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JP4780888B2 - 焼成セッコウの水和強化用添加剤 - Google Patents
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JP4780888B2 - 焼成セッコウの水和強化用添加剤 - Google Patents

焼成セッコウの水和強化用添加剤 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
この発明は、焼成セッコウの改良された硬化方法に関する。より具体的には、本発明は、セッコウ製品を製造する際に、硬化時間を短縮し、水の必要量を減らし、乾燥時間を短縮するための、粉砕セッコウと硫酸水素塩との使用に関する。
【0002】
セッコウは、非常に実用的で費用効果の高い建築材料である。これはまた、硫酸カルシウムニ水和物としても知られている。採掘された硫酸カルシウムニ水和物が粉砕された場合、これは粉末セッコウとも呼ばれている。硫酸カルシウム半水和物はまた、焼成セッコウ、スタッコ、硫酸カルシウムセミ水和物、硫酸カルシウムハーフ水和物、又は焼セッコウとしても知られている。発電所からの排煙脱硫プロセスの副生成物である合成セッコウを用いることも可能である。粗セッコウは、採掘される際、ニ水和物の形態で発見される。この形態において、硫酸カルシウムの各々の分子と会合した水の2つの水分子がある。半水和物形態を生成するために、次の化学反応式に従って、セッコウを焼成して水和水のうちのいくらかを除去することができる:
【0003】
【化1】
Figure 0004780888
【0004】
有用なセッコウ製品のいくつかは、硫酸カルシウム半水和物と水とを混合してスラリーを形成し、結果として生じた生成物スラリーを所望の形状に注型することによって製造される。この生成物スラリーは、硫酸カルシウム半水和物をインターロックニ水和物結晶のマトリックスに転換するのに十分な水とこの半水和物とを反応させて、硬化させることができる。この結晶マトリックスが生成するにつれて、この生成物スラリーは硬くなり、所望の形状を保持する。ついで過剰な水を、乾燥によってこの生成物から除去しなければならない。
【0005】
セッコウ製品の製造プロセスにおいて、硬化及び乾燥工程が、時間及びエネルギーに関して最も多くの影響を与える。スラリーの硬化時間は、焼成セッコウの年月、焼成セッコウ中の不純物、表面積、pH、粒子サイズ、及び混合時の温度を含む数多くの要因に依存する。セッコウ製品の乾燥時間を短縮させる添加剤の使用及びプロセス条件は、より低いコストにつながる。比較的低いエネルギーコストは、乾燥段階において用いられる比較的低い温度又はより少ない乾燥時間の結果である。もう1つの添加剤の利点は、生産ラインの速度を高め、同じ資源を用いてより多くの製品を生じうることである。この製品を硬化するのに必要な時間を減らすことによって、生産コストにおける同様な削減を生じる。
【0006】
水和反応を促進する多くの添加剤が知られている。1950年代後半に、鉱山局(Bureau of Mines)は、セッコウプラスターの硬化時間に対する溶解物質の作用について調査を行なった。その際、鉱山局は、セッコウ又は水中の不純物である多くの物質について、これらが水和に対して促進又は遅延作用を引き起したかどうか決定するためにテストを行なった。硫酸水素塩を含む硫酸塩及びセッコウは、その際、促進剤であると決定された。(「セッコウプラスターの水和率研究:少量の溶解物質の作用(Hydration−Rate Studies of Gypsum Plasters:Effects of Small Amounts of Dissolved Substances)」J.P.Coughlin、K.C.Conway、M.F.Koehler、及びD.F.Barry、Bureau of Mines Report of Investigations 5477,1959。)
