JP4788070B2 - 繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の床材や壁材、浴室、洗面台等の各種用途で、FRP(繊維強化プラスチック)成形品等として使用され得る、繊維強化熱硬化性樹脂化粧板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維強化熱硬化性樹脂化粧板を製造する方法としては、例えば、模様付き不織布、印刷紙等の加飾シートに、熱硬化性樹脂を含浸させた未硬化シートに、ガラス繊維等の補強繊維(強化繊維)を含む熱硬化性樹脂未硬化基材層を重ねて、加熱加圧し熱硬化させて積層する方法(特開昭48−12876号公報等参照)が知られている。また、未硬化基材層には、シート状のSMC(シートモールディングコンパウンド)や、塊状のBMC(バルクモールディングコンパウンド)を用いれば、作業性等がより向上する。
【0003】
この場合、補強繊維によって強度が増すが、該繊維によって表面凹凸が出来、平滑性が低下する。そこで、特に表面凹凸が目立ち易い鏡面性が要求される場合には、ポリエチレンテレフタレート等から成る熱可塑性樹脂シートの裏面に装飾層を印刷した印刷シートの裏面に、不織布を裏打ちした化粧シートを用いて、該化粧シートの裏面側にSMC等の未硬化基材層を重ね、加熱加圧して硬化させて積層する方法(特開平8−118384号公報等参照)等も開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、化粧板表面が熱可塑性樹脂シートとなる様な構成では、鏡面性は良いが、熱硬化性樹脂で表面を構成する場合に比べて、表面の耐熱性が劣った。また、未硬化基材層にSMCやBMCを用いれば、作業性は良いが、その反面、補強繊維として短繊維が使用される関係で、長繊維が使われる織布等による繊維強化に比べて、機械的強度が劣ることがあった。
【0005】
すなわち、本発明の課題は、鏡面性、表面耐熱性、及び機械的強度を良くできる、繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法を提供することである。また、生産性も良好な繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法では、補強繊維と熱硬化性樹脂の未硬化物とから成る未硬化基材層と、補強繊維を含ま無い熱硬化性樹脂の未硬化物から成る未硬化表面層とを、間に繊維質シートを挟んで積層した状態で、鏡面板をその鏡面が上記未硬化表面層に当接する様にして加熱加圧して、前記未硬化基材層及び上記未硬化表面層中の熱硬化性樹脂を硬化させて、次いで、加熱加圧を停止した後、未硬化表面層が硬化して成る表面層上から鏡面板を剥離除去する方法とした。
【0007】
この様な製造方法とすることで、化粧板表面を形成する表面層(未硬化表面層の硬化物)中には、補強繊維が含まれていない為に、鏡面性を良くでき、且つ該表面層は熱硬化性樹脂の硬化物から成る為に、表面耐熱性も良くできる。しかも、繊維質シートが中間層として介在している為に、基材層(未硬化基材層の硬化物)中の補強繊維がたとえ短繊維であっても、機械的強度を良く出来る。従って、鏡面性、表面耐熱性、及び機械的強度が得られる製造方法となる。
【0008】
また、本発明の繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法は、上記方法に於いて、押出し機により補強繊維を含む樹脂組成物を押出して未硬化基材層をベルト上に形成し、更に該未硬化基材層上に繊維質シートを積層し、更に該繊維質シート上に、押出し機により補強繊維を含ま無い樹脂組成物を押出して未硬化表面層を積層し、次いで、、未硬化表面層側に加圧ベルトとして鏡面板とする鏡面加圧ベルトを用い、上下から加圧ベルトで挟んでベルトプレス方式にて加熱加圧を行う様にした。
【0009】
この様な方法とすることで、積層及び加熱加圧操作を、バッチ式の間欠処理では無く、連続処理で円滑に行えるので、生産性が良くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
〔要旨〕
