JP4792624B2 - 液晶組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学的液晶表示材料として有用なネマチック液晶組成物及び、これを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置(LCD)は、電卓のディスプレイとして登場して以来、コンピューターの開発と歩みを同じくして、TN-LCD(捻れネマチック液晶表示装置)から、STN-LCDへと表示容量の拡大に対応してきた。STN-LCDは、シェファー(Scheffer)等[SID '85 Digest, 120頁(1985年)]、あるいは衣川等[SID '86 Digest, 122頁(1986年)]によって、開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどの高情報処理用の表示に広く普及しはじめている。特に、各画素に薄膜トランジスタをつけたアクティブマトリクス液晶表示素子(AM-LCD)は、CRTにも代替できる高画質を備え、フラット化、省エネルギー化の後押しを受けて、もっとも将
来性のあるディスプレイとして期待されている。
【0003】
AM-LCDではコントラストを上げるために、各画素に薄膜トランジスタやダイオードのスイッチング素子をつけて、画素に電圧を供給する。
【0004】
AM-LCDはTN、STNのパッシブ駆動方式とは異なり、スイッチング素子を通して、各画素に数十msec毎に電荷を供給することにより駆動する。このため、電荷が供給されてから数十msec後の次の書き込み時間までの間は、与えられた電荷を完全に保持できないと、表示の悪化をきたすことになる。電荷が逃げると電極間の電位が下がり、透過光強度が変化してコントラストが低下してしまう。このため、AM-LCDでは、高い電圧保持特性が求められる。高い電圧保持特性を得るため、AM-LCD用液晶組成物は、高比抵抗を維持しやすい材料を取捨選択して使用する必要がある。
【0005】
近年携帯を目的としたノート型コンピューターの需要が高まり、屋外での使用を可能とする広い使用温度範囲や長時間のバッテリー駆動を可能とする低消費電力の要請が強まっている。低消費電力には低電圧で駆動できるしきい値電圧の低い液晶組成物が求められている。しきい値電圧を低くするためには、誘電率異方性Δεを大きくする材料が必要であるが、誘電率異方性が大きい系では、粘性が増大し、レスポンスが悪化することに加え、周囲の汚染の影響を受けやすくなるため、高抵抗を維持することが難しくなるという問題があった。このため、TN、STN、AM-LCD等の液晶表示素子用液晶組成物には、
(1) 屋外でも使用できる広い液晶相温度範囲
(2) 高温条件でも使用できる安定性
(3) 低いしきい値電圧
(4) 高い電圧保持率
(5) 色づきを防ぎ、広い視角で最適なコントラストを得るために調節可能なΔnが求められている。
【0006】
従来の液晶組成物は、これらの要請に必ずしも応えることができず、高温での電圧保持率の低下によるコントラスト低下、低温での結晶析出やスメクチック相の発現が見られた。また、屋外の高温やUV光・太陽光暴露下に放置されると、保持率低下や表示不良がみられた。
【0007】
すなわち、高いネマチック-アイソトロピック転移温度、低いクリスタル(若しくはスメクチック)転移温度、低電圧駆動可能な低いしきい値電圧、高速応答を可能とする低粘性、かつ高温での高い保持率を同時に満足する液晶組成物及び液晶表示素子はなかった。
たとえば、WO9403558号には、トリフルオロ化合物とジフルオロ化合物とを用いた液晶組成物の例が開示されているが、液晶温度範囲が狭かったり、しきい値電圧が高い等多くの問題点を抱えているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電気光学表示素子、特に上記の液晶表示素子に求められる種々の特性を満足し、かつ、高速応答性のため屈折率異方性が大きく、特に低温安定性の点ですぐれたネマティック温度範囲を有し、低い粘性を有し、高い保持率を高温度まで維持できる液晶組成物及びこれを使用した液晶表示素子を提供する、若しくは従来より上記の欠点を改善した液晶組成物及び液晶表示素子(TN、STN、AM-LCD)を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、種々の液晶化合物を用いた液晶組成物を検討した結果以下の液晶組成物を見いだした。
【0010】
発明1 正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物を基礎とする液晶媒体であって、一般式(I)及び一般式(II)
【化9】
