JP4774812B2 - プロピレンの製造方法 - Google Patents
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Description
Proc.12th Int.Zeolite Conf.(1999)1057−1064
以上のように、従来の技術ではプロピレンの選択率が不十分であり、プロピレン選択率の向上が望まれていた。本発明は、エチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルから従来の方法よりも高選択率でプロピレンを得る方法を提供することを課題とする。
反応条件においてエチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルとを反応させることによりプロピレンを極めて高選択的に得られることを見出して本発明に至った。すなわち、本発明の要旨はエチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルとを触媒の存在下反応器中で
接触させてプロピレンを製造する方法において、
触媒として以下の式(1)の組成を有するMFI型ゼオライトを用い、
MxSiyOz 式(1)
(式(1)中MはAlを示す。
x:y=0.0003〜0.003:1である)
条件(A):反応器に供給するメタノールおよび/またはジメチルエーテルとエチレンの濃度の和が全供給成分中85モル%以下である
条件(B):あらかじめ重量空間速度WHSVを変化させて、反応器に供給するメタノールのモル数と、ジメチルエーテルのモル数の2倍との合計に対して、反応器出口のメタノールのモル数と、ジメチルエーテルのモル数の2倍との合計が1/20になるときのメタノールおよび/またはジメチルエーテルとエチレンのトータルの重量空間速度WHSV95 を求めておき、反応器中のメタノールおよび/またはジメチルエーテルの重量空間速度WHSVを、前記WHSV 95 に対して0.85倍以下とする、に存する。
(触媒)
本発明で用いる触媒は、以下の式(1)の組成を有するゼオライト、すなわちブレンステッド酸点を有する結晶性多孔質珪酸塩である。
MxSiyOz 式(1)
式(1)中MはAl、Ga、Fe(III)から選ばれる一つまたは複数の金属元素を示す。中でもAlが好ましい。
x:y:z=0.0003〜0.005:1:1〜5である。ここで、xは0.0003〜0.003が好ましく、0.0003〜0.001がより好ましい。
xが小さすぎると反応速度が小さくなり好ましくない。xが大きすぎるとパラフィンや芳香族化合物の副生が増えて好ましくない。
定するコードで表すと、AEI、AET、AEL、AFI、AFO、AFS、AST、ATN、BEA、CAN、CHA、DDR、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、LEV、LTL、MAZ、MEL、MFI、MOR、MTT、MTW、MWW、OFF、PAU、RHO、STT、TONなどが使用できる。これらの中でも、細孔径が3〜9オングストロームのミクロ細孔を有するものが好ましい。
具体的にはAEI、BEA、CHA、FER、MWWが好ましく挙げられる。
触媒活性成分の粒径は、合成時の条件により異なるが、通常0.01μm〜500μmである。このようなゼオライトを使用し、さらに特定の条件で反応を行うことにより、プロピレンの選択率を向上することができる。
そして、パラフィン類や芳香族化合物の副生を著しく抑制することが可能となり、結果として適切な反応条件を組み合わせることにより、極めて高いプロピレン選択率を達成することが可能となる。
本発明のゼオライトの製造方法は説くに限定されず、一般的に水熱合成と呼ばれる方法により調製することが可能である。また、水熱合成後にイオン交換、脱アルミニウム処理、含浸や担持などの修飾により組成を変えることも可能である。本発明で使用するゼオライトは、反応に供する際に上記組成の範囲に入っていれば、いずれの方法によって調製しても良い。
(エチレン)
反応の原料として用いるエチレンとしては、特に限定されるものではない。例えば、石油供給原料から接触分解法または蒸気分解法等により製造されるもの、石炭のガス化により得られる水素/CO混合ガスを原料としてFT(フィッシャートロプシュ)合成を行うことにより得られるもの、エタンの脱水素法または酸化脱水素法により得られるもの、プロピレンのメタセシス反応およびホモロゲーション反応により得られるもの、MTO反応によって得られるもの、エタノールの脱水反応によって得られるもの等の、公知の各種方法により得られるものを任意に用いることができ、このとき各製造方法に起因するエチレン以外の化合物が任意に混合した状態のものをそのまま用いても良いし、精製したエチレンを用いても良い。
