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JP4779969B2 - 電動機制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、電動機を制御する制御装置に関する。
電動機制御装置では、通常、図15(a)に示すように、トルク(推力)制御部17(制御系の詳細は図示せず)の外側に速度制御系20を組み、速度制御系20の外側に、位置制御部15を有する位置制御系を組んでいる。速度制御系20は、速度指令と電動機の速度との偏差に基づいてトルク(推力)指令を生成する速度制御部16と、トルク(推力)制御部17と、電動機18と、ギヤ等の駆動部19と、負荷1Aと、電動機18の位置を検出する位置検出部1Bと、位置検出部1Bからの位置信号に基づいて電動機速度を演算する速度演算部1Cとを備えている。なお、101,102は各信号の偏差を生成する減算器である。
位置制御系の特性を安定させるためには、速度制御系20の特性に変動がなく、安定している必要がある。
速度制御系20を安定にするには、速度ゲインの変動がないことが必要であるが、速度ゲインの計算に必要な、電動機18が駆動する負荷1Aの慣性モーメント値が未知あるいは変動する場合がある。電動機18の慣性モーメントは既知であるので、通常は電動機18の電動機制御装置の速度制御系20に慣性モーメント比を設定することで、負荷1Aの慣性モーメント値を含めて速度ゲインを計算することが多い。
電動機18が取り付けられた機械の駆動部19および負荷1Aの回転軸換算(可動方向換算)の慣性モーメントをJL、電動機の回転子慣性モーメント(可動子慣性質量)をJmとすると、慣性モーメント(慣性質量)比Jratio
ratio=JL/Jm (1)
となる。
ここまで、電動機として回転型モータで説明してきたがリニアモータでも説明内容は同じであるので、説明の都合上、慣性モーメント(慣性質量)のようにリニアモータ特有の言葉は(*)で表現する。
図15(a)の速度制御系は図15(b)のように実現できる。図中、1/(Js)のブロックは電動機を意味しており入力がトルクであり出力は電動機速度である。Jは負荷の慣性モーメント(慣性質量)JLと電動機の慣性モーメント(慣性質量)Jmの和である。
慣性設定部のなかで慣性モーメント比を用いると、前向きゲインは(1)式から
v×Jm(1+Jratio)=Kv(Jm+JL)=Kv×J (2)
となり、電動機まで入れた前向きゲインは
v×J(1/(Js))=Kv/s (3)
となり、慣性モーメント比を正確に設定することで、速度ループゲインKvを確定できる。ところが、負荷機械の慣性モーメントが未知な場合や既知であっても大きく変動する場合には、(3)式の分子のJ(計算値)と分母のJs(機械の物理量)が同じにならないため、速度ゲインKvが規定値から変動してしまう。
負荷の慣性モーメント(慣性質量)が未知な場合に慣性モーメント(慣性質量)比を同定する方法もあるが、微小移動時(例えば、100パルス移動程度)は慣性モーメント(慣性質量)比が同定できず、制御系のゲインのバランスが悪くなり、制御系が不安定となり、制御系が発振することがあった。
そこで、慣性モーメント(慣性質量)比を同定する代わりに外乱オブザーバを用いた外乱抑圧制御が考えられてきた。この制御を適用すれば慣性モーメントを同定することなしに、正しい慣性モーメント比(計算で求められた慣性モーメント比が実際の慣性モーメント比とほぼ一致するような慣性モーメント比)を設定した時と同等の制御性能が得られることが10年程前から学会等に発表されている。例えば、磯貝 他、「電動機制御系に対するオブザーバの応用」第19回SICE学術講演会予稿集、1980年、p.371−372では、2次系の同一次元外乱オブザーバで推定した電動機の外乱(外乱に相当する電流値として検出)を電流指令にフィードバックして、電動機に加わる外乱の影響を低減する「外乱抑圧制御系」を構成し、外乱の影響を低減する手法が提案されている。
その後、大石 他、「状態観測器を用いた他励直流機の一制御法」電気学会論文誌、1984年、B45 p.373−379で、負荷トルクを推定するために、1次系の最小次元外乱オブザーバの構成方法が提案されている。
また、M.Nakao,et al、「A ROBUST DECENTRALIZED JOINT CONTROL BASED ON INTERFERENCE ESTIMATION」IEEE Trans. Industrial Electronics、1987年、IE−34 p.326−331では、1次系の最小次元外乱オブザーバを用いた外乱抑圧制御で慣性モーメントの変動による制御系の特性変動が低減できることが示され、負荷慣性モーメントが1.7倍変動しても制御系がロバスト(特性変動が少ないこと)という結果が得られており、宮下 他、「電動機のチューニングレス制御」、2000年、p.47−52では、10倍の慣性モーメントの変動に対して制御系がロバストであることが示され、関連特許として特許文献1が出願されている。
特許文献1は、モータトルクに比べて慣性が非常に大きい機械系を駆動する場合に、外乱オブザーバを使用して外乱抑圧制御を行うことで速度制御部からみた機械系の慣性モーメントを見かけ上、小さく制御することを特徴としている。
特開平10−248286号公報 特開2002−229605号公報
特許文献1には明記されていないが、前掲の宮下他の文献によると、従来の外乱抑圧制御方法では、慣性モーメント比で10倍程度までしか制御性能が確保できないという問題があった。
宮下他の文献と同様に、図16に示すように1次の外乱オブザーバを用いて外乱抑圧制御を構成したものがある。これは、図15の速度制御部16とトルク(推力)制御部17との間に、波線で示す慣性変動抑制部13を追加したものである。この慣性変動抑制部13は、電動機の速度とトルク(推力)指令に基づいて外乱要素を演算する外乱オブザーバ10と、その出力にゲイン12を掛けて推定外乱トルク(推力)としてトルク(推力)指令に加算し(加算器103)、新たなトルク(推力)指令として出力するトルク制御部17とを備えている。
このように慣性変動抑制部13を用いて電動機の速度を計算機でシミュレーションした結果の例を図17に示す。図17のグラフ(a)は慣性モーメント比が0倍(モータ単体)時であり安定な応答となるようにゲインを調整している。このまま慣性モーメント比を10倍にすると、図17のグラフ(b)の応答となり、モータ回転速度が加速から等速に変化した直後の波形や減速からゼロ速に変化した直後の波形に注目すると、0倍とほぼ同等の応答が保たれている。慣性モーメント比を25倍にすると、図17のグラフ(c)に示すように、振動しており、制御系が不安定となっている。
この例からわかるように、従来手法では、慣性モーメント比が10倍程度までしか、安定に制御できないことがわかる。
また、図15(a)の通常の位置制御系や図16に示す外乱抑圧制御を組み合わせた位置制御系において、位置ゲインを上限まであげた後で、さらに位置決め時間を短縮するためにフィードフォワードを追加することが多い。ここで、図16を第1の従来技術の制御ブロック図とする。
図20は、第2の従来技術の制御ブロック図である。例えば、図のように、第1の従来技術である外乱抑圧制御を組み合わせた位置制御系に速度フィードフォワードを組み合わせることができる。図において、位置指令から速度FF部1Dを通して位置制御部15の出力である速度指令に速度フィードフォワード信号を加算している。なお、以下の説明(特に図面)ではフィードフォワードをFFと略記することがある。通常、速度FF部1Dは、微分器や近似微分器(ローパスフィルタと微分器の組み合わせやハイパスフィルタで構成)を用いて構成する。
第2の従来技術において、速度FF部1D内の速度FFゲイン(図示せず)を90%としたときの、位置決め動作時の応答(計算機シミュレーション結果)を図21に示す。図において、速度制御部16に正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定したときの電動機の速度波形と、速度制御部16の設定はそのままとして、負荷慣性モーメント(慣性質量)が増えることで、慣性モーメント比が大きくなる場合(2倍、10倍)の電動機の速度波形を示す。なお、位置指令速度とは、位置指令を微分した速度成分を意味している。位置制御系の応答に時間遅れがなければ、電動機の速度は位置指令速度に一致する。
図17の結果と比較すると、慣性モーメント比が0倍、2倍のときはフィードフォワードの効果で応答が速くなっているが、慣性モーメント比が10倍のときは電動機速度が加速から等速度に変化した直後や減速からゼロ速度に変化した直後の波形が振動しており、制御系が不安定となっている。すなわち、速度FFを適用すると慣性モーメント変動にロバストな範囲が10倍から2倍程度まで悪化することがわかる。
図22は、第3の従来技術の制御ブロック図である。位置決め時間を短縮するために、図のように、第1の従来技術である外乱抑圧制御を組み合わせた位置制御系に、速度FFとトルクFFを追加することも多い。図において、位置指令を入力する指令フィルタ部1Fの出力から速度FF部1Dを通して位置制御部15の出力である速度指令に速度FF信号を加算するとともに、トルクFF部1Eを通してトルク指令に加算している。トルクFF部1Eは、微分器を2段直列に接続した2回微分器や近似微分器を2段直列にすることで実現できる。
