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JP4770152B2 - エアバック用原糸パッケージ、それを用いたエアバック用基布およびエアバック用原糸パッケージの製造方法 - Google Patents
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JP4770152B2 - エアバック用原糸パッケージ、それを用いたエアバック用基布およびエアバック用原糸パッケージの製造方法 - Google Patents

エアバック用原糸パッケージ、それを用いたエアバック用基布およびエアバック用原糸パッケージの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エアバッグ用原糸パッケージおよびそれを用いたエアバッグ用基布に関するものである。詳しくは、製織性に優れ、織り斑などの基布欠点が少ない高品質のエアバッグ用基布を得ることができ、特にエアジェットルーム製織に適したエアバッグ用原糸パッケージ、およびそれを用いたインフレータブルカーテンエアバッグ用に好適なエアバッグ用基布に関するものである。
交通安全意識の向上に伴い、乗員保護の立場からエアバッグの装着率は年々高まりつつあり、運転席や助手席用エアバッグは新車での装着が概ね標準仕様となっている。そして、従来の運転席用および助手席用エアバッグに加え、サイドエアバッグ、ニーエアバッグなどの装着率も向上しており、また最近は側面からの衝突時に乗員を保護するためのエアバッグの装着が急速に進みつつある。
この主に側部からの衝突によって横転した時に、乗員の頭部を保護するためのエアバッグは、インフレータブルカーテンエアバッグと呼ばれている。インフレータブルカーテンエアバッグは、側突時や横転時に感知するセンサーと連結したガス発生装置と、そのガス発生装置と連結したエアバッグからなり、このエアバッグは、通常は袋状の細長い複数のセルからなっている。
運転席や助手席用エアバッグは、衝突してバッグが展開した後、主に人体の顔面とバッグとの衝撃を吸収するために、瞬時に内圧を下げるようにガスが抜けるよう設計されている。バッグ展開後のガス抜きは、コートエアバッグではベントホールによって、また、ノンコートエアバッグではバッグ基布の通気性を制御して行われている。一方、インフレータブルカーテンエアバッグは、バッグの展開後、内圧を数秒から10秒程度保持して、車輌が横転してもバッグがクッションとなり乗員を保護できるように設計されている。つまり、通常は袋織または袋状に縫製したノンコーティング状態でも十分な低通気性能を有する高密度織物の表面に、エラストマー樹脂をコーティングして気密性をさらに高めて用いられているのである。
従来、運転席用および助手席用エアバッグの基布には、ウォータージェットルーム製織が最も好ましく採用されてきた。しかし、インフレータブルカーテンエアバッグの細長く複雑なパターンを、基布から有効に裁断するためには、織物幅は広いほど有利である。すなわち、織物幅の広い製織が可能なエアージェットルーム製織が、製織効率も良好なことから、従来のウォータージェットルームに代わって適用されつつある。
そして、これらエアージェットルーム製織の利点を生かし、高効率でかつ高品質なエアバッグ用基布を得るためには、これまで求められてきた以上の製織停台回数や布帛欠点発生率の減少が必要であり、より高品質なエアバッグ用原糸が求められるようになったが、これらの目的は未だ充分には達成されていない。
高効率でかつ高品位なエアバッグ用基布を得るためだけではなく、収納性や低通気性能などのエアバッグとしての種々の要求特性を満たすことを目的として、従来から数多くの技術が提案されているが、最近ではなかでも交絡に着目した提案が多い。
例えば、廉価に要求される織布特性に不利な影響を及ぼすことなく織布に加工することができ、かつさらにそれから製造された織布が特に折り畳み性および柔軟性に関して改良されたノンコートエアバッグ用織布を得るための方法として、糸が開口長さ2〜10cmを有し、糸の交絡点の安定性に関する係数K1、K2をそれぞれ0.6以上、0.3以上とする技術(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
また、製織効率を損なうことなく高度の非ガス透過性を有し、均一なコーティングにより高品質のコートエアバッグを得る方法として、交絡部の直径および非交絡部の直径のばらつきを共にCV値で20%以下とし、15〜60個/mの交絡数を有する交絡糸に、湿潤状態で2.2cN/dtexの張力をかけて緊張処理した後の交絡数を5個/m以下とする技術(例えば、特許文献2参照)も提案されている。
これら従来の技術によれば、確かにウォータージェットルームを用いた製織の場合の工程の通過性が改良され、より高品質なエアバッグ基布を得ることができるが、エア−ジェットルームを用いた製織には必ずしも適したものではなく、ノンコート基布でも十分な低通気性能を持ち、さらに均一なコーティングを可能とするには満足できる技術ではなかった。
特開平8−311733号公報 特開2001−288638号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、製織性に優れ、織り斑などの基布欠点が少ない高品質のエアバッグ用基布を得ることができ、特にエアジェットルーム製織に適したエアバッグ用原糸パッケージ、およびそれを用いたインフレータブルカーテンエアバッグ用に好適なエアバッグ用基布の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明によれば、エアージェットルームによって製織する際に用いられるヨコ糸用原糸であって、交絡数(I)が12〜30個/m、この交絡数のバラツキ(CV値)が3〜15%の原糸が巻き取られたパッケージであり、巻き取られた原糸の巻始めから3000m中における交絡数の最大値と最小値の差が2個/m以下であり、かつこのパッケージ内の交絡数(I)の最大値(IMAX)と最小値(IMIN)が、下記式(A)および(B)の関係を同時に満たすことを特徴とするエアバッグ用原糸パッケージが提供される。