米国特許第2,216,555号(King)は、硫酸水素塩を含む酸反応性可溶性硫酸塩が促進を行なうことが公知であることを教示している。しかしながら、酸性硫酸塩はまた、粗セッコウ中の不純物、特に炭酸塩と反応する傾向がある。Kingは、炭酸塩とのこれらの分解反応を制御するために、プラスターに石灰と硬化遅延剤とを添加することによってこの問題を解決している。しかしながら、過剰の石灰を含むプラスターは、セッコウ製品の表面上に未硬化プラスターの薄くて柔らかいスキン層を形成するが、これは表面欠陥を生じることがある。
【0007】
特にコーティング、例えば米国特許第3,870,538号におけるようにデンプンと、又は米国特許第4,681,644号におけるように糖と組合わされる場合には、粉砕セッコウは硬化促進剤としても知られている。ニ水和物の添加は、水和生成物スラリーにおけるニ水和物結晶のより急速な成長を促進する「種結晶」、又は核形成部位として作用すると考えられる。セッコウは、新たに粉砕された時には非常に活性であるが、その活性は時間と共に急速に減少する。従って経時的にこの物質の失活を減少させるような、セッコウ用のコーティングを供給することが好ましい。
【0008】
セッコウ製品を乾燥しうる速度は、2つの要因によって決定される。水の必要量は、ある流動性を有するスラリーを生成するのに必要とされる水の量である。これは、セッコウスラリーへのレオロジー変性添加剤の使用によって変えることができる。水の必要量を増加させる添加剤は、セッコウ製品の乾燥時間を長くする。同じ量の水がスラリーに添加された場合でさえ、添加剤はまた、過剰水が成形製品から除去される速度をも変更しうる。過剰水が蒸発するにつれて、毛管現象により、水が結晶マトリックスの内部から製品の表面に向かって流れる。この表面への水の移動が妨げられる場合、乾燥プロセスは遅くなる。添加剤によって、水の必要量を増加させ、または、過剰水がこの製品から蒸発する速度を低下させる場合には、結果的に生産ラインを遅延させるか、キルンでの暴露時間を増すか、または、キルンのより高い温度から生じるより大きいエネルギーコストをかける必要が生じることがある。これらの代替案の何れも、セッコウ製品についてのより高い生産コストにつながる。
【0009】
生産コストの削減によって、硬化セッコウ製品のより経済的な製造方法を提供することが、この発明の1つの目的である。
【0010】
焼成セッコウが硬化される速度を高めるための改良された促進剤を提供することが、この発明の他の1つの目的である。
【0011】
スラリーの水の必要量を少なくすることによって、セッコウ製品の乾燥コストを削減することが、この発明のさらに他の1つの目的である。
【0012】
過剰水をより容易に放出し、かつより迅速に乾燥する硬化セッコウ製品の経済的な製造方法を提供することが、この発明のさらに他の1つの目的である。
【0013】
(発明の簡単な概要)
上述において列挙された目的は、本発明の添加剤組成物及び硬化セッコウ製品の製造方法であって、セッコウ製品を水和及び乾燥するのに必要とされる時間及びエネルギーを有意に削減するための新規な添加剤系を特徴とする方法によって実現される。
【0014】
より具体的には、本発明は、硫酸水素塩と組合わされたセッコウ促進剤を含む焼成セッコウの硬化反応を促進するための添加剤を提供する。セッコウ促進剤は、粉砕硫酸カルシウムニ水和物を含んでいる。好ましい実施態様において、このセッコウ促進剤は、コーティング剤、例えばデンプン、糖、及び/又はホウ酸で処理される。好ましい実施態様において、これらの添加剤は、硫酸水素塩及び硫酸カルシウム半水和物の一部分を、主ミキサーにおいて混合する前に前湿潤する方法において使用される。
【0015】
硫酸水素塩がセッコウ促進剤と共に用いられる場合に、驚くべき効果がもたらされることが発見された。これらの2つの成分の組合わせは、これらの2つの添加剤の何れかが別々に用いられる時よりも迅速な硬化速度を生じる。さらにはセッコウ促進剤と共に用いられる場合には、先行技術のいくつかの添加剤の場合に見られるような、製品の強度における著しい低下はなかった。この製品のより迅速な硬化は、結果として、より効率的な製品の製造を生じる。製品がより素早く水和される場合、生産ラインの速度は高められ、同じ時間でより多くの製品が製造される。生産設備が新たに建設され、または、再設計される際には、生産速度を一定にした場合に、このラインをより小さくすることができ、別の目的に利用するために空間を節約することができる。
