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JP4782486B2 - ゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents
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JP4782486B2 - ゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム製品の成形加工に用いられるゴム組成物と、その製造方法とに関する。
ゴム中に、補強剤としてのシリカを配合する方法としては、例えば、バンバリーミキサ、オープンロール、ニーダーなどを用いて混練する、いわゆる混練法が採用されている。
しかし、シリカは、その表面にシラノール基を有しており、親水性を示すことから、一般に疎水性を示すゴムとの親和性が低い。しかも、シリカは、自己凝集性が強いことから、ゴム中にシリカを均一に分散させることは容易ではない。
一方、特許文献1には、水ガラスとゴムラテックスとの混合物を、酸を用いて共同沈殿させることにより、粗粒状の加硫可能な混合物を製造する方法が提案されている。
また、特許文献2には、エチレン基をもつゴム本体と、このゴム本体に結合して、末端にシラノールのピリジニウム塩をもつ側鎖とからなる有機−無機ハイブリッド体が、非特許文献1には、水ガラスから調製されたケイ酸と、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴムとを用いて複合化されたゴム(ケイ酸PSBR)が、それぞれ記載されており、これらのゴムが、低ヒステリシス損失といった特性を有することが示されている。
特開昭47−1090号公報 特開平11−255843号公報 「水ガラスを用いた複合化 − ケイ酸2−ビニルピリジニウム−スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの調製および物性」、高分子論文集(Kobunshi Ronbunshu)、59巻、1号、p.15〜20(2002年1月)
しかるに、特許文献1に記載の方法により得られる加硫可能な混合物は、粒子径が2〜3mm程度の粗粒状物であって、例えば、この混合物を、原料ゴム中に補強剤として配合させる場合には、均一な分散状態を得るために、あらかじめ、粉砕などによって上記混合物の粒子径を小さくする必要がある。また、上記混合物をゴム製品の成形材料として使用する場合においても、粗粒状の混合物の乾燥、粉砕が必要である。それゆえ、上記の加硫可能な混合物を使用するには、余分の手間やコストがかかる。
一方、特許文献2に記載の発明では、有機−無機ハイブリッド体を得るために、水ガラスなどを酸処理した後、有機溶剤(テトラヒドロフラン)でシラノールを抽出し、得られたシラノールと、ゴム本体の側鎖に突出しているピリジン環とを、ピリジニウム塩として結合させている。しかしながら、この場合には、有機−無機ハイブリッド体を得るために、多量の有機溶媒や、多数の工程が必要となることから、製造コストおよび環境面からの改良が望まれている。なお、非特許文献1に記載のゴム(ケイ酸PSBR)についても、水ガラスを酸処理後、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、こうして得られたTHF溶液と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴムラテックスとを反応させることによって合成されることから、特許文献1の場合と同じく、環境面からの改良が望まれている。
また、特許文献2に記載の有機−無機ハイブリッド体や、非特許文献1に記載のケイ酸PSBRは硬度が高く、しかも、分子中にピリジニウム基を有することから、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などの汎用の原料ゴムとの間に、大きな極性の差異が生じている。それゆえ、上記の有機−無機ハイブリッド体やケイ酸PSBRを、ドライブレンドによって、原料ゴム中に均一に分散させることは困難である。さらに、上記の有機−無機ハイブリッド体やケイ酸PSBRは、原料ゴム中で凝集体として存在しやすく、この凝集体は、ゴム成形体の内部に破壊を生じさせる起点となることから、ゴム製品の機械的強度が低下するという不具合を招くおそれがある。
そこで、本発明の目的は、機械的強度や、ヒステリシス損失などの機械的特性に優れたゴム製品を得るためのゴム組成物と、このゴム組成物を簡易な方法で製造することのできる方法とを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、
(1)互いに種類が異なるゴム(A)およびゴム(B)と、水ガラスとを含む配合ラテックスを、酸または塩により凝固させて得られ、前記ゴム(A)は、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しており、かつ、前記ゴム(B)は、ゴム(B)単独のラテックスを水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときに練り加工が可能なゴムを生成させるものであり、前記ゴム(A)と前記ゴム(B)との配合比率は、5:95〜97:3であることを特徴とする、ゴム組成物、
(2)前記ゴム(A)が、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しているジエン系ゴムであることを特徴とする、前記(1)に記載のゴム組成物、
(3)前記ジエン系ゴムが、スチレンとブタジエンとの共重合体であることを特徴とする、前記(2)に記載のゴム組成物、
(4)前記ゴム(A)が、エポキシ化天然ゴムであることを特徴とする、前記(1)に記載のゴム組成物、
(5)前記ゴム(B)が、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基のいずれの官能基も有していないゴムであることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム組成物、
(6)前記ゴム(B)が、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有していることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム組成物、
