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JP4783464B2 - 衣服 - Google Patents
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JP4783464B2 - 衣服 - Google Patents

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本発明は、左右に分離された2ピースからなり、右ピースと左ピースの一対により一着を構成する衣服に関するものである。なお、以下、「右」とは、当該衣服の着用者の右手側を指し、また「左」とは、同者の左手側を指すものとする。
右ピースと左ピースの一対により一着を構成する衣服として、例えば下記特許文献1に開示される「介護用衣料」がある。この衣服は、着脱容易な介護用衣料として、衣服を左右に二分割して左側前後身頃袖と右側前後身頃袖とし、各前後身頃袖の前立部および後立部をそれぞれマジックテープ(登録商標)等の着接部材によって着接して一着の衣服としている(特許文献1のフロントページ)。
特開2001−98403号公報
しかしながら、上記特許文献1による開示される衣服によると、後ろ身頃にマジックテープ(登録商標)等の着接部材を設ける構成を採ることから、背中側に着接部材が位置する。そのため、この衣服を着用してベッドに横たわると、仰向け状態では背中とベッドとの間に着接部材が介在するため、背中のゴツゴツした違和感から着心地が悪くなったり、着接部材の跡が背中に付いてしまうという問題がある。
また、この衣服では背中側に着接部材が位置することから、着衣の際には背中側で着接をする必要がある。そのため、例えば、身動きに不自由のある寝たままの要介護者にこの衣服を着せるには、背中が見えるように横臥状態に体を起こす必要があり、介護者に与える体力的な負担が増すという問題がある。
さらに、この衣服では着脱の容易を考慮して着接部材はマジックテープ(登録商標)等で構成されている。そのため、褥瘡(じょくそう)の防止に、一定時間ごとに要介護者の姿勢を変えようとした場合、介護者が衣服の左右両側を掴んで右側や左側に引き起こそうとして衣服を引っ張ると、着接部分が外れ易いという問題がある。
ところで、これまでの衣服は、一般に、上記特許文献1による開示される介護用衣服のように、部屋着、外出着、仕事着等、用途別に特化して構成されていたり、下着、腹巻き、ベスト、スカート等、身体の各部に適用するように適用部位別に構成されている。また、体格に合わせて複数のサイズが用意されていることが多い。
このため、従来の衣服においては、着る側、つまり需要者側にとっては、各用途別や適用部位部に何着も購入したり所有する必要がある一方、売る側、つまり供給者側にとっても品揃えをサイズ別に用意したり在庫をする必要がある。そのため、需要者・供給者のいずれも、経済的に不効率にならざるを得えないばかりか、資源の無駄遣いやCOの削減に逆行し得るという問題がある。
また、衣服である以上、身体を覆うことを目的としていることから、着衣以外の用途に使用されることは通常は考慮されていない。そのため、他の用途にも使用できる機能を備えたものと比べると、この点においても、経済的に不効率にならざるを得えないばかりか、資源の無駄遣いやCOの削減に逆行し得るという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、資源の有効利用やCOの削減を促進し得る衣服を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、身動きの不自由な寝たままの要介護者に適した衣服を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載された請求項1の技術的手段を採用する。この手段によると、右ピースは、「前身頃の右側半分以上および後ろ身頃の右側半分以上を形成する右側身頃部」、「右肩に掛止可能な右肩掛止部」ならびに「左腰を包被可能な左腰包被部」を有し、袖がなく、前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように右肩掛止部の途中および左腰包被部の途中で分離可能かつ分離すると平面状に展開可能に構成され、左ピースは、「前身頃の左側半分以上および後ろ身頃の左側半分以上を形成する左側身頃部」、「左肩に掛止可能な左肩掛止部」ならびに「右腰に締止可能な右腰締止部」を有し、袖がなく、前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように左肩掛止部の途中および右腰止部の途中で分離可能かつ分離すると平面状に展開可能に構成され、右ピースは右ピース締止手段により腰の周囲で身体に締止される。そして、右ピースおよび左ピースの少なくとも一方は、表地と裏地とがそれぞれ異なった素材、、模様または織り方の生地であり、前身頃と後ろ身頃とが同一形状に形成されており、(1)前記右ピースにおいて前記右肩掛止部の周囲を除き前記表地と前記裏地との周囲が縫合されていること、(2)前記左ピースにおいて前記左肩掛止部の周囲を除き前記右腰締止部から前記左肩掛止部側の範囲で前記表地と前記裏地との周囲が縫合されていること、の少なくとも一方を満たす
これにより、右ピースおよび/または左ピースは、前身頃と後ろ身頃とが同一形状に形成されるので、裏表に返しても違和感なく着用、つまりリバーシブルで使用することができる。また、表地と裏地とがそれぞれ異なった素材、、模様または織り方の生地であるため、生地の種類を適宜選択することにより、表側と裏側とで異なったTPOに適応可能な衣服を構成することができる。さらに、このような表地と裏地の異なった生地の組み合わせを左右の両ピースについて設定することで、一着の衣服でありながら4通りの組み合わせ(右:表・左:表,右:表・左:裏,右:裏・左:表,右:裏・左:裏)を楽しむことができる。例えば、表地はフォーマルに適した生地、裏地は普段着に適した生地、に設定することで、両方の場面で着用可能な衣服を構成することができる。また、右ピースは右ピース締止手段により腰の周囲で身体に締止され、また左ピースは右腰締止部により右腰に締止されるので、左右の両ピースとも腰を中心に身体に固定される。そのため、上半身および下半身に対して比較的ゆったりとしたサイズで構成することができるので、いわゆるフリーサイズにすることができる。
