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JP4783477B2 - 栄養富化穀物製造装置及びそれを備えた穀物乾燥施設 - Google Patents
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JP4783477B2 - 栄養富化穀物製造装置及びそれを備えた穀物乾燥施設 - Google Patents

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Description

本発明は、穀物のγ−アミノ酪酸含有量を富化させた栄養富化穀物を製造する製造装置、及びそれを備えたカントリーエレベータ等の穀物乾燥施設に関するものである。
γ−アミノ酪酸の摂取は、高血圧の予防や血流の改善の効果があるといわれており、従来、γ−アミノ酪酸を豊富に含む種々の食品が一般に製造されている。穀物を発芽させるとγ−アミノ酪酸の含有量が増加することは周知であり、発芽させた穀物(以下、発芽穀物という)の主に胚芽や外皮等(例えば、玄米では胚芽及び糠層)の表層部においてγ−アミノ酪酸が増加することも知られている。このため、発芽穀物は、胚芽や外皮を残した状態で食用にされている。
また、浸漬を行わず、玄米に対して緩慢な加水を行い常温で調質することによって胚乳部にγ−アミノ酪酸等の機能性成分が増加した米を製造する技術も研究されている(特許文献1)。特許文献1の技術によって機能性成分を増加させられた玄米は、γ−アミノ酪酸を豊富に含有する。
一方、本願出願人は、平均含水率が20重量%以上の籾を、52〜80℃に加熱した後に所定時間にわたって保温する栄養富化処理を行うことによって、籾の胚乳部にγ−アミノ酪酸を顕著に富化させる栄養富化米製造方法を発明した(特許文献2)。特許文献2の栄養富化米製造方法は、発芽にともなう生理作用を利用する従来の発芽玄米の製造方法や特許文献1の技術とは異なり、含水率の高い籾を加熱することによって籾のγ−アミノ酪酸含有量を富化させる。
通常の白米のγ−アミノ酪酸含有量が1.2mg/100gであるのに対し、特許文献2の技術によれば、平均含水率20〜27重量%の籾を原料とし、主にマイクロ波照射装置を使用して籾を52〜80℃に加熱して3〜720分間にわたって保温する栄養富化処理を行うことにより、籾の胚乳部のγ−アミノ酪酸含有量を6.6〜20.0mg/100gに富化させることができる。また、生籾など、平均含水率が20重量%以上の籾を原料とすれば加水は全く不要である。特許文献2の技術によって得られる米は、胚乳部にγ−アミノ酪酸が富化するため、精米して白米としてもγ−アミノ酪酸を豊富に含有する。
特開2005−52073号 PCT/JP2009/054993
特許文献1の技術は、浸漬によらずにγ−アミノ酪酸含有量が増加した穀物を製造可能であったが、加水や調質のための複雑な設備が必要であった。このため、設備コストが高いことに加えて運用やメンテナンスに手間を要した。
また、栄養富化処理中は、長時間にわたって穀物の含水率の変化を細かく監視して加水や調質の状況をコントロールする必要があった。特許文献1の開示に基いて試算すると、原料に対する加水開始から調質終了までには、およそ12〜22時間が必要であり、製造工程の迅速化が求められていた。
さらに、特許文献1の技術によれば、常温での加水処理や調質が長時間に及ぶため、雑菌が繁殖しやすく、出来上がった製品の米に異臭が生じる虞があった。
一方、特許文献2の技術によれば、比較的短時間にγ−アミノ酪酸が富化した穀物(籾)を製造可能であったが、マイクロ波の出力及び照射時間に応じて穀温が変化するため、厳密な温度管理は難しく、栄養富化処理における穀温を正確に調整することが難しかった。従って、特許文献2の技術では、加熱途中に一旦停止して原料を攪拌し穀温を確認するなど、工程中における緻密な温度管理が必要であり、大量生産が困難であった。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、簡素な設備によって簡単かつ効率的に穀物のγ−アミノ酪酸含有量を富化させることが可能な栄養富化穀物製造装置、及び栄養富化穀物の大量生産を可能とするカントリーエレベータ等の穀物乾燥施設の提供を課題とする。
本発明は、「穀物を加熱する加熱手段と、前記穀物の穀温を計測する穀温センサと、前記穀温が52℃以上80℃以下に設定された所定温度となるように加熱手段を制御する加熱制御手段とを具備する」ことを特徴とする栄養富化穀物製造装置である。
ここで、「穀物」とは、穀類に加えて豆類も含めた広義の穀物を示す。
また、加熱手段とは、単に熱を発する熱源を意味するものではなく、種々の部材や装置を熱源に組み合わせたものを含む。すなわち、加熱される穀物を移動させて熱源との距離を変化させることが可能なものや、穀物の移動速度を変化させることが可能なものなど、熱源以外の構成によって加熱状態を調節可能なものであってもよい。加熱制御手段はこうした加熱手段に含まれる種々の構成の動作を制御するものである。
穀温センサ、加熱制御手段は、いずれも一般的な製品を利用可能であり、加熱手段についても遠赤外線放射装置等の公知技術を用いることが可能である。また、穀物のγ−アミノ酪酸含有量を増加させる従来の技術とは異なり給排水設備を必ずしも必要としないので、本発明の栄養富化穀物製造装置は簡素な構成となる。
本発明の栄養富化穀物製造装置によれば、計測された穀温に基き、加熱制御手段が加熱手段を制御して穀温を52〜80℃の所定温度に昇温させる。これにより、穀物の胚乳部を含む部位においてγ−アミノ酪酸含有量を富化させる。また、穀温に基いて加熱手段を制御するので、栄養富化処理中の穀温を所定温度にて安定させ、製造された穀物のγ−アミノ酪酸含有量のばらつきが抑制される。
栄養富化処理の所要時間は、穀物(小麦、とうもろこし、籾、大豆など)によって異なる。また、穀物の含水率によっても最適な処理時間は変化し、含水率が高い場合には栄養富化処理の効果が上昇するので比較的短時間の処理でよい。
穀物に吸水させ発芽を促してγ−アミノ酪酸含有量を増加させる従来の技術では、12〜72時間という長い処理時間を必要としていたのに対し、本発明の栄養富化穀物製造装置は、必ずしも穀物に吸水させる必要がなく、加熱によって穀物のγ−アミノ酪酸含有量を富化させるので、従来よりも所要時間が短縮される。一例を挙げると、籾を原料としたときにγ−アミノ酪酸含有量を8mg/100g以上に増加させるための所要時間は最短で3分である。また、γ−アミノ酪酸含有量は、処理時間が10分で12mg/100gを超え、60分で20mg/100g前後である。穀物の品種によって栄養富化処理の所要時間は変化するが、籾以外の穀物においても概ね同等の処理時間でγ−アミノ酪酸含有量を富化させることが可能である。
なお、含水率の高い原料穀物は、降雨後等に穀物を収穫することによって容易に得ることができる。また、含水率の低い穀物であっても、水に浸漬して含水率を高めれば栄養富化処理に適したものとすることができる。このとき、発芽可能な温度域から外れた温度の水に浸漬すると、発芽作用による栄養分の消費を防ぐのでさらに好適である。例えば、籾であれば、発芽可能な温度域は、概ね10〜45℃とされているので、10℃以下の冷水、または45℃以上の温水に浸漬することで発芽させずに含水率を高めて、本発明の栄養富化穀物製造装置の原料として適した穀物とすることができる。
また、本発明の栄養富化穀物製造装置は、「所定の基準含水率を記憶する記憶手段と、栄養富化処理前の前記穀物の含水率を計測する水分計と、前記穀物の含水率が低いことを示す警告を行う警告手段と、計測された前記含水率と前記基準含水率とを比較し、前記含水率が前記基準含水率未満の場合には、前記警告手段に前記警告を行わせる警告制御手段とをさらに具備する」構成とすると好適である。
