以下、本発明の一実施の形態に係る検査回路、電池パック及び電池パックユニットについて図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電池パックの構成を示す図である。図1に示す電池パック1は、第1の制御IC(Integrated Circuit)2、第2の制御IC3、外部接続端子11〜14、複数の二次電池Vb1〜Vb4、FET(Field Effect Transistor)Q1,Q2,Q3及び温度ヒューズF1を備えて構成される。二次電池Vb1〜Vb4は、例えばリチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、ニッケル水素二次電池、あるいはニッケルカドミウム二次電池等の充電可能な二次電池である。
外部接続端子11,12は、二次電池Vb1〜Vb4を充電するための充電装置を接続したり、二次電池Vb1〜Vb4からの放電電流により駆動される携帯電話機やデジタルカメラ等のモバイル機器、パーソナルコンピュータ、電動工具、ロボット、電動自転車等の駆動用電源を接続したりするための接続端子である。外部接続端子11は、温度ヒューズF1、FETQ1及びFETQ2を介して二次電池Vb1〜Vb4の正極に接続され、外部接続端子12は、二次電池Vb1〜Vb4の負極に接続される。
FETQ1は、寄生ダイオードのアノードが二次電池Vb1〜Vb4側になる方向にされており、FETQ2は、寄生ダイオードのアノードが外部接続端子11側になる方向にされている。そして、FETQ1は、二次電池Vb1〜Vb4が過充電になった場合に充電電流を遮断する過充電保護用のスイッチとして用いられ、FETQ2は、二次電池Vb1〜Vb4の放電電流が過大になった場合に放電電流を遮断する過放電保護用のスイッチとして用いられる。
また、温度ヒューズF1には、二次電池Vb1〜Vb4と並列にFETQ3が接続されている。FETQ3は、寄生ダイオードのアノードが外部接続端子12側になる方向にされている。そして、FETQ3は、二次電池Vb1〜Vb4が過充電になった場合に温度ヒューズF1を溶断し、充電電流を遮断する過充電保護用のスイッチとして用いられる。
外部接続端子13,14は、パーソナルコンピュータ等の外部機器と接続するための端子であり、外部接続端子13はデータラインに接続され、外部接続端子14はクロックラインに接続されている。
第1の制御IC2は、MPU(Micro Processing Unit)21、D/A(デジタル/アナログ)コンバータ22、A/D(アナログ/デジタル)コンバータ231〜234、コンパレータ24、メモリ25及びスイッチSW1を備える。
A/Dコンバータ231の入力端子は二次電池Vb1の正極に接続され、出力端子はMPU21に接続されている。A/Dコンバータ232の入力端子は抵抗R1を介して二次電池Vb2の正極に接続され、出力端子はMPU21に接続されている。A/Dコンバータ233の入力端子は二次電池Vb3の正極に接続され、出力端子はMPU21に接続されている。A/Dコンバータ234の入力端子は抵抗R2を介して二次電池Vb4の正極に接続され、出力端子はMPU21に接続されている。
A/Dコンバータ231は、二次電池Vb1の電圧値を検出し、検出した電圧値をアナログ値からデジタル値に変換して、第1の制御IC2へ出力する。A/Dコンバータ232は、二次電池Vb2の電圧値を検出し、検出した電圧値をアナログ値からデジタル値に変換して、第1の制御IC2へ出力する。A/Dコンバータ233は、二次電池Vb3の電圧値を検出し、検出した電圧値をアナログ値からデジタル値に変換して、第1の制御IC2へ出力する。A/Dコンバータ234は、二次電池Vb4の電圧値を検出し、検出した電圧値をアナログ値からデジタル値に変換して、第1の制御IC2へ出力する。
MPU21は、各A/Dコンバータ231〜234から入力された各二次電池Vb1〜Vb4の電圧値と、予め設定されている第1の過充電保護電圧値V1とを比較する。各二次電池Vb1〜Vb4の電圧値が第1の過充電保護電圧値V1に達した場合、MPU21はFETQ1をオフする。このように、各二次電池Vb1〜Vb4の電圧値が第1の過充電保護電圧値V1に達した場合、外部接続端子11と二次電池Vb1〜Vb4との間が遮断され、充電が停止され、過充電から保護される。なお、本実施の形態における第1の過充電保護電圧値V1は、二次電池Vb1〜Vb4の定格電圧が4.2Vであるので、例えば4.35Vに予め設定されている。
また、MPU21は、各A/Dコンバータ231〜234から入力された各二次電池Vb1〜Vb4の電圧値と、予め設定されている過放電電圧値とを比較する。各二次電池Vb1〜Vb4の電圧値が過放電電圧値に達した場合、MPU21はFETQ2をオフする。このように、各二次電池Vb1〜Vb4の電圧値が過放電電圧値に達した場合、二次電池Vb1〜Vb4は回路から遮断されて保護される。なお、本実施の形態における過放電電圧値は、二次電池Vb1〜Vb4の特性を劣化させない範囲の最小の電圧値に予め設定されている。
D/Aコンバータ22の入力端子はMPU21に接続され、出力端子はスイッチSW1に接続されている。D/Aコンバータ22は、各二次電池Vb1〜Vb4の端子電圧をデジタル値からアナログ値に変換し、入力値に対応する電圧を出力する。
スイッチSW1は、MPU21からの制御に基づき、D/Aコンバータ22の出力先を端子OFF、端子CN1及び端子CN2のいずれかに切り換える。端子CN1は、二次電池Vb1の負極と二次電池Vb2の正極との間に接続され、端子CN2は、二次電池Vb3の負極と二次電池Vb4の正極との間に接続されている。
第1の制御IC2の保護動作の検査時において、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧を変化させ、二次電池Vb1〜Vb4の各端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させる。また、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧が第1の過充電保護電圧値V1に達した場合、第1の制御IC2の保護動作が実行されることを確認する。メモリ25は、例えば不揮発性のメモリで構成され、MPU21による検査結果を記憶する。
第2の制御IC3は、論理回路31、コンパレータM1〜M4及び基準電圧源E1〜E4を備える。二次電池Vb1の正極が、コンパレータM1のプラス端子に接続され、基準電圧源E1から出力された基準電圧Ref1(第2の過充電保護電圧値V2)が、コンパレータM1のマイナス端子に印加され、コンパレータM1の出力端子は論理回路31に接続されている。コンパレータM1は、外部接続端子11,12に接続された図略の充電装置によって二次電池Vb1が充電され、二次電池Vb1の電圧が基準電圧Ref1を超えると、過充電を示す検知信号を論理回路31へ出力する。