【0016】
添加剤のこの組合わせはまた、焼成セッコウの硬化プロセスに追加の利点を与えるが、これは、先行技術においてこれらの添加剤を個別に用いた場合に以前には認められなかったものである。1つの有意な追加の利点は、この製品を乾燥するのに必要なエネルギーの量の削減である。本発明の添加剤は、2つの方法で乾燥時間を短縮する。第一に、スラリーの流動性が改良されるので、スラリーを形成するのに必要な水が少なくなる。この結果、水和反応が完了した後、この製品中に存在する過剰水の減少が生じる。さらには存在する過剰水は、より容易に除去される。従って同じ量の製品を、乾燥キルンの温度を低下させることによって製造することができ、エネルギーコストにおける直接の節約を生じる。生産ラインの速度を高めることができ、同じ量の燃料消費について、より多くの製品を製造することができる。これらの方法の何れか、またはこれらの両者の組合わせを、製品1単位あたりのエネルギーコストを削減するために用いることができる。
【0017】
また、本発明の添加剤は、スケール形成を減少させ、混合設備におけるカルシウム付着物の堆積を防ぐと考えられる。設備が長期間に亘って清浄な状態に置かれる場合、ラインを掃除して使えるようにするためのラインの停止時間が少なくなる。本発明のこれらの利点の各々は、セッコウ製品のより費用効果の高い生産手段をもたらす。
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明は、結果として製品のより迅速な硬化と乾燥との両方を生じる硫酸カルシウムベースの製品の製造方法と添加剤とを開示するものである。このような製品は、硫酸水素塩とセッコウ促進剤とを含む硫酸カルシウム半水和物スラリーを用いて製造される。
【0019】
これらの硫酸水素塩は、既知の如何なる硫酸水素塩であってもよい。硫酸水素カリウム及び硫酸水素ナトリウムが好ましい塩である。硫酸水素ナトリウムが最も好ましい塩であるが、その理由は、手頃な値段で商業量でこれを容易に入手することができるからである。しかしながらその他の硫酸水素塩、例えば硫酸水素カリウム、硫酸水素アンモニウム、又は硫酸水素金属も、本発明に用いることができる。この塩は、乾燥硫酸カルシウム半水和物1トンあたり約0.045kgから約4.5kg(約0.1ポンドから約10ポンド)の量で添加することが好ましい。好ましくはこの塩は、スタッコ1トンあたり約0.5kgから約1kg(約0.1ポンドから約2ポンド)の量で存在することが好ましい。
【0020】
いくつかのその他の促進剤よりも勝る硫酸水素塩の使用の1つの利点は、プラスターの硬化における促進が、主としてこの製品の水和の最終硬化又は最終段階の間に生じることである。これは、この製品を所望の形状に容易に成形することができるという点において明確な利点を有する。例えば所望の製品がセッコウボードである時、スラリーがあまりに急速に濃縮される場合、これはボードが適切に造形される前に硬化を開始することがある。これは結果として、表面しわ又は不規則な形状の縁部を有する不均一な厚さのボードを生じる。ここにおけるように、促進剤が主として硬化プロセスの最後の方に作用する場合、最終生成物を適切に造形するにもかかわらず、促進された硬化プロセスを完全に利用するのに十分な時間がある。
【0021】
この添加剤の第二成分は、セッコウ促進剤である。この促進剤は最も単純な形態において、粉砕硫酸カルシウムニ水和物から構成されている。粉末セッコウとして知られている、採掘されて粉砕された天然のニ水和物が、一般に用いられる。しかしながら、例えば煙道ガス脱硫プロセスから来る合成セッコウのようなその他の源も用いることができる。セッコウ促進剤は、乾燥硫酸カルシウム半水和物1トンあたり約1.35kgから約22.5kg(約3ポンドから約50ポンド)の量で存在する。
【0022】