MAX−IMIN≦3(個/m)・・・(A)
(IMAX−IMIN)/((IMAX+IMIN)/2)≦0.16・・・(B)
なお、本発明のエアバッグ用原糸パッケージにおいては、
巻き取られた原糸の連続した任意の5000m中における交絡数の最大値と最小値の差が2.5個/m以下であること、および
前記原糸の総繊度が200〜700dtex、単糸数が30〜250本、沸騰水収縮率が5〜10%、付着油分量が0.5〜1.5重量%であること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件の適用によりさらにすぐれた効果を期待することができる。
また、本発明のエアバッグ用基布は、上記のエアバッグ用原糸パッケージから解舒して得られた原糸を、タテ糸およびヨコ糸、またはヨコ糸として用い、下記式(C)で示されるカバーファクター(K)が1800〜2700の範囲で製織してなることを特徴とする。
K=Nw×(0.9Dw)1/2+Nf×(0.9Df)1/2 ・・・(C)
但し、Nw:タテ糸密度(本/インチ)
Dw:タテ糸繊度(dtex)
Nf:ヨコ糸密度(本/インチ)
Df:ヨコ糸繊度(dtex)。
さらに、本発明のエアバッグ用基布においては、
エアージェットルームによって製織されたこと、
シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリクロロプレンゴムから選ばれたエラストマー樹脂を塗布したコーティング基布であること、および
インフレータブルカーテンエアバッグ用であること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件の適用によりさらにすぐれた効果を期待することができる。
さらにまた、本発明の上記エアバッグ用原糸パッケージの製造方法は、紙管切替時の巻取り張力アップをせず、定常巻取り張力と同じ張力値にて切替を実施することを特徴とし、交絡付与装置通過後5〜20cmの位置で測定した定常巻取り張力が0.15〜0.20cN/dtexであることが好ましい条件である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、製織性に優れ、織り斑などの基布欠点が少ない高品質のエアバッグ用基布を与えることができ、特にエアジェットルーム製織に適したエアバッグ用原糸パッケージが得られる。
また、本発明によれば、従来の技術では達成できなかったエアバッグ用基布、特にインフレ−タブルカ−テン用基布としての優れた品位を有し、かつエア−ジェットル−ムによって製織され、効率的な裁断が可能な広幅のエアバッグ用基布を得ることができる。

以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージは、交絡数(I)が12〜30個/m、この交絡数のバラツキ(CV値)が3〜15%の原糸が巻き取られたパッケージであり、かつこのパッケージ内の交絡数(I)の最大値(IMAX)と最小値(IMIN)が、下記式(A)および(B)の関係を同時に満たすことが必要である。
通常のエアバッグ用原糸の製造においては、原糸を巻取る直前に、走行する糸条に略直角方向から高圧空気を噴射させて糸条に交絡を与え、集束させる。この糸条交絡処理によって集束された糸条は、撚糸工程や糊付け工程を省略して、整経および製織することができる。従来のエアバッグ用原糸の交絡数のバラツキは、チ−ズ間では比較的小さく、チ−ズ内、つまり糸条の長さ方向のバラツキが大きいものであった。また一般に交絡数が少ないほど交絡数のバラツキCV値(%)は大きくなり、交絡数が多いほどCV値は小さくなる。かかる交絡数が少なくCV値の大きい部分は、特にヨコ糸として打ち込まれた時に糸条が弛んだまま織り込まれ、生機の織り斑として顕れる。この現象は、従来のウォ−タ−ジェットル−ムで製織した場合にはほとんど見られなかったことであり、特にエア−ジェットルームで製織した際に顕著となる。
ウォ−タ−ジェットル−ムで製織した場合、ヨコ糸の交絡は解ジョ張力および製織時の測長および緯糸打ち込み時の水流の抵抗によって殆ど解ジョされ、基布の残留交絡は概ね0〜5ケ/m程度となる。しかも、ウォ−タ−ジェツトル−ムで製織すると、タテおよびヨコ糸は吸水して、チ−ズに巻き取られた時に生じた歪み、例えば巻き取り張力の変化で生じた歪みなどに起因する交絡特性の変化によるヨコ糸飛走性への影響を緩和させることができていた。
しかしながら、エアジェットル−ムでは、ヨコ糸の飛走性が交絡特性に大きく影響され、開繊長が長く糸条の集束性が低い部分、つまり交絡数が少ない部分ほど飛びやすくなる。したがって、原糸の交絡のバラツキが大きい場合は、飛走性を一定にコントロールすることが困難となり、ヨコ糸の一部が二重以上に折りたたまれた状態のまま打ち込まれ、生機の織り斑として持ち込まれることになる。特に、ヨコ糸はチ−ズの最内層部から最外層部を含む全糸が使用されるため、交絡の少ない部分が織り斑となり、十分な低通気性を有する高密度織物を得ることができないばかりか、基布に樹脂加工を施すと樹脂の付着斑となり、明らかな欠点となるため製品にはなり得ない。しかも、生じた織り斑は生機段階で発見されにくいため、被害を最小に抑えることが難しかった。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージにおいては、原糸の交絡数(I)は12〜30個/mであることが必要であり、好ましくは15〜25個/m、より好ましくは17〜23個/mである。交絡数が12個/m未満であると、糸条の集束性が劣るため、整経工程や製織工程で糸割れを起こし、ガイドなどに引掛かって毛羽を発生し易くなるとともに、製織工程をストップさせる原因となり、また基布の品位も劣るものとなるため好ましくない。さらに交絡数のバラツキが本発明の範囲を超えて大きくなりやすく、織り斑を抑制することが難しくなる。一方、交絡数が30個/mを越えると、一般に交絡部の強度が高い交絡が形成されるため、通常の整経および製織工程で交絡が解れないばかりか、精練工程を経ても交絡が残ることが多く、特に製織中にヨコ糸交絡が解れにくいエアージェットルームを用いた場合には、交絡が残留しやすくなる。このような場合は、交絡が残ったままの基布に樹脂コ−トされるため、コ−ト基布は平滑でなかったり、塗布する樹脂量が多くなったりするという不具合が招かれることになる。また、単糸タルミが増加し、製織時の停台回数が増加傾向になり、さらにヨコ糸を飛走させるために多くのエアーを必要とするため、この点でも好ましくない。