また、右ピースおよび左ピースのいずれも、腰を中心に身体に固定されているので、例えば、身動きの不自由な寝たままの要介護者に着せる場合でも、横たわった状態の要介護者の腰の下側から、左右ピースの一部を通して腰に締止させることで、背中を起こすことなく容易に着用することができる。さらに、締止する腰に対して対角状に位置する側の肩(右ピースの場合には左腰と右肩、左ピースの場合には右腰と左肩)に掛止するように構成されているので、左右の両ピースを同時に掴んで引き上げることにより、要介護者の腰と肩を力点としたタスキがけ状に力が加わるため、要介護者の姿勢を比較的容易に変えることができる。このため、着衣時や脱衣時だけでなく、褥瘡(じょくそう)の防止作業時においても、介護者の体力的な負担を軽減することが可能となる。
さらに、右ピースの場合には、右肩掛止部の周囲を除いて表地と裏地との周囲は縫合され、左ピースの場合には、左肩掛止部の周囲を除いて右腰締止部から左肩掛止部側の範囲で表地と裏地との周囲は縫合されている。これにより、左右の両ピースのうち、少なくとも一方は、右肩掛止部または左肩掛止部の周囲が開口する袋状に縫製されるので、これら両ピースのうち、少なくとも一方は、衣服としての用途だけでなく、袋としても使用可能なものとなる。
また、特許請求の範囲に記載された請求項2の技術的手段を採用する。この手段によると、右ピースは、前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように右肩掛止部の途中および左腰包被部の途中で分離して展開すると、スカート状の裾部を有する一辺と、この裾部から左腰包被部に向けてほぼ直角に立ち上がり左腰包被部から上方が内側に切り欠けて窪む切欠部を有する両側二辺と、裾部の一辺に対向してほぼ中央から外側上方に突出する右肩掛止部を有する一辺と、からなる左右対称のほぼ凸字形状の布地になる。また、左ピースも、それぞれ前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように左肩掛止部の途中および右腰止部の途中で分離して展開すると、着衣時における上下方向ほぼ中央から上下二つ折りに2枚重ねにした形状が、折り目部を有する一辺と、この折り目部から右腰止部に向けてほぼ直角に立ち上がり右腰止部から上方が内側に切り欠けて窪む切欠部を有する両側二辺と、折り目部の一辺に対向してほぼ中央から外側上方に突出する左肩掛止部を有する一辺と、からなる左右対称のほぼ凸字形状をなす上下対称形状の布地になる。これにより、例えば、正方形状をなす生地を2枚用意して、それを左右対称に裁つことで容易に裁断できるので、複雑な型紙等を起こすことなく、右ピースおよび左ピースを簡単に作ることができる。
さらに、特許請求の範囲に記載された請求項3,4の技術的手段を採用することにより、左右の両ピースは、いずれも同じ形状をしているので、さらに簡単に両ピースを作ることができる。
請求項1の発明では、右ピースおよび/または左ピースは、前身頃と後ろ身頃とが同一形状に形成されるので、違和感なくリバーシブルにすることができる。また、表地と裏地とがそれぞれ異なった素材、、模様または織り方の生地であるため、生地の種類を適宜選択することにより、表側と裏側とで異なったTPOに適応可能な衣服を構成することができる。さらに、このような表地と裏地の異なった生地の組み合わせを左右、両ピースについて設定することで、一着の衣服でありながら4通りの組み合わせを楽しむことができる。また、右ピースは右ピース締止手段により腰の周囲で身体に締止され、また左ピースは右腰締止部により右腰に締止されるので、左右、両ピースとも腰を中心に身体に固定される。そのため、上半身および下半身に対して比較的ゆったりとしたサイズで構成することができるので、いわゆるフリーサイズにすることができる。したがって、従来の衣服のように、需要者側においては、各用途別や適用部位部に何着も購入したり所有する必要がなくなる一方で、供給者側においても、品揃えをサイズ別に用意したり在庫をする必要がなくなるので、需要者・供給者のいずれも経済的な効率が改善されて、資源の有効利用やCOの削減を促進することが可能となる。
また、右ピースおよび左ピースのいずれも、腰を中心に身体に固定しているので、例えば、身動きの不自由な寝たままの要介護者に着せる場合でも、横たわった状態の要介護者の腰の下側から、左右ピースの一部を通して腰に締止させることで、背中を起こすことなく容易に着用することができる。さらに、締止する腰に対して対角状に位置する側の肩(右ピースの場合には左腰と右肩、左ピースの場合には右腰と左肩)に掛止するように構成されているので、左右両ピースの同時に掴んで引き上げることにより、要介護者の腰と肩を力点としたタスキがけ状に力が加わるため、要介護者の姿勢を比較的容易に変えることができる。このため、着衣時や脱衣時だけでなく、褥瘡(じょくそう)の防止作業時においても、介護者の体力的な負担を軽減することが可能となる。したがって、身動きの不自由な寝たままの要介護者に適した衣服を提供することができる。
さらに、左右の両ピースのうち、少なくとも一方は、右肩掛止部または左肩掛止部の周囲が開口する袋状に縫製されるので、これら両ピースのうち、少なくとも一方は、衣服としての用途だけでなく、袋としても使用可能なものとなる。これにより、例えば、レジ袋を提供しないスーパーマーケットにおいてエコバック(登録商標)等の持参を忘れたとしても、右ピースまたは左ピースのいずれか一方を脱いで購入品を入れて持ち帰ることができる点で、不要なレジ袋の消費と生産を抑制することができる。したがって、単に衣服としてのみ機能するものに比べて、資源の有効利用やCO の削減を促進することが可能となる。
請求項2〜4の発明では、例えば、正方形状をなす生地を2枚用意して、それを左右対称に裁つことで容易に裁断できるので、複雑な型紙等を起こすことなく、右ピースおよび左ピースを簡単に作ることができる。
さらに、請求項3,4の発明では、左右の両ピースは、いずれも同じ形状をしているので、より一層簡単に両ピースを作ることができる。
