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JP4786733B2 - ガイドリング及びガラスびん - Google Patents
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Description

本発明は、ガラスびんの成形設備の一部であって、パリソン及びガラスびんの口部を成形する口型に装着され、パリソン及びガラスびんの口部天面付近を成形するガイドリング、及びこのガイドリングを用いて成形したガラスびんに関する。
図15、16を参照して従来のブローアンドブロー方式によりガラスびんを成形する工程の概略を説明する。図15(a)〜(c)では、粗型20を用いてゴブG(溶融ガラスの塊)から半製品としてのパリソンPを製造する。図15(a)では、粗型20内にゴブGが投入され、図15(b)ではバッフル22を通じて上から圧搾空気で加圧され(セッツルブロー)、粗型20の下にある口型10にガラスが入って口部が作られる。このときプランジャー21は所定の位置にセットされている。図15(c)では、プランジャー21が下降し、空洞部に空気を吹き込み(カウンタブロー)、粗型20と上部のバッフル22でパリソンPが成形される。図16は、図15(b)と(c)の中間の状態の装置をやや詳細に示したものである。同図において、プランジャー21は所定の位置にセットされ、バッフル22は粗型20の上部にセットされている。この後プランジャー21が下降し、カウンタブローが行われる。図15(d)では、パリソンPをメカニズム25(反転装置)を用いて仕上型23に移す。この場合、粗型20を2つ割りの状態に開いてパリソンPを仕上型23の上に反転させ、メカニズム25の先端に設けられた口型10を2つ割りの状態に開いて、口型10とガイドリング1とに保持されたパリソンPを仕上型23内に解放する。図15(e)〜(f)ではこの仕上型23内で最終製品としてのガラスびんBを成形し(最終吹き込み)、図15(g)ではこの仕上型23からガラスびんBを取り出す。この場合仕上型23を底型24の上で2つ割りの状態に開き、この底型24上のガラスびんBを取り出す。
ガイドリングは、例えば下記特許文献1,2などに示されている。
図7はこれら従来のガイドリングの概略縦断面図、図8は図7の要部拡大図である。
ガイドリング1は概略ドーナツ板状をなし、その下部面の内周側にガラスびんの口部天面ないし側面上端を成形する成形面2が形成されており、全体が鋳物で一体に形成されている。
成形面2は、ガラスびん口部天面の外縁から側面上端にかけてのR面を成形する曲線部3を有する。曲線部3は成形面の縦断面において円弧状をなす。曲線部3の最下端である曲線部下端4が成形面2の下端となっている。
ガイドリング1は、図9に示すように、口型10に装着される。
口型10は、概略ドーナツ状をなし、2つ割りの割型となっている。符号13は割型の合目である。
ガイドリング1が装着された部分の下側内周に、びん口部の外周面を成形する成形面11が形成されている。成形面11の縦断面において、その最上部は、びん口部上端のR面の直下にある直面8(縦断面が直線状である面)を形成する直線部12となっている。
図10は、図7〜9の従来のガイドリングを用いて成形したガラスびんBの口部側面図、図11は図10のE部拡大図である。
びんBの口部側面の最上部は、ガイドリングの成形面2の曲線部3で成形されたR面6(縦断面が円弧状の面)で、その下側が口型10の直線部12で成形された直面8(縦断面が直線の面)となっている。ガイドリング1と口型10の境目であるパーティングライン9は、R面下端7に表れる。
特開2005−324977号公報 特開2001−328824号公報
従来から、ガラスびん口部のガイドリングと口型のパーティングライン9付近、特に口型縦方向パーティングライン13と9との交差部に段差、欠け(いわゆる「口欠け」)、クラック(いわゆる「ビリ」)などの欠陥が発生しやすいという問題があった。
段差は、図13に示すように、R面と直面の間のパーティングラインで生じる。段差が生じる原因は、口型が開くとき(図15の(d)の過程)に、びん口部がそのどちらかの割型に引っ張られ、ガラスがガイドリング下端部Qに当たりやすく、ガイドリングが摩耗するためである。ガイドリング下端部Q付近は曲線で構成されているため、ガラスと点的に当たり、摩耗しやすくなっている。
