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JP4794875B2 - 吸着剤の製造方法 - Google Patents
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JP4794875B2 - 吸着剤の製造方法 - Google Patents

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本発明は、燃料ガス中に含まれるイオウ、窒素成分などの不純物を効率的に除去しうる吸着剤の製造方法に関する。
近年、クリーンな水素をエネルギー源とする高効率、無公害でCO2等温暖化ガスを発生しない発電システムとして燃料電池が注目されている。このような燃料電池は、家庭や事業所など固定設備、自動車などの移動設備などでの使用を目的に本格的な開発研究が行われている。
この燃料電池に用いる燃料としては、天然ガス、LPガス、都市ガス、アルコール、ガソリン、灯油、軽油等の他バイオマスなどの炭化水素系燃料が挙げられる。
このような炭化水素系燃料を、まず水蒸気改質、部分酸化などの反応により水素ガス、COガスに変換し、後述するアノードを被毒して発電性能を低下させるCOガスを除去して水素ガスを得る。この水素は、アノードに供給され、アノードの金属触媒によって水素イオンと電子に解離し、電子は外部回路を通じて仕事をしながらカソードに流れ、水素イオンは電解質膜を拡散してカソードに流れ、カソードにてこの電子、水素イオンとカソードに供給される酸素とから水となって電解質膜に拡散する。すなわち、酸素と燃料ガスに由来する水素とを供給して水を生成する過程で電流を取り出すメカニズムになっている。
しかしながら、前記COガス除去工程では通常Ru、Pt、Ni、Fe等の貴金属あるいは金属触媒が用いられるが、燃料ガスあるいは燃料油中に硫黄成分がppmオーダーでも存在するとCO除去触媒が被毒されて活性が低下し、燃料電池の性能が低下する問題がある。
そこで、このような燃料ガス中の硫黄成分を除去することが望まれていた。
従来、吸着剤として、ゼオライト(結晶性アルミノシリケート)、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニア等の多孔質、高比表面積の無機酸化物、無機複合酸化物が用いられている。
また、本願出願人は、民生用の燃料油中の硫黄成分が低濃度である場合に効率的な吸着法による除去方法として前記無機酸化物あるいは活性炭に金属成分を担持した吸着剤の使用を提案している(特開2002−249787号公報、特許文献1)。
また、特開2002−66313号公報(特許文献2)には、Na−Y型ゼオライトに銀をイオン交換により担持したものが開示されている。さらに、特許第2969634号公報(特許文献3)にはMn、Fe、Co等のAg以外の金属イオン交換したゼオライトがメルカプタンなどの臭気性の硫黄化合物を効率的に吸着することが開示されている。
特開2002−249787号公報 特開2002−66313号公報 特許第2969634号公報
しかしながら、無機酸化物あるいは活性炭に金属成分を担持した吸着剤では、金属成分の担持位置が粒子の外表面に多くなるために分布が不均一であったり、大きな金属微粒子となるために充分な吸着性能が得られないことがあった。
また、ゼオライトに金属成分を担持した吸着剤ではSiO2/Al23モル比の低いゼオライトでは耐熱性に劣り、また、使用中に水を吸着してしまい破過時間が短くなる等吸着性能が不充分となることがあった。一方、SiO2/Al23モル比の高いゼオライトは金属成分を多く担持できないために吸着性能が不充分となることがあった。
さらに、前記従来の吸着剤では、成形体として用いる際に充分な強度が得られず、吸着剤を吸着装置に充填する際、あるいは取り出す際に粉化し、吸着装置のラインを閉塞するなどの問題があった。
本発明者等は、以上のような問題点を解決すべく鋭意検討した結果、吸着剤を構成する複合酸化物コロイド粒子を調製する際に、触媒として機能する金属成分をあらかじめアンミン錯体として、均一に粒子に含ませておけば、金属成分の含有量を任意に、しかも従来に比べて著しく多く含有することができ、また強度に優れた成形体を得ることができることを見出した。