第3の従来技術において、速度FF部1D内の速度FF部内の速度FFゲイン(図示せず)を100%、トルクFFゲインを70%としたときの位置決め動作時の応答(計算機シミュレーション結果)を図23に示す。図において、速度制御部16に正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定したときの電動機の速度波形と、速度制御部16の設定はそのままとして、負荷慣性モーメント(慣性質量)が増えることで、慣性モーメント比が大きくなる場合(3倍、10倍)の電動機の速度波形を示す。図17の結果と比較すると、慣性モーメント比が0倍、3倍のときはフィードフォワードの効果で応答が速くなっているが、慣性モーメント比が10倍のときは電動機速度が加速から等速度に変化した直後や減速からゼロ速度に変化した直後の波形が振動しており、制御系が不安定となっている。すなわち、速度FFおよびトルクFFを適用すると慣性モーメント変動にロバストな範囲が10倍から3倍程度まで悪化することがわかる。
以上のように、慣性変動抑制部13を適用した従来の位置制御系にフィードフォワードを適用すると、慣性モーメント変動に対してロバストな範囲が従来の10倍から2から3倍程度まで大幅に悪化する大きな問題がある。慣性モーメントの許容変動範囲を大きくしようとすると、フィードフォワード効果を低減する必要があり、位置決め時間を短縮できず、また、位置決め時間を十分に短縮しようとすると、慣性モーメントの許容変動範囲が2から3倍程度であり、適用範囲が狭くなるため実用的ではなくなると言う大きな課題がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、大きな慣性モーメント比(慣性質量比)に対しても制御性能を確保することができる電動機制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、次のように構成したのである。
本発明の第1の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し、前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令を入力し前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する位相補償部と、前記新たな速度指令と前記電動機の速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えたものである。
本発明の第2の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し、前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの時定数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する位相補償部と、前記速度指令と前記新たな速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部を備えたものである。
本発明の第3の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し、前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、第1の低域通過フィルタを有し、前記第1の低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第1の低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令を入力し前記第1の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する第1の位相補償部と、第2の低域通過フィルタを有し、前記第2の低域通過フィルタの時定数を、前記速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第2の低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記第2の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する第2の位相補償部と、前記新たな速度指令と前記新たな速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部を備えたものである。
本発明の第4の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの時定数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する位相補償部と、速度指令と前記新たな速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えたものである。
本発明の第5の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する位相補償部と、前記新たな速度指令と前記電動機の速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えたものである。
本発明の第6の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの時定数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する位相補償部と、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和と前記新たな速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えたものである。
本発明の第7の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、第1の低域通過フィルタを有し、前記第1の低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第1の低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和を入力し、前記第1の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する第1の位相補償部と、第2の低域通過フィルタを有し、前記第2の低域通過フィルタの時定数を、前記速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第2の低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記第2の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する第2の位相補償部と、前記新たな速度指令と前記新たな速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えたものである。
本発明の第8の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、前記位置指令を入力しトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード部と、トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する位相補償部と、前記新たな速度指令と前記電動機の速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えたものである。
本発明の第9の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、前記位置指令を入力しトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード部と、トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの時定数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度とを入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する位相補償部と、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和と前記新たな速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えたものである。
