と、補助電源92と、RF第1電源22と、出射レンズ28と、DC電源94と、抵抗器96と、Xコンデンサ93およびYコンデンサ97(ここではXおよびYは、四重極のx軸およびy軸とは無関係である)を含む終端装置電源26とを示している。
第1のRF電源22は第1の極対14に第1のRF電圧を供給する。第2のRF電源(図示せず)は同様に、第2の極対16に第2のRF電圧を供給する。補助電源92は、第1の極対14に補助AC電圧を供給し、第1の極対14と第2の極対16との間の領域からイオンを軸方向に放出する。補助ACは変圧器を通してRFに付加される。DC電源94は、電源に追加的なRFが現れないようにDC電圧を抵抗1Mohmを介して出射レンズ18に供給する。
終端装置電源26は、出射レンズ28に終端装置電圧を供給する。終端装置電圧は、第1のRF電圧と同相のRF電圧である。したがって、図5に示されているように、第1の電源22を分岐させて終端装置電源26用の電力を供給すると好都合である。(静電容量Xを有する)Xコンデンサ93および(静電容量Yを有する)Yコンデンサ97は、出射レンズ28に供給される、RF振幅の、第1の極対を駆動する部分を制御する容量分割回路網の一部を形成する。特に、RF振幅の、第1の極対を駆動する部分X/(X+Y)は出射レンズ28に供給される。
入射レンズ18(図3には示されていない)がある場合、第4の電源32(図示せず)は、入射レンズ18にRF電圧を供給する。この場合も、この部分は容量分割回路網であってよい。この場合、第1の極対14、入射レンズ18、および出射レンズ28に印加される電圧はすべて同相である。しかし、この3つの電圧の振幅は一般に同じではない。以下に詳しく論じるように、入射レンズ18および出射レンズ28へのRF電圧の振幅を変化させることによって、これらのレンズの近くに結果として得られる漏れ磁場をそれぞれ独立に修正することができる。終端装置電源26内のコンデンサ93および97の静電容量は、上述のように、出射レンズ28に供給される終端装置電圧の振幅が変化するように変化させることができる。
図6Aおよび6Bは、IQ3入射レンズ18にRF電圧を加えることの影響を示すスペクトルである。どちらのスペクトルもm/z = 906でのポリプロピレングリコールに関するスペクトルである。図6Aは、IQ3入射レンズ18にRFを付加せず、第1の極対14と第2の極対16に等しいRF電圧振幅を供給した場合に得られたスペクトルである。図6Bは、図5の回路と同様の回路を用いて駆動RFの約15%をIQ3入射レンズ18に供給した場合に得られたスペクトルである。すなわち、終端装置RF電圧の振幅は、第1の電圧の振幅の15%であり、第1の電圧と位相同期している。第1の電圧と第2の電圧は振幅が等しいが、それらの位相は180°ずれている。図6Bのピーク・イオン強度は有利なことに、図6Aの約6倍である。
RF専用透過質量分析計に関するHagerの米国特許第6,028,308号に記載されているように、RF/DC質量分析計の第1の極対14と第2の極対16にそれぞれの異なるRF振幅を印加し、それによって「不平衡」構成を得ることによって、有利なことに出射レンズの近くの漏れ磁場を修正することができる。極対に印加される電圧振幅を不平衡にすることによって漏れ磁場をどのように修正できるかを理解すると、終端装置18および28にRF電圧を印加することによって漏れ磁場をどのように制御すべきかが明らかになる。
漏れ磁場は、ロッドに印加されるRF電圧またはDC電圧を変化させることによって修正することができる。たとえば、四重極ロッド・アレイの2つの極対に対する相対的なRF電圧量を変化させると、入射漏れ磁場と出射漏れ磁場の両方を十分に変化させることができる。しかし、RFグランドを基準電圧として用いないと、2つの極対間のRF電圧比は不適切なものになる。これは、線形多重極の中央部のようにロッド端部から十分に離れた多重極構造内の場合に当てはまる。入射レンズおよび出射レンズによって生成される入射漏れ磁場および出射漏れ磁場ではRFグランドを基準電圧としている。このような条件の下では、多重極アレイの極対に対する相対的なRF電圧比は、重要であり、多重極イオン・ガイド、RF/DC質量分析計、RF専用質量分析計、および質量選択的線形イオントラップ型質量分析計の性能に著しく影響を与えることがある。
RF/DC四重極の動作時には、イオンは、負の四重極DCを運ぶ極のロッド同士の間で線形に偏向する傾向がある。すなわち、x軸上に位置する第1の極対が正の四重極DCを運ぶ場合、正のイオンは、z軸が軸方向であるy-z平面内で偏向する傾向がある。この傾向は、電場が軸方向成分を有さない四重極の中央部で検出可能であるが、四重極アレイの入射端部および出射端部の所の周縁領域で最も強く現れる。
質量分析計を通過する一群のイオンの軸方向エネルギーの分布の幅は、それらのイオンが漏れ磁場を透過するときに大きくなる。この条件は、出射と入射の両方およびRF専用漏れ磁場磁場とRF/DC漏れ磁場の両方に当てはまる。