この段差が原因で、口型が開くとき(図15の(d)の過程)やその他の衝撃が加わったときにR面が欠ける口欠けが発生する。口欠けが起こらなくとも、消費者がびんを使用中に段差部が欠けやすくて危険であり、飲料を直接びん口部から飲む場合に段差が口に当たって不快を感じるという問題もある。
ビリは、ガイドリング成形面の温度差や口型が開くときの衝撃などにより発生するといわれており、これにより口部の強度が著しく減少する。
また、ガラスびん口部天面が平面ではなく波打った状態となるいわゆる「天波」という欠点も生じやすい。
これは、ガイドリング成形面の温度差が原因であるといわれている。天波により、炭酸飲料びんなどの密封性に支障を来す。
本発明は、ガラスびん口部のガイドリングと口型のパーティングライン付近に生じる段差、口欠け、ビリの欠点、及び天波の欠点を生じにくくして、ガラスびんを効率よく生産できるようにすることを課題とするものである。
本発明は、成形面の縦断面において、ガラスびん口部天面の外縁から側面上端にかけてのR面を成形する曲線部の下端に続いて縦方向の直線部を設けたことを特徴とするガイドリングである。(請求項1)
これにより、ガイドリングと口型のパーティングラインが、びん口部のR面6の下方の直面8に形成される(図5,6)。パ−ティングライン9の縦断面は直線で構成されているため、口型が開くときにびん口部がどちらかの割型に引っ張られても、ガラスとガイドリングは直線的に当たりやすいため、摩耗が少なく段差を生じにくい。また、段差が生じたとしてもきわめて小さなものとなり、当該部分で欠けが生じることはない。したがって、口欠けの欠点も生じにくくなる。パ−ティングライン9が直面8の下方ほど、ガイドリングとガラスとの接触面積が大きくなり、口型が開くときにびん口部がどちらかの割型に引っ張られる抵抗が大きくなって、摩耗が一層生じにくくなる。
ガイドリング成形面2の成形時の温度は、内側ほど高く、外側ほど低い。コンピュータによるシミュレーションを行った結果、本発明のガイドリングは、この温度差が従来と比較してきわめて小さくなることが分かった。
ガイドリング成形面の温度差が小さくなることで、ビリや天波の欠点が減少する。
ガイドリング成形面2の直線部5の長さは、0.3〜1.5mmが適当である。(請求項2)
ガイドリングとガラスとの接触面積は、パーティングラインが直面8の下方になるほど大きくなるので、直線部5の長さが0.3mmに満たないと段差が生じにくくなる作用効果が少なくなる。
直線部の長さが1.5mmを超えると、口型10を2つ割りの状態に開いて、口型10とガイドリング1とに保持されたパリソンPを仕上型23内に解放するとき(図15の(d)の過程)、パリソンの開放(ガイドリングからの脱型)がスムースでなくなり、仕上型23がパリソンを咬み込むなど、成形トラブルが生じる可能性が出てくる。
ガイドリング成形面2の直線部5を、垂直線に対して、成形面の径が下方ほど大きくなるように傾斜させることができる。(請求項3)
直線部5を傾斜させると、これが抜け勾配となり、口型10を2つ割りの状態に開いたときにパリソンがガイドリングからスムースに脱型され、口部に無理な力が作用せずにビリなどの欠点が生じるおそれがなくなる。
直面8がもともと円筒状(垂直面)のガラスびんの成形に本発明を適用して改善を行う場合、ガイドリング成形面2の直線部5の傾斜角度は、0.5°〜5°が適当である。(請求項4)
直線部5の傾斜角度は、0.5°以上であれば抜け勾配の作用効果が良好に発揮されるが、1.0°程度が最も望ましい。5°以上にすると口部天面付近の径が小さくなり、キャップ性能に問題を生じる可能性が出てくる。1.0°程度であれば、角度が付いていることを目視で認識することがほとんど不可能になる。
直面8がもともと円錐形状(傾斜面)のガラスびんの成形に本発明を適用して改善を行う場合、ガイドリングの直線部5の傾斜角度は同一のままで良い。
また本発明は、前記請求項1〜4のいずれかのガイドリングで成形され、ガイドリングと口型のパーティングラインが前記R面の下方の直面に表れていることを特徴とするガラスびんである。(請求項5)
このガラスびんは、ガイドリングと口型のパーティングラインが前記R面の下方の直面に表れていることが特徴となる。