二次電池Vb2の正極が、コンパレータM2のプラス端子に接続され、基準電圧源E2から出力された基準電圧Ref2(第2の過充電保護電圧値V2)が、コンパレータM2のマイナス端子に印加され、コンパレータM2の出力端子は論理回路31に接続されている。コンパレータM2は、外部接続端子11,12に接続された図略の充電装置によって二次電池Vb2が充電され、二次電池Vb2の電圧が基準電圧Ref2を超えると、過充電を示す検知信号を論理回路31へ出力する。
二次電池Vb3の正極が、コンパレータM3のプラス端子に接続され、基準電圧源E3から出力された基準電圧Ref3(第2の過充電保護電圧値V2)が、コンパレータM3のマイナス端子に印加され、コンパレータM3の出力端子は論理回路31に接続されている。コンパレータM3は、外部接続端子11,12に接続された図略の充電装置によって二次電池Vb3が充電され、二次電池Vb3の電圧が基準電圧Ref3を超えると、過充電を示す検知信号を論理回路31へ出力する。
二次電池Vb4の正極が、コンパレータM4のプラス端子に接続され、基準電圧源E4から出力された基準電圧Ref4(第2の過充電保護電圧値V2)が、コンパレータM4のマイナス端子に印加され、コンパレータM4の出力端子は論理回路31に接続されている。コンパレータM4は、外部接続端子11,12に接続された図略の充電装置によって二次電池Vb4が充電され、二次電池Vb4の電圧が基準電圧Ref4を超えると、過充電を示す検知信号を論理回路31へ出力する。
なお、本実施の形態における基準電圧Ref1〜4は、第1の過充電保護電圧値V1よりも大きい例えば4.45Vに予め設定されている。
論理回路31は、コンパレータM1〜M4から過充電を示す検知信号が出力されると、二次電池Vb1〜Vb4の充電を停止させるべく制御信号をFETQ3のベースへ出力することによりFETQ3をオンさせる。温度ヒューズF1は、FETQ3がオンされると、内部の抵抗に電流が流れる。これにより、抵抗が発熱し、抵抗に熱接続されたヒューズ部が所定の温度まで上昇した時点で溶融遮断し、充電電流を完全に遮断する。第2の制御IC3は、第1の制御IC2が何らかの異常により正常に動作しなかった場合に、二次電池Vb1〜Vb4を過剰な充電から保護するようになっている。
また、コンパレータ24のマイナス端子が、FETQ3のゲートと論理回路31との間に接続され、コンパレータ24のプラス端子が基準電圧源E5の正極に接続されている。なお、基準電圧源E5の負極は接地されている。正常に充電が行われている場合、FETQ3がオフされているので、コンパレータ24は、ハイレベルの検出信号をMPU21へ出力する。一方、FETQ3がオンされた場合、コンパレータ24は、ローレベルの検出信号をMPU21へ出力する。
第2の制御IC3の保護動作の検査時において、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧を変化させ、二次電池Vb1〜Vb4の各端子電圧を第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させる。また、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧が第2の過充電保護電圧値V2に達した場合、第2の制御IC3の保護動作が実行されることを確認する。
なお、本実施の形態において、第1の制御IC2が検査回路の一例に相当し、FETQ1が第1のスイッチング手段の一例に相当し、A/Dコンバータ231〜234が電圧値検出手段の一例に相当し、MPU21が第1の保護手段の一例に相当し、D/Aコンバータ22がデジタル・アナログコンバータの一例に相当し、MPU21が電圧制御手段の一例に相当し、MPU21が保護動作確認手段の一例に相当する。また、FETQ3が第2のスイッチング手段の一例に相当し、第2の制御IC2が第2の保護手段の一例に相当し、スイッチSW1が第3のスイッチング手段の一例に相当し、二次電池Vb1〜Vb4が第1〜第4の二次電池の一例に相当し、A/Dコンバータ231〜234が第1〜第4の電圧値検出手段の一例に相当し、端子CN1が第1の端子の一例に相当し、端子CN2が第2の端子の一例に相当する。さらに、メモリ25が検査結果記憶手段の一例に相当し、MPU21が送信手段の一例に相当する。
ここで、過剰な充電を保護する第1の制御IC2及び第2の制御IC3が正常に動作するかの検査について説明する。なお、以下の説明は、電池パックの製造工場内で行われる検査処理である。まず、外部接続端子13,14にパーソナルコンピュータが接続され、パーソナルコンピュータから検査開始信号がMPU21に入力される。MPU21は、検査開始信号が入力されると、検査モードに移行する。検査モードにおいて、MPU21は、スイッチSW1を端子OFFから端子CN1に切り換える。
MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させ、二次電池Vb1の端子電圧を擬似的に上昇させる。すなわち、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させることにより、二次電池Vb1の端子電圧が擬似的に上昇し、A/Dコンバータ231によって検出される電圧値が上昇する。A/Dコンバータ231は、二次電池Vb1の電圧値を検出し、MPU21へ出力する。MPU21は、A/Dコンバータ231によって検出された二次電池Vb1の電圧値が予め設定されている第1の過充電保護電圧値V1に達したか否かを判断する。ここで、二次電池Vb1の電圧値が第1の過充電保護電圧値V1に達していないと判断された場合、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧をさらに降下させ、二次電池Vb1の端子電圧をさらに上昇させる。
一方、二次電池Vb1の電圧値が第1の過充電保護電圧値V1に達したと判断された場合、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させるのを停止し、FETQ1をオフする制御信号を出力する。このとき、MPU21は、A/Dコンバータ231の検出電圧値が正常範囲内であるか否かを確認する。なお、正常範囲内とは、例えば第1の過充電保護電圧値V1±0.05Vの範囲内である。例えば、第1の過充電保護電圧値V1が4.35Vである場合、A/Dコンバータ231の検出電圧値が4.345V〜4.355Vの範囲内であれば、MPU21は、第1の制御IC2が正常に動作したと判断する。また、A/Dコンバータ231の検出電圧値が4.345Vより小さい場合、又はA/Dコンバータ231の検出電圧値が4.355Vよりも大きい場合、MPU21は、第1の制御IC2が正常に動作しなかったと判断する。
