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JP4774609B2 - 多翼ファン - Google Patents
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JP4774609B2 - 多翼ファン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多翼ファン、特に羽根車から発生する可聴音を抑制する多翼ファンに関する。
【0002】
【従来の技術】
シロッコファンを代表とする多翼ファンは、様々な用途で用いられている。多翼ファンは、ケーシングと羽根車などから構成されており、外部のモータなどによって羽根車を回転させることにより送風を行う。小型の多翼ファンは、小型の家庭用空気清浄機や空気調和機などにおいて室内の空気循環及び送風のために用いられている。
【0003】
家庭用空気清浄機などは、機器サイズの制限により、機器内部の通風抵抗が大きい。また、機器サイズに対して、処理する室の規模が大きい。このため、これらの機器に用いられる多翼ファンは、高静圧なものが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
多翼ファンは、ケーシングと羽根車との隙間を狭くすることによって高静圧にできることが知られている。
【0005】
しかし、高静圧化を図って隙間を狭くした多翼ファンは、nz音と呼ばれる異音が発生しやすい。nz音は、ケーシングが送風口へと延びる部分である舌部において羽根車の羽根との干渉により生じる。すなわち、羽根車が回転することにより、羽根が舌部付近を通過する際に圧力変動を生じさせる。このため、圧力変動の周期に基づいた周波数のnz音が発生する。多翼ファンの回転数が毎分n回転、羽根車の羽根枚数がz枚であるとすると、この多翼ファンから生じるnz音の周波数f(Hz)は、f=n×z/60で表される。
【0006】
ケーシングと羽根車の隙間が狭くなるほど、羽根によって生じる圧力変動が大きくなるため、nz音が大きくなる。しかし、家庭用空気清浄機などに用いる多翼ファンは、できるだけ異音を抑えることが求められている。このように、小型の多翼ファンには、高静圧化と異音の抑制という相矛盾する機能が求められている。
【0007】
本発明の課題は、高静圧化を図りつつ羽根車から発生する可聴音を抑制する多翼ファンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の多翼ファンは、ケーシングと羽根車と駆動部とを備えている。ケーシングは、送風部に舌部を有する。羽根車は、ケーシングの内部に設けられており、複数の羽根を有する。駆動部は、羽根車を回転させる。ケーシングは、羽根車の回転方向に並べられる複数の突起物を舌部に有している。羽根の間隔が複数の突起物の間隔の整数倍である。そして、この多翼ファンは、羽根車が回転する際に舌部の複数の突起物と羽根との干渉により生じるnz音の周波数が8kHz以上である。
【0009】
多翼ファンが回転すると、ケーシングの舌部の複数の突起物と羽根車の羽根とが干渉して圧力変動が生じ、その結果としてnz音が発生する。しかし、ここでは、多翼ファンのnz音の周波数を、人間にとって聞こえにくい8kHz以上にしている。人の可聴周波数領域は、20Hzから20kHzと一般に言われている。しかし、高域成分及び低域成分は、可聴周波数であっても聞こえにくい。このため、本発明の多翼ファンから発生するnz音が聞こえにくくなる。
【0010】
nz音は、羽根と舌部との干渉による圧力変動により生じる。このため、圧力変動の頻度を増やすことによってnz音の周波数を高くすることができる。ここでは、舌部に複数の突起物を羽根車の回転方向に並べて、羽根と突起物との干渉によりnz音を発生させる。
【0011】
ここでは、突起物の間隔に対して条件を設けている。羽根の間隔が突起物の間隔に対してN倍(N:整数)である場合、nz音の周波数f(Hz)は、f=n×z×N/60となる。このため、羽根枚数を増やさずにnz音の周波数を高くすることができる。
【0012】
