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JP4781195B2 - 打込材の打設方法及び先行掘削用打込材 - Google Patents
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JP4781195B2 - 打込材の打設方法及び先行掘削用打込材 - Google Patents

打込材の打設方法及び先行掘削用打込材 Download PDF

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Description

本発明は、打込材の打設方法及び先行掘削用打込材に関し、特に掘削用ビットを有する先行掘削用打込材を用いた打設方法に関する。
略円形の掘削ビットをダウンザホールハンマーで打撃し、打撃による掘削ビットの回転打撃作用によって、岩盤等が存在する硬質の地盤を掘削するダウンザホールハンマー工法が知られている(例えば、特許文献1)。
このようなダウンザホールハンマー工法では、略円形の掘削ビットによって地盤が掘削されることから、地盤には、略円形の穴が形成される。その後、略円形の穴の中に、杭や矢板が挿入されて、固定材を用いて支持される。
また、杭や矢板を、バイブロハンマーによる振動を利用して、直接、地盤に打ち込むバイブロハンマー工法が知られている(例えば、特許文献2)。なお、バイブロハンマー工法では杭や矢板を直接打ち込めない場合に、高圧ジェット水を利用するウォータージェット併用バイブロハンマー工法を用いることも知られている。
特開平9−31980号公報 特開2000−257065号公報
しかしながら、ダウンザホールハンマー工法では、硬質地盤に本来挿入すべき杭や矢板の形状よりも大きな掘削断面となる先行掘削用機器を使用することにより、不必要な部分の掘削や埋め戻しが行われることとなり、掘削時間や、コストが増大してしまうという問題があった。また、ダウンザホールハンマー工法のB工法(やぐら方式)では、仮設足場や仮設構台を必要とする場合が多く、仮設足場や仮設構台を設けるための時間や費用がかかるという問題もあった。さらに、ダウンザホールハンマー工法では、孔壁が安定しない場合には、ハンマー引抜後に新たな注入管を挿入してから、固定材を注入し孔壁を安定させるという作業をしなければならず、工程が増え、作業効率が悪くなるという問題もあった。
バイブロハンマー工法では、バイブロハンマーの振動を利用して直接、杭や矢板を打ち込むため、硬質地盤には杭や矢板を打ち込むことが難しいという問題があった。また、バイブロハンマー工法では杭を打ち込めない場合に使用可能な工法として、ウォータージェット併用バイブロハンマー工法が利用可能であるが、より厳しい施工条件(例えば概算N値が80より大きい場合)にはウォータージェット併用バイブロハンマー工法でも利用することは難しく、さらに高圧ジェットによる大量の濁水を処理しなければないないという問題もあった。
そこで、本発明は、低コストで、硬質地盤にも杭や矢板等を打ち込むことが可能な打込材の打設方法及びそのための先行掘削用打込材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る打込材の打設方法は、先端部に掘削用ビットが配置された先行掘削用打込材を用いて硬質地盤の先行掘削を行い、先行掘削用打込材によって形成された孔に固定材を注入しながら先行掘削用打込材を引き抜き、固定材が注入された孔に前記先行掘削用打込材と断面が略同形状の打込材を打設する工程を有することを特徴とする。
また、本発明に係る打込材の打設方法では、先行掘削用打込材は掘削用ビットからエアーを噴出させるためのエアー配管を有し、掘削工程ではエアー配管からエアーを供給しながら硬質地盤の掘削を行うことが好ましい。削られた硬質地盤のかけらを適切に除去して、最適な掘削が短時間かつ効率的に進むようにするためである。