本発明の第10の構成は、慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、前記位置指令を入力しトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード部と、トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、第1の低域通過フィルタを有し、前記第1の低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第1の低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和を入力し、前記第1の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する第1の位相補償部と、第2の低域通過フィルタを有し、前記第2の低域通過フィルタの時定数を、前記速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第2の低域通過フィルタに設定するものであって、前記トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度とを入力し、前記第2の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する第2の位相補償部と、前記新たな速度指令と前記新たな速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えたものである。
本発明の第11の構成は、速度フィードバック制御系を有し、機械的に締結された負荷を駆動する電動機を制御する電動機制御装置であって、入力される速度指令に対して位相補償する第1の位相補償部、または入力される前記電動機の速度に対して位相補償する第2の位相補償部と、前記電動機の速度に基づいて前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を算出する慣性変動抑制部と、を備え、前記速度フィードバック系における速度ループゲインに応じて、前記第1の位相補償部または前記第2の位相補償部における位相補償値を自動的に調整すると共に、前記新たなトルク指令に応じて前記電動機を制御するものである。
第1の構成の発明によると、サーボパラメータを変更することなしに、負荷慣性モーメントの変動範囲が従来例の1.5倍にひろがっても慣性モーメント比の設定が不要で、サーボ性能を確保することができる。また、位相補償部中の低域通過フィルタ遮断周波数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化をきにすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。
第2の構成の発明によると、負荷慣性モーメントの変動範囲が従来例の2.5倍に広がっても、慣性モーメント比の設定が不要で、サーボ性能を確保することができる。また、第1の構成の発明とくらべ、位置決め時間を短縮できる効果もある。また、位相補償部中の低域通過フィルタの時定数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化を気にすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。
第3の構成の発明によると、負荷慣性モーメントの変動範囲が従来例の3倍にひろがっても、慣性モーメント比の設定が不要で、サーボ性能を確保することができる。
また、慣性変動に対して、正確な慣性モーメント比を設定した場合と同じ応答波形となるので、慣性モーメント比がことなる複数軸での軌跡制御で、軌跡のズレが少ない動作ができる効果もある。また、位相補償部中の低域通過フィルタの時定数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化を気にすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。また、位相補償部中の低域通過フィルタ遮断周波数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化をきにすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。
の構成の発明によると、電動機制御装置が速度制御装置として動作する場合においても、サーボパラメータを変更することなしに、電動機制御装置が位置制御装置として動作する場合と同様の効果がある。
また、電動機制御装置が速度制御装置として動作する場合においても、位相補償部中の低域通過フィルタの時定数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化を気にすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。
5,6,7の構成の発明によると、位置制御系に速度フィードフォワードを適用した場合、ロバスト範囲の確保と応答の高速化の両立という、従来技術では達成できなかった課題が解決できるという大きな効果がある。また、第5または7の構成の発明によると、位相補償部中の低域通過フィルタ遮断周波数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化をきにすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。また、第6または7の構成の発明によると、位相補償部中の低域通過フィルタの時定数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化を気にすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。
8,9,10の構成の発明によると、位置制御系に速度フィードフォワードとトルクフィードフォワードを適用した場合、ロバスト範囲の確保と応答の高速化の両立という、従来技術では達成できなかった課題が解決できるという大きな効果がある。また、第8または10の構成の発明によると、位相補償部中の低域通過フィルタ遮断周波数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化をきにすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。また、第9または10の構成の発明によると、位相補償部中の低域通過フィルタの時定数を速度ループゲインの関数として自動的に変更することで、サーボ性能の変化を気にすることなく速度ループゲインを可変できる効果がある。
第11の構成の発明によると、上記した第1乃至10の構成の発明の効果のうち、少なくとも1つの効果を奏することができるものである。
本発明の実施例1の制御ブロック図である。 実施例1における慣性変動抑制部の一例を示す制御ブロック図である。 実施例1における慣性変動抑制部の他の例を示す制御ブロック図である。 実施例1における慣性変動抑制部のさらに他の例を示す制御ブロック図である。 実施例1における位相補償部の制御ブロック図である。 実施例1における1次外乱オブザーバと位相進めフィルタを併用した位置制御系の応答を示すグラフである。 実施例1における1次外乱オブザーバと位相進めフィルタを併用した位置制御系の位置決め時間を示すグラフである。 本発明の実施例2の制御ブロック図である。 実施例2における1次外乱オブザーバと位相補償速度オブザーバを併用した位置制御系の位置決め時間を示すグラフである。 実施例2における外乱オブザーバと位相補償速度オブザーバと低域通過フィルタを併用した位置制御系の応答を示すグラフである。 本発明の実施例3の制御ブロック図である。 実施例3における外乱オブザーバと位相補償速度オブザーバと位相進めフィルタを併用した位置制御系の応答を示すグラフである。 実施例3における1次外乱オブザーバと位相補償速度オブザーバを併用したときの速度ループゲインと位相補償速度オブザーバ低域通過フィルタ時定数の関係を示すグラフである。 実施例3における2次外乱オブザーバと位相補償速度オブザーバを併用したときの速度ループゲインと位相補償速度オブザーバ低域通過フィルタ時定数の関係を示すグラフである。 一般的な電動機の位置制御系のブロック図である。 第1の従来技術の制御ブロック図である。 第1の従来技術において1次外乱オブザーバを適用した位置制御系の応答を示すグラフである。 実施例1における1次外乱オブザーバと位相進めフィルタを併用したときの速度ループゲインと位相進めフィルタ低域通過フィルタ遮断周波数の関係を示すグラフである。 実施例1における2次外乱オブザーバと位相進めフィルタを併用したときの速度ループゲインと位相進めフィルタ低域通過フィルタ遮断周波数の関係を示すグラフである。 第2の従来技術の制御ブロック図である。 第2の従来技術において速度FFを適用した位置制御系の応答を示すグラフである。 第3の従来技術の制御ブロック図である。 第3の従来技術において速度FFとトルクFFを適用した位置制御系の応答を示すグラフである。 本発明の実施例9の制御ブロック図である。 実施例9における速度FFを適用した位置制御系の応答を示すグラフである。 本発明の実施例10の制御ブロック図である。 実施例10における速度FFとトルクFFを適用した位置制御系の応答を示すグラフである。
符号の説明
10 外乱オブザーバ
11 低域通過フィルタ
12 ゲイン
13 慣性変動抑制部
14 位相補償部
15 位置制御部
16 速度制御部
17 電動機のトルク(推力)制御部
18 電動機
19 駆動部
20 速度制御系
1A 負荷
1B 位置検出部
1C 速度演算部
1D 速度フィードフォワード部
1E トルクフィードフォワード部
1F 指令フィルタ部
21 オブザーバゲイン
22 オブザーバ積分ゲイン
23 慣性モーメント(慣性)補正部
24 積分演算部
31 オブザーバゲイン
41 オブザーバゲイン
42 オブザーバゲイン
51 低域通過フィルタ
