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JP4801946B2 - 寿命推定方法 - Google Patents
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本発明は、帯電部材を帯電させる帯電部材又は該被帯電体の寿命推定方法に関する。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、像担持体である感光体を一様に帯電させる帯電工程、画像情報に基づき静電潜像を形成する露光工程、静電潜像をトナーによって顕像化する現像工程を経て感光体上にトナー像が形成される。そして、トナー像を転写材に転写する転写工程、転写材上のトナー像を定着させる定着工程を経て転写材上に画像が形成される。上記帯電工程では、従来からスコロトロン帯電器等の非接触方式の帯電装置が用いられてきたが、コロナ放電に伴いオゾン、NOx等の有害ガスが発生する。そこで、帯電部材である帯電ローラを感光体に当接させることによって、感光体を帯電させる接触帯電方式の帯電装置が用いられている。この接触帯電方式の帯電装置では、オゾン、NOx等の有害ガスの発生が少なく、装置を小型化することができる。しかし、転写後の残トナーが感光体から完全に除去されず残留した場合には、残トナーが帯電ローラに付着して帯電ローラの抵抗にバラツキが生じ、感光体の帯電電位にバラツキが生じて画像濃度ムラを引き起こす原因になっていた。
そこで、帯電ローラを感光体に電気的に非接触となるように近接させて配置する近接帯電方式の帯電装置が提案されている(例えば、特許文献1,2,3)。この近接帯電方式の帯電装置では、帯電ローラと感光体との間にギャップが形成されるので、帯電部材に残トナーが付着しにくい。
特開2002−108095号公報 特開2004−264792号公報 特開2005−4000号公報
上述した近接帯電方式においては、帯電ローラに直流電圧を重畳した交流電圧を印加することにより、感光体の帯電電位を目標の電圧にすることができる。このときの帯電条件のパラメータとしては、印加する直流電圧及び交流電圧とその周波数、感光体や帯電ローラの電気特性、感光体と帯電ローラとの間隔がある。印加する交流電圧は、放電を起こすことができる感光体と帯電ローラの距離を決める。印加する交流電圧が大きいほど、感光体と帯電ローラの間隔が大きくなっても放電を起こすことができる。つまり、印加する交流の電圧が大きいほど、帯電ローラの広い場所で放電が起き、感光体の帯電ムラを小さくすることができる。よって、現実には、感光体や帯電ローラに電気特性のバラツキ(抵抗ムラ等)があるため、印加する交流電圧は高めに設定されることが多い。しかし、放電はイオンや電子等の荷電粒子を感光体及び帯電ローラに浴びせることであるので、感光体及び帯電ローラの酸化劣化が生じる。印加する交流電圧が大きいと、荷電粒子の発生量は特に感光体と帯電ローラとの間隔が小さいところで多くなるため、その部分で感光体及び帯電ローラの酸化劣化が激しくなり、感光体及び帯電ローラを早期に交換しなければならなくなる。また、印加する交流電圧の周波数は、単位時間当たりに放電の起こすことができる回数を決める。つまり、印加する交流電圧の周波数が大きいほど感光体の帯電ムラを小さくすることができる。よって、前述したように、現実には、感光体や帯電ローラに電気特性のバラツキがあるため、印加する交流電圧の周波数は高めに設定されることが多い。しかし、交流電圧の周波数が大きいと感光体及び帯電ローラの酸化劣化が激しくなり、感光体及び帯電ローラを早期に交換しなければならなくなる。
また、感光体と帯電ローラとの距離が近すぎると放電は生じなくなり、パッシェン則によれば約7μm以下では放電は起こらない。現実には感光体の電気容量や帯電ローラの抵抗のため、放電が起こりはじめる感光体と帯電ローラの距離は大凡20μm以上といわれている。感光体と帯電ローラとの距離をμm単位で制御することが重要となるが、現実には帯電ローラはμm単位の表面粗さを持っているため、感光体の帯電ムラがなくなるように、印加する交流電圧とその周波数の値は高めに設定されることが多い。