一群のイオンが漏れ磁場を透過するときに受ける軸方向エネルギーの分布が広がる度合いは、RF電圧不平衡の度合いに応じて高くなる。たとえば、構成が平衡しており、すなわちX:Y = 100:100である(xは、x軸上に位置すると仮定される第1の極対に印加されるRF電圧の振幅であり、Yは、y軸上に位置すると仮定される第2の極対に印加されるRF電圧の振幅である)とき、軸方向分布は約50%広げられる。X:Y = 85:115のとき、軸方向分布は約1桁大きく広げられる。100:100から85:115までのX:Y比の範囲では、漏れ磁場を横切った後の一群のイオンの軸方向エネルギーの分布の幅の増大は、極平衡部分の一次関数であった。
特にm/zが高いときの、RF/DC質量スペクトル・ピークの強度および質は、Q3 RFタンク回路を不平衡にしたときに向上させることができる。具体的には、第1の極対(X極)が第2の極対(Y極)と比べて低いときに最大の強度が実現され、この関係は、RFレベルの比がX:Y = 0.85:1.15程度に高い場合に実証されている。X極がRF/DC動作時に正のDCを運び、質量選択的軸方向放射を行うのに用いられる補助AC電圧がX極ロッド間に印加されることに留意すべきである。さらに、極同士の間のRFレベルの比は、レンズ要素がRFグランドを基準電圧とするときのロッドの端部の近くの周縁領域でのみ高くなる。
正の四重極DCを運ぶ極の方がRF振幅が小さいときにRF/DCフィルタの感度が向上することは、安定頂点の近くでの走査線の結果を調べることによって理解できる。四重極DCはRFコイルの同調にかかわらず平衡したままであるので、周縁領域内の走査線の勾配は、RFが不平衡であるときx-z平面とy-z平面とで異なる。具体的には、X極のRFが低い場合、走査線の勾配はx-z平面で大きくなり、y-z平面で小さくなる。
上述のように、グランドを基準電圧としない場合、RF極同士の間の平衡条件は不適切であり、このことは線形四重極の中央2D部分に当てはまる。しかし、周縁領域では、出射レンズ28がその電源によってRFグランドを形成する。このような状態では、RFの極同士の間の平衡は、重要であり、選択的な軸方向放出に顕著な影響を及ぼす。しかし、零電位は任意であるので、すべての3つの要素(X極、Y極、および出射レンズ)に同じずれを加えても何も変わらない。したがって、出射レンズ28をグランドにして、X極上のRFレベルからある小数、たとえば15%を引き、Y極上のRFレベルを等価量だけ高くすることは、単に、隣接するレンズ要素に平衡RFレベルの15%を足すことと等価である。したがって、多重極ロッド・アレイに隣接するレンズに適切な位相のRF電圧を加えると、RFが印加される漏れ磁場においてのみ有効RF電圧平衡が変化する。これによって、RF電圧を平衡構成に維持しつつ入射漏れ磁場と出射漏れ磁場をそれぞれ独立に修正することができる。
終端装置にRF電圧を印加することによって、極対に印加されるRF電圧比にかかわらず多重極ロッド・アレイの入射漏れ磁場と出射漏れ磁場を同時に独立に最適化することができる。特に、最大のイオンm/z範囲にわたるイオンを投下させかつ/または捕捉するようにRF電圧を平衡構成で動作させることが望ましいことが多い。本発明は、多重極をRF電圧平衡構成に維持しつつ入射漏れ磁場および出射漏れ磁場を修正するのを可能にする。入射レンズおよび出射レンズに印加されるRF電圧の振幅を独立に制御可能に変化させることによって、極対に印加されるRF電圧を平衡構成に維持しつつ、入射漏れ磁場を最良のRF/DC四重極質量分析計性能が得られるように最適化し、同時に出射漏れ磁場を最良の軸方向放出線形イオントラップ型質量分析計性能が得られるように最適化することができる。
図7は、イオントラップ型質量分析計において漏れ磁場を生成するシステム120を示している。システム120は、第1の極対124、第2の極対126を有する四重極ロッド・セット122と、第1の極対124および第2の極対126の端部の近くの終端装置またはレンズ128とを含んでいる。システム120は、第1の電源130、第2の電源132、および補助電源134をさらに含んでいる。
終端装置128は、イオンが導体構成122に入射するかまたは導体構成122から出射するのを可能にする。第1の電源130は第1の極対124に第1のRF電圧を印加し、一方、第2の電源132は第2の極対126に第2のRF電圧を印加する。補助電源134は、第1の極対124に補助電圧、たとえばAC電圧を供給してイオントラップ型質量分析計に捕捉されているイオンを放出させる。第1の電圧の振幅は、第2の電圧の振幅と異なり、それによって、イオンの入射または出射を容易にする漏れ磁場を終端装置の近くで生成する。
図8A、8B、および8Cは、3つの異なる動作条件の下で得られた3つのイオントラップ型質量スペクトルを示している。図8Aは、平衡RF構成によって、出射レンズ128にRFを付加せずに得られたスペクトルである。図8Bは、A極およびB極に印加される電圧の比、すなわちA:B極比が約0.85:1.15になるような不平衡RF電圧を用いるが、出射レンズ128にRFを付加せずに動作させることによって得られたスペクトルである。図8Cは、平衡RF構成により、出射レンズ128にA極RFの15%を印加することによって得られたスペクトルである。