さらに、本発明に係る打込材の打設方法では、先行掘削用打込材は先端部から固定材を注入するための固定剤供給管を有し、固定剤注入工程では固定材供給管へ固定材を供給しながら先行掘削用打込材の引き抜きを行うことが好ましい。打込材が打設される孔に適切に固定材を注入するためである。
さらに、本発明に係る打込材の打設方法では、先行掘削用打込材による硬質地盤の先行掘削、先行掘削用打込材の引き抜き、及び打込材の打設を、全て同じ建設機器により行うことが好ましく、さらに建設機器はバイブロハンマーであることが好ましい。全ての工程を同じ建設機器によって行えることによって、低コスト化を図ることが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明に係る先行掘削用打込材は、支持部材と、支持部材の掘削部先端に配置された第1の掘削用ビットと、第1の掘削用ビットへエアーを供給するためのエアー供給管と、エアー供給管の掘削部先端近傍に配置された第2の掘削用ビットと、先端部の近傍に打込材を固定するための固定材を注入するための固定材供給管と、固定材供給管の掘削部先端近傍に配置された第3の掘削用ビットを有することを特徴とする。
また、本発明に係る先行掘削用打込材では、第1の掘削用ビットは、第2又は第3の掘削用ビットより、掘削部の先端側に配置されていることが好ましい。固定材供給管又はエアー供給管を適切に保護するためである。
さらに、本発明に係る先行掘削用打込材では、第1の掘削用ビットは、エアー噴出口と、エアー噴出口と前記エアー供給管との間を接続するための接続部と、接続部に設けられた逆止弁を有することが好ましい。逆止弁によって、エアー噴出口が固定材によって閉塞するのを防止するためである。
さらに、本発明に係る先行掘削用打込材では、第1の掘削用ビットは、取り外し可能に前記支持部材の掘削部先端に配置されていることが好ましい。例えば、打込材として鋼矢板や鋼管矢板を使用する場合において、継手部分も含めた先行掘削ができるため、次の打込材のための片側の先行掘削が不必要な場合には、取り外して利用することができる。掘削が不必要な場合に、取り外せるようにするためである。
本発明に係る打込材の打設方法では、先行掘削用打込材を利用して孔を形成し、形成された孔に、先行掘削用打込材と断面が略同形状の打込材を打設するため、不必要な掘削や埋め戻しが不要となり、少ないエネルギーと時間で、多くの固定材を使用することなく、低コストで打込材を打設することが可能となった。
さらに、各工程を同一の建設機器を用いる場合には、さらに、コストの低減を図ることが可能となった。
以下、本発明に係る打込材の打設方法及び先行掘削用打込材について図面を参照しながら説明する。
図1は、先行掘削用打込材の一例として用いられる先行掘削用H鋼杭10の掘削部先端を示す図である。
図1に示すように、先行掘削用H鋼杭10の掘削部先端には、H型をした先端部11に掘削用のビット12が、16個、隙間無く配置されている。また、固定材注入用配管15に対応したビット13及び2本のエアー配管17に対応した2つのビット14が、先行掘削用H鋼杭10の内側に配置されている。
なお、図1において、ビット12、ビット13及びビット14の形状は同じであるが、仕様の異なるビットを用いることも可能である。また、各ビットには、岩盤、固結粘土、又は大きな礫(転石)等を含む硬質地盤を砕くための複数の超硬質のチップと複数のエアー噴出し口が設けられている。各ビットの複数のエアー噴出口は、2本のエアー配管17と接続されている。
図2は図1に示す先行掘削用H鋼杭10の側面図であり、図2(a)は図1のA側から見た側面図であり、図2(b)は図1のB側から見た側面図である。