セッコウ促進剤が粉砕の直後に用いられない場合には、このニ水和物は、経時的に不活性になるのを防ぐためにコーティング剤で処理されることが好ましい。あるいくつかの特性を有する、当業界において公知の如何なるコーティング剤を用いてもよい。コーティング剤は、これが添加される硫酸カルシウム半水和物の硬化時間を遅らせてはならない。この製品の物理的性質もまた、コーティング剤によって害されないものでなければならない。硫酸カルシウム半水和物がその添加剤と共に、ミキサーに水と一緒に加えられてスラリーを形成する際、細かく破砕されたニ水和物結晶の活性部位を暴露するためには、このコーティング剤は溶解されなければならない。特に適切なコーティング剤には、デンプン、糖、及びホウ酸、又はこれらの化合物のあらゆる組合わせが含まれる。存在するコーティング剤の量は、硫酸カルシウムニ水和物供給流の重量をベースとして、約5%から約25%であってもよい。
【0023】
コーティング剤が用いられる場合には、これらのニ水和物結晶及びコーティング剤は、サイズの減少を得るために、また同様にコーティング剤とニ水和物との間の緊密な会合を促進するために、一緒に粉砕されてもよい。これらの材料の粉砕は、当業界において公知の如何なる粉砕装置を用いて実施されてもよい。好ましい粉砕装置はボールミルである。硫酸カルシウムニ水和物とコーティング剤との粉砕混合物の調製法は、当業界、特に米国特許第3,573,947号において知られており、この特許は参照してここに組込まれる。
【0024】
最も好ましい実施態様において、コーティングは、長時間にわたって粉砕ニ水和物の活性を維持するために、ニ水和物の表面上に融解されてもよい。糖、例えばグルコース、スクロース、及びデキストロースが、この実施態様には特に好ましい。132°C(270°F以下の温度で十分に融解する糖であれば、如何なるものであっても、セッコウ促進剤において使用してもよい。
【0025】
ついで、この糖を融解してカラメル化するために、この混合物を、場合によっては加熱してもよく、これにより、粉砕硫酸カルシウムニ水和物の表面がコートされる。この方法は、セッコウ促進剤が、あとで使用するために保存されたり、あるいは別の場所に出荷されなければならない場合に好ましい。この糖の完全なコーティング及びカラメル化は、セッコウ粒子の表面をシールして、これらが老化作用をあまり受けないようにするのに役立つ。カラメル化されたコーティングは、添加剤が生成物スラリーにおいて水と混合された際に完全に溶解し、細かく破砕されたニ水和物結晶の表面を暴露する。このニ水和物粒子は、「種結晶」として作用し、半水和物が水和されて、ニ水和物結晶のインターロックマトリックスを形成する時に結晶成長を促進する。優れた促進剤活性は、コートされたニ水和物を121°C(250°Fまで加熱することによって得られるが、温度は79°C(175°F程度の低さであってもよい。通常、約132°C(270°F以上の温度は避けるべきであるが、その理由は、これによって、促進剤の湿分含量の制御が難しくなるからである。
【0026】
硫酸カルシウム半水和物は、当業界において公知のあらゆる方法によってプロセスに供給される。多くの添加剤が、水和反応又は完成品の性質を変更するか又は向上させることが知られている。乾燥又は粉末添加剤は一般に、主ミキサーの方に移動するにつれて乾燥半水和物流中に少しずつ流される。乾燥添加剤の一定容積流を生じるあらゆる方法を用いることができる。例えばスクリュー供給器、ホッパー、又はコンベアである。液体添加剤がミキサーに加えられてもよく、あるいは主ミキサーに添加される水と前混合されてもよい。
【0027】
他の実施態様において、硫酸カルシウム半水和物の量は、これと水とを混合することによって前処理されてもよい。この技術は、米国特許第4,201,595号に記載されており、この特許は参照してここに組込まれる。硫酸カルシウム半水和物の全部又は一部分は、主供給流からスリップ流として分流されても良い。硫酸水素塩は、水による前処理の前にスリップ流において半水和物に添加されることが好ましい。硫酸水素塩の前湿潤は、スリップ流においてこれの少なくとも一部分を前分散させることによって、これを活性化させると考えられる。この技術は結果として、この塩のより良好な分散及び活性を生じる。この添加剤の組合わせ、例えば促進された硬化、より迅速な乾燥時間、及び水の必要量の減少といった利点は、硫酸水素塩が水で前処理される時に、さらに大幅に強化される。
【0028】