図8A〜8Cの3つのスペクトルは、イオン強度が同様であるが、最後の2つのスペクトルは、最初のスペクトルよりもかなり優れた質量分解能を示している。この分解能の差は、不平衡RF電圧を用いて動作させるかまたは適切な位相のRF電圧を出射レンズ128に付加することによって出射漏れ磁場が修正されたときに、軸方向に放出されるイオンにそれぞれの異なる力が作用した結果である可能性が高い。実験において、このことは、不平衡RF電圧を用いるかまたは出射レンズに直接RFを印加することによって出射漏れ磁場に適切な位相のRFを付加する場合に軸方向放出段階中に必要とされる最適な出射レンズ電圧が大幅に高くなることによって分かる。この出射レンズ電圧は、捕捉されたイオンに力をかけ、RF力をある程度平衡させる。より斥力の大きい出射レンズ電圧が必要であることは、捕捉されたイオンに作用するRF力が増大したことを強く示している。図6A〜6Cを見ると分かるように、この結果、優れた質量スペクトル性能が得られている。
本発明の前述の各態様は、例示的なものであり、制限的なものでも網羅的なものでもない。たとえば、質量分析計を用いることが強調されているが、イオン・ガイドのような他の多重極計器は本発明の原則から利益を得ることができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって制限されるに過ぎない。
さらに、上述のように、本発明は、様々な多重極ロッド・セットを有する計器に一般的に適用可能であるが、特に四重極ロッド・セットに適用可能であると考えられる。語「ロッド・セット」が使用されているが、各「ロッド」が、所有の機能に適した任意の形状を有してよく、かつ少なくとも導電性の外部を有することを理解されたい。円形または双曲線状のロッドが好ましい。
本発明をより良く理解すると共に、本発明をどのように実施できるかをより明確に示すために、次に、一例として添付の図面を参照する。
四重極計器の安定領域を示すグラフである。 図1に示されている安定領域を簡略化した図である。 本発明の教示による、多重極計器において修正可能な漏れ磁場を生成するシステムを示す図である。 本発明の教示による、イオントラップ型質量分析計において漏れ磁場を生成し修正するシステムを含む装置の概略図である。 図3の出射レンズにRF電圧を印加するのに用いられる回路を示す図である。 図6Aおよび6Bは、図3の入射レンズにRF電圧を加えることの影響を示すスペクトルを示す図である。 。 本発明による、イオントラップ型質量分析計において漏れ磁場を生成するシステムを示す図である。 図8A、B、Cは、3つの動作条件の下で得られた3つのイオントラップ型スペクトルを示す図である。

Claims (46)

  1. (a)第1と第2の終端を有する、少なくとも第1の極および第2の極を含むロッド・セットを提供する段階;
    (b)ロッド・アレイの第1の終端に隣接する第1の終端装置を提供する段階;
    (c)第1の極のRF電圧を第1の極に印加する段階;
    (d)第2の極のRF電圧を第2の極に印加する段階であって、第2の極のRF電圧は第1の極のRF電圧と位相が180°ずれており、かつ第1の極のRF電圧が、第2の極のRF電圧の振幅とほぼ等しい振幅を有する、段階;
    (e)第1の終端装置のDC電圧を第1の終端装置に印加し、それにより、ロッド・アレイの第1の終端に隣接するイオン・ガイドに第1の漏れ磁場を生成する段階;および
    (f)第1の終端装置のRF電圧を第1の終端装置に印加する段階であって、第1の終端装置のRF電圧が、第1の極のRF電圧と同位相である、段階
    を含む、質量分析計の多重極イオン・ガイドを操作する方法。
  2. 第1および第2のRF電圧の振幅を実質的に変化させることなく第1の終端装置のRF電圧の振幅を変化させることによって、第1の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 第1の極のDC電圧を第1の極に印加する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 第1の極のDC電圧を変化させることによって第1の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む請求項3記載の方法。
  5. 第2の極のDC電圧を第2の極に印加する段階をさらに含む方法であって、第1の極のDC電圧が第2の極のDC電圧の大きさと等しい大きさを有する、請求項3記載の方法。
  6. 第2の極のDC電圧を変化させることによって第1の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項5記載の方法。
  7. 第2の極のDC電圧を第2の極に印加する段階をさらに含む方法であって、第1の極のDC電圧が第2の極のDC電圧の大きさよりも大きい大きさを有する、請求項3記載の方法。
  8. 第2の極のDC電圧を変化させることによって第1の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項7記載の方法。