(1)アルカリ水溶液またはアルカリ性種粒子分散液に、
(i)珪酸塩の水溶液および/または酸性珪酸液と、
(ii)アルミン酸、4硼酸、アンチモン酸、錫酸、アルミノ珪酸、バナジン酸、モリブデン酸、ジルコニル酸、タングステン酸、セレン酸、アンチモン酸、ビスマス酸、チタン酸、ニオブ酸、オキシ硫酸セリウム、オキシ炭酸ジルコニウム、リン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のオキソ酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩水溶液と、
(iii)Cu、Ag、Zn、Ni、Co、Zrから選ばれる少なくとも1種の金属のアンミン錯体水溶液とを、
混合して、複合化合物微粒子を調製し、
得られた微粒子を成形し焼成することを特徴とする吸着剤の製造方法。
(2)混合させる(iii)アンミン錯体の添加量が、吸着剤中の金属担持量に換算して0.1〜40重量%の範囲にある。
(3)(iii)アンミン錯体がCuおよび/またはAgの錯体である。
(4)前記複合化合物微粒子の平均粒子径が2〜500nmの範囲にある。
(5)(i)記珪酸塩および/または酸性珪酸液をSiO2としてのモル数(MS)で表し、(ii)オソ酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を、オキソ酸を構成する金属元素の酸化物換算したときのモル数(MNS)で表した時に、モル比(MS)/(MNS)が0.5〜20の範囲に(i)と(ii)とを添加する。
(6)(ii)前記オキソ酸塩がアルミン酸塩である。
本発明によれば、吸着剤を構成する複合酸化物コロイド粒子を調製する際に、触媒として機能する金属成分をあらかじめアンミン錯体として均一に粒子に含ませておくので、触媒成分が均一に吸着剤中に分散するとともに、金属含有量を任意にコントロールおよび多くすることができる。このため、吸着性能に優れた吸着剤を得ることができる。さらに、得られた吸着剤は、強度も高く、また強度に優れた成形体を得ることができるとともに、耐熱性も高く、また、均一に金属が分散しているので、使用中に水を吸着することもなく、破過時間も長くすることができる。さらに強度が高いので、充填しやすく、粉化もなく、吸着装置のラインを閉塞させることもない。
以下、本発明に係る吸着剤の製造方法について具体的に説明する。
本発明では、アルカリ水溶液またはアルカリ性種粒子分散液に、(i)珪酸塩の水溶液および/または酸性珪酸液と、(ii)特定のオキソ酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩水溶液と、(iii)アンミン錯体水溶液とを、混合して複合化合物微粒子を調製する。
(i)珪酸塩水溶液
本発明に用いる珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪酸塩の他、アンモニウムまたは有機塩基の珪酸塩を用いることができる。有機塩基としてはテトラエチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類を挙げることができ、アンモニウムの珪酸塩または有機塩基の珪酸塩には、酸性珪酸液にアンモニア、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、アミン化合物などを添加したアルカリ性水溶液も含まれる。
酸性珪酸液はアルカリ金属珪酸塩からイオン交換樹脂等で脱アルカリして得られるものである。
水溶液の珪酸塩(酸性珪酸液も含む)濃度は、酸化物(SiO2)として0.1〜10重量%、さらには0.5〜5重量%の範囲にあることが好ましい。濃度が前記下限より低いと、濃度が薄すぎて製造効率が著しく低下する。
シリカ源として用いる水溶液の濃度が酸化物として10重量%を超えると得られる複合化合物微粒子がゲル化あるいは凝集を起こしてしまい、コロイド領域の微粒子が得られないことがある。