52 高域通過フィルタ
61 位相補償部
62 制御対象のモデル
63 制御器
64 低域通過フィルタ
101 減算器
102 減算器
103 加算器
104 減算器
208 加算器
209 減算器
以下、本発明に係る電動機制御装置の具体的実施例を、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1の構成を示す制御ブロック図である。
図1において、本実施例1の電動機制御装置は、位置指令と電動機位置との偏差に基づいて速度指令を出力する位置制御部15と、速度指令の位相補償を行う位相補償部14と、位相補償された速度指令と電動機の速度との偏差に基づいてトルク(推力)指令を生成する速度制御部16と、慣性変動抑制部13と、トルク(推力)制御部17と、電動機18と、ギヤ等の駆動部19と、負荷1Aと、電動機18の位置を検出する位置検出部1Bと、位置検出部1Bからの位置信号に基づいて電動機速度を演算する速度演算部1Cとを備えている。慣性変動抑制部13は、電動機の速度とトルク(推力)指令に基づいて外乱要素を演算する外乱オブザーバ10と、その出力の高調波雑音を除去する低域通過フィルタ11と、その出力にゲイン12を掛けて推定外乱トルク(推力)としてトルク(推力)指令に加算し、新たなトルク(推力)指令として出力する加算器103とを備えている。
以上の構成の電動機制御装置においては、パワーアンプ(図示せず)を含んだ電動機のトルク(推力)制御部17で電動機18を駆動する。電動機18は機構(図示せず)の駆動部19を駆動するので、電動機が回転型モータの場合、電動機18の慣性モーメントに負荷1Aとなる機械の慣性モーメントが追加になる。電動機がリニアモータの場合、リニアモータの慣性質量に負荷1Aとなる機械の慣性質量が追加になる。以下、回転型モータとリニアモータを含めて電動機と呼ぶ(区別する場合は、回転型モータあるいはリニアモータと呼ぶ)。
また以降は回転型モータを例にして説明をするが、トルクを推力に置き換えれば、リニアモータの場合も全く同様に実施できる。リニアモータでの言葉の置き換えは「トルク(推力)」のように( )を付けて表現する。
電動機18の位置をエンコーダやリニアスケール等の位置検出部1Bにて検出し、位置検出部1Bの出力を速度演算部1Cに入力することで、検出した位置から速度を演算する。速度演算部1Cは、微分器等を用いればよい。
本発明では、従来技術の問題を解決するため、下記のように通常の速度制御系に慣性変動抑制部13と位相補償部14とを組み合わせる。
速度指令を位相補償部14に入力し、位相補償部14の出力を新たな速度指令とする。
新たな速度指令と速度フィードバック信号の差を速度制御部16に入力し、速度制御部16の出力は慣性変動抑制部13に入力する。
慣性変動抑制部13の出力をトルク(推力)指令として、電動機のトルク(推力)制御部17に入力することで速度制御系が構成できる。
また、位置検出部1Bの出力と位置指令の差を位置制御部15に入力し、位置制御部15の出力を速度指令とすることで位置制御系が構成できる。
図1に示すように、慣性変動抑制部13は、電動機速度を外乱オブザーバ10に入力し、外乱オブザーバ10の出力を低域通過フィルタ11に入力し、低域通過フィルタ11の出力にゲイン12をかけた出力と前記速度制御部16の出力であるトルク(推力)指令とを加算し、加算した出力を新たなトルク(推力)指令として前記外乱オブザーバ10に入力するとともに電動機のトルク(推力)制御部17に入力する。低域通過フィルタ11は、通常は必要ないが、ノイズが多い環境でノイズフィルタとして機能させる。
外乱オブザーバ10は公知の外乱オブザーバにて構成することができる。例えば、図2に示すように2次外乱オブザーバで構成すればよい。
図2の外乱オブザーバ10では、電動機の速度と積分演算部24の出力との偏差にオブザーバゲイン21およびオブザーバ積分ゲイン22が乗じられ、それらの出力の和と、慣性モーメント(慣性質量)補正部23の出力との和が積分演算部24により積分され、電動機の速度との差をとって帰還される。図中201は減算器、202,203は加算器である。
あるいは図3に示すように1次外乱オブザーバで構成すればよい。
図3の外乱オブザーバ10では、電動機の速度と積分演算部24の出力との偏差にオブザーバゲイン31が乗じられ、その出力と慣性モーメント(慣性質量)補正部23の出力との和が積分演算部24により積分され、電動機の速度との差をとって帰還される。
あるいは図4に示すように別の1次外乱オブザーバで構成すればよい。
図4の外乱オブザーバ10では、電動機の速度にオブザーバゲイン41が乗じられ、その出力と新たなトルク(推力)指令との和に積分演算部24の出力を減じたものにオブザーバゲイン42を乗じたものが、積分演算部24に入力される。積分演算部24の出力とオブザーバゲイン41の出力との差が、低域通過フィルタ11に出力される。図中205は加減算器、206は減算器である。
第1の実施例での位相補償部や第3の実施例での第1の位相補償部の目的は、特定の周波数範囲だけ位相を進めることにあり、低域通過フィルタのみでは位相が進まず、高域通過フィルタのみでは必要のない低周波数帯まで位相が進んでしまい、また、高域通過フィルタでは、本来速度ループゲインや速度積分で補償される低周波数帯のゲインが下がってしまう。よって、位相補償部14は、例えば、図5に示すように、低域通過フィルタ51と高域通過フィルタ52を併設し、それぞれの出力を加算器207で加算して出力する構成の、位相進めフィルタを用いた制御ブロックとすればよい。
一般的には、位相進めフィルタの伝達関数G(s)は(8)式で表され、低域通過フィルタの時定数Tと高域通過フィルタの時定数Tの関係が、1/T<1/Tの条件となるように各時定数を調整する、すなわち低域通過フィルタの遮断周波数ω(=1/T)と高域通過フィルタの遮断周波数ω(=1/T)の関係がω<ωとなるように各遮断周波数を調整することにより位相遅れを改善できる。逆の条件であれば、位相遅れフィルタとなり位相進め効果がなくなってしまう。
G(s)=(1+sT)/(1+sT
=1/(1+sT)+sT/(1+sT
=ω/(ω+s)+Tωs/(ω+s) (8)
また、位相進めフィルタの構成として、次式(9)のように書くことも可能である。
G(s)=ω/(ω+s)+Tωs/(ω+s) (9)
このとき、低域通過フィルタ51の遮断周波数を高域通過フィルタ52の遮断周波数より大きくすることで位相進めフィルタとなる。
1次外乱オブザーバで慣性変動抑制部を構成し位相進めフィルタを位相補償部とした時の計算機シミュレーション結果を図6に示す。
図6は、速度制御部に正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定したときの電動機の速度と本実施例の構成で慣性モーメント(慣性質量)比が0倍,5倍,10倍,15倍のときの電動機の速度である(計算機シミュレーション結果)。これらの図で電動機の速度が加速から等速に変化した直後の波形や減速からゼロ速に変化した直後の波形(図中、楕円で囲んだ部分)を比較すると、慣性モーメント(慣性質量)比が0倍,5倍,10倍,15倍のときのすべてのグラフが重なっており、ほぼ同じ応答となっている。
すなわち、本実施例では慣性モーメント(慣性質量)比が15倍までは補償できることになり、従来例よりもロバスト性が1.5倍に向上している。
したがって、本実施例では、従来例よりも広い慣性モーメント(慣性質量)比まで制御系を安定化でき、位置決め応答は負荷によらず一定となる。
実施例1では、制御系の安定性が向上でき、安定な慣性モーメント(慣性質量)比が広がっているが、位置制御系内にフィルタを入れるため、応答が遅くなる課題がある。図7に、例えば、慣性モーメント(慣性質量)比が15倍時で、実施例1の制御を行った場合と慣性モーメント(慣性質量)比が0倍時の位置決め応答を示す。図7は位置決め時間を比較した結果であり、位置偏差波形が0になる時間を比較すると、慣性モーメント(慣性質量)比に正しい値を設定したときと比較して位置決め時間が延びていることがわかる。また、慣性モーメント(慣性質量)比が大きくなるほど位置決め時間が延びていることがわかる。
この課題を解決するためには、位相補償部として、例えば、本出願人による特開2002−229605号公報(特許文献2)記載の速度オブザーバを用いて図8に示すような制御ブロックとすればよい。
図8(a)に示す実施例2においては、図1に示す実施例1の構成の位相補償部14の代わりに、トルク(推力)指令と電動機の速度とに基づいて位相補償を行う位相補償部61を設けている。すなわち、速度演算部1Cの出力を位相補償部61と慣性変動抑制部13内の外乱オブザーバ10に入力し位相補償部61の出力(電動機の推定速度)を新たな速度フィードバック信号とする。位相補償部61は、図8(b)に示すように、トルク(推力)指令を制御対象のモデル62に入力し、その出力を低域通過フィルタ64に通して位相補償信号を生成し、電動機の速度との偏差を制御器63を通してトルク(推力)指令を入力している加算器208にフィードバックする。図中208は加算器、209は減算器である。
図8(a)に戻って、速度指令と新たな速度フィードバック信号の差を減算器104で生成して速度制御部16に入力し、速度制御部16の出力は位相補償部61と慣性変動抑制部13に入力する。