反応の原料として用いるメタノールおよびジメチルエーテルの製造由来は特に限定されない。例えば、石炭および天然ガス、ならびに製鉄業における副生物由来の水素/COの混合ガスの水素化反応により得られるもの、植物由来のアルコール類の改質反応により得られるもの、発酵法により得られるもの、再循環プラスチックや都市廃棄物等の有機物質から得られるもの等が挙げられる。このとき各製造方法に起因するメタノールおよびジメチルエーテル以外の化合物が任意に混合した状態のものをそのまま用いても良いし、精製したエチレンを用いても良い。
(1)反応方法
(反応器)
本発明において、エチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルとの反応は、気相反応である。反応器の形態に特に制限はないが、通常連続式の固定床反応器や流動床反応器が選ばれる。
また、反応に伴う発熱を分散させることを目的に、反応基質を分割して供給しても良い。
本発明の触媒は従来の触媒に比べてコーキングが少なく、触媒劣化の速度は遅いが、1年以上の連続運転を行う場合には運転中に触媒再生を行う必要がある。
固定床反応器を選択する場合、反応器を少なくとも二つ以上設置し、反応と再生を切り替えながら運転することが望ましい。
一方、流動床反応器を選択する場合、触媒を連続的に再生槽に送り、再生槽において再生された触媒を連続的に反応器に戻しながら反応を行うことが好ましい。
(エチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルの供給濃度比)
反応器に供給するエチレンの量は、反応器に供給するメタノールのモル数とジメチルエーテルのモル数の2倍との合計に対して、モル比で0.2以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上であって、通常10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。
低すぎると反応によるエチレンの消費量が少なくなる傾向がある。高すぎると未反応のエチレンの量が多くなり、分離操作を含めた製造コストが高くなる。
エチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルとを反応器に供給する際には、これらを別々に供給しても、予め一部または全部を混合した後に供給してもよい。
反応器に供給するエチレンとメタノールとジメチルエーテルのガス中の濃度の和は全供給成分中、85モル%以下が好ましい。さらに好ましくは5モル%以上85モル%以下である。基質濃度が高すぎると芳香族化合物やパラフィン類の生成が顕著になり、空間速度を下げるにしたがってプロピレンの選択率が低下する傾向がある。基質濃度が低すぎると、反応速度が遅くなるため多量の触媒が必要となり、反応器が大きくなりすぎる傾向がある。
反応器内には、エチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルとの他に、ヘリウム、アルゴン、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水、パラフィン類、メタン等の炭化水素類、芳香族化合物類、および、それらの混合物など、反応に不活性な気体を存在させることができるが、この中でも水(水蒸気)が共存しているのが好ましい。
反応原料に含まれている不純物を希釈剤として使用してもよいし、別途調製した希釈剤を反応原料と混合してもよい。希釈剤は反応器に入れる前に反応原料と混合してもよいし、反応原料とは別に反応器に供給してもよい。
(空間速度)
ここで言う空間速度とは、触媒重量当たりの重量空間速度であり、触媒重量とは造粒・成型に使用する不活性成分やバインダーを含まない触媒活性成分の重量である。
反応器に供給するメタノールのモル数とジメチルエーテルのモル数の2倍との合計に対して、反応器出口のメタノールのモル数とジメチルエーテルのモル数の2倍との合計が1/20(以下、メタノール転化率95%と表現)になるときのメタノールおよび/またはジメチルエーテルとエチレンのトータルの重量空間速度をWHSV95としたとき、実際の反応における重量空間速度WHSVがWHSV95の0.85倍以下になるような条件で反応を行う。さらに好ましくはWHSV95の0.05倍以上、0.85倍以下である。
空間速度が高すぎると十分なプロピレン選択率が得られない。また空間速度が低すぎると、一定の生産量を得るのに必要な触媒量が多くなり、反応器が大きくなりすぎる傾向がある。