ここで、記憶手段とは、ハードディスク、メモリカード、ROMなど種々の方法を示すことができる。また、警告制御手段とともにワンチップのICとして構成されていてもよい。警告制御手段は、加熱制御手段と統合されていてもよい。警告手段としては、液晶画面やLEDによって視覚的に示すものや、スピーカ等の音声で示すものが挙げられる。
基準含水率は穀物の品種によって異なる。籾や玄米の場合を例とすると、平均含水率20〜35%の範囲で基準含水率を設定することができる。同様に、小麦の場合は25〜40%であり、とうもろこしの場合は30〜80%であり、大豆の場合は25〜50%の範囲で設定可能である。原料の穀物は高水分状態が望ましいので、基準含水率を設定する範囲としてより好ましくは、籾や玄米の場合は23〜32%であり、小麦の場合は30〜35%であり、とうもろこしの場合は35〜80%であり、大豆の場合は30〜50%である。穀物の品種に応じて基準含水率は適宜設定される。
穀物の栄養富化処理における好適な処理時間は原料の含水率によって変化するため、従来は、原料の含水率に応じて加熱状態を調節する必要があった。また、含水率の適否は外観からは判別不能であるので、サンプルを取り出して水分計で計測する必要があったが、大量の穀物を処理する場合には、原料の含水率にむらがあったり、処理を進める間に含水率が変化したりする虞があった。
これに対し、本構成によれば、穀物の含水率が所定の基準含水率未満の場合には、警告表示をして使用者に対して注意を喚起する。これにより、穀物の含水率不足のためにγ−アミノ酪酸含有量が低い製品を製造してしまうことを防止する。当然ながら、警告表示をする際に、あわせて栄養富化処理を中断するようにしてもよい。
また、本発明の栄養富化穀物製造装置は、「加熱された前記穀物を貯留する貯留部をさらに具備する」構成とするとさらに好適である。
加熱手段によって穀物を所定温度に加熱した後、貯留部において貯留させ余熱によって栄養富化処理を進行させることで、エネルギー効率を改善することができる。このとき、貯留部が保温機能を有するものであると熱損失がより小さくなるので、より長時間にわたって余熱で栄養富化処理が進行する。これにより、加熱手段を使用する時間を短縮し、単位時間あたりに加熱処理される穀物を増加させ、製造効率を向上させることができる。
また、本発明の栄養富化穀物製造装置は、「所定の基準含水率を記憶する記憶手段と、栄養富化処理前の前記穀物の含水率を計測する水分計と、前記穀物の含水率が低いことを示す警告を行う警告手段と、胚芽を有する穀物を加熱する加熱手段と、加熱された前記穀物を貯留する貯留部と、該貯留部に配設され前記穀物の穀温を計測する穀温センサと、加熱された前記穀物を前記貯留部に移動させる移送手段と、前記貯留部における貯留の済んだ前記穀物を乾燥させる乾燥手段と、該警告手段、前記加熱手段、前記移送手段及び前記乾燥手段の動作を制御する主制御手段とを具備し、該主制御手段は、計測された前記含水率と前記基準含水率とを比較し、前記含水率が前記基準含水率未満の場合には前記警告手段に前記警告を行わせる含水率チェック処理の制御を行い、前記穀温が52℃以上80℃以下に設定された所定温度となるように前記加熱手段を制御して前記穀物を加熱し、加熱された前記穀物を前記貯留部に移動させ所定時間にわたって前記穀物を貯留させ、胚芽を有する穀物のγ−アミノ酪酸含有量を富化させる栄養富化処理の制御を行い、該栄養富化処理の完了した前記穀物を前記乾燥手段で乾燥させる乾燥処理の制御を行う」構成とすることもできる。
本構成の栄養富化穀物製造装置によれば、主制御手段が、加熱手段を制御して穀物を所定温度に加熱し、移送手段を制御して貯留部に移動させて貯留させて栄養富化処理を行う。そして、栄養富化が済んだ穀物を乾燥手段を制御して乾燥させる。栄養富化処理の完了した穀物を穀物乾燥機に移送することなく連続的な工程の中で乾燥させるので、作業者の手間を省き作業時間を短縮する。
また、栄養富化穀物製造装置と乾燥手段とで貯留部を共用するので省スペース化させることができる。また、穀物の乾燥には一般に30〜40℃程度の温度による熱風乾燥が行われるが、本構成によれば、加熱手段の熱源と乾燥手段の熱源とを一つの熱源によって兼ねることも可能であり、さらに省スペース化が可能である。例えば、一つの遠赤外線放射装置によって栄養富化処理の加熱と乾燥のための加熱とを行わせるようにしてもよい。
移送手段としては、種々の構成を採用することが可能であり、特に構成が限定されるものではない。移送手段の例としては、ベルトコンベア、スクリュコンベア、バケットコンベア等を例示することができる。また、重力による流下や落下を利用して穀物を移動させるものであってもよい。また、貯留部で貯留が済んだ穀物を、再度加熱処理部に戻して反復して段階的に温度を高めて栄養富化処理を行うようにしてもよい。
本発明の穀物乾燥施設は、「入荷された穀物を乾燥させる穀物乾燥装置と、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の栄養富化穀物製造装置とを具備する」ことを特徴とするものである。
一般に、収穫された穀物は、収穫後まもなくカントリーエレベータ等の穀物乾燥施設に入荷され、貯蔵に適した含水率になるまで乾燥される。収穫期においては穀物乾燥施設に対する入荷が集中するため、乾燥処理を待つ穀物は未乾燥状態で一時貯留が行われている。換言すれば、収穫期の穀物乾燥施設では、乾燥処理を待つ未乾燥の穀物が集積された状態にある。本発明の穀物乾燥施設によれば、このような未乾燥の穀物に対してその場で栄養富化処理を行い、然る後に穀物乾燥装置で乾燥させて貯蔵可能とすることで、効率的に栄養富化穀物を製造することができる。
また、本構成によれば、穀物を乾燥させる前にγ−アミノ酪酸含有量を富化させる栄養富化処理を行うか否かの選択が可能となるので、穀物乾燥施設の各設備の使用状況に応じて最適な方法を選ぶことができる。例えば、穀物乾燥装置の乾燥処理能力に余裕がない場合には、乾燥を待っている穀物に対して栄養富化処理を行うことができる。栄養富化穀物製造装置の処理能力に余裕がない場合には、栄養富化処理を行わずに乾燥させるようにしてもよい。
また、穀物乾燥施設の燃料供給設備等の付随設備を、栄養富化穀物製造装置が共用可能であり、穀物乾燥施設と栄養富化穀物製造施設とが別々に設けられた場合よりも設備コストやランニングコストが低減される。
ところで、栄養富化穀物と、栄養富化処理が行われていない穀物とを外観によって区別することは困難であるので、複数の施設間を移送したりすると途上で受け渡しが生じ、栄養富化穀物とその他の穀物との混同が発生する虞がある。これに対し、本発明の穀物乾燥施設によれば、穀物乾燥施設において栄養富化から乾燥までを一貫して行うことで、栄養富化穀物とその他の穀物との移送途中の混同を防止し、製品管理を容易とする。
このように、本発明によれば、給排水設備を必要としない簡素な設備であって、使用者に緻密な管理を要求することなく簡単かつ効率的に穀物のγ−アミノ酪酸含有量を富化させることが可能な栄養富化穀物製造装置、及びそれを備えたカントリーエレベータ等の穀物乾燥施設を提供することができる。
栄養富化米製造装置の構成を示す幅方向の断面略図である。 栄養富化米製造装置の構成を示す長手方向の断面略図である。 栄養富化米製造装置のブロック図である。 栄養富化処理の制御の流れを示すフローチャートである。 栄養富化処理の流れを示す説明図である。 栄養富化米製造装置の異なる実施形態の構成を模式的に示す説明図である。 栄養富化米製造装置のさらに異なる実施形態の構成を模式的に示す説明図である。 穀物乾燥施設の構成を説明する説明図である。