(式中R1及びR2はそれぞれ独立的に、炭素数1〜15のアルキル基もしくはアルコキシル基または炭素数2〜15のアルケニル基を表し、環Aは1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、X1、X2、X3、X4、X5及びX6ははそれぞれ独立的に水素原子もしくはフッ素原子を表し、l、m及びnは0もしくは1を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に-F、-CF3、-OCF3、-OCHF2、-OCH2F、R1と同じ意味を表す。)から、それぞれの1種または2種以上の化合物を含有、屈折率異方性(Δn)が0.05〜0.3であることを特徴とする液晶組成物。
【0011】
発明2 少なくとも2種以上の一般式(II)の化合物を含むことを特徴とする発明1記載の液晶媒体。
【0012】
発明3 一般式(I)及び一般式(II)の化合物の含有率が10〜95質量%の範囲あることを特徴とする発明1〜2の何れかに記載の液晶媒体。
【0013】
発明4 一般式(I)及び一般式(II)に加えて一般式(III)
【化10】
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立的に、炭素数1〜15のアルキル基もしくはアルコキシル基または炭素数2〜15のアルケニル基を表し、環Bは1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、oは0もしくは1を表す。)の化合物を含有することを特徴とする発明1〜3の何れかに記載の液晶媒体。
【0014】
発明5 一般式(III)の化合物を、少なくとも2種以上含むことを特徴とする発明1〜4の何れかに記載の液晶媒体。
【0015】
発明6 一般式(III)の化合物の含有率が5〜70質量%の範囲あることを特徴とする発明1〜5の何れかに記載の液晶媒体。
【0016】
発明7 一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)に加えて一般式(IV)
【化11】
(式中、R5は炭素数1〜15のアルキル基もしくはアルコキシル基または炭素数2〜15のアルケニル基を表し、Lは-CH2CH2-もしくは単結合を表し、環C、環Dはそれぞれ独立して1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、X7及びX8はそれぞれ独立してHもしくはFを表し、Y3はF、-CF3、-OCF3、-CNもしくは-OCHF2を表す。)の化合物を含有することを特徴とする発明1〜6の何れかに記載の液晶媒体。
【0017】
発明8 一般式(IV)の化合物を、少なくとも2種以上含むことを特徴とする発明1〜7の何れかに記載の液晶媒体。
【0018】
発明9 一般式(IV)の化合物の含有率が5〜40質量%の範囲あることを特徴とする発明1〜8の何れかに記載の液晶媒体。
【0019】
発明10 一般式(I)及び一般式(II)の含有率が30〜70質量%の範囲で、なおかつ一般式(III)、一般式(IV)の含有率が20〜70質量%の範囲であることを特徴とする発明1〜9の何れかに記載の液晶媒体。
【0020】
発明11 一般式(I)の化合物として、下記の式(Ia)〜(Ib)から選んだ、少なくとも1種の化合物を含み、一般式(II)の化合物として、下記の式(IIa)〜(IIf)から選んだ、少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする発明1〜10記載の液晶媒体。
【化12】
(式中、R1、R2、X1、X2、X4、X5、X6、Y1及びY2は一般式(I)、一般式(II)におけると同じ意味を表す。)
【0021】
発明12 一般式(III)の化合物として一般式(IIIa)
【化13】
(式中、R3a、R4aはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)及び/もしくは一般式(IIIb)
【化14】
(式中、R3b、R4bはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)を含有することを特徴とする発明4〜11の何れかに記載の液晶媒体。
【0022】
発明13 一般式(IV)として一般式(IVb)
【0023】
【化15】
(式中、R5は炭素原子数1〜16のアルキル基もしくは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)から選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲であることを特徴とする発明1〜12の何れかに記載の液晶媒体。
【0024】
発明14 一般式(IV)として一般式(IVa)
【化16】
【0025】
(式中、R5aは炭素原子数1〜16のアルキル基もしくは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、X7a及びX8aはそれぞれ独立してHもしくはFを表し、Y3aはFもしくは-OCF3を表す。)を含有することを特徴とする発明7〜13の何れかに記載の液晶媒体。
【0026】
発明15 発明1〜14の何れかに記載の液晶媒体を用いた液晶表示素子。
【0027】