このように、帯電工程では帯電ムラのない帯電条件を選ぶ必要があり、感光体や帯電ローラの電気特性や寸法のバラツキも考慮しながら帯電条件を決定するため、どうしても感光体や帯電ローラの劣化が生じやすい帯電条件を選びやすい。そのため、感光体や帯電ローラの寿命を短めに設定し、短い周期で感光体や帯電ローラを交換しなければいけなかった。
しかしながら、メンテナンス費用や交換費用を低減させるために、できるだけ穏やかな帯電条件を設定したい。ところが、これまでは、帯電(放電)がどこで生じているかを正確に見ることが難しかった。そのため、帯電条件の妥当性や、感光体と帯電ローラとの距離のバラツキ(寸法精度)や、感光体や帯電ローラの電気特性のバラツキといった帯電工程の良否を評価することが難しかった。感光体の帯電電位を測定することで帯電工程の良否をある程度推定することもできるが、感光体の帯電電位も数カ所の限られた場所でしか測定できず、帯電工程の良否を適正に評価できるものではなかった。また実際の画像形成では、感光体と帯電ローラとを回転させながら放電を行うため、基本的に感光体と帯電ローラの表面全面が均一に酸化分解される。そのため、帯電工程の良否(感光体や帯電ローラの良否や寿命等)を評価しようとすると、感光体や帯電ローラの径の減少が確認できるまで放電を行わなければならず、非常に長い時間を要する。また、感光体や帯電ローラの径の減少量は小さいため、評価の信頼性が低かった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、被帯電部材を帯電させる帯電部材又は該被帯電体の寿命を容易にかつ適正に評価することができる寿命推定方法を提供することである
上記目的を達成するために、請求項1の寿命推定方法は、帯電部材と該帯電部材に電気的に非接触で配置された被帯電体との少なくとも一方を停止させ、該帯電部材に一定時間直流電圧を重畳した交流電圧を印加して該被帯電体を帯電させ、放電による酸化分解でエッチングされて該帯電部材又は該被帯電体に生じる放電痕の深さを測定し、測定した深さにより該帯電部材又は該被帯電体の寿命を推定する寿命推定することを特徴とするものである
求項の帯電工程評価方法は、請求項1の寿命推定方法において、上記被帯電体は画像形成に用いる感光体であり、上記帯電部材は感光体に電気的に非接触に配置され、直流電圧を重畳した交流電圧を印加して感光体を帯電させる帯電ローラであることを特徴とするものである
本発明者らは、帯電工程が良好に作動しているかどうかを容易に評価する方法がないか、鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見出した。被帯電体に電気的に非接触で配置された帯電部材に直流電圧を重畳した交流電圧を印加することにより被帯電体を帯電する帯電工程では、放電による一部のエネルギーは被帯電体や帯電部材の有機物のC−C結合を切断するほど高い。そのため、被帯電体と帯電部材との少なくとも一方を停止させ直流電圧を重畳した交流電圧を印加すれば、被帯電体や帯電部材とが対向する箇所だけで放電が起こり他の箇所では放電が起きず、停止している被帯電体や帯電部材にスジ状の欠陥部いわゆる放電痕が発生する。この放電痕を見れば、例えば帯電条件の妥当性、被帯電体と帯電部材との電気特性のバラツキ、被帯電体と帯電部材との距離のバラツキ等といった帯電工程の良否を容易且つ適正に評価することができる。
本発明によれば、被帯電部材を帯電させる帯電部材又は該被帯電体の寿命を容易にかつ適正に推定することができる寿命推定方法を提供できるという優れた効果がある。
以下、本実施形態に係る帯電工程の評価方法について説明する。先ず、本実施で評価される被帯電体である感光体及び帯電部材である帯電ローラが搭載される画像形成装置の構成について説明する。図1は、画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機等として構成される。この画像形成装置は、図示しない本体筐体内に被帯電である感光体1が配置され、図1中時計方向に回転駆動され、その表面が矢印A方向に移動する。この感光体1は、ドラム状の導電性ベース2の外周面に感光層3が積層された感光体より成る。なお、感光体としては、複数のローラに巻きかけられて走行駆動されるベルト状の感光体や、誘電体よりなるドラム状又はベルト状の感光体を用いることもできる。この感光体1の周囲には、除電ランプ4,帯電装置5、レーザ書き込みユニット6、現像装置7、転写装置8、クリーニング装置12が配置される。