(7)分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しているゴム(A)のラテックスと、前記ゴム(A)とは種類が異なり、かつ、水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときに練り加工が可能なゴムを生成させるゴム(B)のラテックスと、水ガラスとを、前記ゴム(A)と前記ゴム(B)との配合比率が5:95〜97:3となるように配合して、配合ラテックスを調製した後、得られた配合ラテックスを、酸または塩により凝固させることを特徴とする、ゴム組成物の製造方法、
を提供するものである。
本発明のゴム組成物は、水ガラスを含む配合ラテックスを酸または塩で凝固させるという、簡易な方法によって得ることができる。また、水ガラスから生成されるケイ酸成分とゴム(A)との複合化物は、ゴム(B)とともに練り加工することによって、ゴム組成物全体に、均一に分散させることができ、さらに、こうして得られる本発明のゴム組成物を用いることによって、機械的強度や機械的特性に優れたゴム製品の成形、製造が可能となる。
また、本発明のゴム組成物の製造方法によれば、水ガラスから生成されるケイ酸成分と、ゴムとの複合化を、有機溶媒を用いることなく、しかも、簡易な処理によって達成することができる。
本発明のゴム組成物は、互いに異なるゴム(A)およびゴム(B)と、水ガラスとを含む配合ラテックスを、酸または塩により凝固させたものである。
上記ゴム(A)は、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用を示すゴムであって、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しているものが挙げられる。これらの、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用を示すゴムは、2種以上のゴムの混合物であってもよい。
「分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しているゴム」のゴム(上記官能基を除いた部分)としては、例えば、SBR(スチレンとブタジエンとの共重合体;スチレン−ブタジエンゴム)、SBIR(スチレンとイソプレンとブタジエンとの共重合体)、MSBR(α−メチルスチレンとブタジエンとの共重合体)、p−メチルスチレンとイソブチレンとの共重合体の臭素化物、NBR(アクリロニトリルとブタジエンとの共重合体;アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、NBIR(アクリロニトリルとブタジエンとイソプレンとの共重合体)、NIR(アクリロニトリルとイソプレンとの共重合体)、NR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、IIR(イソブテンとイソプレンとの共重合体;ブチルゴム)、BR(ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPDM(エチレンとプロピレンとジエンとの共重合体)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、SBR、NBR、NR、IR、IIR、BRなどのジエン系ゴムが挙げられ、より好ましくは、NR、SBRが挙げられる。
上記ピリジル基は、ゴムの分子中において、ピリジル基を有する単量体単位として存在する。このピリジル基を有する単量体としては、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−アリルピリジンなどが挙げられる。また、分子中にピリジル基を有するゴム(ピリジン変性ゴム)としては、例えば、PSBR(ビニルピリジンとスチレンとブタジエンとの共重合体)、カルボキシル化PSBR(分子中にカルボキシル基を有するPSBR;カルボキシ変性PSBR)、アミノ変性PSBR(分子中にアミノ基を有するPSBR)、アミド変性PSBR(分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するPSBR)、PBR(ビニルピリジンとブタジエンとの共重合体)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、PSBR、カルボキシル化PSBRなどが挙げられ、より好ましくは、カルボキシル化PSBRが挙げられる。
ピリジン変性ゴムのピリジル基含有量(ピリジン変性ゴム中でのピリジル基を有する単量体単位(例えば、ビニルピリジン)の重量割合)は、特に限定されないが、好ましくは、2重量%以上、より好ましくは、3重量%以上、さらに好ましくは、10〜20重量%である。上記ピリジル基含有量が2重量%を下回るときは、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用する部位が少なくなり、その結果、上記ゴム(A)に所望の特性を付与できなくなったり、ゴム組成物の機械的強度や機械的特性を向上させる効果が不十分になったりするおそれがある。
分子中にカルボキシル基を有するゴム(カルボキシ変性ゴム)としては、例えば、XSBR(カルボキシル化されたスチレンとブタジエンとの共重合体)、XNBR(カルボキシル化されたアクリロニトリルとブタジエンとの共重合体)、カルボキシル化PSBR(カルボキシ変性PSBR)、アミノ変性XSBR(分子中にアミノ基を有するXSBR)、アミド変性XSBR(分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するXBR)、XBR(カルボキシル化されたブタジエンゴム)、XCR(カルボキシル化されたクロロプレンゴム)、アミド変性XSBR(分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するXSBR)などが挙げられ、好ましくは、XSBR、カルボキシル化PSBR、アミノ変性XSBRなどが挙げられる。
カルボキシ変性ゴムのカルボキシル基含有量(カルボキシ変性ゴムのゴム分子全体に占めるカルボキシル基(−COOH)の重量割合)は、特に限定されないが、好ましくは、0.5重量%以上、より好ましくは、3重量%以上、さらに好ましくは、4〜20重量%である。上記カルボキシル基含有量が0.5重量%を下回るときは、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用する部位が少なくなり、その結果、上記ゴム(A)に所望の特性を付与できなくなったり、ゴム組成物の機械的強度や機械的特性を向上させる効果が不十分になったりするおそれがある。