水を硫酸カルシウム半水和物及び硫酸水素塩に添加する方法は、当業者にとって公知である。コンベア上の乾燥成分は、単に水と共に噴霧されてもよい。より好ましい方法では、高粘度物質、例えば湿った粒状物質の塊体をブレンドする装置を用いる。多くの商用ミキサー及びブレンダーが適切である。最も好ましいのはスコットブレンダー(Scott Blender)(ミネソタ州ジョーダンのスコット・エキップメント・カンパニー(Scott Equipment Company,Jordan,MN))を使用することである。水と硫酸カルシウム半水和物とが、同時にブレンダーに装入されてもよい。このようにして混合すると、様々な乾燥成分の粒子が、相互に近接し、同様に水が乾燥成分の間に分配される。混合後、主ミキサーに入る直前に、ブレンダーの内容物を、主硫酸カルシウム半水和物供給原料流の中に排出させる。前湿潤されたスリップ流を、主ミキサーに直接装入してもよい。
【0029】
前処理に用いられる水の量は、スリップ流における硫酸カルシウム半水和物の約1重量%から約10重量%である。好ましい実施態様において、約3%から約5%の量の水が、硫酸カルシウム半水和物混合物に添加される。水の添加によって、硫酸カルシウム半水和物結晶が修復される。「修復」とは、粒子上の破砕が、表面水和によって融合されることを言う。スラリー混合中の粒子のその後の崩壊が減少する。好ましい修復時間は、約1分から約6分である。修復時間は、スタッコ+すべての添加剤が湿潤された時からこれらが主ミキサーに供給されるまで測定される。一般にセッコウ促進剤は、主ミキサー内に供給される直前に乾燥半水和物流に添加されることが好ましい。硫酸カルシウム半水和物のすべてが前湿潤された場合には、セッコウ促進剤は、前湿潤されたスタッコがブレンダーからミキサーまで移動する時に添加される。好ましくは湿潤スタッコと残りの乾燥半水和物とは何れも、主ミキサーに同時に供給される。
【0030】
スタッコ供給物、前湿潤されたスリップ流、及びすべての添加剤を含む供給原料混合物全体を、主ミキサーにおいて追加量の水中に溶解する。硫酸カルシウム半水和物をニ水和物に転換するため、及びスラリーをその意図された用途に適した流体にするために十分な水が添加されなければならない。この発明の添加剤及び方法の使用によって、セッコウボード製造のための水の必要量を、焼成セッコウ100重量部あたり水約85から約100重量部の通常の水の必要量と比べて、焼成セッコウ100重量部あたり水約50から約85重量部にまで減少させることができる。ついでこのスラリーを、所望の製品、例えばセッコウボード、セッコウ型等に注入し、硬化させる。硬化プロセス中に、このカルシウム半水和物は水和反応によって水を吸収し、ニ水和物結晶のインターロックマトリックスに転換され、硬くなる。
【0031】
生成物調製における最終工程は、過剰水の除去である。過剰水を減少させるため及び製品を乾燥させるためにあらゆる適切な方法を用いることができる。周囲温度及び圧力において、これを蒸発させてもよい。乾燥プロセスの全部又は一部分は、蒸発を促進するために高い温度を用いて、例えばキルン乾燥によって早めてもよい。例えばセッコウボードを、過剰湿分の約90%が除去されるまで、キルン乾燥してもよい。残留水は、周囲条件において蒸発する。
【0032】
通常の添加剤を、この添加剤組成物又はプロセスと共に用いることができる。例えば焼成セッコウ用の通常の化学分散剤又は流動化剤、例えばリグニン、リグノスルフェート、リグノスルホネート、及びこれらの縮合重合生成物が、本発明によって得られる水減少作用を妨げずに、さらに少ない混合水の使用を可能にするために、少量含まれていてもよい。このようにして、例えば配合された焼成セッコウ100重量部あたり水約50重量部程度の非常に低い総合的な水混合必要条件を達成することが可能である。
【0033】
実施例1−5
各テストについて、硫酸カルシウム半水和物(USG、サウザードプラント)200グラムを測定し、これを保管した。表Iに示されている硫酸水素ナトリウム及びセッコウ促進剤の適量を測定した。セッコウ促進剤は、共に粉砕された粉末セッコウ95%と糖5%とから構成されていた。この促進剤に用いられた粉末セッコウ(USG、サウザードプラント)は、ニ水和物96%と不純物4%とを含んでいる。粉砕後、コートされた粉末セッコウを、約121°C(250°Fまで加熱して、糖をこの粉末セッコウの表面上に融解させた。硫酸カルシウム半水和物、硫酸水素ナトリウム、及びセッコウ促進剤粉末を、すべてが完全に分散されるまで共にブレンドした。21°C(70°Fで水280mlの量を測定して、高剪断ブレード付きワーリングブレンダー(Waring Blender)に注入した。この粉末混合物を7秒間浸しておき、ついで7秒間高速でブレンドしてスラリーを形成した。