A/Dコンバータ231の検出電圧値が正常範囲内である場合、MPU21は、第1の制御IC2が正常に動作したことを示す検査結果をメモリ25に記憶する。一方、A/Dコンバータ231の検出電圧値が正常範囲内でない場合、MPU21は、第1の制御IC2が正常に動作しなかったことを示す検査結果をメモリ25に記憶する。
その後、MPU21は、第2の制御IC3の動作を確認するため、D/Aコンバータ22の出力電圧を再度降下させ、二次電池Vb1の端子電圧を再度擬似的に上昇させる。MPU21は、二次電池Vb1の電圧値が予め設定されている第2の過充電保護電圧値V2に達し、FETQ3がオンされたか否かを判断する。具体的には、MPU21は、コンパレータ24からの出力信号がハイレベルからローレベルに切り替わったことを検出し、FETQ3がオンされたと判断する。ここで、FETQ3がオンされていないと判断された場合、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧をさらに降下させ、二次電池Vb1の端子電圧をさらに上昇させる。
FETQ3がオンされたと判断された場合、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させるのを停止する。そして、MPU21は、FETQ3がオンされたときの二次電池Vb1の電圧値が正常範囲内であるか否かを確認する。すなわち、MPU21は、FETQ3がオンされたときのA/Dコンバータ231の検出電圧値が正常範囲内であるか否かを確認する。なお、正常範囲内とは、例えば第2の過充電保護電圧値V2±0.05Vの範囲内である。例えば、第2の過充電保護電圧値V2が4.45Vである場合、A/Dコンバータ231の検出電圧値が4.445V〜4.455Vの範囲内であれば、MPU21は、第2の制御IC3が正常に動作したと判断する。また、A/Dコンバータ231の検出電圧値が4.445Vより小さい場合、又はA/Dコンバータ231の検出電圧値が4.455Vよりも大きい場合、MPU21は、第2の制御IC3が正常に動作しなかったと判断する。
A/Dコンバータ231の検出電圧値が正常範囲内である場合、MPU21は、第2の制御IC3が正常に動作したことを示す検査結果をメモリ25に記憶する。一方、A/Dコンバータ231の検出電圧値が正常範囲内でない場合、MPU21は、第2の制御IC3が正常に動作しなかったことを示す検査結果をメモリ25に記憶する。
次に、MPU21は、スイッチSW1を端子CN1から端子OFFに切り換える。これにより、二次電池Vb1の電圧値が0となり、論理回路31は、FETQ3をオフする信号を出力する。FETQ3がオフされると、温度ヒューズF1への電流供給が停止される。次に、MPU21は、FETQ1をオンする制御信号を出力する。
そして、二次電池Vb2〜Vb4が過剰に充電された場合についても、二次電池Vb1と同様にして第1の制御IC2及び第2の制御IC3が正常に動作するかが確認される。なお、二次電池Vb2が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査する場合、MPU21は、スイッチSW1を端子CN1に接続し、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、二次電池Vb2の端子電圧を擬似的に上昇させる。また、二次電池Vb3が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査する場合、MPU21は、スイッチSW1を端子CN2に接続し、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させることで、二次電池Vb3の端子電圧を擬似的に上昇させる。さらに、二次電池Vb4が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査する場合、MPU21は、スイッチSW1を端子CN2に接続し、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、二次電池Vb4の端子電圧を擬似的に上昇させる。
次に、検査結果を確認するため、パーソナルコンピュータは、外部接続端子13から検査結果の取得を要求する検査結果取得要求を送信する。MPU21は、検査結果取得要求を受信すると、全ての二次電池Vb1〜Vb4についての検査が終了しているか否かを判断する。全ての二次電池Vb1〜Vb4についての検査が終了していないと判断された場合、MPU21は、その旨パーソナルコンピュータへ返信する。その後、所定時間経過後、パーソナルコンピュータは、検査結果取得要求を再度送信する。
一方、全ての二次電池Vb1〜Vb4についての検査が終了していると判断された場合、MPU21は、検査結果をメモリ25から読み出し、パーソナルコンピュータへ送信する。パーソナルコンピュータは、受信した検査結果をモニタに表示する。検査員は、表示された検査結果を確認することにより、二次電池Vb1〜Vb4が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査することができる。
このように、第1の制御IC2のMPU21は、A/Dコンバータ231〜234によって検出される二次電池Vb1〜Vb4の電圧値が、予め設定される第1の過充電保護電圧値V1に達した場合に二次電池Vb1〜Vb4の給電経路上に配設されたFETQ1をオフする。この第1の制御IC2が正常に動作するかを検査する検査時において、MPU21は、二次電池Vb1〜Vb4に接続され、二次電池Vb1〜Vb4の端子電圧をデジタル値からアナログ値に変換するD/Aコンバータ22の出力電圧を変化させ、二次電池Vb1〜Vb4の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させる。そして、MPU21は、A/Dコンバータ231〜234によって検出される電圧が第1の過充電保護電圧値V1に達した場合にMPU21の保護動作が実行されることを確認する。