分子中にアミノ基を有するゴム(アミノ変性ゴム)としては、例えば、アミノ変性SBR(分子中にアミノ基を有するSBR)、アミノ変性XSBR、アミノ変性PSBR、アミノ変性NBR(分子中にアミノ基を有するNBR)、アミノ変性IR(分子中にアミノ基を有するIR)、アミノ変性IIR(分子中にアミノ基を有するIIR)、アミノ変性BR(分子中にアミノ基を有するBR)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、アミノ変性SBR、アミノ変性XSBRなどが挙げられ、より好ましくは、アミノ変性XSBRが挙げられる。
アミノ変性ゴムのアミノ基含有量(アミノ変性ゴムのゴム分子全体に占めるアミノ基(−NH2)の重量割合)は、特に限定されないが、好ましくは、1重量%以上、より好ましくは、2重量%以上、さらに好ましくは、2〜20重量%である。上記アミノ基含有量が1重量%を下回るときは、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用する部位が少なくなり、その結果、上記ゴム(A)に所望の特性を付与できなくなったり、ゴム組成物の機械的強度や機械的特性を向上させる効果が不十分になったりするおそれがある。
分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するゴム(アミド変性ゴム)としては、例えば、分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するSBR(アミド変性SBR)、アミド変性XSBR、アミド変性PSBR、分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するNBR(アミド変性NBR)、分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するIR(アミド変性IR)、分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するIIR(アミド変性IIR)、分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するBR(アミド変性BR)、分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するアミノ変性SBR(アミノ−アミド変性SBR)、分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するアミノ変性XSBR(アミノ−アミド変性XSBR)、分子中にカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有するアミノ変性PSBR(アミノ−アミド変性PSBR)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、アミド変性SBR、アミド変性XSBRなどが挙げられ、より好ましくは、アミド変性SBRが挙げられる。
アミド変性ゴムのカルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基含有量(アミノ変性ゴムのゴム分子全体に占めるカルバモイル基(−CONH2)またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基(−CONHCH2OH)の重量割合)は、特に限定されないが、好ましくは、2重量%以上、より好ましくは、3重量%以上、さらに好ましくは、4〜20重量%である。上記含有量が2重量%を下回るときは、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用する部位が少なくなり、その結果、上記ゴム(A)に所望の特性を付与できなくなったり、ゴム組成物の機械的強度や機械的特性を向上させる効果が不十分になったりするおそれがある。
分子中にエポキシ基を有するゴム(エポキシ変性ゴム)としては、例えば、ENR(エポキシ化天然ゴム)などが挙げられる。
エポキシ変性ゴムのエポキシ化率(ゴム分子中の二重結合にエポキシ基(エポキシ環)が導入されている割合)は、特に限定されないが、好ましくは、3〜70モル%、より好ましくは、5〜65モル%、さらに好ましくは、7〜60モル%である。エポキシ化率が3モル%を下回るときは、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用する部位が少なくなり、その結果、上記ゴム(A)に所望の特性を付与できなくなったり、ゴム組成物の機械的強度や機械的特性を向上させる効果が不十分になったりするおそれがある。逆に、エポキシ化率が70モル%を上回るときは、上記ゴム(A)の粘着性が大きくなりすぎて、ゴム組成物のゴム弾性が損なわれたり、ガラス転移点が高くなりすぎて、低温での耐久性が低下したりするといったおそれや、混練機などの内壁に付着して機械的なブレンドが困難になるといったおそれが生じる。
分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しているゴムは、上記例示のもののなかでも、特に好ましくは、XSBR、カルボキシル化PSBR、アミノ変性XSBR、アミド変性SBR、ENRなどが挙げられる。なお、上記例示のとおり、ゴム(A)は、上記例示の官能基を2種以上含んでもよい。
上記ゴム(A)は、ゴム(A)が有している官能基の種類や、水ガラスの共存下でラテックスを凝固させる際の処理条件などによって、単独では練り加工が不可能な(例えば、微粉末状の)ゴム組成物として得られる場合がある。しかし、後述するように、配合ラテックスに含まれているゴム(B)は、そのラテックスを水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときであっても、練り加工が可能なゴムを生成させるものであることから、たとえ、ゴム(A)のラテックスが、水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときに、微粉末状のゴム組成物を生成させるものであったとしても、ゴム組成物全体としては、練り加工が可能なものとなる。
また、ゴム(A)のラテックスが、水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときに、微粉末状のゴム組成物を生成させたとしても、この微粉末状のゴム組成物は、後述するゴム(B)中にて均一に分散され、しかも、凝集することなく、微粉末の状態で分散される。