先ず、図1は本発明による繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法を、その一形態(枚葉熱プレス機による加熱加圧方式)で概念的に説明する概念図である。同図に示す形態では、先ず、図1(A)の如く、下型211内に、補強繊維11と熱硬化性樹脂の未硬化物12Aとから成る板状或いはシート状の未硬化基材層10Aを積層する。次いで、図1(B)の如く、未硬化樹脂基材層10Aの上に繊維質シート21を載せ、次いで、図1(C)の如く、更に該繊維質シート21の上に、補強繊維を含まない熱硬化性樹脂の未硬化物からなる未硬化表面層30Aを載せ、該未硬化表面層30Aの上に鏡面板43をその鏡面が未硬化表面層30Aに接する向きにして載せる。
【0012】
そして、図1(D)の如く、未硬化基材層10Aと繊維質シート21と未硬化表面層30Aとがこの順に重なり、未硬化表面層30Aに鏡面板43が当接する様にして重ねた状態の積層物を、下型211と上型212とを閉じて、加熱加圧する。加熱加圧のうち加圧は、枚葉熱プレス機200が備える上下一対の駆動装置220によって、ラム221を油圧シリンダ222で上下に進退駆動させて、下型211及び上型212からなる型210を閉じて、積層物を加圧する。一方、加熱は、下型211及び上型212内には、電熱或いは加熱流体等によるヒータが埋設されており、これによって積層物を加圧と同時に加熱する。
【0013】
繊維質シート21の繊維間の空隙には、加熱加圧により、未硬化の熱硬化性樹脂12が、下側からは未硬化基材層10Aから、上側からは未硬化表面層30Aから浸出して、空隙を有する繊維質シートは、熱硬化性樹脂で含浸された状態の繊維質シート21となって、これが中間層20となる。
【0014】
そして、(繊維質シート21中に浸出した熱硬化性樹脂も含めて)未硬化基材層10Aと未硬化表面層30A中の熱硬化性樹脂が硬化した後、型210を型開きして、加熱加圧(加熱と加圧とを同時に行う操作)を停止させる。そして、鏡面板43を、未硬化表面層30Aが硬化して出来た表面層30から剥離除去する。
【0015】
そして、各層が積層一体化した積層体を型内から取出せば、図1(E)の如く、下から順に、未硬化基材層10Aが硬化して出来た基材層10と、繊維質シート21内に未硬化基材層10Aや未硬化表面層30A内の熱硬化性樹脂が侵出して出来た、繊維質シート21を熱硬化性樹脂硬化物12中に含む中間層20と、未硬化表面層30Aが硬化して出来た表面が鏡面の表面層30とが、積層した構成の繊維強化熱硬化性樹脂化粧板100が得られる。すなわち、補強繊維11を熱硬化性樹脂の硬化物12中に含む基材層10と、繊維質シート21を熱硬化性樹脂の硬化物12中に含む中間層20と、補強繊維は含まず熱硬化性樹脂の硬化物からなり表面が鏡面の表面層30とが、順次積層した構成の繊維強化熱硬化性樹脂化粧板100が得られる。
【0016】
次に、用いる各材料について説明する。
【0017】
〔未硬化基材層〕
先ず、未硬化基材層10Aは、補強繊維11と未硬化の熱硬化性樹脂12Aとから成り、該熱硬化性樹脂が硬化後は、硬化した熱硬化性樹脂の硬化物12中に補強繊維11を有する基材層10となる。未硬化基材層10Aとしては、SMC(シートモールディングコンパウンド)やBMC(バルクモールディングコンパウンド)等が代表的には使用される。特にSMCは、その樹脂組成物が既にシート状に成形されている為、平板状の化粧板をバッチ式処理で製造するのに好適である。また、塊状に樹脂組成物を供給する場合は、ベルト上に供給すれば、連続生産に好適である。シート状の場合は一旦有形物としたものであるが、塊状の場合は、押出し機により押出して供給し積層することができる。
【0018】
上記補強繊維11としては、硝子繊維が代表的であるが、この他に、炭素繊維、石英繊維等の様な無機繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維等の合成樹脂繊維等も使用される。なお、補強繊維は、連続繊維でも良いが、通常それをカットした短繊維が用いられる。
【0019】