したがって、二次電池Vb1〜Vb4に接続されるD/Aコンバータ22の出力電圧を変化させ、二次電池Vb1〜Vb4の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させるので、二次電池Vb1〜Vb4に電圧を印加するための電源を備える検査装置を接続することなく、二次電池Vb1〜Vb4の過充電を保護する保護回路の動作を確実に検査することができる。また、特別な検査装置が不要となるので、実際の市場において保護回路の検査を行うことができる。さらに、従来必要であった高価で高性能な検査装置が不要となる。
また、第2の制御IC3は、二次電池Vb1〜Vb4の電圧値と、第1の過充電保護電圧値V1よりも大きい第2の過充電保護電圧値V2とを比較し、二次電池Vb1〜Vb4の電圧値が第2の過充電保護電圧値V2よりも大きい場合に、二次電池Vb1〜Vb4の給電経路上に配設された温度ヒューズF1を溶断するFETQ3をオンする。この第2の制御IC3が正常に動作するかを検査する検査時において、第1の制御IC2のMPU21は、二次電池Vb1〜Vb4に接続されるD/Aコンバータ22の出力電圧を変化させ、二次電池Vb1〜Vb4の端子電圧を第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させる。そして、MPU21は、A/Dコンバータ231〜234によって検出される電圧が第2の過充電保護電圧値V2に達した場合に第2の制御IC3の保護動作が実行されることを確認する。したがって、第1の制御IC2が正常に動作しなかった場合に充電電流を確実に遮断する第2の制御IC3の動作についても確実に検査することができる。
さらに、スイッチSW1は、D/Aコンバータ22の出力端子の接続先を、複数の二次電池Vb1〜Vb4のうちの1の二次電池に切り替える。したがって、複数の二次電池Vb1〜Vb4が直列に接続されている場合であっても、個々の二次電池に対して過剰に充電されたときの保護回路の動作を検査することができる。
さらにまた、A/Dコンバータ231〜234は、直列に接続された二次電池Vb1〜Vb4の各二次電池の正極に接続される。複数の二次電池が偶数個である場合、複数の二次電池のうちの2つを1つの組とし、各組の二次電池のうちの1の二次電池の負極と他の二次電池の正極との間にスイッチSW1の端子が接続される。そして、スイッチSW1は、D/Aコンバータ22の出力端子の接続先を、二次電池Vb1の負極と二次電池Vb2の正極との間に接続される端子CN1と、二次電池Vb3の負極と二次電池Vb4の正極との間に接続される端子CN2とに切り替える。MPU21は、スイッチSW1を端子CN1に切り替え、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させることで、二次電池Vb1の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させる。また、MPU21は、スイッチSW1を端子CN1に切り替え、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、二次電池Vb2の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させる。さらに、MPU21は、スイッチSW1を端子CN2に切り替え、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させることで、二次電池Vb3の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させる。さらにまた、MPU21は、スイッチSW1を端子CN2に切り替え、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、二次電池Vb4の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させる。MPU21は、A/Dコンバータ231〜234によって検出される電圧が第1の過充電保護電圧値V1に達した場合に二次電池Vb1〜Vb4に対する保護動作が実行されることを確認する。
したがって、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下又は上昇させることで、各二次電池の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させることができ、複数の二次電池Vb1〜Vb4が直列に接続されている場合であっても、個々の二次電池に対して過剰に充電されたときの第1の制御IC2の保護動作を容易に検査することができる。
また、MPU21は、スイッチSW1を端子CN1に切り替え、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させることで、二次電池Vb1の端子電圧を第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させる。また、MPU21は、スイッチSW1を端子CN1に切り替え、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、二次電池Vb2の端子電圧を第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させる。さらに、MPU21は、スイッチSW1を端子CN2に切り替え、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下させることで、二次電池Vb3の端子電圧を第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させる。さらにまた、MPU21は、スイッチSW1を端子CN2に切り替え、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、二次電池Vb4の端子電圧を第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させる。そして、MPU21は、A/Dコンバータ231〜234によって検出される電圧が第2の過充電保護電圧値V2に達した場合に二次電池Vb1〜Vb4に対する保護動作が実行されることを確認する。
したがって、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下又は上昇させることで、各二次電池の端子電圧を第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させることができ、複数の二次電池Vb1〜Vb4が直列に接続されている場合であっても、個々の二次電池に対して過剰に充電されたときの第2の制御IC3の保護動作を容易に検査することができる。