(ii)オキソ酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩オキソ酸としては、アルミン酸、4硼酸、アンチモン酸、錫酸、アルミノ珪酸、バナジン酸、モリブデン酸、ジルコニル酸、タングステン酸、セレン酸、アンチモン酸、ビスマス酸、チタン酸、ニオブ酸、オキシ硫酸セリウム、オキシ炭酸ジルコニウム、リン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のオキソ酸が例示される。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられ、アンモニウム塩は、第4級アンモニウムであれば特に制限されない。
このようなオキソ酸としては、アルミン酸ナトリウム、4硼酸ナトリウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、アンチモン酸カリウム、錫酸カリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、硝酸セリウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。
なかでもアルミン酸類は、シリカ成分と複合しやすく、特に、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等は、溶解度が高く、シリカ源と容易に反応して複合化しやすいので好適に用いることができる。
オキソ酸塩水溶液の濃度は、酸化物換算で0.1〜10重量%、さらには0.5〜5重量%の範囲にあることが好ましい。
濃度が薄ければ、製造効率が著しく低下することがある。濃度が高すぎても、シリカ源とシリカ以外の無機酸化物源との反応が不均一となり、得られる複合化合物微粒子中のシリカ以外の成分の分布が不均一となり、金属成分の分布も不均一となるためか吸着性能が不充分となることがある。
(iii)アンミン錯体水溶液
金属のアンミン錯体の金属としては、Cu、Ag、Zn、Ni、Co、Zr等アンミン錯体を形成しうる金属を用いることができ、具体的に、アンミン錯体としては、[Cu(NH3)4]2+、[Ag(NH3)2]+、[Zn(NH3)4]2+、[Co(NH3)6]2+、[Ni(NH3)6]2+、(NH4)2ZrO(CO3)2(但し(i)で炭酸ジルコニウムアンモニウムを使用しない場合に限る)等、さらにアンモニウムが挙げられる。なお、対イオンは特に制限されるものではないが、通常、OH、CO3、Cl、NO3、SO4、CH3COOなどが挙げられるが、これらに限定されるものではないなお、このような金属のアンミン錯体は、前記金属あるいは金属の酸化物をアンモニア水に溶解して得られる溶液を用いることもできる。
金属のアンミン錯体の金属としては、特にCuおよび/またはAgが好ましい。Cuおよび/またはAgは、臭い成分でもあるメルカプタン類、チオフェン類、サルファイド類等の硫黄化合物に対する吸着性能に優れているので好適に用いることができる。
このような金属のアンミン錯体水溶液の濃度は、金属換算で0.1〜10重量%、さらには0.5〜5重量%の範囲にあることが好ましい。アンミン錯体水溶液の濃度が少ないと、得られる複合化合物微粒子中の金属成分の含有量が不充分となったり、製造効率が著しく低下することがある。また、アンミン錯体水溶液の濃度が多すぎると、生成した金属が凝集してしまい、複合酸化物微粒子中に均一に分散し難くなり、吸着性能が不充分となることがある。
本発明では、以上のような(i)珪酸塩の水溶液および/または酸性珪酸液と、(ii)オキソ酸塩水溶液と、(iii)アンミン錯体水溶液とを、アルカリ性水溶液またはアルカリ性の種粒子分散液に攪拌しながら添加する。このときのアルカリ水溶液またはアルカリ性種粒子分散液のpHは10以上であることが好ましい。添加方法は、(i)〜(iii)をそれぞれ同時に添加するか、あらかじめ調製した(i)と(ii)の混合水溶液と(iii)を同時に添加してもよい。
通常、混合すると、シリカと、オキソ酸を構成する元素の酸化物(アルミナなど)の複合酸化物が析出する(なお、溶液中での析出なので通常は水酸化物となる)。
(i)珪酸塩水溶液、(ii)オキソ酸塩水溶液は通常アルカリ性であり、pHが10以上であるが、必要に応じて、混合時にpHが10以上となるようにアルカリ水溶液を添加してもよい。