図2に示すように、先行掘削用H鋼杭10は、先端部11と本体19から構成され、その内側には、1本の固定材注入用配管15と2本のエアー配管17が配置されている。固定材注入用配管15は、固定材注入口16を有しており、他方の端部は、先端部11付近で開放されている。また。固定材注入配管15の先端部11側開口部の先には、モルタルを排出可能な充分な空間を確保してビット13が配置されている。
2本のエアー配管17は、それぞれエアー供給口18を有しており、他方の端部は、先端部11に接続されている。エアー供給口18から供給されたエアーは、先端部11内を介して各ビットのエアー噴出し口から噴出される。また、エアー配管17と先端部11が接続されている部分には、ビット14がそれぞれ配置されている。
なお、固定材注入用配管15に対応したビット13及び2本のエアー配管17に対応した2つのビット14は、掘削用のビット12の位置より若干図中右側にずらして配置されている。これは、掘削時の衝撃によって、固定材注入用配管15及びエアー配管17が破損しにくいように配慮したものである。
図3〜図8は、本発明に係る打込材の打設方法の作業手順を、H鋼杭の打設を例にして説明した図である。
図3は、H鋼杭を打設するための定規を仮設する工程を示す図である。
クレーン車20のフック21に懸架されているバイブロハンマー22を用いて、トンボ杭42を所定本数打設する。トンボ杭42は、定規40を乗せるための杭台であり、打ち込む深度は、トンボ杭42が自立する程度で良い。また、少なくとも2本のトンボ杭42で定規を固定することが好ましい。なお、バイブロハンマー22は、カウンターウエイト、起振動器、及び鋼材を確保するためのチャックを有しており、起振動器によって発生される振動力を利用して鋼材の打設又は引き抜きを行う機器であって、公知の機器を利用することが可能である。
図4は、鋼管を打設する工程を示す図である。
定規40の仮設が完了したら、鋼管50(例えば、φ700mm)をバイブロハンマー22によって打設する。鋼管50は、鋼材から構成された中空の円筒状をしており、孔壁保護又は濁水の抑制のために、H鋼杭の打設に先立って、上層地盤30を貫通し、岩盤31の直前の深度まで打設される。なお、鋼管50内に溜水が発生した場合には、水中ポンプ等で排水することが好ましい。
図5は、先行掘削工程を示す図である。
鋼管50の打設が完了したら、先行掘削用H鋼杭10を用いて、先行掘削を行う。先行掘削は、先行掘削用H鋼杭10を鋼管50内に建て込み、バイブロハンマー22で打設することによって行う。前述したように、先行掘削用の先行掘削用H鋼杭10の先端部11には掘削用のビット12等が配置されているため、バイブロハンマー22の起振力によって岩盤31等の硬質地盤を所定の深度(設計深度)まで掘削することが可能である。また、特に岩盤31を掘削する際には、コンプレッサー(図示せず)からエアー配管17の供給口18へエアーを供給し、各ビット12、13及び14の先端からエアーを吐出させ、粉砕された岩盤を排除する。コンプレッサーからのエアーの吐出圧力は、例えば0.7MPa以上であることが好ましい。
図6は、先行掘削用H鋼杭10の引き抜き工程を示す図である。
設計深度まで先行掘削用H鋼杭10による掘削が完了したら、固定材注入用配管15の固定材注入口16から所定量のモルタルを注入しながら、先行掘削用H鋼杭10をバイブロハンマー22を用いて引き抜く。固定材注入口16から注入されたモルタルは、先行掘削用H鋼杭10の先端部11側の開口部から先行掘削用H鋼杭10が形成した孔内に注入される。
図7は、H鋼杭(支持杭)の打設工程を示す図である。
先行掘削用H鋼杭10を引き抜いた後、支持杭となるH鋼杭51をバイブロハンマー22によって所定深度まで打設する。H鋼杭が形成した孔は岩盤31内まで達しており、さらにモルタルも注入されているため、打設されたH鋼杭51は、岩盤31に強固に固定されることとなる。なお、H鋼杭51は、先行掘削用の先行掘削用H鋼杭10の本体部分19と同様の形状を有している。