【0034】
このスラリーを、カップに注入し、ついで環境との熱伝達を最小限にするために、これを絶縁スタイロフォーム容器に入れた。温度プローブを、スラリーの真中に入れ、温度を5秒ごとに記録した。硬化反応は発熱的であるので、反応の程度は温度上昇によって測定することができる。50%水和までの時間は、このテスト中に記録された最小温度と最大温度との間の中間の温度に達する時間であると決定された。50%水和までの時間は、CSAと硫酸水素ナトリウムのいくつかのレベルについて、次のように記録された。
【0035】
【表1】
Figure 0004780888
【0036】
これら2つの添加剤を用いることが有益であることは、これらの実施例において明らかである。添加剤の総量が、硫酸カルシウム半水和物200グラムあたり1グラムに保たれたとき、50%水和までの時間は、すべての示されている混合物について、何れかの成分単独についてよりも少ない。図1はこのデータをグラフによって表わし、硬化時間に対するこれらの添加剤の効果を示している。
【0037】
実施例6
本発明の添加剤を、1/2”シートロック(SHEETROCK)(登録商標)ブランドのセッコウウオールボードの商品ラインに添加した。この実施例に記載されているすべての量は、製造された1.3センチメートル(1/2”)のボードの93平方メートル(1千平方フィートをベースにしている。
【0038】
焼成セッコウ(USG、エンパイアプラント)510.75kg(1135ポンド)の量の主供給流を、このプロセスに供給した。硫酸カルシウム半水和物の1%のスリップ流を、主供給流から分流した。硫酸水素ナトリウム(ジョーンズ―ハミルトン社(Johnes−Hamilton))を、40メッシュ篩を通るまで粉砕し、最終ウオールボード1千平方メートルあたり9.69kg(1千平方フィートあたり2ポンド)の率でスリップ流に加えた。硫酸水素塩を、アキュレイト粉末供給器(ウイスコンシン州ホワイトウオーター、アキュレイト社(AccuRate,Inc.,Whitewater,WI))を用いて添加した。硫酸水素を含むスリップ流を、スクリュー供給器によって、スコットブレンダー(Scott Blender)(ミネソタ州ジョーダン、スコット・エキップメント・カンパニー)(Scott Equipment Company,Jordan,MN))に加えた。
【0039】
1分あたり約9.9kg(約22ポンド)、又は4.6%の水を、この混合物の前湿潤のために添加した。水を、スコットブレンダー(Scott Blender)において硫酸カルシウム半水和物及び硫酸水素塩全体に分散した。スコットブレンダー(Scott Blender)の出口から、前湿潤されたスタッコと添加剤の混合物を、コンベヤによってボードミキサーに送った。この混合物は、スタッコがボードミキサーに入るまで約3分間、スコットブレンダー(Scott Blender)の出口から修復される機会を有していた。
【0040】
セッコウ促進剤を、およそ硫酸カルシウムニ水和物85%と不純物15%とから成る粉末セッコウ(USG、エンパイアプラント)から調製した。粉末セッコウと糖との粉砕が、ボールミルにおいて行なわれた。ついでセッコウ促進剤を、ウオールボード製品1千平方メートルあたり約82.35kg(1千平方フィートあたり約17ポンド)の率でボードミキサーに添加した。ボードミキサーにおいて、水510.75kg(1135ポンド)を、スコットブレンダー(Scott Blender)から来る湿潤された硫酸カルシウムと硫酸水素塩の混合物、セッコウ促進剤、及び主供給半水和物供給流に添加してスラリーを形成した。
【0041】
生産セッコウボードを、セッコウスラリーから製造した。このボードがカットされた時点では、ボードの水和は、硫酸水素ナトリウムを含まない同じボードと比べて、硫酸水素ナトリウムとセッコウ促進剤が添加された場合、10%高かった。主ミキサーへの水の添加は、このテストの間中一定に保持されたが、高い方のレベルの硫酸水素が添加された場合、スラリーの流動性の増加が認められた。さらには、ボードの物理的性質は、圧縮強さ及びくぎ引張り抵抗が、硫酸水素塩の添加されていない同じボードとほほ同じであったことを示している。