前記のように、パーティングラインに段差がない、又は非常に小さいので、消費者がびんを使用中にR部が欠ける危険がなく、飲料を直接びん口部から飲む場合に段差が口に当たって不快を感じることもない。
また、天波がほとんど無いので、炭酸飲料びんとしての密封性に優れている。
本発明のガイドリングを含む金型でガラスびんを製造すると、ガラスびん口部のガイドリングと口型のパーティング付近に生じる段差、口欠け、ビリの欠点、及び天波の欠点がきわめて少なくなり、ガラスびんを効率よく生産できる。
また、ガラスびん口部天面が平面ではなく波打った状態となるいわゆる「天波」という欠点もほとんど無くなる。
本発明のガラスびんは、R面下端に段差がなくなるので、消費者がびんを使用中にR部が欠ける危険がなく、飲料を直接びん口部から飲む場合に段差が口に当たって不快を感じることもない。
また、天波がほとんど無いので、炭酸飲料びんとしての密封性に優れている。
実施例のガイドリング1の概略中央縦断面図である。 図1のA部拡大図である。 直線部の傾斜角度θの説明図である。 実施例のガイドリングを装着した口型の概略中央縦断面図である。 実施例のガイドリングを用いて成形したびん口部の側面図である。 図5のC部拡大図である。 従来のガイドリングの概略中央縦断面図である。 図7のD部拡大図である。 従来のガイドリングを装着した口型の概略中央縦断面図である。 従来のガイドリングを用いて成形したびん口部の側面図である。 図10のE部拡大図である。 実施例のガラスびんの拡大トレース結果の模式図である。 比較例のガラスびんの拡大トレース結果の模式図である。 シックネスゲージ試験の説明図である。 ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形の説明図である。 パリソン成形の説明図である。
図1〜3は、実施例のガイドリング1に関するものである。
このガイドリング1の基本形状は、従来のものと同じであるが、その特徴は成形面2の形状にある。
成形面2は、その縦断面において、ガラスびん口部天面の外縁から側面上端にかけてのR面を成形する曲線部3の下端4に続いて縦方向の直線部5を有する。直線部5の長さtは、本実施例の場合1.0mmである。(図2)
直線部5は、垂直線vに対して、成形面2の径が下方ほど大きくなるように傾斜している。その傾斜角度θは、本実施例の場合1.0°である。(図3)
図4は、実施例のガイドリング1を口型10に装着した状態の断面図である。
口型10の基本形状は、従来のものと同じであるが、ガイドリング1の成形面2に直線部5を形成したので、当該部分のみこれに適合するように変更されている。
図5,6は、図4のガイドリング1及び口型10を用いて成形した実施例のガラスびんBの口部の側面図である。粗型、仕上型及び底型は従来と全く同じものを使用した。
このガラスびんBにおいて、ガイドリング1と口型10のパーティングライン9が、R面6の下方(R面下端7よりも下方)の直面8に表れている。
〔比較例〕
図7〜9は、前期実施例と全く同じ形状のガラスびんを成形する、従来のガイドリング1及び口型10に関するものである。
従来のガイドリング1の成形面2は、曲線部3の下方に直線部を有しない。曲線部3の下端4は、びん口部のR面下端7に相当する。
図9の比較例と図4の実施例を比較すると、図9ではガイドリング1と口型10のパーティングラインが曲線部3の下端に形成されているのに対し、図4ではパーティングラインがこれよりも下方に下がっている点で異なり、その他は全く同じである。
図10,11は、比較例の従来のガイドリング1(図7〜9)を用いて成形した比較例のガラスびんBの口部の説明図である。
このガラスびんBにおいて、ガイドリング1と口型10のパーティングライン9は、R面下端7、すなわちR面6と直面8の境目に表れている。
比較例のガイドリングを用いて、2008年9月2日から同年9月23日までの22日間ガラスびんを成形したところ、ガラスびんに口欠けの欠点が生じたために、口型及びガイドリングを31回交換しなければならなかった。
その後、実施例のガイドリングを用いて、前記と全く同じ条件で、2009年2月10日から同年3月6日までの25日間、同じ形状のガラスびんを成形したところ、ガラスびんに口欠けは全く発生せず、口型及びガイドリングを交換する必要はなかった。
