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JP4774533B2 - 山葵味枝豆の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は,食品用調理枝豆を山葵味に漬け込む山葵味枝豆の製造法に関するものである。
従来の調理済み鞘付枝豆は,加熱調理の際に塩水を用いて茹でることにより塩味を付与したものがほとんどであり,それ以外の味のものは市場に提供されていない。
国内においておつまみとしての枝豆は鞘付が一般的であり,鞘から取り出して食することが好まれているが,調理された鞘付枝豆は塩味のものだけであり,差別化のためにも新たな味付けのものが求められている。鞘から取り出した枝豆自身については,従来から塩味以外とするために山葵醤油などで食されてはいるが,枝豆には味が付きにくく,より味付けを強くするためには細かくするかピューレ状にするなどにより豆の形態や食感を崩す必要があった。漬け込むことにより枝豆でも強い味付けが可能となるが,漬け込みにおいては腐敗を防止するために漬け込み液の浸透圧を上げる必要があり,塩味の強いものとなってしまうという問題があった。
本発明は上記の問題を解決するものであり,その特徴は、山葵濃度0.05〜2.0重量%の山葵水溶液100容量%に対して加熱調理済み鞘付枝豆を5〜400容量%を浸し,温度0〜80℃で1〜100時間漬け込むことを特徴とする山葵味枝豆の製造方法であり好みに応じての造り分けは次の(1)〜(3)の通りである。
(1)(山葵中間味)
山葵濃度0.2〜0.5重量%の山葵水溶液100容量%に対して加熱調理済み鞘付枝豆を5〜400容量%を浸し,温度0〜80℃で1〜100時間漬け込むことを特徴とする山葵味枝豆の製造方法。
(2)(山葵甘口味)
山葵濃度0.05〜0.2重量%の山葵水溶液100容量%に対して加熱調理済み鞘付枝豆を5〜400容量%を浸し,温度0〜80℃で1〜100時間漬け込むことを特徴とする山葵味枝豆の製造方法。
(3)(山葵辛口味)
山葵濃度0.5〜2重量%の山葵水溶液100容量%に対して加熱調理済み鞘付枝豆を5〜400容量%を浸し,温度0〜80℃で1〜100時間漬け込むことを特徴とする山葵味枝豆の製造方法。
本発明により製造した山葵味枝豆は,これまでビール等のおつまみとして多量に消費されている塩味枝豆とは、外観に差異がないが山葵味の辛みがあるという風変わりな食品を提供できるだけでなく,山葵に含まれる抗菌成分により安全に製造でき,調理済み枝豆の賞味期間を長くすることも可能である。
本発明において用いる山葵は,味付けとして枝豆と相性が良いばかりでなく,抗菌・抗カビ作用,抗虫作用,抗ガン作用,血栓予防作用,消化管吸収促進作用,抗下痢作用,骨増強作用などが期待できるものである。
本発明において用いる山葵とは,山葵粉,山葵汁,山葵抽出液,山葵フレーバーの内の1種あるいはこれら2種以上の混合物を言う。
本発明の山葵味枝豆製造方法は,茹でるあるいは蒸すなどにより予め加熱調理された鞘付枝豆を山葵水溶液に漬け込むことにより調製する。
山葵中の成分が熱に対して弱いため,従来から調理法としてとられている茹でる際に味付けするのは困難であるが,山葵成分を含む上記山葵水溶液に加熱調理済みの枝豆を漬け込むことにより味付けすることが可能である。また,山葵成分には抗菌作用があり,一般の塩漬けのように高塩分濃度の漬け込み液としなくても雑菌の繁殖を抑えられるため,通常食されている塩味枝豆と同等あるいはそれ以下の塩味の枝豆に山葵味を付与することが可能となる。
そこで本発明において,加熱調理済みの枝豆を漬け込むための山葵水溶液としては,味付けの強さや調製の容易さの観点からは,上記山葵フレーバーの水溶液が最良であるが,山葵フレーバー以外に山葵粉,山葵汁,山葵抽出液を用いた山葵水溶液でも調製可能である。これらいずれの液を用いた場合でも,山葵中の抗菌成分により漬け込み時の細菌繁殖を抑制することが可能であり,一般的な塩漬けよりも塩分濃度を抑えることが可能である。また,このように製造された山葵味枝豆は,上記のように抗菌成分により腐敗しにくく,賞味期間を延長することが可能である。製品としては本発明による調理後冷凍することが可能であり,従来の塩味枝豆と同様に冷凍食品として販売することが出来る。
而して,本発明において,山葵フレーバー濃度0.05〜2重量%の山葵水溶液にする意義は,次の通りである。
山葵フレーバー濃度が0.05重量%と低い場合は,枝豆を長時間浸すことにより,隠し味に近いわずかな辛みを感じることができる限界であり,このような低濃度では通常の塩味枝豆の塩味を活かしたまま嗜好性を高めるのに適する。山葵フレーバー濃度を高めるとともに辛みは増し,最高でも2重量%が辛みの増加を感じられる限界値である。
漬け込んだ鞘付枝豆を鞘から取り出し,温度25度,湿度80%の条件下で放置したところ,山葵濃度0重量%の水溶液すなわち山葵を含まない液に漬け込んだものは,12時間後においてすでに主に酢酸と思われる発酵臭がきつくなり食するのには適さなかったが,0.25重量%以上含む液に漬け込んだものは24時間後においても十分に食することができ味の変化もわずかであった。漬け込んだ直後の鞘付枝豆を鞘から取り出してすりつぶした後,100倍量のメタノールを加えて1重量%の条件下で抽出し,ガスクロマトグラフ重量分析計を用いてアリルイソチオシアナート(アリルからし油)の含有量を測定した結果を表1に示す。0重量%の水溶液すなわち山葵フレーバーを含まない漬け込み液においては,アリルイソチオシアナートが検出されず,0.125から1.0重量%の山葵フレーバーを含む漬け込み液では,0.21から2.60ミリグラムのアリルイソチオシアナートが100グラムの豆中に含まれ,含有量は漬け込み液中の山葵フレーバー濃度にほぼ比例することが明らかとなった。これらのことより,山葵濃度0.25重量%以上の山葵水溶液に浸すことにより山葵中の代表的抗菌成分であるアリルイソチオシアナートが枝豆自身に浸透し含有されることにより,賞味期間が延長されることが明らかとなった。
本発明において,上記山葵水溶液100容量%に対する加熱調理済み鞘付枝豆の配合比率を5〜400容量%にする意義は,次の通りである。
配合比率が5容量%と低い場合は,枝豆を十分に浸すことができ,また浸した後の山葵溶液にほとんど変化が無く,山葵溶液の繰り返し利用が可能であるが,これより低い比率では,浸す際の効率が著しく低下する。配合比率を高めるとともに完全には浸らなくなり,100〜400容量%以上ではかき混ぜる必要がある。400容量%以上では,かき混ぜても味付けにむらが出る。
本発明において,上記山葵水溶液に加熱調理済み鞘付枝豆を浸しておく温度を0〜80℃とする意義は,次の通りである。
山葵水溶液に塩等を添加することにより0℃でも溶液は凍結せず,枝豆を浸すことが可能である。このように山葵濃度がある程度高い場合は,常温でも山葵の抗菌効果により溶液は腐敗せず,漬け込むことが可能である。温度を上げることにより,浸すことよる味付けにかかる時間が短縮されるが,80℃以上では枝豆の食感を損なうものとなる。
山葵フレーバー濃度を0から1重量%で含む水溶液に温度25度の常温条件下で20時間漬け込み,漬け込み後の漬け込み液中の細菌数を計測した結果を表2に示す。山葵濃度0重量%の水溶液すなわち山葵フレーバーを含まない漬け込み液においては大腸菌,一般生菌ともに確認され,1ミリリットル中の大腸菌群数は8,700,一般生菌数は341,200であったが,山葵フレーバーを0.125重量%含む液では大腸菌群数は13個まで低下し,0.25重量%以上では大腸菌が全く確認されなかった。また,一般生菌も山葵フレーバー濃度の増加に伴い著しく抑えられ,山葵のアリルイソチオシアナートで代表される抗菌作用を有する成分により常温での漬け込み時の細菌繁殖を抑制できることが明らかとなった。
本発明において,上記山葵水溶液に加熱調理済み鞘付枝豆を浸しておく時間(漬け込み時間)を1〜100時間とする意義は,次の通りである。
山葵水溶液の温度が高い場合は,1時間でも味付けが可能であるが,これより短時間では枝豆の外側と内部で味付けにむらがみられた。低温の場合は,長時間漬け込むことにより味付けにむらのない良質の山葵味枝豆をえることができるが,100時間以上では変化が見られない。
Figure 0004774533
Figure 0004774533