なお、本発明において、「練り加工が可能」であるとは、酸または塩により凝固させて得られた凝固物を、ロールやバンバリーミキサに投入して、素練りなどの練り加工を施した場合において、練り加工後においても、上記凝固物が、未加硫の配合ゴムとしてまとまった形態を保持できることをいう。
上記ゴム(B)は、そのゴムのラテックスを水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときに、練り加工可能なゴムを生成させるものであること以外は、特に限定されず、例えば、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用を示すか否かについては、限定されるものではない。
ゴム(B)としては、例えば、NR、SBR、XSBR、アミノ変性XSBR、SBIR、MSBR、IR、IIR、BR、CR、EPDMなどが挙げられ、好ましくは、NR、SBR、XSBRまたはアミノ変性XSBRが挙げられる。
なお、上記例示のゴム(B)が、ラテックスとして供給されないものであっても、例えば、ゴム(B)を適当な溶剤に溶解させてから水中に分散させ、その後、溶剤を揮散させてラテックス化することにより、本発明に用いることができる。
ゴム(B)は、上記例示のゴムを2種以上含んでいてもよい。
なお、ゴム(B)が、そのゴムのラテックスを水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときに、練り加工が不可能な(例えば、微粉末状の)ゴムを生成させるものである場合には、上記ゴム(A)と、ゴム(B)と、水ガラスとを含む配合ラテックスを、酸または塩により凝固させたときに、上記ゴム(A)およびゴム(B)の双方が微粉末化するおそれがあり、その結果、本発明のゴム組成物が、単独で成形加工をすることができないものになるおそれがある。
本発明のゴム組成物は、上記したゴム(A)だけでなく、このゴム(A)とは種類が異なるゴム(B)をも含んでいることから、1種類のゴムのみでは得ることのできない物性を発現させることができる。
ゴム(A)とゴム(B)との配合比率は、ゴム組成物に要求される物性に応じて、適宜設定することができ、特に限定されないが、通常、ゴム(A)とゴム(B)の比率は、好ましくは、5:95〜97:3(重量比)であり、より好ましくは、10:90〜95:5(重量比)である。
水ガラスは、通常、下記式で示される組成で表される。
Na2O・nSiO2・mH2
上記係数nは、SiO2/Na2Oの分子比で示される値であって、一般にモル比と呼ばれる(JIS K 1408-1966)に規定の範囲である。この係数nは、特に限定されないが、好ましくは、2.1〜3.1であり、より好ましくは、3.1である。上記係数nが3.1であるときは、水ガラス中のケイ酸成分の含有量(SiO2換算量)が多くなることから、ゴムとの複合化処理の効率が向上する。
なお、一般に、上記係数nが3.1である水ガラスは、水ガラス3号として市販されている。本発明に使用可能な水ガラスは、これに限定されるものではなく、例えば、JIS K 1408に規定の1〜3号水ガラスや、その他各種のグレード品を使用することができる。
水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分についての、ゴム組成物中での含有量(SiO2換算量)が、後述する範囲となるように設定すればよい。
ゴム組成物中での、水ガラスから生成されるケイ酸成分の含有量(SiO2換算量)は、水ガラスから生成されるケイ酸成分(シラノール基)と相互作用を示すゴム(A)の総量100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、3〜40重量部、より好ましくは、5〜35重量部である。ケイ酸成分の含有量(SiO2換算量)が、上記ゴムの総量100重量部に対して1重量部を下回ると、水ガラスの配合に伴う効果が得られにくくなる。逆に、ケイ酸成分の含有量(SiO2換算量)が、上記ゴムの総量100重量部に対して50重量部を上回ると、ゴム同士の相互作用に関わらない水ガラスが生じることから、水ガラスが無駄になる。さらに、この場合、粒径の大きなケイ酸成分(シリカ)が生成しやすくなり、これら大粒径のケイ酸成分(シリカ)は、破壊の核となって、ゴム組成物の機械的強度を低下させるおそれがある。
配合ゴムラテックスを凝固させるための酸としては、例えば、硫酸、塩酸などが挙げられ、好ましくは、硫酸が挙げられる。
また、配合ゴムラテックスを凝固させるための塩としては、例えば、金属塩、より詳しくは、例えば、硝酸カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩などが挙げられる。なお、これに限定されないが、塩の価数は、好ましくは、2価または3価である。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム(A)のラテックスと、上記ゴム(B)のラテックスと、水ガラスとを配合して、配合ラテックスを調製した後、得られた配合ラテックスに酸または塩を配合して、配合ラテックスを凝固させることにより、得ることができる。
配合ラテックスは、ゴム(A)のラテックスとゴム(B)のラテックスとを混合した後に、水ガラスを配合して調製してもよく、ゴム(A)またはゴム(B)の一方のゴムのラテックスと水ガラスとを混合した後に、他方のゴムのラテックスを配合して調製してもよい。
ゴム(A)およびゴム(B)のラテックスのゴム固形分濃度は、特に限定されず、取扱性の観点から適宜設定すればよい。通常、ゴム固形分濃度は、30〜60重量%に設定するのが適当である。
配合ラテックスへの酸または塩の配合は、配合ラテックスを撹拌しながら、酸、塩またはこれらの水溶液をゆっくりと滴下させることが好ましい。
配合ラテックスに酸または塩を配合する際の条件としては、特に限定されないが、例えば、配合ラテックスの温度は、好ましくは、10〜90℃であり、より好ましくは、20〜70℃である。
配合ラテックスを凝固させて得られるゴム組成物は、例えば、常法により、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤などを配合した後、得られた配合ゴムを、常法により、加硫、成形することによって、各種のゴム製品とすることができる。