図8は、鋼管50を引き抜く工程を示す図である。
H鋼杭51の打設が完了後、バイブロハンマー22を用いて鋼管50を引き抜き、H鋼杭51を打設する一連の工程を完了する。なお、上記の工程では、孔壁保護又は濁水の抑制のために、鋼管50の打設(図4参照)及び鋼管50の引き抜き(図8参照)を行ったが、H鋼杭51の打設に際して、孔壁保護又は濁水の抑制を考慮する必要の無い場合には、これらの工程を省略することも可能である。
図9は、打設されたH鋼杭51の地上における状態をH鋼杭51の真上から見た一例を示す図である。
図9に示すように、先行掘削用H鋼杭10が形成した孔60内にH鋼杭51がモルタル52によって固定されて配置されている。先行掘削用H鋼杭10の先端部11には、掘削用のビット12等が配置されていることから、先行掘削用H鋼杭10による掘削によって、先行掘削用H鋼杭10の本体部分19の断面より若干大きい孔60が形成される。したがって、H鋼杭51は、スムーズに先行掘削用H鋼杭10による掘削によって形成された孔60に打設され、先行掘削用H鋼杭10が引き抜かれる際に注入されたモルタル52によって岩盤31に強固に固定される。
図9に点線で示した円61は、例えば、H鋼杭51を打設する場合にダウンザホールハンマー工法を用いて形成される孔の内径の一例を示している。このように、従来の工法では、H鋼杭51が入る略円形の孔を形成していたので、それだけ孔の形成のためのエネルギーと時間を要していた。また、大きな孔の中にH鋼杭51を固定するために、それだけ大量のモルタルが必要であった。さらに、例えば、ダウンザホールハンマー工法のための建設機器を用いて孔を形成し、その後、H鋼を打設するために他の建設機器(例えば、バイブロハンマー)を用いる必要があり、複数の建設機器を利用しなければならなかった。
これに対して、本発明に係る打込材の打設方法では、打設する打込材(この例ではH鋼杭)の断面と略同形状の先行掘削用打込材を利用して孔を形成し、孔を形成した建設機器と同じ建設機器を利用して形成された孔に打込材を打設して固定するため、少ないエネルギーと時間で、多くのモルタルを使用することなく、低コストで打込材を打設することが可能となった。
図1〜図9に示した例では、先行掘削用H鋼杭10を用いて先行掘削を行い(図5参照)、その後先行掘削用H鋼杭10によって形成された孔にH鋼杭51を打設した(図7参照)。しかしながら、本発明は、他の形状や仕様の打込材を打設する場合にも利用することが可能である。即ち、本発明は、中空の円筒状の鋼管、矢板、又は鋼管矢板等を、打込材として打設する場合にも適用することが可能である。以下それらの例について説明する。
図10は、本発明に係る打込材の打設方法に用いることができる先行掘削用鋼管杭70の掘削部先端の一例を示す図である。
図10に示すように、先行掘削用鋼管杭70の掘削部先端には、中空の円筒状をした鋼管の先端部に掘削用のビット12が、36個、隙間無く配置されている。また、先行掘削用鋼管杭70には、固定材注入用配管(不図示)に対応した2つのビット13及びエアー配管(不図示)に対応した4つのビット14が、その内側に配置されている。
なお、図10における、ビット12、13及び14は、図1に示したビットと同様の仕様である。また、先行掘削用鋼管杭70におけるビット13及び14は、図1におけるビット13及び14と同様に、ビット12の面よりも、若干下がった位置に配置されている。さらに、先行掘削用鋼管杭70の内側に配置された固定材注入用配管及びエアー配管の機能は、図1に示す先行掘削用H鋼杭10に示すものと同様な仕様である。
図11は、打設された鋼管の地上における状態を鋼管の真上から見た一例を示す図である。