本発明の実施形態に係る衣服の基本的な構成例を示す説明図である。 本実施形態に係る衣服をマネキンに着用させた状態を示す説明図で、図2(A)は前側、図2(B)は後側、図2(C)は右側、図2(D)は左側、からそれぞれ見た例である。 本実施形態に係る衣服の非着用状態を示す説明図で、図3(A)は右ピース、図3(B)は左ピースである。 本実施形態の衣服を構成する左ピースの裁断工程を示す説明図である。 図5(A)は左ピースの縫合箇所を示す説明図で、図5(B)は縫合製後の左ピースを示す説明図、図5(C)は内側に折り込む部分を示す説明図である。 本実施形態の衣服を構成する右ピースの裁断工程を示す説明図である。 図7(A)は右ピースの縫合箇所を示す説明図で、図7(B)は縫合後の右ピースを示す説明図、図7(C)は内側に折り込む部分を示す説明図である。 本実施形態に係る衣服の着用手順の例を示す説明図である。 本実施形態の衣服の着用バリエーションの例を示す説明図である。 本実施形態の衣服の他の構成例を示す説明図で、裏表にした右ピースを左身頃用に適用した例である。 本実施形態の衣服の他の構成例を示す説明図で、裏表にした左ピースを右身頃用に適用した例である。 本実施形態の衣服のポケット部分を示す説明図である。 本実施形態の衣服を袋として使用する例を示す説明図である。 左ピースをベストとしてマネキンに着用させた状態を示す説明図で、図14(A)は前側、図14(B)は後側、図14(C)は右側、図14(D)は左側、からそれぞれ見た例である。 右ピースをワンピースとしてマネキンに着用させた状態を示す説明図で、図15(A)は前側、図15(B)は後側、図15(C)は右側、図15(D)は左側、からそれぞれ見た例である。
以下、本発明の衣服の実施形態について図を参照して説明する。まず、図1〜図3に基づいて本実施形態に係る衣服の構成を説明する。
本実施形態に係る衣服10は、左右に分離された2ピース(2片)からなり、右ピース20と左ピース30の一対により一着を構成するもので、その基本的な構成が図1に図示されている。また、図2には衣服10をマネキンMに着用させた状態が図示されている。さらに図3には、衣服10の非着用状態が図示されている。なお、このマネキンMは9号サイズである。また当該衣服10を着用する者のことを以下「着用者」と称する。
図1および図2に示すように、衣服10は、主に、右ピース20、左ピース30、腰紐52等により構成されており、着用していない状態(非着用状態)においては、図3に示すように、右ピース20と左ピース30とが完全に分離されてそれぞれほぼ左右対称形状をなす(図3(A):右ピース20、図3(B):左ピース30)。
右ピース20は、右前身頃20aおよび右後ろ身頃20bからなる右側身頃部と、右肩に掛止可能な右肩掛止部22と、左腰を包被可能な左腰包被部23と、を主に構成する右側布片で、後述するように、生地の種類が異なる表地と裏地により縫製されている。この右ピース20は、次に説明する左ピース30とは裾部の形状が異なり、右側身頃部の右裾部20dにはスカート状を有するスカート部28が形成されている。
右前身頃20aは、右ピース20のうち、前身頃の右側半分以上、例えば、右肩上部から腰部左側にかけて胸部右側、腹部、腰部左側さらには左右両足の膝上方程度までを覆うもので、スカート部28の前側部分が含まれる。これに対し、右後ろ身頃20bは、右ピース20のうち、後ろ身頃の右側半分以上、右肩上部から臀部左側にかけて背部右側、腰部、臀部左側さらには左右両足の膝裏上方程度までを覆うもので、これにはスカート部28の後側部分が含まれる。なお、本実施形態では、一辺が110cmの正方形状をなす生地を裁断して構成し、身長160cm程度の女性が着用する場合を想定している。
右肩掛止部22は、短冊状に形成された2つの掛止片22a,22bからなり、掛止片22aは右前身頃20aから突出するように、また掛止片22bは右後ろ身頃20bから突出するように、それぞれ形成されている。即ち、図3(A)に示すように、右前身頃と右後ろ身頃とにほぼ二分するように右肩掛止部22の途中で分離可能に掛止片22a,22bにより構成されており、留め具42により両者を締結することで、右肩掛止部22として機能し得るように構成されている。
左腰包被部23は、幅広の帯状に形成された2つの包被片23a,23bからなり、これらは右裾部20d側に向けてスカート部28を形成するように構成されている。本実施形態では、後述するように、裁断工程において、着用時の上方に向けて当該左腰包被部23から内側に切り欠けて窪むように切欠部25,26が形成されており、この切欠部25,26に前述した右肩掛止部22が繋がるように構成されている。即ち、図3(A)に示すように、右前身頃と右後ろ身頃とにほぼ二分するように左腰包被部23の途中で分離可能に包被片23a,23bにより構成されており、着用した状態では両者が一部または全部で重なった状態を維持するように腰紐52等により左腰等に固定することで、左腰包被部23として機能し得るように構成されている。
また、この左腰包被部23の一部には、縫合されていない部分が包被片23a,23bのそれぞれに形成されており、例えば、この包被片23aの非縫合部(後述する左腰包被部23の非縫合部K’)から挿入した腰紐52を右ピース20の内側を通して反対側の包被片23bの非縫合部から取り出し可能に構成されている。
スカート部28は、図3(A)に示すように、左腰包被部23から連続して形成されるほぼ矩形状の布片で、腰回りに巻き付けたときに筒状体を形成し得るように構成されている。本実施形態では、前述したように一辺が110cmの正方形状をなす生地を裁断して構成しているため、身長160cm前後の女性が着用したときにはスカート裾が膝に掛かる程度のスカート丈になっているが、着用者の好みや流行等に合わせたスカート丈になるように裁断前の生地の大きさや長さを選択しても良く、特に正方形状である必要はない。なお、裁断時には、スカート丈を長めに設定して、使用時に必要に応じて、折り込んだり、たくし上げたりしてスカート丈を調整しても良い。
このように構成される右ピース20は、腰紐52(例えば2m程度の長さ)によって左腰と腰の周囲で着用者の身体に締止される。即ち、右ピース20は、次に説明する左ピース30と異なり、それ自体に着用者に固定する手段を備えていない。そのため、紐状、帯状またはベルト状の別部材(本実施形態では腰紐52(右ピース締止手段))を右ピース20の上から着用者の腰の回りに巻き付け、例えば左側の腰骨(左腰)上で緩まないように結んだり固定したりすることによって、着用者の左腰やその周囲に右ピース20を締止可能にしている。なお、本実施形態では、前述のように、右ピース20の縫製時に一部縫合をしない部位(図7に示す左腰包被部23の非縫合部K’)を左腰包被部23の包被片23a,23bに設定することにより、腰紐52を右ピース20の内側に挿通して取付可能に構成している。