(i)珪酸塩水溶液と(ii)オキソ酸塩水溶液との混合割合は、得られる無機複合酸化物化合物粒子中のシリカのモル数(MS)とオキソ酸から誘導されるシリカ以外の無機酸化物のモル数(MNS)とのモル比(MS)/(MNS)が、0.5〜20、さらには1〜10の範囲となるように、混合することが好ましい。この範囲にあると得られる複合化合物の複合効果が高く、微粒子の比表面積が高く、充分な吸着性能を有するとともに、金属の含有量を高くすることができる。
モル比(MS)/(MNS)比が小さい場合、生成する微粒子が不安定で、比表面積は高くなるものの、安定な無機酸化物微粒子が得られず、モル比(MS)/(MNS)が大きすぎると、シリカ粒子のみの性質に近くなり、得られる複合化合物微粒子の比表面積が低く、充分な吸着性能が得られないことがある。また、アンミン錯体に由来する金属の担持量が少なくなるので、吸着性能が不充分となる傾向がある。
(iii)金属アンミン錯体水溶液は、最終的に得られる複合化合物微粒子中の金属の含有量が0.1〜40重量%、さらには1〜30重量%の範囲となるように添加することが好ましい。金属のアンミン錯体水溶液の添加量が少なければ、それだけ活性成分の金属が少なくなり充分な吸着性能が低くなり、一方、金属のアンミン錯体水溶液の添加量が多すぎると、得られる複合化合物微粒子中に取り込むことが困難であったり、複合化合物微粒子中での分布が不均一となり、充分な吸着性能が得られないことがある。
上記各水溶液の添加と同時に混合液のpHは変化するが、本発明ではこのpHを所定の範囲に制御する必要はない。
本発明に係る製造方法では、種粒子分散液を用いると、種粒子が核となり、粒子成長が促進される。種粒子を核として複合化合物微粒子を調製すると複合化合物微粒子の粒子径分布の揃った粒子を得ることができるとともに粒子径のコントロールが容易である。種粒子としては、SiO2、Al23、TiO2またはZrO2等の無機酸化物またはこれらの複合
酸化物の微粒子が用いられ、通常、これらのゾルを用いることができる。また、本発明の製造方法によって得られる複合化合物微粒子を種粒子として用いることもできる。
上記した各水溶液はいずれもアルカリ側で高い溶解度を有している。しかしながら、この溶解度の高いアルカリ領域で各水溶液を混合すると、珪酸イオンおよびオキソ酸イオンの溶解度が低下し、これらの複合物が析出して微粒子になるが、このとき、まわりに存在する金属アンミン錯体を取り込んだ複合化合物の粒子が析出し、さらに粒子成長して複合化合物微粒子が得られると考えられる。また、種粒子が存在する場合は、種粒子上に複合化合物が析出するとともに粒子成長して複合化合物微粒子が得られると考えられる。
このようにして得られる複合化合物微粒子は一種のコロイド粒子であるが、従来のコロイド粒子と異なり、多孔質で大きな比表面積を持っている。
得られる複合化合物微粒子の平均粒子径は、通常2〜500nm、さらには5〜300nmの範囲にあることが好ましい。本発明では、平均粒径が前記範囲になるようにそれぞれの原料の添加量を制御する。複合化合物微粒子の平均粒子径が2nm未満のものは得る事が困難であり、得られたとしてもゲル化あるいは凝集を起こし易く、後述する成形体として用いる際の成形性等が低下する。複合化合物微粒子の平均粒子径が500nmを超えると、最終的に得られる吸着剤の比表面積が小さくなり、充分な吸着性能が得られないことがある。なお、本発明の複合化合物微粒子の平均粒子径は動的散乱法によって求めることができる。
また、得られる複合化合物微粒子の比表面積は、通常400〜1300m2/g、さらには500〜1200m2/gの範囲にある。本発明では、比表面積が前記範囲になるようにそれぞれの原料の添加量を制御する。
なお、複合化合物微粒子の比表面積はタイトレーション法[Analytical Chemistry Vol.28,No.12(1956)]に基づいて測定することができる。
ついで、得られた複合化合物微粒子分散液は、必要に応じて、洗浄してもよい。洗浄する方法としてはイオン交換樹脂を用いる方法、限外濾過膜法等を採用することができる。
次に得られた微粒子を成形するが、成形に際して複合化合物微粒子分散液から、微粒子を取り出し、乾燥して公知の乾式成形方法で成形することも可能であるが、乾燥すると凝集することがあるので、分散液を必要に応じて濃縮・希釈し、乾燥することなく、湿式のまま成形することが望ましい。