先行掘削用鋼管杭70を利用して、鋼管71を打設する方法は、図3〜8に示した先行掘削用H鋼杭10を利用してH鋼杭51を打設する方法と同様である。図11に示すように、先行掘削用鋼管杭70が形成した孔72内に鋼管71がモルタル73によって固定されて配置されている。先行掘削用の先行掘削用鋼管杭70の先端部には、掘削用のビット12等が配置されていることから、先行掘削用鋼管杭70による掘削によって、鋼管より若干大きい孔72が形成される。したがって、鋼管71は、スムーズに先行掘削用鋼管杭70による掘削によって形成された孔72に打設され、先行掘削用鋼管杭70が引き抜かれる際に注入されたモルタル73によって硬質地盤に強固に固定される。
図12は、本発明に係る打込材の打設方法に用いることができる先行掘削用鋼管矢板用杭80の掘削部先端を示す図である。
図12に示すように、先行掘削用鋼管矢板用杭80の掘削部先端には、中空の円形をした鋼管の先端部に掘削用のビット12が、36個、隙間無く配置されている。また、先行掘削用鋼管矢板用杭80には、固定材注入用配管(不図示)に対応した2つのビット13及びエアー配管(不図示)に対応した4つのビット14が、その内側に配置されている。さらに、P−P継手の部分には、5個のビット85がそれぞれ配置されている。
なお、図12における、ビット12、13、14及び85は、図1に示したビットと同様の仕様である。また、先行掘削用鋼管矢板用杭80におけるビット13及び14は、図1におけるビット13及び14と同様に、ビット12の面よりも、若干下がった位置に配置されている。さらに、先行掘削用鋼管矢板用杭80の内側に配置された固定材注入用配管及びエアー配管の機能は、図1に示す先行掘削用H鋼杭10に示すものと同様の仕様である。
図13は、打設された1つの鋼管矢板の地上における状態を鋼管矢板の真上から見た一例を示す図である。
先行掘削用鋼管矢板用杭80を利用して、鋼管矢板81を打設する方法は、図3〜8に示した先行掘削用H鋼杭10を利用してH鋼杭51を打設する方法と同様である。図13に示すように、先行掘削用鋼管矢板用杭80が形成した孔82内に鋼管矢板81がモルタル83によって固定されて配置されている。先行掘削用鋼管矢板用杭80の先端部には、掘削用のビット12等が配置され、P−P継手84の部分にも複数のビット85が配置されていることから、先行掘削用鋼管矢板用杭80による掘削によって、鋼管矢板81より若干大きい孔82が形成される。したがって、鋼管矢板81は、スムーズに先行掘削用鋼管矢板用杭80による掘削によって形成された孔82に打設され、先行掘削用鋼管矢板用杭80が引き抜かれる際に注入されたモルタル83によって硬質地盤に強固に固定される。
図14は、鋼管矢板81が複数つなぎ合わされた場合を示す図である。
図14に示すように、複数の鋼管矢板81を矢印86の方向にP−P継手84の部分で相互につなぎ合わせることによって、大きな断面積を有する連続壁を築造することができる。なお、鋼管継矢板の継手はP−P継手に限らず、P−T継手やL−T継手等もあるが、継手の形状に合わせて、先行掘削用鋼管矢板用杭の先端部の形状を変更させてビットを配置することによって、各種の継手に対応可能である。
また、図14において、矢印86の方向に連続壁を築造する場合、始点となる鋼管矢板には左右両方に継手を設ける必要はない。そこで、図14に示すように、始点には、一方にのみ継手を有する鋼管矢板85を用いた。なお、始点用鋼管矢板85のために、図15に示すような、一方の継手部分にのみ孔を形成する先行掘削用鋼管矢板用杭87を用いて、図16に示すように、始点用鋼管矢板85を硬質地盤に強固に固定することができる。始点用鋼管矢板85についての打設方法は、前述した先行掘削用鋼管矢板用杭80の打設方法と同様であるので、説明を省略する。
図17は、本発明に係る打込材の打設方法に用いることができる先行掘削用鋼矢板90の掘削部先端を示す図である。