また、本発明のエアバッグ用原糸パッケージにおいては、交絡数のバラツキ(CV値)が3〜15%であることが必要であり、好ましくは3〜10%、さらに好ましくは3〜8%である。CV値が3%未満の交絡糸を得ることは、現状の技術では非常に難しく、またCV値が15%を超えると、上記したようにヨコ糸の織り斑が生じることから好ましくない。
さらに、本発明のエアバッグ用原糸パッケージにおいては、1つの原糸パッケージ内の交絡糸における交絡数の最大値(IMAX)と最小値(IMIN)が、上記式(A)および(B)の関係を同時に満たさない場合は、交絡数とそのバラツキが変化する部分の飛走が不安定となりやすい。そして、現状のヨコ糸打ち込み時のエアー圧力自動調整装置では、ヨコ糸を常に一定の飛走能力で打ち込むことが困難となるため、織り斑が生じやすい結果となる。なお、上記式(A)および(B)は、原糸パッケージ内の長手方向において交絡が均一であることを意味する。単糸繊度が太いなどの理由で交絡を多く付与することが難しい場合には、チーズ内の交絡数の変化量をより小さくすることによって、ヨコ糸打ち込み時のエアー圧力を制御しやすくし、ヨコ糸飛走性を安定させることにより本発明の効果を発揮することができる。
また、本発明のエアバッグ用原糸パッケージは、巻き取った原糸の連続した任意の5000m中の交絡数の最大値と最小値の差が2.5個/m以下であることが好ましい。より好ましくは1個/m以下である。連続した任意の5000m中の交絡数の最大値と最小値の差が2.5個/mを超えて変化した場合は、ヨコ糸の打ち込み速度にもよるものの、短時間のうちに打ち込むヨコ糸の交絡が変化することになり、エアー圧力自動調整機能による制御が不安定になりがちであり、上記したとおりヨコ糸の飛走性が不安定となり、織り斑が発生しやすくなるため好ましくないのである。
さらに、本発明のエアバッグ用原糸パッケージは、巻き取った原糸の巻始めから3000m中の交絡数の最大値と最小値の差が2個/m以下であることが好ましい。より好ましくは1個/m以下である。通常、エアバッグ用原糸の巻取りにおいては、一方のスピンドルでチ−ズ状に所定量巻取られて満管となった時、自動的に待機側スピンドル側に切替えられる。その切替成功率を高めるために、通常は、初期の巻取り速度が定常時より速くなるように設定され、結果として巻取り初期においては通常の巻取り時より張力が高くなる。そして、この巻取り張力は、通常完全には交絡処理中の糸条の張力とは分断されていないため、切替後の初期巻取りでの高い張力は交絡処理時の糸条に伝わり、高い張力の下で交絡処理される。したがって、チ−ズ切替完了後の高い初期張力で走行する糸条には交絡がかかり難く、交絡数が減少する。つまり、従来は切替後、初期の交絡数の平均値が通常の巻取り時に比較して30〜80%に減少するばかりか、交絡数のバラツキが極端に大きくなっていた。また、付与された交絡がほぐれて低下していた。しかし、原糸の交絡数変化を抑制して巻き取ることによって、エアバッグ用基布の織り斑として実質的に顕在化させないで済むことを本発明では見出したのである。すなわち、生機および精練処理後の基布、そしてコ−ト基布のいずれにおいても織り斑が顕在化しないことを見出したのである。巻き取った原糸の巻始めから3000m中の交絡数の最大値と最小値の差が2個/mを超える場合は、上記のようにヨコ糸の飛走性が不安定となり、織り斑が生じやすくなるため好ましくない。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージに巻き取る原糸の総繊度は200〜700dtexが好ましく、より好ましくは235〜550dtexである。200dtex未満ではエアバッグ用基布として十分な強力を得にくい。一方、700dtexを越えると、エアバッグ用基布は厚く硬くなりやすく、特にインフレ−タブルカ−テン用としては好ましくない。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージに巻き取る原糸の単糸数は30〜250本が好ましく、より好ましくは、40〜200本である。30本未満では単糸の繊度が太いため、エアバッグ用基布として硬く、折り畳み難いバッグとなり、また交絡を数多く付与することが難しくなるため好ましくない。250本を越えると、確かに柔軟なエアバッグ用基布にはなるものの、現行技術では高強度で毛羽の少ないエアバッグ用原糸を安定して製造することが困難となるため好ましくない。なお、上記本発明の好ましい総繊度および単糸数を満足するエアバッグ用原糸の好ましい単糸繊度は1〜7dtexである。更に好ましくは2〜5dtexである。例えば、総繊度、単糸数を各々235dtex−36〜108本、350dtex−72〜144本、470dtex−72〜144本、700dtex−108〜250本などとし、基布設計に適した繊度構成を持つエアバッグ用原糸を得ることができる。