本発明のゴム組成物を用いて得られるゴム製品の具体的用途については、特に限定されないが、例えば、ダンパーなどが挙げられる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した成分は、次のとおりである。
・SBRラテックス:全固形分70.0%、商品名「Nipol C4380A」、日本ゼオン(株)製
・カルボキシル化PSBRラテックス:カルボキシ変性PSBRラテックス、全固形分36.0%、ブタジエン:スチレン:ビニルピリジン=70:15:15(単量体単位の重量比)、カルボキシル基含有量0.5〜4重量%、商品名「Nipol LX603」、日本ゼオン(株)製
・XSBRラテックス:全固形分50%、カルボキシル基含有量2〜30重量%、商品名「Nipol SR400」、日本ゼオン(株)製
・アミノ変性XSBRラテックス:全固形分43%、アミノ基含有量0.5〜5重量%、カルボキシル基含有量約0.5〜4重量%、商品名「Nipol LX407K3」、日本ゼオン(株)製
・アミド変性SBRラテックス:全固形分41%、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基の含有量0.5〜6重量%、商品名「Nipol LX432M」、日本ゼオン(株)製
・NRラテックス:ハイアンモニアタイプ、ゴム分60%
・ENRラテックス:ゴム分30%、エポキシ化率50%
・水ガラス:水ガラス3号(Na2O・nSiO2・mH2O、n=3.2)、ケイ酸成分(シリカ)の含有量(SiO2換算量)28%相当、富士化学(株)製
・粉末硫黄:粉末状(200メッシュ)の硫黄
・加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業(株)製
・加硫促進剤D:商品名「ソクシノールD」、住友化学(株)製
<ゴム組成物およびゴム成形体の製造>
実施例1
カルボキシル化PSBRラテックスと、NRラテックスとを、それぞれのゴム分が重量比で50:50となるように混合して、混合ラテックスを得た。次いで、得られた混合ラテックスに水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)が、カルボキシル化PSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次に、上記配合ラテックスを2N−硫酸中にゆっくりと滴下し、こうして得られた凝固物を、一昼夜、イオン交換水に浸漬させて、洗浄した。なお、上記イオン交換水は、数回交換した。さらに、上記凝固物を、水絞りロールで水洗しながら、薄いシート状に成形し、40℃のオーブン中で乾燥させることにより、ゴム組成物(ケイ酸−カルボキシル化PSBR/NR)を得た。
得られたゴム組成物の一部をるつぼに入れて、650℃で1時間加熱、焼却し、残存した灰分量を測定することによって、ゴム組成物100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量を算出したところ、SiO2換算量で4.8重量部であった。
次いで、上記ゴム組成物105重量部に対して、酸化亜鉛3重量部、ステアリン酸2重量部、粉末硫黄1.5重量部、加硫促進剤(CBS)1.0重量部および加硫促進剤(D)0.6重量部を配合し、混練機(混練試験装置ミックスラボ、(株)モリヤマ製)で混練することにより、配合ゴムを得た。
また、この配合ゴムをシート状に成形して、170℃でプレス加硫することにより、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。なお、加硫時間は、上記配合ゴムについて、キュラストメータを用いて予め作成された、加硫温度170℃における時間−トルク曲線(加硫曲線)から、上記配合ゴムのトルクが最大トルク値の90%に達するのに要する時間(T90)とした。
実施例2
アミノ変性XSBRラテックスと、NRラテックスとを、それぞれのゴム分が重量比で50:50となるように混合して、混合ラテックスを得た。次いで、得られた混合ラテックスに水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)が、アミノ変性XSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次に、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、薄いシート状のゴム組成物(ケイ酸−アミノ変性XSBR/NR)を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で4.9重量部であった。
次いで、上記ゴム組成物105重量部に対して、実施例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
実施例3
XSBRラテックスと、NRラテックスとを、それぞれのゴム分が重量比で50:50となるように混合して、混合ラテックスを得た。次いで、得られた混合ラテックスに水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)が、XSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次に、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、薄いシート状のゴム組成物(ケイ酸XSBR/NR)を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で4.6重量部であった。
次いで、上記ゴム組成物105重量部に対して、実施例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
実施例4
アミド変性SBRラテックスと、NRラテックスとを、それぞれのゴム分が重量比で50:50となるように混合して、混合ラテックスを得た。次いで、得られた混合ラテックスに水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)の量が、アミド変性SBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次に、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、薄いシート状のゴム組成物(ケイ酸−アミド変性XSBR/NR)を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で4.9重量部であった。