上記構成の画像形成装置において、画像形成動作時には感光体1が回転駆動され、感光体1表面に除電ランプ4からの光が照射されてその表面が初期化され、次いで後述する帯電装置5によって感光体1表面が所定の極性に帯電される。帯電装置5によって帯電された感光体1表面には、露光装置の一例であるレーザ書き込みユニット6から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって感光体1表面に静電潜像が形成される。次いで、この静電潜像は、現像装置7を通るとき、所定の極性に帯電されたトナーによってトナー像として可視像化される。一方、感光体1に対置された転写装置8と感光体1との間に、所定のタイミングで、例えば転写紙より成る転写材Pが給送され、このとき感光体1上に形成されたトナー像が転写材P上に静電的に転写される。トナー像を転写された転写材Pは、引き続き定着装置9の定着ローラ10と加圧ローラ11の間を通り、このとき熱と圧力の作用によってトナー像が転写材P上に定着される。転写材Pに転写されずに感光体1表面に残された転写残トナーは、クリーニング装置12によって除去される。
上記帯電装置5は、移動する帯電体面、図示した例では感光体1の表面に対向配置された帯電部材である帯電ローラ13と、その帯電ローラ13に電圧を印加する電源14とを有している。この電源14により、直流電圧を重畳した交流電圧が帯電ローラ13に印加され、帯電ローラ13と感光体1表面との間に放電を生じさせて感光体1表面を所定の極性に帯電する。帯電ローラ13は、例えば、円柱状の導電性の芯金(ステンレス鋼等)から構成される。帯電ローラの組み付け時等に、感光体と接触することにより感光体を傷つけてしまうことがあるため、芯金の外側にゴムあるいはプラスチックの材質からなる弾性層を設けてもよい。また、弾性層の上に高抵抗の薄層を設けてもよい。
上記帯電ローラ13は、感光体1表面に対して、電気的に非接触となるように例えば10μm乃至150μmの微小ギャップGをあけて対置されている。図2は、帯電ローラ13を感光体1表面から微小ギャップGをあけて対置させるための一構成例を示す構成図である。図2に示すように、例えば、帯電ローラ13には、その長手方向各端部領域にテープ20より成るスペーサが貼り付けられ、テープ20が感光体1表面に当接することによって、帯電ローラ13が感光体1表面に対して微小ギャップGを保っている。また、フランジ等を用いて、微小ギャップを確保することもできる。
本実施形態では、上記帯電装置5において帯電工程が良好に作動するかを、以下に示す方法により評価する。すなわち、感光体1と帯電ローラ13のどちらか一方又は両方を回転させずに、帯電ローラ13に一定時間直流電圧を重畳した交流電圧を印加すると、放電によるエネルギーの一部が感光体1や帯電ローラ13の有機物のC−C結合を切断し、感光体1と帯電ローラとが対向する場所のみに放電痕を形成する。この放電痕により帯電工程の良否を評価する。図3は、感光体表面の放電痕の形状を示す概念図である。図4は、感光体表面の放電痕の別の形状を示す概念図である。図3に示すように、例えば感光体1の表面に、感光体1の周方向に幅aの放電痕が1本形成されたとする。感光体1と帯電ローラ13の微小ギャップGに軸方向でバラツキがなければ、図3に示すように幅aは軸方向で一定である。また、部分的に感光体と帯電ローラの微小ギャップが放電限界よりも小さくなれば、その部分は放電が起こらないので、図4に示すように、幅a’、a’’をもつ放電痕が二本形成される。一方、感光体1と帯電ローラ13の微小ギャップGに軸方向でバラツキがある場合、放電痕の幅a、a’、a’’は一定にはならない。同様に、感光体1の電気容量ムラや帯電ローラ13の抵抗ムラでも、放電痕の形状が変化する。このように、放電痕の形状により、感光体1と帯電ローラ13の寸法精度・組み付け精度や電気特性のバラツキを容易に検証することができる。その結果、これら感光体1や帯電ローラ13を用いて通常の帯電を行った場合の帯電電位ムラの発生のし易さを容易に予測でき、帯電工程が良好に作動するかを容易且つ適正に評価することができる。
