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JP4786780B2 - 吹付セメントコンクリート及び吹付方法 - Google Patents
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JP4786780B2 - 吹付セメントコンクリート及び吹付方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、好ましくは、法面にセメントコンクリートを吹付けて地滑りや岩石の崩落等を防止する際、セメントコンクリートに添加するスランプ低減用吹付混和剤及びそれを用いた吹付セメントコンクリートや吹付方法に関する。尚、本発明では、モルタルやコンクリートを総称してセメントコンクリートという。
【0002】
【従来の技術】
従来、法面の地滑りや岩石等の崩落を防止するために、コンクリートを吹付けて法面の安定化を図っている。
【0003】
法面の安定化を図る方法としては通常、平坦な場所に設置したコンクリートポンプにコンクリートを供給し、配管を介してコンクリートを輸送し、輸送する途中で圧縮空気と混合し、法面に吹付ける方法が挙げられる。この方法においては、吹付後にコテ仕上げをする場合が多く、急結剤の様なセメントの凝結硬化を促進する成分を使用しないか、例えセメントの凝結硬化を促進する成分を使用するにしても、凝結性の小さい成分を添加する程度である。
【0004】
他にも、法面の安定化を図る方法としては、吹付工事の跡を残すのではなく、できるだけ環境に調和した景観に仕上げるために、吹付により植生基盤を形成する緑化工法も知られている。この工法では、植生基盤の保水性を良くするために吸水性ポリマーを含有する保水材を使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、法面は急な傾斜からなる切り立った断崖である場合が多く、法面全体に吹付ける場合、コンクリートポンプを平坦な地上に設置し、吹付可能な場所までコンクリートを配管で輸送する必要がある。ポンプ圧送性を考慮して軟らかいコンクリートを供給すれば、吹付後にコンクリートが斜面を流れ落ちてしまい、十分な施工を実施できないという課題があった。
【0006】
一方、ある程度硬いコンクリートを使用すると圧送性が低下する。そのために、広大な法面に吹付ける場合には、コンクリートの輸送距離が長くなるので、コンクリートを輸送する途中にコンクリートポンプを増設しなければならず、施工性や経済性の点で非常に不利になるという課題があった。
【0007】
本発明は以上の課題を解決するために種々検討したものであり、その目的は、セメントコンクリートのスランプが15cm以上と軟らかくても、本発明のスランプ低減用吹付混和剤を使用すると、斜面を流れ落ちることがなく、又、ポンプ圧送性が良好で、コテ仕上げが容易で、作業性が良好なスランプ低減用吹付混和剤を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)セメント100質量部(2)粘土鉱物100質量部と吸水性高分子化合物0.05〜30質量部とアルミニウム含有物質0.5〜100質量部を含有してなるスランプ低減用吹付混和剤1〜8質量部を含有してなる吹付セメントコンクリートでありさらに、スランプ低減用吹付混和剤が、アルカリ金属炭酸塩及び/又は石灰類を含有してなる該吹付セメントコンクリートであり、スランプ低減用吹付混和剤が、スランプ低減用吹付混和剤を使用しない場合のセメントコンクリートに対して、70%以上のスランプ低減を可能にする該吹付セメントコンクリートであり、スランプ低減用吹付混和剤を使用しない場合のセメントコンクリートのスランプが15cm以上である該吹付セメントコンクリートであり、吸水性高分子化合物がポリ−N−ビニルアセトアミドを主成分とする三次元架橋ポリマーである該吹付セメントコンクリートであり、水セメント比が30〜70%である該吹付セメントコンクリートであり、用途が法面吹付けである該吹付セメントコンクリートであり、スランプ低減用吹付混和剤と、配管内を空気搬送してなるセメントコンクリートとを施工箇所に吹付ける直前に合流混合し、吹付けてなることを特徴とする該吹付セメントコンクリートの吹付方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明のスランプ低減用吹付混和剤(以下、スランプ低減剤という)は、法面吹付工事において吹付けるセメントコンクリートの流動性を、吹付ける直前に低減させるものであり、スランプ低減用吹付混和剤を使用しない場合のセメントコンクリートに対して、70%以上のスランプ低減を可能にするものをいう。従って、法面に吹付けたセメントコンクリートの流動性が低下し、吹付後セメントコンクリートが急な傾斜面を有する法面からダレて流れ落ちることがなく、又、コテ仕上げを行うのに程良い硬さのセメントコンクリートが得られるものである。