また、上記熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂が代表的であるが、その他の樹脂、例えば、(硬化性)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂も使用できる。
なお、本発明に於ける未硬化とは、全く硬化が進行していない状態の他に、硬化が一部進行しているが完全硬化前の状態でも良い。未硬化表面層の場合も同様である。
【0020】
なお、未硬化基材層10A中には、必要に応じて適宜、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の充填剤、顔料や染料等の着色剤、硬化触媒、増粘剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、熱可塑性樹脂等を添加する。例えば上記硬化触媒としては、不飽和ポリエステル樹脂を熱硬化性樹脂として用いる場合では、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の熱重合開始剤を添加する。
【0021】
〔繊維質シート〕
繊維質シート21により、基材層10による機械的強度を補強し、また、加飾シートを、繊維質シートと未硬化表面層間に介在させて加飾する場合には、加熱加圧時に熱硬化性樹脂の未硬化物が流動しても、該加飾シートの絵柄が流れたり、歪んだりするのを防止する。なお、繊維質シートは、加熱加圧時に、未硬化基材層や未硬化表面層中に存在する、未硬化の熱硬化性樹脂の一部が該繊維質シート中に進入し、硬化した熱硬化性樹脂と繊維質シートとによる中間層となる。
【0022】
繊維質シートは、その材料としては、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、アセテート、ビニロン、ポリ塩化ビニル等からなる合成樹脂繊維や、セルロース、パルプ、羊毛等の天然有機物繊維、或いは、ガラス、石綿、チタン酸カリウム、アルミナ、シリカ、炭素等からなる無機質繊維等を使用する。また、繊維の集合形態としては、織布、不織布、或いは編布が用いられる。セルロースからなる不織布が紙であり、紙としては、上質紙、クラフト紙、和紙等が挙げられる。
なお、繊維質シートには、その繊維間に、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、(硬化性)アクリル樹脂、ウレタン樹脂等による熱硬化性樹脂を含浸した含浸シートを繊維質シートとして用いても良い。この場合、使用時には、熱硬化性樹脂は未硬化のものを使用するのが、密着性の点から好ましい。
【0023】
なお、未硬化基材層中の補強繊維と、繊維質シートの繊維との関係は、表1の如く構成する形態は、成形性の点で好ましい形態の一つである。すなわち、繊維質シート21は、織布で繊維長が化粧板全域に及ぶ長さのものとし、未硬化基材層(基材層)の補強繊維11は、繊維長が1〜10mm程度の短繊維で、短繊維が散布された様に分布し、織り或いは編み等の交絡構造が無いものとする。この様に構成する場合は、曲げ変形した場合の応力(引張又は圧縮)が最大化する、化粧板の表面及び裏面は、繊維がまったく無いか(未硬化表面層)、或いは繊維が有っても交絡構造を持たない(未硬化基材層)為、曲げ変形に十分追従して、凹凸の化粧板を製造するに必要な成形性が良好となるからである。
また、成形時の曲げ変形時の応力(引張又は圧縮)が集中し難い積層体の中間部分に、変形し難く、強度も高い、長繊維で且つ交絡構造を有する織布を位置させることによって、化粧板の強度を向上し得る。なお、この様な層内の位置に周期的交絡構造を持つ織布を持ってきたが為に、新たに生じる問題は、交絡構造が非周期的な不織布の場合よりも、繊維質シート21の繊維形状が化粧板表面に浮き出すことである。但し、この場合は、本発明に於いては、未硬化表面層は補強繊維無添加とし、且つ最表面を鏡面板に当接させて加熱加圧することで解決される。
【0024】
【表1】
【0025】
〔未硬化表面層〕
未硬化表面層30Aは、補強繊維を含ま無い熱硬化性樹脂の未硬化物から成る層であり、該未硬化物が硬化後は、熱硬化性樹脂の硬化物からなる表面層30となる。表面層となるこの未硬化表面層中には、補強繊維を含有させないことで、補強繊維添加による表面凹凸発生による鏡面性低下を防ぐ。