図17に示すように、先行掘削用鋼矢板90の掘削部先端には、略台形をした矢板の先端部に掘削用のビット12が、10個隙間無く配置されている。また、先行掘削用鋼矢板90には、固定材注入用配管(不図示)に対応した1つのビット13及びエアー配管(不図示)に対応した2つのビット14が、その内側に配置されている。さらに、先行掘削用鋼矢板90の右の継手部分はビット95が3個配置され、先行掘削用鋼矢板90の左の継手部分はビット96が3個配置され、
なお、図17における、ビット12、13、14、95及び96は、図1に示したビットと同様の仕様である。また、先行掘削用鋼矢板90におけるビット13及び14は、図1におけるビット13及び14と同様に、ビット12、95及び96の面よりも、若干下がった位置に配置されている。さらに、先行掘削用鋼矢板90の内側に配置された固定材注入用配管及びエアー配管の機能は、図1に示す先行掘削用H鋼杭10に示すものと同様の仕様である。
図18は、打設された1つの鋼矢板の地上における状態を鋼矢板の真上から見た一例を示す図である。
先行掘削用鋼矢板90を利用して、鋼矢板91を打設する方法は、図3〜8に示した先行掘削用H鋼杭10を利用してH鋼杭51を打設する方法と同様である。図18に示すように、先行掘削用鋼矢板90が形成した孔92内に鋼矢板91がモルタル93によって固定されて配置されている。先行掘削用鋼矢板90の先端部には、掘削用のビット12等が配置されていることから、先行掘削用鋼矢板90による掘削によって、鋼矢板91より若干大きい孔92が形成される。したがって、鋼矢板91は、スムーズに先行掘削用鋼矢板90による掘削によって形成された孔92に打設され、先行掘削用鋼矢板90が引き抜かれる際に注入されたモルタル93によって硬質地盤に強固に固定される。
図19は、鋼矢板91が複数つなぎ合わされた場合を示す図である。
図19に示すように、矢印94の方向に複数の鋼矢板91−1〜91−8を相互につなぎ合わせること等によって、連続壁を築造することができる。
ところで、鋼矢板91−1を打設した後に鋼矢板91−2を打設する場合には、鋼矢板91−1用の孔を掘削した時と比較して、先行掘削用鋼矢板90の位置を反転させて鋼矢板91−2用の孔を掘削しなければならない。その場合、既に、鋼矢板91−1用の孔の掘削によって、鋼矢板91−2の図中左側の継手部分の孔は既に形成されているので、その部分を改めて掘削する必要はない。即ち、図17において、図中右側の継手部分に配置した3つのビット95は必ずしも配置する必要がない。同様に、鋼矢板91−2を打設した後に鋼矢板91−3を打設する場合には、鋼矢板91−2用の孔を掘削した時と比較して、先行掘削用鋼矢板90の位置を反転させて鋼矢板91−3用の孔を掘削しなければならない。その場合、既に、鋼矢板91−2用の孔の掘削によって、鋼矢板91−3の図中左側の継手部分の孔は既に形成されているので、その部分を改めて掘削する必要はない。即ち、図17において、図中左側の継手部分に配置した3つのビット96は必ずしも配置する必要がない。
したがって、複数の鋼矢板91−1〜91−8を相互につなぎ合わせることによって、連続壁を築造する場合、先行掘削用鋼矢板90の左右の継手部分のビットを交互に取り外せるように構成することが好ましい。即ち、鋼矢板91−2を打設する場合には先行掘削用鋼矢板90の右側の継手部分に配置した3つのビット95を取り外し、鋼矢板91−3を打設する場合には先行掘削用鋼矢板90の左側の継手部分に配置した3つのビット96を取り外して掘削を行う。
図20及び21は、本発明に係る先行掘削用打込材に用いることができる他の掘削用ビットを示す図である。
図20(a)はビット100の上面図であり、図20(b)はビット100の側面図であり、図21(a)は図20のBB´断面図であり、図21(b)は逆止弁の動作状況を示す図である。図20及び図21に示すビット100は、図1に示す先行掘削用H鋼杭10、図10に示す先行掘削用鋼管杭70、図12に示す先行掘削用鋼管矢板用杭80、図15に示す他の先行掘削用鋼管矢板用杭87、図17に示す先行掘削用鋼矢板90に用いられるビット12、85、95及び96の代わりに用いることができる。