反応温度としては、通常約300℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは450℃以上で行われ、上限としては、700℃以下、好ましくは600℃以下である。反応温度が低すぎると、反応速度が低く、未反応原料が多く残る傾向となり、さらにプロピレンの選択率も低下する。一方で反応温度が高すぎるとプロピレンの選択率が著しく低下する。
反応圧力は通常2MPa(絶対圧、以下同様)以下で行う。好ましくは1MPa以下であり、より好ましくは0.7MPa以下である。また、下限は特に制限されないが、通常1kPa以上、好ましくは50kPa以上である。反応圧力が高すぎるとパラフィン類や芳香族化合物の生成が増え、プロピレンの選択率が低下する傾向がある。反応圧力が低すぎると反応速度が遅くなる傾向がある。
反応器出口のガスには、反応生成物であるプロピレン、未反応原料、副生物および希釈剤を含む混合ガスが得られる。
該混合ガス中のプロピレン濃度は通常5〜95%である。
未反応原料は、通常エチレンである。反応条件によってはメタノールおよび/またはジメチルエーテルが含まれるが、メタノールおよび/またはジメチルエーテルの転化率が100%になるような反応条件で反応を行うのが好ましい。それにより、反応生成物と未反応原料との分離が容易になる。
副生物としては炭素数が4以上のオレフィン類、パラフィン類、芳香族化合物および水が挙げられる。
(4)生成物の分離法
これらのガスは公知の分離・精製設備に導入され、それぞれの成分に応じて回収、精製、リサイクル、排出の処理を行えば良い。
未反応のエチレンは、反応原料と混合するか、または直接反応器に供給することでリサイクルする。また、副生物のうち、反応に不活性な成分は希釈剤として用いることができる。
[触媒調製]
調製例1
臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム(TPABr)26.6gおよび水酸化ナトリウム4.8gを順次、水280gに溶解し、次にコロイダルシリカ(SiO2 40%、Al 約0.06%)75gと水35gとの混合液をゆっくり加え、十分攪拌して水性ゲルを得た。次に、このゲルを1000mlのオートクレーブに仕込み、自圧下170℃で72時間300rpmで攪拌しながら水熱合成を行った。生成物は加圧濾過により固体成分を分離し、十分水洗を行った後に100℃で24時間乾燥した。乾燥後の触媒は空気流通下550℃で6時間焼成を行いNa型のアルミノシリケートを得た。
再度1Mの硝酸アンモニウム水溶液40ccに懸濁させ、80℃で2時間攪拌した。処理後の液は吸引濾過により固体成分を分離し、十分水洗を行った後、100℃で24時間乾燥した。乾燥
後の触媒は空気流通下500℃で4時間焼成を行いH型のアルミノシリケート(触媒A)を得
た。触媒の組成を化学分析により定量したところ、SiO2/Al2O3=711(モル比)であった
(式1のx=0.0028)。尚、XRDによりゼオライトの構造がMFI型であることを確認し
た。
調製例1における水酸化ナトリウムの添加量を5.1gに変え、TPABrと共に硝酸アルミニウム・9水和物0.62gを添加した以外は調製例1と同様の操作によりH型のアルミノシリケート(触媒B)を得た。触媒の組成を化学分析により定量したところ、SiO2/Al2O3=323(モル比)であった(式1のx=0.0062)。尚、XRDによりゼオライトの構造がMFI型であることを確認した。
1000mlのオートクレーブにテトラエトキシシランを90g、20-25%水酸化テトラn−プロ
ピルアンモニウム(TPAOH)水溶液130gとエタノール60gおよび水100gを仕込んだ。
溶液を激しく攪拌しながらコロイダルシリカ(触媒化成社製、SI-30)200gを加えた。添
加後30分間激しく攪拌し、オートクレーブを密封し、自圧下160℃で120時間400rpmで攪拌しながら水熱合成を行った。合成後の処理は調製例1と同様の方法により行い、H型のア
ルミノシリケート(触媒C)を得た。触媒の組成を化学分析により定量したところ、SiO2/Al2O3=4890(モル比)であった(式1のx=0.00041)。尚、XRDによりゼオライトの構造がMFI型であることを確認した。
例1
(WHSV95の測定):比較例1
反応には常圧固定床流通反応装置を用い、内径6mmの石英製反応管に触媒0.1g、希釈剤
として石英砂0.4gの混合物を充填した。触媒には調製例1に示した触媒Aを用い、エチレン、メタノール、水(26体積%)および窒素を蒸発器を通して反応器に供給した。反応開始後70分後にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。表1に反応条件および
反応結果を示した。尚、メタノール転化率95%となるときのエチレンとメタノールのトータルの重量空間速度WHSV95はWHSVを変えた実験を行い、7.8Hr-1であった(比較例1)。