未硬化表面層30Aとしては、代表的には、SMC(シートモールディングコンパウンド)やBMC(バルクモールディングコンパウンド)として使用される樹脂組成物に対して、補強繊維は添加していない繊維未含有の樹脂組成物を使用することができる。SMC或いはBMCは、通常、補強繊維が添加された樹脂組成物を指すが、未硬化表面層として使用する樹脂組成物には、鏡面性を良くする為に、補強繊維は添加しない。但し、繊維以外の其の他の添加物(例えば充填剤等)は含んでいても良い。
【0026】
また、未硬化表面層に使用する熱硬化性樹脂としては、前述未硬化基材層と同様に、不飽和ポリエステル樹脂が代表的であるが、その他の樹脂、例えば、(硬化性)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂も使用できる。
【0027】
なお、未硬化表面層10A中には、必要に応じて適宜、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の充填剤、顔料や染料等の着色剤、硬化触媒、増粘剤、安定剤、可塑剤、滑剤、減磨剤、難燃剤、熱可塑性樹脂等を添加する。例えば上記硬化触媒としては、不飽和ポリエステル樹脂を熱硬化性樹脂として用いる場合では、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の熱重合開始剤を添加する。また、減磨剤は、未硬化表面層は最終的に化粧板表面を構成するので、特に用途が床材等では添加は効果的であり、アルミナ(α−アルミナ等)、シリカ、アリミノシリケート、雲母等の粉末が使用できる。
【0028】
未硬化表面層は、それに用いる樹脂組成物を、シート状或いは(シート形状で)塊状で、未硬化基材層上に積層した繊維シート上に供給し積層する。シート状の場合は一旦有形物としたものであるが、塊状の場合は、押出し機により押出して供給し積層することができる。
【0029】
なお、未硬化表面層を含め各層の厚みは、用途によるが、加熱加圧後の厚みとなる、表面層、中間層、基材層に於いて、通常10〜1000μm程度である。
【0030】
〔加飾〕
本発明による製造方法では、未硬化基材層、繊維質シート、及び未硬化表面層の3層のみを積層し積層一体化しても良いが、必要に応じ更に、繊維強化熱硬化性樹脂化粧板に加飾処理を施す。加飾の代表的態様としては、(1)層自体の着色、(2)層中の繊維自体の染色(着色)、(3)別途装飾層の付与、等がある。
【0031】
(1)層自体の着色は、例えば、表面層、中間層、基材層の何れか1層以上を着色する。着色するには、加飾すべき層の樹脂中に着色剤を添加すれば良い。着色剤としては、公知の顔料、染料等であり、例えば、弁柄、クロムバーミリオン、黄鉛、チタン黄色、群青、コバルトブルー、アンチモン白、チタン白、墨(カーボンブラック)、鉄黒等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の有機顔料(乃至は染料)、アルミニウム、錫、真鍮等の鱗片状薄片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状薄片からなる真珠光沢顔料(パール顔料)等である。
【0032】
(2)加飾すべき層中の繊維自体の染色(着色)は、有機繊維の場合は公知の染料を用いる。また、ガラス繊維の場合はガラス中に公知の遷移金属(銅、コバルト、鉄、プラセオジウム等)系のガラス着色用顔料を添加して、紡績してガラス繊維とする。
【0033】
(3)別途、装飾層の付与は、絵柄インキ層や、金属薄膜層等を装飾層として付与すれば良い。これら装飾層は、基材層、中間層(繊維質シート)、表面層等の各層に、直接絵柄印刷、金属蒸着等により形成することも可能ではあるが、繊維質シートや、未硬化の熱硬化性樹脂による層(未硬化基材層、未硬化表面層)に印刷や蒸着を施すことは一般には困難であり、生産効率も良く無い。よって、好ましくは、以下の(A)や(B)の方法によると良い。
なお、装飾層は、意匠表現上、化粧板に於いて表面層の外表面に来る位置でも良いが、表面層に接して設ける場合はその内面側にするのが、表面層が装飾層に対する保護層となる点で好ましい。また、装飾層の絵柄は、例えば木目、石目、布目、砂目、タイル貼模様、煉瓦積模様、皮絞模様、幾何学模様、文字、記号、全面ベタ等である。