【0042】
(実施例7から9)
各テストについて、硫酸カルシウム半水和物(USG、サウザードプラント)200グラムを測定して保管した。表IIに示されている適量の硫酸水素ナトリウムを測定した。セッコウ促進剤2グラムを、各テストについて測定した。セッコウ促進剤は、共に粉砕された粉末セッコウ95%と糖5%とから構成されていた。この促進剤に用いられた粉末セッコウ(USG、サウザードプラント)は、ニ水和物96%と不純物4%とを含んでいる。糖と粉末セッコウとを共に粉砕した後、コートされた粉末セッコウを、約121°C(250°Fまで加熱して、糖をこの粉末セッコウの表面上に融解させた。セッコウを、使用前に室温まで冷却した。硫酸カルシウム半水和物、硫酸水素ナトリウム、及びセッコウ促進剤粉末を、すべてが完全に分散されるまで共にブレンドした。19°C(67°Fで水280mlの量を測定して、高剪断ブレード付きワーリングブレンダーに注入した。この粉末混合物を7秒間浸しておき、ついで7秒間高速でブレンドしてスラリーを形成した。
【0043】
各組成物について3つのキューブを注型した。これらのキューブの重さを、示された時間間隔で測定した。平均重量と測定結果とを表IIに示す。
【0044】
【表2】
Figure 0004780888
【0045】
過剰水が蒸発した時の経時的な重量変化を、図2に示されている組成物の各々の乾燥速度を評価するために用いた。セッコウ促進剤の量が一定レベルに保たれている場合、硫酸水素塩の量を増加させると、より早い乾燥時間をもたらした。これらのサンプルの各々に添加された水の量は一定であるので、より迅速な乾燥時間は、乾燥速度の改良を表わす。
【0046】
本発明の水和向上特徴の特別な実施態様を図示しそして上述したが、より広範な面において本発明から逸脱することなく、そして、添付した請求項に記載されたように、これに変更及び修正をなしうることは、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、硫酸水素ナトリウムとセッコウ促進剤との様々な混合物について、50%水和を得るのに必要な時間を示している。
【図2】 図2は、硫酸水素ナトリウムとセッコウ促進剤との様々な混合物について、セッコウボードの乾燥時間を示している。

Claims (19)

  1. 硫酸水素塩と組合わされたセッコウ促進剤を含む、硫酸カルシウム半水和物と水との硬化反応を促進させるための添加剤であって、前記セッコウ促進剤が、粉砕された硫酸カルシウムニ水和物を含む添加剤。
  2. 前記セッコウ促進剤がさらに、デンプン、糖、ホウ酸、及びこれらの組合わせから選択されたコーティング剤を含んでいる、請求項1に記載の添加剤。
  3. 前記糖が、デキストロース、スクロース、グルコース、及びこれらの組合わせのうちの1つを含んでおり、そして、前記糖が、前記硫酸カルシウムニ水和物の表面上に融解される、請求項2に記載の添加剤。
  4. 前記硫酸水素塩が、硫酸水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムのうちの1つである、請求項1に記載の添加剤。
  5. 前記糖が、前記硫酸カルシウムニ水和物の重量をベースとして、5%から25%の量で存在する、請求項3に記載の添加剤。
  6. 硫酸カルシウム半水和物と水との硬化反応の促進方法であって、
    セッコウ促進剤、硫酸水素塩、硫酸カルシウム半水和物、及び水を混合してスラリーを形成し、前記セッコウ促進剤が粉砕硫酸カルシウムニ水和物を含んでおり、
    前記スラリーを所望の形状に成形し、そして
    前記スラリーを硬化させる
    ことからなる方法。