  9. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズである、請求項1記載の方法。
  10. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズである、請求項1記載の方法。
  11. (g)ロッド・アレイの第2の終端に隣接する第2の終端装置を提供する段階;および
    (h)第2の終端装置のRF電圧を第2の終端装置に印加し、それにより、ロッド・アレイの第2の終端に隣接するイオン・ガイドにおいて第2の漏れ磁場を生成する段階であって、第2の終端装置のRF電圧が、第1の極のRF電圧と同位相である、段階
    をさらに含む、請求項1記載の方法。
  12. 第1および第2の極のRF電圧を実質的に変化させることなく第2の終端装置のRF電圧の振幅を変化させることによって、第2の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項11記載の方法。
  13. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズであり、かつ第2の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズである、請求項11記載の方法。
  14. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズであり、かつ第2の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズである、請求項11記載の方法。
  15. (g)ロッド・アレイの第2の終端に隣接する第2の終端装置を提供する段階;および
    (h)第2の終端装置のRF電圧を第2の終端装置に印加し、それにより、ロッド・アレイの第2の終端に隣接するイオン・ガイドにおいて第2の漏れ磁場を生成する段階であって、第2の終端装置のRF電圧が、第2の極のRF電圧と同位相である、段階
    をさらに含む、請求項1記載の方法。
  16. 第1および第2の極のRF電圧を実質的に変化させることなく第2の終端装置のRF電圧の振幅を変化させることによって、第2の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズであり、かつ第2の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズである、請求項15記載の方法。
  18. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズであり、かつ第2の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズである、請求項15記載の方法。
  19. ロッド・アレイが、4つの極ロッドを有する四重極であり、かつ第1の極が第1の極ロッドの対を含み第2の極が第2の極ロッドの対を含む、請求項1記載の方法。
  20. 第1の極ロッドを、ロッド・アレイの軸を越えて互いに逆側に位置付け、かつ第2の極を、ロッド・アレイを越えて互いに逆側に位置付ける段階を含む、請求項19記載の方法。
  21. 第1の極ロッドおよび第2の極ロッドを、ロッド・アレイの軸に対し実質的に平行に位置付ける段階を含む、請求項19記載の方法。
  22. ロッド・アレイが、6つの極ロッドを有する六重極であり、かつ第1の極が該極ロッドのうちの3つを含み、第2の極が他の3つの極ロッドを含む、請求項1記載の方法。
  23. ロッド・アレイが、8つの極ロッドを有する八重極であり、かつ第1の極が該極ロッドのうちの4つを含み、第2の極が他の4つの極ロッドを含む、請求項1記載の方法。
  24. (a)少なくとも第1の極および第2の極を含むロッド・セットを提供する段階;
    (b)ロッド・アレイの一端と隣接する終端装置を提供する段階;
    (c)第1の極のRF電圧を第1の極に印加する段階であって、第1の極のRF電圧が極のRF振幅を有する、段階;
    (d)第2の極のRF電圧を第2の極に印加する段階であって、第2の極のRF電圧が、前記極のRF振幅とほぼ等しい振幅を有し、かつ第2のRF電圧が、第1の極のRF電圧と位相が180°ずれている、段階;
    (e)終端装置のDC電圧を第1の終端装置に印加し、それにより、ロッド・アレイの一端に隣接するイオン・ガイドにおいて漏れ磁場を生成する段階;
    (f)変動可能な第1の終端装置のRF電圧を該終端装置に印加する段階であって、第1の終端装置のRF電圧が、第1の極のRF電圧と同位相であり、それにより、第1の終端装置のRF電圧を変化させることによって漏れ磁場を修正する、段階
    を含む、多重極イオン・ガイドにおいて、修正可能な漏れ磁場を生成する方法。
  25. 第1の終端装置のRF電圧の振幅を変化させることによって第1の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項24記載の方法。