成型する方法としては従来公知の押し出し成型法が一般的であり、押し出し成形によりペレットを得る。
成形する際には複合酸化物粒子分散液(ペースト、半乾半湿の分散体も含む)の水分含有量を5〜40重量%、さらには10〜30重量%となるように調整することが望ましい。
水分調整方法としては限外濾過膜法あるいはロータリーエバポレーター法による濃縮を例示することができる。さらに水分調整する方法としては、噴霧乾燥、スチームジャケット付きニーダー、ロータリーエバポレーター、定温乾燥器を使用する等の方法がある。
水分含有量が前記範囲より少ないと、成形が困難となり、成形できても容易に粉化することがある。水分含有量が多すぎても、押し出し成形して得られるペレットが互いに付着して凝集した成形体となることがある。
なお、成形する際に分散液に成形助剤を添加することもできる。成形助剤としては、結晶セルローズ、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ポリビニルアルコール、澱粉、リグニン等が挙げられる。
このような成形助剤を加えると、成形時の最適水分幅が広くなり、水分調整が容易になるとともに成形性も優れる。
成形助剤の添加量は、全固形分の0.5〜15重量%、さらには1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。成形助剤の添加量が、少ないと上記した成形助剤を添加する効果が充分得られず、多すぎても、造粒時に粉化したり、得られる成形体の強度や耐摩耗性が低下する傾向にある。
成形されるペレットの大きさは特に制限されるものではなく、用途、充填容器の大きさ、使用条件などに応じて適宜選択される。通常、径は、概ね0.3〜5mm、さらには0.5〜4mmの範囲にあり、長さが0.3〜20mm、さらには0.5〜10mmの範囲にあるものが成形される。この範囲以外のものでも、成形は可能であるが、径やペレットの長さが小さいものは、成形効率が悪く、また径を大きくしても、最終的に吸着剤として使用する際に充填密度が低下して吸着性能が不充分となることがある。またペレットの長さを長くしても吸着剤として使用する際に折れ易くなったり、充填密度が低下して吸着性能が不充分となることがある。
成形されたペレットは、乾燥する前に、回転造粒機により球状に、少なくともペレットの角が丸みを帯びる程度に球状化させてもよい。このような球状化する際のペレットは径と長さが近接したペレットを用いることが好ましい。
ついで、ペレットを乾燥する。乾燥方法としては従来公知の方法を採用することができ、通常80〜150℃で、0.5〜12時間程度乾燥する。
乾燥後、焼成するが、焼成温度は300〜800℃、さらには400〜700℃の範囲にあることが好ましい。この焼成によって、成形体を構成する複合酸化物微粒子中の水酸化物が酸化物になるとともに、金属アンミン錯体の少なくとも一部が還元されて金属となる。
焼成温度が低いと、得られる成形体の強度や耐摩耗性が不十分となることがある。また水分子が吸着した状態で多く残存することがあり、このため硫黄化合物等の吸着性能が不充分となることがある。
焼成温度が高すぎると、複合酸化物が焼結して得られる吸着剤の比表面積が低下したり、また、金属成分が凝集したり、さらには実質的に酸化物となるためか充分な吸着性能が得られないことがある。
吸着剤
以上のような本発明に係る製造方法で得られた吸着剤は、シリカとシリカ以外の無機酸化物と金属アンミン錯体に由来する金属を含んでなる無機酸化物微粒子から構成されている。なお、金属アンミン錯体に由来する金属は、イオン状態(イオン結合)であっても金属であってもよい。
吸着剤を構成する無機酸化物粒子中のシリカのモル数(MS)とシリカ以外の無機酸化
物のモル数(MNS)とのモル比(MS)/(MNS)は、通常、仕込んだ(i)珪酸塩水溶液と
(ii)オキソ酸塩水溶液とのモル比に相当する。また、金属アンミン錯体に由来する金属の含有量は(iii)金属アンミン錯体の仕込み量に相当する。
したがって、(MS)/(MNS)は、0.5〜20、さらには1〜10の範囲にあるものは、複合効果が高く、微粒子の比表面積が高く、充分な吸着性能を有するとともに、金属の含有量も高いので吸着剤として好適である。