左ピース30は、左前身頃30aおよび左後ろ身頃30bからなる左側身頃部と、左肩に掛止可能な左肩掛止部32と、右腰に締止可能な右腰締止部34と、を主に構成する左側布片で、これも右ピース20と同様に、生地の種類が異なる表地と裏地により縫製されている。この右ピース20は、前述した右ピース20とは左裾部30d(裾部)の形状が異なり、着用状態において下方に突出する突出部39が形成されている。
左前身頃30aは、左ピース30のうち、前身頃の左側半分以上、例えば、左肩上部から腰部右側にかけて胸部左側、腹部、腰部右側さらには左足の膝上方程度までを覆うものである。これに対し、左後ろ身頃30bは、左ピース30のうち、後ろ身頃の左側半分以上、左肩上部から臀部右側にかけて背部左側、腰部、臀部左側さらには左足の膝裏上方程度までを覆うものである。なお、本実施形態では、右ピース20と同様に、一辺が110cmの正方形状をなす生地を裁断して構成している。
左肩掛止部32は、右ピース20の右肩掛止部22と同様に、短冊状に形成された2つの掛止片32a,32bからなり、掛止片32aは左前身頃30aから突出するように、また掛止片32bは左後ろ身頃30bから突出するように、それぞれ形成されている。即ち、図3(B)に示すように、左前身頃と左後ろ身頃とにほぼ二分するように左肩掛止部32の途中で分離可能に掛止片32a,32bにより構成されており、留め具43により両者を締結することで、左肩掛止部32として機能し得るように構成されている。
突出部39は、左肩掛止部32とは反対方向、つまり着用状態において下方に突出するもので、左肩掛止部32と同様に、短冊状に形成された2つの突出片39a,39bからなる。即ち、突出部39は、後述する裁断工程において、左肩掛止部32と共に裁たれるため、図3(B)に示すように、左肩掛止部32と同形状をなしている。また、左ピース30は、同図からもわかるように、上下左右ともに対称形状であることから、着衣時に上下逆に着用することで、突出部39は左肩掛止部32としても機能し得る。つまり、この突出部39は、特許請求の範囲に記載の「左肩掛止部」に相当し得るものである。
右腰締止部34は、着用者の腰回りに左ピース30を固定するために用いられるもので、図3(B)に示すように、左肩掛止部32や突出部39にほぼ直交して左右両側に突出する短冊形状の締止片34a,34bから構成されている。本実施形態では、後述するように、裁断工程において、着用時の上方に向けて当該右腰締止部34から内側に切り欠けて窪むように切欠部35,36が形成されており、この切欠部35,36に前述した左肩掛止部32が繋がるように構成されている。また、着用時の下方に向けても、当該右腰締止部34から内側に切り欠けて窪むように切欠部37,38が形成されており、この切欠部37,38に前述した突出部39が繋がるように構成されている。なお、本実施形態では、これら切欠部35,36,37,38は、裁断工程において同時に裁たれて形成される。
このように構成される右腰締止部34の締止片34a,34bを腰回りに巻き付けた左ピース30とともに右側の腰骨(右腰)上で結わえることによって、右腰およびその回りに左ピース30を締止可能にしている。なお、本実施形態では、後述するように、左ピース30の縫製時に締止片34a,34bの短辺側を縫合をしないようにすることによって、別途用意するベルトを締止片34a,34bを介して左ピース30の内側に挿通して取付可能に構成している。
なお、図3(A)に示す切欠部25,26や図3(B)に示す切欠部35,36,37,38は、ほぼ三角形状をなす切欠形状に形成されているが、後述するように、裁断時や縫製時には、ほぼ矩形状をなすように切欠部が形成されている(図4〜図7に示す符号α)。そのため、縫製後に残った「矩形状の角部」を、袋状に縫合した表地と裏地の間に形成される空間内に裏返して収容、つまり袋内に入れ込むように内側に押し込むことによって、図1および図2に示すような三角形状をなす切欠部25,26,35〜38が形成される。なお着用時の衣服10においては、図1に示すように、これらの切欠部25等のうち、切欠部25,26は右衿ぐり部20eを構成し、また切欠部35,36は左衿ぐり部30eを構成する。これにより、図1および図2に示すように、右ピース20および左ピース30は、首から胸部にかけてV字状に斜めをなすように「衿ぐり」が形成される。
また、図3(A)や図3(B)に示すように、右肩掛止部22や左肩掛止部32に形成されるU字形状をなす切欠部(図4〜図7に示す符号β)は、着用時の衣服10においては、図1に示すように、右袖ぐり部20cや左袖ぐり部30cを構成する。これにより、右ピース20や左ピース30には「袖ぐり」が形成される。
なお、表地と裏地とで生地の種類が異なる例としては、表地を「綿」を主とした生地、裏地を「麻」を主とした生地、にそれぞれ設定するものが挙げられる。これにより、夏場等の気温が高い時期に好適な衣服10を構成することができる。また、表地を「絹」を主とした生地、裏地を「毛」を主とした生地、にそれぞれ設定することで、冬場等の気温が低い時期に好適な衣服10を構成することができる。これらの場合には、その季節に合わせた通気性や保温性を確保することができるので、不必要な冷暖房を抑制して資源の有効利用やCOの削減を促進することが可能となる。
また、表地のデザインを「作業や仕事に適した作業着用や仕事着用のもの」とし、裏地のデザインを「会食に適したフォーマルなもの」とすることで、表側と裏側とで異なったTPOに適応可能な衣服10を構成することができる。さらに、表地の色彩を「パステル調」とし、裏地の色彩を「原色系」にしたり、また表地の柄を「比較的単純な繰り返しパターン」とし、裏地の柄を「キャラクタデザイン」とすることで、相手に対して表裏で全く異なった印象を与える衣服10を構成することができる。また、生地の織り方を表地と裏地とで変えても良い。これにより、需要者側においては、各用途別や適用部位部に何着も購入したり所有する必要がなくなる一方で、供給者側においても、品揃えをサイズ別に用意したり在庫をする必要がなくなるので、需要者・供給者のいずれも経済的な効率が改善されて、資源の有効利用やCOの削減を促進することが可能となる。