次いで、上記ゴム組成物105重量部に対して、実施例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ22mmの加硫ゴムシートを得た。
実施例5
ENRラテックスと、NRラテックスとを、それぞれのゴム分が重量比で50:50となるように混合して、混合ラテックスを得た。次いで、得られた混合ラテックスに水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)の量が、ENR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次に、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、薄いシート状のゴム組成物(ケイ酸ENR/NR)を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で4.6重量部であった。
次いで、上記ゴム組成物105重量部に対して、実施例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
実施例
カルボキシル化PSBRラテックスと、SBRラテックスとを、それぞれのゴム分が重量比で50:50となるように混合して、混合ラテックスを得た。次いで、得られた混合ラテックスに水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO換算量)の量が、カルボキシル化PSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次に、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、薄いシート状のゴム組成物(ケイ酸−カルボキシル化PSBR/SBR)を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で4.8重量部であった。
次いで、上記ゴム組成物105重量部に対して、実施例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
実施例
アミノ変性XSBRラテックス中のゴム分100重量部に対し、水ガラスを配合して、1時間撹拌した。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO換算量)の量が、アミノ変性XSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。さらに、こうして得られた混合物に、SBRラテックスを配合して、SBR分とアミノ変性SBR分との配合割合が70:30となるように調整することにより、配合ラテックスを得た。
次に、この配合ラテックスをさらに30分間撹拌して、2N−硫酸中にゆっくりと滴下し、こうして得られた塊状の凝固物を、一昼夜、イオン交換水に浸漬して、洗浄した。なお、イオン交換水は、数回交換した。さらに、上記凝固物を洗浄後、水絞りロールにて水洗しながら、薄いシート状に成形し、40℃のオーブン中で乾燥させることにより、ゴム組成物(ケイ酸−アミノ変性XSBR/SBR)を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で2.9重量部であった。
次いで、上記ゴム組成物103重量部に対して、酸化亜鉛3重量部、ステアリン酸2重量部、粉末硫黄1.5重量部、加硫促進剤(CBS)1.0重量部および加硫促進剤(D)0.6重量部を配合し、混練機(前出の混練試験装置ミックスラボ)で混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
実施例
アミド変性SBRラテックス中のゴム分100重量部に対し、水ガラスを配合して、1時間撹拌した。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO換算量)の量が、アミド変性SBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。さらに、こうして得られた混合物に、SBRラテックスを配合して、SBR分とアミド変性SBR分との配合割合が70:30となるように調整することにより、配合ラテックスを得た。
次いで、この配合ラテックスをさらに30分間撹拌して、2N−硫酸中にゆっくりと滴下し、こうして得られた塊状の凝固物を、一昼夜、イオン交換水に浸漬して、洗浄した。なお、イオン交換水は、数回交換した。さらに、上記凝固物を洗浄後、水絞りロールにて水洗しながら、薄いシート状に成形し、40℃のオーブン中で乾燥させることにより、ゴム組成物(ケイ酸−アミド変性SBR/SBR)を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で3.0重量部であった。
次に、上記ゴム組成物103重量部に対して、実施例8と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例1
カルボキシル化PSBRラテックス中のゴム分100重量部に対し、水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)の量が、カルボキシル化PSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次いで、上記配合ラテックスを2N−硫酸中にゆっくりと滴下し、こうして得られた凝固物を、一昼夜、イオン交換水に浸漬させて、洗浄した。なお、上記イオン交換水は、数回交換した。さらに、上記凝固物を、水絞りロールで水洗しながら、薄いシート状に成形し、40℃のオーブン中で乾燥させることにより、未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸−カルボキシル化PSBR)を得た。
得られた未加硫の配合ゴムシートの一部をるつぼに入れて、650℃で1時間加熱、焼却した後、残存した灰分量を測定することにより、上記配合ゴム100重量部中でのケイ酸成分(シリカ)の含有量を算出したところ、SiO2換算量で9.7重量部であった。
また、これとは別に、NRラテックスを2N−硫酸中にゆっくりと滴下し、こうして得られた凝固物を、上記したのと同様にして、洗浄、成形および乾燥させることにより、未加硫の天然ゴムシートを得た。