本発明で得られる吸着剤の比表面積は、特に制限されるものではないが、200〜1000m2/g、さらには300〜800m2/gの範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば吸着性能が高く、また、強度にも優れている。吸着剤の表面積は、実質的には、複合酸化物粒子の比表面積に相当する。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
無機酸化物微粒子(1)分散液の調製
平均粒子径5nm、SiO2として濃度20重量%のシリカゾル(pH10.5)14gと純水266gの混合物を攪拌しながら80℃に加温した。これにSiO2として3重量%の珪酸ナトリウム水溶液840gとAl23として濃度3重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液317g、Agとして濃度1重量%のアンミン錯体([Ag(NH3)2]OH)水溶液1250gを同時に3時間掛けて添加した(添加後のpHは12.3であった)。
この間、温度は80℃に保持した。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、ついで限外濾過膜法で洗浄し、濃縮して固形分濃度10重量%のSiO2・Al23・Agからなる無機酸化物微粒子(1)分散液を調製した。
無機酸化物微粒子(1)の金属の含有量、平均粒子径および比表面積を表1に示した。
吸着剤(1)の調製
無機酸化物微粒子(1)分散液に結晶性セルロースを2重量%添加し、スチームジャケット付ニーダーに入れ攪拌しながら水分含有量が28重量%となるまで濃縮した。これを押し出し成型機にて径が2mm、長さが約6mmのペレットを成形した。
得られたペレットは130℃で16時間乾燥し、550℃で焼成し、吸着剤(1)を得た。吸着剤(1)の径と長さを表1に示した。
性能評価(1)
内径28.4mmのステンレス鋼製反応管に吸着剤(1)20gを充填した。
ついで、吸着用ガスとしてメチルメルカプタンガス(濃度6.6ppm)を空間速度(SV)が32,000h-1となるように供給した。このとき、圧力は常圧、温度は25±3℃に維持した。
メチルメルカプタンの吸着量は以下のようにして求めた。
まず、出口ガス中のメチルメルカプタンの濃度をガスクロマトグラフ法によって分析し、メチルメルカプタンの濃度が0.5ppmとなった時点でメチルメルカプタンの供給を停止した。このときまでの吸着量を積算し、吸着剤(1)に対する重量%として、結果を表1に示した。また、出口のメチルメルカプタンの濃度が0.5ppmとなるまでの時間を破過時間として結果を表1に示した。
性能評価(2)
性能評価(1)において、吸着用ガスとしてメチルメルカプタンガス(濃度6.6ppm)の相対湿度(RH)が50%となるように水を加えて調整したガスを用いた以外は同様にして行い、結果を表2に示した。
性能評価(3)
性能評価(1)において、吸着用ガスとしてメチルメルカプタンガス(濃度6.6ppm)の相対湿度(RH)が90%となるように水を加えて調整したガスを用いた以外は同様にして行い、結果を表1に示した。
[実施例2]
無機酸化物微粒子(2)分散液の調製
平均粒子径5nm、SiO2として濃度20重量%のシリカゾル1(pH10.5)8gと純水342gの混合物を攪拌しながら80℃に加温した。これにSiO2として濃度5重量%の珪酸ナトリウム水溶液648gとAl23として濃度1重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液500g、Agとして濃度1重量%のアンミン錯体水溶液900gを同時に3時間掛けて添加した(添加後のpHは12.25であった)。この間、反応液の温度は80℃に保持した。
添加終了後、反応液を室温まで冷却し、ついで限外濾過膜法で洗浄し、濃縮して固形分濃度10重量%のSiO2・Al23・Agからなる無機酸化物微粒子(2)分散液を調製した。
無機酸化物微粒子(2)の金属の含有量、平均粒子径および比表面積を表1に示した。
吸着剤(2)の調製
無機酸化物物微粒子(2)分散液に結晶性セルロースを2重量%添加し、スチームジャケット付ニーダーに入れ攪拌しながら水分含有量が29重量%となるまで濃縮した。これを押し出し成型機にて径が2mm、長さが約6mmのペレットを成形した。