【0011】
本発明のセメントは、通常市販されている普通、早強、中庸熱、超早強、及び低熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグ等を混合した各種混合セメント、並びに市販の微粒子セメント等が挙げられる。ポルトランドセメントや混合セメントは微粉末化して使用してもよい。
【0012】
本発明の粘土鉱物は、水が存在すると吸水性を示すものであり、又、セメントコンクリートの流動性が低下し、粘着性が増加するものである。
【0013】
粘土鉱物としては、層状アルミノケイ酸塩類を主成分とするバイデライト、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、パイロフィライト、バーミキュライト、雲母、緑泥石、サポナイト、セピオライト、及び酸性白土等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。これらの中では、アルミニウムイオンやカルシウムイオン等の2価以上の金属イオンが存在するとゲル化しやすくなり、大量に生産され安価である点で、モンモリロナイトを主成分とするベントナイトが好ましい。
【0014】
本発明の吸水性高分子化合物は、水が存在すると吸水性を示すものであり、又、セメントコンクリートの流動性が低下し、粘着性が増加するものである。
【0015】
吸水性高分子化合物としては、ポリ−N−ビニルアセトアミドを主成分とする3次元架橋ポリマー、デンプン−ポリアクリロニトリル共重合体、ビニルエステル−エチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、逆相懸濁重合法により得られる自己架橋ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール系重合体と環状酸無水物との反応物、ポリアクリル酸塩架橋物、及びビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体等が挙げられるが、吸水性を示すものであれば特に限定されるものではない。
【0016】
吸水性高分子化合物の粒度は、吸水速度が速く、セメントコンクリートの流動性が瞬時に低下しやすい点で、500μm以下が好ましい。
【0017】
吸水性高分子化合物の吸水倍率は、セメントコンクリートの流動性が低下しやすい点で、自重の10倍以上が好ましく、30倍以上がより好ましい。
【0018】
吸水性高分子化合物の使用量は、粘土鉱物100質量部に対して、0.05〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましい。0.05質量部未満だと粘土鉱物と併用した場合にセメントコンクリートの流動性が低下せず、吹付セメントコンクリートが斜面を流れ落ちおそれがあり、30質量部を越えると強度発現性を阻害するおそれがある。
【0019】
本発明ではさらに、アルミニウム含有物質をスランプ低減用吹付混和剤に含有させることが好ましい。
【0020】
本発明のアルミニウム含有物質は、吹付セメントコンクリートの流動性を低下し、初期強度を増進するものである。アルミニウム含有物質としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、及びアルミン酸リチウム等のアルカリ金属アルミン酸塩、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、並びにカルシウムアルミネート類からなる群の一種又は二種以上が好ましい。これらの中では、強度発現性の点で、カルシウムアルミネート類が好ましい。
【0021】
カルシウムアルミネート類とは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料とを混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaOとAl23 とを主たる成分とする、水和活性を有する物質の総称であり、CaO及び/又はAl23の一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、あるいは、CaOとAl23とを主成分とするものに、これらが少量固溶した物質である。鉱物形態としては、結晶質、非晶質いずれであってもよい。