請求項2に記載の多翼ファンは、ケーシングと羽根車と駆動部とを備えている。ケーシングは、送風部に舌部を有する。羽根車は、ケーシングの内部に設けられており、複数の羽根を有する。駆動部は、羽根車を回転させる。羽根の間に1または複数の補助羽根が設けられている。ケーシングは、送風方向に並べられる複数の突起物を舌部に有している。羽根と補助羽根との間隔もしくは補助羽根同士の間隔が複数の突起物の間隔の整数倍である。そして、この多翼ファンは、羽根車が回転する際に、舌部の複数の突起物羽根および補助羽根の干渉により生じるnz音の周波数が8kHz以上となるように、羽根と補助羽根との合計枚数が設定されている。
【0013】
多翼ファンが回転すると、ケーシングの舌部と羽根車の羽根とが干渉して圧力変動が生じ、その結果としてnz音が発生する。しかし、ここでは、多翼ファンのnz音の周波数を、人間にとって聞こえにくい8kHz以上にしている。人の可聴周波数領域は、20Hzから20kHzと一般に言われている。しかし、高域成分及び低域成分は、可聴周波数であっても聞こえにくい。このため、本発明の多翼ファンから発生するnz音が聞こえにくくなる。
【0014】
多翼ファンの羽根車の回転数が毎分n回転、羽根枚数がz枚である場合、この多翼ファンから生じるnz音の周波数f(Hz)は、f=n×z/60で表される。すなわち、nz音の周波数を高くするためには、羽根枚数を増やす若しくは回転数を上げればよい。
【0015】
ここでは、羽根同士の間に補助羽根を設けることにより、舌部における圧力変動の頻度を増加させている。補助羽根は、送風にそれほど貢献しない小さな羽根様の物体であり、舌部との干渉による圧力変動に寄与するものである。これにより、補助羽根を設けられていないときに比べてnz音の周波数が高くなる。nz音の周波数が8kHz以上となるように羽根の枚数が設定された羽根車に補助羽根が追加されているときに、補助羽根の枚数がz 1 枚であるならば、多翼ファンから生じるnz音の周波数f(Hz)は、f=n×(z+z 1 )/60となる。ここでは、羽根と補助羽根との合計枚数を増やすことにより、nz音の周波数を8kHz以上となるよう設定している。
【0016】
ここでは、突起物の間隔に対して条件を設けている。羽根車に補助羽根が設けられている際に、羽根と補助羽根の間隔、もしくは補助羽根同士の間隔が、複数の突起物の間隔のN倍(N:整数)である場合、nz音の周波数f(Hz)は、f=n×(z+z 1 )×N/60となる。これにより、羽根や補助羽根の枚数を増やさずにnz音の周波数を高くすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態に係る空気清浄機1の分解斜視図を図1に示す。この空気清浄機1の空気循環のために多翼ファンであるシロッコファン10が用いられている。
【0018】
空気清浄機1は、前ケーシング1a、後ケーシング1b、前面パネル2などによって外枠が形成されており、前ケーシング1aと後ケーシング1bとの間にシロッコファン10が配置されている。シロッコファン10は、空気を循環させるためのものである。そして、前面パネル2とシロッコファン10との間には、空気循環方向の上流側から順に、プレフィルタ3、イオン化部4、ロールフィルタ5及び光触媒部7が設けられている。これらの部材は、空気清浄機1を通風する空気を清浄化するためのものである。なお、ロールフィルタ5は、フィルタケース6に保持されている。
【0019】
シロッコファン10の断面図を図2に示す。
【0020】
シロッコファン10はケーシング11と羽根車20とモータ21とから構成されている。そして、図1に示すように、モータ21が支持部材15を介して前ケーシング1aに支持されることにより、シロッコファン10の全体が前ケーシング1aに支持されている。なお、羽根車20の外周部には、複数の羽根22が設けられている。
【0021】
ケーシング11は、羽根車20を覆うほぼ円柱形のケースである。モータ21は、このケーシング11の片面に固定されている。また、ケーシング11には、前面パネル2から空気清浄機1の内部を通風してきた空気を取り込むための開口部14と、開口部14から取り込まれて羽根車20により押し出された空気を吹き出す送風口12とが設けられている。さらに、ケーシング11から送風口12へ続く屈曲部に舌部11aが設けられている。
【0022】
次に動作について説明する。
【0023】