発明16 発明1〜14の何れかに記載の液晶組成物を用いた、ねじれ角が220°〜270°であることを特徴とする超捩れネマチック(STN)液晶表示素子。
【0028】
発明17 発明1〜14の何れかに記載の液晶媒体を用いたアクティブマトリックス(AM)液晶表示素子。
【0029】
発明18 発明1〜14の何れかに記載の液晶媒体を用いた反射型液晶表示素子。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。
発明1において、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、非置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基がより好ましく、非置換の直鎖状炭素数1〜5のアルキル基もしくは炭素数2〜5のアルケニル基が特に好ましく、アルケニル基では以下式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。
【0031】
【化17】
(構造式は右端で環に連結しているものとする。)lは0もしくは1を表すが、0もしくは1が好ましく、1がより好ましい。mは0もしくは1を表すが、0もしくは1が好ましく、0がより好ましい。nは0もしくは1を表すが、0もしくは1が好ましい。Y1は、-F、-CF3、-OCF3、-OCHF2、-OCH2F、R1と同じ定義を表すが、-OCF3、Fが好ましい。Y2は、-F、-CF3、-OCF3、-OCHF2、-OCH2F、R2と同じ定義を表すが、-OCF3、Fが好ましく、Fがより好ましい。また、一般式(I)及び一般式(II)からそれぞれ選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有するが、1種〜8種が好ましく、1種〜5種がより好ましく、1種〜3種が特に好ましい。液晶組成物の屈折率異方性(Δn)は0.05〜0.3であるが、0.06〜0.2が好ましく、0.08〜0.16がより好ましい。また、反射型の液晶表示素子においてはΔnは0.05〜0.1が好ましく、0.06〜0.08がより好ましい。
【0032】
発明3において、一般式(I)及び一般式(II)の含有率は10〜90質量%の範囲あるが、10〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%が特に好ましい。
【0033】
発明4において、少なくとも1種以上の一般式(III)の化合物を含むが、2種〜10種が好ましく、2種〜8種がより好ましく、2種〜6種が特に好ましい。R3及びR4はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、非置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基がより好ましく、非置換の直鎖状炭素数1〜5のアルキル基もしくは炭素数2〜5のアルケニル基が特に好ましく、アルケニル基では式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。環Bは1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表すが、1,4-フェニレン基が好ましい。oは0もしくは1を表すが、0もしくは1が好ましく、1の場合環Bは1,4-フェニレン基であることが好ましい。
【0034】
発明6において、一般式(III)の含有率は5〜70質量%の範囲あるが、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
【0035】
発明7において、少なくとも1種以上の一般式(IV)の化合物を含むが、1種〜10種が好ましく、1種〜6種がより好ましく、2種〜5種が特に好ましい。R5は炭素数1〜15のアルキル基もしくはアルコキシル基または炭素数2〜15のアルケニル基を表すが、炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、非置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基がより好ましく、非置換の直鎖状炭素数1〜5のアルキル基もしくは炭素数2〜5のアルケニル基が特に好ましく、アルケニル基では式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。pは0〜2を表すが、1〜2が好ましく、2がより好ましい。Lは-CH2CH2-もしくは単結合を表すが、Lが複数存在する場合一つが-CH2CH2-であることが好ましい。環C、環Dはそれぞれ独立して1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表すが、環Cはトランス-1,4-シクロヘキシレン基が好ましく、環Dは1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基が好ましく、トランス-1,4-シクロヘキシレン基がより好ましい。Y3はF、-CF3、-OCF3もしくは-OCHF2を表すが、Fもしくは-OCF3が好ましく、Fがより好ましい。X7及びX8はそれぞれ独立してHもしくはFを表すが、X7及びX8の少なくとも一つがFであることが好ましく、一方がF、もう一方がHであることがより好ましい。