また、本発明のエアバッグ用原糸パッケージに巻き取る原糸の沸騰水収縮率は、5〜10%であることが好ましく、より好ましくは、6〜9%である。5%未満では、インフレータブルカーテンエアバッグ用として、充分な織り密度を有した低通気性基布とすることが難しくなるため好ましくない。10%を超える場合は、繊維の寸法安定性が悪いため、取り扱いが難しくなるばかりか、満管チーズ切替の際の張力アップを一定にコントロールすることが難しくなり、巻始めからの交絡数の最大値と最小値の差を本発明の好ましい範囲内に制御しにくくなるため好ましくない。
さらにまた、本発明のエアバッグ用原糸パッケージに巻き取る交絡糸の付着油分量は0.5〜1.5重量%が好ましく、より好ましくは、0.7〜1.2重量%である。0.5重量%未満では毛羽の少ないエアバッグ用原糸を安定して製造することが困難である。1.5重量%を超える場合は、精錬後に残留した油分量が多くなりコート樹脂との接着性が悪くなったり、緯糸の飛走性にも影響を与えたりするため好ましくない。
また、本発明のエアバッグ用原糸パッケージに巻き取る原糸は、強度が6〜10cN/dtexの範囲であることが好ましく、より好ましくは、7〜9cN/dtexである。6cN/dtex未満ではエアバッグ用基布としての十分な強度が得られにくくなる。一方、10cN/dtexを越える高強度の原糸も得られはするものの、エアバッグ用基布として重要な、毛羽が少なく品位の良い原糸を安定して製造することが、現行技術では困難である。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージに用いられる合成繊維マルチフィラメントは、上記本発明で特定した交絡特性を満足するものであれば素材を限定しないが、特にナイロン66、ナイロン6、ナイロン46などのポリアミド繊維、およびポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−トなどのポリエステル繊維であることが好ましい。また、上記それぞれのポリマを主成分とした共重合ポリマ、またはブレンドポリマなどを用いることもできる。
また、本発明のエアバッグ用原糸パッケージに用いられる合成繊維マルチフィラメントの単糸断面形状は、上記本発明で特性した交絡特性を満足するものであれば特に限定されるものではなく、円形でもY型、V型、扁平型等の非円形でも用いることができる。
本発明のエアバッグ用基布は、上記で特定したエアバッグ用原糸パッケージから解舒したタテ糸およびヨコ糸、またはヨコ糸を用いて得られ、生機段階では、カバ−ファクタ−が1800〜2700のエアバッグ用基布であることが好ましい。より好ましくは、2000〜2400である。
なお、カバ−ファクタ−(K)は、織物構成密度と繊維糸条の繊度の平方根の積であり、次式(C)から求められる。
K=Nw×(0.9Dw)1/2+Nf×(0.9Df)1/2 ・・・(C)
但し、Nw:タテ糸密度(本/インチ)
Dw:タテ糸繊度(dtex)
Nf:ヨコ糸密度(本/インチ)
Df:ヨコ糸繊度(dtex)
カバーファクターが1800未満では織密度が低いことから、引張り強力、引裂き強力、破裂強度などの機械的特性や低通気性能が劣ることになるため好ましくない。特に袋織りの場合、袋部境界での強度が低くなりこの境界部での目ズレなどを引き起こすため、内圧保持性能が劣ることにもなり、インフレ−タブルカ−テンとして十分な機能をもつことができない。一方、カバーファクターが2700を越える高密度織物は、コ−ト基布としては不要である。この場合にはむしろ基布が厚く硬くなり、コンパクトなインフレ−タブルカ−テンエアバッグが得られず、かつ原糸を多く必要とし、製織コストもかかることから好ましくない。
また、本発明のエアバッグ用基布は、エア−ジェットル−ムで製織された生機の段階では、油分付着量が0.3〜1.5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.4〜1.2重量%である。この値は、エアバッグ用原糸に付与される油分量と実質的に同じである。従来のウォ−タ−ジェットル−ム製織での油分付着量は約0.2重量%以下、通常は0.05〜0.1重量%であり、これは製織時に水中に油剤が脱落することによる。
本発明エアバッグ用基布は、上記した通り、本発明のエアバッグ用原糸パッケージから解舒したタテ糸およびヨコ糸、またはヨコ糸をエア−ジェットル−ムで製織することが特に好ましいが、エア−ジェットル−ムとしては、は本発明で特定した原糸を用い、特定したカバ−フアクタ−の基布を、織幅1〜4m、回転速度300〜1000rpmで製織できるものであれば機種を問わず用いることができる。
そして、本発明エアバッグ用基布として得られた生機を精練処理した基布は、油分量が0.05〜0.3重量%、通常は0.08〜0.6重量%である。精練によって油剤は洗浄除去されるものの、比較的高密度の基布のため、上記の油分が残存することになる。ウォ−タ−ジェットル−ムで製織した基布の油分が、精練しなくても通常0.05〜0.1重量%、精練した場合は、0.01〜0.05重量%であるのとは相違する。
本発明エアバッグ用基布は、主にインフレ−タブルカ−テンエアバッグ用として用いるため、樹脂エラストマーなどによりコ−トされる。基布の表面に塗布する樹脂は、シリコ−ン樹脂、ポリウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、ナイロン樹脂などが用いられるが、特にシリコ−ン樹脂の使用が好ましい。基布表面の樹脂付着量は、5〜80g/m、好ましくは10〜50g/mである。樹脂付着量が5g/m未満であると、樹脂の均一付着が困難であり、一方80g/mを越えると基布が厚く硬くなるため好ましくない。
上記本発明で特定した原糸パッケージから解舒した原糸を用い、エア−ジェットル−ムで製織した生機、および精練処理した基布および樹脂コ−トしたコ−ト基布は、高強度で、柔軟で、かつ折り畳んだ時にコンパクトで、かつ品位に優れた基布であり、インフレ−タブルカ−テンエアバッグ用として好適である。
本発明の優れた品位を有するエアバッグ用基布に好適な、特定の交絡特性を有するエアバッグ用原糸パッケージは以下の方法で製造することができる。