【0022】
カルシウムアルミネート類の中では、反応活性の点で、非晶質のカルシウムアルミネート類が好ましく、12CaO・7Al23(C127)組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートがより好ましい。
【0023】
カルシウムアルミネート類の粒度は、ブレーン値で3000cm2/g以上が好ましく、4000cm2/g以上がより好ましい。3000cm2/g未満だと十分な流動性低減の効果が得られないおそれがある。
【0024】
アルミニウム含有物質の使用量は、粘土鉱物100質量部に対して、0.5〜100質量部が好ましく、2〜50質量部がより好ましい。0.5質量部未満だと吹付セメントコンクリートの流動性が低下せず、吹付セメントコンクリートが斜面を流れ落ち、初期強度増進効果が小さいおそれがあり、100質量部を越えると硬化が早すぎて、後のコテ仕上げ作業が困難となるおそれがある。
【0025】
本発明ではさらに、アルカリ金属炭酸塩及び/又は石灰類をスランプ低減用吹付混和剤に含有させることが好ましい。
【0026】
本発明のアルカリ金属炭酸塩は、初期強度発現性を向上させるものである。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、及び炭酸水素リチウム等が挙げられる。これらの中では、初期強度発現効果が大きい点で、炭酸ナトリウムが好ましい。
【0027】
アルカリ金属炭酸塩の使用量は、粘土鉱物100質量部に対して、5〜300質量部が好ましく、15〜150質量部がより好ましい。5質量部未満だと強度発現性を阻害するおそれがあり、300質量部を越えると流動性が大きくなり、吹付セメントコンクリートが斜面を流れ落ち、長期強度発現性を阻害するおそれがある。
【0028】
本発明の石灰類は、初期強度発現性を向上させるものである。石灰類としては、生石灰や消石灰等が挙げられる。これらの中では、強度発現性に大きな影響を及ぼさない点で、消石灰が好ましい。
【0029】
石灰類の使用量は、粘土鉱物100質量部に対して、5〜150質量部が好ましく、15〜50質量部がより好ましい。5質量部未満だと流動性が低下せず、初期強度発現性を向上させることが難しいおそれがあり、150質量部を越えると長期強度発現性を阻害するおそれがある。
【0030】
本発明のスランプ低減剤の使用量は、セメント100質量部に対して、1〜8質量部が好ましく、2〜4質量部がより好ましい。1質量部未満だとスランプ低減効果が認められず、吹付セメントコンクリートが斜面を流れ落ちるおそれがあり、8質量部を越えると強度発現性を阻害するおそれがある。
【0031】
本発明の水セメント比(W/C)は30〜70%が好ましい。30%未満だとセメントコンクリートの粘性が大きくなり、ポンプ圧送性に支障を来し、吹付作業性が低下するおそれがあり、70%を越えると強度発現性や凝結性に悪影響を与えるおそれがある。
【0032】
本発明の骨材は、特に限定されるものではないが、できるだけ骨材強度が高いものが好ましい。骨材としては細骨材や粗骨材が挙げられる。細骨材としては、海、山、及び川から採取される天然骨材である海砂、山砂、及び川砂や、山から切り出し、粉砕し、粒度調製した砕石(例:石灰砂等)等が挙げられ、粗骨材としては、天然骨材である川砂利や砕石である石灰砂利等が挙げられる。
【0033】
本発明は、法面に吹付ける直前でスランプ低減剤を混合することにより、スランプが低減した吹付セメントコンクリートとなり、法面吹付ができるものである。
【0034】
スランプ低減剤の混合方法としては、空気搬送により輸送する装置を用い、Y字管を介して空気搬送されているセメントコンクリートと、スランプ低減剤とを合流混合する方法が挙げられる。粉塵等の発生を抑制したい場合には、粉塵低減剤をセメントコンクリート側に予め添加したり、スランプ低減剤をスラリー状にしたりして、吹付施工してもよい。
【0035】