次に、図4〜図7に基づいて、右ピース20および左ピース30の製作工程を説明する。なお、図4には左ピース30の裁断工程の例が図示されており、また図5には左ピース30の縫合例が図示されている。さらに図6には右ピース20の裁断工程の例が図示されており、また図7には右ピース20の縫合例が図示されている。
なおここでは、裁断作業の効率化を考慮して、図4および図5に示す左ピース30の製作工程を先に説明してから、図6および図7に示す右ピース20の製作工程を説明する。
図4に示すように、左ピース30の製作では、まず正方形状をなす生地100を2枚用意する。この生地100は、例えば一辺が110cmに設定されている。
図4(A)〜図4(C)に示すように、左ピース30の製造工程では、まず正方形状の生地100を四つ折りにする。即ち、図4(A)に示すように#印同士および※印同士が合わさるように生地100を二つ折りにした後、図4(B)に示すように*印同士および※印同士が合わさるように生地100をさらに二つ折りにすると、図4(C)に示すように4枚重ねの正方形状が形成される。なお、図4(A)に示す黒丸は、生地100の中心に表すもので、二つ折り時には半円形状、四つ折り時には1/4円形状になって現れている(図4(A)〜図4(F))。
次に図4(D)に示すように、四つ折りにされた生地100に対して、四つ折り前の四隅の角が重なる*印の角部を中心にその角部を含めてL字形状に除去、つまり切欠部αを形成するように生地100を裁つ。また、四つ折りにした折り目に沿ってこの折り目を含めてJ字形状に除去、つまり切欠部βを形成するように生地100を裁つ。このとき型紙を用いるとしても、その形状は比較的単純な「L字形状」や「J字形状」であるので、簡易に型紙を作成することができる。
切欠部α,βを形成した後は、図4(D)や図4(E)に示すように、折り目を開くことによって、全体が展開されて左ピース30を形成する1枚の布地130が出来上がる。例えば、この布地130を表地とすると、裏地も布地130と同様に折り込んだ後に裁断することで、もう1枚の布地130’(裏地)が出来上がる。
図4に示す裁断工程を経て形成された布地130(表地),130’(裏地)を2枚合わせて縫製する。即ち、図5(A)に示すように、2枚重ね合わせた布地130,130’の周囲のうち、左肩掛止部32の周囲Jと突出部39の周囲Jとを除いた全周を縫合する(縫い目130x,130y,130z)。これにより、表地と裏地とが接合されて一枚の左ピース30が完成する(図5(B)参照)。
なお、左肩掛止部32や突出部39の周囲Jに加えて、右腰締止部34の短辺L側も除くように縫合しても良い。これにより、前述したように、別途用意するベルトを締止片34a,34bを介して左ピース30の内側に挿通して取付可能に構成することができる。またこのように左ピース30内を貫通するベルトの左ピース30内での移動を規制するため、図5(A)に示すように、締止片34a,34bの幅とほぼ同じ間隔で位置する縫い目130wを2条形成する。これにより、筒状をなすベルト通孔が左ピース30内に形成されるので、このベルト通孔内に後述するベルト53を通すことで、右腰締止部34だけでなく、ベルト53によって、着用者の腰部に左ピース30をさらに強固に締止することが可能となる。
なお、図5(C)では、前述した縫製後に残った矩形状の角部Nを、袋状に縫合した表地と裏地の間に形成される空間内に裏返して収容するように内側に入れ込む深さの一例を一点鎖線Lにより表している。なお、同図において、表地の布地130を一点鎖線L相当で折り返して裏地の布地130’を示しているのは、内側に入れ込む範囲を明確に表すためのものであるが、このように単に内側に折り込んでも良い。
次に、右ピース20の製作工程を図6および図7を参照して説明する。図6に示すように、右ピース20の製作においても、左ピース30の製作と同様、正方形状をなす生地100を2枚用意する。この生地100も、例えば一辺が110cmに設定されている。
図6(A)、図6(B)に示すように、右ピース20の製造工程では、まず正方形状の生地100を二つ折りにする。即ち、図6(A)に示すように$印同士および¥印同士が合わさるように生地100を二つ折りにすると、図6(B)に示すように2枚重ねの縦長の長方形状が形成される。なお、図6(A)に示す黒丸は、右ピース20の製造工程の説明の場合と同様に、生地100の中心に表すもので、二つ折り時には半円形状になって現れている(図6(A)〜図6(D))。
次に図6(C)に示すように、二つ折りにされた生地100に対して、二つ折り前の$印の角が重なる$印の角部を中心にその角部を含めてL字形状に除去、つまり切欠部αを形成するように生地100を裁つ。また、二つ折りにした折り目に沿ってこの折り目を含めてJ字形状に除去、つまり切欠部βを形成するように生地100を裁つ。
なお、この切欠部α,βの形状は、左ピース30を裁断した際に用いたものと同じである。そのため、切欠部α用のL字形状の型紙や切欠部β用のJ字形状の型紙を新たに起こす必要はなく、左ピース30の裁断時に用いた型紙をそのまま使用することができる。またこのような型紙を作成することなく、左ピース30を裁断した場合には、裁断後の左ピース30の折り畳んだ形状(図4(D)に示すもの)をそのまま型紙として使用することで、右ピース20も容易に裁つことができる。
切欠部α,βを形成した後は、図6(C)や図6(D)に示すように、折り目を開くことによって、全体が展開されて右ピース20を形成する1枚の布地120が出来上がる。例えば、この布地120を表地とすると、裏地も布地120と同様に折り込んだ後に裁断することで、もう1枚の布地120’(裏地)が出来上がる。
図6に示す裁断工程を経て形成された布地120(表地),120’(裏地)を2枚合わせて縫製する。即ち、図7(A)に示すように、2枚重ね合わせた布地120,120’の周囲のうち、右肩掛止部22の周囲Jと左腰包被部23の非縫合部K’を除いた全周を縫合する(縫い目120x,120y,120z)。これにより、表地と裏地とが接合されて一枚の右ピース20が完成する(図7(B)参照)。なお、この左腰包被部23の非縫合部K’には、前述した腰紐52が通る。
なお、図7(C)では、前述した縫製後に残った矩形状の角部Nを、袋状に縫合した表地と裏地の間に形成される空間内に裏返して収容するように内側に入れ込む深さの一例を一点鎖線Lにより表している。なお、同図において、表地の布地120を一点鎖線L相当で折り返して裏地の布地120’を示しているのは、内側に入れ込む範囲を明確に表すためのものであるが、このように単に内側に折り込んでも良い。