通常のエアバッグ用原糸の製造方法は、紡糸・熱延伸および弛緩処理をされた糸条をチ−ズ状に巻き取るに際し、その直前で糸条を交絡処理してインタ−レ−スをかける。走行糸条の総繊度、フィラメント数、単糸繊度、巻き取り張力および付与すべき交絡数の設計に基づき、インタ−レ−ス装置、この装置を通過する糸条の速度および噴射する圧力空気の流量などを設定して処理する。この時紙管等に巻き取った糸条の長さ方向の交絡数(I)は12〜30個/m、その時のバラツキ(CV%)は3〜15%であり、パッケージ内の交絡糸における交絡数の最大値(IMAX)と最小値(IMIN)は、下記式(A)および(B)の関係を同時に満たしている。
MAX−IMIN≦3(個/m)・・・(A)
(IMAX−IMIN)/((IMAX+IMIN)/2)≦0.16・・・(B)
しかるに、糸条の巻取り量が満管に達し、新しい紙管等に切り換える時に巻取り張力をアップするが、この時交絡処理装置内を通過する糸条の張力もアップするため交絡数が減少する。従来の手法では交絡数および交絡数のバラツキとも上記範囲を外れやすくなり、式(A)および(B)式1、式2を同時に満たすことが非常に困難となる。そして、製織した生機に織り斑を生じる。
しかし、本発明のエアジェットル−ムで製織しても織り斑を生じない原糸パッケージは、以下の方法によって製造可能である。
すなわち、定常巻取り時の張力を、チーズの外観が損なわれない程度に高く設定し、設定値通りの張力となるように、張力を検知しながら巻取りスピンドルの回転数を変化させる。この時、張力は常に一定となるように設定してもよいし、得られるパッケージ内の原糸の交絡数および交絡数の最大値と最小値の差が本発明の規定範囲内に収まれば、張力を変化させながら巻き取ってもよい。また、交絡特性に影響を及ぼすほど張力を大きく変化させながら巻き取る場合は、インターレース付与装置の噴射圧力空気の流量を張力に連動させて変化させることで、得られる原糸パッケージ内の原糸の交絡数および交絡数の最大値と最小値の差を本発明の規定範囲としてもよい。ただし、巻取り時のトラバース変動や綾角の変動などは、極短時間での張力変動を抑制するために、最小となるよう設定することが好ましい。
次に、チーズ満管時の紙管切替え時には、以下の2つの方法あるいは以下の2つの方法の組み合わせなどを用いることにより、本発明のエアバッグ用原糸パッケージが得られる。
第一には、紙管切替時の巻取り張力アップを実施せず、定常巻取り張力と同じ張力値にて切替を実施することである。この場合には、切替成功率が低下しないように、交絡付与装置通過後5〜20cmの位置で測定した定常巻取り張力が0.15〜0.20cN/dtex程度となるように高く設定しておくことが好ましい。また、従来の紙管切替時の巻取り張力より低い張力でも安定した切替を達成するために、用いる紙管は、例えばエンボス加工を施すなどの処理を行い、糸条との摩擦係数が大きいものを用いることが好ましい。
第二には、紙管切替時の巻取り張力のアップを定常巻き取り張力の40%以内に抑え、あるいは巻取り張力アップ分を補正し、交絡数が同等となるように交絡処理装置ノズルから噴射する圧力空気の流量をアップする。補正する圧力空気の流量は、予め求めておいた関係式を満足するよう巻取り張力のアップに連動させて変化させる。巻取り張力を検知しながら圧力空気の流量を変化させることもできるし、満管チ−ズの巻取り時の張力アップ時間をタイマ−設定しておいて、圧力装置の流量を変化させること等の方法が採用できる。
上記交絡数、交絡数のバラツキ(CV値)、さらには繊維長手方向に均一な交絡数を有する本発明エアバッグ用原糸パッケージを用い、このパッケージから解舒したタテ糸およびヨコ糸、またはヨコ糸を通常のエア−ジェットル−ムで製織することにより、本発明のエアバッグ用基布、すにわち生機が得られる。エアジェットル−ムとしては、例えば、豊田自動織機(株)製JAT610を用い、緯糸および経糸とも350dtexのN66繊維を65本/インチの密度で、織幅3.4m、回転速度550m/分の条件で製織することができる。
本発明エアバッグ用基布の表面に塗布するエラストマー樹脂は、シリコ−ン樹脂、ポリウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、ナイロン樹脂などが用いられ、特にシリコ−ン樹脂の使用が好ましい。
基布表面にエラストマー樹脂をコ−ティングする方法としては、基布を樹脂溶液槽に浸漬させた後余分な樹脂をマングル、バキュ−ム、あるいはコ−ティングナイフなどを用いて除去均一化する方法、スプレ−装置やフォ−ミング装置を用いて樹脂を吹き付ける方法などが採用できる。特に、樹脂を薄く均一に塗布することができる点で、コ−テイングナイフを用いたナイフコ−ティング法が好ましい。
かくして得られる本発明のエアバッグ用基布は、特にインフレ−タブルカ−テンエアバッグ用基布としての優れた品位を有し、かつエア−ジェットル−ムによって製織され、効率的な裁断が可能な広幅の基布である。また、本発明によれば、このエアバッグ用基布の製造に好適な、交絡均一性に優れたエアバッグ用原糸パッケージを提供することができる。
なお、本発明エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布は、パッケージ内長手方向の交絡均一性に優れた原糸パッケージおよび品位に優れたコ−ト基布として、インフレ−タブルカ−テンエアバッグ以外のエアバッグにももちろん適用可能であるし、テント、シ−ト、タ−ポリン、重布、バッグなどにも適用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。本発明における各特性の定義および測定法は以下の通りである。
(1)総繊度:JIS L1013の方法で正量繊度を測定して、総繊度とした。
(2)強度・伸度:JIS L1013の方法に準じ、試長25cm、速度30cm/分の条件で測定した。
