JP4770198B2 - グリセリンモノ(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)グリシジル(メタ)アクリレートの水和反応を利用した方法(特許文献1参照)
(2)グリシドールに(メタ)アクリル酸を作用させる方法(特許文献2参照)
(3)イソプロピリデングリセリル(メタ)アクリレートの脱ケトン、脱アルデヒド反応を行う方法(特許文献3参照)
がある。原料の安定性や原料調達、製造コストを含めた工業スケールでの製造を考慮した場合、これらの中では(1)のグリシジル(メタ)アクリレートの水和反応を利用した方法が優れている。すなわち、(2)の方法で使用するグリシドールは極めて不安定な化合物であり、例えば重合反応によりグリセリンの多量体を経時的に生成するため、その取り扱いには極めて慎重さが必要であることや、(メタ)アクリル酸との反応を行う際にもグリセリンの多量体に由来する副生成物が生じる。(3)の方法では、脱ケトン反応において低温で長時間の反応が必要であることや、原料のイソプロピリデングリセリル(メタ)アクリレートの入手が困難である等の理由が挙げられる。
本発明は、グリシジル(メタ)アクリレートを出発原料とし、ジルコニウム化合物からなる固体酸触媒を用いてグリシジル(メタ)アクリレートの水和反応を行うことにより、グリセリンモノ(メタ)アクリレートを製造する方法である。
本発明に用いるグリシジルモノ(メタ)アクリレートの純度には特に制限はないが、90重量%(以下、%という)以上の純度を有するグリシジルモノ(メタ)アクリレートであるのが好ましい。
本発明においては、ジルコニウム化合物からなる固体酸を水和反応の触媒として利用する。本発明に用いるジルコニウム化合物からなる固体酸は、固体のジルコニウム化合物の1種又は2種以上であって、酸としての性質を有するものであれば特に制限はない。
グリシジル(メタ)アクリレートの水和反応は、常法に準じて行うことができる。例えば、固体酸触媒を加えた水中に、グリシジル(メタ)アクリレートを一括又は滴下等の方法により連続的に加えることにより行うことができる。ここで、水の使用量は、原料のグリシジル(メタ)アクリレートに対して2〜30モル倍、好ましくは5〜15モル倍である。水の使用量が前記範囲内の場合、グリシジル(メタ)アクリレートの水和反応が十分進行し易く、又、反応後残存する水の除去も容易に行うことができる。
本発明においては、原料に用いるグリシジル(メタ)アクリレートと、生成物であるグリセリンモノ(メタ)アクリレートが重合性であることから、反応系中に重合禁止剤を加えることができる。重合禁止剤としては、通常、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等が用いられる。これらの重合禁止剤は、通常、グリシジル(メタ)アクリレートに対して50〜3,000ppm、好ましくは100〜1,000ppm加えられる。これらの重合禁止剤の添加方法には特に制限はないが、反応前にグリシジル(メタ)アクリレートに添加するのが好ましい。又、同様に重合を防ぐ目的で反応系内に酸素又は空気を導入することが効果的である。
反応終了後は濾過により固体酸触媒を除去した後、脱水を行うことができる。脱水操作は酸素や空気を導入しながら減圧下で加熱して水を留出させる方法が好ましい。脱水操作中での重合を防ぐため、この時の温度は20〜100℃の範囲で行うことが好ましい。圧力は温度によるが、例えば1333.2〜13332Pa(10〜100mmHg)で行うことができる。又、脱水操作を行う前に上記の重合禁止剤を追加することが好ましい。重合禁止剤の添加量は、グリシジル(メタ)アクリレートに対して50〜3,000ppm、好ましくは100〜1,000ppmである。
このようにして得られたグリセリンモノ(メタ)アクリレートは、固体酸触媒であるジルコニウム化合物を用いたことにより、触媒の残存がなく、色相が良好なグリセリンモノ(メタ)アクリレートであり、容易に製造することができるものである。
なお、以下に示す各例中のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの純度は、ガスクロマトグラフィーを用いて測定し((株)島津製作所製のGC−14B、カラム:2%OV−17(2m)、測定条件:インジェクション温度 320℃、ディテクター温度 320℃、カラム温度 50℃から300℃へ10℃/分で昇温、300℃で20分間保持、He流量 50ml/分、検出器 FDI、インジェクション・ボリウム 0.2μl)、全物質の合計ピーク面積に対する目的生成物のピーク面積を百分率で示したものである。( )内の%、ppmは、グリシジル(メタ)アクリレートに対するものである。
還流冷却器、滴下ロート、温度計、空気導入管及び攪拌機を備えた1リットルのガラス製4ツ口フラスコに、水450g(25.0モル)及び硫酸ジルコニア3.55g(1%)を仕込み、油浴で加熱し、攪拌しながら85℃に昇温した。その後、空気を導入しながら、予めハイドロキノンモノメチルエーテル0.107g(300ppm)を加えたグリシジルメタクリレート355g(2.50モル)を3時間にわたって滴下した。滴下終了後、反応液の温度を85〜90℃に保ちながら4時間反応を続けた。反応の終点は、ガスクロマトグラフィーで確認した。