また、上述した帯電工程の評価方法では、感光体1と帯電ローラ13とが対向する場所のみで放電が起き、その場所のみで感光体1と帯電ローラ13の表面が酸化分解して径が小さくなる。一方、放電が生じていない場所では感光体1及び帯電ローラ13に全く変化がない。そのため、放電が生じていない箇所を基準にすれば、放電痕の場所の深さ情報を得ることが容易である。放電痕の深さ情報は、直接感光体1又は帯電ローラ13が放電により受けたダメージと考えてよく、放電による感光体1又は帯電ローラ13の膜厚減少から寿命に到る時間を容易に予測することができる。具体的には、放電痕の幅がammと分かれば、感光体1又は帯電ローラ13の径をbmmとすると、π・b/a倍の加速試験と考えるができる。例えば径が30mmの感光体1上に幅1.5mmの放電痕が生じたとすれば、π×30/1.5=62.8倍の加速実験に相当する。実際の画像形成では感光体1及び帯電ローラ13は回転して常に帯電が行われていない部分が常に来るため、帯電工程の評価方法に比べて放電は起こり難い、そのため、本実施形態に係る帯電工程の評価方法はさらなる加速試験となる。
また、上述した帯電工程の評価方法では、放電痕の幅をa(mm)、感光体1の線速をv(mm/s)、印加する交流電圧の周波数をf(Hz)とすると、v/f<aでないと帯電電位ムラが生じやすいことがわかる。図5は、感光体上で帯電電位ムラが生じない場合の放電痕の形状を示す概念図である。図6は、感光体上で帯電電位ムラが生じる場合の放電痕の形状を示す概念図である。図7は、放電痕が2本に分割され帯電電位ムラが生じる場合の放電痕の形状を示す概念図である。図5に示すように、放電痕がv/f<aを満たす場合には、帯電電位ムラが発生しにくく、感光体1の周方向で略均一な帯電電位を得ることができる。これに対して、図6に示すように、放電痕がv/f>aとなる場合には、感光体1の周方向で帯電電位ムラが生じやすく好ましくない。また、図7に示すように、感光体1と帯電ローラ13との間隔が小さく放電痕が2本に分割されてしまうような場合には、v/f>aであっても帯電電位ムラが生じてしまう。このような場合には、放電幅は幅a’、a’’(図4を参照)を用いるべきである。
また、実際には放電痕、すなわち放電が起こっている場所でも、感光体と帯電ローラとの距離が近い場所の方が遠い場所に比べて放電の密度が高いため、帯電電位に差が生じている。そのため、画像形成装置によって帯電電位の均一性の規格から、放電痕の幅aの値が小さく設定されることもある。この場合は、例えば放電痕の深さ情報から、一定の深さとなるような幅aを規定することができる。
放電痕の幅aを大きくするためには、印加する交流電圧(Vpp)を大きくしたり、感光体1と帯電ローラ13との間隔を小さくしたり、帯電ローラ13の径を大きくしたりすることが有効である。ただし、印加する交流電圧Vppを大きくしすぎると、感光体1と帯電ローラ13との距離が近い場所と遠い場所とで放電の起こる密度が異なり、放電が起こっている場所での帯電電位のムラがさらに大きくなる。そのため、不用意に印加する交流電圧Vppを大きくすることは好ましくない。本実施形態では、上述しように放電痕の深さ情報から放電が生じている場所での放電の強さを容易に求めることができるため、放電痕の深さ情報から印加する交流電圧Vppの妥当性を評価するとよい。
