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JP4789043B2 - 海水電解装置 - Google Patents
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Description

本発明は、海水を電解分解して塩素系酸化剤を含む電解処理水を生成する際に、スケールが陰極に付着蓄積されることの少ない海水電解装置に関する。
電解槽内に設置した陽極と陰極の間に直流電圧を印加して海水を電気分解して、発電所等の海水冷却水路や冷却機器等にイガイ、フジツボ、藻類など海洋生物が付着するのを防止する技術が従来から採用されている。
かかる電解槽には個々の電極を直流電源に接続して給電する単極式電解槽と、両端の電極に直流電源を接続して給電する複極式電解槽とがある。
このうち単極式の海水電解槽は、大型になるほど構成が複雑化する他、個々の電極に給電するため大電流を必要とするが、両端の電極にのみ給電する複極式の海水電解槽では小電流で済むという利点がある。たとえば、アノードとカソードとが10組設置された電解槽同士で海水電解防汚に必要な電流を比較すると、複極式の海水電解槽では単極式の海水電解槽の10分の1で済む。このため、直流電源装置も小型化のものでよいという利点もある。
しかし一方、複極式電解槽は電極間や電極と槽壁との間から電流の漏洩が生じるので、スケールの蓄積が単極式の海水電解槽よりも多いという欠点がある。
この複極式海水電解槽の欠点を克服すべく特開2002−186970号公報には、被電解溶液を電解するために配設された複数枚の電極と、該電極が収納される室枠とを備え、前記電極の周端の一部またはすべてに絶縁体が被覆されたことを特徴とする複極式電解槽の発明が開示されている。
特開2002−186970号公報
しかしながら、電極の周端の一部またはすべてに絶縁体を被覆しても、電解電流が大きくなるに従って漏洩電流も増し、絶縁体に付着するスケールが増えていた。
本発明は、塩分含有水を電気分解して塩素系酸化剤を含む電解処理水を生成する海水電解装置において、電極およびその周囲の絶縁体に、海水電解に伴って発生するスケールの付着を防止した、特に、複極式電解槽において好適な、海水電解装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、海水電解装置を次のように構成した。
1. 電解槽の内部に陽極と陰極とを所定間隔をおいて対峙させ、電解槽内部に導入した海水を前記陽極と陰極とで電気分解して塩素系酸化剤を含む電解処理水を生成する海水電解装置において、電解槽の上流と下流に接続された配管の少なくとも一方の配管内面に第二陰極を設け、陽極から漏洩する漏洩電流を前記第二陰極に吸収させることとした。
さらに、上記の海水電解装置において、陰極に第二直流電源装置の正極を接続させ、第二陰極に第二直流電源装置の負極を接続させ、陽極から漏洩する漏洩電流を第二陰極に吸収させることとした。
配管の内面に設けられる第二陰極は、a.金属製配管内面の絶縁被覆の一部を剥ぎ取って金属面を露出させる、b.金属製配管内面に金属片を貼り付け、該金属片表面以外の該金属製配管内面を絶縁被覆する、c.金属製配管内部に金属棒等を突出させ、周囲の該金属製配管内面を絶縁被覆する、などの方法で形成する。尚第二陰極を形成する方法は、かかる方法に限定されるものではない。
また、前記配管内面に貼り付ける金属片や、配管内部に突出させる金属棒等は、金属製配管と同種の金属でも異種の金属、例えば耐腐食性金属でも良い。
2. 電解槽の内部に陽極と陰極とを所定間隔をおいて対峙させ、電解槽内部に導入した海水を前記陽極と陰極とで電気分解して塩素系酸化剤を含む電解処理水を生成する海水電解装置において、電解槽の上流と下流に接続された配管の少なくとも一方の配管内面を第二陰極に形成し、陽極から漏洩する漏洩電流を第二陰極に吸収させることとした。すなわち、電解槽の上流下流いずれか、または双方に、内面が絶縁被覆されていない配管を接続するものである。
なお、配管内面が耐腐食性金属で構成されていない場合には、この配管の長さは陽極から漏洩する漏洩電流で電気防食される長さ、例えば鋼管であれば管長を管内径の10倍の長さ以下とする。
このようにすれば、第二陰極としての配管が残留塩素を含む海水で腐食されることを防ぐことができる。
3.上記の海水電解装置において、第二直流電源装置を、陽極と陰極間に接続される水電解用直流電源よりも小容量とした。
なお本発明は、複極式電解槽に限られるものではなく、単極式電解槽に適用してもよい。また海水電解装置は、海水を電気分解して塩素系酸化剤を含む電解処理水を生成する装置であれば、例えば殺菌水製造用電解装置等に用いるなど、その使用目的は問わない。