以下、本発明の栄養富化米製造方法の一実施形態である栄養富化米製造装置10について、図1〜図5に基き説明する。図1は、栄養富化米製造装置10の構成を示す幅方向の断面略図である。図2は、栄養富化穀物製造装置10の構成を示す長手方向の断面略図である。図3は、栄養富化穀物製造装置10の制御系統の構成を示すブロック図であり、図4は、栄養富化処理の制御の流れを示すフローチャートであり、図5は、栄養富化処理の流れを示す説明図である。なお、栄養富化米製造装置10の機械的構成は参考例であるが、図4を用いて説明する制御の流れ、及び、図5を用いて説明する栄養富化処理の流れは、本発明の一実施形態である。
図1及び図2に示すように、栄養富化穀物製造装置10は、従来の穀物乾燥機に似た概略構成となっており、略箱型のケーシング20の内部に、貯留部21、加熱処理部24、排出部26が、上から下へと順に設けられている。貯留部21、加熱処理部24、排出部26とケーシング20の外板の間は硬質ウレタンで断熱されている。ケーシング20の外側に付設されたバケットコンベア30は、投入ホッパ41に入れられた穀物を上方に搬送し、上部スクリュコンベア31を経由して上部の貯留部21へと投入する。最下部の排出部26の底部の排出ピット35には下部スクリュコンベア38が設けられており、排出部26内の穀物を、ケーシング20の外部に設けられたバケットコンベア30へと送出し、貯留部21に戻して循環させることが可能に構成されている。ここで、バケットコンベア30、上部スクリュコンベア31、及び下部スクリュコンベア38が、本発明の移送手段に相当する。
貯留部21は、穀物を貯留する部分であり、貯留部21の下部は通風乾燥部22となっている。通風乾燥部22は、有孔板で形成された断面山状の通風路部材47を複数備えて構成されている。通風乾燥部22と加熱処理部24の境界には、通風乾燥部22と加熱処理部24との間を開閉する上部回転弁装置23が備えられている。通風路部材47には後述する排気ダクト(図示しない)が接続されており、熱風が供給される。また、通風路部材47に接続された送風機44によって通風乾燥部22の空気は機外へと吸い出される。
加熱処理部24は、谷状に下方に向かって狭窄する断面形状に形成されており、穀物を徐々に流下させる漏斗状に作用し、穀物の流量を制限し、貯留部21から流下する穀物を栄養富化処理に適した割合で流下させて栄養富化処理を行うことができる。加熱処理部24の略中央には、断面略菱形を呈し、下部が有孔部材49で形成された放射体カバー27が設けられており、放射体カバー27の中には筒状の遠赤外線放射体33が収容されている。放射体カバー27には給気ファンを備えた給気ダクト(図示しない)が接続されており、中に外気が供給される。通風乾燥部22から加熱処理部24に流下した穀物は、放射体カバー27と内壁28との間に構成された斜路状の流下路25を流下する。原料の穀物は、放射体カバー27が断面略菱形であるので、放射体カバー27の上に堆積することなく外面に沿って流下し、流下路25に流入する。流下路25は、放射体カバー27の有孔部材49で形成された部分を囲むようにV字状に両側に設けられており、遠赤外線放射体33の放射する遠赤外線を効率的に利用して穀物を加熱する。流下路25の幅は約100mmであり、遠赤外線は流下路25の中央部を流れる穀物までは到達しないが、斜路状の流下路25を流下する間に穀粒の向きが変わり、表面部においては攪拌効果が生じ、加熱むらが緩和される。内壁28の下部は穀粒よりも小さな孔が多数穿設された有孔部材29で構成されており、加熱処理部排気路34と連通している。加熱処理部排気路34は、先述の通風路部材47に排気ダクト(図示しない)で接続されている。
遠赤外線放射体33の一端にはバーナ40が装着されており、バーナ40は、燃料の灯油を燃焼させ、遠赤外線放射体33の中に火炎を放射して遠赤外線放射体33を加熱し遠赤外線を放射させる。遠赤外線放射体33の他端には、バーナ排気管43が接続されている。バーナ排気管43は排気ダクトに接続されており、赤外線放射体33内部の燃焼排気が通風路部材47に供給される。バーナ排気管43の排気ダクト側にはバーナ送風機モータ191(図3参照)が駆動するバーナ送風機(図示しない)を備えており、バーナ40の燃焼排気を排気ダクトへと送る。つまり、バーナ40の排気及び遠赤外線放射体33によって生じた熱気は、バーナ排気管43または加熱処理部排気路34を経由して排気ダクトへと集められ、通風路部材47に送られる。なお、排気ダクトには機外に連通する通風孔が設けられており、排気ダクト内と機外との圧力差に応じて空気が出入する。ここで、加熱処理部24が、本発明の加熱手段に相当する。
バーナ40の燃料の灯油は、燃料タンク70に貯められており、燃料ホース71によって燃料タンク70とバーナ40とが接続され、燃料ポンプ(図示しない)によって燃料タンク70からバーナ40へと灯油が供給される。また、図示しないが、各モータ等に対する電源は、一般の交流電源を利用する。
加熱処理部24と排出部26との境界には、下部回転弁モータ56によって駆動される下部回転弁装置37が備えられている。下部回転弁装置37は、連続して回転して加熱処理部24と排出部26との間を間欠的に開閉する。また、下部回転弁装置37を開放または閉止の位置で停止させることにより、加熱処理部24と排出部26との間を開放または閉止した状態に保つこともできる。排出部26の底部中央には溝状の排出ピット35が設けられており、排出ピット35の長手方向に沿って下部スクリュコンベア38が配設されている。排出部26に流入した穀物は、傾斜面48の勾配に従って排出ピット35へと流入する。
排出ピット35に流入した穀物は、下部スクリュコンベア38によってバケットコンベア30に運ばれ、バケットコンベア30によって再度上方に搬送される。バケットコンベア30は、無端のベルトに装着された多数のバケットによって穀物をすくい上げて搬送する構造であり、加熱された穀物の表面に結露を生じたとしても、バケットコンベア30内で固着してしまって移送不能となることなく安定して穀物を搬送可能である。バケットコンベア30の内部は、外板内側に備えられた硬質ウレタンで断熱されている。バケットコンベア30の最上部に到達した穀物は、上部スクリュコンベア31によりケーシング20内に移送され、貯留部21の上部中央に設けられた散布部材36の上に供給される。散布部材36は、鉛直方向の軸を中心として回転して遠心力で穀物を貯留部21の中に散布する。下部スクリュコンベア38、バケットコンベア30、上部スクリュコンベア31、及び散布部材36は、ギア及びプーリ等によって連結されて駆動力が伝達されるようになっており、循環モータ45によって駆動されて連動する。
穀物を張込む際には、投入ホッパ41に穀物が入れられ、バケットコンベア30によって搬送される。また、穀物を排出する際には、操作部170(図3参照)の操作に基き、バケットコンベア30の上部に備えられたスロワー(図示しない)から穀物を機外に排出する。詳しくは後述するが、操作部170には各種スイッチ類が備えられており、穀物の排出以外にも、穀物循環、栄養富化処理、乾燥処理などの操作を操作部170で行うことができる。操作部170は、操作者に対して各種の情報表示を行うための液晶表示装置162、LED163、及びスピーカ164(いずれも図3参照)とともに、バケットコンベア30の下部に近接して設けられた操作ボックス140に配設されている。
以下、図3に基き、栄養富化穀物製造装置10の制御機構について説明する。各部の制御を行う主制御手段150は、CPU155、ROM156、RAM157、タイマ/クロック158、各種の入出力インターフェイス159を備えた一般的な機械組込用の制御手段であり、操作ボックス140内に配設されている。主制御手段150には、入出力インターフェイス159を介してモータ駆動手段180及びバーナ制御手段190が接続されており、各モータ及びバーナ等の機器類を制御する命令が伝達される。