このように、本実施形態に係る帯電工程の評価方法によれば、放電痕をみれば、感光体や帯電ローラの電気特性のバラツキや寸法精度、また帯電ローラに印加する交流電圧やその周波数、及び感光体と帯電ローラとの間の微小ギャップ等の帯電条件の妥当性を容易に検証できる。また、感光体及び帯電ローラの放電痕の深さ情報により、各部材の寿命を予測することができる。さらには、帯電工程における感光体や帯電ローラそのものの良否を評価することもできる。具体的には、感光体や帯電ローラの様々な処方や、製造方法、保管条件を評価することができる。処方や製造方法が決まっている場合には、例えば各製造ロットでの納入検査等にも好適に用いることができる。
なお、本実施形態に係る帯電工程の評価方法においては、感光体1と帯電ローラ13の対向している部分以外は、何ら変化はないため、一組の感光体1と帯電ローラ13とを用いた評価を行った後、感光体1と帯電ローラ13とを僅かに回転させて、放電が起こっていない場所を対向させれば、新たな帯電工程の評価評価を行うことができる。なお、帯電工程の評価に用いた感光体1及び帯電ローラ13は放電痕が形成されているため、そのものが画像形成装置に搭載されるのでははなく新品の感光体1及び帯電ローラに替えられて画像形成装置に搭載されるのは言うまでもない。
また、本実施形態にかかる帯電工程の評価方法においては、帯電条件のパラメータに極端に大きな値を用いない限り、発熱等の異常は発生しない。しかし、長時間の試験をする場合等で、感光体1あるいは帯電ローラ13の有機物の部分が分解されてリークが発生することもあるので、評価に用いる電源には、過電流を検知すると電圧の供給を遮断する安全装置を完備していることが好ましい。
以下、帯電工程の評価方法について具体的な実施例を説明する。
[実施例1]
画像形成装置(imagio Neo C385(リコー製))のブラック用感光体ユニットの帯電ローラとして、3種類の帯電ローラを評価した。帯電ローラは、ステンレスの円柱にエピクロロヒドリンゴムを主成分とする導電性ゴムを貼り付けた構成をしており、エピクロロヒドリンゴムのゴム硬度が65、73、76の3種類のものである。感光体と帯電ローラとの微小ギャップは、帯電ローラの端部より15mmの位置に、幅10mm、厚さ55μmのギャップテープを貼り付けることにより構成した。そして、感光体の真上に帯電ローラを配置し、スプリングで帯電ローラを感光体に押付け、感光体と帯電ローラを回転させない条件で、感光体と帯電ローラの間に、−600Vの直流電圧に周波数780Hz、2400Vの交流電圧を5分間印加した。その結果、帯電ローラ及び感光体上に白スジの放電痕が生じた。帯電ローラの中央付近の放電痕を観察したところ、ゴム硬度が72、77の帯電ローラの放電痕は幅約1.5mmの一本のスジであったが、ゴム硬度が65の帯電ローラの放電痕は幅約0.6μmの何も変化がない部分の両側に、幅約0.6μmの2本のスジが観察された。この結果から、ゴム硬度65の帯電ローラは、均一な帯電を行うためには、ゴム硬度73、76の帯電ローラよりも周波数を高くしなければならず、好ましくないと評価された。
[実施例2]
実施例1のゴム硬度が65の帯電ローラについて、さらに20分帯電を行った。帯電ローラを観察したところ、ギャップテープを貼り付けた内側の15mmまでは放電痕は一本であったが、それより内側は2本であり、放電痕の間の何も変化のない領域の幅は帯電ローラの中央が最も広かった。
そこで、画像形成装置(imagio Neo C385(リコー製))にゴム硬度が65の新品の帯電ローラを搭載し、感光体と帯電ローラの両者を回転させ、−600Vの直流電圧に周波数780Hz、2400Vの交流電圧を印加して、すなわち通常の帯電を行った。帯電ローラの中央及びギャップテープを貼り付けた内側の15mmの位置に相当する感光体表面の帯電電位ムラを測定した。その結果、ギャップテープを貼り付けた内側の15mmの位置に相当する感光体表面の帯電電位ムラは8V以下であったが、中央に相当する感光体表面の帯電電位ムラは14Vであった。やはり、ゴム硬度が65の帯電ローラは本帯電工程では好ましくないと判断した。ゴム硬度が65の帯電ローラは、ギャップテープ付近ではギャップGを所定の大きさに維持できるが、硬度が小さく撓みやすいため中央付近ではギャップGが所定の大きさよりも小さくなってしまうからである。
[実施例3]