慣性変動抑制部13の出力を新たなトルク(推力)指令として、電動機のトルク(推力)制御部17に入力することで速度制御系が構成できる。特許文献2で説明しているように、この速度オブザーバは、速度を推定するだけでなく位相を進めることができるので、速度制御系の位相を進めることで位置制御系の位相余裕を改善できる。このため応答が安定化し、慣性変動範囲を広げることができる。
図9は、速度制御部16に正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定したときの電動機の速度と本実施例2の速度制御部で慣性モーメント(慣性質量)比が0倍,25倍のときの電動機の位置偏差波形である(計算機シミュレーション結果)。0倍と25倍のグラフが重なっていることから、慣性モーメント比が0倍時と25倍時で位置決め時間がほぼ同じになる効果が確認できる。
また、正しい慣性モーメント(慣性質量)比を速度演算部に設定したときよりも位置決め時間が短くなっている。
すなわち、本実施例では、従来例よりも広い慣性モーメント(慣性質量)比まで制御系を安定化でき、位置決め応答は負荷によらず一定で、かつ正しい慣性モーメント比(慣性質量)を設定したときよりも位置決め時間を短縮できる効果がある。
実施例2の構成は、速度制御系に正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定したときよりも、常に応答が速くなり、位置決め動作等には、好適である。
しかし、軌跡制御動作では、例えばXとYの2軸の動作をバランスする必要があり、1軸のみ応答が速すぎると軌跡精度は良くならない。この場合は、正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定した時と同じ応答が必要である。
通常は、実施例2の構成で応答を若干遅く調整するため、位置指令に低域通過フィルタを用いれば良いように考えがちであるが、こうすると図10に示すように、慣性モーメント(慣性質量)比を合わせた場合の応答と位置決め時間をあわせても、応答全体の波形がずれてしまい同じ応答が実現できない。
この課題を解決するためには、ロバストな性質をもちながら、応答が若干遅れる補償方法が不可欠と考え、実施例1の位相補償部と実施例2の位相補償部を組み合わせる発想にいたった。
具体的には図11に示すように、通常の速度制御系に慣性変動抑制部13と第1の位相補償部14(実施例1の位相補償部14と同じ)および第2の位相補償部61(実施例2の位相補償部61と同じ)とを組み合わせる。
速度指令を第1の位相補償部14に入力し、第1の位相補償部14の出力を新たな速度指令とする。
第2の位相補償部61の出力を新たな速度フィードバック信号とし、新たな速度指令と新たな速度フィードバック信号の差を速度制御部16に入力し、速度制御部16の出力を慣性変動抑制部13と第2の位相補償部61に入力する。
慣性変動抑制部13の出力を新たなトルク(推力)指令として、電動機のトルク(推力)制御部17に入力することで速度制御系が構成できる。
なお、第1の位相補償部は、第1の実施例と同様に図5のように構成すれば良く、第2の位相補償部は実施例2と同様に図8(b)のように構成すれば良い。
図12は、速度制御部16に正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定したときの電動機の速度と本実施例の構成で慣性モーメント(慣性質量)比が0倍,15倍,25倍,30倍のときの電動機の速度である(計算機シミュレーション結果)。これらの図で電動機の速度が加速から等速に変化した直後の波形や減速からゼロ速に変化した直後の波形(図中、楕円で囲んだ部分)を比較すると、すべてのグラフが重なっており、ほぼ同じ応答となっている。すなわち、第1と第2の2つの位相補償部を組み合わせたことにより、応答は正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定したときとほぼ同じで、なおかつ慣性変動に対するロバスト範囲が30倍までに広がっている。
本実施例では、従来例の10倍よりも広い30倍の慣性モーメント(慣性質量)比まで制御系を安定化でき、位置決め応答は負荷によらず正しい慣性モーメント(慣性質量)比を設定したときと同等にできる効果がある。
実施例2で説明したように制御系に慣性モーメント(慣性質量)比を設定することなしに図8(a)に示すように慣性変動抑制部13と位相補償部61だけで慣性変動を抑制できる。このとき、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を上げると位相補償部61で補償すべき位相にずれが生じるため、振動が発生するようになる。そのため、位相補償部61の補償する位相を速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)に応じて再調整する必要がある。
例えば、特許文献2に記載されたような速度オブザーバを位相補償とする場合、図8(b)に示すように、速度オブザーバの低域通過フィルタ64の時定数で補償する位相の量を設定している。この低域通過フィルタ64の時定数をシミュレーションや実機試験により決定すると図13や図14で示すようなグラフを描くことができる。図において、○印は実測データであり、破線は実測データを補間する近似式を描いたものである。
また、このグラフをもとにすると、例えば1次外乱オブザーバでは図13より(4)式のような1次関数で近似式を決定することができる。速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)の設定値に応じて速度オブザーバの低域通過フィルタ時定数LPFを設定すればよい。
LPF=a×Kv+b (4)
また、2次外乱オブザーバでは図14に示すように(5)式の2次関数で近似することができる。
LPF=a×Kv 2+b×Kv+c (5)
よって、これらの近似式を使用することで、例えば、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を変更した場合に、上記関数によって速度オブザーバの低域通過フィルタ64の時定数を変更することができ、位相の補償値を自動的に再調整することが可能となる。
例えば、実施例3で第2の位相補償部61を特許文献2のような速度オブザーバとする場合も実施例4と同様に、図8(b)に示す第2の位相補償部61である速度オブザーバの低域通過フィルタ64の時定数を速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)に応じて変更しなくてはならない。
速度オブザーバの低域通過フィルタ64の時定数をシミュレーションや実機試験により決定すると図13や図14で示すようなグラフを描くことができる。図において、○印は実測データであり、破線は実測データを補間する近似式を描いたものである。
補間近似式は、実施例4と同様に、例えば1次外乱オブザーバでは図13の1次関数で速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)Kvから速度オブザーバの低域通過フィルタ時定数LPFを決定すれば良い。
また、2次外乱オブザーバでは図14の2次関数で、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)Kvから速度オブザーバの低域通過フィルタ時定数LPFは決定すれば良い。
よって、これらの近似式を使用することで、例えば、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を変更した場合に、上記関数によって速度オブザーバの低域通過フィルタ64の時定数を変更することができ、位相の補償値を自動的に再調整することが可能となる。
また、第1の位相補償部14も第2の位相補償部と同じようにシミュレーションや実機試験により低域通過フィルタ51と高域通過フィルタ52の時定数を速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)Kvの関数で決定することができる。よって、これらの近似式を使用することで、例えば、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を変更した場合に、位相の補償値を自動で再調整することが可能となる。
実施例1で説明したように制御系に慣性モーメント(慣性質量)比を設定することなしに図1に示すように慣性変動抑制部13と位相補償部14だけで慣性変動を抑制できる。このとき、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を上げると位相補償部14で補償すべき位相にずれが生じるため、振動が発生するようになる。そのため、位相補償部14の補償する位相を速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)に応じて再調整する必要がある。
例えば、位相進めフィルタを位相補償部14とする場合、図5に示すように、低域通過フィルタ51と高域通過フィルタ52の遮断周波数で補償する位相の量を設定している。この低域通過フィルタ51の遮断周波数をシミュレーションや実機試験により決定すると図18や図19で示すようなグラフを描くことができる。図において、○印は実測データであり、破線は実測データを補間する近似式を描いたものである。