比較例1に対してWHSV/WHSV95を0.64にした以外は、同様に反応を行った。 反応条件および反応成績を表1に示す。
実施例2
比較例1に対してWHSV/WHSV95を0.06にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表1に示す。
(WHSV95の測定):比較例2
比較例1に対して、エチレンとメタノールとの濃度の合計を65mol%にした以外は同様に反応を行った。WHSVを変化させてWHSV95を求めた結果、28Hr-1であった。
反応条件および反応成績を表1に示す。
比較例2に対してWHSV/WHSV95を0.64にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表1に示す。
実施例4
比較例2に対してWHSV/WHSV95を0.08にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表1に示す。
(WHSV95の測定):比較例3
比較例1に対して、エチレンとメタノールとの濃度の合計を90mol%にした以外は同様に反応を行った。WHSVを変化させてWHSV95を求めた結果、41Hr-1であった。反応条件および反応成績を表2に示す。
比較例3に対してWHSV/WHSV95を0.63にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表2に示す。
比較例5
比較例3に対してWHSV/WHSV95を0.09にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表2に示す。
例4:例2に対して触媒の組成を変化させ、本発明の範囲外の触媒を使用した例
(WHSV95の測定):比較例6
比較例2に対して、使用する触媒を調整例2で製造した触媒Bにした以外は同様に反応を行った。WHSVを変化させてWHSV95を求めた結果、38Hr-1であった。
反応条件および反応成績を表2に示す。
比較例7
比較例6に対してWHSV/WHSV95を0.68にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表2に示す。
比較例8
比較例6に対してWHSV/WHSV95を0.09にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表2に示す。
(WHSV95の測定):比較例9
比較例2に対して、使用する触媒を調整例3で製造した触媒Cにした以外は同様に反応を行った。WHSVを変化させてWHSV95を求めた結果、5.6Hr-1であった。
反応条件および反応成績を表3に示す。
実施例5
比較例6に対してWHSV/WHSV95を0.67にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表3に示す。
実施例6
比較例6に対してWHSV/WHSV95を0.09にした以外は、同様に反応を行った。反応条件および反応成績を表3に示す。
Claims (2)
- エチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルとを触媒の存在下反応器中で
接触させてプロピレンを製造する方法において、
触媒として以下の式(1)の組成を有するMFI型ゼオライトを用い、
MxSiyOz 式(1)
(式(1)中MはAlを示す。
x:y=0.0003〜0.003:1である)
以下の条件(A)および条件(B)を満たす条件でエチレンとメタノールおよび/またはジメチルエーテルとを、反応温度400〜600℃かつ反応圧力50kPa〜1MPaで接触することを特徴とするプロピレンの製造方法。
条件(A):反応器に供給するメタノールおよび/またはジメチルエーテルとエチレンの濃度の和が全供給成分中85モル%以下である
条件(B):あらかじめ重量空間速度WHSVを変化させて、反応器に供給するメタノールのモル数と、ジメチルエーテルのモル数の2倍との合計に対して、反応器出口のメタノールのモル数と、ジメチルエーテルのモル数の2倍との合計が1/20になるときのメタノールおよび/またはジメチルエーテルとエチレンのトータルの重量空間速度WHSV95 を求めておき、反応器中のメタノールおよび/またはジメチルエーテルの重量空間速度WHSVを、前記WHSV 95 に対して0.85倍以下とする - 反応器に供給するエチレンの量が、反応器に供給するメタノールのモル数と、ジメチルエーテルのモル数の2倍との合計に対して、モル比で0.2以上10以下であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレンの製造方法。
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