JP4780288B2 - 新規な9,10−ジ(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物 - Google Patents
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しかしながら、これらのアセトフェノン型のラジカル重合開始剤である1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア184)、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア651)、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オン(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア907)は最長UV吸収波長が350nmを超えない。
高圧水銀ランプを用いて光硬化する場合は問題ないが、さらに長波長のメタルハライドランプには対応できず、また、近年開発が進む406nmの光を使う青色LEDには感応しないのが欠点であった。
1.長波長のUV光を吸収しアセトフェノン型の光ラジカル重合開始剤を活性化することのできる新規な増感剤を提供すること
2.長波長のUV光を照射することによって硬化反応を開始させる光硬化性組成物を提供すること
(1) 下記式(1)で示される9,10−ジ(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物。
(2) 9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物をアクリル化することよりなる (1)に記載の9,10−ジ(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物の製造方法。
(3) (1)に記載の9,10−ジ(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物を含有する光ラジカル重合増感剤。
(4) (3)に記載の光ラジカル重合増感剤、光ラジカル重合開始剤及びラジカル重合性モノマーを含有する光硬化性組成物。
1.本発明の9,10−(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物は新規な化合物であり、光ラジカル重合増感剤として有用である。
2.本発明の9,10−(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物は、工業的に入手可能な9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物を原料として製造することができる。
3.本発明9,10−(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物を含有する光ラジカル重合増感剤は、400nm近辺の長波長の光により、アセトフェノン型光ラジカル重合開始剤を活性化させラジカル重合性モノマーを重合させることができる。
9,10−ジヒドロキシアントラセン10.0g(0.048mol)と120mLのN−メチルピロリドンの溶液に窒素雰囲気下、トリエチルアミン11.6g(0.115mol)を添加して、10℃以下に冷却した後、塩化アクリロイル9.5g(0.105mol)を15分かけて滴下した。滴下開始より30分後、メタノール5mLを加えて塩化アクリロイルを水和し、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去した。濾液を10℃以下に冷却した後、水120mLを添加して結晶を析出させ、濾過して水で洗浄後、乾燥させることにより淡黄色結晶の9,10−ジアクリルオキシアントラセン12.1g(0.038mol,収率:79mol%)を得た。
融点: 209−211℃
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=6.24(d,2H,ビニル基),6.65(dd,2H,ビニル基),6.87(d,2H,ビニル基),7.46−7.55(m,4H,アントラセン環),7.89−7.99(m,4H,アントラセン環).
IR(KBr,cm-1):687,764,804,984,1039,1143,1177,1363,1410,1631,1736.
マススペクトル:(EI−MS)m/z=318(M+)
9,10−ジヒドロキシアントラセン10.0g(0.048mol)と120mLのN−メチルピロリドンの溶液に窒素雰囲気下、トリエチルアミン11.6g(0.115mol)を添加して、10℃以下に冷却した後、塩化メタクリロイル11.0g(0.105mol)を15分かけて滴下した。滴下開始より30分後、メタノール5mLを加えて塩化メタアクリロイルを水和し、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去した。濾液を10℃以下に冷却した後、水120mLを添加して結晶を析出させ、濾過して水で洗浄後、乾燥させることにより淡黄色結晶の9,10−ジメタクリルオキシアントラセン15.3g(0.044mol,収率:92mol%)を得た。
融点:226−227℃
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=2.24(s,6H,メチル基),5.98(dd,2H,ビニル基),6.70(s,2H,ビニル基),7.47−7.56(m,4H,アントラセン環),7.80−8.02(m,4H,アントラセン環).
IR(KBr,cm-1):755,970,1039,1119,1290,1367,1439,1632,1734.