また、このグラフをもとにすると、例えば1次外乱オブザーバでは図18より(6)式のような2次関数で近似式を決定することができる。速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)の設定値に応じて位相進めフィルタの低域通過フィルタの遮断周波数fcを設定すればよい。
fc=a×Kv 2+b×Kv+c (6)
また、2次外乱オブザーバでは図19に示すように(7)式の1次関数で近似することができる。
fc=a×Kv+b (7)
よって、これらの近似式を使用することで、例えば、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を変更した場合に、上記関数によって位相進めフィルタの低域通過フィルタ51の遮断周波数を変更することができ、位相の補償値を自動的に再調整することが可能となる。
例えば、実施例3で第1の位相補償部14を位相進めフィルタとする場合も実施例6と同様に、図5に示す第1の位相補償部14である位相進めフィルタの低域通過フィルタ51の遮断周波数を速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)に応じて変更しなくてはならない。
位相進めフィルタの低域通過フィルタ51の遮断周波数をシミュレーションや実機試験により決定すると図18や図19で示すようなグラフを描くことができる。図において、○印は実測データであり、破線は実測データを補間する近似式を描いたものである。
補間近似式は、実施例6と同様に、例えば1次外乱オブザーバでは図18の2次関数で速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)Kvから位相進めフィルタの低域通過フィルタの遮断周波数fcを決定すれば良い。
また、2次外乱オブザーバでは図19の1次関数で、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)Kvから位相進めフィルタの低域通過フィルタの遮断周波数fcは決定すれば良い。
よって、これらの近似式を使用することで、例えば、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を変更した場合に、上記関数によって位相進めフィルタの低域通過フィルタ51の遮断周波数を変更することができ、位相の補償値を自動的に再調整することが可能となる。
これまで、電動機制御装置が主に位置制御装置として動作することを前提に説明した。実施例8では、電動機制御装置が速度制御装置として動作する場合においても、電動機制御装置が位置制御装置として動作する場合と同様な効果があることを説明する。なお、第4の構成の発明は、電動機制御装置が速度制御装置として動作する場合のものである。
実施例2で説明した図8(a)の構成において、位置検出部1Bの出力と位置指令の差を位置制御部15に入力し位置制御部15の出力を速度指令として構成している位置制御系を除けば、電動機制御装置が速度制御装置として動作することは周知である。
この時、トルク(推力)指令と電動機の速度とに基づいて位相補償を行う位相補償部61を設け、速度演算部1Cの出力を位相補償部61と慣性変動抑制部13内の外乱オブザーバ10に入力し、位相補償部61の出力(電動機の推定速度)を新たな速度フィードバック信号とした構成としているので、電動機制御装置が位置制御装置として動作する場合と速度制御装置として動作する場合とでは、この構成は変わらない。
よって、電動機制御装置が速度制御装置として動作する場合においても、大きな慣性モーメント比(慣性質量比)に対しても制御性能を確保することができる。
なお、電動機制御装置が速度制御装置として動作する場合、同符号の各部の作用および効果は、電動機制御装置が位置制御装置として動作する場合の説明での同符号の各部の作用および効果と同じなため、説明を省略する。
本実施例では、第2の従来技術で説明したように、速度FFを備えた位置制御系での課題を解決する本発明の実施例を説明する。図24は、本発明の実施例9制御ブロック図であり、図11に示す第3の実施例の構成に速度フィードフォワードを追加した構成である。
図11と同様に、通常の速度制御系に慣性変動抑制部13と第1の位相補償部14(実施例1の位相補償部1と同じ)と第2の位相補償部61(実施例2の位相補償部61と同じ)とを組み合わせる。図において、速度指令を第1の位相補償部14に入力し、第1の位相補償部14の出力を新たな速度指令とする。第2の位相補償部61の出力を新たな速度フィードバック信号とし、新たな速度指令と新たな速度フィードバック信号の差を速度制御部16に入力し、速度制御部16の出力を慣性変動抑制部13と第2の位相補償部61に入力する。慣性変動抑制部13の出力を新たなトルク(推力)指令として、電動機のトルク(推力)制御部17に入力することで速度制御系が構成できる。なお、第1の位相補償部は図5のように構成すればよく、第2の位相補償部は図中8(b)のように構成すればよい。
次に、位置指令から速度FFをかけるため、位置指令を速度FF部1Dに入力し、速度FF部1Dの出力を前記位置制御部15の出力と加算して速度指令として第1の位相補償部14に入力する。速度FF信号を生成する速度FF部は、通常、微分器や近似微分器(ローパスフィルタと微分器の組み合わせやハイパスフィルタで構成)を用いて構成する(図示せず)。
本発明の第9の実施例において、速度FF部内の速度FFゲイン(図示せず)を90%としたときの、位置決め動作時の応答(計算機シミュレーション結果)を図25に示す。図において、負荷をつけない電動機単体(慣性モーメント比が0倍)の時に、速度制御部16に正しい慣性モーメント(慣性質量)比である0倍を設定したときの電動機の速度波形と、速度制御部16の設定はそのままとして、負荷の取付けや変動により負荷の慣性が増えることで、実際の慣性モーメント(慣性質量)比が大きくなる場合(10倍、15倍)の電動機の速度波形を示す。なお、図中の位置指令速度とは位置指令を微分した速度成分を意味している。
図21の第2の従来技術の結果と比較すると、慣性ーメント比が10倍となっても応答が安定している。また、慣性モーメント比が15倍のときは、電動機速度が加速から等速度に変化した直後や減速からゼロ速度に変化した直後の波形に振動がでてきているが、第2の従来技術よりも振動が小さい。
すなわち、第2の従来技術では、図21のように速度FFを適用すると慣性モーメント変動にロバストな範囲が10倍から2倍程度まで悪化していたのに対し、本発明の第9の実施例では、ロバストな範囲が10倍まで確保できている。また、図12の第3の実施例の速度応答と比べると明らかなように、速度FFによって応答が速くなっている。よって、本発明の第9の実施例によって、ロバスト範囲の確保と応答の高速化の両立という、従来技術では達成できなかった課題が解決できる。
第10の実施例
本実施例では、第3の従来技術で説明したように、速度FFとトルクFFを備えた位置制御系での課題を解決できる本発明の実施例を説明する。図26は、本発明の実施例10の制御ブロック図であり、図11に示す第3の実施例の構成に速度FFとトルクFFを追加した構成である。
図11と同様に、通常の速度制御系に慣性変動抑制部13と第1の位相補償部14(実施例1の位相補償部1と同じ)と第2の位相補償部61(実施例2の位相補償部61と同じ)とを組み合わせる。図において、速度指令を第1の位相補償部14に入力し、第1の位相補償部14の出力を新たな速度指令とする。第2の位相補償部61の出力を新たな速度フィードバック信号とし、新たな速度指令と新たな速度フィードバック信号の差を速度制御部16に入力し、速度制御部16の出力を慣性変動抑制部13と第2の位相補償部61に入力する。慣性変動抑制部13の出力を新たなトルク(推力)指令として、電動機のトルク(推力)制御部17に入力することで速度制御系が構成できる。なお、第1の位相補償部は図5のように構成すればよく、第2の位相補償部は図中8(b)のように構成すればよい。
次に、位置指令から速度FFをかけるため、位置指令を指令フィルタ部1Fに入力し、指令フィルタ部1Fの出力を速度FF部1Dに入力し、速度FF部1Dの出力を前記位置制御部15の出力と加算して速度指令として第1の位相補償部14に入力する。次に、トルクFFをかけるため、指令フィルタ部1Fの出力をトルクFF部1Eに入力し、トルクFF部1Eの出力を前記速度制御部16の出力と加算してトルク(推力)指令として加算器103と第2の位相補償部61に入力する。本実施例では、速度FF部1DやトルクFF部1Eの出力であるフィードフォワード信号を滑らかにする目的で、位置指令を指令フィルタ部1Fに入力している。指令フィルタ部は、例えば1次のローパスフィルタである指数加減速や2次フィルタ(例えばローパスフィルタ)あるいは、移動平均フィルタなどで構成すればよい。また、位置指令が滑らかな場合は、指令フィルタ部を省略することができ、位置指令を直接速度FF部1DやトルクFF部1Fに入力する。
速度FF信号を生成する速度FF部1Dは、通常、微分器や近似微分器(ローパスフィルタと微分器の組み合わせやハイパスフィルタで構成)を用いて構成する(図示せず)。トルク(推力)FF信号を生成するトルクFF部1Eは、通常、微分器2段や近似微分器(ローパスフィルタと微分器の組み合わせやハイパスフィルタで構成)2段を直列に用いて構成する(図示せず)。あるいは、図示していないが、速度FF部1Dの出力をトルクFF部1Eに入力してもよい。この場合にはトルクFF部1Eは微分器や近似微分器の1段で構成する。