(3)沸騰水収縮率:原糸をカセ状にサンプリングして、20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間以上調整し、試料に0.045cN/dtex相当の荷重をかけて長さLを測定した。次に、この試料を無緊張状態で沸騰水中に30分間浸漬した後、上記温湿度調整室で4時間風乾し、再び試料に0.045cN/dtex相当の荷重をかけて長さLを測定した。それぞれの長さLおよびLから次式により沸騰水収縮率を求めた。
沸騰水収縮率=[(L−L)/L]×100(%)
(4)油分付着量:JIS L1013 8.27 b)の方法で、ジエチルエ−テル抽出分を測定し、油分付着量とした。
(5)硫酸相対粘度:試料2.5gを96%濃硫酸25ccに溶解し、25℃恒温槽の一定温度下において、オストワルド粘度計を用いて測定した。
(6)交絡数および交絡数のバラツキ(CV値)
LAWSON−HEMPHILL社製EIB−Eを用い、非接触光学式測定を行った。測定は、CCDカメラ部での張力が0.04±0.01cN/dtexとなるように装置のヒステリシスブレーキロールおよび給糸部の皿テンサーを調整し、速度100m/分にて実施した。また、付属のENTANGLEMENTソフトを使用し、この際、交絡判定に用いる閾値(VT)はVariable threshold法にて(√(総繊度))×5に、フィルタースキャン(FS)は3に設定した。本発明で用いる交絡数は前記測定装置あるいは測定方法を用い、1m当たりの交絡数を連続して100m測定、すなわち、N=100の交絡数測定結果から、その平均値を交絡数とし、標準偏差(σ)を平均値で除した数値を交絡数のバラツキ(CV値)とした。これらはいずれもEIB−E付属のENTANGLEMENTソフトの測定結果として、自動的に算出され、コンピュータモニター上に表示される。
本発明では、1つの原糸パッケージ内の原糸全長の交絡数を測定する必要がある。チーズ表層から100mずつの測定を原糸がなくなるまで繰返し実施した。すなわち、xmの糸長(x≧100)であれば、100m単位での測定をx/100(小数点以下切り上げ)回実施した。最内層部の100mに満たない残糸については、その残糸が10m以上であれば、1mごとの個々の交絡数測定結果から、その平均値を交絡数、標準偏差(σ)を平均値で除した数値を交絡数のバラツキ(CV値)とし、10mに満たない場合は、測定結果から除外した。
なお、請求項1〜3項におけると交絡数および交絡数のバラツキ(CV値)の関係は以下の通りである。
請求項1:x/100(小数点以下切り上げ)回の測定結果から得られたx/100(小数点以下切り上げ)個のデータから、全ての交絡数、交絡数のバラツキCV値が請求項1記載の範囲にあるかどうかを調査した。
請求項2:x/100(小数点以下切り上げ)個のデータから、任意の連続する50回分について、請求項2記載の範囲にあるかどうかを調査した。
請求項3:x/100(小数点以下切り上げ)回の測定結果から、巻始めから30回分のデータについて、請求項3記載の範囲にあるかどうかを調査した。
(7)製織性:織機稼働率が95%以上を◎、90〜94%を○、80〜89%を△、79%以下を×と評価した。
(8)織り斑によるコート樹脂付着斑:エアバッグ用基布にエラストマー樹脂を塗布後、ヨコ糸が二重以上に重なって織り込まれることによる樹脂の付着斑が発生しているかどうかを目視により判定した。2ロールの製織・コーティング後、製品の欠点率が0〜0.5%を◎、0.6〜1.0を○、1.1〜1.5%を△、1.6%以上を×と評価した。
[実施例1]
25℃で測定した98%硫酸相対粘度が3.7で、酢酸銅を銅として68ppm含有するナイロン66ペレットをエクストルーダへ供給し、計量ポンプにより紡糸口金に配し、295℃で溶融紡糸した。吐出量および紡糸口金は、総繊度が350dtex、単糸数が72本の糸条を得るように設定・使用した。口金直下には300℃に加熱した200mmの加熱筒を設け、糸条を徐冷却した後、20℃の冷風により冷却固化せしめ、次に水系エマルジョンを付与し、紡糸引き取りローラに捲回し、紡出糸条を引き取った。引き続き、連続して糸条を延伸・熱処理ゾーンに供給し、直接紡糸延伸法によりナイロン66繊維を製造した。
まず、引き取りローラと給糸ローラの間で3%のストレッチをかけ、次いで給糸ローラと第1延伸ローラの間で1段目の延伸、第1延伸ローラと第2延伸ローラの間で2段目の延伸を行った。引き続き、第2延伸ローラと弛緩ローラとの間で5%の弛緩熱処理を施し、交絡付与装置にて糸条を交絡処理した後、巻き取り機にて巻き取った。各ローラの表面温度は、引き取りローラが常温、給糸ローラが40℃、第1延伸ローラが140℃、第2延伸ローラは210℃、弛緩ローラが150℃となるように設定した。各ローラの周速度は、第1延伸ローラを3200m/min、第2延伸ローラを4000m/minの一定とし、引き取りローラと給糸ローラについては、原糸の強度が約8.5cN/dtexとなるように製糸した。また、原糸付着油分量が約0.9重量%となるように水系エマルジョンの付与量を調整した。交絡処理は、交絡付与装置内で走行糸条に直角方向から高圧空気を噴射することにより行った。交絡付与装置の前後には走行糸条を規制するガイドを設け、噴射する空気の圧力は0.4MPaで一定とした。糸条の巻取りは、0.17±0.02cN/dtex程度の一定張力にて定常の巻取りを行い、巻取りの際の巻取り速度の実測値を満管切替直後のスピンドル回転数として設定した。上記方法を用いてタテ糸、ヨコ糸ともに1チーズ当たり約18万m巻き取って、エアバッグ用原糸パッケージを得た。