【0036】
発明9において、一般式(IV)の含有率は5〜40質量%の範囲あるが、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。
【0037】
発明10において、一般式(I)及び一般式(II)の含有率が30〜70質量%の範囲で、なおかつ一般式(III)、一般式(IV)の含有率が20〜70質量%の範囲であるが、一般式(I)及び一般式(II)の含有率が30〜60質量%で、なおかつ一般式(III)、一般式(IV)の含有率が30〜70質量%が好ましく、一般式(I)及び一般式(II)の含有率が30〜60質量%で、なおかつ一般式(III)の含有率が20〜50質量%で、なおかつ一般式(IV)の含有率が10〜20質量%がより好ましい。
【0038】
発明11において好ましい対応は発明1と同じ。
【0039】
発明12において、R3a、R4aはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表すが、炭素数1〜5のアルキル基もしくは炭素数2〜5のアルケニル基が好ましく、アルケニル基では式(a)〜(e)の構造がさらに好ましく、さらにR3a、R4aの少なくとも一つがアルケニル基であることが好ましい。R3b、R4bはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表すが、炭素数1〜5のアルキル基もしくは炭素数2〜5のアルケニル基が好ましく、アルケニル基では式(a)〜(e)の構造がさらに好ましく、さらにR3b、R4bの少なくとも一つがアルケニル基であることが好ましい。
【0040】
発明14において、R5aは炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表すが、炭素数1〜5のアルキル基もしくは炭素数2〜5のアルケニル基が好ましく、アルケニル基では式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。X7a及びX8aはそれぞれ独立してHもしくはFを表すが、少なくとも一つがFであることが好ましく、一方がF、もう一方がHであることがより好ましい。Y3aはFもしくは-OCF3を表すが、Fが好ましい。
【0041】
上記ネマチック液晶組成物はAM-LCDやSTN-LCDに有用であるがAM-LCDに特に有用であり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができる。本発明の液晶組成物は、上記の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などを含有していてもよい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味し、液晶相温度範囲(ネマチック液晶相温度範囲)とは特に指定がない限り、固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度からネマチック相−等方性液体相転移温度までを意味する。
【0043】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
TN-I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
T→N :固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度(℃)
Vth :セル厚6μmのTN-LCDを構成した時のしきい値電圧(V)
Δε :誘電異方性
Δn :屈折率異方性
τr=τd :応答速度 (msec)
(実施例1、比較例1、比較例2)
ネマチック液晶組成物No.1
【化18】
【0044】
を調製した。また、比較例1の液晶組成物
【化19】
【0045】
及び比較例2
【化20】
【0046】
を調整し共に諸特性を測定した結果を表1に示す。
【表1】
【0047】
まず、実施例1の液晶組成物と比較例1の組成物を比較する。液晶相上限温度がほぼ同等な場合、比較例1は低温の安定性で劣るため、実施例1の組成物が液晶相温度範囲では17℃も広く、閾値電圧も大幅に低いことが解る。また、屈折率異方性を大きくするために用いられることの多いトラン系化合物を合計40%近くも用いているにもかかわらず屈折率異方性が実施例1ほど大きくないことが解る。次に、実施例1の液晶組成物と比較例2の組成物を比較する。液晶相上限温度が実施例1よりやや優れる比較例2では、トラン系化合物の含有量が比較例1より少ないため屈折率異方性が十分上がりきらず、低温の安定性も低いため、実施例1に比べ液晶相温度範囲では10℃近くも狭いことが解る。また、この液晶組成物は99.5%の電圧保持率を示した。