本発明の第10の実施例において、速度FF部内の速度FFゲイン(図示せず)を100%、トルクFFゲインを70%としたときの、位置決め動作時の応答(計算機シミュレーション結果)を図27に示す。図において、負荷をつけない電動機単体(慣性モーメント比が0倍)の時に、速度制御部16に正しい慣性モーメント(慣性質量)比である0倍を設定したときの電動機の速度波形と、速度制御部16の設定はそのままとして、負荷の取付けや変動により負荷の慣性が増えることで、実際の慣性モーメント(慣性質量)比が大きくなる場合(10倍、15倍)の電動機の速度波形を示す。ここでは、指令フィルタ部1Fをローパスフィルタとしているため、フィルタの影響で図25の速度応答よりも応答が若干遅くなっているが、加減速が滑らかになるため、機械へ加わるトルク(推力)がソフトになる効果がある。
図23の第3の従来技術の結果と比較すると、慣性ーメント比が10倍となっても応答が安定している。また、慣性モーメント比が15倍のときは電動機速度が加速から等速度に変化した直後や減速からゼロ速度に変化した直後の波形に振動がでてきているが、第3の従来技術よりも振動が小さい。
すなわち、第3の従来技術では、図23のように速度FFとトルクFFを適用すると慣性モーメント変動にロバストな範囲が10倍から3倍程度まで悪化していたのに対し、本発明の第10の実施例では、ロバストな範囲が10倍まで確保できている。また、図12の第3の実施例の速度応答と比べると明らかなように、速度FFとトルクFFによって応答が速くなっている。よって、本発明の第10の実施例によって、ロバスト範囲の確保と応答の高速化の両立という、従来技術では達成できなかった課題が解決できる。
第11の実施例
本発明の第9と第10の実施例は、第3の実施例の構成に速度FFやトルクFFをかけた構成を示したが、当然、第1の実施例にフィードフォワードをかけてもよい。
本発明の第11の実施例として、図示しないが、図1の構成において、位置指令から速度FFをかける構成を説明する。位置指令を速度FF部1Dに入力し、速度FF部1Dの出力を前記位置制御部15の出力と加算して速度指令として位相補償部14に入力する。速度FF部1Dは、通常、微分器や近似微分器を用いて構成する。
また、図示しないが、図1の構成において、位相補償部14の時間遅れとフィードフォワードの特性が整合しない場合は、位置偏差波形にオーバーシュートが出たりすることがある。このような場合には、速度FF部1D内の微分器や近似微分器と直列にフィルタを追加し、速度FFゲインとフィルタのパラメータ(時定数など)を調整することで位置偏差の応答波形からオーバーシュートを除去する。
第12の実施例
本発明の第12の実施例として、図示しないが、図1の構成において、位置指令から速度FFとトルクFFをかける構成を説明する。位置指令から速度FFをかけるため、位置指令を指令フィルタ部1Fに入力し、指令フィルタ部1Fの出力を速度FF部1Dに入力し、速度FF部1Dの出力を前記位置制御部15の出力と加算して速度指令として位相補償部14に入力する。次に、トルクFFをかけるため、指令フィルタ部1Fの出力をトルクFF部1Eに入力し、トルクFF部1Eの出力を前記速度制御部16の出力と加算してトルク(推力)指令として加算器103に入力する。本実施例では、速度FF部1DやトルクFF部1Eの出力であるフィードフォワード信号を滑らかにする目的で、位置指令を指令フィルタ部1Fに入力している。指令フィルタ部は、例えば1次のローパスフィルタである指数加減速や2次フィルタ(例えばローパスフィルタ)あるいは、移動平均フィルタなどで構成すればよい。また、位置指令が滑らかな場合は、指令フィルタ部を省略することができ、位置指令を直接速度FF部1DやトルクFF部1Eに入力する。
また、速度FF部1Dは、通常、微分器や近似微分器を用いて構成する。また、トルクFF部1Eは、通常、微分器2段や近似微分器2段を直列に用いて構成する。あるいは、速度FF部1Dの出力をトルクFF部1Eに入力してもよい。この場合にはトルクFF部1Eは微分器や近似微分器の1段で構成する。また、位相補償部14の時間遅れとフィードフォワードの特性が整合しない場合は、位置偏差波形にオーバーシュートが出たりすることがある。このような場合には、速度FF部1DあるいはトルクFF部1Eの内部の微分器や近似微分器と直列にフィルタを追加し、速度FFゲインとフィルタのパラメータ(時定数など)を調整することで位置偏差の応答波形からオーバーシュートを除去する。
第13の実施例
本発明の第9と第10の実施例は、第3の実施例の構成に速度FFやトルクFFをかけた構成を示したが、当然、第2の実施例にフィードフォワードをかけてもよい。
本発明の第13の実施例として、図示しないが、図8の構成において、位置指令から速度FFをかける構成を説明する。位置指令を速度FF部1Dに入力し、速度FF部1Dの出力を前記位置制御部15の出力と加算して速度指令として減算器104に入力する。
速度FF部1Dは、通常、微分器や近似微分器を用いて構成する。
また、図示しないが、図8の構成において、位置指令から速度FFをかけるため、位相補償部61による位相進み効果とフィードフォワードの特性が整合しない場合は、位置偏差波形にオーバーシュートが出たりすることがある。このような場合には、速度FF部1D内の微分器や近似微分器と直列にフィルタを追加し、速度FFゲインとフィルタのパラメータ(時定数など)を調整することで位置偏差の応答波形からオーバーシュートを除去する。
第14の実施例
本発明の第12の実施例として、図示しないが、図8の構成において、位置指令から速度FFとトルクFFをかける構成を説明する。位置指令から速度FFをかけるため、位置指令を指令フィルタ部1Fに入力し、指令フィルタ部1Fの出力を速度FF部1Dに入力し、速度FF部1Dの出力を前記位置制御部15の出力と加算して速度指令として減算器104に入力する。次に、トルクFFをかけるため、指令フィルタ部1Fの出力をトルクFF部1Eに入力し、トルクFF部1Eの出力を前記速度制御部16の出力と加算してトルク(推力)指令として加算器103と位相補償部61に入力する。本実施例では、速度FF部1DやトルクFF部1Eの出力であるフィードフォワード信号を滑らかにする目的で、位置指令を指令フィルタ部1Fに入力している。指令フィルタ部1Fは、例えば1次のローパスフィルタである指数加減速や2次フィルタ(例えばローパスフィルタ)あるいは、移動平均フィルタなどで構成すればよい。また、位置指令が滑らかな場合は、指令フィルタ部1Fを省略することができ、位置指令を直接速度FF部1DやトルクFF部1Eに入力する。
速度FF部1Dは、通常、微分器や近似微分器を用いて構成する。また、トルクFF部は、通常、微分器2段や近似微分器2段を直列に用いて構成する。あるいは、速度FF部1Dの出力をトルクFF部1Eに入力してもよい。この場合にはトルクFF部1Eは微分器や近似微分器の1段で構成する。
なお、本発明の実施例9から実施例14における位置制御系に速度フィードフォワードを適用した場合、あるいは、速度フィードフォワードとトルクフィードフォワードを適用した場合においても、第4の実施例と同様に、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を変更した場合に、(4)式や(5)式の関数によって速度オブザーバの低域通過フィルタ64の時定数を変更することができ、位相の補償値を自動的に再調整することが可能となる。また、第6の実施例と同様に、速度制御部16中の速度ループゲイン(図示せず)を変更した場合に、(6)式や(7)式の関数によって位相進めフィルタの低域通過フィルタ51の遮断周波数を変更することができ、位相の補償値を自動的に再調整することが可能となる。
本発明は、慣性変動抑制部と位相補償部により慣性モーメント(慣性質量)比の設定のずれを補償するという構成をとるため慣性モーメント(慣性質量)比を設定しなくとも電動機を正常に駆動できて、慣性モーメント(慣性質量)比が変動する機械に対して自動的に変動を補償するという用途に使用する電動機(リニアモータ)の制御装置に適用することができる。

Claims (11)

  1. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し、前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって
    低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令を入力し前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する位相補償部と、
    前記新たな速度指令と前記電動機の速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  2. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し、前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、
    低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの時定数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する位相補償部と、