主制御手段150には、さらに、メモリカードリーダである記憶装置161が接続されており、基準含水率に関する情報のデータベース等、栄養富化穀物製造装置10の制御に用いる情報を読み出し及び書き込み可能となっている。基準含水率は、とうもろこしのように一般に含水率が高い穀物は高く、籾のように一般に含水率が低い穀物は低くなるように、品種に対応する情報がデータベースに収められている。該データベースに基き、基準含水率は20〜80重量%の間で適宜決定される。
操作ボックス140には、先述のように操作部170が配設されており、操作部170からの入力は、入出力インターフェイス159を介して主制御手段150に伝達される。操作ボックス140内には表示制御手段160が備えられており、主制御手段150の命令に基いて、表示制御手段160が液晶表示装置162、LED163、スピーカ164等を制御し、各種の表示態様を液晶表示装置162に導出したり、LED163を発光させたり、スピーカ164から警告音等を発したりさせる。ここで、主制御手段150が、本発明の加熱制御手段及び警告制御手段に相当する。また、表示制御手段160、液晶表示装置162、LED163及びスピーカ164を組み合わせたものが、本発明の警告手段に相当する。
栄養富化穀物製造装置10の各部に備えられたセンサ類は、中継端子板171を介して主制御手段150に接続され、制御に必要な各種の情報を伝達する。すなわち、貯留部21内には、張込量センサ172、水分計173、穀温センサ175が配設されており、貯留部21内の穀物の張込量、含水率、穀温を計測する。また、ケーシング20の外面には外気温センサ174が設けられており、ケーシング20の外の気温を計測する。排気ダクトには熱風温度センサ176が配設されており、排気ダクトを経由して通風乾燥部22に供給される熱風の温度を計測する。
モータ駆動手段180は、上部回転弁モータ42、下部回転弁モータ56、循環モータ45、給気ファンモータ55、及び排気ファンモータ46の駆動を制御する。ここで、上部回転弁モータ42及び下部回転弁モータ56はステッピングモータであり、モータ駆動手段180が各回転弁モータの位相を制御することで上部回転弁装置23及び下部回転弁装置37の開閉状態を正確に制御することができる。
バーナ駆動手段190は、バーナ40及びバーナ送風機モータ191の駆動を制御する。バーナ40は燃料ポンプ、燃料噴射装置及び着火プラグを備えており、バーナ駆動手段190がこれらを制御してバーナ40の燃焼状態を調節する。
主制御手段150は、上記の各センサから得た情報に基き、モータ駆動手段180及びバーナ駆動手段190に命令を送り、加熱処理部24に配設された上部回転弁装置23、下部回転弁装置37、上部スクリュコンベア31、下部スクリュコンベア38、バケットコンベア30、及びバーナ40を制御させ、穀温が所定温度になるようにフィードバック制御を行う。
以下、図4及び図5に基き、栄養富化穀物製造装置10を用いて栄養富化穀物を製造する際の流れを説明する。まず、収穫後に未乾燥であって含水率の高い穀物C1を張込ホッパ41に投入し、栄養富化処理を開始する。すなわち、操作部170の操作に基き、栄養富化処理を開始すると、上部回転弁装置23が閉止状態とされ、装置循環モータ45が作動し、バケットコンベア30、上部スクリュコンベア31、散布部材36、下部スクリュコンベア38が作動し、投入された穀物を貯留部21へと搬送し張込みを行う(張込みS1)。
ここで、栄養富化処理に使用する穀物は、高水分状態のものが好適であり、籾または玄米の場合は平均含水率20〜35%程度であることが望ましい。とうもろこし、小麦、大豆等、他の品種の場合は、基準含水率に関連して先述のように、穀物の種類に応じて好適な含水率の水準が異なるので高水分状態にあるものを適宜使用するが、小麦の場合は平均含水率25〜40%、とうもろこしの場合は平均含水率30〜80%、大豆の場合は平均含水率25〜50%であるものがよい。ただし、いずれの穀物に関してもさらに詳細な品種の違いなどによって多少の違いがある。また、この他の穀物については、それぞれ好適な含水率のものを使用する。いずれの穀物に関しても、収穫直後の高水分状態であるものが特に好適である。原料の含水率が低すぎると、栄養富化処理の効果が低下する。加水によって含水率を高めると、浸漬等の加水のための時間が必要となるので生産効率が著しく低下する。従って、穀物の含水率は上記の範囲にあることが望ましい。
貯留部21に穀物が張込まれると、張込量センサ172によって張込量が計測される。また、穀温センサ175及び水分計173によって穀温と含水率とが計測される。さらに、外気温センサ174によって外気温が計測される(張込量・穀温・水分・外気温計測S2)。
ここで、各種センサの計測値に基く情報を液晶表示装置162に表示する。それに対する使用者による操作部170の操作に基き、処理時間、目標穀温等の処理条件を取得する(処理条件取得S3)。ここで、目標穀温及び処理時間は、52〜80℃、3〜720分の範囲で使用者が任意に決定可能である。また、穀物の種類を選択すると、外気温及び穀物の含水率に基き、主制御手段150は、推奨される温度及び処理時間を液晶表示装置162に表示して、好ましい処理条件を示唆する。
さらに、記憶手段161が記憶する基準含水率に関する情報のデータベースを参照し、処理条件に対応する所定の基準含水率を抽出する。主制御手段150は、計測された含水率と基準含水率との比較を行い、穀物の含水率が基準含水率を上回っているか否かを判定する(S4)。例えば、処理条件取得S3において取得した処理条件が、原料は籾、目標穀温60℃、処理時間30分間という場合には、該処理条件に対応する基準含水率を抽出し、計測された含水率と比較を行い、穀物の含水率が基準含水率を上回っているか否かが判定される。
含水率の判定の結果、含水率が基準含水率以上であった場合には、加熱処理工程S101を開始する。
含水率の判定の結果、含水率が基準含水率未満であった場合には、含水率不足警告表示S31を行う。含水率不足警告表示S31では、含水率不足の警告とともに、好適な含水率に対する不足度合いが液晶表示装置162に表示され、含水率を補うために望ましい浸漬条件(水温、浸漬時間)の教示が行われる。使用者による警告解除操作S34において、処理中断操作が行われた場合には、処理中断の判定を行い(S35)、回転弁装置23,37を開放状態として張込まれた穀物を全て機外に排出後、循環モータ45を停止する停止処理S36を行って処理を終了する。このとき、使用者は、先の浸漬条件の教示を参考にして浸漬を行って原料の穀物を栄養富化に適した状態とした後に、栄養富化処理を張込みS1から再開することができる。警告解除操作S34において処理続行操作が行われ処理続行された場合(S35)には、そのまま加熱処理工程S101を開始する。
加熱処理工程S101では、まず、バーナ40及びバーナ送風機モータ191を作動させ(加熱手段作動S5)、上部回転弁装置23及び下部回転弁装置37を作動させ、遠赤外線放射体33の放射する遠赤外線によって、流下路25を流下する穀物を加熱させる(穀物加熱処理S6)。加熱処理工程S101では、送風機44の風量を大幅に低下させ、通風乾燥部22に対する通風を微弱なものとする。バーナ40の排気は、バーナ送風機によって送風され、主に排気ダクトの通風孔を経由して機外に排出される。穀物加熱処理S6が終了し、排出部26に流下した穀物は、下部スクリュコンベア38によってバケットコンベア30へと搬出され、張込みS1と同様に揚穀される(揚穀S7)。揚穀された穀物は貯留部21に投入され、貯留部21にて穀温が計測され(穀温計測S8)、処理条件取得S3にて設定された目標穀温と計測された穀温が比較される(S9)。ここで穀温が目標穀温未満であった場合には、穀物加熱処理S6以下の処理を再度行う。目標穀温以上であった場合には、加熱完了を表示し(S10)、加熱処理工程S101を終了する。