  26. 第1の極のRF電圧を分圧器を用いて分割することによって、第1の終端装置のRF電圧を生じる段階をさらに含む、請求項24記載の方法。
  27. 分圧器が容量分圧器である、請求項26記載の方法。
  28. 第1の極ロッドおよび第2の極ロッドのそれぞれを、ロッド・アレイの軸に対して実質的に平行に位置付ける段階を含む方法であって、第1の極が、第1の極ロッドを2つ以上含み、かつ第2の極が、第2の極ロッドを2つ以上含む、請求項24記載の方法。
  29. ロッド・セットが四重極ロッド・セットであり、第1の極が第1の極ロッドを2つ含み、かつ第2の極が第2の極ロッドを2つ含む、請求項28記載の方法。
  30. 第1の極ロッドを、ロッド・アレイの軸に関して互いに正反対に位置付け、かつ第2の極ロッドを、ロッド・アレイの軸に関して互いに正反対に位置付ける段階を含む、請求項29記載の方法。
  31. 第1の極ロッドおよび第2の極ロッドを、第1の極ロッドの軸によって画成される第1の平面および第2の極ロッドの軸によって画成される第2の平面が互いに垂直であるように位置付ける段階を含む、請求項30記載の方法。
  32. ロッド・セットが六重極であり、かつ第1および第2の極がそれぞれ3つの極ロッドを含む、請求項28記載の方法。
  33. ロッド・セットが八重極であり、かつ第1および第2の極がそれぞれ4つの極ロッドを含む、請求項28記載の方法。
  34. 終端装置のRF振幅を変化させることによって漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項24記載の方法。
  35. 第1の極のDC電圧を第1の極に印加する段階をさらに含む、請求項24記載の方法。
  36. 第1の極のDC電圧を変化させることによって第1の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項35記載の方法。
  37. 第2の極のDC電圧を第2の極に印加する段階をさらに含み、かつ第2の極のDC電圧を変化させることによって第1の漏れ磁場を変化させる段階を含む方法であって、第1の極のDC電圧が第2の極のDC電圧の大きさとほぼ等しい大きさを有する、請求項35記載の方法。
  38. 第2の極のDC電圧を第2の極に印加する段階をさらに含み、かつ第2の極のDC電圧を変化させることによって第1の漏れ磁場を変化させる段階を含む方法であって、第1の極のDC電圧が第2の極のDC電圧の大きさとは異なる大きさを有する、請求項35記載の方法。
  39. (g)ロッド・アレイの第2の終端に隣接する第2の終端装置を提供する段階;および
    (h)第2の終端装置のRF電圧を第2の終端装置に印加し、それにより、ロッド・アレイの第2の終端に隣接するイオン・ガイドにおいて第2の漏れ磁場を生成する段階であって、第2の終端装置のRF電圧が、第1の極のRF電圧と同位相である、段階
    をさらに含む、請求項24記載の方法。
  40. 第1および第2の極のRF電圧を実質的に変化させることなく第2の終端装置のRF電圧の振幅を変化させることによって、第2の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  41. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズであり、かつ第2の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズである、請求項39記載の方法。
  42. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズであり、かつ第2の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズである、請求項39記載の方法。
  43. (g)ロッド・アレイの第2の終端に隣接する第2の終端装置を提供する段階;および
    (h)第2の終端装置のRF電圧を第2の終端装置に印加し、それにより、ロッド・アレイの第2の終端に隣接するイオン・ガイドにおける第2の漏れ磁場を生成する段階を含む段階であって、第2の終端装置のRF電圧が、第2の極のRF電圧と同位相である、段階
    をさらに含む、請求項24記載の方法。
  44. 第1および第2の極のRF電圧を実質的に変化させることなく第2の終端装置のRF電圧の振幅を変化させることによって、第2の漏れ磁場を修正する段階をさらに含む、請求項43記載の方法。
  45. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズであり、かつ第2の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズである、請求項43記載の方法。
  46. 第1の終端装置が、イオンがイオン・ガイドから出射するのを調節するための出射レンズであり、かつ第2の終端装置が、イオンがイオン・ガイドに入射するのを調節するための入射レンズである、請求項43記載の方法。
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