本発明にかかる海水電解装置によれば、次の効果を有する。
電解槽に接続された、上流下流のいずれか、または双方の配管内面に第二陰極が設けられ、または、配管内面が第二陰極とされるので、海水電解の際に電解槽内の陽極から漏洩する漏洩電流が第二陰極に吸収され、陰極および陰極周端付近を被覆している絶縁体に、漏洩電流を原因としたスケールが付着することを防止できる。
第二直流電源装置の正極を陰極に、負極を第二陰極に接続させると、海水電解の際の漏洩電流がより強く第二陰極に吸収されるとともに、電解電流の漏洩電流が陰極に流入することを防止し、より効果的に陰極、および陰極周端を被覆している絶縁体に、漏洩電流を原因としたスケールが付着することを防止することができる。
本発明にかかる海水電解装置の最良の実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の海水電解装置1は図1に示すように、電極3を備えた電解槽2、電極3に直流電圧を印加する直流電源装置9、海水を電解槽2に導入する導入管30、生成された電解処理水を電解槽から送出する供給管31などから構成されており、海水から塩素系酸化剤を含む電解処理水を生成し、例えば水路内に海洋生物が付着することを防ぐ防汚装置や海産物などを洗浄するための洗浄水を生成する洗浄水生成装置などに用いられる。
電極3は、金属酸化物被覆製や白金メッキ製などからなり、電解槽2内を流れる海水の流れと平行に配置してあり、各電極3の海水の流れに沿った前後端部には、電気絶縁板7が取り付けてある。電気絶縁板7は、電極3を電解槽2の内部で所定位置に保持し、また、電極3の端部からの漏洩電流の発生を抑止している。
電解槽2は複極式電解槽で、外側に配置された電極3の一方に直流電源装置9の正極を接続して陽極4を形成し、電極3の他方に該直流電源装置9の負極を接続して陰極5を形成する。このように陽極4と陰極5との間に直流電源装置9を接続して電圧を印加すると、陽極4と陰極5の中間に配された中間電極6は、陽極4に対向した面が陰極となり、陰極の裏面が陽極となって、電極3の全体に順次陽極と陰極とが対向して形成される。
導入管30と供給管31は、導入管フランジ30F、および供給管フランジ31Fを電解槽2のフランジ2Fにそれぞれボルトナット(図示せず)で締付けて、電解槽2に接続されている。
第二陰極10は、図1のように、導入管30に電気絶縁体11を介して設置してある。この第二陰極10は、導入管30および供給管31の内面に、板状に設置してもよい。なお、この場合、第二陰極10が設置されている箇所を除く導入管30および供給管31の内面、および、電解槽胴体2Sの内面は、ゴムライニング等を敷設することにより絶縁する。
また、前記第二陰極10と陰極5との間に第二直流電源装置91が接続してある。
第二陰極10は、電極3に生じる漏洩電流の回路に近く、漏洩電流を確実に吸収し、かつ、電極3での海水の電解作用に大きな影響を及ぼさない位置に設けてある。かかる位置は、直流電源装置9が電極3間に印加する電圧、電極3の電極間隔、電極の枚数、電極の面積、電気絶縁板7の形状、材質等を考慮して適宜設定する。また、第二陰極10が板状に設置されている場合は、本出願人が出願した実公平4−17562号公報に記載されているように、流入電流密度が1A/dm2以上になるように、表面積が設定されることが望ましい。
8は、第二陰極10を陰極5および直流電源装置9に接続するための電線である。既述したように、導入管30および供給管31と電解槽2とは、導入管フランジ30F、供給管フランジ31Fと電解槽フランジ2Fとをボルトナットで締付けて接続してある
次に、海水電解装置1の作用について説明する。
電解槽2に直流電源装置9を接続して陽極4と陰極5との間に電圧を印加し、導入管30より電解槽2に海水を導入させる。すると海水が電極3、3間を通過しながら電気分解され、海水から塩素系酸化物(次亜塩素酸ナトリウム)を含む電解処理水が生成される。
供給管31を通して海水電解装置1から流出した電解処理水は、例えば冷却水としての海水に混合され、冷却装置への海洋生物の付着、育成を防止する。
この場合、第二陰極10を導入管30に電気絶縁体11を介して設置してあるので、陽極4および中間電極6から発生した漏洩電流は、第二陰極10に吸収される。第二陰極10に吸収された漏洩電流は電線8を介して直流電源装置9の負極に流れる。その結果、陰極5および中間電極6に漏洩電流が流れ込まず、電気絶縁板7の周辺に漏洩電流を原因とするスケールが発生しない。