    前記速度指令と前記新たな速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  3. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し、前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、
    第1の低域通過フィルタを有し、前記第1の低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第1の低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令を入力し前記第1の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する第1の位相補償部と、
    第2の低域通過フィルタを有し、前記第2の低域通過フィルタの時定数を、前記速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第2の低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記第2の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する第2の位相補償部と、
    前記新たな速度指令と前記新たな速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  4. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって
    低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの時定数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する位相補償部と、
    速度指令と前記新たな速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  5. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって
    低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する位相補償部と、
    前記新たな速度指令と前記電動機の速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  6. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、
    低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの時定数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する位相補償部と、
    前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和と前記新たな速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  7. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、
    第1の低域通過フィルタを有し、前記第1の低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第1の低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和を入力し、前記第1の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する第1の位相補償部と、
    第2の低域通過フィルタを有し、前記第2の低域通過フィルタの時定数を、前記速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第2の低域通過フィルタに設定するものであって、前記電動機の速度と前記トルク指令を入力し、前記第2の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する第2の位相補償部と、
    前記新たな速度指令と前記新たな速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  8. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、前記位置指令を入力しトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード部と、トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって
    低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和を入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する位相補償部と、
    前記新たな速度指令と前記電動機の速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  9. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、前記位置指令を入力しトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード部と、トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、
    低域通過フィルタを有し、前記低域通過フィルタの時定数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記低域通過フィルタに設定するものであって、前記トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度とを入力し、前記低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する位相補償部と、
    前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和と前記新たな速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  10. 慣性モーメントあるいは慣性質量が未知な機構を駆動する電動機の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と前記電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、前記位置指令を入力し速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード部と、前記位置指令を入力しトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード部と、トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度を入力し前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、前記新たなトルク指令を入力し前記電動機のトルクを制御するトルク制御部とを備えた電動機制御装置であって、
    第1の低域通過フィルタを有し、前記第1の低域通過フィルタの遮断周波数を、速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第1の低域通過フィルタに設定するものであって、前記速度指令と前記速度フィードフォワード信号との和を入力し、前記第1の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度指令を出力する第1の位相補償部と、
    第2の低域通過フィルタを有し、前記第2の低域通過フィルタの時定数を、前記速度ループゲインを独立変数とする多項式で計算して前記第2の低域通過フィルタに設定するものであって、前記トルク指令と前記トルクフィードフォワード信号との和と前記電動機の速度とを入力し、前記第2の低域通過フィルタに基づいて位相を進めた新たな速度を出力する第2の位相補償部と、
    前記新たな速度指令と前記新たな速度との差を入力し、前記トルク指令を出力する速度制御部とを備えた電動機制御装置
  11. 速度フィードバック制御系を有し、機械的に締結された負荷を駆動する電動機を制御する電動機制御装置であって、
    入力される速度指令に対して位相補償する第1の位相補償部、または入力される前記電動機の速度に対して位相補償する第2の位相補償部と、
    前記電動機の速度に基づいて前記電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を算出する慣性変動抑制部と、を備え、
    前記速度フィードバック系における速度ループゲインに応じて、前記第1の位相補償部または前記第2の位相補償部における位相補償値を自動的に調整すると共に、前記新たなトルク指令に応じて前記電動機を制御する電動機制御装置。
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