実施例1で使用した硫酸ジルコニアの量を17.8g(5%)に変え、グリシジルメタクリレート滴下終了後の反応時間を2時間に変えた以外、実施例1と同様にして反応させた。反応終了後、実施例1と同様にして純度97.5%のグリセリンモノメタクリレートを得た。得られたグリセリンモノメタクリレートの色相はAPHAで50であった。反応中や脱水中に重合物の発生は確認されなかった。又、得られたグリセリンモノメタクリレートをアセトンに溶解したが、ポリマーの生成を示す白濁は見られず、無色透明であった。
重合禁止剤をフェノチアジンに変えた以外、実施例1と同様にして純度97.2%のグリセリンモノメタクリレートを得た。得られたグリセリンモノメタクリレートの色相はAPHAで60であった。反応中や脱水中に重合物の発生は確認されなかった。又、得られたグリセリンモノメタクリレートをアセトンに溶解したが、ポリマーの生成を示す白濁は見られず、無色透明であった。
燐酸ジルコニア17.8g(5%)を使用した以外、実施例1と同様にして純度96.6%のグリセリンモノメタクリレートを得た。得られたグリセリンモノメタクリレートの色相はAPHAで60であった。反応中や脱水中に重合物の発生は確認されなかった。又、得られたグリセリンモノメタクリレートをアセトンに溶解したが、ポリマーの生成を示す白濁は見られず、無色透明であった。
実施例1で使用した硫酸ジルコニアをタングステン酸ジルコニア17.8g(5%)に変え、グリシジルメタクリレート滴下終了後の反応時間を2時間に変えた以外、実施例1と同様にして反応させた。反応終了後、実施例1と同様にして純度96.1%のグリセリンモノメタクリレートを得た。得られたグリセリンモノメタクリレートの色相はAPHAで50であった。反応中や脱水中に重合物の発生は確認されなかった。又、得られたグリセリンモノメタクリレートをアセトンに溶解したが、ポリマーの生成を示す白濁は見られず、無色透明であった。
実施例1と同様の装置に、水421g(23.4モル)及び硫酸ジルコニア3.00g(1%)を仕込み、油浴で加熱し、攪拌しながら85℃に昇温した。その後、空気を導入しながら、予めハイドロキノン0.090g(300ppm)を加えたグリシジルアクリレート300g(2.34モル)を3時間にわたって滴下した。滴下終了後、反応液の温度を85〜90℃に保ちながら4時間反応を続けた。
実施例1で使用した硫酸ジルコニアの代わりに98%硫酸0.35g(0.1%)、ハイドロキノンモノメチルエーテルの代わりにフェノチアジン0.107g(300ppm)を加えたグリシジルメタクリレートを使用した以外、実施例1と同様に反応を行った。
98%硫酸の量を3.5g(1%)に変えた他は、比較例1と同様に反応を行った。
反応終了後、反応液の酸価を測定し、酸に対して1.0モル倍の水酸化ナトリウムで中和した。得られたグリセリンモノメタクリレートの水溶液を、冷却器、空気導入管及び攪拌機を備えた1リットルのガラス製ナシ型フラスコに移し、フェノチアジン0.071g(200ppm)を加えた。空気を吹き込みながら、油浴を使用して70℃まで昇温した後、約4,000〜13,332Pa(30〜100mmHg)の減圧下で水を留去した。
比較例1で使用したフェノチアジンをハイドロキノンモノメチルエーテル0.107g(300ppm)に変えた他は、比較例1と同様に反応を行った。
実施例1で使用した硫酸ジルコニアの代わりに、強酸性陽イオン交換樹脂に対して10倍量(重量)のイオン交換水を加え、30分攪拌した後、濾過する操作を5回行うことでよく洗浄した強酸性陽イオン交換樹脂3.55g(1%)を使用した以外、実施例1と同様に反応を行った。
実施例1で使用した硫酸ジルコニアの代わりに、強酸性陽イオン交換樹脂に対して10倍量(重量)のイオン交換水を加え、30分攪拌した後、濾過する操作を5回行うことでよく洗浄した強酸性陽イオン交換樹脂3.55g(1%)を使用し、実施例1で使用したハイドロキノンモノメチルエーテルの代わりにハイドロキノン0.107g(300ppm)を使用し、実施例1における反応時間を7時間に変えた以外、実施例1と同様に反応を行った。
(1)グリシジル(メタ)アクリレート1モルに対する水の使用量が2〜30モルである請求項1記載のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
(2)グリシジル(メタ)アクリレートに対してジルコニウム化合物を0.1〜20重量%使用する請求項1記載のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
Claims (1)
- グリシジル(メタ)アクリレートに水を反応させてグリセリンモノ(メタ)アクリレートを製造する際に、固体酸触媒として硫酸ジルコニア、燐酸ジルコニア及びタングステン酸ジルコニアよりなる群から選ばれた1種以上のジルコニウム化合物を用いることを特徴とするグリセリンモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
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