次に、上記未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸−カルボキシル化PSBR)55重量部と、上記未加硫の天然ゴムシート50重量部とを配合し、得られた混合物105重量部に対して、酸化亜鉛3重量部、ステアリン酸2重量部、粉末硫黄1.5重量部、加硫促進剤(CBS)1.0重量部および加硫促進剤(D)0.6重量部を配合し、混練機(混練試験装置ミックスラボ、(株)モリヤマ製)にて混練することにより、配合ゴム(ケイ酸−カルボキシル化PSBR+NR)を得た。
また、この配合ゴムをシート状に成形して、電気プレスにて、170℃で加硫することにより、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。なお、加硫時間は、上記と同様に、最大トルク値の90%に達するのに要する時間(T90)とした。
比較例2
アミノ変性XSBRラテックス中のゴム分100重量部に対し、水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)の量が、アミノ変性XSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次いで、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸−アミノ変性XSBR)を得た。この未加硫の配合ゴムシート100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で9.6重量部であった。
次に、上記未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸−アミノ変性XSBR)55重量部と、比較例1で作製したのと同じ未加硫の天然ゴムシート50重量部とを配合し、得られた混合物105重量部に対して、比較例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴム(ケイ酸−アミノ変性XSBR+NR)を得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例3
XSBRラテックス中のゴム分100重量部に対し、水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)の量が、XSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次いで、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸XSBR)を得た。この未加硫の配合ゴムシート100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で9.0重量部であった。
次に、上記未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸XSBR)55重量部と、比較例1で作製したのと同じ未加硫の天然ゴムシート50重量部とを配合し、得られた混合物105重量部に対して、比較例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴム(ケイ酸XSBR+NR)を得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例4
アミド変性SBRラテックス中のゴム分100重量部に対し、水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)の量が、アミド変性SBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次いで、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸−アミド変性SBR)を得た。この未加硫の配合ゴムシート100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で9.5重量部であった。
次に、上記未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸−アミド変性SBR)55重量部と、比較例1で作製したのと同じ未加硫の天然ゴムシート50重量部とを配合し、得られた混合物105重量部に対して、比較例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴム(ケイ酸−アミド変性SBR+NR)を得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例5
ENRラテックス中のゴム分100重量部に対し、水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)の量が、ENR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次いで、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸ENR)を得た。この未加硫の配合ゴムシート100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で9.0重量部であった。
次に、上記未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸ENR)55重量部と、比較例1で作製したのと同じ未加硫の天然ゴムシート50重量部とを配合し、得られた混合物105重量部に対して、比較例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴム(ケイ酸ENR+NR)を得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例6
アミノ変性XSBRラテックス中のゴム分100重量部に対し、水ガラスを配合して、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分の量(SiO2換算量)の量が、アミノ変性XSBR分100重量部に対して10重量部となるように調整した。
次いで、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸−アミノ変性XSBR)を得た。この未加硫の配合ゴムシート100重量部中のケイ酸成分(シリカ)の含有量は、SiO2換算量で9.8重量部であった。