本発明の吹付方法としては、乾式吹付方法及び湿式吹付方法いずれも使用できる。コンクリートとして吹付ける場合には、例えば、コンクリート製造プラントでセメント、骨材、及び水をコンクリートミキサーに投入し練混ぜ、アジテータ車で吹付け現場まで運搬し、吹付機でコンクリートを空気搬送し、混合管でスランプ低減剤と合流して吹付ける方法が挙げられる。又、モルタルとして吹付ける場合には、コンクリート製造プラントでモルタルを製造し、吹付ける方法や、セメントと乾燥した細骨材をプレミックスしたドライモルタルを連続ミキサー又はバッチ練りミキサーにより水と混練し、空気搬送し、混合管でスランプ低減剤と合流して吹付ける方法が挙げられる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
【0037】
実験例1
10リットルモルタルミキサーを使用して、セメント100質量部、細骨材300質量部、減水剤0.5質量部、及び水55質量部を混合し、スランプ18±2cmのモルタルを調製した。モルタルに、粘土鉱物100質量部、表1に示す質量部の吸水性高分子化合物、アルミニウム含有物質10質量部、及びアルカリ金属炭酸塩50質量部からなるスランプ低減剤を、セメント100質量部に対して3質量部混合し、10秒間攪拌した。その後、ダレと圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
【0038】
(使用材料)
セメント:普通ポルトランドセメント、比重3.16、市販品
細骨材:新潟県姫川水系産川砂、比重2.62
減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤
粘土鉱物:モンモリロナイトを主成分とするベントナイト、市販品
吸水性高分子化合物:ポリ−N−ビニルアセトアミドを主成分とする三次元架橋ポリマー、粒度25μm、吸水倍率30倍、市販品
アルミニウム含有物質:カルシウムアルミネート類、非晶質C127、比重2.92、ブレーン比表面積5900cm2/g
アルカリ金属炭酸塩:市販品、炭酸ナトリウム
【0039】
(測定方法)
吸水倍率:吸水性高分子化合物を浸漬し、吸水倍率=[(膨潤した吸水性高分子化合物の質量)/(仕込みの吸水性高分子化合物の質量)]―1の式から算出した。
ダレ:勾配100/1000を有する傾斜面に吹付モルタルを吹付け、吹付モルタルが全くダレなかった場合を○とし、僅かにダレだが吹付施工ができた場合を△とし、かなりダレて吹付施工ができなかった場合を×とした。
圧縮強度:4cm×4cm×16cmの型枠で供試体を作製し、所定材齢の圧縮強度を測定した。
【0040】
【表1】
Figure 0004786780
【0041】
実験例2
粘土鉱物100質量部、吸水性高分子化合物1質量部、表2に示す質量部のアルミニウム含有物質及びアルカリ金属炭酸塩50質量部からなるスランプ低減剤を混合し、スランプ、ダレ、及び作業性を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0042】
(測定方法)
スランプ:JIS A 1118に準じた。
作業性:幅10cm×長さ40cm×厚さ10cmの型枠に吹付モルタルを吹付け、型枠の表面をコテで慣らして綺麗に成型し、コテ仕上げの作業性を評価した。手に力を入れなくても容易に成型できた場合を○とし、力を入れると成型できた場合を△とし、力を入れても成型できない場合を×とした。
【0043】
【表2】
Figure 0004786780
【0044】
実験例3
粘土鉱物100質量部、吸水性高分子化合物1質量部、アルミニウム含有物質10質量部、及びアルカリ金属炭酸塩50質量部からなるスランプ低減剤を表3に示す質量部混合し、スランプ、ダレ、及び圧縮強度を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
Figure 0004786780
【0046】
実験例4
粘土鉱物100質量部、吸水性高分子化合物1質量部、アルミニウム含有物質10質量部、及び表4に示す質量部のアルカリ金属炭酸塩と石灰類からなるスランプ低減剤を混合し、スランプ、ダレ、及び圧縮強度を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0047】
(使用材料)
石灰類:市販品、消石灰
【0048】
【表4】
Figure 0004786780
【0049】
実験例5
セメント100質量部、細骨材300質量部、水55質量部、及び減水剤1.0質量部を混合し、モルタルを調製した。スクイズポンプにより、モルタルを200m圧送した。圧送途中に合流管を設け、粘土鉱物100質量部、吸水性高分子化合物1質量部、アルミニウム含有物質10質量部、及びアルカリ金属炭酸塩50質量部からなるスランプ低減剤をセメント100質量部に対して3質量部、合流管の一方より粉体供給装置を用いて空気搬送し、合流管でモルタルと合流混合し、急な傾斜面を有する法面に吹付けた。なお、地上に設けたポンプの位置と、法面吹付した箇所の位置との高低差は54mであった。