ゴム硬度が73の帯電ローラについて、実施例1と同様の条件で25分間帯電を行った。帯電ローラの中央付近の放電痕の深さを測定したところ、帯電ローラのエピクロロヒドリンゴム中に分散されている0.2〜1μmの添加剤が完全に露出していた。このことから、25分帯電を行うことにより、帯電ローラは約1μmエッチングされることが分かった。
[比較例1]
画像形成装置(imagio Neo C385(リコー製))にゴム硬度が73の新品の帯電ローラを搭載し、感光体と帯電ローラの両者を回転させ、−600Vの直流電圧に周波数780Hz、2400Vの交流電圧を印加して、帯電のみを5時間行った。帯電ローラの外形の測定を試みたが、帯電による外形の変化を測定することはできなかった。
実施例3では、放電痕の深さによりエッチングの速さを求め、帯電ローラの寿命を容易に推定することができたのに対して、比較例1では、帯電ローラの径の減少が少なく寿命を推定することが難しかった。
[実施例4]
ゴム硬度が76の帯電ローラについて、実施例1と同様の条件で印加する交流の周波数を780、950Hzとして60分間帯電を行った。帯電ローラの中央付近の放電痕の深さをレーザ顕微鏡VK−9500(キーエンス製)で測定したところ、周波数が780、950Hzのときにそれぞれ、2.2μm、2.8μmエッチングされていた。周波数が780Hzの方が帯電ローラの寿命が長いと評価された。
画像形成装置(imagio Neo C385(リコー製))にゴム硬度が76の新品の帯電ローラを搭載し、感光体と帯電ローラの両者を回転させ、−600Vの直流電圧に周波数780及び950Hz、2400Vの交流電圧を印加して帯電を行った。帯電ローラの中央の帯電ムラを測定したところ、どちらの周波数でも8V以下であるため、帯電条件として780Hzを採用した。
以上、本実施形態に係る帯電工程の評価方法によれば、被帯電体である感光体1又は帯電部材である帯電ローラ13に放電痕が形成されるため、放電が起きている場所が明瞭である。よって、帯電工程の良否を容易且つ適正に評価することができる。
また、本実施形態に係る帯電工程の評価方法によれば、放電痕の幅情報により、帯電電位ムラの発生や帯電条件の妥当性を検証でき、帯電工程の良否を容易且つ適正に評価することができる。
また、本実施形態に係る帯電工程の評価方法によれば、放電痕の深さ情報により、帯電電位ムラの発生や帯電条件の妥当性を検証でき、帯電工程の良否を容易且つ適正に評価することができる。
また、本実施形態に係る帯電工程の評価方法によれば、感光体や帯電ローラの寿命を予測することが容易であり、感光体や帯電ローラの交換時期を推定することが容易となる。
また、本実施形態に係る帯電工程の評価方法によれば、穏やかな帯電条件を選択でき、かつ適正な評価が行われた感光体や帯電ローラを画像形成装置に搭載することができる。
画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図。 感光体と帯電ローラとの構成を示す概略構成図。 感光体表面の放電痕の形状を示す概念図。 感光体表面の放電痕の別の形状を示す概念図。 感光体上で帯電電位ムラが生じない場合の放電痕の形状を示す概念図。 感光体上で帯電電位ムラが生じる場合の放電痕の形状を示す概念図。 放電痕が2本で帯電電位ムラが生じる場合の放電痕の形状を示す概念図。
符号の説明
1 感光体
13 帯電ローラ
20 テープ

Claims (2)

  1. 帯電部材と該帯電部材に電気的に非接触で配置された被帯電体との少なくとも一方を停止させ、該帯電部材に一定時間直流電圧を重畳した交流電圧を印加して該被帯電体を帯電させ、放電による酸化分解でエッチングされて該帯電部材又は該被帯電体に生じる放電痕の深さを測定し、測定した深さにより該帯電部材又は該被帯電体の寿命を推定する寿命推定方法。
  2. 求項1の寿命推定方法において、
    上記被帯電体は画像形成に用いる感光体であり、上記帯電部材は感光体に電気的に非接触に配置され、直流電圧を重畳した交流電圧を印加して感光体を帯電させる帯電ローラであることを特徴とする寿命推定方法
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