また、メモリ25に検査結果が記憶されるので、検査員又はユーザは、検査終了後にこの検査結果を読み出して確認することができる。また、検査結果を読み出すだけで検査判定を行うことができるので、検査時間を短縮することができる。また、MPU21によって、検査結果がパーソナルコンピュータ等の外部機器へ送信されるので、検査員又はユーザは、外部機器により検査結果を確認することができる。
なお、第1の制御IC2及び第2の制御IC3の少なくとも一方が正常に動作しなかったという検査結果が得られた場合、MPU21は、FETQ1,Q2をオフしてもよい。この場合、検査員は、検査実施後の電池パックからの出力端子電圧が出ていないことを確認することにより、第1の制御IC2及び第2の制御IC3の少なくとも一方が正常に動作しなかったことを簡単に知ることができる。
また、本実施の形態では、電池パックの製造工場内における検査について説明しているが、本発明は特にこれに限定されず、実際の市場において自己検査してもよい。例えば、タイマを用いて定期的に検査を行ってもよい。この場合、MPU21は、定期的に検査モードに移行し、第1の制御IC2及び第2の制御IC3の過充電保護動作の検査を行い、検査結果をメモリ25に記憶する。また、電池パックが接続された機器の電源オフ時に検査を行ってもよい。この場合、電源がオフされたことを表す信号が機器からMPU21へ送信され、MPU21は、信号を受信すると検査モードに移行し、第1の制御IC2及び第2の制御IC3の過充電保護動作の検査を行い、検査結果をメモリ25に記憶する。
さらに、電池パックが充電装置に接続された場合に検査を行ってもよい。この場合、MPU21は、充電装置に接続されたことを検知して検査モードに移行し、第1の制御IC2及び第2の制御IC3の過充電保護動作の検査を行い、検査結果をメモリ25に記憶する。そして、表示部を備える機器に電池パックが接続された場合、又は電池パックが接続された機器の電源がオンされた場合、MPU21は、メモリ25から検査結果を読み出し、機器側へ送信する。機器は、受信した検査結果を表示部に表示する。ユーザは、表示された検査結果を確認することにより、二次電池Vb1〜Vb4が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査することができる。
さらにまた、本実施の形態では4個の二次電池を直列に接続しているが、本発明は特にこれに限定されず、3個の二次電池を直列に接続してもよい。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る別の電池パックの構成を示す図である。なお、図2において、図1と同じ構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図2に示す電池パック1は、第1の制御IC2、第2の制御IC3、外部接続端子11〜14、複数の二次電池Vb1〜Vb3、FETQ1,Q2,Q3及び温度ヒューズF1を備えて構成される。外部接続端子11は、温度ヒューズF1、FETQ1及びFETQ2を介して二次電池Vb1〜Vb3の正極に接続され、外部接続端子12は、二次電池Vb1〜Vb3の負極に接続される。
第1の制御IC2は、MPU21、D/Aコンバータ22、A/Dコンバータ231〜233、コンパレータ24、メモリ25及びスイッチSW1を備える。スイッチSW1は、MPU21からの制御に基づき、D/Aコンバータ22の出力先を端子OFF、端子CN1及び端子CN2のいずれかに切り換える。端子CN1は、二次電池Vb1の負極と二次電池Vb2の正極との間に接続され、端子CN2は、二次電池Vb3の正極に接続されている。第2の制御IC3は、論理回路31、コンパレータM1〜M3及び基準電圧源E1〜E3を備える。
ここで、図2に示す電池パック1の動作について説明する。なお、二次電池Vb1,Vb2が過剰に充電された場合における検査については図1に示す電池パック1の検査と同じであるので説明を省略する。二次電池Vb3が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査する場合、MPU21は、スイッチSW1を端子CN2に接続し、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、二次電池Vb3の端子電圧を擬似的に上昇させる。
すなわち、複数の二次電池Vb1,Vb2,Vb3が奇数個である場合、複数の二次電池のうちの2つ(二次電池Vb1,Vb2)を1つの組とし、各組の二次電池のうちの1の二次電池Vb1の負極と他の二次電池Vb2の正極との間にスイッチSW1の端子CN1が接続され、さらに残りの1つの二次電池Vb3の正極にスイッチSW1の端子CN2が接続される。二次電池Vb3が検査対象である場合、MPU21は、検査対象となる二次電池Vb3の正極に接続されている端子CN2に切り替えるようにスイッチSW1へ指示し、スイッチSW1は、D/Aコンバータ22の出力端子の接続先を端子CN2に切り替える。そして、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、残りの1つの二次電池Vb3の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1まで擬似的に上昇させる。MPU21は、A/Dコンバータ233によって検出される電圧が第1の過充電保護電圧値V1に達した場合に二次電池Vb3に対する第1の制御IC2の保護動作が実行されることを確認する。
また、MPU21は、D/Aコンバータ22の出力電圧を上昇させることで、残りの1つの二次電池Vb3の端子電圧を第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させる。そして、MPU21は、A/Dコンバータ233によって検出される電圧が第2の過充電保護電圧値V2に達した場合に二次電池Vb3に対する第2の制御IC3の保護動作が実行されることを確認する。
したがって、D/Aコンバータ22の出力電圧を降下又は上昇させることで、各二次電池の端子電圧を第1の過充電保護電圧値V1及び第2の過充電保護電圧値V2まで擬似的に上昇させることができ、複数の二次電池Vb1〜Vb3が直列に接続されている場合であっても、個々の二次電池に対して過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の保護動作を容易に検査することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、検査結果のみを外部機器へ送信しているが、第2の実施の形態では、検査結果に電池パックを識別するための識別情報を付加して外部機器へ送信する。