図20(a)に示すように、ビット100の上面には、8個の超硬質のチップ101が配置され、図20(b)に示すように、ビット100の側面には、2つのエアー噴出口102が設けられている。なお、図20(b)に示すエアー噴出口は、図20(a)の矢印Cの箇所の側面に設けられ、他のエアー噴出口は、図20(a)の矢印Dの箇所の側面に設けられている。
図21(a)に示すように、ビット100は、例えばエアー配管17と先行掘削用H鋼杭10の先端部11と接続され、エアー噴出口102と連続する接続部110を有している。接続部110には、スプリング111、球112、球112を保持するためのストッパ113、及びストッパを接続部110内に固定するための治具114による逆止弁構造が備えられている。逆止弁構造は、図21(b)に示すように、矢印Eの方向からエアーが供給されると、エアーの勢いで球112が押され、供給されたエアーが噴出口102から噴出できるように構成されているが、エアーの供給が停止されると、スプリング111の弾性によって球112がストッパ113まで押し下げられて、噴出口102と接続部110とを遮断する。したがって、例えば、固定材を供給しながら先行掘削用H鋼杭10の引き抜きを行う場合等において(図6参照)、先行掘削用H鋼杭10の固定材注入用配管15からモルタルが注入されても、モルタルが噴出口102から接続部110の内部まで侵入し、接続部110をモルタルによって詰まらせてしまうということを防止することが可能となる。
前述した、図1に示す先行掘削用H鋼杭10、図10に示す先行掘削用鋼管杭70、図12に示す先行掘削用鋼管矢板用杭80、図15に示す他の先行掘削用鋼管矢板用杭87、及び図17に示す先行掘削用鋼矢板90に用いた各ビットの数は一例であって、先行掘削用打込材の形状や仕様に応じて異なる数のビットを配置することが可能である。また、図1に示す先行掘削用H鋼杭10、図10に示す先行掘削用鋼管杭70、図12に示す先行掘削用鋼管矢板用杭80、図15に示す他の先行掘削用鋼管矢板用杭87、及び図17に示す先行掘削用鋼矢板90に配置した固定材注入用配管及びエアー配管の数は一例であって、先行掘削用打込材の形状や仕様に応じて異なる数の固定材注入用配管及びエアー配管を配置することが可能である。
さらに、図1に示す先行掘削用H鋼杭10、図10に示す先行掘削用鋼管杭70、図12に示す先行掘削用鋼管矢板用杭80、図15に示す他の先行掘削用鋼管矢板用杭87、及び図17に示す先行掘削用鋼矢板90に用いた各種ビットも一例であって、他の形状や仕様のビット(例えば図20及び21参照)を利用することができる場合もある。なお、上記において、説明した各種ビットは、掘削部先端に固定して配置したが、地形条件に合わせて、回転可能に配置しても良い。
なお、本発明に係る打込材の打設方法では、打込材を固定するためにモルタルを利用しているが、セメントミルクやベントナイト等の他の固定材を利用することも可能である。しかしながら、後述するように、固定材は供給管を通して注入されるため、供給管内で閉塞しないようにする必要があり、その点、セメントミルクやベントナイト等の流動性の高い材料を利用することが好ましい。
本発明に用いられる先行掘削用H鋼杭の掘削部先端を示す図である。 図1に示す先行掘削用H鋼杭の側面図である。 打込材を打設するための定規を仮設する工程を示す図である。 鋼管を打設する工程を示す図である。 先行掘削工程を示す図である。 先行掘削用のH鋼杭の引き抜き工程を示す図である。 H鋼杭(支持杭)の打設工程を示す図である。 鋼管を引き抜く工程を示す図である。 打設されたH鋼杭の地上における状態の一例を示す図である。 本発明に用いられる他の先行掘削用の鋼管杭の掘削部先端を示す図である。 打設された鋼管の地上における状態の一例を示す図である。 