【0034】
(A)転写印刷法により、繊維質シート、或いは、未硬化基材層、未硬化表面層上に、絵柄インキ層を形成する。一例を挙げれば、特公平3−47183号公報に記載の如き方法が挙げられる。すなわち、表面層に転写する場合の一例を説明すれば、未硬化表面層とする塊状の樹脂組成物を型上に供給した後、該塊状の樹脂組成物上に、転写シートをローラにより押し付けて樹脂組成物を延伸して未硬化表面層とすると同時に、該未硬化表面層上に転写シートを重ね、而る後、転写シートのベースシートを剥離することで、転写シートの転写層を未硬化表面層に転写する。
【0035】
(B)予め印刷を施した加飾シートを、未硬化表面層と繊維質シートとの間に挟む。加飾シートは、基材シートに、上記の如き絵柄インキ層、金属薄膜層、或いは基材シート自体の着色等の1種又は2種以上の装飾処理を施したものを用いる。なお、基材シートとしては、前記の如き繊維質シートと同様の物、或いは、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂等の樹脂からなる、厚さ20〜200μm程度のシート等を用いる。
【0036】
〔加熱加圧〕
なお、未硬化基材層、繊維質シート、及び未硬化表面層、更に必要に応じ適宜な位置に加飾シート等を積層し、これら各層を積層一体化する為の加熱加圧条件は、未硬化基材層や未硬化表面層に使用する熱硬化性樹脂等に応じた条件となる。例えば、不飽和ポリエステル樹脂を使用する場合、通常、120〜160℃、1〜10MPa、加熱加圧時間5〜20min程度である。
【0037】
また、加熱加圧する為の熱圧の加え方は、特に制限は無い。図1で説明した加熱加圧方式は枚葉熱プレス機によるバッチ式であり、間欠処理工程となる。一方、これから図2を参照して説明する加熱加圧方式はベルト挟持式熱プレス機によるベルトプレス方式であり、連続処理工程となる。
【0038】
図2で概念的に示すベルト挟持式熱プレス機300は、一対のエンドレスの加圧ベルト、すなわち、加圧ベルト310と鏡面Mを有する鏡面加圧ベルト310Mによって、加熱加圧する。これら加圧ベルト310及び310Mは、それぞれ一対の駆動ローラ320で同一速度で図面矢印方向に駆動され、それぞれ多数のガイドローラ330でガイドされて積層材料100Aを、搬送する。また、そして、各加圧ベルト310及び310Mの内側には、それぞれ加熱加圧装置340が配置され、加圧ベルト310或いは310Mの裏側から、積層材料100Aを加圧ベルト310及び310Mを通して加熱加圧する様になっている。加熱加圧装置340は、金属盤中に加熱水蒸気、加熱油を流通させたり、或いは、誘導加熱等により加熱する。また、加圧は、流体圧による。また、一対の加圧ベルトのうち、未硬化表面層に当接させる側の加圧ベルトには、該層に当接する面が鏡面の鏡面加圧ベルト310Mが用いられる。鏡面加圧ベルト310Mは、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属からなり、必要に応じて表面にクロムめっき等を施すしたものが使われる。該鏡面加圧ベルトの鏡面とする側の表面は、所望の鏡面が得られる様な鏡面(表面粗さ)とする。表面粗さ(JIS B0601規定)は、中心線平均粗さ(Ra)で1μm以下、より好ましくは0.1μmとするのが良い。
【0039】
そして、同図では積層すべき積層材料100Aは、加圧ベルト310とは別の搬送ベルト350上に準備される。積層材料の準備は、予め別品として用意した各層を、手作業で搬送ベルト上で重ね合せる等しても良いが、図示はしいが、例えば次の様にして準備すれば、量産性が良い。なお、積層材料を載置する側の加圧ベルト310の長さを長くして、同図搬送ベルトを兼用させて、該搬送ベルトを省略しても良いことは、もちろんである。
【0040】