得られたペレットは130℃で16時間乾燥し、550℃で焼成し、吸着剤(2)を得
た。吸着剤(2)の径と長さを表1に示した。
得られた吸着剤(2)について性能評価(1)、(2)および(3)を実施し、結果を表1に示した。
[実施例3]
無機酸化物微粒子(3)分散液の調製
平均粒子径5nm、SiO2として濃度20重量%のシリカゾル(pH10.5)17gと純水318gの混合物を攪拌しながら80℃に加温した。これにSiO2として濃度3重量%
の珪酸ナトリウム水溶液1005gとAl23として濃度1重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1150g、Cuとして濃度1重量%のアンミン錯体水溶液500gを同時に4時間掛けて添加した(添加後のpHは12.3であった)。この間、反応液の温度は80℃に保持した。
添加終了後、反応液を室温まで冷却し、ついで限外濾過膜法で洗浄し、濃縮して固形分濃度10重量%のSiO2・Al23・Cuからなる無機酸化物微粒子(3)分散液を調製した。
無機酸化物微粒子(3)の金属の含有量、平均粒子径および比表面積を表1に示した。
吸着剤(3)の調製
無機酸化物微粒子(3)分散液にメチルセルロース、結晶性セルロースをそれぞれ1重量%添加し、スチームジャケット付ニーダーに入れ攪拌しながら水分含有量が28重量%となるまで濃縮した。これを押し出し成型機にて径が2mm、長さが約6mmのペレットを成形した。
得られたペレットは130℃で16時間乾燥し、550℃で焼成し、吸着剤(3)を得た。吸着剤(3)の径と長さを表1に示した。
得られた吸着剤(3)について性能評価(1)、(2)および(3)を実施し、結果を表1に示した。
[実施例4]
吸着剤(4)の調製
実施例1と同様にして調製した無機酸化物微粒子(1)分散液を噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥した。得られた乾燥粉末の水分含有量は14重量%であった。これを攪拌混合しながら水分を添加し、水分含有量が26重量%の粉末を得た。この粉末を造粒機(不二パウダル(株)製:マルメライザー)に添加し、400rpmで回転させながら径が約2mmの球状粒子を成形した。
得られた球状粒子は110℃で16時間乾燥し、550℃で焼成し、吸着剤(4)を得た。吸着剤(4)の径を表1に示した。
得られた吸着剤(4)について性能評価(1)、(2)および(3)を実施し、結果を表1に示した。
[実施例5]
無機酸化物微粒子(4)分散液の調製
平均粒子径5nm、SiO2として濃度20重量%のシリカゾル(pH10.5)16gと純水309gの混合物を攪拌しながら80℃に加温した。これにSiO2として濃度3重量%の珪酸ナトリウム水溶液975gとB23として濃度1重量%の四硼酸ナトリウム水溶液750g、Agとして濃度1重量%のアンミン錯体水溶液1000gを同時に3時間掛けて添加した。
この間、反応液の温度は80℃に保持した。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、ついで限外濾過膜法で洗浄し、濃縮して固形分濃度10重量%のSiO2・B23・Agからなる無機酸化物微粒子(4)分散液を調製した。
無機酸化物微粒子(4)の金属の含有量、平均粒子径および比表面積を表1に示した。
吸着剤(5)の調製
無機酸化物微粒子(4)分散液に結晶性セルロースを2重量%添加し、スチームジャケット付ニーダーに入れ攪拌しながら水分含有量が28重量%となるまで濃縮した。これを押し出し成型機にて径が2mm、長さが約6mmのペレットを成形した。
得られたペレットは130℃で16時間乾燥し、550℃で焼成し、吸着剤(5)を得た。吸着剤(5)の径と長さを表1に示した。
得られた吸着剤(5)について性能評価(1)、(2)および(3)を実施し、結果を表1に示した。
[比較例1]
吸着剤(R1)の調製
NaYゼオライト粉末(触媒化成工業(株)製、SiO2/Al23=5.1、水分1
7重量%)120gを純水1L中に懸濁し、硝酸銀39.4gを添加した後、濃度10重量%の硝酸によりpHを6.5に調整した。この後、50℃で1時間攪拌してイオン交換した。これをろ過洗浄し、130℃で16時間乾燥し、乳鉢により粉砕し銀をイオン交換したゼオライト(AgY)粉末を得た。粉末中のAg含有量が20重量%であった。