本発明に用いられる更に他の先行掘削用鋼管杭の掘削部先端を示す図である。 打設された1つの鋼管矢板の地上における状態の一例を示す図である。 鋼管矢板が複数つなぎ合わされた場合を示す図である。 本発明に用いられる更に他の先行掘削用鋼管矢板用杭の掘削部先端を示す図である。 打設された1つの他の鋼管矢板の地上における状態の一例を示す図である。 本発明に用いられる更に他の先行掘削用鋼矢板の掘削部先端を示す図である。 打設された1つの鋼矢板の地上における状態の一例を示す図である。 鋼矢板が複数つなぎ合わされた場合を示す図である。 (a)は他のビットの上面図を示し、(b)は(a)に示すビットの側面図である。 (a)図20に示すビットの断面図であり、(b)は逆止弁の機能を説明するための図である。
符号の説明
10 先行掘削用H鋼杭
12、13、14 掘削用ビット
22 バイブロハンマー
50 鋼管
51 H鋼杭
70 先行掘削用鋼管杭
71 鋼管
80、87 先行掘削用鋼管矢板用杭
81 鋼管矢板
90 先行掘削用鋼矢板
91 鋼矢板

Claims (8)

  1. 打込材の打設方法であって、
    先行掘削用打込材を用いて硬質地盤の先行掘削を行い、
    前記先行掘削用打込材によって形成された孔に固定材を注入しながら、前記先行掘削用打込材を引き抜き、
    前記固定材が注入された孔に前記先行掘削用打込材と断面が略同形状の打込材を打設する、工程を有し、
    前記先行掘削用打込材は、支持部材と、前記支持部材の掘削部先端に配置された第1の掘削用ビットと、前記第1の掘削用ビットへエアーを供給するためのエアー供給管と、前記エアー供給管の掘削部先端近傍に配置された第2の掘削用ビットと、前記先端部の近傍に前記打込材を固定するための固定材を注入するための固定材供給管と、前記固定材供給管の掘削部先端近傍に配置された第3の掘削用ビットと、を有し、
    前記先行掘削工程では、前記エアー配管からエアーを供給しながら、硬質地盤の掘削を行う、こと
    を特徴とする打込材の打設方法。
  2. 前記固定剤注入工程では、前記固定材供給管へ固定材を供給しながら、前記先行掘削用打込材の引き抜きを行う、請求項に記載の打込材の打設方法。
  3. 前記先行掘削用打込材による硬質地盤の先行掘削、前記先行掘削用打込材の引き抜き、及び前記打込材の打設を、全て同じ建設機器により行う、請求項1又は2に記載の打込材の打設方法。
  4. 前記先行掘削用打込材による硬質地盤の先行掘削、前記先行掘削用打込材の引き抜き、及び前記打込材の打設を、全てバイブロハンマーにより行う、請求項1又は2に記載の打込材の打設方法。
  5. 打込材を打設するための先行掘削用打込材であって、
    支持部材と、
    前記支持部材の掘削部先端に配置された第1の掘削用ビットと、
    前記第1の掘削用ビットへエアーを供給するためのエアー供給管と、
    前記エアー供給管の掘削部先端近傍に配置された第2の掘削用ビットと、
    前記先端部の近傍に前記打込材を固定するための固定材を注入するための固定材供給管と、
    前記固定材供給管の掘削部先端近傍に配置された第3の掘削用ビットを、
    有することを特徴とする先行掘削用打込材。
  6. 前記第1の掘削用ビットは、前記第2又は第3の掘削用ビットより、掘削部の先端側に配置されている、請求項に記載の先行掘削用打込材。
  7. 前記第1の掘削用ビットは、エアー噴出口と、前記エアー噴出口と前記エアー供給管との間を接続するための接続部と、前記接続部に設けられた逆止弁を有する、請求項5又は6に記載の先行掘削用打込材。
  8. 前記第1の掘削用ビットは、取り外し可能に前記支持部材の掘削部先端に配置されている、請求項5〜7の何れか一項に記載の先行掘削用打込材。
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