次に、上部回転弁装置23を閉止し(S11)、揚穀を続行する(S12)ことにより、貯留部21に穀物が貯留される。このとき、下部スクリュコンベア38、バケットコンベア30、上部スクリュコンベア、散布部材36等によって搬送される間に穀物は攪拌され、加熱むらや水分むらが解消されて栄養富化処理の進行状態が均一化される。貯留部21に貯留された穀物の量を張込量センサ172で計測し、計測結果に基いて略全量が貯留部21に貯留されたと判定されると、貯留工程S102を開始する。貯留工程S102を開始すると、貯留開始にともないタイマ/クロックカウンタ158により貯留工程S102開始からの時間が計測される(貯留開始S13)。貯留時間が処理条件取得S3において設定された所定時間に達するまで貯留は継続される(S14)。所定時間が経過すると貯留工程S102が終了し、回転弁装置23,37が開放され(S15)、栄養富化処理が終了する。こうして栄養富化処理が終了すると、穀物C1にγ−アミノ酪酸が富化した栄養富化穀物C2ができる。
ここで、栄養富化穀物製造装置10を乾燥処理に切換えて栄養富化穀物C2を循環乾燥させ(乾燥工程S103)、乾燥済み栄養富化穀物C3とする。乾燥工程S103では、熱風温度センサ176によって乾燥運転時の熱風温度が計測され、熱風温度が40℃前後となるように主制御手段150によってバーナ40が制御され送風機44によって通風乾燥部22に通風される。下部スクリュコンベア38、バケットコンベア30、上部スクリュコンベア31、散布部材36、上部回転弁装置23、及び下部回転弁装置37によって穀物が循環させられ、水分計173で計測された穀物の含水率が保存に適した含水率となるまで栄養富化穀物C2は乾燥させられる。
ところで、基準含水率に満たない含水率の穀物を原料とする場合には、加水して含水率を高めてから栄養富化処理を行う。すなわち、図5に示すように、基準含水率に満たない含水率の穀物である乾燥穀物C10を浸漬槽等で吸水させた後に水切りし(加水工程S100)高水分穀物C11とすると、未乾燥の穀物C1と同様に栄養富化処理が可能となる。
このように、栄養富化穀物製造装置10は、給排水設備を有さない簡素な構成となっている。また、加水にともなう発芽作用ではなく加熱によって穀物を栄養富化させるので、栄養富化処理は比較的短時間で完了し、穀物の胚乳部を含む部位においてγ−アミノ酪酸含有量を富化させることができる。栄養富化穀物製造装置10は、主制御装置150によって制御され、穀温が設定された所定温度となるように作動する。作業者が工程中の温度調整を行う必要がないので、省力化を果たすとともに、操作ミス等によって栄養富化処理中の穀温が著しく変動して品質を低下させる虞を防ぐことができる。
また、栄養富化処理する所定量の穀物を、貯留部21及び通風乾燥部22に最初に張込んでおけるので、作業者が逐次穀物を投入する手間を省く。さらに、栄養富化処理に続いて、穀物を穀物乾燥機に移送することなく連続的な工程の中で乾燥させるので、作業者の手間を省き作業時間を一層短縮する。
さらに、栄養富化穀物製造装置10によれば、主制御手段150が栄養富化処理中の穀温を所定温度にて安定させ、製造される穀物のγ−アミノ酪酸含有量が安定する。また、含水率をチェックして、含水率が低い場合には栄養富化処理の可否に関する警告を発するので、穀物の含水率不足のためにγ−アミノ酪酸含有量が低い製品を製造してしまうことを防止する。
また、栄養富化穀物製造装置10によれば、遠赤外線で穀物を加熱するため、マイクロ波照射や伝導による加熱と比べて加熱むらが少なく、品質を安定させることができる。また、機体内部で穀物に対する加水を行わないので、湿った穀物が余剰水分のために凝固して内部で詰まる虞を防ぐことができ、メンテナンスの負担を軽減する。
また、遠赤外線放射体33の周囲を囲むようにV字状に穀物の流下路25が設けられており、放射された遠赤外線の大半が至近距離で穀物に照射されるので、加熱処理におけるエネルギー効率がよい。
さらに、必要に応じて適宜穀物を循環させて加熱処理を行うので、1基の遠赤外線放射体33を繰返し使用して穀温を高めることができる。また、循環にともなって穀物が攪拌されて加熱むらや遠赤外線の照射度合いのむらが解消されるので、品質が均一化される。
なお、流下路25の幅は、処理対象の穀物の品種、処理容量、遠赤外線放射体33の能力等に応じて決定されるものであり、本例に示した寸法に限らず、50〜130mm程度の範囲で適宜設定してもよい。
次に、本発明の第二の実施形態である栄養富化穀物製造装置210について、図6に基き説明する。栄養富化穀物製造装置210は、加熱処理ユニット211、貯留乾燥ユニット212、及び主乾燥ユニット213の3ユニットの組合せからなる。加熱処理ユニット211は、穀物を加熱処理する部分であり、貯留乾燥ユニット212は、15〜30℃程度の常温の風で穀物を冷却及び乾燥させる部分であり、主乾燥ユニット213は、遠赤外線及び熱風によって穀物をさらに乾燥させる部分である。貯留乾燥ユニット212及び主乾燥ユニット213は、それぞれ一般的な穀物乾燥機に相当する構造を有する。なお、図示は省略するが、栄養富化穀物製造装置210は、栄養富化穀物製造装置10と同様に、穀温センサ、水分計等の各種センサ、液晶表示装置及びLED等の表示手段、操作部及び主制御手段を備える。ここで、加熱処理ユニット211が、本発明の加熱手段に相当し、主乾燥ユニット213が、本発明の乾燥手段に相当する。
加熱処理ユニット211は、第一バケットコンベア222を備え、貯留乾燥ユニット212は、第二バケットコンベア223を備え、主乾燥ユニット213は、第三バケットコンベア224を備える(第一バケットコンベア222及び第二バケットコンベア223の下部の図示は省略する)。第一バケットコンベア222及び第二バケットコンベア223は、高水分状態の穀物を揚穀するので、いずれも送風機(図示しない)によって内部に通風可能となっている。加熱処理ユニット211の上部と貯留乾燥ユニット212の上部との間には、各バケットコンベアとは独立して作動するモータ(図示しない)で駆動されるスクリュコンベアである第一移送装置227が配設されており、加熱処理ユニット211から貯留乾燥ユニット212へと穀物を移送可能となっている。同様に貯留乾燥ユニット212の上部と主乾燥ユニット213の上部との間には各バケットコンベアとは独立して作動するモータ(図示しない)で駆動されるスクリュコンベアである第二移送装置228が配設されており、貯留乾燥ユニット212から主乾燥ユニット213へと穀物を移送可能となっている。また、図示は省略するが、操作部、燃料供給系統、電源系統等は栄養富化米製造装置210の全体で共用している。
加熱処理ユニット211は、ケーシング220の中に加熱処理室226を有しており、加熱処理室226の中には縦長で上部が尖った箱状を呈する放射体カバー231が複数配設されている。放射体カバー231の中には電気式の遠赤外線放射体232が配設されており、内壁225の裏側にも同様に遠赤外線放射体232が配設されている。詳細な図示は省略するが、放射体カバー231及び内壁225には多数の穀粒よりも小さな孔が設けられており、遠赤外線を透過させる。内壁225の裏側の遠赤外線放射体232の外側には、反射部材221が設けられており、ケーシング220の側に放射された遠赤外線を内側に向けて反射させる。加熱処理室226に投入された穀物は、放射体カバー231及び内壁225の間の流下路237を略鉛直方向に流下する。流下路237の中間部には、攪拌用の回転弁装置238が設けられており、流下途中の穀物を攪拌する。流下路237の下端には回転弁装置233が設けられており、流下路237の下端を開閉して穀物の流下状態を変化させる。これにより、加熱処理ユニット211は、穀物を52〜80℃の所定温度に加熱可能である。