得られたAgYゼオライト粉末に、全固形分中のバインダーとしてのAl23含有量が20重量%となるようにアルミナゾル(触媒化成工業(株)製:AP−1、Al23濃度70重量%)を混合し、これに水分が41重量%となるように水を加え、充分混練し、これを押し出し成型機にて径が2mm、長さが約5.5mmのペレットを成形した。
得られたペレットは130℃で16時間乾燥し、550℃で焼成し、吸着剤(R1)を得た。吸着剤(R1)の径と長さを表1に示した。
得られた吸着剤(R1)について性能評価(1)、(2)および(3)を実施し、結果を表1に示した。
[比較例2]
吸着剤(R2)の調製
βゼオライト粉末(SiO2/Al23=27、水分4重量%)104gを純水1Lに懸濁した。これに硝酸銀39.4gを添加し、濃度10重量%の硝酸によりpHを6.5に調整した。この後、50℃で1時間攪拌混合する。これをろ過洗浄し、130℃で16時間乾燥し、乳鉢により粉砕し銀をイオン交換したゼオライト(Agβ)粉末を得た。粉末中のAg濃度は5重量%であった。
得られたAgβゼオライト粉末に、全固形分中のバインダーとしてのAl23含有量が20重量%となるようにアルミナゾル(触媒化成工業(株)製:AP−1、Al23濃度70重量%)を混合し、これに水分が41重量%となるように水を加え、充分混練し、これを押し出し成型機にて径が2mm、長さが約5.5mmのペレットを成形した。
得られたペレットは130℃で16時間乾燥し、550℃で焼成し、吸着剤(R2)を得た。吸着剤(R2)の径と長さを表1に示した。
得られた吸着剤(R2)について性能評価(1)、(2)および(3)を実施し、結果を表1に示した。
Figure 0004794875

Claims (6)

  1. アルカリ水溶液またはアルカリ性種粒子分散液に、
    (i)珪酸塩の水溶液および/または酸性珪酸液と、
    (ii)アルミン酸、4硼酸、アンチモン酸、錫酸、アルミノ珪酸、バナジン酸、モリブデン酸、ジルコニル酸、タングステン酸、セレン酸、アンチモン酸、ビスマス酸、チタン酸、ニオブ酸、オキシ硫酸セリウム、オキシ炭酸ジルコニウム、リン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のオキソ酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩水溶液と、
    (iii)Cu、Ag、Zn、Ni、Co、Zrから選ばれる少なくとも1種の金属のアンミン錯体水溶液とを、混合して、複合化合物微粒子を調製し、
    得られた微粒子を成形し焼成することを特徴とする吸着剤の製造方法。
  2. 混合させる(iii)アンミン錯体の添加量が、吸着剤中の金属担持量に換算して0.1〜40重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の吸着剤の製造方法。
  3. (iii)アンミン錯体がCuおよび/またはAgの錯体であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の吸着剤の製造方法。
  4. 前記複合化合物微粒子の平均粒子径が2〜500nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸着剤の製造方法。
  5. (i)記珪酸塩および/または酸性珪酸液をSiO2としてのモル数(MS)で表し、(ii)オキソ酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を、オキソ酸を構成する金属元素の酸化物換算したときのモル数(MNS)で表したときに、モル比(MS)/(MNS)が0.5〜20の範囲に(i)と(ii)とを添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸着剤
    の製造方法。
  6. (ii)前記オキソ酸塩がアルミン酸塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸着剤の製造方法。
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