ここで、右ピース20および左ピース30の展開形状について説明をする。図6(D)に示すように、右ピース20の展開形状は、スカート状の右裾部20dを有する辺120aと、この右裾部20dから包被片23a,23b(左腰包被部23)に向けてほぼ直角に立ち上がり左腰包被部23から上方が内側に切り欠けて窪む切欠部αを有する両側の2つの辺120bと、右裾部20dの辺120aに対向してほぼ中央から外側上方に突出する掛止片22a,22b(右肩掛止部22)を有する辺120cと、からなる左右対称のほぼ凸字形状になる。
また、図4(F)に示すように、左ピース30の展開形状は、着衣時における上下方向ほぼ中央から上下二つ折りに2枚重ねにした形状、つまり図4(E)に示す形状が、折り目部を有する辺130aと、この折り目部から締止片34a,34b(右腰締止部34)に向けてほぼ直角に立ち上がり右腰止部34から上方が内側に切り欠けて窪む切欠部αを有する両側の2つの辺130bと、折り目部の辺130aに対向してほぼ中央から外側上方に突出する掛止片32a,32b(左肩掛止部32)を有する辺130cと、からなる左右対称のほぼ凸字形状をなす、図4(F)に示す上下対称形状になる。
これにより、上述したように、正方形状をなす生地を2枚用意して、それを左右対称に裁つことで容易に裁断できるので、複雑な型紙等を起こすことなく、右ピース20および左ピース30を簡単に作ることができる。
続いて、図8を参照して衣服10の着用順序の例を説明する。図8には、マネキンMに衣服10を着用する手順が各ステップごとに図示されている。これまでに説明したように、衣服10は、右ピース20と左ピース30とが左右に分離されているので、これらを同時に装着することは難しい。このため、本実施形態では、左ピース30よりも内側に着る右ピース20を先に着てから、左ピース30をそれに重ねて装着する。
図8(A)に示すように、まず右ピース20のスカート部28によって、腰部、臀部および大腿部を覆うように右ピース20を腰の回りに巻き付けてから、腰紐52によって腰回りに右ピース20を固定する。その際、右ピース20を通る腰紐52は、腰に巻いた後、例えば、左腰骨上部で結わえ腰回りに右ピース20を固定する(図8に示す符号52a)。
次に、右ピース20の右肩掛止部22に右腕を通して右肩に右肩掛止部22を掛止する。これにより、図8(B)に示すように、右ピース20の右前身頃20aにより右側胸部が覆われ、後ろ身頃20bにより右側背部が覆われて、右ピース20の装着作業が終了する。
続いて、左ピース30を装着する。図8(C)に示すように、右ピース20のときと同様に左ピース30を腰の回りに巻き付けてから右腰締止部34の締止片34a,34bで右腰骨上部に結わえて腰回りに左ピース30を固定する(図8に示す符号34)。
次に、図8(D)に示すように、左ピース30の左肩掛止部32に左腕を通して左肩に左肩掛止部32を掛止する。これにより、図8(E)に示すように、左ピース30の左前身頃30aにより左胸部が覆われ、左後ろ身頃30bにより左側背部が覆われて、左ピース30の装着作業が終了する。つまり、衣服10の着用が完了する。
このように本実施形態に係る衣服10は、右ピース20と左ピース30とが左右に分離されているので、着用者やマネキンMが着用することにより、一着の衣服10として概念することが可能となるが、着こなしの工夫によってデザインが変化する。そのため、ここでは、図9を参照してその例を紹介する。
例えば、図9(A)に示す例では、左ピース30の左前身頃30aに切欠部35を形成することなく、即ち縫製後に残った矩形状の角部N(図5参照)を袋状に縫合した表地と裏地の間に形成される空間内に裏返して収容することなく、外側に向けて折って裏地を出すようにしている。これにより、通常は外から見えない裏地が三角状に現れるため(同図の符号35a)、そのぶんお洒落な着こなしができる。
また、図9(B)に示すように、左ピース30の下方に形成される突出部39をその上方内側にに折り込んで収容することで、右ピース20のスカート部28をより強調した着こなしができる。さらに、図9(C)に示す例では、左ピース30の下方に切欠部37を形成することなく、縫製後に残った矩形状の角部N(図5参照)をそのまま下方に垂らして状態にしている。また、図9(D)に示す例は、この図9(C)に示す着方において、左ピース30に通したベルト53によって左ピース30を腰回りに固定するものである。
以上説明したように本実施形態に係る衣服10によると、右ピース20は、前身頃の右側半分以上を含む右前身頃20aと、後ろ身頃の右側半分以上を含む右後ろ身頃20bと、右肩に掛止可能な右肩掛止部22と、左腰を包被可能な左腰包被部23とを有し、左ピース30は、前身頃の左側半分以上を含む左前身頃30aと、後ろ身頃の左側半分以上を含む左後ろ身頃30bと、左肩に掛止可能な左肩掛止部32と、右腰に締止可能な右腰締止部34と、を有し、右ピース20は腰紐52により左腰と腰の周囲で身体に締止される。そして、右ピース20および左ピース30の少なくとも一方は、表地と裏地とがそれぞれ異なった色、柄、模様または織り方の生地であり、前身頃と後ろ身頃とが同一形状に形成されている。
これにより、右ピース20および/または左ピース30は、前身頃と後ろ身頃とが同一形状に形成されるので、リバーシブルで使用することができる。また、表地と裏地とがそれぞれ異なった色、柄、模様または織り方の生地であるため、生地の種類を適宜選択することにより、表側と裏側とで異なったTPOに適応可能な衣服を構成することができる。さらに、このような表地と裏地の異なった生地の組み合わせを左右の両ピースについて設定することで、一着の衣服でありながら4通りの組み合わせ(右:表・左:表,右:表・左:裏,右:裏・左:表,右:裏・左:裏)を楽しむことができる。
例えば、表地はフォーマルに適した生地、裏地は普段着に適した生地、に設定することで、両方の場面で着用可能な衣服を構成することができる。また、右ピース20は腰紐52により腰の周囲で身体に締止され、また左ピース30は右腰締止部34により右腰に締止されるので、左右の両ピース20,30とも腰を中心に身体に固定される。そのため、上半身および下半身に対して比較的ゆったりとしたサイズで構成することができるので、いわゆるフリーサイズにすることができる。しがって、従来の衣服のように、需要者側においては、各用途別や適用部位部に何着も購入したり所有する必要がなくなる一方で、供給者側においても、品揃えをサイズ別に用意したり在庫をする必要がなくなるので、需要者・供給者のいずれも経済的な効率が改善されて、資源の有効利用やCOの削減を促進することが可能となる。