法面に吹付けたモルタルのスランプは1cm未満であった。又、圧縮強度は、材齢1日で6.9N/mm、材齢28日で38.1N/mmであった。さらに、吹付けた時に法面吹付した箇所からのダレが無く、コテ仕上げが容易であり、強度発現性に関しても問題ないことが確認できた。
【0050】
実験例6
比較のため、スランプ低減剤を使用しなかったこと以外は、実験例5と同様に行った。
法面に吹付けたモルタルのスランプは23.0cmであった。さらに、吹付けた時に法面吹付した箇所からのダレが多く見られ、モルタルがダレて流れ落ちたためにコテ仕上げが難しかった。
【0051】
実験例7
セメント100質量部、細骨材240質量部、粗骨材60質量部、水55質量部、及び減水剤1.0質量部を混合し、コンクリートを調製した。コンクリートポンプにより、コンクリートを100m圧送した。圧送途中に合流管を設け、粘土鉱物100質量部、吸水性高分子化合物1質量部、アルミニウム含有物質10質量部、及びアルカリ金属炭酸塩50質量部からなるスランプ低減剤をセメント100質量部に対して3質量部、合流管の一方より粉体供給装置を用いて空気搬送し、合流管でコンクリートと合流混合し、急な傾斜面を有する法面に吹付けた。なお、地上に設けたポンプの位置と、法面吹付する箇所の位置との高低差は21mであった。
法面に吹付けたコンクリートのスランプは1cm未満であった。又、圧縮強度は、材齢1日で7.4N/mm、材齢28日で38.8N/mmであった。さらに、吹付けた時に法面吹付した箇所からのダレが無く、コテ仕上げが容易であり、強度発現性に関しても問題ないことが確認できた。
【0052】
(使用材料)
粗骨材:新潟県姫川産川砂利、比重2.64
【0053】
実験例8
比較のため、スランプ低減剤を使用しなかったこと以外は、実験例7と同様に行った。
法面に吹付けたコンクリートのスランプは23.5cmであった。さらに、吹付けた時に法面吹付した箇所からダレが多く見られ、モルタルがダレて流れ落ちたためにコテ仕上げが難しかった。
【0054】
【発明の効果】
従来、コンクリートの輸送距離が長く、地上に設けたポンプの位置と法面吹付した箇所の位置との高低差があると、ポンプの圧送性を考慮して、コンクリートのスランプを15cm以上にする必要があり、スランプ15cm以上のコンクリートを法面に吹付けるとダレ落ちるという課題があった。
しかしながら、本発明のスランプ低減剤は、吹付時のセメントコンクリートのスランプを大幅に低減し、ダレを防止でき、コテ仕上げを行うのに適度な硬さに調整できるものである。又、材齢1日の強度発現性も損なうことがなく良好な法面吹付ができる。

Claims (8)

  1. (1)セメント100質量部(2)粘土鉱物100質量部と吸水性高分子化合物0.05〜30質量部とアルミニウム含有物質0.5〜100質量部を含有してなるスランプ低減用吹付混和剤1〜8質量部を含有してなる吹付セメントコンクリート。
  2. さらに、スランプ低減用吹付混和剤が、アルカリ金属炭酸塩及び/又は石灰類を含有してなる請求項1記載の吹付セメントコンクリート
  3. スランプ低減用吹付混和剤が、スランプ低減用吹付混和剤を使用しない場合のセメントコンクリートに対して、70%以上のスランプ低減を可能にする請求項1又は2記載の吹付セメントコンクリート。
  4. スランプ低減用吹付混和剤を使用しない場合のセメントコンクリートのスランプが15cm以上である請求項3記載の吹付セメントコンクリート。
  5. 吸水性高分子化合物がポリ−N−ビニルアセトアミドを主成分とする三次元架橋ポリマーである請求項1〜4のうちの1項記載の吹付セメントコンクリート。
  6. 水セメント比が30〜70%である請求項1〜5のうちの1項記載の吹付セメントコンクリート。
  7. 用途が法面吹付けである請求項1〜6のうちの1項記載の吹付セメントコンクリート。
  8. ランプ低減用吹付混和剤と、配管内を空気搬送してなるセメントコンクリートとを施工箇所に吹付ける直前に合流混合し、吹付けてなることを特徴とする請求項1〜7のうちの1項記載の吹付セメントコンクリートの吹付方法。
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