次に、上記で得られた原糸パッケージから解舒されたナイロン66繊維を、400m/minの速度で整経し、次いで豊田自動織機(株)製エア−ジェットルーム(JAT610型)を用いて、カバーファクターが2254となるように経糸、緯糸の織密度をそれぞれ67、60本/2.54cmとし、織り幅3.36m、解除速度543m/分×3ピックで製織し織物基布を得た。引き続き、生機を40℃で精錬し、96℃の沸水処理を施した後、130℃で3分間乾燥させ、180℃で1分間の熱処理を施した。次いで、基布にシリコーン樹脂のコーティングを行い、エアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表1に示した。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いることにより、製織性に優れ、織り斑によるコート樹脂付着斑の少ないエアバッグ用基布を得ることができた。
[実施例2]
満管切替時の初期張力を0.26±0.02cN/dtexとし、巻終わりの際の張力が0.16±0.02cN/dtexとなるように巻取り張力を緩やかに漸減させて巻き取ったこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表1に示した。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いることにより、製織性に優れ、織り斑によるコート樹脂付着斑の少ないエアバッグ用基布を得ることができた。
[実施例3]
巻始めから8万mまでは0.17±0.02cN/dtexで一定として巻取り、8〜10万mまでは、5000m当たり0.10±0.02cN/dtexの張力変化となるように張力の増減を4回繰り返し、10〜18万mまでは、0.17±0.02cN/dtexで一定として巻き取ったこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表1に示した。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いることにより、製織性に優れ、織り斑によるコート樹脂付着斑の少ないエアバッグ用基布を得ることができた。
[実施例]
交絡付与装置内で走行糸条に直角方向から噴射する空気の圧力を0.2MPaで一定としたこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表1に示した。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いることにより、製織性に優れ、織り斑によるコート樹脂付着斑の少ないエアバッグ用基布を得ることができた。
[実施例
交絡付与装置内で走行糸条に直角方向から噴射する空気の圧力を0.7MPaで一定として巻き取ったこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表1に示した。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いることにより、製織性に優れ、織り斑によるコート樹脂付着斑の少ないエアバッグ用基布を得ることができた。
[実施例
原糸付着油分量が0.4重量%となるように水系エマルジョンを付与したこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表1に示した。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いることにより、製織性に優れ、織り斑によるコート樹脂付着斑の少ないエアバッグ用基布を得ることができた。
[実施例
原糸付着油分量が1.6重量%となるように水系エマルジョンを付与したこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表1に示した。
本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いることにより、製織性に優れ、織り斑によるコート樹脂付着斑の少ないエアバッグ用基布を得ることができた。
Figure 0004770152
[比較例1]
交絡付与装置内で走行糸条に直角方向から噴射する空気の圧力を0.17MPaで一定とした。また、定常巻取り張力を0.17±0.02cN/dtexで一定し、満管切替後の初期張力が0.25cN/dtexとなるようにスピンドル回転数を設定して巻き取ったこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表2に示した。
この結果、本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を得た場合に比較して、製織性が劣り、織り斑によるコート樹脂付着斑も多いものであった。
[比較例2]
交絡付与装置内で走行糸条に直角方向から噴射する空気の圧力を0.17MPaで一定として巻き取ったこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表2に示した。
この結果、本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を得た場合に比較して、製織性が劣り、織り斑によるコート樹脂付着斑も多いものであった。
[比較例3]
定常の巻取り張力を0.17±0.04cN/dtexと張力変動幅を大きくし、交絡付与装置前後の走行糸条規制ガイドを取り外したこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージ、およびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表2に示した。
この結果、本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を得た場合に比較して、製織性が劣り、織り斑によるコート樹脂付着斑も多いものであった。
[比較例4]
満管切替時の初期張力を0.28±0.02cN/dtexとし、巻終わりの際の張力が0.16±0.02cN/dtexとなるように巻取り張力を緩やかに漸減させて巻き取ったこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージ、およびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表2に示した。