一方、カルボキシル化PSBRラテックスを2N−硫酸中にゆっくりと滴下し、こうして得られた凝固物を、上記したのと同様にして、洗浄、成形および乾燥させることにより、未加硫のカルボキシル化PSBRシートを得た。
次に、上記未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸−アミノ変性XSBR)55重量部と、上記未加硫のカルボキシル化PSBRシート50重量部とを配合し、得られた混合物105重量部に対して、比較例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴム(ケイ酸−アミノ変性XSBR+カルボキシル化PSBR)を得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例7
SBRラテックスを2N−硫酸中にゆっくりと滴下し、こうして得られた凝固物を、上記したのと同様にして、洗浄、成形および乾燥させることにより、未加硫のSBRシートを得た。
次に、比較例1で作製したのと同じ未加硫の配合ゴムシート(ケイ酸PSBR)55重量部と、上記未加硫のSBRシート50重量部とを配合し、得られた混合物105重量部に対して、比較例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴム(ケイ酸PSBR+SBR)を得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
実施例1〜7におけるゴム組成物および配合ゴムの組成を、表1に示す。また、比較例1〜7における未加硫配合ゴムおよび配合ゴムの組成を、表1〜表4に示す。
Figure 0004782486
Figure 0004782486
Figure 0004782486
Figure 0004782486
<加硫ゴムシートの評価>
各実施例および比較例で得られた加硫ゴムシートについて、下記の物性を評価した。
(1) 機械的強度
JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して、100%伸び時の引張応力M100(MPa)、引張強さTB(MPa)および切断時伸びEB(%)を測定した。測定には、加硫ゴムシートをくり抜いて得られた試験片(ダンベル3号形)を使用し、測定条件は、温度23℃、引張速度500mm/分とした。
(2) 硬さ
JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に準拠して、加硫ゴムシートのデュロメータ硬さ(タイプA)を測定した。
(3) ヒステリシス損失
加硫ゴムシートを打ち抜いて得られた試験片(ダンベル3号形)の伸びが100%になるまで引っ張った後、元に戻す操作を3回繰り返して、3回目の引張−復元操作におけるヒステリシスループに基づいて、ヒステリシス損失(%)を算出した。
(4) 凝集体の有無
各実施例および比較例で得られた加硫ゴムシートから、それぞれ、厚さ約0.05mmの薄層シートを切り出して、光学顕微鏡(30倍)で観察することにより、ゴム中にSiO2分の凝集体が存在しているか否かを確認した。
以上の結果を表5および表6に示す。
Figure 0004782486
Figure 0004782486
なお、実施例1および比較例1で得られた加硫ゴムシートについて、走査型プローブ顕微鏡(SPM)で観察することにより、ゴム中でのドメイン(海−島構造の島部をなすケイ酸成分(シリカ)領域)の大きさ(μm)を測定したところ、実施例1では3μm以下であったのに対し、比較例1では1mmを上回る大きさのドメインが観察された。
表5および表6より明らかなように、実施例1〜9で得られたゴム組成物を用いて成形された加硫ゴムシートは、比較例1〜7で得られた加硫ゴムシートに比べて、高モジュラス、高ヒステリシスロスであった。

Claims (7)

  1. 互いに種類が異なるゴム(A)およびゴム(B)と、水ガラスとを含む配合ラテックスを、酸または塩により凝固させて得られ、
    前記ゴム(A)は、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しており、かつ、
    前記ゴム(B)は、ゴム(B)単独のラテックスを水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときに練り加工が可能なゴムを生成させるもの
    であり、
    前記ゴム(A)と前記ゴム(B)との配合比率は、5:95〜97:3であることを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記ゴム(A)が、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しているジエン系ゴムであることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴムが、スチレンとブタジエンとの共重合体であることを特徴とする、請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム(A)が、エポキシ化天然ゴムであることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
  5. 前記ゴム(B)が、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基のいずれの官能基も有していないゴムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記ゴム(B)が、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシメチルカルバモイル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有しているゴム(A)のラテックスと、前記ゴム(A)とは種類が異なり、かつ、水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときに練り加工が可能なゴムを生成させるゴム(B)のラテックスと、水ガラスとを、前記ゴム(A)と前記ゴム(B)との配合比率が5:95〜97:3となるように配合して、配合ラテックスを調製した後、得られた配合ラテックスを、酸または塩により凝固させることを特徴とする、ゴム組成物の製造方法。
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