ここで作製した組成物を用いて、優れた表示特性を示す液晶表示装置を作成することができた。
(実施例2、比較例3)
ネマチック液晶組成物No.2
【化21】
【0048】
を調製した。また、比較例3の液晶組成物
【化22】
を調整し共に諸特性を測定した結果を表2に示す。
【表2】
【0049】
表2に示すように、比較例3の液晶組成物は実施例2の液晶組成物に比べ、低温安定性に劣るため液晶相温度範囲では30℃も狭いことが解る。また、屈折率異方性は実施例2の液晶組成物が0.038も大きく、応答速度も大幅に早いため、ファーストミニマム条件下において素子のセル厚の薄くすることができるため、さらにその差は広がることが解る。さらに、実施例2の組成物は、比較例3の組成物に比べて0.2Vも低い閾値電圧を有する。この液晶組成物もまた、99.5%の電圧保持率を示した。
ここで作製した組成物を用いて、優れた表示特性を示す液晶表示装置を作成することができた。
(実施例3、比較例4)
ネマチック液晶組成物No.3
【化23】
を調製した。また、比較例4の液晶組成物
【0050】
【化24】
を調整し共に諸特性を測定した結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
表3に示すように、応答速度がほぼ同等な比較例4の液晶組成物と、実施例3の液晶組成物を比較すると、液晶相上限温度がやや低く低温安定性に劣るため液晶相温度範囲では20℃も実施例3が広いことが解る。また、実施例3の組成物は屈折率異方性が比較例4よりかなり大きいため、セル厚の狭い素子を用いたときファーストミニマム条件下の応答速度は実施例3の組成物が比較例4に比べかなり早くなることが予想される。また、この液晶組成物は99.5%の電圧保持率を示した。ここで作製した組成物を用いて、優れた表示特性を示す液晶表示装置を作成することができた。
【0052】
【発明の効果】
本発明の液晶材料及び液晶材料の組み合わせによって、ネマティック温度範囲が広く、屈折率異方性が高く、閾値電圧が低く、低い粘性を有し、高速応答性が優れた液晶組成物が得られた。また、この組成物を液晶表示素子として用いた場合、コントラスト及び信頼性が高く優れたものであった。この液晶ディスプレイはSTNおよびAM-LCDとして非常に実用的である。
Claims (18)
- 正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物を基礎とする液晶媒体であって、一般式(I)及び一般式(II)
(式中R1及びR2はそれぞれ独立的に、炭素数1〜15のアルキル基もしくはアルコキシル基または炭素数2〜15のアルケニル基を表し、環Aは1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、X1、X2、X3、X4、X5及びX6ははそれぞれ独立的に水素原子もしくはフッ素原子を表し、l、m及びnは0もしくは1を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に-F、-CF3、-OCF3、-OCHF2、-OCH2F、R1と同じ意味を表す。)から、それぞれの1種または2種以上の化合物を含有、屈折率異方性(Δn)が0.05〜0.3であることを特徴とする液晶組成物。 - 少なくとも2種以上の一般式(II)の化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の液晶媒体。
- 一般式(I)及び一般式(II)の化合物の含有率が10〜95質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜2の何れか一項に記載の液晶媒体。
- 一般式(III)の化合物を、少なくとも2種以上含むことを特徴とする請求項4に記載の液晶媒体。
- 一般式(III)の化合物の含有率が5〜70質量%の範囲あることを特徴とする請求項4又は5の何れか一項に記載の液晶媒体。
- 一般式(IV)の化合物を、少なくとも2種以上含むことを特徴とする請求項7に記載の液晶媒体。
- 一般式(IV)の化合物の含有率が5〜40質量%の範囲あることを特徴とする請求項7又は8の何れか一項に記載の液晶媒体。
- 一般式(I)及び一般式(II)の含有率が30〜70質量%の範囲で、なおかつ一般式(III)、一般式(IV)の含有率が20〜70質量%の範囲であることを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の液晶媒体。
- 請求項1〜14の何れか一項に記載の液晶媒体を用いた液晶表示素子。
- 請求項1〜14の何れか一項に記載の液晶組成物を用いた、ねじれ角が220°〜270°であることを特徴とする超捩れネマチック(STN)液晶表示素子。
- 請求項1〜14の何れか一項に記載の液晶媒体を用いたアクティブマトリックス(AM)液晶表示素子。
- 請求項1〜14の何れか一項に記載の液晶媒体を用いた反射型液晶表示素子。
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