すなわち、先ず、押出し機により未硬化基材層とする補強繊維を含む樹脂組成物を押出して、搬送ベルト上に未硬化基材層を形成する。押出しはTダイ等により層状に押出せば良い。なお、未硬化基材層は、間欠押出しで枚葉のシート状に形成する以外に、連続的に押出して連続帯状のシート状(ウェブ状)に形成しても良い。そして、ベルト上に形成された未硬化基材層の上に、更に枚葉シート状の繊維質シートを載置し積層する。そして、該繊維質シートの上に、押出し機により未硬化表面層とする補強繊維を含ま無い樹脂組成物を押出して、繊維シート上に未硬化表面層を載置し積層すれば、これらが積層された積層材料100Aが得られる。また、必要に応じ加飾シートも使用する場合は、例えば、繊維質シート積層後に加飾シートを重ねて、その後で未硬化表面層を重ねれば良い。
なお、積層材料を構成する各層を、全て連続帯状で重ねて、その後で、所望の長さに切断して、枚葉の積層材料100Aとしても良い。
【0041】
そして、搬送ベルト上に準備された積層材料100Aは、加圧ベルト310上に渡されて、次いで、未硬化表面層側は鏡面加圧ベルト310Mを適用して加熱加圧されて、熱硬化性樹脂を硬化させると共に各層を積層一体化し、その結果、所望の繊維強化熱硬化性樹脂化粧板100が得られる。
【0042】
〔その他〕
未硬化基材層、繊維質シート、及び未硬化表面層の積み上げ順序は、上述した順序の他に、逆順でも良い。
図3で概念的に示す枚葉熱プレス機による製造方法では、図1で例示の順とは逆順の方法であり、未硬化表面層30Aから順に型上に積層して行く方法である。この方法によれば、表面層の直下に装飾層を容易に積層できる。すなわち、図3に例示する場合で言えば、先ず、図3(A)の如く、鏡面Mを有する下型兼鏡面板41M内に、補強繊維を含まない熱硬化性樹脂の未硬化物からなる未硬化表面層30Aを載せ、次いで、図3(B)の如く、該未硬化表面層30Aの上に加飾シート50を載せてから、図3(C)の如く、該加飾シートの上に繊維質シート21として、該繊維質シート21に熱硬化性樹脂の未硬化物12Aが含浸されてなる未硬化中間層20Aを積層する。そして、この後、図3(D)の如く、補強繊維11と熱硬化性樹脂の未硬化物12Aとから成る未硬化基材層10Aを積層する。そして、図3(E)の如く、下型兼鏡面板41Mと上型42とから成る型40を閉じて、加熱加圧する。
【0043】
そして、熱硬化性樹脂が硬化して各層が積層一体化した積層体を、型内から取出せば、図3(F)の如く、裏側(図面下方)から順に、未硬化基材層10Aが硬化して出来た、補強繊維11を熱硬化性樹脂硬化物12中に含む基材層10、繊維質シート21を熱硬化性樹脂の硬化物12中に含む中間層20、加飾シート50、未硬化表面層30Aが硬化して出来た表面鏡面の表面層30が、この順に積層一体化した構成の繊維強化熱硬化性樹脂化粧板100が得られる。
【0044】
〔繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の用途〕
本発明で得られ繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の用途は特に限定されないが、例えば化粧パネルや化粧部材等として各種用途に用いられる。好適には、その表面の鏡面性、表面耐熱性等の表面物性を活かせる用途に用いられる。例えば、建築物の床材や壁材、浴室の床材や壁材、洗面化粧台等の住設機器、手摺、扉等の建具、家具、家電製品のキャビネット、自動車、電車、航空機、船舶等の乗物内装材、容器等の各種分野に用いる事ができる。なお、繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の形状は、立体形状の他、平板状でも良い。
【0045】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳述する。
【0046】
〔実施例1〕
エンドレス加圧ベルト上に、先ず、樹脂組成物として下記表2で示す組成のペーストBを、Tダイにて押出して未硬化基材層10Aを積層した。次いで、該未硬化基材層10Aの上に、繊維質シート21としてガラス繊維の織布を積層し、更にその上に、樹脂組成物として下記表2で示す組成のペーストAを、Tダイにて押出して未硬化表面層30Aを積層して、積層材料100Aとした。
【0047】
【表2】
【0048】