シロッコファン10の羽根車20がモータ21によって図2の矢印R方向に回転されると、羽根22によってシロッコファン10の内部にある空気が外部に押し出される。これにより、前面パネル2に設けられたスリットから室内の空気が取り込まれる。そして、空気清浄機1に取り込まれた空気は、プレフィルタ3によってその中に含まれる比較的大きなゴミや塵を除去され、イオン化部4に送られる。イオン化部4では、空気中の汚れの粒子を帯電させ、ロールフィルタ5によってイオン化部4で帯電した汚れの粒子が集塵される。イオン化部4及びロールフィルタ5を通風した空気は、光触媒部7に送られる。光触媒部7では、紫外線などを含む光を発する光源ランプ8が照射されることにより、空気中の細菌や臭気成分などが分解される。その後、空気は、シロッコファン10により空気清浄機1の上面から室内へ図1の矢印方向に送風される。
【0024】
以上のような運転中におけるnz音について説明する。
【0025】
シロッコファン10は、羽根車20の羽根22と舌部11aとの干渉により生じる圧力変動によって、干渉音であるnz音を発する。nz音の周波数f(Hz)は、羽根車20の回転数が毎分n回転、羽根22がz枚である場合、f=n×z/60で表される。羽根車20と舌部11aとの間隔が狭いほど、nz音が大きくなる。これは、羽根車20と舌部11aとの干渉による圧力変動が大きくなるためである。
【0026】
本実施形態のシロッコファン10は、nz音の周波数が8kHzとなるように設定しているため、空気清浄機の使用者にほぼ聞こえなくなり、実質的な静音化を実現できる。
【0027】
<他の実施例>
(A)
本実施形態におけるシロッコファン10の羽根車20は、同一形状の羽根22を複数備えて送風を行っている。しかし、nz音の周波数を高くするために羽根22を増やすことにより、送風効率が低下することもある。羽根22の通風効率が低下するためである。このため、羽根22を無制限に増やしてnz音の周波数を高くすることは、シロッコファン10の静圧低下を伴うため好ましくない。
【0028】
ここで、圧力変動の頻度を増やすことにより、nz音の周波数を高くすることができる。具体的には、羽根車20の羽根22同士の間に1または複数の補助羽根を設けることによって、圧力変動の頻度を増やすことができ、その結果nz音の周波数を高くすることができる。
【0029】
nz音の周波数f(Hz)は、羽根車20の羽根22がz枚、補助羽根23がz1枚、回転数が毎分n回転である場合、f=n×(z+z1)/60となり、補助羽根がない場合に比べてnz音の周波数が高くなる。
【0030】
図3は、本変形例のシロッコファン10の舌部11aの近傍における断面図である。本変形例において、補助羽根23は、図3に示すように、羽根22同士の間に2枚設けられている。補助羽根23は、圧力変動を生じさせるための羽根であり、送風にそれほど寄与しない小さな羽根様の物体である。羽根22、補助羽根23の枚数が、例えば、羽根車20の羽根22の羽根枚数が50枚、補助羽根23の羽根枚数が100枚であるときに、回転数が毎分3200回転であれば、nz音の周波数が8kHzとなり、補助羽根がない場合のnz音の周波数である約2.7kHzに比べて高くなる。
【0031】
(B)
本実施形態におけるシロッコファン10の舌部11aにおいて、羽根22又は補助羽根23との干渉による圧力変動によってnz音が生じる。
【0032】
ここで、舌部11aに圧力変動を生じさせる物体を設けることによって、圧力変動の頻度を増加させて、nz音の周波数を高くすることができる。
【0033】
図4は、本変形例のシロッコファン10の舌部11aの近傍における断面図である。本変形例において、舌部11aに5つの突起物13を図4に示すように設ける。このときに、羽根22の間隔Lが突起物13の設置間隔SのN倍(N:整数)となるように突起物13を設ける。
【0034】
これにより生じるnz音の周波数f(Hz)は、羽根車20の回転数が毎分n回転、羽根22がz枚である場合、f=n×z×N/60となる。例えば、羽根車20の羽根22の羽根枚数が50枚、Nが3(図4参照)であるときに、回転数が毎分3200回転であれば、nz音の周波数が8kHzとなる。これにより、羽根22の枚数を増やさずに突起物13を設けることによっても、nz音の周波数を高くすることができる。