加熱処理室226は、流下路237よりも下方で下向きに窄まる形状となっている。また、下部中央には断面略菱形の放射体カバー239が設けられており、中に赤外線放射体232が配設されている。内壁225の傾斜面235の外側にも、赤外線放射体232が配設されている。放射体カバー239及び傾斜面235も、穀粒よりも小さな孔が多数設けられており、遠赤外線を透過させる。加熱処理室226の最下部には、下部スクリュコンベア234が配設されており、穀物を第一バケットコンベア222へと搬送する。第一バケットコンベア222は、調節弁(図示しない)により、穀物の送出先を第一移送装置227に切り替え可能である。
貯留乾燥ユニット212は、先述のように一般的な穀物乾燥機と共通した構成であり、内部には、貯留部241の下に通風乾燥部242及び熱風乾燥部243が設けられており、第一移送装置227から送り込まれた穀物を通風して乾燥させる。また、穀物を貯留部241内に一旦貯留し、余熱で栄養富化を進行させることもできる。なお、熱風乾燥部243は、常温の風と熱風とを選択して乾燥させることができる。貯留乾燥ユニット212の最下部には、下部スクリュコンベア244が配設されており、穀物を第二バケットコンベア223へと搬送する。第二バケットコンベア223は、調節弁(図示しない)により、穀物の送出先を第二移送装置228に切り替え可能である。
主乾燥ユニット213も、先述のように一般的な穀物乾燥機と共通した構成であり、内部には、貯留部251の下に通風乾燥部252及び加熱乾燥部253が設けられており、貯留乾燥ユニット212によって表面の水分が除去され冷却された栄養富化穀物を第二移送装置228から受け入れ、仕上げ乾燥させる。穀物の乾燥時には、第三バケットコンベア224によって穀物を循環させ、一般的な穀物乾燥機と同様の運転を行う。
栄養富化穀物製造装置210を使用して栄養富化処理を行うときには、まず、原料の穀物を張込ホッパ(図示しない)から投入して第一バケットコンベア222によって加熱処理ユニット211に送る。加熱処理ユニット211の加熱処理室226の最上部に送り出された穀物は、流下路237を流下する間に遠赤外線放射体232によって遠赤外線を照射されて加熱される。流下する穀物は、回転弁装置238によって攪拌され、加熱むらや穀粒の固着が解消される。穀物が流下路237を流下する速度は、回転弁装置238及び回転弁装置233によって調整され、流下する速度に応じて穀物に対する加熱時間が変化する。
回転弁装置233を通過して下方へと流下した穀物は、さらに遠赤外線で加熱されながら、最下部の下部スクリュコンベア234によって加熱処理室226から順番に送り出されてゆく。下部スクリュコンベア234の穀物を送出する速度の調整によっても加熱時間の調節が行われる。
加熱処理ユニット211にて加熱され栄養富化した穀物は、第一バケットコンベア222によって揚穀され、第一移送装置227で貯留乾燥ユニット212へと送出される。第一バケットコンベア222の穀物送出先を決定する調節弁及び第一移送装置227の運転切換えは、操作者が穀温を確認して操作部で操作して切換えることで行われる。言うまでもなく、穀温に基いて自動的に送出先が切換わるように制御手段が第一バケットコンベア222及び第一移送装置227を制御するようにしてもよい。
目標の穀温に達して栄養富化処理が終わった穀物は、貯留乾燥ユニット212に送られ、一旦貯留される。つまり、貯留乾燥ユニット212は停止した状態で貯留部241に栄養富化穀物が貯留され、余熱でさらに栄養富化が行われる。貯留乾燥ユニット212は、所定時間の経過後に乾燥運転を開始し、穀粒を冷却しながら穀粒表面の水分を蒸発させる。特に、高水分状態で熱せられた穀物は冷却過程で結露を生じさせ得るが、貯留乾燥ユニット212は、結露による穀粒表面の微細な水滴を除去しながら冷却する。その後、栄養富化穀物は、第二バケットコンベア223及び第二移送装置228で主乾燥ユニット213に送出され、主乾燥ユニット213によって長期保存可能な含水率に乾燥させされる。
栄養富化穀物製造装置210によれば、穀物を攪拌しながら遠赤外線放射体232によって多方向から遠赤外線を照射し、効率的かつむらなく栄養富化処理することができる。また、流下路237の中を上部から下部へと次第に昇温させながら直下方向に流下させるので穀物の固着が生じにくい。流下中に回転弁装置238で攪拌することでさらに固着が防がれる。栄養富化処理の済んだ穀物は、貯留された後、貯留乾燥ユニット212で通風によって冷却され、品質低下が防止される。
また、栄養富化穀物製造装置210によれば、多数の遠赤外線放射体232によって穀物を加熱するため、短時間のうちに所定温度まで加熱することができ、高水分状態の穀物を循環させる回数を減少させて各種コンベアへの負担を軽減させることができる。
また、栄養富化穀物製造装置210によれば、貯留部241で余熱によって栄養富化処理を進行させることで、加熱手段で加熱し続ける場合よりもエネルギー効率を向上させることができる。また、加熱処理が済んだ穀物を貯留部241に搬送し、先に加熱処理した穀物を貯留する間にも加熱処理ユニット211を続けて使用可能とすることで、単位時間あたりに加熱処理される穀物量を増加させる。
次に、図7及び図8に基き、本発明の第三の実施形態である栄養富化穀物製造装置532について説明する。図8に示すように、栄養富化穀物製造装置532は、穀物加熱処理装置410、保温槽534、予備乾燥装置535を備えて構成されており、詳しくは後述するが、穀物乾燥施設500の栄養富化処理場503に設置される。なお、図示は省略するが、栄養富化穀物製造装置532は、栄養富化穀物製造装置10と同様に、穀温センサ、水分計等の各種センサ、液晶表示装置及びLED等の表示手段、操作部及び主制御手段を備える。
図7に示すように、穀物加熱処理装置410は、本体ケーシング411の内部にベルトコンベア414が配設されており、ベルトコンベア414で搬送される穀物を、遠赤外線放射器415の遠赤外線、及び湿熱空気供給口434から送出される湿熱空気によって加熱処理して栄養富化させるものである。4基のベルトコンベア414は、幅方向には相互に整列しており、長手方向には部分的にずれた位置関係であって、上下方向に略等間隔で横設されており、最上部のベルトコンベア426上に供給された穀物を上から下へと九十九折状に搬送する。各ベルトコンベア414の上方には、遠赤外線放射器415、反射傘部材416、及び湿熱空気供給口434を備える加熱処理ユニット420がそれぞれ配設されている。また、本体ケーシング411には、投入ホッパ413から投入された原料の穀物を最上段のベルトコンベア426の上方へと搬送するバケットコンベア417が付設されている。最下段のベルトコンベア429の下方には、本体ケーシング411の外に穀物を運び出し、保温槽534へと搬送する搬送コンベア436が設置されている。さらに、本体ケーシング411外面には、主制御手段等の各種基板を内蔵し操作スイッチやLED等を備える操作ボックス443が、バケットコンベア417に隣接して付設されている。ここで、穀物加熱処理装置410が、本発明の加熱手段に相当する。
また、本体ケーシング411に対して主給気ダクト432及び信号線(図示しない)で接続された空調機430が、本体ケーシング411から若干離して設置されている。空調機430は、送風機、加湿機、及びヒーターを内蔵しており、湿熱空気供給口434に55〜65℃、相対湿度90%以上の湿熱空気を供給する。空調機430が供給する湿熱空気は、主給気ダクト432によって本体ケーシング411の中に導入される。図示は省略するが、主給気ダクト432は、複数の湿熱空気供給口434に夫々接続する給気ダクト435に分岐している。空調機430には給水管431が接続されており、加湿機が使用する水を供給する。