図3は、本発明の第2の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。図3に示す検査システムは、電池パック1、パーソナルコンピュータ4及びサーバ5を備える。電池パック1は、パーソナルコンピュータ4に接続され、パーソナルコンピュータ4の電源として機能する。パーソナルコンピュータ4とサーバ5とはネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。なお、ネットワーク6は、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
図4は、本発明の第2の実施の形態における電池パックの構成を示す図である。なお、図4において、図1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。第2の実施の形態における電池パック1では、第1の実施の形態における電池パック1の構成に加えて、第1の制御IC2が暗号ID記憶部26をさらに備えている。
暗号ID記憶部26は、電池パックを識別するための識別情報(ID)を暗号化した暗号IDを記憶する。MPU21は、メモリ25に記憶されている検査結果と、暗号ID記憶部26に記憶されている暗号IDとをパーソナルコンピュータ4へ送信する。電池パック1とパーソナルコンピュータ4とは、外部接続端子13,14により互いに通信可能に接続されている。パーソナルコンピュータ4は、受信した検査結果と暗号IDとをネットワーク6を介してサーバ5へ送信する。なお、本実施の形態において、暗号ID記憶部26が識別情報記憶手段の一例に相当し、サーバ5が外部機器の一例に相当する。
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるサーバの構成を示す図である。サーバ5は、通信部51、復号化部52、認証部53、ID記憶部54及びデータ記憶部55を備える。通信部51は、パーソナルコンピュータ4によって送信された検査結果と暗号IDとを受信する。復号化部52は、通信部51によって受信された暗号IDを復号化する。具体的には、復号化部52は、IDを暗号化する際に用いた暗号鍵により暗号IDを復号化する。ID記憶部54は、複数の電池パックのIDを記憶する。認証部53は、復号化部52によって復号化されたIDと、ID記憶部54に記憶されているIDとを比較し、一致すれば認証成功と判定し、一致しなければ認証失敗と判定する。認証部53は、認証部53によって認証成功と判定されたIDと、通信部51によって受信された検査結果とを対応付けてデータ記憶部55に記憶する。なお、認証部53によって認証失敗と判定された場合、IDと検査結果とは破棄される。そして、サーバ5は、データ記憶部55に記憶されたID及び検査結果に基づいて電池パックを保守・管理する。
このように、暗号ID記憶部26は、電池パック1を特定するための識別情報を記憶しており、MPU21は、暗号ID記憶部26に記憶されている識別情報を付加した検査結果をサーバ等の外部機器へ送信する。したがって、検査員又はユーザは、検査結果に付加された識別情報を確認することにより、正常に動作しないことが確認された電池パックを特定することができる。
また、暗号ID記憶部26は、暗号化された識別情報を記憶しており、MPU21は、暗号化された識別情報を付加した検査結果をサーバ等の外部機器へ送信するので、情報の秘匿性を高めることができる。
また、サーバ5は表示部をさらに備え、データ記憶部55に記憶されているIDと検査結果とを表示部に表示してもよい。この場合、検査員は、表示された検査結果を確認することにより、動作が正常でない電池パックを特定することができる。
さらに、ID記憶部54は、IDと、IDに対応する電池パックを所有するユーザに関するユーザ情報とを対応付けて記憶し、データ記憶部55は、IDと検査結果とユーザ情報とを対応付けて記憶してもよい。なお、ユーザ情報には、ユーザの氏名及びメールアドレス等が含まれる。そして、サーバ5は、データ記憶部55に記憶されている検査結果を、当該検査結果に対応付けられているメールアドレスへ送信してもよい。
さらにまた、本実施の形態では、暗号化したIDを検査結果に付加してサーバ5へ送信しているが、本発明は特にこれに限定されず、暗号化していないIDを検査結果に付加してサーバへ送信してもよい。この場合、情報の秘匿性は低くなるが、サーバ5の復号化部52が不要となり、サーバ5におけるデータ処理速度を向上させることができる。
また、第2の実施の形態における検査処理は、タイマを用いて定期的に行ってもよく、電池パック1が接続された機器の電源オフ時に行ってもよく、電池パック1が充電装置に接続された場合に行ってもよい。
さらに、本実施の形態では4個の二次電池を直列に接続しているが、本発明は特にこれに限定されず、3個の二次電池を直列に接続してもよい。図6は、本発明の第2の実施の形態に係る別の電池パックの構成を示す図である。なお、図6において、図2及び図4と同じ構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、図6における電池パック1の動作は、図2の電池パック1の動作と同じであるので説明を省略する。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、ネットワークを介してサーバへ検査結果を送信しているが、第3の実施の形態では、検査結果を無線通信により検査装置へ送信する。
図7は、本発明の第3の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。図7に示す検査システムは、電池パック1及び検査装置7を備える。なお、図7において、図1及び図4と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
第3の実施の形態における電池パック1では、第2の実施の形態における電池パック1の構成に加えて、第1の制御IC2が無線通信部28をさらに備えている。無線通信部28は、メモリ25に記憶されている検査結果と、暗号ID記憶部26に記憶されている暗号IDとをアンテナ281を介して検査装置7へ送信する。
また、図7において、二次電池Vb4の負極と外部接続端子12との間には電流検出用の抵抗Rsが接続されており、抵抗Rsの両端にオペアンプ27が接続されており、オペアンプ27の出力端子はMPU21に接続されている。オペアンプ27は、二次電池Vb1〜Vb4に通電される充電電流或いは放電電流を検出し、検出データをMPU21へ出力する。MPU21は、オペアンプ27から出力される検出データに基づいて、充電中又は放電中であるかを確認する。すなわち、MPU21は、検査モードに移行する際に、充電中又は放電中であるかを確認し、充電中又は放電中である場合、検査モードに移行するのを停止する。これにより、充電中又は放電中に第1の制御IC2及び第2の制御IC3の過充電保護動作を検査するのを防止することができる。