【0035】
また、上記(A)と同様に、羽根車20の羽根22同士の間に補助羽根23を設けることによっても、やはり同様にnz音の周波数を高くすることができる。
【0036】
図5は、本変形例のシロッコファン10の舌部11aの近傍における断面図である。舌部11aに設けられる突起物を図5に示すように設ける。この際に、やはり羽根22と補助羽根22との間隔Lが突起物13の設置間隔SのN倍(N:整数)となるように突起物13を設ける。
【0037】
これにより生じるnz音の周波数f(Hz)は、羽根車20の回転数が毎分n回転、羽根22がz枚、補助羽根23がz1枚である場合、f=n×(z+z1)×N/60となる。例えば、羽根車20の羽根22、補助羽根22の羽根枚数がそれぞれ60枚、Nが2(図5参照)であるときに、回転数が毎分2000回転であれば、nz音の周波数が8kHzとなる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の多翼ファンでは、nz音が8kHz以上であるため、多翼ファンから発生するnz音が聞こえづらく、nz音が大きく発生する場合にも人への影響を抑えることができる。
【0039】
また、舌部に複数の突起物を有するため、突起物がないときと比べて圧力変動の回数を増やすことができる。これにより、nz音の周波数を高くすることができる。
【0040】
さらに、羽根の間隔が複数の突起物の間隔の整数倍であるため、nz音の周波数を明確に高くすることができる。
【0041】
請求項2の多翼ファンでは、nz音が8kHz以上であるため、多翼ファンから発生するnz音が聞こえづらく、nz音が大きく発生する場合にも人への影響を抑えることができる。
【0042】
また、羽根同士の間に補助羽根が設けられているため、補助羽根がない場合に比べて圧力変動の頻度を増やすことができる。これにより、nz音の周波数を高くすることができる。
【0043】
さらに、羽根と補助羽根との間隔もしくは補助羽根同士の間隔が複数の突起物の間隔の整数倍であるため、nz音の周波数を明確に高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る空気清浄機の分解斜視図。
【図2】 シロッコファンの断面図。
【図3】 羽根車の羽根同士の間に補助羽根を設けられている、シロッコファンの舌部付近の断面図。
【図4】 舌部に突起物が設けられている、シロッコファンの舌部付近の断面図。
【図5】 羽根車の羽根同士の間に補助羽根を、舌部に突起物を、それぞれ設けられている、シロッコファンの舌部付近の断面図。
【符号の説明】
1 空気清浄機
10 シロッコファン(多翼ファン)
11 ケーシング
11a 舌部
12 送風口
13 突起
20 羽根車
21 モータ (駆動部)
22 羽根
23 補助羽根

Claims (2)

  1. 送風部に舌部を有するケーシングと、
    前記ケーシングの内部に設けられ、複数の羽根を有する羽根車と、
    前記羽根車を回転させる駆動部と、
    を備えており、
    前記ケーシングは、前記羽根車の回転方向に並べられる複数の突起物を前記舌部に有し、
    前記羽根の間隔が前記複数の突起物の間隔の整数倍であり、
    前記羽根車が回転する際に、前記舌部の前記複数の突起物と前記羽根との干渉により生じるnz音の周波数が8kHz以上である、
    多翼ファン。
  2. 送風部に舌部を有するケーシングと、
    前記ケーシングの内部に設けられ、複数の羽根を有する羽根車と、
    前記羽根車を回転させる駆動部と、
    を備えており、
    前記羽根の間に1または複数の補助羽根が設けられ、
    前記ケーシングは、送風方向に並べられる複数の突起物を前記舌部に有し、
    前記羽根と前記補助羽根との間隔もしくは前記補助羽根同士の間隔が前記複数の突起物の間隔の整数倍であり、
    前記羽根車が回転する際に、前記舌部の前記複数の突起物前記羽根および前記補助羽根の干渉により生じるnz音の周波数が8kHz以上となるように、前記羽根と前記補助羽根との合計枚数が設定されている、
    多翼ファン。
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