また、右ピース20および左ピース30のいずれも、腰を中心に身体に固定されているので、例えば、身動きの不自由な寝たままの要介護者に着せる場合でも、横たわった状態の要介護者の腰の下側から、左右ピース20,30の一部を通して腰に締止させることで、背中を起こすことなく容易に着用することができる。さらに、締止する腰に対して対角状に位置する側の肩(右ピース20の場合には左腰と右肩、左ピース30の場合には右腰と左肩)に掛止するように構成されているので、左右の両ピース20,30を同時に掴んで引き上げることにより、要介護者の腰と肩を力点としたタスキがけ状に力が加わるため、要介護者の姿勢を比較的容易に変えることができる。このため、着衣時や脱衣時だけでなく、褥瘡(じょくそう)の防止作業時においても、介護者の体力的な負担を軽減することが可能となる。したがって、身動きの不自由な寝たままの要介護者に適した衣服を提供することができる。
なお、図10に示す衣服10’のように、右ピース20と同じ形状をしたものを左ピース30の代わりに着用しても良い。即ち、右ピース20と、右ピース20と左右対称の形状からなる左ピース20’と、によって、左右に分離された2ピースからなる一着を構成しても良い。なお、図10において、「’(ダッシュ)」が付されている符号が指し示すものは、その「’」の付いていない符号が指し示すものと「左右対称形状」である点を除き、ほぼ同一に構成されていることを意味している。そのため、ここでは「’」付きの符号が付されているものの説明を省略する。
これにより、左右の両ピース20,20’は、左右対称である点を除きいずれも同じ形状をしているので、右ピース20を作成してそれを裏表にすることで、左ピース20’を実現することができる。したがって、右ピース20を裁つのと同様に左ピース20’も容易に裁断できるので、複雑な型紙等を起こすことなく、右ピース20および左ピース20’を簡単に作ることができる。
また、これと同じ要領で、図11に示す衣服10”のように、左ピース30と同じ形状をしたものを右ピース20の代わりに着用しても良い。即ち、左ピース30と、左ピース30と左右対称の形状からなる右ピース30’と、によって、左右に分離された2ピースからなる一着を構成しても良い。なお、図11において、「’(ダッシュ)」が付されている符号が指し示すものは、その「’」の付いていない符号が指し示すものと「左右対称形状」である点を除き、ほぼ同一に構成されていることを意味している。そのため、ここでは「’」付きの符号が付されているものの説明を省略する。
これにより、左右の両ピース30,30’は、左右対称である点を除きいずれも同じ形状をしているので、左ピース30を作成してそれを裏表にすることで、右ピース30’を実現することができる。したがって、左ピース30を裁つのと同様に右ピース30’も容易に裁断できるので、複雑な型紙等を起こすことなく、左ピース30および右ピース30’を簡単に作ることができる。
本実施形態に係る衣服10では、前述したように、裁断時や縫製時には、ほぼ矩形状をなすように形成されている切欠部α(図4〜図7)を袋状に縫合した表地と裏地の間に形成される空間内に裏返して収容(袋内に入れ込むように内側に押し込む)した。そのため、図12に示すように、この部分にはポケット20p,30pが形成されているので、ここに、例えば、香草を入れることで、当該衣服10の着用時にそれによる香りを楽しむことができ、また気管支炎等に効果のある薬草をこれに入れても良い。また、背中側においても、このポケット20p,30pが形成されるが、例えば、肩こりに効く薬草をこれに入れることで、ポケット20p,30pの形成位置が肩甲骨に近いことから、薬効を効果的に得ることが可能となる。
ここで、図13を参照して、衣服10が着衣以外の用途に使用できる他の機能について説明する。図5(A)に示すように、左ピース30には、締止片34a,34bの幅とほぼ同じ間隔で位置する縫い目130wが2条形成されている。
このため、図13(A)に示すように、この縫い目130wに沿って左ピース30を上下方向に折り畳み、かつ図13(B)に示すように、左肩掛止部32の掛止片32a,32bを留め具43等により繋げて「輪っか」状の取手を形成することによって、縫合されていない開口部30qから物を出し入れできる持ち運びに利便性の高い手提げ袋として、左ピース30を使用することが可能となる。
また、図13(B)に示すように、左ピース30の縫い目130wにより形成されるベルト通孔にベルト53を通すことによって、このベルト53により使用者の肩に担ぐことが可能な袋にもなる。これにより、重量の大きな荷物であっても左ピース30内にそれを入れて運ぶことが可能となる。特に、災害時などに、身近に適当な袋が見つからない場合等、緊急必需用品をこれに入れて運べる点で、このような左ピース30の袋としての機能が役に立つ。
なお、右ピース20にも右肩掛止部22が形成されていることから、この右肩掛止部22の掛止片22a,22bを留め具43等により繋げて「輪っか」状の取手を形成することで、左ピース30による袋と同様に機能する。またこの左ピース30には、図5(A)に示すような縫い目130wが形成されていないことから、より底の深い袋として使用することができる。
上述した例のほかに、衣服10を構成する左ピース30は、それをベストとして着用することもできる。その例が、図14に図示されている。なお、図14(A)は前側、図14(B)は後側、図14(C)は右側、図14(D)は左側、からそれぞれ見たものである。
さらに、衣服10を構成する右ピース20は、それをワンピースとして着用することもできる。図15にはその例が図示されており、図15(A)は前側、図15(B)は後側、図15(C)は右側、図15(D)は左側、からそれぞれ見たものである。
以上説明した各実施形態では、右ピース20を右用、左ピース30を左用というように左右を固定して説明したが、本発明はこれに限られることはなく、左右逆に構成しても、同様の作用・効果を奏する。また、切欠部の形状はL字形状やJ字形状に限られることはなく、袖ぐりや衿ぐりが形成可能であれば他の形状であっても良い。
10…衣服
20…右ピース
20a…右前身頃(右側身頃部)
20b…右後ろ身頃(右側身頃部)
20c…右袖ぐり部