以下,本発明の前記特徴の各々についての実施例を詳細に説明する。
実施例1は前記(1)の実施例であり比較例と共に表3に記載する。
Figure 0004774533
*1 山葵フレーバー濃度
*2 山葵水溶液を100重量%としたときの漬け込みに使用した鞘付枝豆量
実施例2は前記(2)の実施例であり比較例と共に表4に記載する。
Figure 0004774533
*1,2 表3に同じ
実施例3は前記(3)の実施例であり比較例と共に表5に記載する。
Figure 0004774533
*1,2 表3に同じ

本発明の山葵味枝豆の製造方法は,前述の効果のように,これまでビール等のおつまみとして多量に消費されている塩味枝豆と同様の外観形態でありながら,本発明特有の山葵味の辛みがあるという風変わりでしかも山葵に含まれる抗菌成分により安全な枝豆を,好みに応じた程度の辛さにして幅広く提供するものである。また調理済み枝豆自体の賞味期間も更に長くするものである。
このように本発明の山葵味枝豆の製造方法は優れた効果を有し,飲食産業に多大な貢献を呈するものである。

Claims (1)

  1. 山葵フレーバー濃度0.25〜1.0重量%の山葵水溶液100容量%に対して加熱調理済み鞘付枝豆を5〜400容量%を浸し,温度5〜25℃で10〜40時間漬け込んで、鞘付枝豆100g中のアリルイソチオシアナート含有量を0.77〜2.60mgにしたことを特徴とする山葵味枝豆の製造方法。
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