図示は省略するが、穀物加熱処理装置410は、本体ケーシング411の中の空気を排気するための排気ファンを備え、供給される湿熱空気と略同量の空気を装置内部から排出し、内部の圧力を保持する。
ベルトコンベア414は、金属製のベルトを備えた耐熱形ベルトコンベアであり、モータ(図示しない)によって全てのベルトコンベア414(426〜429)が連動して駆動される。ベルトコンベア414の下流側端部には、底部側が窄まった筒状を呈し、穀物を次のベルトコンベア414に誘導する整流ホッパ437が配設されている。整流ホッパ437の整流板438の下縁部438aは、ベルトコンベア414の下流側端部414aの下側に廻り込んでおり、下流側端部414aから落下する穀物は整流板438に当接し向きを変えて下方のベルトコンベア414上に落下する。
ベルトコンベア414の上方には、2基の筒状の遠赤外線放射器415が、互いに間隔をおいてベルトコンベア414の長手方向に直交する向きで配設されている。遠赤外線放射器415の上方には、底面が凹面状に形成された反射傘部材416が、ベルトコンベア414の長手方向に沿って配設されている。
投入ホッパ413に投入された穀物は、バケットコンベア417によってケーシング411の最上部まで搬送され、最上段のベルトコンベア426(414)の上方の供給ホッパ418に送り込まれる。供給ホッパ418は、バケットコンベア417が供給する穀物を受け入れ、回転弁装置441によって穀物の流量を調節して整流しながら流下させる。供給ホッパ418の底部からベルトコンベア426上に流下した穀物は、ベルトコンベア426〜429の順に九十九折状に搬送されてゆく。
最下段のベルトコンベア429の下流側から送出された穀物は、さらに下方に配設された搬送コンベア436によって保温槽534(図8参照)に搬送される。保温槽534では穀物は1時間前後にわたって保温された状態で貯留され、γ−アミノ酪酸含有量はさらに富化する。貯留が済んで栄養富化が完了した穀物は、予備乾燥装置535によって予備乾燥され、穀粒が湿気で固着しない程度まで水分が除去される。ここで、保温槽534が、本発明の貯留部に相当し、予備乾燥装置535が、本発明の乾燥部に相当する。
栄養富化穀物製造装置532によれば、ベルトコンベア414の速度調整によって加熱時間を及び穀温を調整することができ、栄養富化処理の状態を調節することができる。また、穀粒が固着したり詰まったりする虞が低く、穀物が塊となって加熱状態にむらが生じたり、装置内部で穀物が詰まったりする虞を防ぎ、安定して栄養富化穀物を製造可能である。
また、栄養富化穀物製造装置532によれば、遠赤外線に加えて湿熱空気によっても穀物を加熱するため、穀物の含水率低下による栄養富化効果の低下を防ぐことができる。
なお、ベルトコンベア414として、金属製のベルトを備えるものを示したが、フッ素樹脂等の樹脂製やゴム製であって耐熱性能を有するものであってもよい。
次に、図8に基き、栄養富化米製造装置410を備える穀物乾燥施設500について説明する。穀物乾燥施設500は、一般にカントリーエレベータと呼ばれるタイプの施設であり、荷受場501と、栄養富化処理場503と、乾燥・貯蔵場504と、籾摺場505と、出荷場506と、一時貯蔵場502とを有し、籾米、小麦、大豆等の穀物の乾燥調製及び栄養富化処理を行う。
荷受場501には荷受装置511、粗選機512、計量機513、サンプル採取装置514が備えられている。荷受装置511は、農業者が入荷した穀物が投入される装置であり、投入された穀物は粗選機512、計量機513へと順に送られる。
一時貯蔵場502には、貯蔵タンク521、コンテナ522、フレコン置場523が備えられている。貯蔵タンク521は、穀物を一時貯留させるタンクであり、未乾燥の穀物を通気状態で一時的に貯蔵する。コンテナ522は、穀物を収容する専用のコンテナであって、通気性を有している。フレコン置場523は、未乾燥の穀物をフレキシブル・コンテナに入れた状態で一時貯蔵する場所である。一時貯蔵の方法は入荷状況等に応じて適宜選択される。
栄養富化処理場503には、先述の栄養富化穀物製造装置532、及び加水装置531が備えられている。加水装置531は、穀物を浸漬可能な浸漬槽であり、0〜60℃の温水及び冷水を供給可能な給水設備を備えている。栄養富化処理を希望する穀物の含水率が基準含水率に満たない場合には、加水装置531によって穀物に加水して含水率を高めてから栄養富化処理を行う。加水装置の水温は、栄養富化処理の効果を高めるために、穀物が発芽しない温度域が好適であり、穀物の品種に応じて設定される。籾の場合には、浸漬に適した温度域は低温は0〜10℃、高温は45〜52℃である。
乾燥・貯蔵場504には、乾燥機542及び多数のサイロ541が備えられており、穀物の乾燥調製を行う。籾摺場505には、籾摺機551が備えられており、籾など、外皮を除去して出荷される穀物に対して外皮を除去する処理を行う。出荷場506には、出荷装置561が備えられており、製品の出荷を行う。サイロ541、乾燥機542、籾摺機551、及び出荷装置561は、いずれも一般の穀物乾燥施設において利用されている設備機器と同等であり、個々の構成についての詳細な説明は省略する。ここで、乾燥機542が、本発明の穀物乾燥装置に相当する。
穀物乾燥施設500に入荷した穀物は、まず、荷受場501に搬入され、荷受装置511に入れられる。穀物は荷受装置511から粗選機512に送られて異物やごみが除去された後、計量機513に送られて計量される。また、サンプル取出装置514にて少量の穀物がサンプルとして採取され、品質チェックにまわされる。
計量が済んで荷受処理が完了した穀物は長期貯蔵のために乾燥調製されるが、入荷が集中して栄養富化穀物製造装置532や乾燥・貯蔵場504の処理能力を超える分は、一時貯蔵場502にて、貯蔵タンク521またはコンテナ522に入れられたり、フレキシブル・コンテナに入れられた状態でフレコン置場523に置かれたりして一時貯蔵される。
栄養富化処理する穀物については、乾燥調製の前に栄養富化処理場503に移送して栄養富化穀物製造装置532にて栄養富化処理を行う。すなわち、穀物の平均含水率が基準含水率以上であった場合には、穀物加熱処理装置410にて加熱処理し、保温槽534で約30分間〜3時間の所定時間にわたって保温してγ−アミノ酪酸含有量を富化させる。穀物の平均含水率が不十分であった場合には、加水装置531で加水を行った後に栄養富化処理を行う。栄養富化処理が済んだ穀物は、予備乾燥装置535で予備乾燥され、穀粒の表面に付着した水が除去された後、乾燥・貯蔵場504に移送される。
乾燥・貯蔵場504に搬入された栄養富化穀物は、乾燥機542で乾燥調整され、乾燥調製の済んだ穀物は、サイロ541で出荷まで貯蔵される。また、栄養富化処理を行わない穀物については、一時貯蔵場502からそのまま搬入され、同様に乾燥調製される。
乾燥・貯蔵場504に搬入された穀物は、栄養富化処理を行ったものであるか否かというだけでなく、原料穀物の品種、収穫日時、栄養富化処理の方法及び処理時間、処理温度、貯留時間等の条件があわせて記録され、後に参照可能なように電子化されてコンピュータ管理される。これにより、γ−アミノ酪酸含有量や穀粒中のデンプンのアルファ化の度合い等を推計し、栄養富化穀物の品質が精密に管理される。
栄養富化穀物は、出荷されるときにはサイロ541から取り出され、出荷場506から出荷される。このとき、外皮を除去すべき品種の穀物である場合は、出荷に先立って籾摺場505において外皮が除去される。すなわち、栄養富化穀物が籾であるならば、籾摺りによって籾殻が除去され、玄米とされる。
このように、穀物乾燥施設500によれば、荷受場501及び乾燥・貯蔵場504を備えており、栄養富化穀物の原料に適した収穫後まもなくの未乾燥の穀物を大量に受け入れ、栄養富化処理後は速やかに乾燥調製を行うことができるため、栄養富化穀物の大量生産に好適である。