20d…右裾部(裾部)
20e…右衿ぐり部
22…右肩掛止部
23…左腰包被部
25、26…切欠部
28…スカート部
30…左ピース
30a…左前身頃(左側身頃部)
30b…左後ろ身頃(左側身頃部)
30c…左袖ぐり部
30d…左裾部(裾部)
30e…左衿ぐり部
32…左肩掛止部
34…右腰締止部
35、36、37、38…切欠部
39…突出部(左肩掛止部)
42、43…留め具
52…腰紐(右ピース締止手段)
53…ベルト
100…生地(裁断前のもの)
120…布地(凸字形状の布地、表地)
120’…布地(凸字形状の布地、裏地)
120a…辺(裾部を有する一辺)
120b…辺(切欠部を有する両側二辺)
120c…辺(右肩掛止部を有する一辺)
130…布地(上下対称形状の布地、表地)
130’…布地(上下対称形状の布地、裏地)
130a…辺(折り目部を有する一辺)
130b…辺(切欠部を有する両側二辺)
130c…辺(左肩掛止部を有する一辺)
M…マネキン

Claims (4)

  1. 左右に分離された2ピースからなり、右ピースと左ピースの一対により一着を構成する衣服であって、
    表地と裏地とからなり、前身頃の右側半分以上および後ろ身頃の右側半分以上を形成する右側身頃部、右肩に掛止可能な右肩掛止部ならびに左腰を包被可能な左腰包被部を有し、袖がなく、前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように前記右肩掛止部の途中および前記左腰包被部の途中で分離可能かつ分離すると平面状に展開可能に構成される右ピースと、
    前記右ピースを腰の周囲で身体に締止可能な右ピース締止手段と、
    表地と裏地とからなり、前身頃の左側半分以上および後ろ身頃の左側半分以上を形成する左側身頃部、左肩に掛止可能な左肩掛止部ならびに右腰に締止可能な右腰締止部を有し、袖がなく、前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように前記左肩掛止部の途中および前記右腰止部の途中で分離可能かつ分離すると平面状に展開可能に構成される左ピースと、を備え、
    前記右ピースおよび前記左ピースの少なくとも一方は、前記表地と前記裏地とがそれぞれ異なった素材、、模様または織り方の生地であり、前身頃と後ろ身頃とが同一形状に形成されており、
    (1)前記右ピースにおいて前記右肩掛止部の周囲を除き前記表地と前記裏地との周囲が縫合されていること、(2)前記左ピースにおいて前記左肩掛止部の周囲を除き前記右腰締止部から前記左肩掛止部側の範囲で前記表地と前記裏地との周囲が縫合されていること、の少なくとも一方を満たすことを特徴とする衣服。
  2. 前記右ピースは、前記右側身頃部の裾部がスカート状に形成されるとともに、それぞれ前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように前記右肩掛止部の途中および前記左腰包被部の途中で分離可能に構成されており、これらを分離して展開すると、前記スカート状の裾部を有する一辺と、この裾部から前記左腰包被部に向けてほぼ直角に立ち上がり前記左腰包被部から上方が内側に切り欠けて窪む切欠部を有する両側二辺と、前記裾部の一辺に対向してほぼ中央から外側上方に突出する前記右肩掛止部を有する一辺と、からなる左右対称のほぼ凸字形状の布地になり、
    前記左ピースは、それぞれ前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように前記左肩掛止部の途中および前記右腰止部の途中で分離可能に構成されており、これらを分離して展開すると、着衣時における上下方向ほぼ中央から上下二つ折りに2枚重ねにした形状が、折り目部を有する一辺と、この折り目部から前記右腰止部に向けてほぼ直角に立ち上がり前記右腰止部から上方が内側に切り欠けて窪む切欠部を有する両側二辺と、前記折り目部の一辺に対向してほぼ中央から外側上方に突出する前記左肩掛止部を有する一辺と、からなる左右対称のほぼ凸字形状をなす上下対称形状の布地になることを特徴とする請求項1記載の衣服。
  3. 前記右ピースは、前記右側身頃部の裾部がスカート状に形成されるとともに、それぞれ前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように前記右肩掛止部の途中および前記左腰包被部の途中で分離可能に構成されており、これらを分離して展開すると、前記スカート状の裾部を有する一辺と、この裾部から前記左腰包被部に向けてほぼ直角に立ち上がり前記左腰包被部から上方が内側に切り欠けて窪む切欠部を有する両側二辺と、前記裾部の一辺に対向してほぼ中央から外側上方に突出する前記右肩掛止部を有する一辺と、からなる左右対称のほぼ凸字形状の布地になり、
    前記左ピースも、前記左側身頃部の裾部がスカート状に形成されるとともに、それぞれ前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように前記左肩掛止部の途中および前記右腰包被部の途中で分離可能に構成されており、これらを分離して展開すると、前記右ピースと同形状をなす左右対称のほぼ凸字形状の布地になることを特徴とする請求項1記載の衣服。
  4. 前記右ピースは、それぞれ前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように前記右肩掛止部の途中および前記左腰掛止部の途中で分離可能に構成されており、これらを分離して展開すると、着衣時における上下方向ほぼ中央から上下二つ折りに2枚重ねにした形状が、折り目部を有する一辺と、この折り目部から前記左腰掛止部に向けてほぼ直角に立ち上がり前記左腰掛止部から上方が内側に切り欠けて窪む切欠部を有する両側二辺と、前記折り目部の一辺に対向してほぼ中央から外側上方に突出する前記右肩掛止部を有する一辺と、からなる左右対称のほぼ凸字形状をなす上下対称形状の布地になり、
    前記左ピースも、それぞれ前身頃側と後ろ身頃側とにほぼ二分するように前記左肩掛止部の途中および前記右腰止部の途中で分離可能に構成されており、これらを分離して展開すると、前記右ピースと同形状をなす左右対称のほぼ凸字形状をなす上下対称形状の布地になることを特徴とする請求項1記載の衣服。
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