マススペクトル:(EI−MS)m/z=346(M+)
2−メチル−9,10−ジヒドロキシアントラセン10.0g(0.045mol)と120mLのN−メチルピロリドンの溶液に窒素雰囲気下、トリエチルアミン10.8g(0.107mol)を添加して、10℃以下に冷却した後、塩化メタクリロイル10.2g(0.098mol)を15分かけて滴下した。滴下開始より30分後、メタノール5mLを加えて塩化メタアクリロイルを水和し、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去した。濾液を10℃以下に冷却した後、水120mLを添加して結晶を析出させ、濾過して水で洗浄後、乾燥させることにより淡黄色結晶の2−メチル−9,10−ジメタクリルオキシアントラセン12.9g(0.036mol,収率:80mol%)を得た。
融点:223−224℃
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=2.24(s,3H,メチル基),2.25(s,3H,メチル基),2.53(s,3H,メチル基),5.99(dd,2H,ビニル基),6.70(d,2H,ビニル基),7.32−7.35(m,1H,アントラセン環),7.44−7.49(m,2H,アントラセン環),7.66(s,1H,アントラセン環),7.83−7.94(m,3H,アントラセン環).
IR(KBr,cm-1):752,800,955,1039,1122,1309,1371,1446,1635,1730.
マススペクトル:(EI−MS)m/z=360(M+)
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート2gにアセトフェノン型光ラジカル重合開始剤2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア651)を10mg、合成例1で合成した9,10−ジアクリルオキシアントラセン10mgを加え、均一な組成物とした。この組成物を、バーコーターを用いてポリエステルフィルム(東レ社製 商品名:ルミラー、厚さ100ミクロン)上に膜厚12ミクロンになるように塗布した。ついで窒素雰囲気下、紫外線LEDを照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は10秒であった。
9,10−ジアクリルオキシアントラセンを添加しない以外は実施例1と全く同様に光硬化組成物を調製し、紫外線LED(395nm、照射強度3mw/cm2)を照射して硬化時間を求めた。タックフリータイムは50秒であった。
9,10−ジアクリルオキシアントラセンを9−アクリルオキシアントラセンに変えた以外は実施例1と全く同様に光硬化組成物を調製し、紫外線LED(395nm、照射強度3mw/cm2)を照射して硬化時間を求めた。タックフリータイムは60秒であった。
アセトフェノン型光ラジカル重合開始剤2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア651)を添加しない以外は実施例1と全く同様に光硬化組成物を調製し、紫外線LED(395nm、照射強度3mw/cm2)を照射して硬化時間を求めた。タックフリータイムは60秒であった。
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート2gにアセトフェノン型光ラジカル重合開始剤2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オン(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア907)を10mg、合成例1で合成した9,10−ジアクリルオキシアントラセン10mgを加え、均一な組成物とした。この組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルム(東レ社製 商品名:ルミラー、厚さ100ミクロン)上に膜厚12ミクロンになるように塗布した。ついで窒素雰囲気下、紫外線LEDを表面から照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は16秒であった。
9,10−ジアクリルオキシアントラセンを添加しない以外は実施例1と全く同様に光硬化組成物を調製し、紫外線LED(395nm、照射強度3mw/cm2)を照射して硬化時間を求めた。タックフリータイムは70秒であった。
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート2gにアセトフェノン型光ラジカル重合開始剤1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア184)を10mg、合成例1で合成した9,10−ジアクリルオキシアントラセン10mgを加え、均一な組成物とした。この組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルム(東レ社製 商品名:ルミラー、厚さ100ミクロン)上に膜厚12ミクロンになるように塗布、ついで窒素雰囲気下、紫外線LEDを表面から光照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は30秒であった。
9,10−ジアクリルオキシアントラセンを添加しない以外は実施例3と全く同様に光硬化組成物を調製し、紫外線LED(395nm、照射強度3mw/cm2)したところ10分たっても全く硬化しなかった。
Claims (4)
- 9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物をアクリル化することよりなる請求項1に記載の9,10−ジ(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物の製造方法。
- 請求項1に記載の9,10−ジ(メタ)アクリルオキシアントラセン化合物を含有する光ラジカル重合増感剤。
- 請求項3に記載の光ラジカル重合増感剤、ラジカル重合開始剤及びラジカル重合性モノマーを含有する光硬化性組成物。
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