ところで、通常は穀物の成熟から数日後に多少乾燥した状態で収穫されるのに対し、栄養富化処理のためには穀物の含水率が高い方が好適である。このため、栄養富化処理用の穀物が早期に収穫されることによって通常の穀物の収穫とは入荷時期がずれ、入荷の集中を緩和することができる。これにより、穀物乾燥施設500の処理能力に余裕をもたらし、より多くの穀物を受け入れ可能とし、ひいては稼動効率を高めることができる。
栄養富化穀物は、処理が済み次第、乾燥・貯蔵場504に移送して乾燥調製される。このとき、複数の施設間を移送したりして受け渡しが生じると、途上で栄養富化穀物とその他の穀物との混同が生じる虞があるが、穀物乾燥施設500によれば、入荷から出荷まで同一施設内で一貫して管理されるために混同が生じにくい。これにより、管理コストを大幅に低減するとともに、製品の取り違えや栄養富化穀物への通常の穀物の混入など、製品管理上の問題の発生を防ぐ。
さらに、上記実施形態の穀物乾燥施設500によれば、加水装置531によって原料の穀物の含水率を高めて栄養富化処理を行うことができるので、乾燥穀物も栄養富化させることができる。従って、収穫期に限らず、年間を通じて栄養富化穀物を製造可能である。加水装置531では、低温による浸漬では、穀物の変性を抑制しながらゆっくりと含水率を高めることができる。高温による浸漬では、穀物の吸水性が低い場合にも比較的短時間で含水率を高めることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および変更が可能である。
すなわち、加熱手段においては、遠赤外線放射装置以外にも種々の熱源を用いることが出来る。例えば、遠赤外線ではなく波長の短い赤外線を照射するものでもよいし、原料の穀物にマイクロ波を照射するものであってもよく、特に方式が限定されるものではない。
また、加熱手段による穀物の加熱状態の調整方法として、上記の実施形態においては、遠赤外線放射装置の出力を調整するものと、ベルトコンベアの搬送速度や回転弁装置の回転速度の調整によって穀物の加熱時間を調整するものとを示したが、この他の構成にすることも可能である。例えば、遠赤外線放射体と、穀物との間に可動式の遮蔽部材を配設し、遮蔽部材を動かして穀物に対する遠赤外線の照射状態を調整するようにしてもよく、特に構成が限定されるものではない。
また、上記の実施形態では、穀物乾燥施設の例としてカントリーエレベータである穀物乾燥施設500を示したが、他の種類の穀物乾燥施設であってもよく、例えばライスセンターと呼ばれる小型ビンを備えた穀物乾燥施設や、ラック式穀物乾燥施設であってもよい。必ずしもサイロを備える必要はなく、より小規模な穀物乾燥施設であってもよく、未乾燥の穀物を受け入れて乾燥させる種々の施設に適用することができる。
上記の実施形態では、栄養富化穀物製造装置532を備えた穀物乾燥施設500を示したが、穀物乾燥施設に備えられる栄養富化穀物製造装置は他の形式であってもよく、栄養富化穀物製造装置10,210でもよいし、さらに異なる形式の栄養富化穀物製造装置であってもよい。
また、加水装置531が複数の浸漬槽を備えている場合には、低温の浸漬槽及び高温の浸漬槽を用意し、あわせて利用可能としてもよい。これによれば、低温による浸漬と高温による浸漬を組み合わせて行うことができ、品質の低下を防ぎながら浸漬時間の短縮を図ることができる。
10 栄養富化穀物製造装置
21 貯留部
22 通風乾燥部(貯留部、乾燥手段)
24 加熱処理部(加熱手段)
30 バケットコンベア(移送手段)
31 上部スクリュコンベア(移送手段)
38 下部スクリュコンベア(移送手段)
150 主制御手段(加熱制御手段、警告制御手段)
160 表示制御手段(警告手段)
161 記憶手段
162 液晶表示装置(警告手段)
163 LED(警告手段)
164 スピーカ(警告手段)
173 水分計
175 穀温センサ
210 栄養富化穀物製造装置
211 加熱処理ユニット(加熱手段)
213 主乾燥ユニット(乾燥手段)
241 貯留部
410 穀物加熱処理装置(加熱手段)
500 穀物乾燥施設
532 栄養富化穀物製造装置
534 保温槽(貯留部)
535 予備乾燥装置(乾燥部)
542 乾燥機(穀物乾燥装置)

Claims (5)

  1. 穀物を加熱する加熱手段と、
    該加熱手段により加熱された前記穀物を、保温された状態で貯留する保温機能を有する貯留部と、
    該貯留部における貯留の済んだ前記穀物を乾燥させる乾燥手段と、
    前記穀物の穀温を計測する穀温センサの計測に基き、前記穀温が52℃以上80℃以下に設定された所定温度となるように前記加熱手段を制御し、前記穀物のγ−アミノ酪酸含有量を富化させる栄養富化処理を行わせると共に、時間を計測する手段の計測に基き、加熱された前記穀物を前記貯留部に貯留させる時間を制御することにより、予熱下で前記穀物のγ−アミノ酪酸含有量を富化させる栄養富化処理を所定時間行わせる制御を行い、前記乾燥手段の制御により、栄養富化処理された前記穀物を乾燥させる主制御手段とを具備し、
    前記貯留部は前記加熱手段に対して前記穀物の移送方向の下流側に設けられ、前記乾燥手段は前記貯留部に対して前記移送方向の下流側に設けられていると共に、前記乾燥手段から前記加熱手段へは前記穀物が移送されない非循環型であり、
    前記加熱手段は、送風装置及び排気装置を備えない空間内で前記穀物を加熱する手段、または、湿熱空気供給口から湿熱空気が供給される空間内で前記穀物を加熱する手段である
    ことを特徴とする栄養富化穀物製造装置。
  2. 前記貯留部の空間内に設けられた、通風により前記穀物を乾燥させる通風乾燥部をさらに具備し、
    前記主制御手段は、前記通風乾燥部の制御により、前記穀物を前記貯留部において前記所定時間貯留することにより予熱下で栄養富化処理を行わせる間は前記通風乾燥部を動作させず、前記所定時間の経過後に前記通風乾燥部の動作を開始させ前記穀物を前記貯留部の空間内で乾燥させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の栄養富化穀物製造装置。
  3. 前記加熱手段は、前記穀物を加熱する空間内に、前記穀物を搬送する複数のコンベアを具備し、
    複数の前記コンベアは、長手方向の端部の位置をずらして上下に配されており、上側の前記コンベアの端部から下側の前記コンベア上に前記穀物を落下させて前記穀物を搬送する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の栄養富化穀物製造装置。
  4. 所定の基準含水率を記憶する記憶手段と、
    栄養富化処理前の前記穀物の含水率を計測する水分計と、
    前記穀物の含水率が低いことを示す警告を行う警告手段とをさらに具備し、
    前記主制御手段は、
    計測された前記含水率と前記基準含水率とを比較し、前記含水率が前記基準含水率未満の場合には前記警告手段に前記警告を行わせる含水率チェック処理の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の栄養富化穀物製造装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の栄養富化穀物製造装置と、
    未乾燥の穀物を貯蔵する一時貯蔵場と、
    未乾燥の前記穀物または前記栄養富化穀物製造装置により栄養富化処理された前記穀物を乾燥させ、乾燥された前記穀物を貯蔵する乾燥・貯蔵場と
    を具備することを特徴とする穀物乾燥施設。
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