次いで、該積層材料100Aを、図2で示した様なベルト挟持式熱プレス機300にて、温度150℃、圧力8Pa(80kgf/cm2)で5分間、加熱加圧して、各層を積層一体化すると共に熱硬化性樹脂は硬化させて、平板状で図1(E)の様な繊維強化熱硬化性樹脂化粧板100を作製した。
【0049】
〔比較例1〕
実施例1に於いて、エンドレス加圧ベルト上に、ペーストBをTダイにて押出して未硬化基材層10Aを積層した後、繊維質シート21及び未硬化表面層30Aの積層は省略したものを、そのまま、実施例1と同様して、ベルト挟持式熱プレス機300にて加熱加圧して、未硬化基材層10Aが硬化した基材層10のみの単層から成る繊維強化熱硬化性樹脂化粧板を作製した。
【0050】
〔比較例2〕
実施例1に於いて、エンドレス加圧ベルト上に、ペーストBをTダイにて押出して未硬化基材層10Aを積層後、その上に繊維質シート21を積層した後、繊維質シートの上に、ペーストAの代わりにペーストBをTダイにて押出して、未硬化表面層として未硬化基材層10Aを積層した積層物を、実施例1と同様して、ベルト挟持式熱プレス機300にて加熱加圧して、各層を積層一体化すると共に熱硬化性樹脂は硬化させて、繊維強化熱硬化性樹脂化粧板を作製した。
【0051】
〔性能比較〕
実施例及び比較例の繊維強化熱硬化性樹脂化粧板は、その表面が、実施例1のみ鏡面が得られ鏡面性が良好であったが、各比較例では補強繊維の影響で表面に凹凸が出来、鏡面性に劣った。
なお、各化粧板は、いずれも表面耐熱性は良好ではあったが、機械的強度は、各比較例に比べて実施例の方が良かった。
【0052】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、鏡面性、表面耐熱性、及び機械的強度が良い繊維強化熱硬化性樹脂化粧板が得られる。
(2)また、加熱加圧をベルトプレス方式で行えば、枚葉熱プレス機の様にバッチ式の間欠処理では無く、連続処理が可能となる為に、円滑に製造でき生産性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法を、その一形態で概念的に説明する概念図。
【図2】本発明による製造方法を、加熱加圧方式に於ける別の一形態(ベルトプレス方式)で概念的に説明する概念図。
【図3】本発明の製造方法を、別の一形態で概念的に説明する概念図。
【符号の説明】
10 基材層
10A 未硬化基材層
11 補強繊維
12 熱硬化性樹脂の硬化物
12A 熱硬化性樹脂の未硬化物
20 中間層
20A 未硬化中間層
21 繊維質シート
30 表面層
30A 未硬化表面層
40 型
41M 下型兼鏡面板
42 上型
43 鏡面板
50 加飾シート
100 繊維強化熱硬化性樹脂化粧板
100A 積層材料
200 枚葉熱プレス機
210 型
211 下型
212 上型
220 駆動装置
221 ラム
222 油圧シリンダ
300 ベルト挟持式熱プレス機
310 加圧ベルト
310M 鏡面加圧ベルト
320 駆動ローラ
330 ガイドローラ
340 加熱加圧装置
350 搬送ローラ
Claims (2)
- 補強繊維と熱硬化性樹脂の未硬化物とから成る未硬化基材層と、補強繊維を含ま無い熱硬化性樹脂の未硬化物から成る未硬化表面層とを、間に繊維質シートを挟んで積層した状態で、鏡面板をその鏡面が上記未硬化表面層に当接する様にして加熱加圧して、前記未硬化基材層及び上記未硬化表面層中の熱硬化性樹脂を硬化させて、次いで、加熱加圧を停止した後、未硬化表面層が硬化して成る表面層上から鏡面板を剥離除去する、繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法。
- 押出し機により補強繊維を含む樹脂組成物を押出して未硬化基材層をベルト上に形成し、更に該未硬化基材層上に繊維質シートを積層し、更に該繊維質シート上に、押出し機により補強繊維を含ま無い樹脂組成物を押出して未硬化表面層を積層し、次いで、、未硬化表面層側に加圧ベルトとして鏡面板とする鏡面加圧ベルトを用い、上下から加圧ベルトで挟んでベルトプレス方式にて加熱加圧を行う、請求項1記載の繊維強化熱硬化性樹脂化粧板の製造方法。
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