これにより、本発明によって口欠けの欠点をほぼ完全に防止できることが実証された。
実施例と比較例のガイドリングを用いて成形したガラスびんについて、形状の拡大トレ−スを行った。
これは、ガラスびんの口部を90°間隔で4個所縦方向に拡大トレースし、その形状を重ね合わせて口部形状の乱れを確認したものである。
図12は、実施例のガラスびんの拡大トレ−ス結果の模式図である。4個所のトレース形状はほぼ完全に重なっており、口部形状に天波などの乱れが全くない。なお、パーティングラインに僅かな段差が表れているが、段差が小さくその位置も直面であるので、この部分が欠けるおそれはない。また、消費者が飲料を直接びん口から飲む場合でも、段差が口に当たって不快を感じることもない。
図13は、比較例のガラスびんの拡大トレース結果の模式図である。R面下端(パーティングライン)において、トレース形状が重なっておらず、段差が発生しているのが分かる。また、天面でもトレース形状が重なっておらず、天波が発生していることが分かる。
この段差は、ガイドリングや口型が摩耗してくると発生しやすくなり、段差が大きくなると口欠けが発生する。
天波は、ガイドリングや口型温度に狂いが生じると発生する。天波を防止するための金型の温度制御は非常に困難であり、完全に天波を防ぐことはできなかった。
しかし、本発明によれば、口欠けや天波をほぼ完全に防止できる。
実施例と比較例のガイドリングを用いて成形したガラスびんについて、シックネスゲージ試験を行った。
この試験は、図14に示すように、ガラスびんBを平滑な基板の上に逆さに立て、びん口部天面と基板の間に厚さ0.03mmのシックネスゲージを種々の角度から差し入れ、シックネスゲージがびん口部天面と基板の間に入り込む部分があるかどうかを試験するものである。シックネスゲージが入り込む部分があれば天波の欠点があるので不合格となり、無ければ口部天面は平滑で天波の欠点が無く、合格となる。
実施例と比較例のガラスびんを100本ずつ無作為に選び、シックネスゲージ試験を行った。
実施例のガラスびんは全てが合格であったが、比較例のガラスびんは10本が不合格であった。
これによっても、本発明により天波の欠点がほぼ完全に防止できることが実証された。
実施例のガイドリング(図2)と比較例のガイドリング(図8)について、コンピュータシミュレーションにより、成形時における成形面2の温度分布を解析した。ガイドリング成形面2の温度は、内側ほど高く外側ほど低い。最も内側のP点と最も外側のQ点の温度差は、比較例(図8)では12°であるが、実施例(図2)では5°であった。
すなわち、本発明のガイドリングは、成形面の温度差が従来のものよりも小さくなり、これにより天波やビリの欠点が発生しにくくなる。
上記のガラスびん成形過程の説明においては、ブローアンドブロー方式によるガラスびんの成形を例示したが、本発明は、プレスアンドブロー方式においても全く同様に用いることができる。また、実施例におけるガイドリングの具体的形状は例示にすぎず、本発明は従来のあらゆる形状のガイドリングに適用できる。
1 ガイドリング
2 成形面
3 曲線部
4 曲線部下端
5 直線部
6 R面
7 R面下端
8 直面
9 パーティングライン
10 口型
11 成形面
12 直線部
13 合目
14 シックネスゲージ
20 粗型
21 プランジャー
22 バッフル
23 仕上型
24 底型
25 メカニズム
B ガラスびん

Claims (5)

  1. 成形面の縦断面において、ガラスびん口部天面の外縁から側面上端にかけてのR面を成形する曲線部の下端に続いて縦方向の直線部を設けたことを特徴とするガイドリング。
  2. 前記直線部の長さが0.3〜1.5mmである請求項1に記載のガイドリング。
  3. 前記直線部が、垂直線に対して、前記成形面の径が下方ほど大きくなるように傾斜している請求項1又は2に記載のガイドリング。
  4. 前記傾斜の角度が0.5°〜5°である請求項3に記載のガイドリング。
  5. 請求項1〜4のいずれかのガイドリングで成形され、ガイドリングと口型のパーティングラインが前記R面の下方の直面に表れていることを特徴とするガラスびん。
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