図8は、本発明の第3の実施の形態における検査装置7の構成を示す図である。図8に示す検査装置7は、無線通信部71、復号化部72、認証部73、ID記憶部74、データ記憶部75及び表示部76を備える。
無線通信部71は、第1の制御IC2の無線通信部28によって送信された検査結果と暗号IDとをアンテナ70を介して受信する。復号化部72は、無線通信部71によって受信された暗号IDを復号化する。具体的には、復号化部72は、IDを暗号化する際に用いた暗号鍵により暗号IDを復号化する。ID記憶部74は、複数の電池パックのIDを記憶する。認証部73は、復号化部72によって復号化されたIDと、ID記憶部74に記憶されているIDとを比較し、一致すれば認証成功と判定し、一致しなければ認証失敗と判定する。認証部73は、認証部73によって認証成功と判定されたIDと、無線通信部71によって受信された検査結果とを対応付けてデータ記憶部75に記憶する。なお、認証部73によって認証失敗と判定された場合、IDと検査結果とは破棄される。表示部76は、データ記憶部75に記憶されているIDと検査結果とを表示する。
ここで、検査装置7による検査結果取得処理について説明する。まず、無線通信部71は、検査結果取得要求を電池パック1へ送信する。電池パック1の無線通信部28は、無線通信部71によって送信された検査結果取得要求を受信してMPU21へ出力する。MPU21は、検査結果取得要求が入力されると、メモリ25に記憶されている検査結果と、暗号ID記憶部26に記憶されている暗号IDとを読み出して無線通信部28へ出力する。そして、無線通信部28は、MPU21から入力された検査結果と暗号IDとを検査装置7へ送信する。
検査装置7の無線通信部71は、電池パック1の無線通信部28によって送信された検査結果と暗号IDとを受信する。次に、復号化部72は、無線通信部71によって受信された暗号IDを復号化する。認証部73は、復号化部72によって復号化されたIDと、ID記憶部74に記憶されているIDとを比較する。ここで、復号化されたIDに一致するIDがID記憶部74に記憶されている場合、認証部73は、認証成功と判定し、認証したIDと、無線通信部71によって受信された検査結果とを対応付けてデータ記憶部75に記憶する。一方、復号化されたIDに一致するIDがID記憶部74に記憶されていない場合、認証部73は、認証失敗と判定し、IDと検査結果とを破棄する。次に、表示部76は、データ記憶部75に記憶されているIDと検査結果とを読み出して表示する。
このようにして、検査員は、表示された検査結果を確認することにより、二次電池Vb1〜Vb4が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査することができる。また、検査結果が電池パックのIDとともに表示されるので、正常に動作しなかったという検査結果が得られた電池パックを特定することができる。
また、無線通信により検査結果が検査装置7等の外部機器へ送信されるので、検査結果を取得するための外部機器を直接接続する必要が無く、非接触で検査結果を取得することができる。さらに、無線通信により検査結果が検査装置7へ送信されるので、電池パックが箱に梱包された状態で検査を行い、検査結果を取得することができる。
なお、本実施の形態では、暗号化したIDを検査結果に付加して検査装置7へ送信しているが、本発明は特にこれに限定されず、暗号化していないIDを検査結果に付加して検査装置7へ送信してもよい。この場合、情報の秘匿性は低くなるが、検査装置7の復号化部72が不要となり、検査装置7におけるデータ処理速度を向上させることができる。
また、本実施の形態では4個の二次電池を直列に接続しているが、本発明は特にこれに限定されず、3個の二次電池を直列に接続してもよい。図9は、本発明の第3の実施の形態に係る別の検査システムの構成を示す図である。なお、図9において、図2及び図4と同じ構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、図9における電池パック1の動作は、図2の電池パック1の動作と同じであるので説明を省略する。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、検査結果をLED(Light Emitting Diode)等により表示する。図10は、本発明の第4の実施の形態における電池パックの構成を示す図である。なお、図10において、図1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
第4の実施の形態における電池パック1は、第1の実施の形態における電池パック1の構成に加えて、LED8をさらに備える。MPU21は、第1の制御IC2及び第2の制御IC3の少なくとも一方が正常に動作しなかったという検査結果が得られた場合、LED8を点灯させる。第4の実施の形態における検査処理は、第1の実施の形態と同じであるので説明を省略する。このように、ユーザは、LED8の点灯状態を確認することにより、二次電池Vb1〜Vb4が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査することができる。
なお、第4の実施の形態における検査処理は、タイマを用いて定期的に行ってもよく、電池パック1が接続された機器の電源オフ時に行ってもよく、電池パック1が充電装置に接続された場合に行ってもよい。
また、電池パック1は、検査結果のみを表示するためのLEDを設けてもよいが、二次電池の残容量を表示するためのLEDを電池パック1が備える場合、このLEDに検査結果を表示してもよい。この場合、MPU21は、検査結果表示の際の表示色を残容量表示の際の表示色とは異なる色で表示する。また、この場合、MPU21は、検査結果表示の際の表示パターンを残容量表示の際の表示パターンとは異なるパターンで表示してもよい。
さらに、電池パック1は、第1の制御IC2が正常に動作しなかったという検査結果が得られた場合に点灯させるLEDと、第2の制御IC3が正常に動作しなかったという検査結果が得られた場合に点灯させるLEDとを備えてもよい。
このように、MPU21は、第1の制御IC2又は第2の制御IC3の保護動作が実行されないことが確認された場合、LED8を発光させる。したがって、検査員又はユーザは、LED8が発光したことを確認することにより、第1の制御IC2又は第2の制御IC3の保護動作が実行されなかったことを確認することができる。