これは、第二陰極10を導入管30および供給管31の内面に、板状に設置する場合でも同様である、この場合、第二陰極10の表面積が1A/dm2以上の電流密度となるように設定してあれば、第二陰極10にスケールが付着しても、スケールの付着力が弱く、海水が流動することにより第二陰極10から剥離してスケールが蓄積しない。
第二陰極10と陰極5との間に第二直流電源装置91が接続してあるが、この第二直流電源装置91は、海水電解の際の漏洩電流をより強く第二陰極に吸収させるとともに、電解電流の漏洩電流が陰極に流入することを防止するためのものであるから、直流電源装置9よりも容量が小さなものが設置されている。
以上の海水電解装置1によれば、第二陰極10は第二直流電源装置91によって陰極5より低い電位に設定され、直流電源装置9により電極3に直流電圧を印加して海水電解した際、陽極4および中間電極6の陽極から発生する漏洩電流がより強く第二陰極10に吸収される。また、陰極5から第二陰極10に向う電流Cが生じ、かかる電流Cは、漏洩電流と逆方向の電流となるので、漏洩電流が遮断され、より効果的にスケールの付着が防止される。
したがって、漏洩電流を原因とする陰極5および中間電極6の陰極周辺や、電気絶縁板7の周辺などへのスケールの付着を上記例の場合よりも効果的に防止できる。
実験では、第二陰極10を設けたことにより、陰極側の電気絶縁板7へのスケール付着量が、第二陰極なしの場合のほぼ1/2になり、第二直流電源装置91を第二陰極10に接続して電圧を印加した場合には、スケール付着量が更に60%低減した。
第二陰極10を導入管30および供給管31の内面に、板状に設置する場合、第二陰極10の表面積が1A/dm2以上の電流密度となるように設定してあれば、第二陰極10にスケールが付着しても、スケールの付着力が弱く、流動海水により剥離してスケールが蓄積しない。
更に、図示はしないが、本発明の海水電解装置の他の例について説明する。
この海水電解装置1では、電解槽2と導入管30、および電解槽2と供給管31との間に第二陰極用配管12が装着されている。第二陰極用配管12は、配管として通常用いられる鋼管でも、他の金属、例えば、耐食性金属または合金で構成されたものでもよい。但し、塩素系酸化剤を含む電解処理水は通常の海水よりも腐食力が強く、鋼などは早期に腐食するために、鋼管などを第二陰極用配管12に使用するときは、第二陰極用配管12の長さを、陽極4および中間電極6から発生した漏洩電流で電気防食がなされる距離と等しい長さ、例えば管内径の10倍の長さより短い長さとする。
かかる海水電解装置1のその他の構成は、既述したものと同一である。このように構成しても、第二陰極用配管12が漏洩電流を吸収するので、陰極5付近へのスケールの発生、付着を効果的に防止できる。
本発明にかかる海水電解装置を示す断面図である。
1 海水電解装置
2 電解槽
2F 電解槽フランジ
2S 電解槽胴体
3 電極
4 陽極
5 陰極
5T 陰極端子
6 中間電極
7 電気絶縁板
8 電線
9 直流電源装置
10 第二陰極
11 電気絶縁体
12 第二陰極用配管
12F 第二陰極用配管フランジ
30 導入管
30F 導入管フランジ
31 供給管
31F 供給管フランジ
91 第二直流電源装置

Claims (3)

  1. 電解槽の内部に陽極と陰極とを所定間隔をおいて対峙させ、該電解槽内部に導入した海水を前記陽極と陰極とで電気分解して塩素系酸化剤を含む電解処理水を生成する海水電解装置において、
    前記電解槽の上流と下流に接続された配管の少なくとも一方の配管内面に第二陰極を設け、前記陽極から漏洩する漏洩電流を前記第二陰極に吸収させ、前記陰極に第二直流電源装置の正極を接続させ、前記第二陰極に該第二直流電源装置の負極を接続させ、前記陽極から漏洩する漏洩電流を該第二陰極に吸収させることを特徴とした海水電解装置。
  2. 電解槽の内部に陽極と陰極とを所定間隔をおいて対峙させ、該電解槽内部に導入した海水を前記陽極と陰極とで電気分解して塩素系酸化剤を含む電解処理水を生成する海水電解装置において、
    前記電解槽の上流と下流に接続された配管の少なくとも一方の配管内面を第二陰極に形成し、前記陽極から漏洩する漏洩電流を前記第二陰極に吸収させ、前記陰極に第二直流電源装置の正極を接続させ、前記第二陰極に該第二直流電源装置の負極を接続させ、前記陽極から漏洩する漏洩電流を該第二陰極に吸収させることを特徴とした海水電解装置。
  3. 前記第二直流電源装置を、前記陽極と陰極間に接続される水電解用直流電源よりも小容量としたことを特徴とする請求項1または2に記載の海水電解装置。
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