  7. 前記セッコウ促進剤がさらに、デンプン、糖、ホウ酸、及びこれらの組合わせから選択されたコーティング剤を含んでいる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記糖が、スクロース、デキストロース、グルコース、及びこれらの組合わせのうちの1つを含んでおり、そして、前記糖が、前記硫酸カルシウムニ水和物の表面上に融解される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記セッコウ促進剤が、硫酸カルシウムニ水和物の重量をベースとして、5%から25%の糖を含んでおり、そして、前記セッコウ促進剤が、乾燥硫酸カルシウム半水和物1トンあたり、1.35kgから27kg(3ポンドから60ポンド)の量で存在する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記硫酸水素塩が、硫酸水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムのうちの1つであり、そして、前記硫酸水素塩が、乾燥硫酸カルシウム半水和物1トンあたり、0.045kgから4.5kg(0.1ポンドから10ポンド)の量で存在する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記硫酸水素塩と前記硫酸カルシウム半水和物の一部とをブレンドし、そして、前記硫酸水素塩及び前記硫酸カルシウム半水和物の前記一部を前記水の一部で湿潤させ、その後、前記硫酸水素塩、前記硫酸カルシウム半水和物の前記一部、及び前記水の前記一部と、前記セッコウ促進剤、前記硫酸カルシウム半水和物の残りの部分、及び前記水の残りの部分とを混合することによって、前記硫酸水素塩を前処理することを更に含む、請求項6に記載の方法。
  12. 前記水の前記一部が、前記硫酸カルシウム半水和物の前記一部の重量をベースとして、1%から10%である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記セッコウ促進剤がさらにコーティング剤を含んでおり、前記コーティング剤が、デンプン、糖、ホウ酸、及びこれらの組合わせのうちの1つを含んでいる、請求項11に記載の方法。
  14. 硫酸カルシウム製品の製造方法であって、
    硫酸カルシウム半水和物の第一部分をブレンダーに供給し、
    前記ブレンダーにおいて、硫酸水素塩と水の第一部分とを、硫酸カルシウム半水和物の前記第一部分に加え、水の前記第一部分の量は、硫酸カルシウム半水和物の前記第一部分の重量をベースとして1%から10%であり、
    前記ブレンダーにおいて、前記硫酸水素塩、水の前記第一部分、及び硫酸カルシウム半水和物の前記第一部分をブレンドし、
    水の前記第一部分で前湿潤された前記硫酸水素塩及び硫酸カルシウム半水和物の前記第一部分、硫酸カルシウム半水和物の第二部分、及びセッコウ促進剤をミキサーに加え、前記セッコウ促進剤は、粉砕硫酸カルシウムニ水和物を含んでおり、
    水の第二部分を前記ミキサーに加えてスラリーを形成し、
    前記スラリーを混合し、
    前記スラリーを所望の形状に成形し、そして
    前記スラリーを硬化させる
    ことからなる方法。
  15. 前記セッコウ促進剤がさらに、デンプン、糖、ホウ酸、及びこれらの組合わせから選択されたコーティング剤を含んでいる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記糖が、スクロース、デキストロース、グルコース、及びこれらの組合わせのうちの1つを含んでおり、そして、前記糖が、前記硫酸カルシウムニ水和物の表面上に融解される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記硫酸水素塩が、硫酸水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムのうちの1つであり、そして、前記硫酸水素塩が、硫酸カルシウム半水和物1トンあたり、0.045kgから4.5kg(0.1ポンドから10ポンド)の量で存在する、請求項14に記載の方法。
  18. 前記セッコウ促進剤における前記糖が、硫酸カルシウムニ水和物の重量をベースとして5%から25%の量で存在する、請求項15に記載の方法。
  19. 水の前記第一部分は、硫酸カルシウム半水和物の前記第一部分の1重量%から8重量%の量で存在する、請求項14に記載の方法。
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