さらにまた、本実施の形態では4個の二次電池を直列に接続しているが、本発明は特にこれに限定されず、3個の二次電池を直列に接続してもよい。図10は、本発明の第4の実施の形態に係る別の電池パックの構成を示す図である。なお、図10において、図2及び図4と同じ構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、図10における電池パック1の動作は、図2の電池パック1の動作と同じであるので説明を省略する。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では、検査結果に応じてLEDを点滅させ、検査装置でLEDの点滅状態を検出して検査結果を検出し、検出された検査結果を検査員又はユーザに報知する。図12は、本発明の第5の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。なお、図12において、図1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。また、第5の実施の形態における検査処理は、第1の実施の形態と同じであるので説明を省略する。
第5の実施の形態における検査システムは、電池パック1及び検査装置9を備える。電池パック1は、LED8をさらに備える。MPU21は、検査結果をメモリ25から読み出し、読み出した検査結果に応じてLED8を点滅制御する。
図13は、本発明の第5の実施の形態における検査装置の構成を示す図である。検査装置9は、光検出部91、データ処理部92及び表示部93を備える。光検出部91は、LED8によって出力された光を受光し、電気信号に変換してデータ処理部92へ出力する。データ処理部92は、光検出部91から入力されたデータを処理し、LED8の点滅状態から検査結果を検出し、表示部93へ出力する。表示部93は、データ処理部92から入力された検査結果を表示する。ユーザは、表示された検査結果を確認することにより、二次電池Vb1〜Vb4が過剰に充電されたときの第1の制御IC2及び第2の制御IC3の動作を検査することができる。
このように、MPU21は、メモリ25に記憶されている検査結果に応じてLED8を点滅させる。したがって、検査装置9等の外部機器は、LED8の点滅状態を検出することにより検査結果を取得することができ、MPU21は、非接触で検査結果を送信することができる。
なお、本実施の形態では、可視光を出力するLED8を点滅させることにより、検査結果を検査装置9へ送信しているが、本発明は特にこれに限定されず、赤外光を用いて検査結果を検査装置9へ送信してもよい。
また、本実施の形態では4個の二次電池を直列に接続しているが、本発明は特にこれに限定されず、3個の二次電池を直列に接続してもよい。図14は、本発明の第5の実施の形態に係る別の検査システムの構成を示す図である。なお、図14において、図2及び図4と同じ構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、図14における電池パック1の動作は、図2の電池パック1の動作と同じであるので説明を省略する。
なお、第1〜第5の実施の形態において、電池パック1は、直列に接続した3個又は4個の二次電池を備えているが、本発明は特にこれに限定されず、1個又は2個の二次電池を備えてもよく、また5個以上の二次電池を備えてもよい。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態では、上記の第1〜5の実施の形態における電池パックを複数個直列に接続して電池パックユニットを構成する。
図15は、本発明の第6の実施の形態における電池パックユニットの構成を示す図である。図15に示す電池パックユニット10は、複数個の電池パック1a,1b,1cが直列に接続されている。電池パックユニット10は、例えばPC、電動自転車及び電動バイク等の外部機器4aに接続されている。外部機器4aと各電池パック1a,1b,1cとは、制御線101a,101b,101cを介して互いに通信可能に接続されている。制御線101a,101b,101cは、データライン及びクロックラインを含み、それぞれ電池パック1a,1b,1cの外部端子13,14に接続される。
また、電池パック1aの外部端子(プラス端子)11は外部機器4aに接続され、電池パック1aの外部端子(マイナス端子)12は電池パック1bの外部端子11に接続される。電池パック1bの外部端子12は電池パック1cの外部端子11に接続され、電池パック1cの外部端子12は外部機器4aに接続される。
電池パック1a,1b,1cの構成は、第1〜5の実施の形態における電池パック1の構成と同じである。各電池パック1a,1b,1cは、それぞれN(N=1〜8の整数)個の二次電池を備える。
なお、図15における電池パックユニット10は、3つの電池パックで構成されるが、本発明は特にこれに限定されず、2つ又は4つ以上の電池パックで構成してもよい。また、各電池パックの二次電池の数は、1〜8個に限定されず、8個よりも多い二次電池を接続してもよい。
さらに、本実施の形態における電池パックユニット10は、N(N=1〜8の整数)個の二次電池を備える電池パック1a,1b,1cで構成されるが、本発明は特にこれに限定されず、N(N=2〜8の整数)個の二次電池を直列に接続した電池パック1aと、(N−1)個の二次電池を直列に接続した電池パック1b,1cとで電池パックユニット10を構成してもよい。
この場合、電池パックユニットは、N(N=2〜8の整数)個の二次電池を直列に接続した電池パックと、(N−1)個の二次電池を直列に接続した少なくとも1個の電池パックとで構成され、負荷機器が所望する種々の電圧に対応することができる。なお、二次電池の数Nは2〜8個に限定されず、8個より多くてもよい。
さらにまた、本実施の形態において、外部機器4aと各電池パック1a,1b,1cとは、別々の制御線101a,101b,101cを介して互いに通信可能に接続されているが、本発明は特にこれに限定されず、1本の制御線を外部機器4aに接続し、当該制御線を電池パックの数に応じて分割して各電池パック1a,1b,1c接続してもよい。
さらにまた、外部機器4aと、複数の電池パックのうちの1の電池パックとを制御線を介して互いに通信可能に接続し、さらに1の電池パックと他の電池パックとを制御線を介して互いに通信可能に接続してもよい。他の電池パックを制御する場合、外部機器4aは、1の電池パックへ制御信号を出力し、1の電池パックは、他の電池パックへ当該制御信号を出力する。