この結果、本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を得た場合と同様に、製織性には優れるものの、織り斑によるコート樹脂付着斑の発生頻度が増大し、この点で劣るものであった。
[比較例5]
交絡付与装置内で走行糸条に直角方向から噴射する空気の圧力を0.35MPaで一定として、満管切替時の初期張力を0.26±0.02cN/dtexとし、巻終わりの際の張力が0.16±0.02cN/dtexとなるように巻取り張力を緩やかに漸減させて巻き取ったこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージ、およびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表2に示した。
この結果、本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を得た場合に比較して、製織性が劣り、織り斑によるコート樹脂付着斑も多いものであった。
[比較例6]
交絡付与装置内で走行糸条に直角方向から噴射する空気の圧力を0.7MPaで一定とし、満管切替時の初期張力を0.30±0.02cN/dtexとし、巻終わりの際の張力が0.14±0.02cN/dtexとなるように巻取り張力を緩やかに漸減させて巻き取ったこと以外は、実施例1と同様にして、エアバッグ用原糸パッケージおよびエアバッグ用基布を得た。
このようにして得られたエアバッグ用原糸パッケージの交絡特性値および原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を製造した時の効果について測定・評価した結果を表2に示した。
この結果、本発明のエアバッグ用原糸パッケージを用いてエアバッグ用基布を得た場合と同様に、織り斑によるコート樹脂付着斑は少ないものの、製織性が若干劣るものであった。
Figure 0004770152
本発明によれば、製織性に優れ、織り斑などの基布欠点が少ない高品質のエアバッグ用基布を与えることができ、特にエアジェットルーム製織に適したエアバッグ用原糸パッケージが得られる。
また、本発明によれば、従来の技術では達成できなかったエアバッグ用基布、特にインフレ−タブルカ−テン用基布としての優れた品位を有し、かつエア−ジェットル−ムによって製織され、効率的な裁断が可能な広幅のエアバッグ用基布を得ることができる。
したがって、本発明の技術は、車両分野、とくにその分野における安全意識の向上に寄与するところが極めて大きい。

Claims (9)

  1. エアージェットルームによって製織する際に用いられるヨコ糸用原糸であって、交絡数(I)が12〜30個/m、この交絡数のバラツキ(CV値)が3〜15%の原糸が巻き取られたパッケージであり、巻き取られた原糸の巻始めから3000m中における交絡数の最大値と最小値の差が2個/m以下であり、かつこのパッケージ内の交絡数(I)の最大値(IMAX)と最小値(IMIN)が、下記式(A)および(B)の関係を同時に満たすことを特徴とするエアバッグ用原糸パッケージ。
    MAX−IMIN≦3(個/m)・・・(A)
    (IMAX−IMIN)/((IMAX+IMIN)/2)≦0.16・・・(B)
  2. 巻き取られた原糸の連続した任意の5000m中における交絡数の最大値と最小値の差が2.5個/m以下であることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用原糸パッケージ。
  3. 前記原糸の総繊度が200〜700dtex、単糸数が30〜250本、沸騰水収縮率が5〜10%、付着油分量が0.5〜1.5重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ用原糸パッケージ。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載のエアバッグ用原糸パッケージから解舒して得られた原糸を、タテ糸およびヨコ糸、またはヨコ糸として用い、下記式(C)で示されるカバーファクター(K)が1800〜2700の範囲で製織してなることを特徴とするエアバッグ用基布。
    K=Nw×(0.9Dw)1/2+Nf×(0.9Df)1/2 ・・・(C)
    但し、Nw:タテ糸密度(本/インチ)
    Dw:タテ糸繊度(dtex)
    Nf:ヨコ糸密度(本/インチ)
    Df:ヨコ糸繊度(dtex)
  5. エアージェットルームによって製織されたことを特徴とする請求項に記載のエアバッグ用基布。
  6. シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリクロロプレンゴムから選ばれたエラストマー樹脂を塗布したコーティング基布であることを特徴とする請求項または項記載のエアバッグ用基布。
  7. インフレータブルカーテンエアバッグ用であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項記載のエアバッグ用基布。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載のエアバッグ用原糸パッケージの製造方法であって、紙管切替時の巻取り張力アップをせず、定常巻取り張力と同じ張力値にて切替を実施することを特徴とするエアバッグ用原糸パッケージの製造方法。
  9. 交絡付与装置通過後5〜20cmの位置で測定した定常巻取り張力が0.15〜0.20cN/dtexであることを特徴とする請求項に記載のエアバッグ用原糸パッケージの製造方法。
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